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RegioRail France SASの企業審査|総合33点・シビックランクF|賃金協定・安全証明・電化投資を評価、実残業・労災・BCP・サイバー開示不足が重い

スーパーで手に取るミネラルウォーターや、工場で使われるセメント原料、日用品は、トラックだけで運ばれているわけではありません。長距離貨物を鉄道へ移せば、大量の荷物を一度に運べるため、道路を走る大型トラックを減らせる可能性があります。その一方、貨物列車が安全に走らなければ、脱線や火災は鉄道員だけでなく沿線住民、道路利用者、荷主の供給網にも影響します。

RegioRail France SASは、フランス国内で貨物列車を運行する民間鉄道会社です。日本では知名度が高くありませんが、evianとの関係を見ると生活との接点が見えてきます。フランス政府の事故調査機関BEA-TTによると、少なくとも2020年には、Danone傘下のSociété Anonyme des Eaux Minérales d’Évian、SAEMEがRegioRailとDB Cargo Franceへ輸送を委託し、RegioRailがPublierのevian工場からAmbérieu-en-Bugeyまでミネラルウォーター列車を牽引していました。2026年9月時点の法人情報でも、RegioRail FranceのPublier事業所はSAEMEの所在地に登録されています。ただし、現在も2020年と同じ契約条件が継続しているとまでは公開情報から断定しません。【情報ランクS・B】

今回、RegioRail France SASを最新の企業審査マスター仕様書に基づく「100点制・第1版」で審査しました。結論は総合33点、シビックランクFです。

このF評価は、RegioRailが危険な鉄道会社だと認定されたという意味ではありません。2024年11月にフランス鉄道安全公社EPSFの安全証明を更新し、2029年11月20日まで全国で貨物列車を運行できる資格を持っています。2025年には男女平等指数90/100、CGT・CFDT・UNSAとの複数の労使協定、低賃金帯を優先した賃金改定が確認でき、2026年には新型Traxx UniversalのLast Mile機能を使った電化も進んでいます。【情報ランクS・A】

一方、現行基準では「制度がある」だけでは高得点になりません。会社単体の実残業時間、有給取得実績、労災件数、休業災害度数率、死亡労災、サイバー防御、BCP訓練、災害時の代替運行、障害からの復旧時間といった結果KPIを公開情報から十分に確認できませんでした。さらに2020年には同社の安全証明下で走行していたevian貨物列車がCorbonodで脱線・出火し、線路約2.6kmを損傷する重大事故が起きています。事故原因をRegioRailの過失と単純化することはできませんが、鉄道会社のSafetyを評価する以上、無視できない事例です。【情報ランクS】

目次

結論|総合33点・シビックランクF

RegioRail Franceの強みは、貨物を道路から鉄道へ移す実運行能力、全国安全証明、労使交渉の具体性、賃金表の公開、新しい電気機関車の導入です。

特に評価した点は次の通りです。

  • EPSFの全国安全証明を2024年11月に更新し、2029年11月まで有効であること
  • 公式サイトで10拠点、44両の機関車、週200本規模の列車運行を掲げていること
  • 2025年の男女平等指数が90/100で、賃金格差、昇給格差、産休復帰の3項目が満点であること
  • CGT、CFDT、UNSAとの賃金・労働時間・男女平等・CSE関連協定が継続していること
  • 2025年の労使協定で低い賃金帯を優先し、賃金表の段階追加や一部管理職2%増、各種手当増額を行ったこと
  • 現行求人で列車運転士に月額2,540~4,121ユーロの範囲、13か月目給与、夜勤・休日等の手当、会社負担60%の医療保険を示していること
  • 2026年にTraxx Universal Last Mile機関車の導入を進め、非電化の引込線があるTonneins―Sèteのセメント輸送で幹線部分を電気牽引へ切り替え始めたこと
  • 2025年売上高が約4,970万ユーロまで増え、2024年の約3,700万ユーロから34.3%増加し、純損失も約419万ユーロから約30.6万ユーロまで縮小したこと

安全証明、賃金協定、電化投資、2025年財務改善はいずれも具体的な実績として確認できます。

一方、33点にとどまった理由は、情報公開の穴が大きいためです。

第一に、運転士や地上作業員が夜間、土日祝日を含む変則勤務で働くことは求人から分かりますが、会社全体で月平均何時間残業しているのか、実際に何時間休息を確保できているのか、有休を何日取得できているのかが分かりません。

第二に、鉄道会社で最も重要な労働安全について、会社単体の最新労災件数、休業災害、度数率、死亡労災、ヒヤリハット、車両・構内事故の年次推移を確認できませんでした。安全証明や安全委員会は重要ですが、制度と結果は別です。

第三に、BCPとサイバー防御の具体的な公開が非常に少ない点です。10拠点や欧州パートナーは供給継続に有利ですが、大規模停電、線路寸断、洪水、サイバー攻撃、運行システム障害が起きた際に、どの拠点へ切り替え、何時間で復旧するかというKPIを確認できませんでした。

第四に、電化や新型機関車によってコストやディーゼル使用を減らす取り組みは確認できる一方、その効率化によって運転士や地上作業員の夜勤、拘束時間、危険作業がどれだけ減ったのかは公開されていません。

基本情報

RegioRailという名称はグループやブランドとしても使われますが、今回の審査対象はフランス法人REGIORAIL FRANCE SASです。Eurorail全体やベルギー法人、親会社RDCの実績を対象会社へ自動的に加点しません。

項目内容
会社名REGIORAIL FRANCE SAS
SIREN751 252 677
法的形態SAS、簡易株式会社
設立2012年4月16日
本社Autoport, Carrer Camp de la Basse, 66160 Le Boulou, France
主な事業鉄道貨物輸送、長距離牽引、地域貨物運行、入換、複合輸送
代表者Brice Devinoy、Directeur général
資本金5,015,725ユーロ
業種コードNAF 49.20Z、鉄道貨物輸送
労働協約Branche ferroviaire、IDCC 3217
2025年売上高約4,970万ユーロ
2025年営業損失約35.6万ユーロ
2025年純損失約30.6万ユーロ
公式運行規模10拠点、44両の機関車、週200本、40本前後の専用操車線とする記載あり
安全証明EPSF、FR1020240257。2024年11月21日更新、2029年11月20日まで有効

法人登記では200~249人という古い従業員階級が残っていますが、公式サイトの現在表示には人員数の不整合があります。本文では250人とする箇所がある一方、サイト画像では324人、別の取得時点では307人と表示されています。そのため今回の記事では、正確な2026年単体従業員数を一つの数字へ固定せず「約250~300人超の規模」として扱います。人数を都合よく最大値へ置き換えることはしません。【情報ランクA・B】

2025年の業績は大きく改善しました。売上高は約4,970万ユーロで前年比34.3%増、営業損失は約35.6万ユーロ、純損失は約30.6万ユーロです。2024年は純損失約419万ユーロだったため、赤字幅は大幅に縮小しました。【情報ランクB】

ただし利益改善を、そのまま働く人への還元とは評価しません。賃上げや手当改定は別途労使協定で確認します。

主な業務内容と拠点

貨物鉄道会社の仕事は「運転士が機関車を運転する」だけではありません。列車を出発させるまでに、貨車の連結、ブレーキ試験、車両外観確認、積荷確認、運行計画、機関車配置、乗務員配置、顧客との調整が必要です。

業務担当する人具体的な作業届け先・成果
長距離貨物牽引列車運転士出発前準備、機関車運転、駅での入換、車両状態確認、一次故障対応工場・物流拠点間で大量貨物を鉄道輸送
地上作業Agent au sol貨車の連結・切離し、異常確認、列車編成、出発許可関連作業安全に列車を出発できる状態を作る
地域運行地域拠点の運行チーム工場専用線と幹線を接続し、貨車を集配鉄道幹線から離れた工場も鉄道輸送へ参加できる
運行管理オペレーション担当運転士・機関車・列車ダイヤ・顧客条件を調整遅延や運休を抑え、輸送契約を実行
安全管理安全部門・Expert métier運転士や地上職の教育、評価、月次・四半期・年次安全会議法令と社内安全基準を維持
顧客対応営業・Eurorail連携部門輸送設計、欧州事業者との接続、トレーサビリティ荷主が貨物位置と輸送状況を確認できる

公式サイトは、Ambérieu-en-Bugey、Blainville、Dijon、Fos-sur-Mer、Lyon、Publier、Rivesaltes、Saint-Pierre-des-Corps、Toulouse、Valentonの10拠点を主要運行拠点として挙げています。長距離列車だけでなく、工場や物流拠点の専用線へ貨車を届ける地域運行を組み合わせています。【情報ランクA】

ドイツ、イタリア、ベルギー方面への輸送や、Eurorailの欧州ネットワークとの接続も行っています。RegioRail単独で全区間を運転する場合と、他社へ引き継ぐ場合を区別する必要があります。

evian輸送で具体的に何をしていたのか

2020年Corbonod事故のBEA-TT資料は、RegioRailの仕事を具体的に確認できる一次資料です。

荷主はSAEME、つまりevianの採水・ボトリング会社でした。SAEMEはRegioRailとDB Cargo Franceへ輸送を契約し、RegioRailはPublierからAmbérieu-en-Bugeyまでのシャトル牽引を担当していました。RegioRailの契約範囲には、2台の機関車と運転士による牽引、輸送適性確認、出発時のブレーキ試験が含まれていました。【情報ランクS】

ここから分かるのは、RegioRailが単なる「線路を借りて運転する会社」ではないことです。貨車が安全に輸送可能かを出発前に確認し、ブレーキを試験し、実際に工場から幹線接続駅まで運ぶ仕事を担います。

2026年9月時点でもPublierのRegioRail事業所はRue des Vignes Rouges、SAEME所在地に登録されています。ただし、現在の具体的な契約量、列車本数、単価は公開されていません。【情報ランクB】

事業による人間への貢献

RegioRailの社会的な価値は、旅客を運ぶことではなく、大量の物資を道路以外の方法で運べる選択肢を維持することにあります。

大量貨物を道路から鉄道へ移す

大型トラック輸送が不可欠な地域は多い一方、すべての長距離貨物を道路へ集中させると、道路混雑、ドライバー不足、交通事故リスク、燃料消費が増えます。貨物鉄道は、それを完全に置き換えるものではなく、長距離区間を鉄道へ移し、工場や倉庫までの最後の区間を道路や地域鉄道と組み合わせる手段です。

具体例として、SNCF RéseauはSète港からTonneinsのAliénor CimentsへRegioRailが運ぶクリンカー輸送について、週1~2本、1列車52コンテナという規模で、年間に道路を走らずに済むトラックが数千台規模になると説明しています。【情報ランクS】

ここでは環境効果を「鉄道だから必ず環境に良い」と抽象的に評価していません。実際に道路貨物を鉄道へ移した輸送案件が確認できることを評価します。

地方・工場専用線を幹線へつなぐ

RegioRailは、長距離幹線だけでなく地域の専用線や操車も担当します。大手鉄道会社が効率上扱いにくい少量貨車や工場への最後の区間を担えることは、企業が鉄道輸送を選び続けるために重要です。

2025年のInternational Railway Journalの取材では、RegioRailの顧客としてevian、Nestlé、Lafarge、Eiffage、Michelinなどが挙げられています。顧客ごとの契約範囲は異なりますが、水、食品、建材、工業製品など複数産業の供給網を支えていることが分かります。【情報ランクB】

Geodisの南北輸送を週5往復

2025年にはGeodis Road Transport向けにAvignon FontcouverteとDourges Delta 3を結ぶ新しい長距離貨物を開始しました。RegioRail公式SNSでは週5往復、消費財を輸送すると説明しています。【情報ランクA】

これは単発の環境PRではなく、毎週繰り返す定期貨物です。消費財をフランス南部と北部の間で鉄道輸送することで、鉄道貨物網そのものを維持する役割があります。

Saarstahl向けに他社と協力する

Fret SNCFが獲得したSaarstahl向けSarrebruck―Golbey・Conflandey輸送では、RegioRailが支援に入り、年間2,000両超の貨車輸送を行う計画が公表されています。【情報ランクA・B】

競合他社とすべてを奪い合うだけでなく、区間や地域運行の強みを組み合わせることで鉄道輸送を成立させる点は、貨物鉄道の社会基盤として重要です。

代表業務の審査|工場から幹線へ貨物列車を安全に出す仕事

RegioRailの代表業務として、工場専用線から貨物列車を出発させ、幹線接続駅まで運ぶ仕事を審査します。

まず地上作業員が貨車を編成し、連結状態、貨車や積荷に異常がないかを確認します。運転士は機関車と列車の状態を確認し、ブレーキ試験等を経て出発します。運行中は信号・速度・ダイヤを守り、必要に応じて入換や一次故障対応を行います。運行管理側は乗務員、機関車、線路利用、顧客の納入時刻を合わせます。

この仕事は、物流倉庫のデスクワークだけではありません。夜間、週末、祝日を含む交代勤務があり、地上職は屋外で貨車を扱います。運転士は長時間にわたり安全判断を続け、異常時には列車を停止させる責任を負います。現行求人でも、夜間・土日祝勤務、変則勤務、ストレス管理、医療・心理適性が明示されています。【情報ランクA・B】

したがって企業審査では、「鉄道は環境に良いから高評価」で終えることはできません。道路交通を減らす社会的利益と、それを支える鉄道員の負担・安全を同時に評価する必要があります。

労働環境

RegioRailは比較的小規模な貨物鉄道会社ですが、労働条件について複数の労使協定を公表しています。これは非上場の中規模企業として重要なプラス材料です。一方で、制度や賃金表に比べて実際の残業・休息・労災結果の公開が弱いという差があります。

賃金・昇給・利益還元

2026年の現行運転士求人では、経験者の基本月給を2,540~4,121ユーロ総額とし、13か月目給与、夜勤、日曜、祝日、勤務変更、居住地外休息などに関する変動手当を掲げています。会社負担60%の医療保険、勤務地によっては転居支援もあります。【情報ランクB】

初任運転士向け求人でも月額2,540ユーロ、13か月目給与、食事手当、夜間・休日等の変動手当を示しています。6~8か月程度の理論・実務研修を受け、評価後に各拠点へ配属する仕組みです。【情報ランクA・B】

さらに2025年3月11日にCGT、CFDT、UNSAと締結した労使協定では、低い賃金帯を優先して賃金表を改定しました。

  • 地上作業員の賃金段階を8段階から9段階へ拡張
  • 入換運転士を7段階から9段階へ拡張
  • 運行管理職を5段階から8段階へ拡張
  • 低賃金帯は2025年4月、その他は9月から新段階を適用
  • 一定以下の管理職に2%の給与増を実施
  • Valenton・Publierの生活費手当を月170ユーロから180ユーロへ増額
  • 居住地外休息手当を25ユーロから30ユーロへ増額
  • 一部保守職に宿泊手当を新設

【情報ランクS相当】

賃金改定が「会社が賃上げしました」という自己申告だけでなく、労働組合との協定として確認できる点は強みです。特に低い賃金帯を優先する設計は、人への還元として評価できます。

ただし、2025年に売上と利益が大幅改善した後、その改善分のうち何%を2026年賃上げへ回したのか、全社員の平均年収がいくらになったのかは確認できません。2026年3月にも賃金・労働時間・付加価値配分に関する協定が締結されていますが、今回取得できた公開索引では詳細金額まで確認できませんでした。

このため賃金・利益還元は6/10点です。

労働時間・休息

運転士は日中だけでなく、夜間、土曜、日曜、祝日にも勤務します。地上職も列車の到着・出発に合わせた変則時間勤務です。【情報ランクA】

2025年労使協定は、2023年の労働時間協定と2024年の改定を前提に勤務制度を調整しています。また勤務変更に関する手当や居住地外休息手当があることから、予定変更や外泊を伴う勤務が実際の職務構造に含まれることが分かります。

しかし今回、会社単体について次の実績を確認できませんでした。

  • 月平均時間外労働
  • 一人当たり年間総労働時間
  • 年次有給休暇取得率・取得日数
  • 連続休息時間の遵守率
  • 予定勤務から急に変更された勤務の年間件数
  • 夜勤回数の平均
  • 居住地外休息の平均回数

鉄道員にとって「休息が制度上ある」ことと「実際に十分休めている」ことは同じではありません。現行仕様では実労働時間・休息結果が十分な調査後も確認できない場合は高得点を与えられないため、労働時間・休息は0/10点です。

雇用の安定・待遇の公平性

RegioRailは2026年も複数拠点で運転士、地上職、責任者を募集し、運転士の初期教育セッションも開いています。2025年売上高は前年比34.3%増で、赤字幅も縮小しました。少なくとも事業縮小による大量解雇を前提とした状態とは異なります。【情報ランクA・B】

男女平等指数は2025年90/100で、2024年87/100から改善しました。

  • 男女賃金格差 40/40
  • 昇給率格差 35/35
  • 産休復帰後の昇給 15/15
  • 高額給与上位10人における女性比率 0/10

【情報ランクA】

つまり、同等職種・年齢等で見る賃金・昇給の仕組みは高く評価される一方、上位給与層への女性登用には明確な課題があります。会社自身もこの点を改善項目として挙げています。

Eurorail/RegioRailグループの2025年従業員満足度調査では、86%が3年後も在籍していると考え、56%超が知人へ勤務を勧め、63%がグループ内で成長機会があると回答したと会社公式SNSが公表しています。ただし、これはRegioRail France単体ではなくグループ調査であるため、単体評価へそのまま置き換えません。【情報ランクA】

雇用安定・待遇公平は3/5点です。

福利厚生・育児・介護

現行求人では、13か月目給与、食事関連手当、医療保険の会社負担60%、勤務地による転居支援を確認できます。別の現行求人ではCET、従業員貯蓄制度PEE・PERCO、バカンス券、ギフトカードなども雇用主提供条件として掲載されています。【情報ランクA・B】

2025年男女平等指数では、産休復帰後の昇給項目が15/15です。これは出産した従業員が賃金面で取り残されない仕組みが機能していることを示す一つの指標です。

一方、育児休業取得率、男性育休、介護休業、復職率、短時間勤務利用者数などの会社単体実績は確認できませんでした。制度の存在と利用しやすさを分ける必要があります。

福利厚生・育児・介護は3/5点です。

人権・ハラスメント・労使関係

RegioRail FranceではCGT、CFDT、UNSAが代表的な労働組合として複数の会社協定へ署名しています。2025年には賃金・労働時間・付加価値配分、男女平等、CSEの社会文化活動費について協定が結ばれました。2026年1月には会社全体のCSE選挙と組織範囲について新しい協定を締結しています。【情報ランクS】

健康・安全・労働条件委員会CSSCTについても、法定義務の有無だけに任せず、2019年から自主的に設置し、2022年協定で会社全拠点を対象に4人の従業員代表で運営していました。この協定の期限は2026年3月13日までであり、その後の同一委員会の新協定は今回確認できませんでした。【情報ランクS】

労働者側の組織が存在し、賃金表や勤務制度を会社と交渉している点は強く評価できます。一方、ハラスメント通報件数、解決率、人権相談、懲戒・是正の集計は公開情報から確認できませんでした。

人権・ハラスメント・労使関係は4/5点です。

労働安全・健康

RegioRailの採用情報は、安全を最優先価値として掲げています。運転士になるには医療・心理適性が必要で、運転職のExpert métierは約20人の運転士を指導し、月次・四半期・年次安全会議、継続教育、技能評価を行います。【情報ランクA】

これは「安全第一」という標語だけより具体的です。安全部門に教育・評価担当者を置き、技能維持を運用へ組み込んでいます。

しかし会社単体の年次労働安全実績がほとんど公開されていません。業界全体の労災統計は確認できますが、それをRegioRailの実績へ置き換えることはできません。

今回確認できなかった主要指標は、労災件数、休業災害件数、度数率、死亡労災、職業性傷病、構内作業事故、ヒヤリハット件数、是正完了率です。

現行仕様では重要な安全KPIが十分な調査後も非公表である場合、制度だけで中間点を補完しないため、労働安全・健康は0/10点です。これは「労災が多い」と認定した0点ではなく、外部から安全成果を検証できないことによる0点です。

従業員・元従業員の口コミ

IndeedではRegioRail France名義のページとRegioRail名義のページがあり、母数が異なります。会社名義が同じように見えても集計を混ぜずに扱います。【情報ランクC】

RegioRail Franceページは2026年4月更新時点で2件、総合4.5/5でした。仕事と私生活4.0、給与・福利厚生3.5、雇用・成長4.0、経営4.0、文化4.5です。Dijonの運転士はチームの雰囲気、仕事への評価、給与、技能向上、管理職の柔軟性を肯定しています。

より広いREGIORAILページは2026年6月時点で10件、総合3.6/5、仕事と私生活3.3、給与・福利厚生3.1、雇用・成長3.3、経営3.3、文化3.4です。2026年1月のFos-sur-Mer運転士は、会社規模が大きすぎず管理職との距離が近いことを肯定しています。2024年の元運転士は変則勤務の厳しさを挙げながら、同僚関係を肯定しています。【情報ランクC】

一方、2022年の古い投稿には、給与、管理、運転・休息時間への強い不満もあります。これは個人投稿であり、違反を裏づける公的資料を今回確認できなかったため、「会社が休息規則に違反している」という事実認定には使いません。

口コミ全体からは、人間関係や現場との距離の近さを肯定する声がある一方、変則勤務と給与への評価は一様ではないことが分かります。口コミ母数は大企業と比べて非常に少ないため、会社全体を代表する統計としては扱いません。

OpenWork、転職会議、エンゲージ会社の評判についても会社名で個別検索しましたが、RegioRail Franceの労働実態を確認できる有用な日本向け掲載は今回確認できませんでした。Glassdoorでは求人とEurorailの評価表示は確認できましたが、本文の従業員口コミを十分に取得できなかったため補助情報に限定しました。

SNS・匿名掲示板の確認結果

Xについて「REGIORAIL FRANCE」「RegioRail」とsalaire、travail、horaires、conducteur、accident等を組み合わせて検索しました。今回取得できた検索結果では、従業員本人であることを確認でき、労働実態の評価根拠として使用できる一般X投稿は確認できませんでした。

Facebookも会社名と運転士関連語で検索しましたが、企業審査の事実認定に利用できる従業員投稿は確認できませんでした。

TikTokは検索を試みましたが、本文アクセスが制限され確認不能でした。

5ちゃんねると爆サイは会社名を個別検索しましたが、該当する有用な投稿は確認できませんでした。

これは「不満投稿が存在しない」という意味ではありません。また、SNS・掲示板で情報が見つからないこと自体は情報非公開として減点していません。

Safety|鉄道員と貨物、沿線を守れているか

貨物鉄道会社のSafetyで最も重要なのは、列車を安全に運行し、働く人と沿線を重大事故から守ることです。RegioRailには現在の全国安全証明がありますが、重大事故の過去もあります。

現在の安全証明

EPSFの2026年3月時点リストでは、REGIORAIL FRANCEの安全証明は2024年11月21日に最新発行され、2029年11月20日まで有効です。NIEはFR1020240257です。【情報ランクS】

安全証明の更新は、現在鉄道事業者として必要な安全管理要件を満たして運行資格を持つことを示します。ただし「証明を持っている=事故が起きない」という意味ではありません。

2020年Corbonod脱線・火災

2020年9月17日、evianミネラルウォーターをPublierから英国へ運ぶ貨物列車61534がCorbonod付近で脱線しました。この区間はRegioRailの安全証明下で運行されていました。【情報ランクS】

5両目の最初の車軸が脱線し、後部の機関車にいた2人目の運転士が大きな振動に気付きました。列車は緊急停止し、脱線した貨車では火災が発生しました。消防が消火しましたが、脱線した車軸を引きずったため線路は約2.6kmにわたって損傷しました。

BEA-TTが特定した直接原因は、軸箱内部の組立ねじが緩み、軸受が固着して高温になり、車軸の軸端部が破断したことでした。

事故調査は、再発防止上重要な可能性要因として次を挙げています。

  • 車軸組立時の作業品質、確認、トレーサビリティ
  • ねじを固定する部品の選択と有効性
  • ねじ緩みを早期発見する兆候が乏しいこと
  • 列車出発前に行う軸箱点検の品質

ただしBEA-TTは、それぞれの要因が事故へどの程度寄与したかを正確には決定できなかったと明記しています。したがって「RegioRailの点検ミスが事故原因だった」と断定するのは不正確です。【情報ランクS】

BEA-TTの勧告先にはAFWP、SNCF Voyageurs、UIPなどが含まれており、事故をRegioRail単独の責任として整理していません。

一方、RegioRailはこの列車について輸送適性確認やブレーキ試験を担当していました。鉄道会社として出発前確認を担う以上、事故の教訓を自社の安全教育へ反映する責任はあります。

2024年に安全証明が更新されたことは、その後も規制当局の枠組みで運行を継続できていることを示しますが、会社独自の事故率・再発防止KPIは公開されていません。

2021~2026年の重大事故検索

死亡事故、脱線、火災、労災、行政制裁を別検索しました。今回の公開検索範囲では、2020年Corbonod事故以降にRegioRail Franceを対象としてBEA-TTが公表した同規模の重大事故や、会社単体の死亡労災を確認できませんでした。

これは「事故がゼロ」と証明するものではありません。会社自身の事故・労災年次データがないため、未確認とゼロを区別します。

商品・サービス安全は、安全証明と教育体制を評価しつつ2020年事故を考慮して3/5点です。

Innovation|新しい鉄道技術は人の負担を減らしているか

RegioRailのInnovationは、AI企業のような自社研究特許ではなく、機関車、運行方式、欧州連携、物流設計を実際の貨物へ導入するところにあります。

Traxx Universal Last Mileの導入

2026年、RegioRailはRailpoolから新しいTraxx Universalを導入し始めました。業界情報では7両が順次受領され、最初の車両がTonneins―Sèteのセメント輸送へ投入されています。【情報ランクB】

この列車は、顧客側の引込線が非電化であるため、幹線の大半が電化されていてもディーゼル機関車を使う必要がありました。TraxxのLast Mile機能は、架線のない短区間を補助動力で走れるため、別のディーゼル入換機関車を用意せずに電化区間を電気牽引できます。

Alstom自身もLast Mile機能について、非電化のターミナルや港湾・側線へ別の入換機関車なしで進入できる設計と説明しています。【情報ランクA】

これは「新型車を買った」というだけでなく、具体的に従来ディーゼル牽引だった輸送を電気牽引へ変える運用改善です。

ただし、機関車交換が不要になったことで作業員の入換作業や拘束時間が何時間減ったのか、危険箇所への立入りが何回減ったのかは公表されていません。作業負担・危険削減は4/10点です。

サービス改善とネットワーク拡張

2025年にはGeodisのAvignon―Dourgesを週5往復で開始し、2025年以降は旧Fret SNCF系の貨物再編に伴いインターモーダル分野でも輸送を拡大しています。2025年のフランス鉄道貨物市場ではRegioRailの存在感が以前より拡大したことを公的市場資料も示しています。【情報ランクS・A】

Eurorailの顧客ポータルでは貨物のリアルタイム追跡も提供しています。ただしこれはグループ共通機能であり、RegioRail単独の研究成果とは扱いません。

商品・サービス改善は4/5点です。

生産性向上を人へ返しているか

賃金協定、13か月目給与、手当、福利厚生は人への還元として確認できます。しかし、それらがTraxx導入、運行効率化、売上34%増によって新たに生まれた生産性と直接対応しているかは分かりません。

例えば、新型機関車によって交換作業が一回減ったとして、その時間が運転士の休息へ戻るのか、追加列車の運転へ回るのか、要員削減へつながるのかで人間への効果は変わります。

この因果関係を示すKPIがないため、改善成果の人間への還元は0/5点です。

研究開発・継続改善

RegioRailは機関車メーカーではないため、自社R&Dだけで評価するのは適切ではありません。一方、運転士向けに6~8か月の初期訓練を用意し、少なくとも年間2回程度の運転士研修セッションを行うとしています。安全部門には継続教育・技能評価を担う専門職があります。【情報ランクA】

新技術の導入と人材教育を継続している一方、自社研究費、特許、改善提案件数などは確認できません。研究開発・継続改善は3/5点です。

Innovation合計は11/25点です。

Protection|災害・線路寸断・サイバー障害から物流を守れるか

貨物鉄道では、列車が安全に走るだけでなく、幹線が閉鎖されたときに荷主の物流をどうつなぐかも重要です。

災害への備え・訓練

今回、RegioRail France単体について、洪水、地震、大規模停電、山火事、テロ等を想定したBCP訓練の回数、参加率、非常時拠点、復旧目標を確認できませんでした。

鉄道事業者として法令・安全管理上の危機対応手順は存在すると考えられますが、「あるはず」を採点根拠にはしません。

災害への備え・訓練は0/5点です。

生産・物流・調達の代替性

RegioRailはフランス10拠点、44両の機関車、欧州パートナー、複数の国際接続を持ちます。Eurorailは鉄道だけでなく道路輸送も組み合わせ、ファースト・ラストマイルを補完すると説明しています。【情報ランクA】

一つの工場や一台の機関車にすべてを依存する会社ではない点は評価できます。

一方、2024年の会社決算注記では、フランス―イタリア間の主要Modaneルート閉鎖が継続し、輸送量と売上回復を妨げたと説明しています。複数拠点を持っていても、重要幹線が長期間閉じれば完全には代替できないことが実際に表れました。【情報ランクB】

具体的な代替ルート実績が十分に公開されていないため、生産・物流・調達の代替は2/5点です。

サイバー防御・情報保護

RegioRailは採用者データについてRGPD上の取り扱いを示し、Eurorailは貨物のリアルタイム追跡システムを提供しています。しかし、ISO27001、SOC、EDR、24時間監視、バックアップ方式、侵入テスト、サイバー訓練、インシデント件数など、RegioRail France単体の防御実績は確認できませんでした。

公開検索では重大なサイバー攻撃や大規模情報漏えいも確認できませんでしたが、「報道がない」ことを安全実績へ置き換えません。

サイバー防御・情報保護は0/5点です。

供給継続・復旧能力

2024年決算では、Modaneルート閉鎖や機関車の問題が売上減少要因として明記されています。これはリスクを自ら開示している点では評価できます。

また、2024年時点の継続企業前提について親会社の財務支援があるため問題ないと説明しています。2025年には売上が大きく伸び、財務面の継続性は改善しました。【情報ランクB】

しかし、線路寸断、機関車故障、運行システム停止から何時間・何日で代替輸送へ切り替えたかという復旧KPIはありません。供給継続・復旧能力は1/5点です。

危機時の市民対応

RegioRailはB2B貨物会社で、旅客避難や生活物資の直接配布を本業にしていません。今回、災害時に列車や物流網を市民向け緊急物資輸送へ提供した具体的実績は確認できませんでした。

事業特性上不利になりやすい項目ですが、企業審査では全社共通基準を維持するため、危機時の市民対応は0/5点です。

Protection合計は3/25点です。

主なニュース・最近の動き

RegioRailは2025~2026年に事業規模を拡大しています。直近の変化は、売上改善、新しい長距離輸送、機関車更新、採用拡大に集中しています。

1.2026年|Traxx Universal Last Mileを実運行へ投入

Railpoolから供給されるTraxx Universalの新型車両がフランスで認可され、RegioRailへの7両の導入が順次進んでいます。最初の車両はTonneins―Sèteのセメント貨物へ投入され、非電化の顧客側線をLast Mile機能で処理することで、幹線区間を電気牽引へ変更しています。【情報ランクB】

これは環境対応だけでなく、別のディーゼル入換機を用意する作業とコストを減らせる可能性があります。ただし人員負担の削減実績はまだ公開されていません。

2.2026年9月|2025年決算で売上34.3%増、赤字大幅縮小

2025年売上高は約4,970万ユーロ、前年比34.3%増となりました。営業損失は約35.6万ユーロ、純損失は約30.6万ユーロで、2024年の純損失約419万ユーロから大幅に改善しています。【情報ランクB】

財務改善は、機関車、人材教育、安全設備へ投資する余力につながります。ただし実際に安全・賃金へ何ユーロ配分したかは別問題です。

3.2026年|運転士を複数拠点で採用、初期教育を継続

RegioRailはBlainville、Lyon、Ambérieu-en-Bugey、Valenton、Dijon、Fos-sur-Merなどで運転士を募集し、2026年6月開始の初期教育枠も設定しました。公式採用情報では研修後に複数拠点へ配属する仕組みを確認できます。【情報ランクA】

売上拡大が単なる機械投資だけではなく、運転士採用にもつながっている点は雇用面のプラスです。ただし離職率と純増人数は非公表です。

4.2025年1月|Geodis向けAvignon―Dourgesを週5往復で開始

Geodis Road Transport向けにAvignon FontcouverteとDourges Delta 3を結ぶ貨物輸送を開始しました。消費財を運び、週5往復でフランス南北を結びます。【情報ランクA・B】

これはRegioRailが地域貨物だけでなく、フランスを縦断する長距離貨物へ事業を広げている例です。

5.2024年11月|EPSF安全証明を更新

EPSFはRegioRail Franceの安全証明を2024年11月21日付で更新し、有効期限を2029年11月20日としています。【情報ランクS】

2020年の重大脱線事故を含む過去がある中でも、現在の安全管理システムが鉄道事業者として認証されていることは重要です。ただし会社独自の事故率公開が不足しているため、Safety満点の根拠にはしません。

項目別スコア

適用基準は「100点制・第1版」、評価時点は2026年9月29日です。

Safety 19/50

評価項目点数主な根拠
賃金・利益の還元6/10現行給与レンジ、13か月目給与、各種手当、2025年労使賃上げを確認。ただし平均給与と2026年利益還元率は不明
労働時間・休息0/10変則・夜間・休日勤務は明示されるが、実残業、有休、休息実績を会社単体で確認できない
雇用安定・待遇公平3/5採用拡大、男女平等指数90/100を評価。高額給与層の女性比率0点、離職率非公表
福利厚生・育児・介護3/5医療保険、食事・休日手当、貯蓄制度等を確認。育児・介護の利用実績は不足
人権・ハラスメント・労使4/5CGT・CFDT・UNSAとの多数の協定、CSE、CSSCTを評価。ハラスメント通報・是正実績は不明
労働安全・健康0/10教育・安全会議はあるが、単体の労災件数、度数率、死亡労災等の結果KPIを確認できない
商品・サービス安全3/5全国安全証明を更新。一方、2020年に安全証明下の列車で重大脱線・火災。事故原因を同社単独の過失とは認定しない

Safetyは19点です。

Innovation 11/25

評価項目点数主な根拠
作業負担・危険の削減4/10Last Mile機関車で別のディーゼル入換機を不要にできるが、作業時間・危険作業削減実績は未公表
商品・サービス改善4/5新型機関車、長距離定期貨物、欧州接続、追跡機能を実運用
改善成果の人間への還元0/5効率化で生まれた時間・利益が時短、賃金、配置へどう戻ったか定量KPIなし
研究開発・継続改善3/5運転士初期教育、安全専門職、継続技能評価、新技術導入を評価。自社R&D実績は限定的

Innovationは11点です。

Protection 3/25

評価項目点数主な根拠
災害への備え・訓練0/5RegioRail France単体のBCP訓練、災害復旧KPIを確認できない
生産・物流・調達の代替2/510拠点、複数機関車、欧州パートナーを持つが、Modane閉鎖で実際に売上影響を受け、代替実績開示も限定
サイバー防御・情報保護0/5RGPD説明はあるが、サイバー防御・訓練・第三者認証・事故KPIを確認できない
供給継続・復旧能力1/5親会社支援と複数拠点はあるが、線路寸断・故障時の復旧時間と代替運行実績の公開が不足
危機時の市民対応0/5災害時に市民向け物流支援を実施した具体的公開実績を確認できない

Protectionは3点です。

総合評価

Safety 19点、Innovation 11点、Protection 3点、合計33点です。

総合シビックランクはFです。

RegioRail Franceは、事業実態だけを見れば「何をしているか分からない会社」ではありません。フランス各地に拠点を持ち、週200本規模の貨物列車を掲げ、evian、セメント、消費財、鉄鋼関連などの物流に関与しています。2025年売上高も大きく伸び、2026年には新型電気機関車の投入と採用拡大を進めています。

労使関係も比較的具体的です。賃金表を使い、低い賃金帯を優先した改定を労働組合と合意し、男女平等指数90/100を出しています。非上場の中規模貨物会社として、ここは明確な強みです。

それでもFになる最大の理由は、安全とProtectionの結果を外部から検証できる情報が少ないことです。

鉄道会社では、事故が起きていないように見えることより、何件の事故が起き、どのような原因で、再発防止がどこまで完了したかを定量的に公開する方が重要です。2020年Corbonod事故では、RegioRailの安全証明下の列車が脱線し火災が起きました。BEA-TTは車軸・軸受系の故障を直接原因とし、複数の可能性要因を示したものの、各要因の寄与度を確定できませんでした。これをRegioRailの隠蔽や重大過失と表現する根拠はありません。

むしろ問題は、その後の会社単体事故率、労災率、ヒヤリハット、再発防止成果が読者から追いにくいことです。EPSF安全証明更新は強いプラス材料ですが、安全証明と事故実績の公開は役割が異なります。

Protectionも同様です。10拠点と欧州ネットワークは平時の強さを示しますが、実際にModaneルートが閉じた2024年には売上への影響が出ました。災害や路線閉鎖時に、どの代替線を何時間で確保できたのかまで公開されれば、評価は大きく変わります。

Fから次のEランクは40点であり、今回の33点からあと7点です。優先的な改善項目は次の3つです。

1.会社単体の労働時間・休息・労災KPIを毎年公開する

月平均残業、有休、夜勤回数、休息時間、労災件数、度数率、死亡事故、ヒヤリハットを3~5年分公開できれば、Safetyの最大の不透明部分が解消します。

2.BCP・サイバー・復旧時間を具体化する

災害訓練、代替指令所、線路寸断時のルート切替、サイバー監視、バックアップ、復旧目標時間、実際の訓練結果を公開すれば、Protectionは大幅に再評価できます。

3.電化・効率化の成果を働く人へ結びつけて測る

Traxx Last Mileで機関車交換が減ったなら、作業時間、夜勤、構内作業、安全リスクが何%減ったかまで公開することです。削減時間を休息、賃金、教育へどう返したかが見えればInnovationも上がります。

以上からRegioRail France SASは、鉄道貨物を維持し道路輸送を代替する社会的価値、具体的な労使交渉、全国安全証明、新型機関車投資を確認できる一方、実労働時間・労災結果・BCP・サイバー・危機復旧の単体情報が不足する企業として、総合33点・シビックランクFと評価します。

出典一覧

1.Eurorail/RegioRail公式「RegioRail France」【情報ランクA】

2.Eurorail/RegioRail公式「Recrutement」【情報ランクA】

3.EPSF「フランス鉄道事業者安全証明一覧」2026年3月27日時点【情報ランクS】

4.BEA-TT「2020年9月17日Corbonod貨物列車脱線事故調査報告」【情報ランクS】

5.フランス環境・交通行政ポータル「Corbonod事故・輸送関係者説明」【情報ランクS】

6.Légifrance「REGIORAIL FRANCE 男女平等に関する企業協定」2025年6月27日【情報ランクS】

7.DILA由来企業協定「2025年賃金・労働時間・付加価値配分協定」【情報ランクS相当】

8.Légifrance「CSE社会文化活動費に関する協定」2025年6月11日【情報ランクS】

9.DILA由来企業協定「CSE事業所範囲に関する協定」2026年1月22日【情報ランクS相当】

10.DILA由来企業協定「CSSCT設置・運用協定」2022年5月13日【情報ランクS相当】

11.Pappers「REGIORAIL FRANCE 法人・2025年財務情報」【情報ランクB】

12.L’Annuaire des Entreprises「Fos-sur-Mer事業所」【情報ランクS】

13.SNCF Réseau「Sète港―Tonneins新貨物輸送」【情報ランクS】

14.International Railway Journal「New entrants look to fill niche left by Fret SNCF break-up」2025年6月3日【情報ランクB】

15.International Railway Journal「Intermodal bucks the trend in France」2026年【情報ランクB】

16.EURORAIL/REGIORAIL France公式LinkedIn「Geodis Avignon―Dourges開始」【情報ランクA】

17.EURORAIL/REGIORAIL France公式LinkedIn「従業員満足度調査2025」【情報ランクA。グループ調査】

18.Fret Ferroviaire「Traxx Universal Last Mile導入」2026年【情報ランクB】

19.Alstom「Traxx Universal Last Mile機能」【情報ランクA】

20.Indeed「REGIORAIL France 従業員口コミ」【情報ランクC】

21.Indeed「REGIORAIL 従業員口コミ」【情報ランクC】

22.Glassdoor「RegioRail/Eurorail求人情報」【情報ランクC・求人条件部分はB相当】

23.Autorité de régulation des transports「フランス鉄道貨物市場資料」【情報ランクS】

24.RegioRail France 2024年法定決算注記を掲載する企業情報資料【情報ランクB】

情報ランクの基準

情報ランク基準
S行政、公的機関、裁判所資料、法定開示、または独立した監査・認証等で第三者検証された情報。検証された範囲だけSとする
A会社の公式サイト、公式リリース、採用情報、公式SNS等の会社自身による公開情報
B身元・立場を確認できる関係者、専門メディア、取材、取引先、信頼できる二次資料等
C現従業員、元従業員、アルバイト等の口コミ。個別投稿を会社全体の事実へ一般化しない
DX、Facebook、TikTok等の一般SNS投稿で、発信者の立場や内容の裏づけが弱いもの
E匿名掲示板等、発信者の身元や関与をさらに確認しにくい情報

情報ランクは、企業の良し悪しではなく情報源の信頼度を示します。会社公式情報は詳細でも原則Aです。公的な安全証明、事故調査、法令に基づく企業協定などはSとして扱います。口コミやSNSは現場感を補うために確認しますが、単独で重大事故や法令違反を事実認定する根拠にはしません。

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