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第八話 愚痴で俺の世界が変わった
金が出るなら 金が出る。 その一文だけが、妙に頭に残っていた。 シビックナビゲーション公式から、活動実績に応じてナビゲーター報酬が発生する場合があります。 最初にそれを見た時、俺は普通に笑った。 社会を変える。ブラック企業をなくす。人の声を集... -
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第七話 誰がそんなことをやるんだよ
誰がやるんだよ 画面には、まだ前回の合論結果が表示されていた。 【最終テーマ】愚痴をSNSで発信して、ブラック企業の現状を広める 【代表者】RoomA-1 【外部発信】進行中 【次回合論素材】保存済み:12件 俺は、その文字をしばらく眺めていた。 決まった... -
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第六話 FINAL DRIVE
最後の五人 【最終合論】 その表示を見つめながら、俺はしばらく動かなかった。 第二合論は、もう終わっていた。サブルームも、もう終わっていた。残るのは、最後の合論だけだ。 ……ついに次は、最後の合論になるのか。 ここまで来たら、もうごまかせない気... -
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第五話 加熱するドライブ
代表者ルーム テーマルームを閉じても、すぐには次へ進めなかった。 頭に残っていたのは、他のテーマの名前だった。 判定テンプレ。証拠の残し方。相談テンプレ。逃げ方の選択肢。 どれも、愚痴を発信するより役に立ちそうに見える。少なくとも、俺にはそ... -
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第四話外伝 シビックドライブという生き方
楽で助かるし、金にもなる 正直、最初は拍子抜けした。 昼間の私はコールセンターで働いている。苦情対応。怒鳴り声。舌打ち。謝罪。切るための会話。 相手を落ち着かせることより、通話を終わらせることの方が大事な仕事だ。決まった案内をして、変に期待... -
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第三話 新世界へ
再始動 俺は、画面をスクロールした。自分の知らない“続き”を、覗き込むみたいに。 俺がいなくなった後、いったいどうなったんだ? RoomA-1:「SNSで出すならタグ決めない?短くて刺さるやつがいいと思う」 RoomA-3:「拡散しやすい形にするために、“ブラ... -
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核兵器のない世界を目指す方へ
滅びゆく社会から楽しい社会へ 現在地球人が抱える最も大きな問題は、核兵器によって全人類が死滅する可能性があるという事実です。 この問題はすなわち地球上に住む全ての地球人に関係する問題であり、誰一人無関係ではいられないということです。 そのた... -
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第二話 俺の言葉じゃねえ!
みんな悩んでいるのか。 俺は、いちばん上の①に指を置いた。 まあ、見るだけ。見るだけだ。 タップした瞬間、画面が切り替わった。眩しいほど白かった画面が、少し落ち着いた灰色になって、文字と枠線が増える。 【第1合論:RoomA】トークルーム:ブラック... -
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第一話 ブラック企業への愚痴が世界を変える?
吐き気がする人生 終電の駅は、戦場の終わりみたいな顔をしている。 顔が死んでる人、イヤホンで現実を切ってる人、吐きそうなのをこらえてる人。 その中に混じって、俺もいる。 時計は23:58。 今日も「退勤」じゃなくて「脱出」だった。 会社はIT系の受託...
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