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株式会社大丸松坂屋百貨店を企業審査|シビックランクB・72点/100点|残業7.8時間・年休125日・育休男女100%を評価、労災悪化・DX成果還元の開示が課題

私たちは、企業の商品を購入したり、サービスを利用したりすることで、そこで働く人たちの未来を変えることができます。

働く人に十分な賃金を払い、休暇を確保し、安全な職場をつくり、人の負担を減らす企業の商品やサービスが選ばれれば、そうした企業により多くの売上が集まります。その結果、働く人を大切にする経営を続けやすくなります。

反対に、低賃金や長時間労働、安全上の問題を改善しない企業の商品やサービスが売れ続ければ、そうした働かせ方のままでも事業を続けることができます。

だからこの企業審査では、「私たちがお金を使うなら、どの企業を選ぶことが、そこで働く人にとってより良い社会につながるのか」という視点から企業を評価します。

今回審査する株式会社大丸松坂屋百貨店は、総合72点、シビックランクBです。

株式会社大丸松坂屋百貨店の特に強い点は、2025年度の月平均残業時間7.8時間、年間休日125日、育児休職取得率が女性100%・男性100%となっている点です。

そのため、この企業の百貨店やオンラインサービスを利用すれば、長時間労働を抑え、休暇を確保し、育児と仕事を両立しやすい働き方を続ける企業に売上と需要が集まり、働く人が生活時間を確保しやすい社会になる可能性が高まります。

一方で、改善点として、J.フロント リテイリング連結の休業災害度数率が2024年度0.55から2025年度1.87へ悪化したことと、対象会社単体の労災詳細が十分に公開されていない点が残ります。また、アプリ、外商DX、AnotherADdressなどのデジタル化が、従業員の作業時間・必要人数・残業・賃金・休日へどの程度還元されたかも十分に公表されていません。

この記事では、株式会社大丸松坂屋百貨店の強みと課題をさらに詳しく企業審査していきます。

目次

株式会社大丸松坂屋百貨店の企業審査結果

大丸松坂屋百貨店は、働き方、育児支援、デジタルを使った新しい小売サービス、防災・BCPに強みがあります。一方、労災の対象会社単体開示、男女の賃金差、自動化・DXの成果を働く人へ返したことの定量化、サイバー復旧指標には改善余地があります。

評価軸点数
Safety37 / 50
Innovation16 / 25
Protection19 / 25
総合72 / 100
シビックランクB

主な強み

・月平均残業時間7.8時間
・年間休日125日
・育児休職取得率は女性100%、男性100%
・2025年度の従業員3,833人、女性管理職比率31.0%、平均勤続年数20.1年
・AnotherADdress、明日見世、大丸・松坂屋アプリなど、新しい顧客体験を継続開発
・店舗で防災訓練・BCP訓練を定期実施し、安否確認システムや複数通信手段を整備

主な課題

・JFR連結の休業災害度数率が2024年度0.55から2025年度1.87へ悪化
・2025年度のJFR連結業務災害は50件、通勤災害は46件
・対象会社単体の労災件数・重症度・発生原因の公開が不足
・JFR連結の男女賃金差は全労働者65.1%、正規雇用74.0%
・DX後の作業時間削減、人員再配置、残業・休日・賃金への還元が未開示
・主要システムのMFA、EDR、RTO・RPO、復旧訓練結果の詳細公開が限定的

事業内容と人間への貢献

大丸松坂屋百貨店は、大丸・松坂屋を中心に百貨店を運営するJ.フロント リテイリングの中核企業です。2025年度の従業員数は3,833人、2026年2月期の総額売上高は7,684億8千万円です。

基本情報

・会社名:株式会社大丸松坂屋百貨店
・本店所在地:東京都江東区木場二丁目18番11号
・商号変更:2010年3月1日
・資本金:100億円
・株主:J.フロント リテイリング株式会社100%
・代表取締役社長:宗森耕二
・従業員数:3,833人
・総額売上高:7,684億8千万円(2026年2月期)

主な事業内容

大丸9店舗、松坂屋4店舗を中心に百貨店を展開し、店頭販売だけでなく、外商、オンラインストア、アプリ、ファッションサブスクリプション、ショールーミングなどを組み合わせています。

AnotherADdressでは衣料品を購入せず月額で利用でき、2026年2月時点で登録会員数39万人超、取扱ブランド数約460まで拡大しています。大丸東京店の「明日見世」では、専任スタッフが商品の背景を伝え、店頭で得た顧客の声をブランド側へ返す仕組みを運営しています。

主な利用者・取引先

店頭では一般消費者、外商では個人の上顧客、法人外商では企業や団体が主な顧客です。AnotherADdressではファッションを定額利用したい個人、明日見世ではD2Cブランドなど新しい販売チャネルを求める事業者とも関係を持っています。

事業による人間への貢献

百貨店は、商品を販売するだけでなく、都市部の買い物、食品、贈答、文化催事、地域イベントの拠点になります。高齢者や障害のある人も含め、多くの人が一カ所で商品・サービスへアクセスできます。

デジタル化によって、来店前に商品やイベントを確認したり、オンラインで購入したりできるようになれば、店舗へ行く時間や情報探索の負担を減らせます。衣料品サブスクリプションは、一着を複数回利用することで新たな衣料生産・廃棄を抑える方向にもつながります。

Safety|37 / 50

Safetyでは、従業員が無理なく安全に働けるか、利用者が安全に商品・サービスを利用できるかを確認します。大丸松坂屋百貨店は残業、休日、育児支援、健康診断では高い水準ですが、労災の対象会社単体開示と男女賃金差に課題があります。

賃金・利益の還元|6 / 10

2028年新卒採用の初任給は26万7,900円で、賞与は年2回です。現在の中途求人でも、バイヤー・MDで年収550万~750万円、営業企画で600万~800万円、販売職で500万~600万円などの募集例があります。

第三者のYahoo!しごとカタログでは正社員回答者563人の平均年収575万円で、百貨店・スーパー業界平均440万円を上回っています。ただし、これは口コミ集計であり公式平均給与ではありません。

大丸松坂屋百貨店は2026年にマルチステークホルダー方針を公表し、生産性向上で生まれた成果について従業員への還元を重視する方針を示しました。

一方、対象会社単体の平均年収、中央値、毎年のベースアップ率、利益増加分に対する賃金還元額は公表されていません。一定の給与水準と還元方針は確認できますが、利益と賃金のつながりを十分比較できないため6点です。

労働時間・休息|8 / 10

採用サイトでは2025年度の月平均残業時間を7.8時間と公表しています。年間休日は125日で、同社が掲載する厚生労働省調査の日本企業平均112.1日を約13日上回ります。

さらに、有給休暇とは別に毎年8日間の個別連休があり、有給休暇などと組み合わせて最大10日間の連続休暇を取得できます。

転職会議の投稿者データでも残業12.6時間/月、有給消化率62.5%です。

公式の残業7.8時間と年間休日125日は高く評価できます。ただし、店舗・本部・外商など職種別の残業分布まで公開されていないため8点です。

雇用の安定・待遇の公平性|4 / 5

2025年度の従業員数は3,833人、平均勤続年数は20.1年です。2025年度は新卒41人、中途55人の計96人を採用し、2026年度も新卒55人を採用しています。

デジタル化を進める一方で、新卒・中途採用を続けています。今回の調査ではDXやAIを理由とする全社規模の大量解雇・希望退職は確認できませんでした。

女性従業員比率は63.3%、女性管理職比率は31.0%です。一方、JFR連結の2025年度男女賃金差は全労働者65.1%、正規雇用74.0%でした。これは対象会社単体ではなく連結データです。

対象会社単体の男女賃金差まで公開されれば、より正確に公平性を評価できます。

福利厚生・育児・介護|5 / 5

2025年度の育児休職取得率は女性100%、男性100%です。育児勤務制度利用者は254人、採用サイトでは産休・育休取得者の復帰率100%も掲載しています。

JFRのサステナビリティデータでは、大丸松坂屋百貨店の2025年度介護短時間勤務者は25人でした。

育児勤務制度は子どもが中学校へ就学する前まで利用できます。制度の存在だけでなく利用実績まで確認できるため5点です。

人権・ハラスメント・労使関係|4 / 5

JFRグループでは人権方針、過重労働防止、非差別、結社の自由、団体交渉権の尊重を明記しています。

大丸松坂屋百貨店は2024年12月にカスタマーハラスメント対応方針を公表し、従業員への研修、相談・報告体制、警察・弁護士との連携を明記しています。百貨店では接客従業員が顧客から暴言や長時間拘束、性的言動などを受ける可能性があるため、会社が従業員を守る対応を明文化している点を評価しました。

一方、JFR連結の2025年度ハラスメント相談件数は61件、コンプライアンス・ホットライン利用件数は69件でした。件数だけで問題の多さを断定することはできませんが、対象会社単体の相談件数、是正結果、再発率は公表されていません。

労働安全・健康|6 / 10

大丸松坂屋百貨店の健康診断受診率は2025年度100%、ストレスチェック回答率は95.7%です。

一方、JFR連結では2025年度の業務災害が50件、通勤災害46件、休業災害度数率1.87でした。2024年度の業務災害8件、通勤災害17件、度数率0.55から悪化しています。死亡災害は従業員・請負業者とも0人です。

ここで注意が必要なのは、これらの労災データがJFR連結であり、大丸松坂屋百貨店単体の件数ではないことです。対象会社単体の事故件数、店舗、原因、重症度、再発防止策は公表されていません。

健康管理は評価できますが、グループの労災指標が悪化し、対象会社単体の詳細も確認できないため6点です。単体データの公開と事故減少が確認できれば8点を検討できます。

商品・サービスの安全|4 / 5

大丸松坂屋百貨店では、個人情報へのアクセス制御、管理責任者、定期研修、内部監査、委託先監督、不正アクセス・不正ソフトウェア対策などの安全管理措置を公表しています。

また、グループの消費科学研究所は商品試験、衛生点検、品質管理に関する10万件以上の相談事項をデータベース化しており、商品品質を支える専門機能を持っています。

今回の調査では、2025~2026年に大丸松坂屋百貨店本体へ重大な行政処分や大規模な情報漏えいが行われた事実は確認できませんでした。

一方、商品事故・回収・誤表示の年間件数や再発防止実績を対象会社が統一的に公開すれば、さらに安全性を確認しやすくなります。

従業員・元従業員の口コミ

転職会議では約600件の口コミがあり、投稿者平均残業12.6時間/月、有給消化率62.5%です。

転職会議では、2026年8月28日投稿の20代前半女性・正社員・マーチャンダイザー/バイヤーが「休暇制度が比較的充実しており、有給休暇や希望休も取得しやすい環境だと感じます。」と投稿しています。情報ランクBです。別の2026年8月21日投稿では「サービス残業をせざるを得ない部署があるとききます。」との記載もあります。いずれも個人の投稿であり、全社実態とは区別して扱います。

Indeedでは22件の口コミを基に総合3.5/5、勤務時間と残業3.7、給与と福利厚生3.7でした。2026年4月11日の投稿には「残業はきっちりカウントされます。」との記載があります。情報ランクBです。

SNS・匿名掲示板の確認結果

X、5ちゃんねる、爆サイについて、会社名と残業、退職、パワハラ、DX、人員削減などを組み合わせて確認しました。

5ちゃんねるには2026年にも「大丸松坂屋百貨店の裏事情」を掲げるスレッドが存在しますが、匿名投稿であり、投稿者と対象会社との関係、職種、店舗、在籍時期を十分検証できないため、今回の採点根拠には使用していません。

Xと爆サイでも、今回の採点に利用できるほど本人との関係や本文を安定して確認できる現社員・元社員情報は確認できませんでした。

Innovation|16 / 25

大丸松坂屋百貨店は、アプリ、データ活用、デジタル外商、ファッションサブスクリプション、ショールーミングなど、小売の仕組みそのものを変える取り組みを続けています。一方、技術が従業員の労働時間を何時間減らしたかという人間側の成果は十分に公開されていません。

作業負担・危険の削減|4 / 10

2020年から外商員をデジタルで支援するチームを設け、オンライン購買履歴や顧客データを使って外商員の提案を支援しています。

1人の外商員が200~300人の顧客を担当する中で、データを使って顧客の関心を把握できれば、全てを人の記憶や訪問だけに依存する負担を減らせる可能性があります。

一方、デジタル化前後で外商員1人あたりの訪問回数、提案作成時間、残業時間、担当可能人数が何%改善したかは公表されていません。

利用技術は確認できても、人の作業負担が何時間減ったかを確認できないため4点です。

商品・サービスの改善|5 / 5

大丸・松坂屋アプリは電子会員証、ポイント、店舗情報、個別のお知らせなどを提供しています。2025年5月末時点で有効会員数は276.9万人、直近1年間に購買実績のある稼働会員は128.6万人でした。

AnotherADdressは2026年2月時点で登録会員39万人超、約460ブランドまで拡大しています。2026年2月には試着からレンタルまでリアル店舗とECをつなぐ「AnotherADdress TOKYO」も開設しました。

大丸東京店の「明日見世」は、購入だけを目的とせず、商品体験と顧客の声をブランド側へ返す仕組みを持っています。

店舗・オンライン・サブスク・ショールーミングを組み合わせて購入方法そのものを広げているため5点です。

改善成果の人間への還元|2 / 5

公式採用情報では残業7.8時間、年間休日125日と、働き方自体は良好です。デジタル化を進める一方で、新卒・中途採用も継続しています。

しかし、外商DX、アプリ、オンライン化、業務システム改善によって何時間の作業を削減し、その成果が残業7.8時間、休日125日、賃上げ、人員再配置にどの程度結びついたかという因果は公表されていません。

良い働き方は確認できても、DXの成果を人へ返したことを直接検証できないため2点です。

研究開発・現場改善の継続|5 / 5

2020年の外商DX支援、2021年開始のAnotherADdress、明日見世、アプリ、2025年のデジタル戦略推進室新設、2026年の次世代型OMOストアやXRコンソーシアム参画など、複数年にわたり新しい小売モデルを継続しています。

一度きりの実証で終わらず、組織そのものにITデジタル・DX推進機能を置き、既存事業と新規事業の両方で改善を続けているため5点です。

自動化・AI導入後の雇用状況

データサイエンスやデジタルツールを外商に利用し、AIによる外商員と顧客の相性分析なども改善候補として検討されています。

デジタル化が進む一方、2025年度には新卒41人・中途55人を採用し、2026年度も新卒55人を採用しています。現在も中途求人を継続しており、今回の調査ではDXを理由とする全社的な希望退職・大量解雇・採用停止は確認できませんでした。

ただし、大丸下関店は2027年8月31日で営業終了する予定です。閉店後の対象従業員の配置転換、希望退職、雇用継続人数については、現時点で公開情報が十分ありません。これはDXによる人員削減と結びつける根拠はありません。

Protection|19 / 25

百貨店は一日に多くの利用者が集まり、食品、決済、個人情報、建物、物流を同時に扱います。災害時に店舗を安全に閉鎖・再開し、従業員と顧客を守る能力が重要です。大丸松坂屋百貨店は防災・BCPでは具体的な訓練を確認できますが、サイバー復旧指標の外部開示は限定的です。

災害への備え・訓練|5 / 5

大丸松坂屋百貨店の店舗では、地震や火災に備えた防災訓練とBCP訓練を定期的に実施しています。

阪神・淡路大震災や東日本大震災での店舗被災経験を踏まえ、全従業員の安否確認システム、災害用無線、社用スマートフォン、社内イントラネットなど複数の通信手段をBCPへ組み込んでいます。

例えば地震で通常の携帯通信が不安定になった場合でも、複数の通信手段があれば従業員の安否と店舗状況を早く集約し、避難や再開判断を行いやすくなります。訓練まで確認できるため5点です。

生産・物流・調達の代替|3 / 5

大丸・松坂屋は全国複数店舗とオンラインストアを持ち、店舗以外にもアプリ、EC、外商など複数の顧客接点があります。

一店舗が休業しても、他店舗やオンラインという代替チャネルを持つ点は評価できます。

一方、特定の物流拠点・データセンター・食品供給元が停止した場合に、どこへ何時間で切り替え、通常の何%を維持できるかという対象会社単体の代替能力は公表されていません。

サイバー防衛・情報保護|3 / 5

大丸松坂屋百貨店は個人情報保護管理規程、管理責任者、アクセス制御、全社員研修、内部監査、委託先監督、不正アクセス・不正ソフトウェア対策を公表しています。

法人外商事業ではISO27001認証取得基準に基づく業務運用も公表しています。

JFR連結では2025年度の情報セキュリティデータ侵害件数は0件です。

一方、対象会社のMFA適用率、EDR導入率、SOC監視、分離バックアップ、サイバー復旧訓練の結果は公開されていません。方針・仕組みは具体的ですが、技術導入範囲の公開が足りないため3点です。

供給継続・復旧能力|4 / 5

JFR危機管理規程と危機管理マニュアルを整備し、大丸松坂屋百貨店の店舗でBCP訓練を定期的に実施しています。

災害用無線、社用スマートフォン、イントラネット、安否確認システムを組み合わせ、飲料水や非常食などの備蓄も継続拡充しています。

これにより、災害時に従業員の安全を確認しながら営業停止・再開を判断できる仕組みは確認できます。

一方、店舗・EC・アプリごとのRTO、RPO、バックアップ切替時間、復旧訓練の成功率は公表されていないため4点です。

危機時の市民への対応|4 / 5

大丸松坂屋百貨店は、能登半島地震や台湾東部沖地震などで各店舗に募金箱を設置し、被災地物産展などを通じた復興支援を行っています。

2026年には島根県江津市と包括連携協定を締結しています。また、大丸下関店の2027年閉店決定後には、土地建物を下関市へ寄附する意向を表明しました。市は閉店による市民生活・地域経済への影響を検討する対策会議を設けています。

百貨店の店舗・顧客接点を災害募金や地域支援に使っている点を評価します。一方、災害時の物資供給量、避難所への直接供給、自治体との防災協定に基づく具体的な出動実績は十分公表されていないため4点です。

良いニュース・最近の前向きな動き

2026年は、働き方に加えて、循環型ファッション、アクセシビリティ、地域との連携を進めています。これらはInnovation、Safety、Protectionの各軸につながり、大丸・松坂屋を利用することで、働く人の休息を確保しながら新しい小売や地域支援へ投資する企業に需要が集まります。

・2025年度の月平均残業7.8時間、年間休日125日、育休取得率男女100%を公表
・AnotherADdressは2026年2月時点で登録会員39万人超、約460ブランドへ拡大
・2026年2月、リアル店舗とECを融合する「AnotherADdress TOKYO」を開設
・2026年9月、ウェブアクセシビリティ方針を公開し、年齢や身体的制約に関係なく利用できるサイト改善を開始
・2026年4月、島根県江津市と包括連携協定を締結
・大丸下関店の営業終了決定後、2026年8月に土地建物を下関市へ寄附する意向を表明

悪いニュース・問題となった動き

現在の大丸松坂屋百貨店には、働き方全体では強みがある一方、安全実績と地域店舗の継続に課題があります。労災が増えれば従業員の安全が損なわれ、店舗閉鎖は地域の買い物・雇用・駅前経済に影響します。

・JFR連結の2025年度業務災害は50件、通勤災害46件
・休業災害度数率は2024年度0.55から2025年度1.87へ悪化
・対象会社単体の労災件数、重症度、原因別内訳は公表されていない
・JFR連結の2025年度男女賃金差は全労働者65.1%、正規雇用74.0%
・2027年8月末で大丸下関店の営業終了を予定し、下関市は地域経済・市民生活への影響を検討する対策会議を設置
・DXを進めているものの、削減時間や人員再配置、残業・休日への還元の定量公開が不足

総合評価と、これから改善してほしいこと

株式会社大丸松坂屋百貨店は72点、シビックランクBです。次のAランクは80点からなので、あと8点です。

月平均残業7.8時間、年間休日125日、育休取得率男女100%、防災・BCP訓練、デジタルを使った新しい小売モデルは強みです。一方、労災の対象会社単体開示、DX成果の人への還元、男女賃金差、サイバー復旧力の定量公開を改善する必要があります。

労災を対象会社単体で公開し、安全実績を改善する|労働安全・健康 6 → 8点

現在は健康診断100%、ストレスチェック95.7%という強みがある一方、JFR連結の休業災害度数率が0.55から1.87へ悪化し、大丸松坂屋百貨店単体の労災内訳も公表されていないため6/10点です。

大丸松坂屋百貨店単体で、業務災害・通勤災害、休業災害、重症度、店舗、原因、再発防止策を毎年公開し、度数率の改善が確認できれば8/10点を想定します。

+2点で総合74点となり、BランクのままですがAまであと6点になります。

参考企業として、アスクル株式会社は当サイト審査で労働安全・健康8/10点と評価しており、事故を重症度別に開示していることが比較材料になります。

DXの削減時間を残業・休日・賃金へ結びつける|改善成果の人間への還元 2 → 5点

現在は残業7.8時間、年間休日125日という良い働き方を確認できますが、外商DX、アプリ、業務システム改善による削減時間との因果が公表されていないため2/5点です。

外商員・店舗スタッフ・本部それぞれで、導入前後の作業時間、担当人数、残業、配置転換を公開し、削減時間が休日増・残業削減・賃上げへつながったことまで示せれば5/5点を想定します。

+3点で総合75点です。

参考企業として、キリングループロジスティクスは当サイト審査で、業務改善・多能工化を年間所定労働時間1,920時間から1,896時間への24時間短縮につなげた実績を確認しています。

男女賃金差を対象会社単体で改善・公開する|雇用の安定・待遇の公平性 4 → 5点

女性管理職比率31.0%は評価できますが、JFR連結の正規雇用男女賃金比率は74.0%で、対象会社単体の数値は公表されていません。

大丸松坂屋百貨店単体で職種・等級・雇用形態をそろえた男女賃金差を公開し、同一職務・同一等級での差を縮小できれば5/5点を想定します。

+1点で総合73点です。

サイバー防御と復旧指標を公開する|サイバー防衛・情報保護 3 → 5点

現在はアクセス制御、従業員研修、内部監査、不正アクセス対策を確認でき、JFR連結の2025年度データ侵害件数も0件です。

一方、MFA・EDR導入率、SOC監視、分離バックアップ、サイバー演習、RTO・RPOは公表されていません。

主要システムへの防御導入率と、攻撃を想定した復旧訓練の時間・成功率を公開できれば5/5点を想定します。

+2点で総合74点です。

Aランクへのルート

労働安全・健康を6点から8点へ改善して+2点、改善成果の人間への還元を2点から5点へ改善して+3点、雇用の安定・待遇の公平性を4点から5点へ改善して+1点、サイバー防衛を3点から5点へ改善して+2点。合計+8点で80点となり、シビックランクAに到達します。

大丸松坂屋百貨店は、すでに残業・休日・育児支援では強い企業です。次に必要なのは、事故をどこまで減らせたのか、DXで浮いた時間を人へどう返したのか、男女間の待遇差をどこまで縮めたのかを、対象会社単体の数値で見えるようにすることです。

出典一覧

・株式会社大丸松坂屋百貨店「会社概要・役員」
・株式会社大丸松坂屋百貨店「新卒採用/数字で見る大丸松坂屋百貨店」
・株式会社大丸松坂屋百貨店「新卒採用/募集要項」
・株式会社大丸松坂屋百貨店「サステナブルな社会へ」
・株式会社大丸松坂屋百貨店「顧客との持続的な関係構築」
・株式会社大丸松坂屋百貨店「オンラインタッチポイントの魅力化」
・株式会社大丸松坂屋百貨店「カスタマーハラスメント対応方針」
・株式会社大丸松坂屋百貨店「個人情報保護基本方針」
・株式会社大丸松坂屋百貨店「マルチステークホルダー方針」
・J.フロント リテイリング「サステナビリティに関するデータ」
・J.フロント リテイリング「お客様の安全・安心への貢献」
・J.フロント リテイリング「JFRグループが目指すサーキュラー・エコノミー」
・下関市「大丸下関店閉店に係る第1回庁内対策会議」
・転職会議「大丸松坂屋百貨店」
・Indeed「大丸松坂屋百貨店」
・Yahoo!しごとカタログ「大丸松坂屋百貨店」

シビックランクの基準

ランク点数
S90~100
A80~89
B70~79
C60~69
D50~59
E40~49
F20~39
G0~19

情報ランクの基準

情報ランク主な情報源
S行政機関、裁判所、規制当局、独立した第三者検証・認証
A企業公式、IR、採用情報、公式発表、実名の公的発言
B現社員・元社員口コミ、一般SNS、匿名掲示板
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