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株式会社カディアックの企業審査|総合シビックランクB|関空423台の自販機と災害協定は強み、アルバイト時給と労働・安全データの薄さが課題

関西国際空港で水や飲料を買いたいとき、売店まで歩かなくても近くの自動販売機で買えるかどうかは、旅行者だけでなく空港で働く人の時間にも関係します。実際、関西国際空港の貨物地区に寄せられた意見には、夕方にカディアックの営業が終わるとコンビニまで移動する必要があり、トラックを停める場所にも困るという声が掲載されています。飲料や食品を近くで買えることは、単なる便利さではなく、空港島内で働く人の休憩時間や移動負担にもつながっています。

株式会社カディアックは、関西国際空港内で自動販売機を運営し、ターミナルのラウンジ、売店、飲食店、機内食会社、空港内企業へ飲料や食品を卸す会社です。2024年12月時点の会社説明では管理自動販売機は423台でした。さらに、オフィスコーヒーサービスやウォーターサーバーも扱っています。大手飲料会社6社が共同出資して設立した会社で、同資料ではコカ・コーラ ボトラーズジャパン52%、キリンビバレッジ14%、サントリーフーズ12%、大塚製薬10%、アサヒ飲料7%、ポッカサッポロフード&ビバレッジ5%という構成でした。

一方、その便利さを支える仕事の条件は十分には見えません。2025年末の有価証券報告書では従業員21人、臨時従業員の年間平均3人と開示されていますが、正社員の基本給、2025年・2026年のベースアップ、平均残業時間、有給休暇取得率、離職率、育児休業実績などは会社単体では確認できませんでした。現在も関西エアポートの採用サイトには、自販機の商品補充と売上金回収を手伝うアルバイト求人があり、2025年5月更新時点の時給は1,200円です。

大阪府最低賃金は2025年10月16日から1,177円で、2026年10月1日から1,231円へ引き上げられることが決まっています。現在表示されている1,200円という求人条件は、2026年9月時点では最低賃金を23円上回りますが、10月以降も同じ条件で雇用するなら少なくとも法定最低額以上への改定が必要です。

本記事では、関西空港で飲料を買えるという利用者側の便利さだけでなく、その便利さを誰がどのような仕事で支えているのか、災害時の供給、安全、労働条件、環境対応まで分けて確認します。

目次

結論/総合シビックランク

総合シビックランクはBとします。

カディアックの最大の強みは、関西国際空港という特殊な場所で、複数の飲料メーカーの商品をまとめて扱い、自動販売機、卸売、オフィスコーヒー、ウォーターサーバーを通じて旅客と空港従業員へ飲料を届けていることです。2024年12月時点で管理自動販売機は423台とされ、ターミナルのラウンジ、売店、飲食店、機内食会社などへの卸売も行っています。空港のように移動経路が限られる場所では、必要な場所の近くで水分を確保できることに明確な価値があります。

Protectionでは具体的な仕組みがあります。2008年に当時の関西国際空港株式会社と災害時の商品提供協力協定を結び、2019年には関西エアポート株式会社と緊急時の商品提供協力協定を締結しています。災害対応自動販売機とカディアックの拠点在庫を使う体制も示されています。海上空港は連絡橋や交通網の障害によって外部からの補給が難しくなる可能性があるため、島内に飲料在庫を持つ意味は大きいと評価できます。ただし、実災害で何本を供給したかという具体的な実績は今回確認できなかったため、ProtectionはAではなくBとしました。

人間への貢献を示す具体例もあります。2023年の関西国際空港CSグランプリでは、カディアックの自動販売機補充担当者が、強い寒波で交通が混乱する中、妊娠中の利用者を通常業務の範囲を超えて丁寧に支援した事例が表彰されました。これは制度全体の働きやすさを証明するものではありませんが、利用者と直接接する現場で人を助ける行動が実際に評価された事実としてプラスです。

一方、Aにはしません。最大の理由は労働環境とSafetyの透明性です。2025年末の社員21人という小規模な会社でありながら、正社員の賃金、賞与、ベースアップ、残業、有給、休日、育休、離職などの基礎データがほとんど公開されていません。現在確認できるアルバイト求人は時給1,200円で、2026年9月時点の大阪府最低賃金1,177円との差は23円です。

Safetyでも、会社単体の労災件数、休業災害率、交通事故、転倒・挟まれ等の事故実績、重大事故件数は確認できませんでした。今回、会社名と死亡事故、労災、書類送検、行政処分、情報漏えいなどを組み合わせて確認した範囲では、カディアック単体を名指しする近年の重大な死亡労災や重大行政処分、重大な情報漏えいは確認できませんでしたが、検索で確認できないことを「事故がない証明」とは扱いません。

Innovationについても、6社共同出資による一元運営や災害対応自販機、ペットボトル水平リサイクル啓発への協力は評価できますが、自動化で補充作業時間が何時間減ったのか、商品運搬の負担をどれだけ減らしたのか、欠品をどれだけ減らしたのかといった人間への還元は数値で確認できません。

したがって、「関西空港で飲料を安定的に届ける事業と災害時の備えには明確な強みがある。一方、その仕事を担う人への賃金・時間・安全の還元を判断する情報が不足している」というのが今回の結論です。

評価領域ランク主な判断
事業による人間への貢献A関空内423台の自販機、卸売、OCS等で旅客・従業員の飲料アクセスを支える
労働環境B21人の小規模会社。アルバイトは時給1,200円。正社員の賃金・残業・有休等の単体データ不足
SafetyB重大事故は今回確認できないが、会社単体の労災指標や作業安全実績が公開されていない
InnovationB6社共同運営、災害対応自販機、リサイクル啓発は評価。作業負担削減の定量成果は不明
ProtectionB2008年・2019年の協定と災害対応自販機は評価。実災害での供給量とサイバー復旧力は不明
総合シビックランクB空港の飲料供給インフラとして価値が高いが、労働・Safetyの透明性がAを妨げる

基本情報

カディアックは、一般的なコカ・コーラ系の自販機会社とは少し異なります。コカ・コーラ ボトラーズジャパンが52%を持つ連結子会社である一方、キリン、サントリー、大塚、アサヒ、ポッカサッポロも出資する共同会社です。関西国際空港で複数メーカーの商品供給をまとめる目的で設立されました。現在のコカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングス公式サイトではグループ会社として掲載され、代表取締役社長は松下茂幸氏です。

項目内容
会社名株式会社カディアック
設立1993年7月14日
本社所在地大阪府泉南市泉州空港南1番地
代表者代表取締役社長 松下 茂幸
資本金8,000万円
主な事業自動販売機オペレーション、飲料・食品卸売、OCS、ウォーターサーバー
主な事業地域関西国際空港島内
従業員数21人、臨時従業員年間平均3人、2025年12月31日時点
管理自動販売機423台、2024年12月時点
2023年売上高11億9,100万円
2025年純利益1億4,904万7,000円
上場区分非上場
法人番号1120101044049

設立・資本金は2024年末の会社説明と2026年更新の企業情報で一致し、現在の代表者は松下茂幸氏です。従業員21人、臨時従業員3人は2025年末の有価証券報告書で確認できます。Gビズインフォでも社会保険適用事業所の被保険者数20人が掲載されており、約20人規模の小規模な会社であることが確認できます。

2025年12月期の決算公告では純利益1億4,904万7,000円、利益剰余金4億5,533万2,000円、総資産8億3,973万7,000円です。純利益は2022年1,730万4,000円、2023年7,167万4,000円、2024年1億1,894万3,000円、2025年1億4,904万7,000円と増えています。2021年には4,467万円の赤字でしたが、その後は黒字へ戻っています。ただし、利益が増えたことだけで人間への貢献や従業員への還元を高く評価することはしません。

似た会社との役割の違い

「コカ・コーラ ボトラーズジャパンベンディング」と「カディアック」はどちらも自動販売機に関わりますが、同じ会社ではありません。カディアックの特徴は、関西国際空港という限定された場所で、複数メーカーの共同出資会社として運営されていることです。

会社名実際にする仕事カディアックとの関係・担当範囲
株式会社カディアック関空内の自販機運営、飲料・食品卸売、OCS等今回の審査対象。空港内に特化
コカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社コカ・コーラ製品の製造・販売カディアック株式52%を持つ主要株主
コカ・コーラ ボトラーズジャパンベンディング株式会社自販機のオペレーション広い地域でベンディング業務を担う別法人
キリンビバレッジ等の5社各社ブランドの飲料事業カディアックへ共同出資する株主

1993年の設立時報道では、関西空港内の自販機運営を委託された6社が、セキュリティ、空港内への製品供給の円滑化、コスト合理化を目的に共同会社を設立したとされています。競合各社が別々の補充網を持つのではなく、一つの会社で空港内オペレーションをまとめることがカディアックの出発点でした。

主な業務内容と国内拠点

カディアックの仕事を「自販機事業」とだけ書くと、現場で誰が何をしているのかが見えません。確認できる資料からは、自動販売機へ商品を補充する仕事、売上金を回収する仕事、空港内のラウンジや売店などへ商品を卸す仕事、オフィスコーヒーやウォーターサーバーを提供する仕事があることが分かります。

自動販売機オペレーション

自販機事業では、関西国際空港内に設置された自動販売機を管理します。2024年12月時点で423台とされ、関西エアポートからの受託業務として清涼飲料や食品を販売しています。

現在のアルバイト求人で具体的に確認できる作業は、社員と一緒に自動販売機へ商品を補充することと、売上金を回収することです。勤務は7時30分から15時15分、1日7.45時間のシフト制とされています。運転はなく、免許も不要です。つまり、少なくともこの求人の担当者は、空港内で社員を補助しながら商品と現金を扱います。

自販機は設置しただけではサービスになりません。売れた商品を補充しなければ欠品し、売上金の回収などの日々の管理をしなければ運営を続けられません。ただし、一人が何台を担当するのか、補充頻度、台車や車両の使用方法などは公開情報では確認できませんでした。

飲料・食品の卸売

カディアックは自販機だけの会社ではありません。2024年末の会社説明では、ターミナル内ラウンジ、売店、飲食店、機内食会社、各企業へ清涼飲料や食品を卸しています。

旅行者がラウンジや飲食店で飲む飲料、機内食会社が扱う飲料などにも供給経路を持つことになります。自販機が個人客への直接販売であるのに対し、卸事業では空港内の事業者が顧客になります。

この卸事業の具体的な受発注方法、配送車両、倉庫作業、納品頻度は公開資料では確認できません。業界一般の作業を同社の実務として推定せず、確認できる範囲では「空港島内のラウンジ、売店、飲食店、機内食会社、企業への卸販売」までを同社の業務として扱います。

OCSとウォーターサーバー

会社説明にはOCS、つまりオフィスコーヒーサービスとウォーターサーバーも掲載されています。空港内で働く企業に対して、職場で飲料を利用できる環境を提供する仕事です。

旅客向けの売店や自販機と違い、これは空港従業員の職場環境に関わります。休憩時間に遠くの店舗まで行かず飲み物を入手できることは、短い休憩時間を有効に使うことにつながります。

拠点

本社所在地は大阪府泉南市泉州空港南1番地で、関西国際空港島内が事業の中心です。現在の公式グループ会社情報も同住所を掲載しています。

これは事業を空港の事情へ合わせやすい一方、Protectionでは地理的集中リスクになります。関空自体が利用不能になれば、カディアックの主要事業も大きな影響を受けます。多拠点企業のように別地域で同じ事業を続ける分散性はありません。

事業による人間への貢献

空港で飲料を販売することは、単に「喉が渇いた人にジュースを売る」だけではありません。空港内では搭乗口、貨物地区、職場など場所によって店舗までの距離があり、時間に制約を受ける人も多くいます。水分を必要な場所の近くで入手できることは、移動時間を減らし、旅行者や働く人の行動を支えます。

423台の自販機が移動時間を減らす

2024年12月時点でカディアックが管理する自販機は423台です。関西空港の中で飲料を買うために毎回売店まで歩く必要を減らせることが、最も分かりやすい人間への貢献です。

関西空港の貨物地区の改善要望には、夕方になるとカディアックが閉まるためコンビニまで移動するしかないという趣旨の声があります。この記述は、空港内の飲料・食品の供給場所が減るだけで、働く人に移動負担が生じることを具体的に示しています。

ただし、「カディアックが閉まる」という意見が具体的にどの販売設備を指すかは限定できないため、同社がなくなれば空港で飲み物が買えなくなるとまでは言いません。それでも、島内で供給地点を増やしていることには実用的な価値があります。

競合6社をまとめる仕組みが供給を支える

カディアックはコカ・コーラだけを扱う会社として設立されたわけではありません。2024年末の株主構成には、コカ・コーラ、キリン、サントリー、大塚、アサヒ、ポッカサッポロの6社が並びます。

設立時の1993年報道では、各社が共同会社を作った目的として、セキュリティ、空港内への製品供給の円滑化、コスト合理化が挙げられています。メーカーごとに別のオペレーションを持つより、空港内の運用をまとめるという考え方です。

この仕組みが現在どれだけ運送車両や作業時間を削減しているかは公開されていませんが、複数メーカーが共同で一つの運営会社を持つこと自体は、競争企業同士の協力による効率化として評価できます。

空港従業員への価値

カディアックの顧客は旅行者だけではありません。ラウンジ、売店、飲食店、機内食会社、空港内企業へ卸売し、OCSやウォーターサーバーも提供しています。

空港島内で働く人は、勤務時間中に島外へ飲料を買いに行くことは現実的ではありません。職場近くの供給地点やオフィス向けサービスは、休憩時間の移動を減らします。貨物地区の改善要望にカディアックの営業時間が具体的に挙げられている点も、その役割を示しています。

接客の範囲を超えた支援

2023年のKIX CSグランプリでは、カディアックの自販機補充担当者が表彰されました。強い寒波で連絡橋が通行止めになるなど交通が混乱した日に、妊娠9か月の利用者へ通常業務を超えて丁寧に対応したことが評価されています。

この事例は一人の社員の行動です。企業全体の労働文化を一件だけで断定することはできません。しかし、補充担当者も利用者と同じ空港空間で働き、困っている人に直接接する可能性があることが分かります。

限界もある

飲料販売そのものには限界もあります。販売される商品には水や無糖茶だけでなく、糖分を含む清涼飲料や食品も含まれます。どの商品を置くかが健康的な選択にどう影響するかという情報は、会社単体では公開されていません。

価格についても自販機ごとの販売価格、空港外の店舗との価格差、値上げ抑制の取り組みは確認できません。空港内で選択肢が限られる場所だからこそ、価格と品揃えの公正さは重要ですが、公開情報だけでは十分評価できません。

以上から、事業による人間への貢献はAとします。地域は関西空港に限定されますが、利用者と従業員に具体的な飲料アクセスを提供し、423台の自販機、卸売、OCS、非常時供給の仕組みを持つことに明確な価値があるためです。

代表業務・代表事業の審査

代表業務は「関西国際空港内の自動販売機オペレーション」とします。

この仕事は、単に自販機を置いておくことではありません。現在の求人で確認できるだけでも、補充担当者が社員と一緒に商品を補充し、売上金を回収しています。会社全体では423台を管理し、複数飲料メーカーが出資する共同会社として運営しています。

利用者側の価値は、飲み物を探すための移動を短くできることです。飛行機の出発時刻が迫っている旅行者や、限られた休憩時間で働く空港従業員にとって、近くに自販機があることには時間の価値があります。

一方、供給側では人が商品を補充し、現金を回収する仕事が今も残っています。Innovationを評価するなら、補充する人が運ぶ量、歩行距離、作業時間、身体への負担をどこまで減らせているかを見る必要があります。今回の公開情報では、そこまでの成果は確認できませんでした。

代表業務そのものはA相当の社会価値がありますが、労働環境とInnovationの結果が十分見えないため、会社全体の総合ランクはBとしています。

労働環境

旅行者から見れば、自販機はボタンを押せば商品が出てくる設備です。しかし、その裏では人が商品を補充し、現金を回収しています。423台のサービスを維持する便利さが、低い賃金や過重な作業へ依存していないかを見ることが重要です。

従業員数と雇用区分

2025年末の有価証券報告書では、カディアックの従業員数は21人、臨時従業員は年間平均3人です。2024年12月の会社説明でも従業員数21人とされていました。

Gビズインフォでは社会保険適用事業所の被保険者数20人と掲載されています。基準日や集計方法が異なるため21人と単純に一致させる必要はありませんが、約20人規模の小規模組織であることは確認できます。

人数が少ない会社では、一人あたりが担う業務範囲が広くなる可能性があります。しかし、カディアックの一人あたり担当台数や残業時間は公開されていないため、「少人数だから負担が重い」と断定はしません。

アルバイト時給は1,200円

現在も掲載されている関西エアポートの求人では、自販機補充作業サポートのアルバイト時給は1,200円です。交通費は全額支給され、勤務は7時30分から15時15分、1日7.45時間のシフト制です。平日のみの勤務や時間・曜日の相談が可能で、週5日勤務もできます。運転免許は不要です。

この求人の更新日は2025年5月1日です。その時点の大阪府最低賃金は1,114円で、時給1,200円は86円上回っていました。

しかし、大阪府最低賃金は2025年10月16日から1,177円となり、2026年9月現在では1,200円との差は23円です。さらに2026年10月1日から1,231円へ上がるため、同じ条件で10月以降も雇用するなら少なくとも最低賃金以上へ改定する必要があります。

求人情報が2025年5月更新のまま残っているため、実際の現場で2026年にいくら支払っているのかは断定できません。すでに社内賃金を上げている可能性もあります。したがって、現時点で最低賃金違反だとは評価しません。

正社員の基本給・賃上げは確認できない

正社員について、2025年または2026年の基本給、平均給与、賞与、ベースアップ額を会社単体で確認できる資料は見つかりませんでした。

コカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社などグループ他社には賃金や福利厚生の情報がありますが、カディアックは6社共同出資会社であり、親会社の給与制度をそのまま適用していると推測することはできません。

利益は2022年から2025年にかけて大きく改善しています。2025年純利益は1億4,904万7,000円です。しかし、その利益が社員の基本給、賞与、休日、人員増強へどれだけ還元されたかは公開情報では確認できません。

残業、休日、有給

正社員の年間休日、月平均残業時間、有給休暇取得率は確認できませんでした。

アルバイト求人はシフト制で、平日のみ可、時間・曜日相談可とされています。勤務時間が7時30分から15時15分であることは明示されています。

一方、週5日で1日7.45時間働くことも可能な求人でありながら、社会保険、年次有給、昇給、賞与、社員登用などについて求人本文には具体的記載がありません。法令上の適用は個々の労働条件によって決まるため、「制度がない」と断定はしません。

育児・介護・DE&I

カディアック単体の育児休業取得率、介護休業、女性管理職比率、男女賃金差、ハラスメント対策の実績は確認できませんでした。

コカ・コーラ ボトラーズジャパングループには各種方針がありますが、6社共同出資のカディアックの社員へ同じ制度・待遇がそのまま適用されるかは公開情報から確認できません。親会社の実績を自動的に同社へ移しません。

アルバイトと正社員の役割

現在の求人では、アルバイトは「社員さんと一緒に」補充を行うサポート職として位置づけられています。自販機の商品補充と売上金回収が明記されています。

この記述から、少なくとも補充現場では正社員とアルバイトが一緒に作業する体制があることが分かります。ただし、車両運転、発注、機械故障対応などをどちらが担当するかは確認できません。

正社員とアルバイトの賃金差、教育時間、安全教育、登用実績を公開すれば、現場の公平性をより正確に判断できます。

労働環境の評価

労働環境はBです。

アルバイトの勤務時間は具体的に公開され、交通費全額支給、勤務曜日の相談、免許不要など参加しやすい条件があります。一方、時給1,200円は2026年9月の大阪府最低賃金との差が23円に縮小しており、10月からの最低賃金1,231円への対応が必要です。

さらに、正社員の基本給、賃上げ、残業、休日、有給、育休、離職など重要項目が確認できません。悪い労働環境だと断定する根拠はありませんが、人間への還元をA評価するだけの透明性もありません。

Safety

自販機運営のSafetyは、製造工場の食品安全とは異なります。カディアック自身が飲料を製造しているわけではないため、原料管理や充填設備の衛生を同社の責任として評価するのは不適切です。一方、商品を補充し、現金を扱い、空港内で作業する会社として、働く人の事故や販売段階の管理には責任があります。

労働災害の結果指標が公開されていない

カディアック単体の労災件数、休業災害率、死亡事故、転倒、交通事故などの時系列データは確認できませんでした。

自販機補充という仕事では商品補充と売上金回収が確認できますが、どのような安全教育を行っているか、ヒヤリハットを何件集めているか、事故後の改善策は何かといった情報も公開されていません。

今回、会社名と労災、死亡事故、書類送検、行政処分、情報漏えいなどを組み合わせて追加確認した範囲では、近年のカディアック単体を名指しする重大な死亡労災、重大行政処分、重大情報漏えいは確認できませんでした。ただし、公開検索で見つからないことは事故が一度もない証明ではありません。

製品安全はメーカーと分けて考える

カディアックは複数メーカーの商品を扱います。製品そのものの製造安全やリコール責任は各メーカーにあります。

カディアック側の商品保管・補充の具体的な品質管理手順は、今回確認した公開情報では分かりませんでした。一般的な自販機業務を同社の実施事項として推測せず、情報不足として扱います。

顧客対応の具体例

2023年のCSグランプリ受賞はSafetyにも関係します。寒波で交通が混乱する中、妊娠中の利用者へ補充担当者が丁寧に支援したことが表彰されました。

これは製品Safetyの指標ではありませんが、利用者が困ったときに現場担当者が状況を見て動いた事例です。空港では、商品を補充する人も旅行者のすぐ近くで働くため、接客職でなくても利用者の安全と無関係ではありません。

Safetyの評価

SafetyはBです。

重大事故や行政処分は今回の調査では確認できず、利用者支援の良い事例もあります。一方、会社単体の労災結果、安全教育、事故類型、商品管理手順などがほとんど公開されていません。

社員21人という小規模会社であっても、安全指標や改善事例を公開すれば評価の信頼性を高められます。現状ではAに必要な根拠が不足しています。

Innovation

カディアックには大規模なAI開発やロボット工場は確認できません。しかしInnovationは最新技術の派手さではなく、人の時間、危険、無駄を減らす仕組みで評価します。その観点では、競合6社が共同で空港内オペレーションを集約した事業モデルそのものに特徴があります。

6社共同会社による運営集約

1993年の設立時、飲料6社がカディアックを作った目的には、空港内のセキュリティ、製品供給の円滑化、コスト合理化が挙げられていました。

空港へ6社がそれぞれ別々の運営網を持ち込むより、共同会社が一元的に自販機を管理するという仕組みです。これは技術ではなく業務設計上のInnovationとして評価できます。

ただし、共同化によって現在の車両台数、作業時間、CO2、コストがどれだけ減っているかという定量データは確認できません。設立理念だけでA評価にはしません。

災害対応自販機

カディアックは災害対応自販機と拠点在庫を災害時協力の仕組みに組み込んでいます。

通常は販売設備である自販機を、危機時には飲料供給設備として使える考え方は、設備の役割を広げるInnovationと評価できます。

一方、災害対応自販機が何台あり、どのように切り替えるのか、停電時にどこまで動くのかは確認できませんでした。

ボトルtoボトル啓発

2024年2月、関西エアポートは関西国際空港で「ボトルtoボトル 7秒チャレンジ in KIX」を実施し、コカ・コーラ ボトラーズジャパンとカディアックが協力しました。参加者がキャップを外し、ラベルを剥がし、ボトルを分別する作業を7秒以内に行うイベントです。

カディアック自身がリサイクル設備を開発したわけではありません。しかし、空港内で販売されるPETボトルについて、利用者の分別行動を促す活動に協力したことは、販売後の容器まで意識した取り組みとして評価できます。

現場の負担軽減は確認できない

現在も求人では人が自販機へ商品を補充し、売上金を回収する仕事が募集されています。

遠隔在庫監視、キャッシュレス化、需要予測、補充ルート最適化などをどこまで導入しているかは公開情報から確認できません。仮に導入していても、社員の歩行距離、運搬量、残業時間がどれだけ減ったかという人間への成果が分からなければ、高いInnovation評価にはつなげられません。

InnovationはBとします。共同運営、災害対応自販機、環境啓発という具体的な工夫はある一方、働く人の時間や身体負担を削減した実績が十分見えないためです。

Protection

関西国際空港は海上空港です。連絡橋や交通網に障害が起きると、空港島内へ商品や人を運ぶことが難しくなる可能性があります。普段の423台の自販機と在庫は、非常時には生活を守る資源にもなります。

2008年から災害時協定

2024年末の会社説明によれば、カディアックは2008年に関西国際空港株式会社と「災害時における商品の提供協力に関する協定書」を締結しました。2019年には関西エアポート株式会社と「緊急時における商品の提供協力に関する協定書」を締結しています。

協定とともに、災害対応自販機とカディアック拠点の在庫を活用する体制が示されています。

飲料会社のProtectionでは、「災害が起きたら支援したい」という意向だけでなく、平時から誰と協定を結び、どこに在庫があるかが重要です。その点で、カディアックには具体的な仕組みがあります。

空港内在庫の価値

空港島内で自販機423台と卸売事業を運営する会社が在庫を持つことは、非常時の初期対応に利用できる資源になります。

ただし、非常時用に何本を備蓄しているのか、何人分・何時間分を想定しているのかは公開されていません。協定があることと、十分な備蓄量があることは同じではありません。

実災害での供給実績は十分確認できない

2018年の台風21号では関西空港が大きな影響を受けましたが、今回の調査では、カディアックが協定に基づいて何本の飲料を提供し、どの自販機を災害対応に使ったかという会社単体の具体的な実績を確認できませんでした。

Protectionでは計画だけでなく実際の供給継続を重視するため、この情報不足は大きな理由となり、ランクはBに留めます。

サイバーProtection

自販機や売上管理、発注などがデジタル化されるほど、システム障害やサイバー攻撃は販売継続へ影響します。

コカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングスのプライバシー関連ポリシーではカディアックも対象グループ会社として含まれています。

一方、カディアック単体について、SOC、24時間監視、CSIRT、端末管理、ネットワーク分離、オフラインバックアップ、復旧目標時間などは公開情報から確認できませんでした。グループ方針が存在することと、空港内の自販機運営を何時間で復旧できることは別の問題です。

Protectionの評価

ProtectionはBとします。

2008年から災害時の商品提供協定を持ち、2019年にも関西エアポートと緊急時の協定を締結し、災害対応自販機と島内在庫を供給手段として用意していることは、空港という立地に合った具体策です。

一方、実災害での供給量とサイバー復旧力は確認できません。計画から一歩進んだ備えは評価しつつ、実績まで確認できるAにはしません。

主なニュース・最近の動き

ここでは、最近の数字や出来事のうち、働く人、利用者、空港の供給に関係するものを確認します。単なる会社広報ではなく、現在の評価を考える材料になる動きを選びます。

2026年3月の決算公告で純利益1億4,904万7,000円

2025年12月期の決算公告では、純利益1億4,904万7,000円、利益剰余金4億5,533万2,000円、総資産8億3,973万7,000円となりました。2024年の純利益1億1,894万3,000円から増加しています。

2021年には4,467万円の赤字でしたが、2022年に黒字へ戻り、2023年、2024年、2025年と利益が増えています。

利用者にとっては供給会社の経営が安定することはプラスです。一方、労働者にとって重要なのは、この利益が基本給、賞与、採用、安全設備、人員増強へどれだけ還元されたかです。その情報は確認できず、利益回復だけで労働環境を高評価にはしていません。

2026年10月から大阪府最低賃金が1,231円へ

カディアックの公開アルバイト求人は2025年5月更新で、時給1,200円です。大阪府最低賃金は現在1,177円ですが、2026年10月1日から1,231円へ上がることが決まっています。

そのため、求人条件が更新されないままでは10月以降の最低賃金を下回ります。実際の賃金がすでに改定されている可能性はあるため違反とは断定しませんが、求人情報と実際の条件を早く一致させることが望まれます。

この動きは、会社の利益が回復する中で、補充を支える非正規労働者へどこまで還元するかを見る重要な材料です。

2024年2月、PETボトル水平リサイクルイベントに協力

関西エアポートは2024年2月9日、関西国際空港で「ボトルtoボトル 7秒チャレンジ in KIX」を開催しました。カディアックはコカ・コーラ ボトラーズジャパンとともに協力企業として記載されています。

空港内では多くのPET飲料が消費されるため、販売するだけでなく分別・水平リサイクルを促すことには意味があります。カディアックが再生設備を運営しているわけではありませんが、販売現場側の会社として利用者の分別行動を促す活動へ参加した点はプラスです。

2023年、補充担当者がKIX CSグランプリ

2023年には、カディアックの自販機補充担当者が関西国際空港のCSグランプリを受賞しました。強い寒波でアクセスが混乱した日に、妊娠中の利用者へ通常業務を超えた支援を行ったことが評価されています。

商品補充という裏方業務でも、利用者と同じ空間で働く人は、非常時には直接人を助ける存在になり得ます。一件の表彰で会社全体を判断することはしませんが、人間への貢献が具体的な行動として表れた事例です。

項目別ランク

項目ランク評価理由
事業による人間への貢献A関空内423台の自販機と卸売で、旅客・従業員の飲料アクセスを具体的に支える
労働環境B正社員21人。アルバイト時給1,200円。正社員の賃金・残業・有休・育休等が非公開
SafetyB重大事故は確認できないが、労災結果や安全教育・事故率が会社単体で見えない
InnovationB6社共同運営、災害対応自販機、リサイクル啓発を評価。現場負担削減の成果は不明
ProtectionB2008年と2019年の協定、災害対応自販機は具体的。実供給実績とサイバー復旧力の開示は不足
総合シビックランクB空港の飲料供給には強い社会価値があるが、働く人とSafetyの透明性が不足

総合評価

株式会社カディアックは、規模だけ見れば従業員21人の小さな会社です。しかし、その社員と臨時従業員が関西国際空港という特殊な場所で、423台の自動販売機、空港内事業者への卸売、オフィスコーヒー、ウォーターサーバーを支えています。

この会社の価値は、「有名ブランドを持っていること」ではありません。旅行者や空港従業員が必要な場所で飲み物を買える状態を維持することです。貨物地区の意見欄に、カディアックが閉まった後はコンビニへ移動する必要があるという不便が具体的に書かれていることからも、供給地点の存在が人の時間へ影響することが分かります。

さらに特徴的なのは、競合する飲料6社が共同で作った会社だという点です。2024年末の説明では、コカ・コーラ52%を筆頭にキリン、サントリー、大塚、アサヒ、ポッカサッポロが出資しています。1993年の設立時には、空港のセキュリティ、供給円滑化、コスト合理化が共同化の目的として示されていました。

これは、企業同士が競争しながらも、空港という共通インフラでは協力して効率を上げる例です。各メーカーが同じ空港内で重複した運営網を作るより、一社へ集約する方が合理的な場面があります。人間への貢献という観点でも、競争だけではなく協力によって生活の利便性を作る事業モデルとして評価できます。

災害対応も強みです。カディアックは2008年から災害時の商品提供協定を持ち、2019年には現在の関西エアポートとも緊急時の協定を締結しました。災害対応自販機と拠点在庫を持つことは、普段の商品を非常時の生活資源へ変える仕組みです。

ただし、2018年の台風など実際の大規模災害時に、同社が何本を供給し、何時間で通常運営へ戻ったのかは今回確認できませんでした。Protectionは計画だけでなく実績まで重視するため、この点を理由にBとしています。

働く人を見ると評価はさらに慎重になります。現在確認できるアルバイト求人では、商品補充と売上金回収を担当し、時給は1,200円です。2026年9月現在の大阪府最低賃金1,177円との差は23円しかなく、10月からは最低賃金自体が1,231円へ上がります。求人の更新日が2025年5月であるため実賃金がすでに変更された可能性はありますが、少なくとも公開情報は現状に追いついていません。

また、正社員については基本給、ベースアップ、賞与、残業、有給、年間休日、育休、離職率などが確認できません。会社は2025年に約1億4,900万円の純利益を上げています。利益が回復した今だからこそ、現場を支える人へ賃金や休日、安全設備としてどれだけ返しているかを公開してほしいところです。

Safetyでも同じ課題があります。死亡事故や重大行政処分は今回の調査では確認できませんでしたが、会社単体の労災率や事故件数も確認できません。補充作業を行う会社である以上、「重大事故の記事がない」だけではA評価にはできません。

Innovationは、設立時からの6社共同運営、災害対応自販機、2024年のPETボトル水平リサイクル啓発などに具体性があります。一方、現在も商品補充と現金回収を人が担っており、その身体負担や移動時間をデジタルや自動化でどこまで減らしているかは見えません。

2023年に補充担当者が困っていた妊娠中の利用者を助け、空港のCSグランプリを受けた事例は、この会社の仕事を理解するうえで象徴的です。自販機の裏側で働く人は、商品を詰めるだけの存在ではなく、空港で困っている人と接する現場の一員でもあります。

総合シビックランクはBです。

最も大きな強みは、関西空港内の飲料アクセスと災害時協力の仕組みです。一方、労働環境とSafetyはB相当です。事業そのものには高い人間貢献があるのに、その便利さを作る働く人の待遇と事故実績が十分見えないことが、総合Aを妨げています。

Aへ上がるために重要なのは、正社員と臨時雇用を分けた基本給・賃上げ、残業、有給、年間休日、育休、離職を公開すること。アルバイト賃金を最低賃金の上昇だけに追随するのではなく、空港内で商品供給を支える仕事の価値に応じて改善すること。労災件数や安全教育、事故後の改善を公開すること。さらに、需要予測やキャッシュレス、遠隔管理などによって補充回数、歩行距離、商品運搬量、残業をどれだけ減らしたかを示すことです。

関西空港で飲み物が「そこにある」状態は、自動販売機が自動で作っているわけではありません。人が補充し、在庫を持ち、卸し、非常時には供給できるよう準備しています。その仕事の社会的価値は高いからこそ、次に求めたいのは、そこで働く人にも同じだけ分かりやすい利益が返っていることです。

出典一覧

  1. 関西国際空港「KIX貨物地区改善アイデアと回答」
  2. 関西国際空港ロータリークラブ「株式会社カディアックについて」2024年12月
  3. コカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングス株式会社「第68期 有価証券報告書」
  4. 関西エアポート採用サイト「株式会社カディアック 自販機補充作業サポートスタッフ」
  5. 大阪労働局「大阪府最低賃金は令和8年10月1日から時間額1,231円」
  6. 関西国際空港「2023年受賞者」
  7. コカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングス株式会社「グループ会社」
  8. 経済産業省 Gビズインフォ「株式会社カディアック」
  9. 官報決算データベース「株式会社カディアックの会社情報・決算公告」
  10. 日本食糧新聞「近畿コカなど6社、株式会社カディアックを設立、関西空港の自販機運営」1993年7月28日
  11. 大阪労働局「令和6年度大阪府内の最低賃金」
  12. 大阪ハローワーク「大阪府の最低賃金 令和7年10月16日から1,177円」
  13. 関西エアポート株式会社「ボトルtoボトル 7秒チャレンジ in KIX」2024年2月2日
  14. コカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングス株式会社「プライバシーポリシー」
  15. doda「株式会社カディアックの企業情報」2026年7月更新

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