ネット通販で届いた商品が潰れていたり、スーパーで飲料の箱が破れていたりすれば、交換や廃棄、再配送が増えます。逆に、商品に合った段ボールや店頭什器が使われれば、輸送中の破損を抑え、陳列の手間も減らせます。DS Smithという名前は、こうした包装を設計・製造する企業として知られています。
ただし、今回の審査対象であるDS Smith Packaging Franceは、現在の登記上、フランス各地の段ボール工場を直接運営する製造法人そのものではありません。SIREN 775 563 356の同社は、Puteauxに本社を置く「本社活動」の法人で、登記上の主な仕事は持株、子会社への支援、共通サービスの管理です。実際の段ボール製造はDS Smith Packaging Atlantique、DS Smith Packaging Sud Ouest、DS Smith Packaging Nord-Estなど別の法人が担い、DS Smith Packaging Franceはそれら複数の会社で社長法人として登録されています。[1][2]
この区別は企業審査では重要です。工場で起きた事故、交替勤務、製造現場の待遇を、社名が似ているという理由でPuteauxの統括法人へそのまま付け替えることはできません。反対に、旧DS Smith Plcグループが世界全体で公表していた安全・循環設計の成果も、現在のDS Smith Packaging France単体の実績として自動加点はできません。
さらに企業構造そのものも変わりました。International Paperは2025年1月31日にDS Smithを買収し、旧DS Smith Plcは上場廃止後にDS Smith Limitedへ移行しました。2025年末時点のInternational Paperの子会社一覧にはDS Smith Packaging Franceがフランスの多数株所有子会社として掲載されています。2026年にはInternational Paperが北米会社とEMEA会社への将来的な分離計画を発表しており、フランスのDS Smith事業は再び組織再編の途中にあります。[3][4]
その中で、DS Smith Packaging France自身について何が確認できるのか。賃金交渉、テレワーク、従業員代表制度はかなり具体的です。一方で、平均残業時間、有給取得率、離職率、男女賃金差の実績、労災、BCP復旧時間、Innovationによる社員負担削減など、企業審査で高得点に必要な法人単体KPIは大きく欠けています。
評価日:2026年9月29日
適用基準:企業審査100点制・第1版
結論:総合23点・シビックランクF
DS Smith Packaging Franceの総合評価は23点/100点、シビックランクFです。
内訳は次の通りです。
- Safety:15/50点
- Innovation:0/25点
- Protection:8/25点
- 総合:23/100点
- シビックランク:F
このFランクで最も重要なのは、低得点の理由を分けることです。
確認された問題としては、現在の同法人で重大な死亡事故や大規模な製品事故が確認されたからFになったわけではありません。むしろ2025年と2026年には実際の賃上げ交渉が成立し、テレワーク協定や従業員代表選挙の制度も確認できます。
一方、「十分な調査後も重要情報が非公表」という項目が多くあります。平均残業時間、有給取得率、離職率、労災指標、ハラスメント通報と是正結果、法人単体のサイバー事故・復旧時間、BCP訓練、共通サービス業務のInnovation成果などです。本仕様では、重要実績が確認できない項目を推測で中間点にしないため、0点が増えています。
調査上の制約としては、Indeedなどの「DS Smith Packaging France」ページに、Kunheim、Saint-Just-en-Chaussée、Châteaubernardなど別法人の工場勤務者とみられる口コミが混在することです。そのため口コミの総合点を対象法人単体の点数へ直接転用せず、Puteauxなど対象範囲を特定できる投稿だけを重視しました。[5]
また、旧DS Smith Plcの2024/25サステナビリティ報告では、グループ全体として安全指標、循環設計、プラスチック代替など相当量の実績が公開されています。しかし報告書自身がInternational Paper買収前の旧DS Smith事業を対象とすることを明示しており、現在のDS Smith Packaging France単体の2026年実績ではありません。このため背景情報として説明しますが、法人単体の採点へ自動転用していません。[6]
審査対象の整理:DS Smith PlcとDS Smith Packaging Franceは同じ企業ではない
この企業を正しく評価するには、最初に名前の整理が必要です。DS Smith Plcは英国にあった上場親会社で、欧州を中心とする紙・段ボール・リサイクル事業を統括していました。一方、DS Smith Packaging Franceはフランス法人です。
International Paperによる買収後、2025年2月には旧DS Smith Plcが上場会社ではなくなり、DS Smith Limitedへ移行しました。現在のフランス法人はInternational Paperの企業集団に属しています。[3][4]
現在のDS Smith Packaging France
フランス政府の企業登記では、DS Smith Packaging Franceは次のように登録されています。[1]
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | DS Smith Packaging France |
| SIREN | 775 563 356 |
| 法人形態 | SAS |
| 本社 | 1 Terrasse Bellini, 92800 Puteaux |
| 主活動 | 本社活動 |
| APE | 70.10Z |
| 設立 | 1955年1月1日 |
| 資本金 | 22,144,818ユーロ |
| 従業員規模 | 100~199人、政府登記上 |
| 2025年従業員数 | 188人とする企業データあり |
| 現役拠点 | Puteaux本社、La Chevrolièreの2拠点 |
| 現在のグループ | International Paper傘下 |
Pappersでは主な活動を「持株、子会社への支援、共通サービスの管理」としています。[2] Puteaux本社は本社活動、La Chevrolièreの拠点は金融サービスの補助活動として登録されています。[1]
ここで注意したいのは、「DS Smith Packaging France」という名前だけを見てフランス国内の段ボール工場すべてをこの一法人の事業所と考えないことです。
包装工場は別法人が多い
DS Smith Packaging Franceは、複数のフランス包装会社の社長法人として登記されています。
| 会社 | 主な登記事業 | DS Smith Packaging Franceとの関係 |
|---|---|---|
| DS Smith Packaging Atlantique | 段ボール関連 | 社長法人 |
| DS Smith Packaging Sud Ouest | 段ボール製造 | 社長法人 |
| DS Smith Packaging Nord-Est | 段ボール製造 | 社長法人 |
| DS Smith Packaging Systems | 包装・搬送設備 | 社長法人 |
| DS Smith Packaging DPF | 包装・受託加工 | 社長法人 |
例えばDS Smith Packaging Sud OuestはSIREN 611 820 564の別法人で、Châteaubernardを本拠に段ボールを製造し、200~249人規模とされています。DS Smith Packaging SystemsもSIREN 343 236 857の別法人です。[7][8]
つまりDS Smith Packaging Franceの社員が全国の工場で段ボールを直接成形している、という構造ではありません。同社の人員は、統括、管理、財務、購買、人事、営業支援などの本社・共通サービス機能を担うと考えるのが登記実態に近いです。どの職種が何人いるかまでは公表資料で細かく確認できません。
主な業務内容:誰が、どこで、何をする会社なのか
この法人を「段ボールメーカー」とだけ説明すると、実際の仕事を取り違えます。現在のDS Smith Packaging Franceの中核は、フランスの複数事業会社を束ね、共通機能を提供することです。
子会社・関連事業会社の経営支援
法人登記上、DS Smith Packaging Franceは多数の包装事業会社で社長法人になっています。これは各製造会社を法的・経営的に束ねる役割を持つことを示します。[2][7][8]
具体的には、統括部門では次のような仕事が発生すると考えられます。ただし個々の担当人数は非公表です。
- 財務担当者が、複数子会社の予算、資金、決算、管理会計を取りまとめる
- 人事担当者が、賃金制度、採用、労使交渉、働き方の共通ルールを調整する
- 購買担当者が、紙・資材・設備・サービスなど複数法人にまたがる調達を支援する
- IT担当者が、社内システム、端末、ネットワーク、情報保護を支える
- 法務・コンプライアンス担当者が、契約、規制、内部統制、通報制度を運用する
- 経営層が、各包装子会社の投資、再編、人員、営業方針を判断する
このうち、人事や財務などをどこまでDS Smith Packaging France自身が直接提供し、どこからInternational Paper側の共通機能が担当しているかは、2025年の統合後に変化している可能性があります。現在の機能分担を詳細に示す組織表は確認できませんでした。
フランス包装事業をつなぐ共通サービス
La Chevrolièreの同法人拠点は「その他の金融サービス補助活動」として登録されています。[1] これは製造ラインではなく、グループ内の財務・共通サービスに近い拠点であることを示します。
製造子会社が箱をつくる場合、工場は原紙を段ボールシートへ加工し、印刷、抜き、折り、接着などを行います。しかし、その工場設備や工場労働者は別法人に所属する場合があります。DS Smith Packaging Franceは、それらの法人の上に立ち、経営管理と共通機能を支える位置づけです。
この区別は、事故、安全、残業、Innovationを評価するときに特に重要です。別法人の製造ラインでロボットを導入したからといって、DS Smith Packaging Franceの社員の作業負担が減ったと自動的には言えません。
主な事業会社との関係例
| 関係企業 | 具体的な仕事 | DS Smith Packaging Franceの役割 |
|---|---|---|
| DS Smith Packaging Sud Ouest | 段ボール製造 | 社長法人として統括 |
| DS Smith Packaging Nord-Est | 段ボール製造 | 社長法人として統括 |
| DS Smith Packaging Systems | 包装機械・システム | 社長法人として統括 |
これは顧客一覧ではありません。資本・経営上の関係です。企業審査では、子会社を顧客と誤認しないよう分けて記載します。
evian・Danoneとの関係
DS Smith Packaging Franceを水関連の商品審査で確認する理由には、Danone・evianとの実際の包装関係があります。ただし、この関係は現在の特定SKUへの供給まで確認できているわけではありません。
2012年:evian向け店頭ディスプレイを共同開発
旧DS Smith Plcの2012年年次報告には、DS Smith Packaging Franceが長期顧客Danoneとともにevian向けの新しい段ボール製店頭ディスプレイを開発した事例が掲載されています。[9]
この什器では、6色のプレプリントを使った高品質な外観と、重量物に耐える段ボール製の土台を組み合わせていました。単なる輸送箱ではなく、店舗でevianをまとめて陳列し、そのまま販促に使える包装・什器です。
消費者から見ると、こうした包装は「箱」の話に見えます。しかし店員が商品を一本ずつ別の棚へ並べ替える必要を減らしたり、輸送用包装と販売用什器を統合したりできれば、陳列作業や資材の重複を減らす可能性があります。
ただし2012年の事例であり、現在日本で販売されるevianのボトルやケースへ同じDS Smith製包装が使われていることを示す資料ではありません。
2018年:Danoneの紙包装サプライヤー一覧に掲載
Danoneが公開した2018年データの紙・パルプTier 1サプライヤー一覧には、DS Smith Packaging FranceがEUの完成紙包装コンバーターとして掲載されています。[10]
このため、Danoneとの関係は2012年の一回限りの事例だけではなく、少なくとも2018年時点でも紙包装サプライチェーンに存在していたことが確認できます。
一方、2026年現在のevian特定ボトル、ケース、販促什器にDS Smith Packaging Franceが供給を継続しているという直接資料は、今回の調査範囲では確認できませんでした。
したがってevianの商品審査では、「歴史的に具体的な採用実績が確認された包装関連企業」として扱い、現行SKUの直接包装会社としては断定しないのが適切です。
事業による人間への貢献
この法人自身は箱を直接大量生産する工場ではありません。それでも、複数の製造会社を共通サービスでまとめる機能には人間への影響があります。
工場ごとに重複する管理負担を減らす
もし各包装工場が財務、人事、IT、購買、法務をすべて独立して一から構築すれば、同じ種類の事務作業が各法人で重複します。
統括法人が共通機能を持てば、契約様式、購買条件、給与制度、IT環境、コンプライアンス対応などを共通化しやすくなります。工場側は製造、品質、保全、顧客対応へ人員を振り向けやすくなる可能性があります。
ただし、DS Smith Packaging Franceが共通化によって何人分・何時間の事務作業を削減したか、子会社側の残業が何時間減ったかという定量成果は公表されていません。したがって「共通化できる構造」は説明しても、Innovationの加点には使いません。
フランスの包装供給網を経営面で束ねる
フランスには複数のDS Smith包装法人があります。製造拠点が複数地域に分かれているため、顧客は食品、飲料、EC、工業製品など用途に応じた箱・什器を地域拠点から調達できます。
DS Smith Packaging Franceが社長法人として複数事業会社の経営に関わることは、投資や人事、事業方針をばらばらにせず、フランス単位で調整できる基盤になります。
一方、製造子会社間で実際にどの製品を代替生産できるのか、ある工場停止時に別工場へ何時間で切り替えられるのかは、対象法人単体では確認できませんでした。したがってProtectionの代替生産へ高得点を与える根拠にはしていません。
包装設計は商品破損・作業・資材へ影響する
旧DS Smithグループの強みは、段ボールを単なる箱ではなく、商品保護、輸送効率、店頭陳列、リサイクルまで含めて設計する点です。
旧グループの2024/25サステナビリティ報告では、2020/21以降に累計17億個超のプラスチック部材を代替・回避・削減し、2024/25年度には循環設計指標が約58,000件の包装設計判断へ影響したと報告しています。[6]
これは包装事業全体の人間・環境への貢献を理解するうえで重要です。しかし、対象は旧DS Smithグループ全体です。DS Smith Packaging France単体が何件を設計し、何トンの資材を減らし、何時間の顧客作業を削減したのかは分かりません。
そのため本審査では、グループの技術力を紹介しながらも、対象法人のInnovation点へ移し替えていません。
労働環境
DS Smith Packaging Franceは、工場法人と比べると社員数が少なく、現在は100~199人規模の本社・共通サービス法人です。その一方、賃金交渉やテレワーク制度については会社名とSIRENが一致する具体的な協定が公開されています。
賃金:2025年に非管理職1.2%の一律増、2026年に1%増
2025年3月26日の年次賃金交渉では、非管理職について次の報酬構造と引上げが確認できます。[11]
- 非管理職には13か月目給与と勤続年数手当がある
- 2025年5月1日から基本給を一律1.2%引き上げ
- さらに個人評価による0.2%の昇給原資を設定
- 管理職は目標連動の変動賞与があり、個人評価に応じて昇給する可能性がある
- 個人昇給では男女賃金差の縮小へ注意を払う方針を示した
2026年の年次交渉でも、2026年3月1日から基本給を一律1%引き上げる合意が確認できます。[12]
賃上げが実際の労使協定として2年続けて確認できる点は評価できます。「賃上げ方針がある」ではなく、実施日と率が分かるためです。
一方、全社員の給与中央値、職種別給与、管理職の平均昇給率、賞与平均額、物価上昇を差し引いた実質賃金の推移は確認できません。2025年の一律1.2%、2026年の1%という数字だけで「高賃金企業」とは判断できません。
賃金・利益還元は6/10点とします。
労働時間:テレワークのルールは詳しいが、実労働時間が見えない
2022年3月のテレワーク協定では、Puteauxの対象社員について週1日の固定テレワークに加え、管理職の承認があれば2日目も可能とされています。[13]
協定は具体的で、次の内容があります。
- テレワークは本人の希望を前提とする
- 対象職務はIT、購買、財務、営業など
- QHSE、Supply Chain、人事、設計などは職務適合性と管理職承認で対象になり得る
- Puteauxでは週1日、承認があれば週2日まで
- 勤務時間中の連絡可能時間を定める
- 19時30分から翌7時30分、週末のメール送信を原則避ける
- 休息時間外に接続・応答する義務はない
- PC、電話、マウス、ヘッドセット等を会社が供給する
- VPNを利用し情報セキュリティを確保する
- 制度の実施状況を労使で年1回確認する
これは働き方の仕組みとして具体的です。通勤時間を減らせる人がいることや、切断権を明文化している点はプラスです。
しかし企業審査の「労働時間・休息」は、制度だけではなく実際にどれだけ働いているかを重視します。会社が公表する平均週労働時間、平均残業時間、有給休暇取得率、長時間労働者比率は確認できませんでした。
Indeedの質問回答には週39時間という回答や、職種により週1~2日の在宅勤務という回答がありますが、回答者が少なく匿名で、会社全体の実績にはできません。
そのため労働時間・休息は0/10点です。
雇用安定・公平性
企業データでは2025年の従業員数は188人とされ、前年から大きく崩壊した形跡は見られません。[14] 2025年から2026年にはInternational Paperとの統合という大きな組織変化がありましたが、DS Smith Packaging France単体について大規模解雇を確認できませんでした。
ただし、次の重要情報は確認できません。
- 自己都合離職率
- 会社都合退職率
- 正社員・有期雇用の比率
- 女性管理職比率
- 男女賃金差の結果
- 内部昇進率
2025年賃金協定が男女賃金差の縮小へ言及していることは、会社側が課題を認識している材料ですが、実際に差が何ポイント縮小したかは分かりません。
人数の安定性という実績を評価しつつ、結果情報が不足するため3/5点です。
福利厚生・育児・介護
確認できる最も具体的な制度はテレワークです。Puteauxで週1~2日を想定し、切断権、機材支給、VPN、制度の年次フォローまで協定化されています。[13]
これは単なる採用ページの宣伝ではなく、会社と労働組合が署名した制度です。PuteauxのIndeed口コミ・Q&Aにも在宅勤務利用を示す回答があり、制度が紙だけに存在するとは考えにくい状況です。[5]
一方で、育児休業取得率、父親の取得日数、介護休業利用者数、復職率、医療制度利用率などは対象法人単体で確認できませんでした。
そのため福利厚生・育児・介護は3/5点です。
人権・ハラスメント・労使関係
労使対話については具体的な記録があります。
2022年にはCFE-CGCとの合意により、CSEなど従業員代表を選ぶ電子投票制度を整備しています。対象は会社の全社員と、条件を満たす派遣・出向等の投票権者です。[15]
2025年・2026年には賃金の年次交渉が実際に行われ、2026年7月にはInternational Paper Franceグループ委員会を設置する協定も締結されています。この委員会はグループ各社の従業員代表を3つの職群に分け、企業集団全体で労働者の代表性を確保する仕組みです。[16]
さらに現在のInternational Paperには、Code of Conduct、秘密保持型のEthics HelpLine、報復禁止などのグループ制度があります。ただし、DS Smith Packaging France単体での通報件数、ハラスメント認定件数、是正件数、平均解決日数は確認できません。
制度だけでなく、賃金交渉や選挙・グループ委員会という実際の運用が確認できるため3/5点とします。
労働安全衛生
ここでは対象法人の区別が最も重要です。
旧DS Smithグループの2024/25報告では、グループ全体で休業災害97件、事故頻度率1.73、TRIR 1.24、死亡0などの安全指標が公開されています。また263拠点でその年度に休業災害ゼロだったと報告しています。[6]
しかしこれらは旧DS Smithグループ全体の数字であり、PuteauxのDS Smith Packaging France単体ではありません。
また検索すると「DS Smith Packaging France」の名前が付いた工場や環境施設が見つかる場合がありますが、SIRETを確認すると別のSIRENを持つ別法人である例があります。例えばVervinsの施設はSIRET 81125323600020で、今回の対象SIREN 775563356とは一致しません。[17]
対象法人自身について、労災件数、休業災害、通勤災害、メンタルヘルス休職、安全研修参加率などの現在KPIを確認できませんでした。
そのため労働安全衛生は0/10点です。これは危険な職場だと確認した意味ではなく、法人単体の重要実績が非公表であることによる0点です。
従業員・元従業員の口コミ
Indeedには「DS Smith Packaging France」として14件のレビューがあり、総合3.4/5、ワークライフバランス2.6、給与・福利厚生2.8、雇用安定・昇進2.5、管理2.4、文化2.0と表示されています。[5]
しかし、このページには別法人の工場勤務者とみられる投稿が多く混ざっています。Kunheim、Saint-Just-en-Chaussée、Châteaubernard等の工場投稿を、そのままPuteauxの統括法人の口コミとして採点することはできません。
Puteauxを明記した比較的新しい投稿では、2024年4月のHSE職のレビューが、社員が考慮されることや雰囲気の良さを肯定的に評価しています。[18] 一方、Puteauxで取得できたレビュー数自体が少なく、対象法人全体を代表するとまでは言えません。
他拠点の2025~2026年投稿では、安全意識や同僚関係を評価する声がある一方、反復作業の疲労、管理・報酬制度への不満もあります。ただしこれらはDS Smithブランド全体の参考情報で、別法人の製造職が含まれるため、対象法人の事実認定には使いません。
GlassdoorについてもフランスのDS Smithブランド全体の口コミは確認できましたが、SIREN 775563356だけを分離できる十分な投稿群は確認できませんでした。OpenWork、転職会議、エンゲージ会社の評判についても、今回の検索範囲ではこのフランス法人を確実に特定できる有用なレビューを確認できませんでした。
情報ランク:C|Indeed等の従業員・元従業員口コミ。対象法人・拠点を確認できる範囲に限定して扱います。
Safety評価:15/50点
Safetyでは、統括会社だから事故が少ないはずだという推測はしません。賃金、労働時間、雇用、福利厚生、労使関係、安全、サービス品質を、対象法人自身の実績で確認します。
賃金・利益還元:6/10点
2025年に非管理職の基本給を一律1.2%引き上げ、0.2%の個人昇給原資を設定しました。2026年も基本給1%の一律引上げを確認できます。13か月目給与、勤続手当、管理職の変動賞与も協定に明記されています。[11][12]
2年連続の具体的賃上げを評価します。一方、給与中央値、実際の賞与支給額、管理職の昇給分布、会社利益に対する従業員還元率は不明です。
6/10点です。
労働時間・休息:0/10点
テレワークと切断権の制度は具体的ですが、平均残業時間、有休取得率、年間総実労働時間、長時間労働者比率を確認できません。[13]
制度を実績値へ置き換えないため0/10点です。
雇用安定・待遇の公平性:3/5点
従業員規模は2025年に188人とされ、現在も100~199人規模の企業として登録されています。[1][14]
一方、離職率、雇用区分別人数、男女賃金差、昇進率は不足します。2025年協定の男女差縮小方針は評価しますが、結果値ではありません。
3/5点です。
福利厚生・育児・介護:3/5点
Puteauxで週1~2日のテレワーク、切断権、会社機材、VPN、年次フォローを定めた具体的協定を評価します。[13]
一方、育児・介護制度の利用率や復職結果などは十分確認できません。
3/5点です。
人権・ハラスメント・労使関係:3/5点
従業員代表選挙、年次賃金交渉、2026年のInternational Paper Franceグループ委員会など、労使対話が実際に運用されています。[15][16]
一方、ハラスメント・内部通報の結果KPIは対象法人単体で不足しています。
3/5点です。
労働安全衛生:0/10点
対象法人単体の労災、休業災害、安全研修、健康指標が十分な調査後も確認できませんでした。旧DS Smithグループや別の製造子会社の指標を転用しないため0/10点です。
製品・サービス安全:0/5点
対象法人は現在、主として持株・子会社支援・共通サービス会社です。共通サービスの重大障害、品質KPI、誤処理率、顧客子会社へのサービス品質など、法人単体の結果指標を確認できませんでした。
段ボール製品の品質実績は製造子会社のものなので、この法人の製品安全として加点しません。
0/5点です。
Safety小計:15/50点
Innovation評価:0/25点
旧DS Smithグループは循環型包装の技術企業として多くの実績を持っています。しかし、企業審査ではグループの技術力と対象法人自身の人間への改善成果を分けます。
作業負担・危険削減:0/10点
DS Smith Packaging Franceが共通サービスの自動化、AI、RPA等によって、どの業務を何時間削減し、何人の手作業や残業を減らしたかという対象法人単体の結果を確認できませんでした。
0/10点です。
商品・サービス改善:0/5点
2012年にはDanoneとevian向け段ボール什器を共同開発した具体例があります。[9] これは歴史的なInnovationの証拠です。
しかし2026年の同法人が、現在の共通サービスまたは包装設計で何を改善し、その結果をどの顧客・子会社へ提供したかを継続的に示すKPIは確認できません。現在評価では0/5点とします。
改善成果の人間への還元:0/5点
共通化、デジタル化、包装設計改善で得た時間や利益を、対象法人の従業員の賃上げ、労働時間短縮、休暇、配置転換へ何%還元したかは確認できません。
賃上げ自体はSafetyで評価していますが、それがInnovationの成果から生まれたと結びつける根拠はありません。
0/5点です。
研究開発・現場改善の継続:0/5点
旧DS Smithグループ全体では58,000件の設計判断やプラスチック代替など継続改善が確認できます。[6]
しかし対象法人単体のR&D費、改善提案件数、採用件数、研修からの改善成果は確認できません。グループ数字の自動転用を避け0/5点です。
Innovation小計:0/25点
Protection評価:8/25点
2025年以降、DS Smith Packaging FranceはInternational Paper傘下にあります。そのためProtectionでは、International Paperの企業全体で運用されるリスク管理のうち、統合企業へ適用されることが合理的に確認できる仕組みを限定的に参照します。ただし親会社制度の存在だけで対象法人の成果としません。
災害への備え・訓練:3/5点
International Paperの2026年Proxy Statementでは、企業全体の情報セキュリティ・事業継続として、business continuity、incident response、disaster recoveryの手順と、経営陣を含むテーブルトップ演習を実施するとしています。[19]
DS Smith Packaging Franceは2025年末のSEC子会社一覧に掲載されるInternational Paperの多数株所有子会社です。[4] そのためグループ統制の対象に入る基盤は確認できます。
ただし、PuteauxやLa Chevrolièreで実際に何回BCP訓練を行ったか、非常電源や備蓄を何日分持つか、演習で何分で復旧したかは確認できません。
グループ運用を限定評価し3/5点です。
生産・物流・調達の代替:0/5点
対象法人自身は現在、包装工場ではありません。複数の製造子会社を統括していますが、工場停止時の製品振替について、対象法人がどの工場間で何時間以内に切り替えるかという実績は確認できません。
製造子会社が複数存在するだけでは代替生産実績とはみなさず0/5点です。
サイバー防衛・情報保護:3/5点
International PaperはNIST Cybersecurity Frameworkを採用し、多層の技術防御・検知、第三者評価、従業員向けフィッシング・ソーシャルエンジニアリング教育、グローバルなセキュリティ・プライバシー方針を運用しています。[19]
さらにDS Smith Packaging France自身のテレワーク協定でも、会社端末、VPN、情報セキュリティ、個人データ保護を具体的に定めています。[13]
グループ体制だけでなく対象法人の働き方制度にも技術対策が確認できるため3/5点です。
一方、対象法人単体の重大インシデント件数、平均検知時間、復旧時間、バックアップ復元テストなどは非公表です。
供給継続・復旧能力:2/5点
International Paper全体にはbusiness continuityとdisaster recoveryの仕組みがあります。[19] またDS Smith Packaging Franceは複数のフランス包装子会社を統括し、一つの製造拠点だけに事業が閉じている構造ではありません。
ただし対象法人の共通サービスが停止した場合に、給与、購買、IT、財務などをどの拠点へ何時間で切り替えるか、RTO・RPOが何時間か、実際の危機でどこまでサービスを維持したかは分かりません。
制度の存在を限定評価し2/5点です。
危機時の市民対応:0/5点
旧DS SmithグループやInternational Paperには地域活動・寄付実績がありますが、DS Smith Packaging France単体が2024~2026年の災害時に何をどれだけ市民へ提供したかという実績を確認できませんでした。
0/5点です。
Protection小計:8/25点
事故・行政処分・法務の確認
DS Smithという大きな企業集団を検索すると、工場事故、環境規制、労使紛争など多くの情報が出ます。しかし今回の対象法人に付けるにはSIRENと事業所を確認する必要があります。
現在の対象法人で重大死亡事故は確認できず
2024~2026年について、SIREN 775 563 356のDS Smith Packaging France自身で、死亡労災、大規模製品リコール、重大な行政安全処分、重大データ漏えいを確定できる公的資料は今回の範囲では確認できませんでした。
これは「一切存在しない」と証明するものではありません。検索で確認できなかったことと、安全実績が優秀であることは別です。そのため労働安全を高得点にはしていません。
別法人の工場事故・行政資料を混ぜない
例えばGéorisquesには「DS Smith Packaging France」という表示のVervins施設がありますが、掲載SIRETは81125323600020です。[17] 今回の対象法人のSIRET 77556335600051や00069とは一致しません。
同様に、KunheimやSaint-Justの工場に関する情報も、現在はDS Smith Packaging Nord-Estなど別法人の範囲を確認する必要があります。
企業審査では、ブランド名が同じというだけで他社の事故を対象法人へ転記しません。
過去の残業訴訟は現在法人の実績と分ける
フランス破毀院には2019年や2024年、旧DS Smith Packaging France時代のKunheim等に関係する残業・RTT計算をめぐる労働訴訟があります。その後の事業承継法人としてDS Smith Packaging Nord-Estが当事者となっている案件もあります。
これはDS Smithのフランス包装事業に歴史的な労働時間紛争があったことを示しますが、2026年のPuteaux統括法人の平均残業時間を直接示すものではありません。そのため現在のSafety減点をこの訴訟だけで上乗せしていません。
SNS・匿名掲示板の確認結果
口コミサイトとは別に、X、Facebook、YouTube、TikTok、Reddit、5ちゃんねる、爆サイを、会社名、Puteaux、残業、給与、事故、退職、ハラスメント等の語と組み合わせて検索しました。
| 媒体 | 今回の確認結果 |
|---|---|
| X | 対象SIRENの従業員・重大問題と確認できる独立投稿を取得できず |
| 企業・ブランド関連の投稿が中心で、対象法人単体の労働実態を裏づける材料を確認できず | |
| YouTube | 包装・技術・企業紹介が中心で、対象法人単体の労働実態を確定できる材料を確認できず |
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SNSや掲示板で材料が見つからないこと自体は、会社のSafety加点にも減点にも使っていません。第三者投稿の有無と、企業が公表すべき労働・安全KPIは別問題だからです。
主なニュース・最近の動き
現在のDS Smith Packaging Franceを理解するには、包装技術のニュースだけでなく、所有構造と労使制度の変化を見る必要があります。
2025年1月31日:International PaperがDS Smithを買収
International Paperは2025年1月31日にDS Smithの買収を完了しました。取引後、旧DS Smith Plc株主はInternational Paperの新株を受け取り、旧DS Smithのロンドン上場は終了しました。[3]
この変更によりDS Smith Packaging Franceも、旧DS Smith単独グループからInternational Paper企業集団の一員へ移りました。2025年末のSEC子会社一覧にも同社名が掲載されています。[4]
働く人にとって重要なのは、社名よりも制度統合です。IT、人事、購買、経営管理などがどこまでInternational Paper方式へ移るのかによって、DS Smith Packaging Franceの仕事そのものが変わる可能性があります。現時点では統合後の残業や離職への影響を示す法人単体KPIはまだ不足しています。
2025年3月:非管理職の基本給1.2%引上げで合意
2025年3月26日のNAOでは、非管理職の一律1.2%引上げと0.2%の個別昇給原資で合意しました。[11]
買収完了直後でも法人単位の賃金交渉が続いていることが分かります。管理職は別の個別評価型です。
人への影響が直接確認できるニュースとしてSafetyに反映しました。
2026年4月:基本給1%引上げで再合意
2026年4月2日に署名された交渉では、2026年3月1日から基本給を一律1%引き上げる内容が確認されています。[12]
前年に続く賃上げは継続性の材料です。一方、給与中央値や実質賃金の推移がないため、これだけで満点にはしていません。
2026年7月:International Paper Franceのグループ委員会を新設
2026年7月13日、DS Smith Packaging France名義でInternational Paper Franceのグループ委員会を設置する協定が締結されました。[16]
複数法人を抱える企業集団では、個社のCSEだけではグループ再編や共通施策を横断的に議論しにくい問題があります。グループ委員会は、労働者側が企業集団単位の情報と対話へアクセスする基盤になるため、人権・労使関係の評価へ反映しています。
2026年:International PaperがEMEA事業の将来分離を計画
International Paperは2026年、北米とEMEAをそれぞれ独立上場会社へ分ける計画を発表しました。EMEA会社には旧DS Smithと旧International PaperのEMEA資産を入れる方針です。[20]
現時点で顧客の窓口や契約条件に変更はないと会社は説明しています。しかしDS Smith Packaging Franceは2025年の統合後、さらに次の企業再編を迎える可能性があります。
社員にとっては経営ライン、共通部門、IT、人事、財務などの再設計が再び起きる可能性があるため、2027年以降の離職率、組織変更、職務統合を追う必要があります。
旧DS Smith Plcの実績はどう扱うか
旧DS Smith Plcグループは、現在のDS Smith Packaging Franceを理解する重要な背景です。しかし採点は分離します。
2024/25の旧DS Smithサステナビリティ報告では、グループ全体として次の実績がありました。[6]
- 2020/21以降、累計17億個超のプラスチック部材を代替・回避・削減
- 当年度約58,000件の包装設計判断に循環設計指標が影響
- 紙工場・包装拠点の100%で水管理計画
- 前年度比で総事故件数10%減
- 当年度263拠点で休業災害ゼロ
- 平均研修時間38時間/FTE
- 内部昇進569人
- 休業災害97件
- TRIR 1.24
- 死亡0
- 団体協約カバー率64%
グループとしてはSafety、Innovation、環境の情報公開が比較的豊富でした。
しかし同報告は、International Paper買収以前の旧DS Smithの枠組みを反映するものです。DS Smith Packaging Franceの188人だけを取り出した値ではありません。
もしこれらをそのまま対象法人へ移せば、工場の安全実績も循環設計も研修もすべて同じ会社の成果に見えてしまいます。本審査ではそれを避けています。
採点結果
| 大項目 | 評価項目 | 点数 | 主な根拠 |
|---|---|---|---|
| Safety | 賃金・利益還元 | 6/10 | 2025年1.2%+個別0.2%、2026年1%の具体的賃上げ |
| Safety | 労働時間・休息 | 0/10 | テレワーク制度は具体的だが平均残業・有休取得実績が非公表 |
| Safety | 雇用安定・公平性 | 3/5 | 188人規模を維持。離職率・男女差・昇進結果は不足 |
| Safety | 福利厚生・育児・介護 | 3/5 | 週1~2日テレワーク、切断権、機材・VPN。育児介護実績不足 |
| Safety | 人権・ハラスメント・労使関係 | 3/5 | CSE選挙、NAO、2026年グループ委員会を運用。通報結果KPI不足 |
| Safety | 労働安全衛生 | 0/10 | 対象法人単体の労災・健康KPIを確認できず |
| Safety | 製品・サービス安全 | 0/5 | 共通サービスの品質・重大障害KPIを確認できず |
| Safety小計 | 15/50 | ||
| Innovation | 作業負担・危険削減 | 0/10 | 共通サービス自動化の削減時間・配置転換実績を確認できず |
| Innovation | 商品・サービス改善 | 0/5 | 歴史的evian包装実績はあるが現在の法人単体改善KPI不足 |
| Innovation | 改善成果の人間への還元 | 0/5 | Innovationと賃金・時間短縮の因果を確認できず |
| Innovation | 研究開発・現場改善の継続 | 0/5 | 旧グループ実績はあるが法人単体の継続実績を確認できず |
| Innovation小計 | 0/25 | ||
| Protection | 災害への備え・訓練 | 3/5 | IP全社のBCP・災害復旧・経営層演習。法人単体実績は不足 |
| Protection | 生産・物流・調達の代替 | 0/5 | 工場間切替の対象法人実績を確認できず |
| Protection | サイバー防衛・情報保護 | 3/5 | IP全社NIST系統制+対象法人テレワークVPN・情報保護 |
| Protection | 供給継続・復旧能力 | 2/5 | グループBCPあり。対象法人RTO・RPO・実復旧は不明 |
| Protection | 危機時の市民対応 | 0/5 | 対象法人単体の危機時支援実績を確認できず |
| Protection小計 | 8/25 | ||
| 総合 | 23/100 | シビックランクF |
総合評価
DS Smith Packaging Franceを審査するときに最も避けるべきなのは、「DS Smithという巨大包装グループの評価」と「フランスのSIREN 775 563 356という一法人の評価」を混ぜることです。
旧DS Smithグループ全体だけを見れば、循環設計、プラスチック代替、安全管理、研修、製造ネットワークなど豊富な成果があります。evianについても、DS Smith Packaging FranceがDanoneと共同で段ボール製店頭ディスプレイを開発した実績があり、紙包装サプライヤーとしての関係も確認できます。[9][10]
しかし現在の法人登記を見ると、DS Smith Packaging France自身の主活動は本社・共通サービスであり、全国の包装工場の多くは別法人です。[1][2] そのため「グループの工場は安全だからこの法人も安全」「グループが17億個のプラスチックを削減したからこの法人のInnovationは満点」といった評価はできません。
対象法人自身の良い点は、労使制度が比較的追いやすいことです。2025年と2026年に実際の賃上げがあり、テレワークでは週1~2日、切断権、VPN、機材提供まで具体的に定めています。社員代表選挙、年次交渉、International Paper Franceのグループ委員会も確認できます。[11][12][13][15][16]
最大の課題は、制度から結果への最後の一歩が見えないことです。
現在の23点からDランクの50点までは27点、まずFを抜けてEランクの40点へ到達するには17点の差があります。改善の優先順位は次の3点です。
1.労働時間と安全の法人単体KPIを公開する
平均残業時間、有給取得率、長時間労働者比率、休業災害、メンタルヘルス、安全研修などをSIREN 775 563 356の範囲で出すことが最優先です。働く人が「本当に休めているか」「本社職でも健康被害がないか」を判断でき、Safetyの労働時間・安全へ直接関わります。
2.共通サービスのInnovation成果を人間側の結果まで示す
AI、RPA、会計・購買・人事システム統合などを行っているなら、何時間の手作業を減らし、その時間を残業削減、配置転換、研修、賃金へどう戻したかを公開する必要があります。これはInnovation 25点のほぼ全域に関わります。
3.統合後のBCP・サイバー復旧実績を法人単位で示す
International Paper全体にはNISTベースのサイバー管理やBCPがあります。しかしPuteauxの共通サービスが止まった場合、何時間で代替し、給与・財務・購買・ITをどう継続するのかが分かりません。演習頻度、RTO・RPO、復元試験、実インシデント対応を示せばProtectionの評価精度が上がります。
重要なのは、情報を公開しただけで自動的に加点するわけではないことです。公開された結果が良好か、改善が継続しているかを同じ基準で再評価します。
現時点では、賃上げと労使対話を具体的に確認できる一方、働く時間、安全、Innovation、危機復旧の法人単体成果が見えないため、総合23点・シビックランクFと評価します。
このFは「危険な箱を作る会社」「重大事故企業」という意味ではありません。むしろ現在の対象法人は包装工場そのものではなく、フランスの包装事業を経営・共通サービス面で束ねる会社です。低得点の中心は、その役割に即した人への成果と危機対応を法人単体で追える情報が不足していることです。
evian商品審査との関係
DS Smith Packaging Franceは、evianとの関係を具体的に確認できる包装関連企業です。
確認できた関係は次の通りです。
- 2012年、Danoneとevian向け段ボール店頭ディスプレイを共同開発
- 2018年、DanoneのEU紙包装Tier 1サプライヤー一覧にDS Smith Packaging Franceを確認
一方で、現在日本で販売されるevianの特定SKUの外箱や店頭什器を2026年も供給しているという直接資料は確認できません。
したがって商品審査では、現在の特定SKUへ確定的に点数を掛ける企業ではなく、「evian・Danoneと具体的な包装取引の歴史が確認された関連企業」として保持し、現行供給が確認できた場合に改めて反映範囲を確定するのが適切です。
主な出典
[1] フランス政府 L’Annuaire des Entreprises「DS SMITH PACKAGING FRANCE」
[2] Pappers「DS SMITH PACKAGING FRANCE」
[3] International Paper「IP + DS Smith Combination」および2024 Annual Report
[4] International Paper Company SEC Exhibit 21、2025年12月31日時点子会社一覧
[5] Indeed「DS SMITH PACKAGING FRANCE employee reviews」
[6] DS Smith「Sustainability Report 2025」
[7] Pappers「DS SMITH PACKAGING SUD OUEST」
[8] Pappers「DS SMITH PACKAGING SYSTEMS」
[9] DS Smith Plc「Annual Report & Accounts 2012」
[10] Danone「Forest Update 2018 – Pulp & Paper Tier 1 Suppliers」
[11] DILA由来企業協定「DS Smith Packaging France – NAO Salariales 2025」
[12] 2026年企業協定データ「DS Smith Packaging France – Négociation annuelle obligatoire」
[13] DILA由来企業協定「DS Smith Packaging France – Accord Télétravail」2022年3月15日
[14] 企業登記・財務データ「DS Smith Packaging France」2025年人員
[15] DILA由来企業協定「Accord d’entreprise relatif au vote par voie électronique」2022年
[16] Légifrance「Accord de mise en place du comité de groupe International Paper France」2026年7月13日
[17] Géorisques「DS SMITH PACKAGING FRANCE」Vervins施設、SIRET 81125323600020
[18] Indeed Puteaux HSEレビュー、2024年4月26日
[19] International Paper 2026 Proxy Statement、Cybersecurity Program
[20] International Paper「A New Chapter in Our Company’s Transformation」2026年
情報ランクの基準
| 情報ランク | 基準 |
|---|---|
| S | 公的機関の資料で直接確認できる情報、または独立した第三者による検証・監査・認証等の裏づけがある情報。裏づけの対象範囲に限る |
| A | 企業自身の公式発表・報告書・採用情報など。独立した裏づけまでは確認していない企業側の説明・自己申告 |
| B | 役職や立場が確認できる関係者への取材・発言、記者による直接取材等に基づく情報 |
| C | 一般社員・元社員・パート・アルバイトなどの勤務経験に基づく口コミ |
| D | Xなどの一般的なSNS投稿で、発信者の立場や内容の裏づけが十分でない情報 |
| E | 匿名掲示板など、発信者の身元や関与をさらに確認しにくい情報 |
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