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株式会社リソーシズの企業審査|総合シビックランクB|資源循環と障害者雇用は高評価、年間休日102日と安全指標の薄さが課題

家庭で分別したペットボトルや空き缶は、ごみステーションへ出しただけでは資源に戻りません。誰かが回収し、異物を取り除き、圧縮し、破砕し、再生原料として使える状態まで加工しなければ、結局は焼却や埋立てへ回る可能性があります。

高松市では、令和6年度に家庭から回収したペットボトル486.15トンを独自ルートで再資源化しており、上期・下期とも引き渡し先は株式会社リソーシズでした。つまり、家庭で行う「分別」が実際の再利用につながる途中工程を、この会社が担っています。

しかも、リソーシズの仕事はペットボトルだけではありません。国分寺工場ではびん・缶・ペットボトル・廃プラスチックを選別・圧縮・梱包し、綾川工場ではペットボトルを加工し、千疋工場ではアルミ缶を破砕して約500度の熱風処理を行い、塗装やフィルムを除去してアルミペレットやアルミブリケットへ加工します。廃棄された自動販売機はフロンガスを抜き、一台ずつ手作業で解体して資源を分けています。

一方、資源循環は重機、フォークリフト、破砕機、熱処理設備、廃棄物運搬車両を使う仕事でもあります。2026年の求人では、千疋工場の正社員が油圧ショベルで廃自動販売機などを解砕し、空容器を選別する仕事を担っています。基本給は20万~25万円、住宅手当2万円、固定残業なし、求人上は時間外労働なしですが、年間休日は102日です。

資源を未来へ残す事業そのものは高く評価できます。しかし、環境に良い仕事だから、その仕事をする人の休日や安全を軽く見てよいわけではありません。本記事では、株式会社リソーシズが生活者の分別をどう資源へ戻しているのか、その裏側で働く人へ利益や安全がどう還元されているのかを分けて審査します。

目次

結論/総合シビックランク

総合シビックランクはBとします。

最も高く評価できるのは、廃棄物を単に運ぶだけでなく、選別・圧縮・破砕・熱処理・再資源化まで自社設備で行い、廃棄物を再び産業資源へ戻していることです。

高松市の家庭から出たペットボトルの独自ルート再資源化を令和6年度の上期・下期とも担当し、令和7年度には高松市の出先施設153か所、延べ164施設を対象とする廃棄物リサイクル回収業務も落札しています。市民が分別した資源物を回収し、再利用可能な状態へ戻す機能は、廃棄物削減と資源消費抑制に直接つながります。

Innovationでも具体性があります。アルミ缶は破砕後に磁選機で鉄を除き、アルミ選別機でアルミを抽出し、約500度の熱風で塗装やフィルムを除去して再利用資源へ加工します。さらに、アルミペレット製造時に出るアルミ粉をアルミブリケットの原料へ再利用する技術は、香川県の令和7年度「環境配慮モデル事業所」でも紹介されています。廃自動販売機についてもフロンを抜き、手作業で細かく解体して資源分別を行います。

労働環境では良い点もあります。2026年6月受付の千疋工場求人では、正社員、期間の定めなし、基本給20万~25万円、住宅手当2万円、固定残業代なし、求人票上は時間外労働なしとされています。フォークリフトや車両系建設機械などの資格取得費用を会社が負担する制度もあります。

2017年には厚生労働省の第1回「働きやすく生産性の高い企業・職場表彰」で奨励賞を受け、2021年には障害者雇用優良中小事業主の「もにす認定」を受けました。香川労働局の現在の認定企業一覧にも同社が掲載されています。

しかしAにはしません。

第一に、年間休日102日は現在の求人条件としては少ない部類です。月平均労働日数21.9日で、日曜と工場カレンダーによる休日という働き方です。求人上は残業なしでも、自由時間という観点では年間休日120日前後の企業と差があります。

第二に、育児休業・介護休業・看護休暇の取得実績は2026年求人でいずれも「なし」と記載されています。対象者がいなかった可能性もあるため制度不備とは断定しませんが、実際の利用実績を確認できない以上、子育てや介護との両立をA評価する根拠にはできません。

第三に、Safetyの結果指標が弱い点です。各工場にAEDを置き、資格取得補助を行い、千疋工場はISO14001を取得していますが、会社単体の労災件数、休業災害率、重機・フォークリフト事故、死亡事故の時系列データは確認できませんでした。破砕機、重機、熱処理設備を使う事業である以上、制度だけでなく事故実績を確認したいところです。

第四に、BCPは2015年に中小企業庁のBCP策定企業一覧へ掲載された実績がありますが、現在の具体的な代替拠点、非常用電源、サイバー復旧時間、手動受注、物流代替などは十分公開されていません。3工場を持つことは分散性としてプラスですが、災害時に何日で通常処理へ戻れるかまでは確認できません。

以上から、資源循環、障害者雇用、技術面に明確な長所があり、重大な違反や事故も今回の調査では確認できなかった一方、年間休日、安全指標、育児・介護利用実績、危機対応の透明性に課題があるため総合Bとします。

評価領域ランク主な判断
事業による人間への貢献A家庭・企業の廃棄物を再資源化し、自治体のリサイクルを実際に支える
労働環境B固定残業なし・求人上残業なし・資格支援は評価。年間休日102日、育休等の取得実績なしが課題
SafetyBAEDや資格制度はあるが、会社単体の労災・重大事故指標が不足
InnovationAアルミの高度選別・熱処理、再生原料化、廃自販機解体など具体的な再資源化技術を評価
ProtectionB3工場、BCP策定実績は評価。現在の復旧時間・代替処理・サイバー対策の詳細が不明
総合シビックランクB社会的価値は高いが、働く人の時間と安全実績の透明性がAを妨げる

基本情報

株式会社リソーシズは香川県高松市に本社を置くリサイクル企業です。1982年に設立され、1996年に現在の「リソーシズ」へ社名を改めました。資本金は4,000万円です。現在の代表取締役は沖川学氏です。

コカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングスの公式グループ会社一覧では、リソーシズは持分法適用会社として掲載されています。2025年度有価証券報告書では、コカ・コーラ ボトラーズジャパン側の議決権所有割合は44.0%です。ただしリソーシズはコカ・コーラ製品だけを扱う会社ではなく、高松市など自治体の一般廃棄物、民間企業の空容器、蛍光管、乾電池、PETボトル、アルミ加工品など幅広い資源循環を担っています。

項目内容
会社名株式会社リソーシズ
設立1982年4月
現社名への改称1996年
本社香川県高松市室町1907番地36
代表者代表取締役 沖川 学
資本金4,000万円
従業員数84人、2026年6月求人票の企業全体人数
主要事業廃棄物収集運搬、中間処理、再資源化物販売、一般貨物自動車運送
主な工場国分寺工場、綾川工場、千疋工場
コカ・コーラとの関係CCBJ側が44%を間接保有する持分法適用会社
上場区分非上場
法人番号3470001004289

従業員数については、厚生労働省の2017年表彰資料では74人でしたが、2026年6月のハローワーク求人票では企業全体84人とされています。現在値としては後者を優先します。

コカ・コーラ関連会社との役割の違い

同じコカ・コーラ関連企業でも、リソーシズは飲料を製造したり自販機へ商品を補充したりする会社ではありません。使い終わった容器や廃自販機を資源へ戻す「出口側」を担当します。

会社名実際にする仕事リソーシズとの違い
株式会社リソーシズ空容器回収、選別、圧縮、PET加工、アルミ加工、廃自販機解体今回の審査対象。使用後の資源循環を担う
コカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社飲料の製造・販売商品を市場へ出す側
コカ・コーラ ボトラーズジャパンベンディング株式会社自販機のオペレーション自販機を使用する段階を担う
株式会社onEQuest自販機・クーラー等の設置、保守、修理等機材を使い続けるための保守側

リソーシズの公式な事業内容と、CCBJグループ会社一覧に記載されたonEQuestの役割を比較すると、両社の位置づけは明確に異なります。

主な業務内容と国内拠点

「リサイクル業」とだけ書くと、現場の仕事は見えません。リソーシズでは、回収車の運転、工場での選別、フォークリフトや油圧ショベルの操作、破砕機への投入、アルミの熱処理、PETボトルの加工、廃自販機の手解体など、資源ごとに異なる仕事が発生します。

国分寺工場

国分寺工場では、第一工場でびん・缶・ペットボトルの分別、圧縮、梱包などの中間処理を行い、第二工場で自治体の廃プラスチック類を分別、圧縮、梱包します。

家庭や事業所から集まる資源物は、そのままでは種類や状態がばらばらです。異物を取り除き、素材別に分け、運びやすい形へ圧縮・梱包して初めて、次の再生事業者へ渡しやすくなります。この工場は「ごみ」と「原料」の間にある選別拠点です。

綾川工場

綾川工場はPETボトルの加工工場です。公式の事業紹介では、ペットボトルをショベルカーで破砕ホッパーへ投入し、約8mm角の小片に破砕して梱包します。ペットボトルだけのフレークや、キャップ・ラベルを含む混合フレークは再生利用の専門業者へ配送されます。

市民がキャップやラベルを外して分別する意味は、こうした後工程の品質にもつながります。逆に異物が多ければ、工場側でより多くの選別作業が必要になります。

千疋工場

千疋工場はリソーシズのInnovationを最も具体的に示す拠点です。敷地面積は42,760平方メートル、建築面積6,484平方メートルで、アルミ缶の高度な再資源化、PETボトルのストック・フレーク出荷、廃自動販売機の解体などを担います。

アルミ缶はプレスされた状態から解体し、磁選機でスチールを除き、破砕機で細かくした後、アルミ選別機でアルミを抽出します。さらに約500度の熱風処理をするロータリーキルンでフィルムや塗装を除去し、アルミペレットやアルミブリケットとして再利用されます。

廃自動販売機は飲料メーカーから回収し、冷媒装置内のフロンガスを抜いた後、一台ずつ手作業で解体して資源を分けます。単純に大型機械で丸ごと潰すのではなく、冷媒処理と素材分別を行うことで環境負荷を下げています。

車両・重機

公式設備情報では、ダンプ車12台、大型アームロール車2台、ウイング車3台、塵芥車5台、キャブオーバー車3台、バン1台、小型車1台、さらにリフト・ショベルローダー・ユンボを計16台保有しています。

つまりリソーシズの仕事は「工場内の分別」だけではなく、自治体や企業から資源物を回収し、工場へ運び、加工後の資源を次の事業者へ配送するところまで含みます。

事業による人間への貢献

家庭で分別しても、回収後に適切な処理先がなければリサイクルは成立しません。リソーシズの社会的価値は、市民や企業が出した「捨てるもの」を、再び使える原料へ変える中間機能にあります。

高松市の家庭から出たPETボトル486.15トンを再資源化ルートへ

高松市の2025年8月更新資料では、令和6年度に家庭から回収されたPETボトルのうち、独自ルートで引き渡された量は486.15トンで、上期・下期とも委託事業者はリソーシズでした。引き渡されたPETボトルは、化学繊維やプラスチック原料として再資源化されます。

市民にとって重要なのは、「分別してください」と言われて終わるのではなく、その後に本当に再資源化する事業者が存在することです。

市役所など153施設の回収も担当

2025年4月、高松市の令和7年度出先施設廃棄物リサイクル回収業務の入札でリソーシズが落札しました。対象は高松市山田総合センターなど153施設、延べ164施設で、落札額は税抜442万8,000円です。

役所や公共施設で分別された資源物も、回収する会社がなければ建物内にたまり続けます。自治体のごみ分別制度を実際の物流へ変換する仕事として評価できます。

アルミを産業資源へ戻す

千疋工場ではアルミ缶をアルミペレットやアルミブリケットへ加工します。香川県の令和7年度環境配慮モデル事業所資料では、アルミペレット製造時に出るアルミ粉もアルミブリケット原料へ使うことが紹介されています。

つまり、アルミ缶から再資源化物を作る過程で出る副産物も、さらに原料へ戻しています。再生工程自体から出る廃棄物を減らす取り組みとして高く評価できます。

廃自販機からフロンと資源を分ける

自動販売機は金属、プラスチック、冷媒装置など複数素材で構成されています。リソーシズは冷媒内のフロンを抜いた後、一台ずつ手作業で解体します。

飲料販売の便利さを評価するとき、古くなった機械をどう処理するかまで見る必要があります。大量の自販機を使う社会では、廃棄段階を設計しなければ金属資源の損失や環境負荷が増えます。

工場見学で「ごみの後」を見せる

同社は小中学生の社会科授業として工場見学を受け入れています。高松市主催のリサイクル工場見学会や各小学校の見学実績も継続的に公開されています。

リサイクルは家庭では「分けて袋へ入れる」ところまでしか見えません。実際に工場で破砕・選別・圧縮される工程を見ることは、分別ルールの意味を理解する教育にもなります。

以上から、事業による人間への貢献はAです。

代表業務・代表事業の審査

代表業務は「空容器・廃棄機器の回収から再資源化までの一貫処理」とします。

この会社の特徴は、集めて終わりではないことです。ペットボトルなら回収・選別・破砕し、アルミ缶なら選別・破砕・熱処理し、廃自販機ならフロンを抜いて解体します。素材を再利用できる状態まで加工して次の産業へ渡します。

例えば、アルミ缶は家庭では単なる「資源ごみ」ですが、千疋工場ではスチールを除き、塗装やフィルムを熱処理で取り、アルミだけを再利用可能な原料へ戻します。

代表業務はA相当です。ただし、工場で働く人の休日や安全性は別に評価する必要があります。

労働環境

リサイクルは社会に必要な仕事ですが、現場は重機・車両・破砕機を扱います。環境に良い会社であることと、働きやすい会社であることは同じではありません。

基本給・手当・賞与

2026年6月19日受付の千疋工場「重機オペレーター・工場内作業全般」の正社員求人では、基本給は月20万~25万円です。固定の住宅手当2万円が加わり、求人票上の月額は22万~27万円です。固定残業代はありません。

その他、皆勤手当は0~8,000円、扶養手当は配偶者1万円、子ども1人3,000円、生産手当は0~3万円です。生産手当は勤務状況や勤続年数等で支給されるため、全員が3万円を受け取ると解釈してはいけません。

昇給は前年度実績で月0~3,000円。賞与は年2回、前年度実績で5万~25万円です。

既存社員の2026年ベースアップ額は公開情報から確認できませんでした。昇給実績とベースアップは別物なので、月0~3,000円をベア額とは扱いません。

時間外労働なしは評価、年間休日102日は課題

求人票では勤務時間は8時から16時40分、休憩80分、時間外労働なし、36協定の特別条項なしとされています。固定残業代もありません。

これは明確なプラスです。工場の重機作業で残業が常態化していないなら、疲労による事故リスクを下げる意味もあります。

一方、年間休日は102日です。休日は日曜その他で、工場カレンダーによります。月平均労働日数は21.9日です。

残業がなくても、年間休日が少なければ総自由時間は減ります。年間休日120日の企業と比べれば約18日差があります。

資格取得費用を会社が負担

求人ではフォークリフト運転技能者と車両系建設機械運転技能者は「あれば尚可」とされ、取得補助があります。特記事項では、フォークリフト・車両系建設機械などの免許取得費用を会社が負担するとされています。ただし3年以内に退社した場合は返金が必要です。

現場で必要な資格を労働者の自己負担だけにしないことは評価できます。

退職金と社会保険

雇用保険、労災保険、健康保険、厚生年金、財形があり、退職金制度は勤続3年以上が対象です。定年は65歳で、勤務延長制度があります。

育児・介護制度は取得実績なし

2026年求人票では、育児休業取得実績、介護休業取得実績、看護休暇取得実績はいずれも「なし」です。

これは制度が存在しないことを意味するとは限りません。対象者がいなかった可能性や、求人票の集計期間の問題もあります。しかし、子育て・介護との両立実績を確認できないため、福利厚生の高評価材料にはできません。

障害者雇用は明確な強み

2021年9月10日、リソーシズは障害者雇用優良中小事業主認定制度「もにす」の認定を受けました。香川労働局の現在の認定企業一覧でも、県内認定企業としてリソーシズが掲載されています。

2017年には厚生労働省の第1回「働きやすく生産性の高い企業・職場表彰」の中小企業部門で奨励賞も受賞しています。

ただし、2017年の表彰をそのまま2026年の労働環境評価には使いません。現在の求人条件を優先し、過去から働き方改善に取り組んできた背景として扱います。

外国人雇用実績

2026年の求人票では外国人雇用実績「あり」とされています。

外国人を雇っていること自体はプラスでもマイナスでもありません。重要なのは賃金、教育、安全、言語支援、在留資格に応じた適正な雇用です。今回の公開情報では外国人社員の人数や職種、待遇を確認できないため、それ以上は推測しません。

労働組合

求人票では労働組合は「なし」です。

労働組合がないことだけで低評価にはしませんが、現場から安全や休日、賃金について意見を上げる仕組みがどのように確保されているかは公開情報から分かりません。

労働環境の評価

労働環境はBです。

固定残業代なし、求人票上時間外労働なし、住宅手当、資格取得費用支援、65歳定年、退職金、障害者雇用の「もにす認定」は評価できます。

一方、年間休日102日は明確な弱点です。育児・介護・看護休暇の取得実績も確認できず、ベースアップ、平均有休取得率、平均勤続年数、離職率、男女賃金差なども非公表です。

Safety

資源循環工場では、環境性能だけでなく、そこで働く人が重機や設備でけがをしないことが最優先です。

重機・破砕・熱処理を伴う仕事

千疋工場の求人では、油圧ショベルを使って自動販売機等の資源物を解砕し、空容器を選別します。公式事業紹介では、アルミ缶を破砕し、約500度の熱風処理を行います。

これらは一般事務とは異なる危険源を持つ仕事です。機械への巻き込まれ、重機との接触、高温設備、重量物、車両などへの安全対策が必要になります。

資格取得支援とAED

フォークリフトや車両系建設機械の資格取得費用を会社が負担する制度があります。

公式採用ページでは各工場にAEDを設置していることも紹介されています。

重大事故・行政処分の追加調査

今回、株式会社リソーシズ、高松、千疋工場などを組み合わせ、死亡事故、労災、書類送検、行政処分、火災、情報漏えいなどを追加検索しました。その範囲では、近年の同社を名指しする重大な死亡労災や大規模な行政処分は確認できませんでした。

ただし、「見つからなかった」ことを「事故が一件もない」とは扱いません。

会社単体の度数率、休業災害件数、重大事故件数、フォークリフト事故、交通事故の時系列データは公開情報から確認できませんでした。

環境安全と許認可

同社は香川県、高松市、愛媛県、高知県、徳島県、岡山県、兵庫県、大阪府で産業廃棄物収集運搬業の許可を持ち、高松市・香川県で産業廃棄物処分業の許可を持っています。

廃棄物処理は許可制の事業であり、許可区域と処理内容が明確であることは利用者・自治体にとって重要です。

Safetyの評価

SafetyはBです。

重機資格取得支援、AED、許可制度への対応など予防面は確認できます。近年の重大事故も今回の調査では確認できませんでした。

しかし、結果指標の公開が不足しています。

Innovation

リソーシズのInnovationは、AIやソフトウェアより「廃棄物をどこまで資源へ戻せるか」という加工技術にあります。

アルミ缶をペレット・ブリケットへ

千疋工場では、回収したアルミ缶を解体し、磁選、破砕、アルミ選別、約500度の熱風処理を経て、アルミペレットやアルミブリケットを製造します。

香川県の令和7年度「環境配慮モデル事業所」資料では、アルミペレット製造時に発生するアルミ粉をアルミブリケットの原料へ再利用する点も評価されています。

これは「リサイクル工程から出る残さを、さらにリサイクルする」仕組みです。

廃自動販売機の細分解

2011年から自動販売機解体事業を開始しました。廃自販機からフロンガスを抜き、一台ずつ手作業で解体して資源を分けています。

PETボトルをフレークへ

綾川工場ではPETボトルを約8mm角に破砕し、フレークとして再生利用事業者へ送ります。

ボトルtoボトルの最終的な樹脂化までをリソーシズが行っているとは確認できないため、その成果まで自社実績にはしません。

太陽光発電

千疋工場では2015年4月から太陽光発電設備を運転しています。

一方、年間発電量や工場使用電力の何%を賄っているかは今回の公開情報では確認できませんでした。

人への還元は一部確認、定量化は不足

2017年の厚生労働省表彰では、生産性と働きやすさを両立する取り組みが評価されています。また2026年の求人では時間外労働なしとされています。

ただし、設備導入で選別作業員の重量物運搬がどれだけ減ったのか、腰痛や事故が減ったのか、労働時間が何時間短縮されたのかは公開されていません。

Innovationの総合評価はAとします。理由は、資源循環の中核技術そのものが事業価値に直結し、アルミ粉まで再利用するなど具体的な成果が確認できるためです。

Protection

ごみ回収や資源処理が止まると、自治体や事業所では廃棄物が蓄積します。飲料や食品ほど即座に生命へ直結しなくても、長期間止まれば衛生や物流、公共施設の運営に影響します。

3つの工場を持つ

リソーシズは国分寺、綾川、千疋の3工場を持っています。各工場の機能は異なるため、同じ処理を完全に代替できるとは限りませんが、一拠点だけの会社より設備が分散しています。

国分寺工場は空容器・廃プラの中間処理、綾川工場はPET加工、千疋工場はアルミ加工や廃自販機解体などを担います。

BCP策定実績

沿革では2015年12月に中小企業庁BCP策定企業一覧へ掲載されたとしています。

ただし、2026年現在のBCP内容、非常用電源、燃料備蓄、代替工場、災害時の自治体回収継続方法、復旧目標時間は公開情報から十分確認できませんでした。

車両の分散と回収能力

同社はダンプ12台、塵芥車5台、大型アームロール車2台など複数種類の車両を保有します。

回収対象や道路状況に応じて車種を使い分けられることは、日常の物流柔軟性としてプラスです。

サイバーProtection

リソーシズ単体のEDR、SOC、CSIRT、オフラインバックアップ、復旧訓練などの公開情報は確認できませんでした。

サイバー攻撃の重大被害も今回の調査では確認できませんでしたが、事故がないことと防御力が高いことは同じではありません。

ProtectionはBとします。

主なニュース・最近の動き

2026年6月、千疋工場で正社員を増員募集

2026年6月19日、千疋工場で重機オペレーター・工場内作業全般の正社員求人が受け付けられました。募集理由は「増員」です。基本給20万~25万円、住宅手当2万円、固定残業代なし、時間外労働なし、年間休日102日という条件でした。

人手不足の穴埋めなのか、事業拡大による増員なのかは求人票だけでは分かりませんが、少なくとも無期正社員として追加採用する動きが確認できます。

2025年、高松市153施設のリサイクル回収を落札

2025年4月10日、高松市の令和7年度出先施設廃棄物リサイクル回収業務をリソーシズが税抜442万8,000円で落札しました。対象は153施設、延べ164施設です。

2025年2月、環境方針を改定

公式サイトの環境方針は2025年2月20日に改定されています。内容にはリサイクル・再資源化設備・技術の改善、工場・事務所の電気等削減、関係官庁・地域住民とのコミュニケーションなどが含まれます。

2025年、高松市資料でPETボトル486.15トンの引き渡し先として確認

高松市が2025年8月29日に更新した資料では、令和6年度の家庭系PETボトル独自ルート引き渡し量486.15トンの上期・下期ともリソーシズが委託事業者でした。

2024年、香川労働局が事業所訪問

香川労働局は2024年7月11日にリソーシズを訪問したことをフォトレポートで公表しています。同社は2021年に県内第1号の「もにす認定」を受けた企業です。

項目別ランク

項目ランク評価理由
事業による人間への貢献A自治体・企業の廃棄物を回収・再資源化し、PET・アルミ・廃自販機を産業資源へ戻す
労働環境B時間外なし、固定残業なし、資格支援、もにす認定は高評価。年間休日102日と休業取得実績なしが課題
SafetyB資格取得支援・AED・許認可は確認。労災率や重大事故件数の公開が不足
InnovationAアルミ高度加工、アルミ粉再利用、PETフレーク化、廃自販機分解など具体的な技術がある
ProtectionB3工場、複数車両、BCP策定実績を評価。代替処理・復旧時間・サイバー詳細は不明
総合シビックランクB資源循環への貢献は非常に高いが、休日と安全実績の透明性に課題

総合評価

株式会社リソーシズは、「捨てた後」を担う会社です。

飲料を買うとき、多くの人は容器がどこで作られたかまでは意識しても、飲み終わったペットボトルやアルミ缶がその後どうなるかまでは見ません。しかし、家庭や店舗で分別しただけでは循環は完成しません。回収し、異物を除き、圧縮し、破砕し、再利用可能な素材へ加工する会社が必要です。

高松市では令和6年度、家庭から出たPETボトル486.15トンの独自ルート引き渡しを上期・下期ともリソーシズが担いました。令和7年度には市の153施設、延べ164施設のリサイクル回収業務も落札しています。市民の分別や公共施設のごみ管理が、実際の再資源化へつながる途中を支えている会社です。

事業内容はかなり具体的です。国分寺工場ではびん、缶、PET、廃プラを分け、圧縮・梱包します。綾川工場ではPETボトルを約8mm角のフレークへ加工します。千疋工場ではアルミ缶を磁選、破砕、アルミ選別、約500度の熱処理へ通して再利用資源へ変えます。廃自販機はフロンを抜き、一台ずつ解体します。

Innovationは特に高く評価できます。アルミペレット製造で発生するアルミ粉までアルミブリケットの原料へ回す仕組みは、再資源化の途中で出る廃棄物まで減らします。香川県が令和7年度の環境配慮モデル事業所として紹介していることからも、同社の技術的な強みは確認できます。

また、障害者雇用では2021年に「もにす認定」を受け、2026年時点でも香川労働局の認定企業一覧に掲載されています。2017年には「働きやすく生産性の高い企業・職場表彰」の奨励賞も受けています。

一方、現在の労働条件を見ると課題もあります。2026年の千疋工場求人では、基本給20万~25万円、住宅手当2万円、固定残業代なし、時間外労働なしです。残業を前提としない点は高く評価できます。しかし年間休日は102日です。

生活のための労働を減らし、人が自由に使える時間を増やすという観点では、残業だけでなく休日数も重要です。年間休日120日の企業と比べれば約18日差があり、年間で約2週間半以上の自由時間の違いになります。重機や破砕機を扱う現場だからこそ、休養時間はSafetyにも関係します。

育児休業、介護休業、看護休暇の取得実績も求人票では「なし」です。対象者がいなかった可能性があるため制度が機能していないとは断定しませんが、子育てや家族介護との両立を実績で確認することはできません。

Safetyでも情報不足があります。フォークリフトや建設機械資格の取得費用を会社が負担し、各工場へAEDを置くなど予防策はあります。近年の重大な死亡労災や行政処分も今回の調査では確認できませんでした。

しかし、年間の労災件数、休業災害率、フォークリフト事故件数、重大事故の時系列は公開されていません。破砕機や約500度の熱処理設備、ショベルカーを使う会社である以上、「事故報道が見つからない」より一歩進んで、安全実績を数値で示してほしいところです。

ProtectionはBCP策定実績と3工場を評価できます。2015年には中小企業庁のBCP策定企業一覧へ掲載されています。さらに多種の回収車両を保有しており、日常の回収体制には一定の柔軟性があります。

ただし、大規模地震や洪水で一工場が停止した場合の代替処理能力、非常用電源、復旧目標時間、自治体回収を継続する具体的手順、サイバー攻撃後の復旧力は公開情報で確認できません。

総合シビックランクはBです。

A級の長所はあります。資源循環という事業そのもの、アルミ・PET・廃自販機の再資源化技術、障害者雇用の実績は高く評価できます。

しかし、会社が人間を大切にしているかを見ると、年間休日102日、安全結果指標の非公表、育児・介護休業実績の確認不足が残ります。環境への貢献が高いからといって、働く人の時間や安全の課題を相殺することはしません。

Aへ上がるために重要なのは、第一に年間休日を増やし、残業ゼロだけでなく総労働日数そのものを減らすこと。第二にベースアップ、有給取得率、育児・介護休業、離職率を公開すること。第三に正社員・パート・外国人社員を含む労災件数と度数率を継続公開すること。第四に、設備改善によって手選別や重量物作業が何時間・何件減ったのかを数値で示すこと。第五に、災害時の代替処理と復旧時間を具体化することです。

資源を再利用する仕事は、社会がこれからさらに必要とする仕事です。だからこそ、資源だけでなく、その資源を選別し、運び、機械で加工する人の時間と安全も同時に守る企業へ進めるかが、次の評価を分けます。

出典一覧

1.株式会社リソーシズ「会社案内・ごあいさつ」
2.株式会社リソーシズ「事業内容」
3.株式会社リソーシズ「施設・設備」
4.株式会社リソーシズ「沿革」
5.株式会社リソーシズ「環境方針・企業理念」
6.株式会社リソーシズ「許可証」
7.株式会社リソーシズ「採用情報」
8.コカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングス株式会社「グループ会社」
9.コカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングス株式会社「2025年度 有価証券報告書」
10.高松市「ご家庭から排出されたペットボトルについて」
11.高松市「令和7年度高松市出先施設廃棄物リサイクル回収業務 入札経過表」
12.香川県「令和7年度版 香川県認定 環境配慮モデル事業所」
13.厚生労働省「第1回 働きやすく生産性の高い企業・職場表彰」
14.香川労働局「もにす認定制度」
15.ハローワーク「株式会社リソーシズ 重機オペレーター・工場内作業全般」
16.香川労働局「フォトレポート」
17.香川県「株式会社リソーシズ|リサイクル業者一覧」

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