私たちは、企業の商品を購入したり、サービスを利用したりすることで、そこで働く人たちの未来を変えることができます。
働く人に十分な賃金を払い、休暇を確保し、安全な職場をつくり、人の負担を減らす企業の商品やサービスが選ばれれば、そうした企業により多くの売上が集まります。その結果、働く人を大切にする経営を続けやすくなります。
反対に、低賃金や長時間労働、安全上の問題を改善しない企業の商品やサービスが売れ続ければ、そうした働かせ方のままでも事業を続けることができます。
だからこの企業審査では、「私たちがお金を使うなら、どの企業を選ぶことが、そこで働く人にとってより良い社会につながるのか」という視点から企業を評価します。
今回審査する株式会社福屋は、総合64点、シビックランクCです。
株式会社福屋の特に強い点は、2026年から年間休日を前年比17日増の122日へ増やし、働く人の自由時間を実際に増やしたことです。2025年度の年次有給休暇も平均11.9日取得され、女性の育児休業取得率は100%。育児短時間勤務の対象も従来より2年間延長し、小学4年生の始期まで利用できるようにしています。
そのため、この企業の商品を買ったりサービスを利用したりすれば、百貨店で働く人が仕事だけに時間を使うのではなく、休息、育児、家族との時間、自己学習などに使える時間を確保しやすい社会になる可能性が高まります。
一方で、改善点として会社全体の平均給与や継続的な賃上げ率、男女賃金差、労災件数などが十分公開されていないことが残ります。また2026年には、福屋広島駅前店で販売された商品の賞味期限誤表示や、別商品のアレルゲン「小麦」の表示欠落による回収も発生しています。
この記事では、株式会社福屋の強みと課題をさらに詳しく企業審査していきます。
株式会社福屋の企業審査結果
福屋は、年間休日を大幅に増やした働き方改革、女性の育児支援、健康経営、広島の生産者と消費者をつなぐ地域共創などに強みがあります。
一方で、賃金還元や従業員の労災について会社単体の結果が見えにくく、商品表示でも2026年に複数の問題が発生しています。
| 評価軸 | 点数 |
|---|---|
| Safety | 34/50 |
| Innovation | 15/25 |
| Protection | 15/25 |
| 総合点 | 64/100 |
| シビックランク | C |
主な強み
最も評価したのは、2026年から社員の年間休日を105日から122日へ17日増やしたことです。
制度を作っただけではなく、実際に年間17日分の時間を働く人へ返しています。百貨店は土日祝日、年末年始、中元・歳暮など一般企業とは異なる繁忙期があります。その業種で休日そのものを増やした意味は大きいと評価しました。
女性の育児休業取得率も直近100%で、2026年時点の公的職場情報では女性管理職が8人、管理職全体62人となっています。単純計算では女性管理職比率は約12.9%です。
主な課題
会社全体の平均給与、賃金中央値、既存社員のベースアップ率、男女賃金差、労災件数、休業災害度数率などは十分公表されていません。
給与条件や福利厚生は採用情報から確認できますが、「今働いている人へ利益がどの程度返っているのか」「安全に働けているのか」を継続的な数値で判断するには情報が不足しています。
また、2026年には食品表示に関する問題が続きました。
事業内容と人間への貢献
福屋は1929年に設立され、広島で最初の百貨店として同年10月に開店しました。現在は八丁堀本店、広島駅前店、五日市福屋、呉店、西条店、焼山店などを運営しています。2024年10月時点の会社公式従業員数は430人で、男性130人、女性300人です。
百貨店の役割は、商品を並べて販売することだけではありません。
地域の商品を消費者へ届ける
福屋では食品、衣料品、化粧品、生活用品、ギフトなど多数の商品を一つの場所で購入できます。
専門店やメーカーの商品を個別に探す代わりに、一つの百貨店で比較、相談、購入、包装、配送まで依頼できるため、利用者の時間と手間を減らします。
広島の生産者に販路を作る
福屋は2022年から「ララいいもの広島」という共創プロジェクトを展開しています。
これは既存の広島商品を売るだけではなく、生産者と消費者の声を結び、商品発掘や新商品開発まで行う取り組みです。
現在のオンラインストアでは同プロジェクトの商品が100点前後掲載され、食品、酒、調味料、革製品など幅広い地域商品を全国へ販売しています。
小規模な地域事業者だけでは全国へ販売することが難しい場合でも、福屋の売場やオンラインストアを使えば販路を広げられます。
被爆後も営業を再開した地域商業インフラ
八丁堀本店は1945年の原爆投下で店舗が廃虚となりましたが、1946年2月には1階部分で営業を再開し、その後全館復旧しています。
これは現在のSafetyやProtectionへ直接加点する現在実績ではありません。
一方、広島中心部で約100年にわたって商業機能を維持してきた企業として、地域での継続性を理解する重要な歴史です。
Safety|34/50
福屋のSafetyで最も評価できるのは、2026年に休日を17日増やしたことと、育児・健康支援です。
一方、賃金や労災の現在値が十分見えないため、「働きやすい制度がある」ことと「実際に良い結果が出ている」ことを完全には結びつけられません。また食品を扱う百貨店として商品表示事故も減点しています。
賃金・利益の還元|4/10
2026年4月実績の大卒初任給は月23万円で、時間外手当は別途支給、賞与は夏季・冬季の年2回です。
一方、会社全体の平均給与、給与中央値、既存社員の2026年ベースアップ率、非正規を含む賃上げ状況は公表されていません。
転職会議では平均年収に関する低めの投稿や、2024年頃の販売スタッフから給与への不満も確認できますが、口コミだけで会社全体の待遇を断定することはできません。
4/10点とした理由は、初任給や手当、賞与制度は確認できる一方、既存社員への利益還元を判断する現在の結果情報が不足しているためです。
平均給与、賃金中央値、毎年のベア、非正規を含む賃上げ率まで公開し、実際に継続的な賃金上昇が確認できれば6~8点を検討できます。
労働時間・休息|8/10
2026年から年間休日は122日となりました。
これは前年より17日増えています。
年次有給休暇についても、2025年度は平均11.9日の取得実績があります。
年間所定労働時間は1,944時間で、1年単位の変形労働時間制を採用しています。
営業時間に合わせて5時間から9時間30分の勤務シフトを組む百貨店勤務ですが、年間休日を17日増やしたことで、働く人が仕事以外に使える時間を年間で大きく増やしました。
転職会議の投稿者集計では残業は月15時間前後、有給消化率は約40%、OpenWorkでは残業22.7時間、有給消化率46.0%となっています。数字には差があります。
会社自身が最新の平均残業時間を公表していないため10点にはしません。
全社平均だけでなく、店舗・職種・繁忙期別の残業時間まで確認でき、長時間労働が低水準であることが確認できれば10点を検討できます。
雇用の安定・待遇の公平性|4/5
福屋公式では2024年10月時点で女性従業員が300人、男性130人です。女性が約7割を占めています。
2026年の公的職場情報では、女性管理職8人、管理職全体62人で、女性管理職比率は約12.9%です。過去の2018年時点では管理職56人のうち女性は1人、1.7%だったため、管理職登用は大きく進んでいます。
平均継続勤務年数も公的情報では男性18.7年、女性17.4年で、大きな差ではありません。
一方、男女賃金差は公表されていません。
女性従業員が多数を占める企業だからこそ、管理職だけでなく、賃金、昇進、離職まで男女別で公開してほしいところです。
福利厚生・育児・介護|5/5
福屋は2007年に「くるみん」認定を受けています。
現在も育児休職、介護休職、育児・療養・介護短縮勤務、社員食堂、常勤保健師を置く企業内保健室、財形貯蓄、互助会、社員割引などを設けています。
直近の女性育児休業取得率は100%です。
さらに2026年から、育児短時間勤務を利用できる期間を従来の小学校2年生始期までから、小学校4年生始期までへ2年間延長しました。
制度の存在だけでなく、女性育休100%という利用実績と制度拡張が確認できるため5点としました。
今後は男性育休の実際の取得率も継続公開してほしいところです。
人権・ハラスメント・労使関係|4/5
採用情報では労働組合があり、組合員数は約300人とされています。
また2025年にはカスタマーハラスメント基本方針を制定しました。
百貨店では接客中に暴言、威圧、不当要求などを受ける可能性があります。福屋は厚生労働省のカスタマーハラスメント対策企業マニュアルに基づく方針を公開し、従業員を守る姿勢を示しています。
4点とした理由は、労働組合とカスハラ対策が具体的に存在する一方、社内ハラスメント相談件数、内部通報件数、是正件数などの実績が公表されていないためです。
労働安全・健康|6/10
福屋は「健康経営優良法人2026」の大規模法人部門に認定されています。
保健師が常勤する企業内保健室を設置し、メンタルヘルス対策や健康増進策も行っています。
百貨店では立ち仕事、商品運搬、バックヤード作業、厨房、長時間の接客などがあり、従業員の身体・精神両面の健康管理は重要です。
一方、福屋単体の労災件数、休業災害度数率、転倒事故件数、健康診断受診率、ストレスチェック受検率などは公表されていません。
健康経営認定だけで「安全な会社」とは判断せず6/10点としました。
具体的な安全・健康KPIが継続公開され、良好な結果まで確認できれば8~10点を検討できます。
商品・サービスの安全|3/5
百貨店では自社製造品だけでなく多数のメーカー商品を販売するため、すべての商品事故を福屋自身の製造責任として扱うことはできません。
一方、販売者として表示や回収へ対応する責任があります。
2026年4月には、福屋広島駅前店で販売された「餃子としあわせ」「餃子とげんき」で、賞味期限を約1年長く表示する誤表示が判明しました。会社は返金・交換とチェック工程の強化を発表しています。
さらに2026年5月には、販売していた「nakato麻布十番シリーズ 野菜カレー 5種の野菜入り」で、本来表示すべきアレルゲン「小麦」の記載欠落が判明し、商品回収を実施しました。メーカー商品ですが、福屋も売場窓口として回収対応し、メーカーとともに表示確認体制を見直すとしています。
アレルギー表示の欠落は、該当アレルギーを持つ利用者の健康に直接関わります。
問題発生後の回収と改善は評価しますが、2026年に表示関連の問題が続いているため3点としました。
従業員・元従業員の口コミ
転職会議では154件前後の口コミがあり、投稿者集計では残業月15時間程度、有給消化率約40%です。
2023年頃の女性正社員からは、女性管理職が増えていること、育休後の復職が一般化しているという肯定的な投稿があります。これは公的データで女性管理職が過去より増加していることとも方向性が一致します。
一方、2021年頃勤務とする販売スタッフからは、勤務時間と給与のバランスへの不満も投稿されています。
Indeedは口コミ数が3件程度と少ないものの、2025年の接客職では先輩社員の丁寧な支援を評価する投稿、2026年の包装スタッフでは中元・歳暮期の忙しさを指摘する投稿があります。
口コミは情報ランクBとして扱い、単独では採点を決めていません。
SNS・匿名掲示板の確認結果
X、5ちゃんねる等について、福屋、残業、給与、退職、パワハラ、事故などを組み合わせて確認しました。
今回の調査範囲では、対象法人との関係と投稿本文を十分確認でき、公式資料や口コミサイト以上に採点へ影響させるべき現在の情報は確保できませんでした。
投稿が見つからないことを、問題が存在しない根拠には使っていません。
Innovation|15/25
福屋のInnovationでは、大規模なロボット化やAI省人化よりも、オンライン販売、地域商品開発、働く人の時間削減などが中心です。
サービス改善は具体的ですが、技術導入によって従業員の作業時間や危険が何時間減ったのかという定量結果はまだ弱いため、Innovation全体では中間評価としました。
作業負担・危険の削減|4/10
福屋オンラインストアやデジタルカタログにより、利用者は店舗へ行かずに商品を検索・購入できます。オンラインストアは2021年にリニューアルされています。
一方、セルフレジ、自動搬送、AI在庫管理、バックヤード自動化などによって従業員の運搬・レジ・在庫管理作業を何時間削減したのかという公開成果は確認できません。
Innovationでは「デジタル化した」だけで高得点にはしません。
人が担っていた作業が何時間減り、残業や身体負担がどれほど改善したかまで確認できれば6~8点へ上げられます。
商品・サービスの改善|5/5
「ララいいもの広島」は、百貨店が完成品を仕入れて売るだけではなく、生産者と消費者を結び、実際の商品開発まで行う仕組みです。
現在も「うま糀らぁめん」など、消費者の声と広島企業を結びつけた開発企画を展開しています。
地域商品を販売するだけでなく、「何を作るか」の段階まで消費者と企業をつないでいるため5点としました。
改善成果の人間への還元|2/5
2026年に年間休日を17日増やしたこと自体は、働く人への非常に大きな還元です。
ただし、その時間短縮がどの技術、業務改善、デジタル化によって実現したのかは明確に公表されていません。
Innovationでは、単純な休日制度としてSafetyと二重加点せず、「改善技術によって浮いた時間を人へ返したか」を評価します。
デジタル化や業務改善による削減時間と、それによって休日を増やせた関係まで公開されれば4~5点を検討できます。
研究開発・現場改善の継続|4/5
オンラインストアのリニューアル、地域共創プロジェクト、リスキリング支援など、新しい販売方法と人材育成を複数年続けています。
「ララいいもの広島」も2022年開始から現在まで継続し、オンラインで100商品前後を販売する規模へ広がっています。
一方、技術・業務改善について導入前後の生産性や作業時間を比較する数値は少ないため4点としました。
Protection|15/25
百貨店には、災害時にも食料や生活必需品を届ける地域インフラとしての側面があります。
福屋は自治体との災害協力が具体的で、市民への支援では強みがあります。一方、店舗停止時の代替営業、ITシステムの復旧時間、サイバー訓練などについては情報が不足しています。
災害への備え・訓練|4/5
福屋は広島県との連携の中で、大規模災害時に生活必需品、食料品、飲料水の調達へ協力する仕組みを持っています。
生活必需品については1996年から協力し、2012年には食料品・飲料水も調達対象へ追加されました。平時には八丁堀本店で防災用品の販売・啓発も行っています。
例えば地震や豪雨で通常のスーパーや物流が機能せず、避難所で食料や飲料水が不足した場合、県が福屋の販売・調達ネットワークを活用できる可能性があります。
正式な自治体連携と長期継続を評価して4点としました。
実地訓練の頻度、供給可能量、実際の災害時供給量まで継続公開されれば5点を検討できます。
生産・物流・調達の代替|3/5
福屋は八丁堀本店、広島駅前店をはじめ複数店舗とオンラインストアを持っています。
一店舗が利用できなくても、すべての販売手段が同時に失われる構造ではありません。
一方、主要店舗や物流拠点が止まった場合に、別店舗がどの程度代替できるのか、仕入先を切り替える仕組み、非常時の配送方法などは十分公表されていません。
そのため3点としました。
サイバー防衛・情報保護|2/5
福屋は個人情報保護方針を公開し、取得目的の明示、必要以上の個人情報を取得しないこと、利用目的の範囲内で利用することなどを定めています。
採用システムでもSSL、ウイルス対策ソフト、従業員教育などの対策を説明しています。
一方、CSIRT、SOC、多要素認証、オフラインバックアップ、復旧訓練、第三者認証、サイバーインシデント件数などの会社単体情報は公表されていません。
オンラインストア、カード、顧客情報を扱う企業としては、復旧まで含めた情報開示が必要です。
供給継続・復旧能力|2/5
複数店舗とオンラインストアを持つことはプラスです。
しかし、大規模災害、停電、サイバー攻撃、主要店舗の設備障害などが発生した場合に、何時間・何日で営業やECを復旧できるのかは公表されていません。
2026年には八丁堀本店の福屋第1駐車場について、老朽化により利用者の安全確保が難しくなったとして営業を止め、正式閉鎖しました。危険な設備を使い続けなかった判断は評価できます。
一方、これはBCP全体の復旧能力を示す情報ではないため2点としました。
危機時の市民への対応|4/5
福屋は災害時の生活必需品、食料、飲料水の調達協力を行う仕組みがあります。
2026年の熊本地震でも支援募金を実施しています。
百貨店の調達力や多数の商品を扱う能力を、平常時の販売だけでなく災害時の市民支援へ利用している点を評価しました。
実際に何人分の物資を何日以内に供給したのかといった実績まで公開されれば5点を検討できます。
良いニュース・最近の前向きな動き
福屋の直近の前向きな動きでは、働く人の休日を増やしたことが最も大きな意味を持ちます。
百貨店を利用する人が増え、その売上が働く人の休日や育児支援、地域商品の販路拡大へ使われるなら、消費によって「働く人にも地域にも利益が戻る会社」を残しやすくなります。
2026年|年間休日を17日増やし122日へ(Safety)
2026年から年間休日を前年比17日増の122日としました。
年間17日は、週5日勤務換算なら3週間を超える時間です。
休日が増えれば、睡眠や休息だけでなく、育児、介護、家族との時間、趣味、自己学習などに使える時間が増えます。
制度を宣言したのではなく、年間休日そのものを増やしたため、今回の企業審査で最も高く評価した動きです。
2026年|健康経営優良法人に認定(Safety)
福屋は健康経営優良法人2026の大規模法人部門に認定されています。
常勤保健師を配置した企業内保健室やメンタルヘルス対策などを行っています。
今後は健康診断受診率、ストレスチェック、高ストレス者率、労災件数など結果まで公開すると、健康経営の効果をより判断しやすくなります。
2026年|育児短時間勤務を2年間延長(Safety)
育児短時間勤務を利用できる期間を小学2年生始期までから、小学4年生始期までへ延長しました。
子どもが成長しても学校生活や家庭の事情でフルタイム勤務が難しい時期は続きます。
短時間勤務を長く選択できれば、育児のために退職する以外の選択肢を持ちやすくなります。
地域商品100点前後を全国販売(Innovation)
「ララいいもの広島」では、広島の商品を100点前後販売しています。
百貨店の集客力やオンライン販売網を地域の小規模事業者が利用できることで、地元だけでは販売量に限界がある商品を全国へ届けられます。
悪いニュース・問題となった動き
福屋では2026年に食品表示に関する問題が続きました。
百貨店は多数のメーカー商品を扱うため、製造上の責任がすべて福屋にあるわけではありません。しかし利用者は福屋の売場を信頼して商品を購入するため、誤表示を防ぎ、問題時に速やかに回収する責任があります。
2026年4月|賞味期限を約1年長く誤表示(Safety)
「餃子としあわせ」「餃子とげんき」で賞味期限の記載間違いが発生しました。
本来2026年12月の期限を2027年12月と表示していました。
消費者が誤表示を信じれば、本来の期限を過ぎた食品を保管・摂取する可能性があります。
福屋は返金・交換と表示確認工程の強化を発表しています。
問題を公表し是正したことは評価しますが、表示確認の弱さが実際に表面化した事例としてSafetyで減点しました。
2026年5月|アレルゲン「小麦」表示欠落で回収(Safety)
販売していた「nakato麻布十番シリーズ 野菜カレー 5種の野菜入り」で、「小麦」のアレルギー表示が欠落していることが判明しました。
メーカー商品ですが、福屋広島駅前店でも販売されており、福屋はメーカーとともに回収・確認体制強化を行っています。
小麦アレルギーを持つ人が表示を信頼して食べれば、健康被害につながる可能性があります。
商品の安全情報を正しく確認する工程をさらに強化する必要があります。
2026年|老朽化した第1駐車場を閉鎖(Protection)
福屋第1駐車場は、施設の老朽化により利用者の安全確保が難しくなったとして2026年5月末に営業を休止し、6月26日に正式閉鎖しました。
事故が起こるまで使い続けるのではなく、安全を確保できない段階で閉鎖した判断は適切です。
一方、歴史の長い店舗では建物や設備の老朽化が今後も課題になります。
駐車場だけでなく、店舗設備についても更新計画と安全点検結果を継続的に公開してほしいところです。
総合評価と、これから改善してほしいこと
株式会社福屋は現在64点・シビックランクCです。
次のBランクは70点からなので、あと6点必要です。
年間休日122日、女性育休100%、健康経営、地域商品の販路づくりなど、働く人と地域に直接つながる強みがあります。
次に必要なのは、良い制度を増やすこと以上に、賃金、安全、サイバー対策の結果を数字で示すことです。
既存社員の賃上げ実績を公開してほしい(Safety)
「賃金・利益の還元」は現在4/10点です。
初任給23万円、賞与年2回は確認できますが、既存社員の平均給与や2026年ベースアップ率は公表されていません。
既存社員についても平均基本給、平均年収、賃金中央値、正規・非正規別の賃上げ率を公開し、実際に継続的な賃上げが確認できれば6/10点へ上げられます。
加点幅は**+2点**で、総合点は66点になります。
参考企業の株式会社JR東海リテイリング・プラスでは、2026年春闘でベースアップ8,000円を労使妥結していることが確認され、現行企業審査では「賃金・利益の還元」を8/10点としています。
福屋も年間休日だけでなく、企業の利益を賃金としてどの程度働く人へ返したかを数字で示せれば評価を上げられます。
労災・健康KPIを公開してほしい(Safety)
「労働安全・健康」は現在6/10点です。
健康経営優良法人認定や常勤保健師の配置は確認できますが、労災件数や健康診断受診率がありません。
労災件数、年千人率、休業災害、高ストレス者率、健康診断受診率などを継続公開し、良好な結果が確認できれば8/10点へ上げられます。
加点幅は**+2点**で、賃金改善と合わせると68点です。
参考に、JR東海リテイリング・プラスは労災51件、年千人率8.2、平均残業7.8時間、有休取得率76.1%まで公表しています。結果が完璧でなくても、外部から改善状況を判断できます。
山梨中央銀行も健康診断受診率100%、ストレスチェック受検率89.5%、労災13件まで数値公開しています。
サイバー復旧体制を具体化してほしい(Protection)
「サイバー防衛・情報保護」は現在2/5点です。
個人情報保護方針やSSLなど基本対策はありますが、オンラインストアや顧客情報を扱う企業として、攻撃後の復旧力が見えません。
多要素認証、監視体制、オフラインバックアップ、サイバー訓練、復旧目標時間などを整備・公開し、実際の訓練結果まで確認できれば4/5点へ上げられます。
加点幅は**+2点**です。
賃金4→6点、労働安全6→8点、サイバー2→4点の3項目を改善すれば、
64点 → 70点
となり、シビックランクBへ上がります。
参考企業のキリングループロジスティクス株式会社では、グループ共通のCSIRT、SOC、自動検知、多層防御などが確認され、現行審査ではサイバー・情報Protectionを4/5点としています。
次のランクへ上がるための具体例
福屋は現在64点です。
Bランクにはあと6点必要です。
| 改善項目 | 現在 | 改善後 | 加点 |
|---|---|---|---|
| 賃金・利益の還元 | 4/10 | 6/10 | +2 |
| 労働安全・健康 | 6/10 | 8/10 | +2 |
| サイバー防衛・情報保護 | 2/5 | 4/5 | +2 |
| 総合 | 64点 | 70点 | +6 |
この改善が実現すれば、福屋を利用することが、年間休日を増やすだけでなく、賃金を上げ、安全な職場を作り、顧客情報を守る経営にも売上を渡す選択になります。
福屋は、地域密着型の百貨店として長い歴史を持ちながら、2026年には年間休日を大幅に増やすなど、働き方を実際に変えています。
一方、賃金と労働安全の結果情報、食品表示、サイバー復旧力にはまだ改善余地があります。
そのため今回の最終評価は、
Safety:34/50
Innovation:15/25
Protection:15/25
総合:64/100
シビックランク:C
とします。
出典一覧
| 主な出典 | 情報ランク |
|---|---|
| 株式会社福屋 会社概要・沿革・採用情報 | A |
| 株式会社福屋 待遇・福利厚生情報 | A |
| 広島県「人的資本経営ひろしま。」株式会社福屋 | S |
| Gビズインフォ/職場情報総合サイト | S |
| 福屋公式 商品回収・商品表示に関する告知 | A |
| 福屋オンラインストア「ララいいもの広島」 | A |
| 広島県との包括連携・防災協力資料 | S・A |
| 転職会議 | B |
| Indeed | B |
| OpenWork | B |
シビックランクの基準
| ランク | 総合点 |
|---|---|
| S | 90~100点 |
| A | 80~89点 |
| B | 70~79点 |
| C | 60~69点 |
| D | 50~59点 |
| E | 40~49点 |
| F | 20~39点 |
| G | 0~19点 |
株式会社福屋は64点のためシビックランクCです。
情報ランクの基準
| 情報ランク | 基準 |
|---|---|
| S | 公的機関、行政、裁判所、規制当局、独立第三者による調査・認証など、内容に独立した裏づけがある情報 |
| A | 企業公式サイト、公式資料、採用情報、公式声明など、発信主体を確認できる情報 |
| B | 従業員・元従業員口コミ、一般SNS、匿名掲示板など、発信者や内容を独立に確認しにくい情報 |
