私たちは、企業の商品を購入したり、サービスを利用したりすることで、そこで働く人たちの未来を変えることができます。
働く人に十分な賃金を払い、休暇を確保し、安全な職場をつくり、人の負担を減らす企業の商品やサービスが選ばれれば、そうした企業により多くの売上が集まります。その結果、働く人を大切にする経営を続けやすくなります。
反対に、低賃金や長時間労働、安全上の問題を改善しない企業の商品やサービスが売れ続ければ、そうした働かせ方のままでも事業を続けることができます。
だからこの企業審査では、「私たちがお金を使うなら、どの企業を選ぶことが、そこで働く人にとってより良い社会につながるのか」という視点から企業を評価します。
なぜ企業を審査するのか?――このサイトの目的と、利用するメリット
今回審査する北陸コカ・コーラプロダクツ株式会社は、総合68点、シビックランクCです。
北陸コカ・コーラプロダクツ株式会社の特に強い点は、砺波工場で世界のコカ・コーラ工場として初めてエレクトロン・ビームによるPETボトル殺菌を導入し、洗浄水と薬剤を使う工程を減らしながら、ISO9001、FSSC22000、ISO45001などで品質・食品安全・労働安全を管理していることです。そのため、この企業の商品を購入したりサービスを利用したりすれば、飲料を安全に大量生産しながら、水・薬剤・エネルギーと現場作業の負担を減らす製造技術が広がる可能性が高まります。
一方で、改善点として、深夜0時55分開始を含む3交替勤務が続いていることに加え、会社単体の死亡・休業労災、度数率、設備自動化による削減労働時間、砺波工場が停止した場合の代替生産先と復旧時間が公表されていません。
この記事では、北陸コカ・コーラプロダクツ株式会社の強みと課題をさらに詳しく企業審査していきます。
北陸コカ・コーラプロダクツ株式会社の企業審査結果
北陸コカ・コーラプロダクツは、富山県砺波市の砺波工場でコカ・コーラブランドの飲料を製造する会社です。食品安全認証、労働安全衛生認証、世界初の電子線殺菌、年間休日124日、月平均残業7時間、3回目のくるみんプラス認定は強みです。一方、3交替勤務、非正規雇用の待遇差、単体労災の結果開示、単一工場への集中、サイバー・BCPの具体的復旧指標には改善余地があります。
| 評価軸 | 点数 | 評価の要点 |
|---|---|---|
| Safety | 34/50 | 年休124日、残業月7時間、3回目くるみんプラス、ISO45001、FSSC22000を評価。3交替、単体労災KPI、非正規待遇、2017年31.2万本回収が課題 |
| Innovation | 20/25 | 世界初EB殺菌、省力化設備、改善提案、水再利用、太陽光を評価。削減人時・夜勤・残業・賃金への還元が非公表 |
| Protection | 14/25 | 能登地震後も地域供給を支える製造基盤を評価。砺波工場への集中、代替生産、OTサイバー、RTO・RPOの開示不足が課題 |
| 総合点 | 68/100 | シビックランクC |
主な強み
・2026年3月時点の正社員は114人、2025年売上高は204億8,600万円
・2026年8月のハローワーク求人では事業所全体151人、女性23人、パート3人
・2027年新卒初任給は月22万8,450円
・正社員の機械オペレーター・品質管理求人は月21万3,000~30万円、固定残業代なし
・正社員求人の月平均時間外労働は7時間、年間休日124日
・交替勤務・深夜勤務には手当があり、賞与年2回、退職金、社員寮、資格取得支援を確認
・2026年9月、3回目のくるみん認定と「くるみんプラス」認定を取得
・労働組合がある
・砺波工場はISO9001、ISO14001、FSSC22000、ISO45001を取得
・大型・小型兼用無菌ライン、缶、PET、ガラスびんの計5ラインで80種類以上を製造
・2011年に世界初のエレクトロン・ビーム方式PETボトル殺菌を導入
・EB殺菌では洗浄水と殺菌薬剤が不要となり、水・薬剤・熱エネルギーを削減
・改善提案制度、改善表彰制度、資格取得費用の会社負担がある
・2025年3月から太陽光オンサイトPPAを運用し、工場電力の約6%、年間631トンのCO2削減を見込む
・温水再利用の冷却水節水システム、茶かす・コーヒー残さの再利用などを実施
・2026年4月に新卒5人が入社し、2027年採用も継続
主な課題
・深夜0時55分開始を含む3交替を1週間ごとに回す勤務がある
・繁忙期は36協定の特別条項で月60時間、年360時間まで時間外労働が可能
・会社単体の有休取得率、月45時間超社員比率、夜勤回数、勤務間休息時間が公表されていない
・会社単体の平均年収、賃金中央値、ベースアップ率、男女賃金差が公表されていない
・2026年の製品検査パート求人は時給1,120円、昇給制度なし、賞与なし
・パートは正社員登用制度がある一方、過去3年間の登用実績0人
・会社単体の死亡労災、休業労災、度数率、強度率、設備巻き込まれ・転倒・薬品・熱・フォークリフト等の事故件数が公表されていない
・2017年に「い・ろ・は・す 塩れもん」約31万2,000本を異物混入で自主回収
・自動化・省力化で年間何時間の作業、何件の危険作業、何人分の負担が減ったか非公表
・設備改善の成果が夜勤削減、賃金、休日、配置転換へどう還元されたか非公表
・製造拠点が砺波工場へ集中し、工場全体停止時の代替生産先・代替能力・切替時間が公表されていない
・製造制御系ネットワーク分離、MFA、EDR、SOC・CSIRT、オフラインバックアップ、サイバー復旧訓練の単体情報が公表されていない
・重要業務のRTO・RPOが公表されていない
事業内容と人間への貢献
北陸コカ・コーラプロダクツ株式会社は、北陸コカ・コーラボトリングの製造部門から独立して2003年6月24日に設立された製造会社です。富山県高岡市に本社を置き、実際の製造拠点は富山県砺波市の砺波工場です。[出典1・2]
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 北陸コカ・コーラプロダクツ株式会社 |
| 設立 | 2003年6月24日 |
| 代表取締役社長 | 高倉裕徳 |
| 資本金 | 1,000万円 |
| 本社 | 富山県高岡市内島3550 |
| 製造拠点 | 砺波工場 富山県砺波市東保1202-1 |
| 売上高 | 204億8,600万円(2025年実績) |
| 正社員数 | 114人(2026年3月時点) |
| ハローワーク事業所従業員 | 151人(2026年8月求人時点、女性23人、パート3人) |
| 事業内容 | 清涼飲料の製造・加工、製造設備の保全管理、付帯業務 |
| 主な製造品 | 水、茶、コーヒー、炭酸飲料などのコカ・コーラブランド製品 |
主な事業内容
砺波工場の製造職は、製造ラインのオペレーション、設備の保守・点検・整備、改善改良、品質管理を担当します。[出典3]
品質管理職では、原料・製品の検査や工程管理を行い、製品検査のパート社員は容器の破れや傷などを目視確認します。[出典4・5]
工場には大型・小型兼用無菌ライン、缶ライン、PETライン、ガラスびんラインの計5ラインがあり、80種類以上を生産できる体制があります。[出典6]
製造する商品を安全に出荷するには、機械を動かす人、品質を検査する人、設備を保全する人が同時に必要です。大量生産の自動化が進んでも、異常停止、ライン切替、洗浄、点検、品質判定では人の技能が残ります。
主な利用企業・取引先
北陸コカ・コーラプロダクツが製造した商品は、北陸コカ・コーラグループの販売網を通じて、スーパーマーケット、コンビニ、飲食店、学校、病院、自動販売機などへ供給されます。
「い・ろ・は・す 天然水」では、砺波工場が公式に採水地・製造工場として案内され、製造所固有記号はHTです。[出典7]
事業による人間への貢献
工場が安全に稼働することで、北陸・長野の店舗や自動販売機へ水、茶、コーヒーなどを供給できます。
例えば猛暑日に水やお茶の需要が急増した場合、製造設備が安定して動き、多品種を切り替えて生産できれば、店頭での欠品を減らせます。災害時にも、平時から地域内に飲料の生産拠点があることは、水分を必要とする住民へ商品を届けるまでの供給基盤になります。
一方、飲料工場は大量の水、電力、容器を使い、夜間を含めて人が設備を管理します。そのため、製品を作る量だけでなく、製造に使う資源、事故、夜勤、回収リスクまで含めて評価する必要があります。
Safety|34/50
Safetyでは、3交替で工場を動かす従業員が十分な賃金・休息・安全を確保できるか、正社員とパートの待遇差が適切か、製造した飲料を利用者へ安全に届けられるかを評価します。北陸コカ・コーラプロダクツは休日、通常残業、育児支援、食品安全認証には強みがありますが、夜勤負担、単体労災結果、賃金透明性、非正規待遇、過去の大規模回収が課題です。
賃金・利益の還元|6/10
2027年新卒の初任給は月22万8,450円です。2026年の機械オペレーター・品質管理の正社員求人では月21万3,000~30万円で、固定残業代はありません。16時55分~翌1時30分、0時55分~9時30分の勤務には1回1,800円の交替勤務手当があり、養育手当、住宅手当、技能手当もあります。賞与は年2回、前年度実績は計2.5か月分です。[出典3・8]
一方、2026年の製品検査パート求人は時給1,120円で、昇給制度と賞与制度はありません。退職金もありません。[出典5]
会社単体の平均年収、賃金中央値、既存社員のベースアップ率、男女賃金差は公表されていません。公開情報がない点は、利益が人へどれだけ還元されているか外部から検証できないため採点上も課題です。
正社員の手当・賞与と固定残業なしを評価し6/10点です。
8/10には、正社員・パート双方の職種別賃金中央値、男女賃金差、ベースアップ率を毎年公開し、物価上昇を上回る基本給改善と非正規の昇給・賞与を継続して確認できる必要があります。
労働時間・休息|6/10
正社員の製造・品質管理求人は、8時55分~17時30分、16時55分~翌1時30分、0時55分~9時30分の3交替で、1週間ごとに交替します。月平均時間外労働は7時間、年間休日124日です。[出典3・8]
残業月7時間は少ない水準ですが、深夜0時55分開始を含む勤務帯の切替は、通常の日勤だけでは生じない睡眠・生活リズムの負担があります。
36協定には特別条項があり、繁忙期には年6回を限度に月60時間、年360時間まで時間外労働が可能です。[出典8]
会社単体の有休取得率、夜勤回数、勤務間インターバル、月45時間超の社員比率は公表されていません。公開情報がない点は、交替勤務の実際の負担を判断しにくいため採点上も減点対象です。
通常残業7時間と年間休日124日を評価する一方、3交替と特別条項を考慮して6/10点です。
8/10には、平均残業10時間以下を維持しながら、有休取得率80%以上、月45時間超の社員を低水準に抑え、勤務間休息時間と夜勤回数を公開する必要があります。
雇用の安定・待遇の公平性|4/5
マイナビでは2026年3月時点の正社員114人、Gビズインフォでは職場情報として従業員137人、ハローワークの2026年8月求人では事業所全体151人と、集計範囲・時点の異なる従業員数が確認できます。[出典1・9・10]
2026年4月には北陸コカ・コーラプロダクツへ新卒5人が入社し、2027年採用も続いています。大規模な採用停止や希望退職は今回確認されていません。[出典11]
労働組合もあります。ハローワークには職務給制度と復職制度が掲載されています。[出典4]
一方、パート社員は1年契約の原則更新で、正社員登用制度はあるものの過去3年間の登用実績は0人です。[出典5]
正社員の雇用継続と採用を評価して4/5点です。5/5には、パートから正社員への登用実績、雇用区分別の離職率、昇進率、賃金差を継続公開し、公平なキャリア移行を結果で示す必要があります。
福利厚生・育児・介護|5/5
2026年9月、北陸コカ・コーラプロダクツは富山労働局から3回目のくるみん認定と「くるみんプラス」認定を受けました。2024年にも2回目のくるみん認定を受けており、両立支援を継続しています。[出典12・13]
正社員求人では育児休業・看護休暇の取得実績、退職金、社員寮が確認できます。資格取得制度では費用を会社が負担します。[出典3・4]
法定制度の存在だけでなく複数回の公的認定まで確認できるため5/5点です。
人権・ハラスメント・労使関係|3/5
ハローワーク求人では労働組合があることを確認できます。労働安全衛生面で必要な個人用保護具を会社が支給し、研修制度、資格取得制度、改善提案制度もあります。[出典4]
一方、北陸コカ・コーラプロダクツ単体の人権方針、ハラスメント相談件数、内部通報件数、是正完了率、報復防止実績、労使協議の議題・結果は公表されていません。
公開情報がない点は、問題が起きたときに社員が安全に相談でき、会社が実際に是正しているか外部から検証できないため採点上も減点対象です。
労働組合と現場改善制度を評価して3/5点です。
4/5には、匿名相談・内部通報の仕組み、相談件数、是正率、ハラスメント研修率、労使協議の実績を単体で毎年公開する必要があります。
労働安全・健康|6/10
砺波工場はISO45001の認証を取得しています。ハローワーク求人でも、労働安全衛生上必要な個人用保護具を会社が支給すると明記しています。2023年度の砺波工場協会の安全標語コンクールでは、同工場社員の作品が最優秀賞となるなど、安全活動への参加も確認できます。[出典4・6・14]
一方、北陸コカ・コーラプロダクツ単体の死亡労災、休業労災、度数率、強度率、設備巻き込まれ、転倒、薬品、熱、フォークリフト等の事故件数は公表されていません。
グループ健康経営ページには労災件数の推移がありますが、複数社を含む指標のため対象会社単体の事故件数へ置き換えません。
ISO45001と具体的な保護具・安全活動を評価して6/10点です。
8/10には、会社単体で死亡0、休業災害件数、度数率、強度率、事故類型を毎年公開し、製造業として低い事故率を複数年継続する必要があります。
商品・サービスの安全|4/5
砺波工場はISO9001、FSSC22000を取得し、原材料納入から製品出荷まで独自の品質管理を行っています。水質はコカ・コーラの世界基準と日本の水道法・水質基準を照合し、より厳しい基準値を採用するとしています。[出典6]
無菌充填設備、製造ライン・器具の定期洗浄・殺菌、従業員の健康状態確認も行っています。
一方、2017年6月、砺波工場で製造した「い・ろ・は・す 塩れもん」555mlPETの一部に異物混入が確認され、約1万3,000ケース、約31万2,000本を自主回収しました。健康上の問題はないと確認されていますが、大規模な品質事故として扱います。[出典15]
現在の管理認証と衛生管理を評価し4/5点です。5/5には、回収後の改善内容に加え、重大品質事故、異物混入、不適合、顧客苦情、回収件数の年次KPIを公開し、低水準を複数年確認できる必要があります。
従業員・元従業員の口コミ
Indeedでは、2024年2月17日に砺波工場の設備運転管理・維持の現職投稿が1件あり、総合評価は2.0です。投稿には「交代勤務の割に賃金が安い。」とあります。[出典16、情報ランクB]
転職会議では2026年6月、20代後半の正社員・生産技術/生産管理職が、地域製造業と比べた給与水準には一定の評価をしつつ、「評価に対して疑問や不公平感を抱く社員もいると思います。」と投稿しています。[出典17、情報ランクB]
転職会議の投稿集計は残業月13~14時間、有給消化率40~55%です。公式求人の残業月7時間とは対象者・時期が異なるため、そのまま会社平均として置き換えません。
公式の職種別残業、賃金分布、評価制度の運用結果が公開されれば、口コミとの違いをより正確に比較できます。
SNS・匿名掲示板の確認結果
X、5ちゃんねる、爆サイなどについて、北陸コカ・コーラプロダクツ、砺波工場、残業、夜勤、給料、人手不足、パワハラ、労災、事故、退職、省人化などを分けて検索しました。
今回の公開検索では、対象会社の現在の従業員・元従業員と確認でき、採点を変更できる具体性を持つX・5ちゃんねる・爆サイの投稿は見つかりませんでした。
有用な投稿が見つからないこと自体は加点・減点していません。
Innovation|20/25
Innovationでは、飲料製造で必要だった洗浄、殺菌、搬送、検査、設備管理などの作業を技術で減らし、その成果を働く人の危険・時間・賃金・休日へ返せているかを評価します。砺波工場は電子線殺菌や省力化設備、水再利用など技術面は強い一方、人への還元を定量的に公表していません。
作業負担・危険の削減|8/10
2011年、砺波工場は世界のコカ・コーラ工場で初めてエレクトロン・ビーム方式の無菌充填PET製造ラインを導入しました。[出典6・18]
従来は薬剤でPETボトルを殺菌し、殺菌剤を水ですすぐ工程が必要でした。EB殺菌では電子線で殺菌するため、洗浄水と殺菌薬剤を使わずに済みます。
さらにボトル成型機と殺菌・充填機を一体化した設備は、長い搬送コンベアを減らし、省スペース化と搬送エネルギー削減につながりました。この設備は農林水産省関係の食品産業優良企業等表彰で、省エネルギー・省力化技術として評価されています。[出典18]
工場の水・薬剤・搬送工程を具体的に減らしているため8/10点です。
10/10には、導入前後で作業人数、設備点検時間、洗浄作業時間、危険作業への立入り回数、労災、夜勤必要人数がどの程度減ったかを公表する必要があります。
商品・サービスの改善|5/5
砺波工場は5ラインで80種類以上を製造し、無菌充填、水質管理、FSSC22000によって多品種の飲料を安全に生産しています。[出典6]
「い・ろ・は・す 天然水」では砺波工場が公式採水地の一つで、富山県砺波市の水を製品として全国へ届けています。[出典7]
多品種対応と食品安全を同時に維持する製造能力は、利用者が水、茶、コーヒーなどを安定して選べることにつながるため5/5点です。
改善成果の人間への還元|2/5
EB殺菌、搬送設備の一体化、冷却水再利用、改善提案制度など、省力化・効率化の仕組みはあります。
しかし、自動化によって年間何時間の作業が減ったか、夜勤人数や3交替の回数が減ったか、残業が何時間減ったか、削減したコストを基本給・休日へどれだけ返したかは公表されていません。
公開情報がない点は、技術が人を楽にするために使われたのか、単に生産量を増やすために使われたのかを判断しにくいため採点上も減点対象です。
具体的な自動化は評価しますが、人への還元結果がないため2/5点です。
3/5には、主要設備ごとに年間削減人時、夜勤・危険作業・残業の減少を公表し、実際に一部の負担減が確認できる必要があります。4~5点には、その成果が賃金、休日、再教育、安全へ複数年継続して還元されていることが必要です。
研究開発・現場改善の継続|5/5
2011年のEB殺菌導入後も、冷却水節水システム、設備改善、廃棄物再利用を続けています。2025年3月には3,084枚の太陽光パネルを使うオンサイトPPAを開始し、工場電力の約6%を太陽光で賄い、年間631トンのCO2削減を見込んでいます。[出典19]
2025年10月には、砺波工場の水使用量削減、世界初の殺菌設備、リサイクル活動などが評価され、「環境とやま県民会議会長表彰」を受賞しました。[出典20]
現場には改善提案・改善表彰制度があり、設備の保守だけでなく改善改良も製造職の仕事に含まれています。[出典3・4]
10年以上にわたって製造工程の改善を継続しているため5/5点です。
自動化・AI導入後の雇用状況
砺波工場では2011年から省力化設備を導入し、その後も生産効率化を続けています。
2025年3月時点の正社員は118人、2026年3月時点は114人で4人減っていますが、この変化を自動化による人員削減と結びつける根拠はありません。[出典2・1]
2026年4月には新卒5人が入社し、2026年8月にも機械オペレーター、品質管理、製品検査の求人を継続しています。ハローワーク求人の事業所全体人数は2026年5月の145人から8月の151人へ増えていますが、正社員・パート等の集計範囲が異なるため正社員数の増減とは直接比較しません。[出典3・4・11]
大規模な希望退職、整理解雇、採用停止は今回確認されていません。
一方、自動化導入前後の必要人数、配置転換人数、再訓練、非正規契約の変化、退職者数は公表されていません。今後も技術導入と雇用の変化を時系列で確認する必要があります。
Protection|14/25
Protectionでは、地震、豪雨、停電、火災、設備故障、サイバー攻撃が起きても、砺波工場が飲料を作り続けられるか、止まった場合に地域の供給をどれだけ早く回復できるかを評価します。能登半島地震後も地域供給を支えた点は強みですが、製造拠点集中と代替生産・サイバー復旧の非公表が大きな課題です。
災害への備え・訓練|3/5
北陸コカ・コーラグループは自治体との災害協定や災害対応型自販機を広げ、砺波工場で生産した飲料も災害備蓄・被災地支援に使われています。
一方、北陸コカ・コーラプロダクツ単体について、工場の地震・洪水・火災・停電訓練の回数、安否確認時間、非常電源稼働時間、原料・資材の備蓄日数は公表されていません。
例えば地震で工場周辺の道路や電力が止まった場合、何時間で安全確認を終え、どの設備から再稼働するかを外部から確認できません。
グループの災害体制と地域供給への関与を評価して3/5点です。
4/5以上には、砺波工場自身の年次訓練、非常電源、備蓄、再稼働手順と実測結果を公開する必要があります。
生産・物流・調達の代替|2/5
北陸コカ・コーラプロダクツ自身の製造拠点は砺波工場へ集中しています。
5本の製造ラインを持つため、一つのライン故障では別ラインで対応できる余地があります。しかし、工場全体が地震、火災、大規模停電などで止まった場合に、どの他社・他工場が、どの商品を、何日以内に、何%代替生産するかは公表されていません。
コカ・コーラシステム全体には他地域の製造工場がありますが、対象法人単体の代替計画が公表されていないため2/5点です。
3~4点には、主要商品ごとに代替工場、切替時間、代替可能量を事前に定め、訓練または実災害で機能した結果を公表する必要があります。
サイバー防衛・情報保護|2/5
現在の飲料工場では、生産計画、品質データ、設備監視、制御系システムが停止すると、生産そのものが止まる可能性があります。
北陸コカ・コーラプロダクツ単体について、製造制御系と事務系ネットワークの分離、MFA、EDR、SOC・CSIRT、オフラインバックアップ、標的型メール訓練、OTサイバー演習、重大インシデント件数は公表されていません。
今回、対象会社を主体とする大規模な情報漏えい・サイバー攻撃の公表事例は見つかりませんでしたが、事故が公表されていないことを高い防御力の証明には使いません。
具体的防御の公開が不足しているため2/5点です。
3点以上には、IT・OT双方の防御体制と訓練、事故件数、検知・封じ込め・復旧時間を単体で公表する必要があります。
供給継続・復旧能力|3/5
2024年1月1日の能登半島地震では北陸コカ・コーラグループの能登地区営業所が被災しましたが、1月5日の時点で砺波工場見学について1月8日以降予定どおり実施する方針が公表され、グループは被災地域へ飲料供給を進めました。[出典21]
これは砺波工場が長期間全面停止した状況ではなかったことを示す材料です。
一方、地震直後の工場停止時間、生産能力低下率、電力・水・原料の状況、完全復旧までの時間、重要システムのRTO・RPOは公表されていません。
実災害後に地域供給を支える製造基盤が機能したことを評価して3/5点です。
4~5点には、重要ラインごとの目標復旧時間と実測復旧時間を公表し、複数の災害・障害訓練で目標内復旧を示す必要があります。
危機時の市民への対応|4/5
砺波工場は「い・ろ・は・す」の採水・製造拠点であり、地域の災害備蓄や被災地支援に使われる飲料の供給源です。2023年には砺波で採水した「い・ろ・は・す」2Lを4万6,548本、富山県へ災害備蓄用として寄贈するグループ施策が行われました。[出典22]
2024年の能登半島地震でも、北陸コカ・コーラグループは行政と協力して「い・ろ・は・す」を被災地へ供給しました。製造会社として砺波工場はその供給網の一部を支えています。[出典21]
例えば断水で避難所の飲料水が不足した場合、地域内に大量生産できる水の工場があることは供給距離を短くできる可能性があります。
ただし、被災地への直接配布・行政調整の主体は主に販売会社であり、対象会社単体の供給数量・開始時間は公表されていないため4/5点です。
良いニュース・最近の前向きな動き
最近の前向きな動きでは、仕事と子育ての両立支援、工場の環境改善、省力化の継続を評価します。これらが進めば、交替勤務の会社でも育児を理由に働き続けることを諦めにくくなり、同時に製造工程で使う水・エネルギーと現場作業を減らせます。
2026年9月|3回目のくるみん・くるみんプラス認定(Safety)
2026年9月4日、富山労働局は北陸コカ・コーラプロダクツを3回目のくるみん認定と「くるみんプラス」認定企業として認定しました。[出典12]
交替勤務のある製造会社で育児との両立制度を継続し、公的認定を複数回取得したことは、育児を理由とする退職を減らす方向の取り組みです。
同社の商品が選ばれ、こうした両立支援を維持できれば、製造現場でも子育てをしながら就業を継続しやすい職場が広がる可能性があります。
2025年10月|砺波工場の節水・リサイクルが環境表彰(Innovation)
2025年10月、砺波工場のゼロ・エミッション、水使用量削減、世界初の洗浄水・薬剤を使わないPET殺菌設備、ストレッチフィルム再利用などが評価され、「環境とやま県民会議会長表彰」を受賞しました。[出典20]
飲料工場は商品そのものに水を使うため、洗浄工程でも大量の水を使えば地域の水資源への負担が増えます。殺菌工程で洗浄水を不要にし、温水を再利用することは、商品生産以外に使う水を減らすことにつながります。
この設備の利用が広がれば、同じ生産量でも水・薬剤・エネルギーの消費を減らせます。
2025年3月|太陽光PPAで工場電力の約6%を再エネ化(Innovation)
2025年3月1日から砺波工場で太陽光発電オンサイトPPAを運用しています。3,084枚の太陽光パネル、設備容量1,279.86kWで、工場電力の約6%、年間631トンのCO2削減を見込んでいます。[出典19]
6%なので工場全体の電力を賄える規模ではありませんが、製造時の電力由来負荷を下げる具体的な設備投資です。
今後、非常用電源や蓄電池と組み合わせて停電時の重要設備にも使えるようになれば、InnovationだけでなくProtectionの向上にもつながります。
悪いニュース・問題となった動き
課題として重いのは、3交替現場の人員・待遇に関する声と、過去の大規模品質事故です。人手不足や評価への不満が続けば、設備保全・品質確認を担う熟練者の定着に影響し、働く人だけでなく製品安全にも影響する可能性があります。
2024年2月|現職口コミで人手不足と交替勤務賃金への不満(Safety)
Indeedでは、2024年2月17日の砺波工場・設備運転管理の現職投稿に「交代勤務の割に賃金が安い。」との記載があります。[出典16、情報ランクB]
1件の口コミを工場全体へ一般化しません。一方、2026年も製造・品質・製品検査の求人が継続し、会社単体の職種別離職率や欠員率が公表されていないため、人手不足の指摘を公式数字で検証できません。
3交替で設備安全と食品品質を守る仕事では、人員不足が続けば一人当たりの責任や夜勤負担が増える可能性があります。職種別の充足率・離職率・賃金を公開することが必要です。
2017年6月|「い・ろ・は・す 塩れもん」約31万2,000本を自主回収(Safety)
2017年6月、砺波工場で製造・出荷した「い・ろ・は・す 塩れもん」555mlPETの一部に異物混入が確認され、品質基準を満たさないとして約1万3,000ケース、約31万2,000本を自主回収しました。[出典15]
飲用しても健康上の問題はないと確認されましたが、31万本を超える製品を回収した事実は、製造会社の食品安全上の重大事例です。
現在はFSSC22000、ISO9001、無菌充填などの管理体制があります。今後は、事故後に異物混入件数・不適合率・回収件数がどの程度減ったかを年次公開できれば、再発防止の成果をより強く評価できます。
2026年|非正規の正社員登用実績0人・昇給賞与なし(Safety)
2026年の製品検査パート求人では1年契約の原則更新、正社員登用制度ありとされていますが、過去3年間の登用実績は0人です。時給1,120円で、昇給制度・賞与制度もありません。[出典5]
同じ工場内で品質を支える仕事でも、雇用区分によって昇給・賞与・退職金の有無に差があります。
非正規から正社員への移行実績を増やし、継続勤務に応じた昇給・一時金を整備できれば、雇用の公平性と賃金還元の評価を引き上げられます。
総合評価と、これから改善してほしいこと
北陸コカ・コーラプロダクツ株式会社は68点、シビックランクCです。次のBランクは70点からなので、あと2点必要です。
世界初のEB殺菌、FSSC22000、ISO45001、年休124日、残業月7時間、3回目のくるみんプラスは明確な強みです。一方、製造会社として最も重要な単体労災の結果、自動化で人の負担が何時間減ったか、砺波工場停止時にどこで代替生産するかが公表されていません。次のランクへ上がるには、技術・制度の存在を「人が安全になった結果」として数字で示すことが重要です。
会社単体の労災結果を公開し、低水準を継続する|労働安全・健康 6→8/10
現在の「労働安全・健康」は6/10点です。
ISO45001、個人用保護具、安全活動は確認できますが、北陸コカ・コーラプロダクツ単体の死亡・休業災害、度数率、強度率が公表されていません。
死亡0、休業災害件数、度数率、強度率、設備巻き込まれ・転倒・フォークリフト等の事故類型を毎年公開し、死亡0と製造業として低い度数率を複数年継続できれば6→8点、+2点を検討できます。
この改善だけで68+2=70点となり、シビックランクBへ上がります。
改善すれば、設備を操作・保守する社員が毎日安全に帰宅できているかを外部から確認でき、求職者も夜勤を含む職場の安全性を判断しやすくなります。
参考企業はTOPPAN株式会社(73点・B)です。現行審査では2025年の死亡0、休業災害度数率0.043、強度率0.000まで公開しており、「労働安全・健康」8/10点としています。
自動化の削減人時と夜勤・危険作業の変化を公開する|改善成果の人間への還元 2→4/5
現在の「改善成果の人間への還元」は2/5点です。
EB殺菌や省力化設備はありますが、作業人数、夜勤人数、残業、危険作業が何時間・何件減ったか公表されていません。
主要設備ごとに、導入前後の年間作業時間、必要人数、危険作業回数、夜勤人数、残業を公開し、複数工程で負担削減を確認でき、その時間を再教育・休息・他業務へ振り向けた実績まで示せれば2→4点、+2点を検討できます。
単独で実現した場合も68+2=70点となりBへ上がります。
参考企業はキリンビバレッジ株式会社(74点・B)です。現行審査では最大約25kgの原料を扱う重筋作業をロボットへ移し、年間約2,300時間の業務負荷削減を公表しており、技術が人の負担をどれだけ減らしたかを数値で示しています。
砺波工場停止時の代替生産を具体化する|生産・物流・調達の代替 2→4/5
現在の「生産・物流・調達の代替」は2/5点です。
砺波工場には5ラインがありますが、工場全体が止まった場合の代替工場、切替時間、代替可能量が公表されていません。
「い・ろ・は・す」、茶、炭酸など主要カテゴリごとに代替生産先を定め、年次訓練で24~72時間以内に生産・供給を切り替えられること、平時能力の一定割合を代替できることを実証・公開できれば2→4点、+2点を検討できます。
単独で実現した場合も68+2=70点・Bです。
参考企業はキリングループロジスティクス株式会社です。現行審査ではAGF・AGV等の自動化に加え、鉄道・船舶を含む代替輸送を具体化しており、Protection上の代替手段を評価しています。
次のランクへ上がるための具体例
現在68点・Cなので、Bの70点まであと2点です。
最も直接的な改善例は、北陸コカ・コーラプロダクツ単体の死亡労災、休業災害、度数率、強度率、設備事故類型を毎年公開し、死亡0と低い事故率を複数年継続することです。「労働安全・健康」が6/10から8/10へ上がれば+2点となります。TOPPAN株式会社は死亡0、度数率0.043、強度率0.000を公表し、同項目8/10点です。
別の到達方法として、EB殺菌などの自動化について年間削減人時、夜勤人数、危険作業、残業の導入前後を公表し、複数工程で人への負担削減を確認できれば「改善成果の人間への還元」を2/5から4/5へ上げ、+2点を検討できます。キリンビバレッジ株式会社は重筋作業をロボットへ移し、年間約2,300時間の負担削減を公表しています。
また、砺波工場が全面停止した場合の代替工場、切替時間、代替可能量を定め、24~72時間以内の切替訓練を実証できれば「生産・物流・調達の代替」を2/5から4/5へ上げ、+2点を検討できます。
68点+労働安全・健康の改善2点=70点となり、シビックランクBへ上がります。
つまり、次のランクへ上がるために最も必要なのは、新しい設備を追加することより、現在の設備によって事故と人の負担が実際に減っていることを会社単体の数字で示すことです。そのうえで、砺波工場が止まっても飲料供給を継続できる代替生産体制を具体化すれば、Bの中でもさらに上位を目指せます。
出典一覧
1.マイナビ2028「北陸コカ・コーラグループ 会社概要」
2.北陸コカ・コーラグループ採用サイト「社長メッセージ&会社概要」
3.厚生労働省 ハローワークインターネットサービス「北陸コカ・コーラプロダクツ株式会社 砺波工場 機械オペレーター求人」2026年8月10日受付
4.厚生労働省 ハローワークインターネットサービス「北陸コカ・コーラプロダクツ株式会社 砺波工場 求人・事業所PR情報」
5.厚生労働省 ハローワーク系求人情報「製品検査・製造付帯業務」2026年8月
6.北陸コカ・コーラボトリング株式会社「品質管理」および「Sustainability Report 2025」
7.日本コカ・コーラ株式会社「い・ろ・は・す おいしい水の秘密」
8.ハローワーク求人「清涼飲料の製造に関する品質管理業務」2026年9月
9.経済産業省 Gビズインフォ「北陸コカ・コーラプロダクツ株式会社」
10.ハローワーク求人「週3 製品検査・製造付帯業務」2026年8月
11.北陸コカ・コーラボトリング株式会社「令和8年度北陸コカ・コーラグループ入社式」2026年4月1日
12.富山労働局「くるみん認定書の交付」2026年9月4日
13.富山労働局「くるみん認定企業一覧」
14.砺波工場協会「令和5年度 安全標語コンクール」
15.北陸コカ・コーラボトリング株式会社「砺波工場製造『い・ろ・は・す 塩れもん』555mlPETボトルの製品自主回収について」2017年6月21日
16.Indeed「北陸コカ・コーラプロダクツ株式会社 砺波工場の社員クチコミ」2024年2月17日[情報ランクB]
17.転職会議「北陸コカ・コーラプロダクツ株式会社の年収・評価制度」2026年6月2日[情報ランクB]
18.北陸コカ・コーラボトリング株式会社「食品産業優良企業等表彰 農林水産大臣賞」
19.北陸コカ・コーラボトリング株式会社「砺波工場 太陽光発電オンサイトPPA」2025年3月5日
20.北陸コカ・コーラボトリング株式会社「とやま環境フェア2025 環境とやま県民会議会長表彰」2025年10月16日
21.北陸コカ・コーラボトリング株式会社「令和6年能登半島地震の影響について」2024年1月5日
22.北陸コカ・コーラボトリング株式会社「富山県へ災害備蓄用飲料水として『い・ろ・は・す』を寄贈」2023年11月24日
23.Google Drive「TOPPAN株式会社を企業審査|73点/100点・シビックランクB」現行版
24.Google Drive「キリンビバレッジ株式会社を企業審査|シビックランクB・総合点(74点/100点)」現行版
シビックランクの基準
| ランク | 総合点 |
|---|---|
| S | 90~100点 |
| A | 80~89点 |
| B | 70~79点 |
| C | 60~69点 |
| D | 50~59点 |
| E | 40~49点 |
| F | 20~39点 |
| G | 0~19点 |
北陸コカ・コーラプロダクツ株式会社は68点のため、今回のシビックランクはCです。
情報ランクの基準
| 情報ランク | 基準 |
|---|---|
| S | 公的機関、裁判所、規制当局、独立した第三者機関の調査・監査・検証・認証など、内容そのものに独立した裏づけがある情報 |
| A | 企業公式資料、採用情報、公式声明・SNS、氏名・役職・立場が確認できる記名取材や公表発言など、発信主体が明確な一次情報 |
| B | 従業員・元従業員の口コミ、一般SNS、匿名掲示板など、発信者の身元や対象企業との関係を独立に確認しにくい情報 |

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