私たちは、企業の商品を購入したり、サービスを利用したりすることで、そこで働く人たちの未来を変えることができます。
働く人に十分な賃金を払い、休暇を確保し、安全な職場をつくり、人の負担を減らす企業の商品やサービスが選ばれれば、そうした企業により多くの売上が集まります。その結果、働く人を大切にする経営を続けやすくなります。
反対に、低賃金や長時間労働、安全上の問題を改善しない企業の商品やサービスが売れ続ければ、そうした働かせ方のままでも事業を続けることができます。
だからこの企業審査では、「私たちがお金を使うなら、どの企業を選ぶことが、そこで働く人にとってより良い社会につながるのか」という視点から企業を評価します。
なぜ企業を審査するのか?――このサイトの目的と、利用するメリット
今回審査する北海道コカ・コーラボトリング株式会社は、総合74点、シビックランクBです。
北海道コカ・コーラボトリング株式会社の特に強い点は、道内全179市町村との防災協定と約900台の災害対応型自動販売機を持ち、2025年12月の地震・津波警報では実際に3台のフリーベンド機能を発動したことです。そのため、この企業の商品を購入したりサービスを利用したりすれば、地震や津波、停電で通常の店舗や物流が使いにくくなったときも、地域に置かれた飲料を住民へ早く無償提供できる社会につながる可能性が高まります。
一方で、改善点として正規雇用の男女賃金比率70.9%と、北海道コカ・コーラボトリング株式会社単体の死亡・休業労災、度数率、強度率が継続比較できる形で公表されていないことが残ります。
この記事では、北海道コカ・コーラボトリング株式会社の強みと課題をさらに詳しく企業審査していきます。
北海道コカ・コーラボトリング株式会社の企業審査結果
北海道コカ・コーラボトリング株式会社は、日本コカ・コーラ株式会社と契約し、北海道を主な販売地域として飲料事業を展開するボトラー会社です。現在のグループでは、製造を北海道コカ・コーラプロダクツ株式会社、拠点間輸送を幸楽輸送株式会社、自動販売機オペレーションなどを北海道コカ・コーラリテール&ベンディング株式会社が担っています。[出典1・3]
今回の審査では、親会社である北海道コカ・コーラボトリング株式会社の賃金・雇用実績と、同社が統括するグループ共通の安全・DX・BCPを分けて評価しました。子会社の残業や労災を親会社単体の数字として扱っていません。
| 評価軸 | 点数 | 主な評価 |
|---|---|---|
| Safety | 34/50 | 平均年収579万円、年休126日、男性育休100%、KOREを評価。正規男女賃金比70.9%、単体労災KPI不足が課題 |
| Innovation | 18/25 | 自販機業務のスマホ化、データ営業、共同中継輸送を評価。親会社単体での時間削減・人への還元の定量開示が不足 |
| Protection | 22/25 | 179市町村、約900台の災害対応自販機、実災害での稼働、2018年の復旧実績を高評価。サイバー復旧指標は不足 |
| 総合 | 74/100 | シビックランクB |
主な強み
・2025年12月期の単体平均年間給与は579万円、平均勤続年数は16.3年です。[出典2]
・2025年の男性育児休業取得率は100%で、2025年1月には育休者の仕事を引き継ぐ社員へ支援金を払う「育休サポーター支援金」をグループ全社へ導入しました。[出典2・5]
・採用情報では2024年度の年間休日126日、有休消化率68%以上、平均所定外労働時間16.9時間を公表しています。[出典3]
・道内全179市町村と防災協定を結び、全道約900台の災害対応型自販機を展開しています。[出典11]
・2025年12月の地震・津波警報では、えりも町2台、浦幌町1台の計3台で飲料を無償提供するフリーベンド機能が実際に発動しました。[出典12]
・2018年北海道胆振東部地震では、全道停電で一時停止した後、営業拠点を9月8日、生産・物流設備を9月10日から順次再開しました。[出典13]
主な課題
・2025年の女性管理職比率は10.8%、男女賃金比率は全労働者74.8%、正規雇用70.9%です。[出典2]
・北海道コカ・コーラボトリング株式会社単体の死亡労災、休業労災件数、度数率、強度率を年次比較できる公開情報がありません。
・DXでは現場の帳票整理削減などを確認できますが、親会社単体で年間何時間の残業が減ったか、賃金や休日へどこまで還元したかは公表されていません。[出典9]
・情報セキュリティのリスク分析、方針、BCPはありますが、主要システムのRTO・RPO、検知から封じ込めまでの時間、バックアップ復元訓練の達成結果は公表されていません。[出典15]
事業内容と人間への貢献
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 北海道コカ・コーラボトリング株式会社 |
| 英文名 | HOKKAIDO COCA-COLA BOTTLING CO., LTD. |
| 設立 | 1963年1月24日 |
| 本社 | 札幌市清田区清田一条一丁目2番1号 |
| 代表者 | 代表取締役社長 酒寄正太 |
| 資本金 | 29億3,515万4千円 |
| 上場 | 東京証券取引所スタンダード市場・札幌証券取引所 |
| 証券コード | 2573 |
| 従業員数 | 単体240人、連結1,173人、2025年12月末 |
| 会社概要掲載値 | 単体237人、グループ1,168人、2026年1月1日現在 |
| 平均年齢 | 40.2歳、2025年12月期 |
| 平均勤続年数 | 16.3年、2025年12月期 |
| 平均年間給与 | 579万円、2025年12月期 |
| 親会社 | 大日本印刷株式会社 |
| 主な事業 | 北海道を主な販売地域とする飲料の製造・販売 |
従業員240人は2025年12月31日の有価証券報告書基準、237人は翌2026年1月1日の会社概要掲載値です。時点と集計基準が異なるため、3人減ったと単純には判断しません。[出典1・2]
主な事業内容
北海道コカ・コーラボトリングは、日本コカ・コーラから原液等の供給を受け、北海道でコカ・コーラ社製品を届ける地域ボトラーです。量販店、飲食店、自動販売機などへの販売・提案、需要予測、営業企画、デジタル施策、グループ経営管理などを担います。[出典1・17]
実際の飲料製造は北海道コカ・コーラプロダクツ、拠点間輸送は幸楽輸送、自販機補充は北海道コカ・コーラリテール&ベンディングなど別法人へ分かれています。親会社の年間休日126日や平均年収579万円を、工場・物流・自販機補充の従業員へそのまま適用しません。[出典3]
主な利用企業・取引先
スーパー、コンビニ、飲食店、宿泊施設、職場、学校、公共施設など、北海道の幅広い販売先へ商品・自販機・ディスペンサーを提供しています。自動販売機では設置場所に応じた品ぞろえやCoke ONなどを活用し、直接生活者へ商品を届けています。[出典17]
行政との関係も深く、北海道および道内179市町村との防災連携、道の駅での防災情報提供、警察との防犯活動など、販売網を公共目的にも利用しています。[出典11・18]
事業による人間への貢献
北海道は面積が広く、都市間距離も長いため、水や茶、スポーツ飲料などを地方まで安定的に届けるには、地域ごとの営業・物流・自販機網が必要です。北海道コカ・コーラグループは、日常の販売網を災害時の飲料供給にも転用しています。
例えば地震や津波で道路や店舗が使えず、避難先で飲み水が不足した場合、自治体や設置先は災害対応型自販機をフリーベンドへ切り替え、自販機内に既にある飲料を無償提供できます。2025年にはこの仕組みが実際に使われました。[出典11・12]
また「北海道e-水プロジェクト」では、「い・ろ・は・す天然水 540mlPET」の売上の一部を北海道環境財団へ寄付し、水辺の環境保全を支援しています。2026年で17年目となり、累計寄付額は1億8,441万1,113円です。水を販売する企業が、その売上を水環境の保全へ戻す仕組みを長期継続している点も人間への貢献です。[出典14]
Safety
Safetyでは、北海道コカ・コーラボトリング株式会社で働く人の賃金・時間・公平性と、コカ・コーラシステムの品質・安全管理を確認します。親会社単体の休日、育児支援、人権制度は比較的強い一方、男女賃金差と労災結果の透明性がAランクへの主な壁です。
賃金・利益の還元|6/10
2025年12月期の単体平均年間給与は579万円で、平均勤続年数は16.3年です。前年の平均年間給与約570万円から約9万円、率にして約1.6%上がっています。平均年間給与には賞与と基準外賃金が含まれます。[出典2]
2026年卒採用時の大卒月給例は、基本給21万円に住宅補助3万5,000円、平均15時間を前提にした時間外手当2万2,500円を加えた26万7,500円でした。時間外手当を基本給へ含めず別途計算している点も確認できます。[出典3]
平均給与と継続勤務を対象法人単体で公開しているため6/10点です。一方、給与中央値、職種・等級別賃金、2025~2026年のベースアップ率、利益還元が非管理職へどこまで届いたかは公表されていません。
8/10点には、正社員の給与中央値、職種・等級別賃金、基本給改定率を毎年公開し、物価上昇に負けない賃金改善が複数年続いていることを確認できる必要があります。
労働時間・休息|8/10
公式採用情報では、2024年度の年間休日126日、有休消化率68%以上、平均所定外労働時間16.9時間です。親会社の新卒スタッフ職は完全週休2日制で、フレックスタイム制度、有給休暇連続5日取得制度もあります。[出典3]
月16.9時間の残業は、月20日勤務と単純化すると1日平均約51分です。毎日の長時間残業が常態化する水準ではありませんが、有休消化率68%は取得可能な休暇を十分使い切っている状態とは言えません。
休日数、残業、有休を数字で公開し、フレックスも運用しているため8/10点です。10/10点には、有休取得率90%以上、月60時間超の労働者0人、職種別でも長時間労働が少ない状態を複数年確認する必要があります。
雇用の安定・待遇の公平性|3/5
2025年12月期の単体平均勤続年数は16.3年です。長期就業できる人が多い一方、管理職に占める女性比率は10.8%です。男女平均賃金比率は全労働者74.8%、正規雇用70.9%、パート・有期95.8%でした。[出典2]
会社は賃金制度に男女差を設けておらず、管理職や高年齢層に男性が多い構成が差の一因と説明しています。つまり同じ賃金表であっても、高い職位や高賃金層へ女性が十分進めていない結果が残っています。
長い勤続年数と制度上の公平性を評価しつつ、結果としての登用・賃金差を考慮して3/5点です。4/5点には、正規雇用の男女賃金比率90%以上、女性管理職比率20%以上をまず実現し、職位・職種・勤続年数別の差を公開する必要があります。
福利厚生・育児・介護|5/5
育児・介護休業、看護休暇、育児短時間勤務、育児のための時差出勤、フレックスタイム、在宅勤務などが用意されています。2025年の男性育児休業取得率は100%です。[出典2・3]
さらに2025年1月から、1か月以上のフルタイム育休者が出た職場で、業務を引き継いだ社員へ負担割合に応じて「育休サポーター支援金」を支給する制度をグループ全社へ導入しました。育休取得者だけでなく、残った人へ増えた仕事の負担を金銭面でも認める仕組みです。[出典5]
制度と実利用の両方が確認できるため5/5点です。
人権・ハラスメント・労使関係|4/5
DEI方針では、人種、性別、国籍、宗教、障害、性的指向、性自認などを理由とする差別・ハラスメントを認めない方針を明記しています。PRIDE指標2025では、北海道コカ・コーラグループとして最高評価を4年連続で受賞しました。[出典4]
2025年10月にはカスタマーハラスメント基本方針を策定し、従業員の人格を否定する言動、暴力、セクハラなどへ組織として対応する方針を示しました。労働組合もグループで組織され、有価証券報告書では円滑な労使関係を維持しているとしています。[出典2・6]
方針、外部評価、労組を確認できるため4/5点です。5/5点には、対象法人単体のハラスメント相談件数、認定件数、是正完了率、平均解決期間を匿名性に配慮して年次公開する必要があります。
労働安全・健康|4/10
コカ・コーラシステムはKOREを使い、原材料調達から製造、物流、販売まで、品質、食品安全、環境、労働安全衛生を管理しています。要求事項に対するパフォーマンスは、審査登録機関が少なくとも年1回測定しています。[出典7・8]
安全衛生を第三者確認を伴う仕組みで管理している点は加点できます。一方、北海道コカ・コーラボトリング株式会社単体の死亡労災、休業災害件数、度数率、強度率、事故類型別件数を年次比較できる公開情報がありません。製造・物流・自販機オペレーションは別法人が多く、グループ全体の制度だけでは親会社単体の安全結果を確認できません。
公開情報がない点は課題です。採点上も減点対象です。安全管理の仕組みを評価して4/10点です。
6/10点には、単体の死亡・重大労災0、休業災害件数、度数率、強度率を毎年公開し、低い事故率が複数年続いていることを確認できる必要があります。
商品・サービスの安全|4/5
KOREは食品安全と品質を含み、ISOや法令の要求事項を基礎にした世界共通の管理体系です。製造から販売までのサプライチェーンを対象とし、第三者機関が少なくとも年1回パフォーマンスを測定します。[出典7]
飲料は大量に流通するため、原料、充填、保管、輸送の一つで問題が起きても広い地域へ影響します。共通基準で工程を管理することは、異物混入や衛生不良、品質ばらつきを早く見つけるために役立ちます。
4/5点です。北海道コカ・コーラボトリング株式会社単体について、重大製品事故、回収、品質不適合、顧客苦情の年次件数と是正完了率を一貫して公開できれば5/5点を検討できます。
従業員・元従業員の口コミ
転職会議では投稿者データの集計として月間残業22.8時間、有給消化率54.7%と表示されています。会社公式の2024年度実績である残業16.9時間、有休68%以上より厳しい数字ですが、投稿年代・職種が混在する情報ランクBの集計であり、現在の全社員実績へ置き換えません。[出典16]
同サイトの2020年頃の正社員事務職の投稿には、「ワークライフバランスは保てると感じる。」という記述があります。一方、別の正社員法人営業の投稿では、部署によって働き方改革の進み方に差があるという趣旨の記述もあります。どちらも現在から年数が経過しているため、職場差が以前からあったことを示す補助情報として扱います。[出典16]
Indeedでも会社評価ページはありますが、投稿数が少なく、現在の単体採点を変更できるほど具体的な共通傾向は確認できませんでした。口コミは公式データを補う材料として扱い、単独では加点・減点していません。
SNS・匿名掲示板の確認結果
X、5ちゃんねる、爆サイを社名と「残業」「退職」「パワハラ」「人員削減」「自動化」などで確認しましたが、北海道コカ・コーラボトリング株式会社の従業員・元従業員であることを確認でき、採点へ使える具体的な本文投稿は確認できませんでした。
このため、SNS・匿名掲示板だけを根拠に加点・減点していません。
Innovation
Innovationでは、営業・自販機・物流のデジタル化が、人の紙作業や長距離運転をどこまで減らしたかを確認します。現場の負担を減らす方向性は具体的ですが、親会社単体で年間何時間の労働が減り、賃金や休暇へどう返ったかという結果が不足しています。
作業負担・危険の削減|6/10
自動販売機の精算端末は、2010年から使っていた専用機からスマートフォンアプリへ更新されました。処理速度、データ容量、操作性を改善し、ペーパーレス化も進めています。現場からは帰所後の帳票整理がなくなったという声が出ています。[出典9]
この改善は、外回り後に紙を持ち帰って整理する反復事務をなくし、現場担当者の帰所後作業を直接減らします。一方、自販機オペレーションの実務は現在主に別法人が担うため、北海道コカ・コーラボトリング株式会社単体の残業削減としては加点しません。
物流子会社の幸楽輸送では、苫小牧埠頭との共同中継輸送によって、年間約2,400時間の運転時間削減を見込んでいます。これは働き方改革関連法後の時間外労働上限で換算するとドライバー約2.5人分に相当し、CO2排出量も約46%減る見込みです。[出典10]
人の紙作業と長距離運転を減らす具体例を評価して6/10点です。8/10点には、親会社・対象部署ごとに導入前後の作業時間、残業、必要人数、危険作業を数値化し、年間2,000時間以上など明確な削減を実績として示す必要があります。
商品・サービスの改善|4/5
人流データを営業へ使い、来訪者の年代・時間帯などを可視化して、経験だけに依存しない提案へ変えています。また自販機ではCoke ONなどを活用し、設置場所に合わせた品ぞろえや販売施策を進めています。[出典9・17]
災害対応型、寄付型、防犯・情報発信型の自販機も展開し、飲料を売る設備へ防災・地域支援機能を追加しています。販売設備を地域インフラへ広げている点を評価して4/5点です。[出典11]
5/5点には、DX導入前後の欠品率、顧客対応時間、売場作業、苦情、災害情報到達など、利用者にとっての改善を共通KPIで継続公開する必要があります。
改善成果の人間への還元|3/5
グループの共同中継輸送は、年間約2,400時間の運転削減を目的とし、長距離ドライバーの時間負担へ直接返す設計です。育児では支援金を使い、休業者の仕事を支える社員にも負担分を還元しています。[出典5・10]
一方、自販機端末のスマホ化や営業DXによって、北海道コカ・コーラボトリング株式会社単体の残業が何時間減ったか、有給取得が何日増えたか、賃金や再訓練へどれだけ還元したかは公表されていません。
人への還元が一部確認できるため3/5点です。4/5点には、DX対象部署の残業削減率、教育時間、配置転換、雇用維持、休暇・賃金の変化を導入前後で公開する必要があります。
研究開発・現場改善の継続|5/5
専用端末からスマートフォンへの更新、人流データ分析、物流の共同中継、eラーニングなど、改善対象を営業、現場事務、物流、人材育成へ広げています。2026年のサステナビリティ方針でも、デジタル技術を使いながら人にしかできない「考える力」を引き出す方針を掲げています。[出典9・19]
単発のシステム導入で終わらず、複数年度にわたり現場改善を続けているため5/5点です。
自動化・AI導入後の雇用状況
北海道コカ・コーラグループでは、自販機業務のスマホ化、人流データ、物流効率化などが進んでいます。北海道コカ・コーラボトリング株式会社単体は2025年末240人、2026年1月1日の会社概要では237人です。時点が1日違い、集計基準の差も考えられるため、この3人差をDXによる人員削減とは判断しません。[出典1・2]
現在の採用ページには親会社の中途採用応募窓口があり、新卒では企画系事務とIT技術企画を募集してきました。DXを理由とする大規模な希望退職、解雇、採用全面停止を示す公開情報はありません。[出典3]
一方、製造・物流・自販機オペレーションを別法人へ分けているため、長期の単体従業員数だけで自動化の雇用影響を判断するのも適切ではありません。今後はDX対象部門について、導入前後の人数、求人、配置転換、再訓練、退職率を同じ範囲で追う必要があります。
Protection
Protectionでは、地震、津波、大雪、停電、感染症、サイバー攻撃などが起きても、北海道の生活者へ飲料を届け続けられるかを評価します。この会社では、自治体協定と自販機が実災害で使われ、2018年の大停電から数日で供給設備を戻した実績があるため、3軸の中で最も高い評価です。
災害への備え・訓練|5/5
2012年までに道内全179市町村と防災協定を結び、現在は全道約900台の災害対応型自販機を展開しています。自治体等の要請でフリーベンドへ切り替えれば、自販機内の飲料を無償提供できます。[出典11]
さらにリスクマネジメント委員会を置き、緊急事態を想定したトレーニングとBCPを運用しています。過去のレポートではIMCRトレーニングを年2回実施した年度も確認できます。[出典15]
例えば地震で道路が寸断され、物流センターから新しい飲料をすぐ運べない場合でも、地域へ分散して置かれた自販機の在庫を先に住民へ渡せます。協定、設備、訓練、実稼働まで確認できるため5/5点です。
生産・物流・調達の代替|4/5
BCPでは、人・製品・情報・インフラ等の重要資産を優先して復旧・保護する方針を定め、製品保管やITインフラの分散も進めています。北海道各地の営業・物流網と、物流子会社による中継輸送の改善も供給経路の柔軟性を高めます。[出典10・15]
一方、主要製品ごとの代替生産能力、原材料の複数調達率、代替倉庫への切替時間、札幌地区の生産設備が長期停止した場合に他地域から何%供給できるかは公表されていません。
複数拠点と代替を考えたBCPを評価して4/5点です。5/5点には、主要SKUの代替生産・調達先、在庫日数、切替所要時間を公開し、実災害または訓練で目標内に切り替えた実績が必要です。
サイバー防衛・情報保護|3/5
サステナビリティレポートでは、情報の機密性・完全性・可用性を確保するためリスク分析を行い、サイバー攻撃の変化に合わせたセキュリティ対策、方針・ガイドラインを運用するとしています。リスクマネジメント委員会とBCPも整備されています。[出典15]
一方、北海道コカ・コーラボトリング株式会社単体で、ISO27001等の認証範囲、MFA・EDR・SOCの導入範囲、第三者侵入テスト、主要システムのRTO・RPO、バックアップ復元時間を比較できる公開情報はありません。
基本的な管理体制を確認できるため3/5点です。4/5点には、主要システムへの多層防御と第三者テスト、重大情報漏えい0、RTO・RPO、復元訓練結果を年次公開する必要があります。
供給継続・復旧能力|5/5
2018年北海道胆振東部地震では人的被害と生産物流設備の大きな損傷はなかったものの、全道停電で9月6日から7日に稼働を停止しました。電力復旧後に点検し、営業拠点は9月8日から、生産物流設備は9月10日から順次再開、自販機も随時復旧しました。[出典13]
これは計画だけでなく、実際の大規模停電で供給網を数日内に戻した記録です。例えば停電で製造・倉庫・営業が同時に止まった場合でも、電力復旧後に安全点検を行い、営業を約2日後、生産物流を約4日後から戻せたことが分かります。
実危機で復旧時間を公表しているため5/5点です。
危機時の市民への対応|5/5
2025年12月8日の地震と津波警報では、えりも町2件、浦幌町1件、計3件の災害対応型自販機でフリーベンドが実際に発動しました。[出典12]
例えば津波警報で住民が高台や避難所へ移動し、店舗へ戻れない場合、現地にある自販機を無償提供へ切り替えることで、次の配送を待たず飲料を確保できます。
全179市町村との協定、約900台の設備、実災害での無償提供まで確認できるため5/5点です。
良いニュース・最近の前向きな動き
最近の前向きな動きでは、防災設備が実際の地震で作動したこと、物流の長時間運転を減らす改善、水を販売する売上を水環境へ還元する取り組みが確認できます。北海道コカ・コーラの商品・サービスが選ばれることで、日常の販売網を災害対策、働く人の時間削減、地域環境保全へ使う企業活動を支えられる点が重要です。
2025年12月|地震・津波警報で3台のフリーベンドが実稼働(Protection)
青森県東方沖を震源とする地震と津波警報に伴い、えりも町2件、浦幌町1件の計3件でフリーベンドを発動しました。[出典12]
約900台を「設置している」だけではなく、実際の緊急時に自治体・設置先の要請で飲料無償提供へ切り替わった点が重要です。災害時に新しいトラック配送が間に合わなくても、現地在庫を先に住民へ渡せます。
2025年3月以降|共同中継輸送で年間約2,400時間削減見込み(Innovation)
物流子会社の幸楽輸送と苫小牧埠頭は、道央圏と釧路圏を結ぶ共同中継輸送を進め、年間約2,400時間のドライバー運転時間を削減できると見込んでいます。ドライバー約2.5人分の時間外労働上限に相当し、CO2も約46%削減見込みです。[出典10]
対象法人単体の労働時間ではありませんが、グループ供給を支える長距離ドライバーの拘束時間を減らしながら、北海道の飲料物流を維持する改善として評価できます。
2026年|北海道e-水プロジェクト17年目・累計寄付1億8,441万円(Protection・地域貢献)
「い・ろ・は・す天然水 540mlPET」の売上の一部を使う北海道e-水プロジェクトは2026年で17年目を迎え、累計寄付額は1億8,441万1,113円です。[出典14]
水を購入する行為の一部が地域の水辺保全へ戻る仕組みを長期継続しています。水を事業資源として使う企業が、水環境を守る活動へ売上を戻す循環を作っている点を評価できます。
悪いニュース・問題となった動き
現在の大きな課題は、親会社単体の待遇の中に残る男女の結果差と、安全管理制度に比べて労災結果の公開が不足していることです。これらが改善されない場合、地域防災やDXが強くても、そこで働く人の公平性と安全を外部から十分確認できない状態が残ります。
2025年|正規雇用の男女賃金比70.9%・女性管理職10.8%(Safety)
2025年の男女賃金比率は全労働者74.8%、正規雇用70.9%、パート・有期95.8%で、女性管理職比率は10.8%です。[出典2]
同じ給与体系でも、上位職や高年齢層の構成が違えば平均賃金には差が出ます。正規雇用で約29ポイントの差が残る以上、女性が管理職・高賃金職へ進める経路と昇進結果を改善する必要があります。
2025年度|単体の死亡・休業労災、度数率・強度率の開示が不足(Safety)
KOREでは労働安全衛生を管理し、第三者機関による年1回以上の測定もあります。[出典7・8]
一方、北海道コカ・コーラボトリング株式会社単体について、死亡労災、休業災害、度数率、強度率、車両事故等を毎年比較できる公開情報がありません。安全制度が強い企業ほど、その制度で事故がどこまで減ったかを結果として示す必要があります。
総合評価と、これから改善してほしいこと
北海道コカ・コーラボトリング株式会社は74点、シビックランクBです。次のAランクは80点からなので、あと6点必要です。
全179市町村との防災協定、約900台の災害対応自販機、2018年の復旧、育休100%は大きな強みです。一方、Aへ上がるためには、親会社単体の安全結果、男女の登用・賃金差、DXによる人の時間削減、サイバー復旧力を定量的に示す必要があります。
単体の労災結果を公開し、重大事故0を継続する|労働安全・健康 4→6/10
現在の「労働安全・健康」は4/10点です。KOREと第三者測定はありますが、北海道コカ・コーラボトリング株式会社単体の死亡・休業労災、度数率、強度率が公表されていません。
企業が実行してほしいのは、死亡・重大労災0を目標とし、休業災害件数、度数率、強度率、車両事故、転倒・腰痛などの災害類型を単体で毎年公開することです。死亡・重大事故0と低い度数率を複数年確認できれば4→6/10点、+2点を想定します。総合点は74→76点です。
事故が少ないことを数字で確認できれば、商品を選ぶ市民も「防災で住民を守る会社が、自社社員も守れているか」を判断できます。
参考企業はTOPPAN株式会社です。当サイトDriveの現行審査は73点・Bで、2025年の単体労災死亡0、休業災害度数率0.043、強度率0.000を公表し、「労働安全・健康」は8/10点です。[参考企業出典20]
正規男女賃金比90%以上・女性管理職20%以上へ改善する|雇用の安定・待遇の公平性 3→4/5
現在の「雇用の安定・待遇の公平性」は3/5点です。正規雇用の男女賃金比70.9%、女性管理職比10.8%という結果差があります。
職種・等級・勤続年数別に差を分析し、女性の管理職・高賃金職への登用を進め、正規雇用の男女賃金比90%以上、女性管理職比20%以上を継続してほしいです。これを確認できれば3→4/5点、+1点を想定し、前項と合わせて総合77点です。
昇進と賃金の結果差が縮まれば、育児休業100%という制度上の強みが、その後のキャリア継続にもつながります。
参考企業は遠東石塚グリーンペット株式会社です。当サイトDriveの現行審査は68点・Cですが、正規雇用の男女賃金比94.1%、女性管理職21.1%を確認し、「雇用の安定・待遇の公平性」は4/5点です。[参考企業出典21]
DXの削減時間を親会社・現場別に公開する|作業負担・危険の削減 6→8/10
現在の「作業負担・危険の削減」は6/10点です。スマートフォン化で帳票整理をなくし、物流子会社では共同中継輸送による年間約2,400時間削減見込みがありますが、北海道コカ・コーラボトリング株式会社単体の削減時間は公表されていません。
営業企画、事務、IT、販売支援など親会社の主要業務について、DX導入前後の作業時間を測定し、年間2,000時間以上または対象業務20%以上の削減、残業減少、配置転換・再訓練を同じ期間で公開してほしいです。これを確認できれば6→8/10点、+2点を想定し、前2項目と合わせて総合79点です。
時間削減を結果まで公開できれば、DXが単なるコスト削減ではなく、社員へ自由時間を返す技術だと確認できます。
参考企業はキリンビバレッジ株式会社です。当サイトDriveの現行審査は74点・Bで、最大約25kgの原料を扱う重筋作業をロボットへ移し、物流自動化でも生産性42%向上と人員の別業務への再配置を確認でき、「作業負担・危険の削減」は8/10点です。[参考企業出典22]
サイバー防御を復旧結果まで公開する|サイバー防衛・情報保護 3→4/5
現在の「サイバー防衛・情報保護」は3/5点です。リスク分析、セキュリティ対策、方針・ガイドライン、BCPはありますが、MFA・EDR等の適用範囲、第三者侵入テスト、RTO・RPO、バックアップ復元結果が不足しています。
主要システムへMFA・EDR・24時間監視を広げ、第三者侵入テストとバックアップ復元訓練を毎年実施し、重大情報漏えい0、RTO・RPO、検知・封じ込め・復旧時間を公開してほしいです。これを確認できれば3→4/5点、+1点です。
74+2+1+2+1=80点となり、シビックランクBからAへ上がります。
参考企業はウイングアーク1st株式会社です。当サイトDriveの現行審査は81点・Aで、ISO27001、ISO27017、ISO27018、ISO27701、ISMAPなど複数の外部認証・評価を組み合わせ、「サイバー防衛・情報保護」は5/5点です。[参考企業出典23]
次のランクへ上がるための具体例
現在:74点・B
Aランク下限:80点
不足:6点
・労働安全・健康 4→6/10:北海道コカ・コーラボトリング株式会社単体で死亡・重大労災0を維持し、休業災害件数、度数率、強度率を毎年公開する。低い事故率を複数年確認できれば+2点。参考企業は単体死亡0・度数率0.043・強度率0.000を公表するTOPPAN株式会社。
・雇用の安定・待遇の公平性 3→4/5:正規男女賃金比90%以上、女性管理職20%以上を達成し、職種・等級別の差も公開する。+1点。参考企業は正規男女賃金比94.1%、女性管理職21.1%の遠東石塚グリーンペット株式会社。
・作業負担・危険の削減 6→8/10:親会社のDX対象業務で年間2,000時間以上または20%以上の作業時間を削減し、残業低下、雇用維持、再訓練を導入前後で公開する。+2点。参考企業は重筋作業のロボット化と生産性42%向上・人員再配置を確認できるキリンビバレッジ株式会社。
・サイバー防衛・情報保護 3→4/5:MFA・EDR・監視、第三者侵入テスト、復元訓練を整備し、重大漏えい0とRTO・RPO、実復旧時間を公開する。+1点。参考企業は複数ISOとISMAPを組み合わせ、同項目5/5点のウイングアーク1st株式会社。
74+2+1+2+1=80点となり、シビックランクAへ上がります。
つまり、北海道コカ・コーラボトリングが次のランクへ上がるためには、すでに強い防災力へ新しい制度を足すより、働く人の安全・公平性・時間削減とサイバー復旧を結果の数字で示すことが重要です。地域住民を守る仕組みと同じ水準で、自社社員を守る結果まで公開できればAランクに到達できます。
出典一覧
1.北海道コカ・コーラボトリング株式会社「会社概要」
https://www.hokkaido.ccbc.co.jp/company/company-profile/
2.北海道コカ・コーラボトリング株式会社「第64期 有価証券報告書(2025年1月1日~2025年12月31日)」
https://www.hokkaido.ccbc.co.jp/ir/ir-library/securities/11853/
3.北海道コカ・コーラボトリング株式会社「採用情報」
https://www.hokkaido.ccbc.co.jp/recruit/
4.北海道コカ・コーラボトリング株式会社「DEIの推進」
https://www.hokkaido.ccbc.co.jp/sustainability/attempt/324/
5.北海道コカ・コーラボトリング株式会社「育休サポーター支援金を導入」2025年1月22日
https://www.hokkaido.ccbc.co.jp/wp-content/uploads/2025/01/20250122_%E8%82%B2%E5%85%90%E3%82%92%E8%81%B7%E5%A0%B4%E5%85%A8%E4%BD%93%E3%81%A7%E3%82%B5%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%88%EF%BC%81%E3%80%8C%E8%82%B2%E4%BC%91%E3%82%B5%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%BC%E6%94%AF%E6%8F%B4%E9%87%91%E3%80%8D%E3%82%92%E5%B0%8E%E5%85%A5%E3%81%84%E3%81%9F%E3%81%97%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F.pdf
6.北海道コカ・コーラボトリング株式会社「カスタマーハラスメントに対する基本方針」2025年10月31日
https://www.hokkaido.ccbc.co.jp/newsrelease/11551/
7.北海道コカ・コーラボトリング株式会社「KORE」
https://www.hokkaido.ccbc.co.jp/company/kore/
8.北海道コカ・コーラボトリング株式会社「安全と健康を守るマネジメントシステム」
https://www.hokkaido.ccbc.co.jp/sustainability/attempt/459/
9.北海道コカ・コーラボトリング株式会社「DXを活かした営業活動」
https://www.hokkaido.ccbc.co.jp/sustainability/attempt/411/
10.北海道コカ・コーラボトリング株式会社「サステナビリティレポート2025」
https://www.hokkaido.ccbc.co.jp/wp-content/themes/wp-theme/assets/images/sustainability/csrreport2025.pdf
11.北海道コカ・コーラボトリング株式会社「地域貢献型自動販売機」
https://www.hokkaido.ccbc.co.jp/sustainability/attempt/322/
12.北海道コカ・コーラボトリング株式会社「災害時に役立つ自動販売機」2025年12月9日
https://www.hokkaido.ccbc.co.jp/news/11618/
13.北海道コカ・コーラボトリング株式会社「平成30年北海道胆振東部地震に関するお知らせ」2018年9月14日
https://www.hokkaido.ccbc.co.jp/news/3870/
14.北海道コカ・コーラボトリング株式会社「水資源の保護/北海道e-水プロジェクト」
https://www.hokkaido.ccbc.co.jp/sustainability/attempt/311/
15.北海道コカ・コーラボトリング株式会社「リスクマネジメント」
https://www.hokkaido.ccbc.co.jp/sustainability/attempt/452/
16.転職会議「北海道コカ・コーラボトリング株式会社の評判・口コミ」
https://jobtalk.jp/companies/526/answers
17.北海道コカ・コーラボトリング株式会社「お取引希望のお客さまへ」
https://www.hokkaido.ccbc.co.jp/business/
18.北海道コカ・コーラボトリング株式会社「行政との取り組み」
https://www.hokkaido.ccbc.co.jp/sustainability/attempt/325/
19.北海道コカ・コーラボトリング株式会社「サステナビリティ」
https://www.hokkaido.ccbc.co.jp/sustainability/
20.当サイトGoogle Drive「TOPPAN株式会社を企業審査|73点/100点・シビックランクB」現行版
21.当サイトGoogle Drive「遠東石塚グリーンペット株式会社を企業審査|68点/100点・シビックランクC」現行版
22.当サイトGoogle Drive「キリンビバレッジ株式会社を企業審査|74点/100点・シビックランクB」現行版
23.当サイトGoogle Drive「ウイングアーク1st株式会社を企業審査|81点/100点・シビックランクA」現行版
シビックランクの基準
| ランク | 点数 |
|---|---|
| S | 90~100点 |
| A | 80~89点 |
| B | 70~79点 |
| C | 60~69点 |
| D | 50~59点 |
| E | 40~49点 |
| F | 20~39点 |
| G | 0~19点 |
情報ランクの基準
| 情報ランク | 基準 |
|---|---|
| S | 公的機関、裁判所、規制当局、独立した第三者機関の調査・監査・検証・認証など、内容そのものに独立した裏づけがある情報 |
| A | 企業公式資料、採用情報、公式声明・SNS、氏名・役職・立場が確認できる記名取材や公表発言など、発信主体を確認できる公表情報 |
| B | 従業員・元従業員の口コミ、一般SNS、匿名掲示板など、発信者の身元や対象企業との関係を独立に確認しにくい情報 |

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