私たちは、企業の商品を購入したり、サービスを利用したりすることで、そこで働く人たちの未来を変えることができます。
働く人に十分な賃金を払い、休暇を確保し、安全な職場をつくり、人の負担を減らす企業の商品やサービスが選ばれれば、そうした企業により多くの売上が集まります。その結果、働く人を大切にする経営を続けやすくなります。
反対に、低賃金や長時間労働、安全上の問題を改善しない企業の商品やサービスが売れ続ければ、そうした働かせ方のままでも事業を続けることができます。
だからこの企業審査では、「私たちがお金を使うなら、どの企業を選ぶことが、そこで働く人にとってより良い社会につながるのか」という視点から企業を評価します。
今回審査するプラス株式会社は、総合76点、シビックランクBです。
プラス株式会社の特に強い点は、働く人の健康状態や働き方を具体的な数字で管理し、改善を続けていることです。健康診断受診率100%、ストレスチェック受検率94.4%、月平均残業20時間、有給休暇取得率63.1%を公表し、健康経営優良法人にも3年連続で認定されています。[出典2・3・17]
そのため、この企業の商品を買ったりサービスを利用したりすれば、働く人の健康を守り、長時間労働を減らし、休みながら働き続けられる職場に強い社会になる可能性が高まります。
一方で、改善点として男女の賃金差と、労働災害の結果を十分に公開していないことが残ります。男女賃金比率は全労働者で78.7%、正規雇用労働者で79.1%です。また、過去には前橋工場で従業員が重体となる労災が公表されていますが、現在の死亡災害件数、休業災害件数、度数率、強度率を毎年比較できる公開情報がありません。[出典2・12]
この記事では、プラス株式会社の強みと課題をさらに詳しく企業審査していきます。
プラス株式会社の企業審査結果
プラス株式会社は、健康管理、育児支援、品質管理、災害時の物資供給では具体的な仕組みと実績があります。一方、賃金の公平性、労災結果の透明性、自動化が社員の負担をどれだけ減らしたか、事業停止後の復旧時間には改善余地があります。
| 評価軸 | 点数 |
|---|---|
| Safety | 36/50 |
| Innovation | 19/25 |
| Protection | 21/25 |
| 総合点 | 76/100 |
| シビックランク | B |
評価時点:2026年10月
主な強み
- 健康診断受診率100%、ストレスチェック受検率94.4%
- 月平均残業20時間、有給休暇取得率63.1%
- 男性育休取得率50%、女性100%
- 新卒3年定着率91.3%、キャリア採用者の離職率4.4%
- 全国6か所の物流拠点と、60を超える地方公共団体との災害時調達協定
- 商品開発・製造段階での品質評価、物流自動化やデータを使ったオフィス改善
主な課題
- 男女賃金比率は全労働者78.7%、正規雇用労働者79.1%
- 現在の死亡災害、休業災害、度数率、強度率を継続比較できる公開情報がない
- DX・生成AI導入後に作業時間や残業が何時間減ったのかをプラス株式会社単体で確認できない
- BCP訓練の実測結果やシステム・物流の復旧目標時間が十分公開されていない
事業内容と人間への貢献
プラス株式会社は、文具メーカーだけではありません。文具、オフィス家具、オフィス設計、内装・設備工事、教育機器、生活用品などを扱い、企業や学校で働く人が仕事や学習を続けるための環境そのものをつくっています。[出典1]
基本情報
プラス株式会社は1948年設立です。2025年の売上高は単体983億円、連結2,418億円。2025年末の従業員数は単体1,656人、連結7,994人で、連結子会社は45社です。[出典1]
国内には前橋、所沢、寄居などの生産拠点があり、海外にもベトナム、中国などの生産・事業拠点を持っています。[出典1]
主な事業内容
- 文具、事務用品の企画・製造・販売
- オフィス家具の企画・製造・販売
- オフィスの設計、内装、電気・設備工事
- 教育機器、電子機器
- 生活用品、食品、ソフトウェア、書籍などの販売
- インターネットを利用した販売
- グループ会社を通じた物流、調達支援、オフィス用品流通
事業による人間への貢献
机、椅子、収納、文具は、一つ一つを見ると身近な商品ですが、働く人にとっては毎日何時間も使う仕事道具です。使いやすい家具や文具は、姿勢の負担、探す時間、移動、入力や整理の手間を減らせます。
さらにプラスは、実際のオフィスで座席利用、温度、湿度、CO2、照度、騒音などを測り、働きやすい空間づくりへ反映する「Data Based Working」を進めています。単に机を売るのではなく、「どんな環境なら人が働きやすいか」まで扱っていることが特徴です。[出典7]
Safety|36/50
Safetyでは、そこで働く人が十分に休み、健康を守り、公平な待遇を受けられるか、そして利用者が安全な商品を使えるかを見ます。プラス株式会社は健康・育児・品質管理では具体的な実績がありますが、男女賃金差と労災結果の開示が弱点です。
賃金・利益の還元|6/10
2026年4月入社実績の新卒初任給は、大学卒25万円、大学院卒26万1,600円です。賞与は年3回で、採用情報では定期賞与合計2.2か月分に業績連動分を加える形が示されています。現在の中途求人では職種によって年収500万~650万円、600万~800万円などの募集もあります。[出典4]
賃金条件を具体的に提示している点は評価できます。一方、プラス株式会社単体の平均給与、中央値、職種・等級別賃金、既存社員のベースアップ率、利益増加時に従業員へどの程度還元したかを継続比較できる公開情報は十分ではありません。
そのため6/10点です。平均値だけでなく中央値、雇用区分・職種・等級別給与、毎年の賃上げ率を公開し、広い従業員層で賃金改善が続いていることを確認できれば8点以上を検討できます。
労働時間・休息|8/10
2025年度の月平均残業は20時間、有給休暇取得率は63.1%です。採用情報では年間休日125日とされています。[出典2・4]
月20時間の残業は、平均すると1勤務日あたり約1時間です。長時間労働が常態化している会社と同じ水準ではなく、年間休日125日も休息を確保しやすい条件です。
一方、有給取得率は会社目標80%に対して63.1%です。従業員口コミでも、休暇を取りやすいという声がある一方、一部部署への業務集中を指摘する投稿があります。
そのため8/10点です。有給取得率80%以上を継続し、部署・職種別の残業時間、月45時間超・80時間超の人数まで公開して負荷の偏りが小さいことを確認できれば10点を検討できます。
雇用の安定・待遇の公平性|4/5
新卒入社3年以内の定着率は91.3%、キャリア採用者の離職率は4.4%です。2025年度にはキャリア採用206人を受け入れています。女性管理職比率は15.8%です。[出典2]
雇用を縮小している会社ではなく、外部から人材を採用しながら一定の定着を維持している点は評価できます。
一方、男女賃金比率は全労働者78.7%、正規79.1%、パート・有期71.1%です。この比率だけで同一労働の賃金差を意味するとは判断できませんが、職種、役職、勤続年数などを分けた原因説明と改善推移が必要です。[出典2]
そのため4/5点です。調整後の男女賃金差や昇進率を公開し、差が継続して縮小すれば5点を検討できます。
福利厚生・育児・介護|4/5
男性の育児休業取得率は50%、女性は100%です。育休からの復帰率は男性100%、女性95.4%、復帰後の定着率は男性100%、女性94.1%です。[出典2]
育児短時間勤務は子どもが小学3年生を修了するまで利用でき、介護休業は対象家族1人につき通算1年、介護短時間勤務は通算3年まで利用できます。年5日まで時間単位の有給休暇も利用できます。[出典3]
制度だけでなく取得・復帰の実績があるため4/5点です。男性育休取得率がさらに高まり、育児・介護利用者の復帰・定着が男女とも高水準で続けば5点を検討できます。
人権・ハラスメント・労使関係|4/5
プラスグループは2025年に人権方針を制定し、差別の禁止、公正な待遇、適正な賃金と労働時間、結社の自由などを掲げています。[出典5]
2025年度はハラスメント相談への対応率100%、ハラスメント教育6回、安全衛生委員会12回を公表しています。人権研修の受講率は59.4%です。[出典2]
方針だけでなく相談対応と教育実績を開示しているため4/5点です。一方、人権研修が全員に届いている状態ではなく、相談件数、是正内容、再発率などの結果情報も限定的です。研修受講をほぼ全員へ広げ、相談・是正後の成果を継続公開できれば5点を検討できます。
労働安全・健康|6/10
健康診断受診率100%、ストレスチェック受検率94.4%、安全衛生委員会12回を公表しています。2026年には健康経営優良法人の大規模法人部門へ3年連続で認定されました。[出典2・17]
健康状態を毎年確認し、メンタルヘルスも含めて早期対応する仕組みがあることは、働く人が病気や休職へ進むリスクを減らすうえで重要です。
一方、2022年には前橋工場で油圧式テーブルリフトのホース交換作業中、従業員が上半身を挟まれ重体となる事故が発生し、会社自身が公表しています。[出典12]
現在のESG実績では、死亡災害、休業災害、労災総件数、度数率、強度率を毎年比較できる数字が公表されていません。健康施策が充実していても、工場での事故が実際に減っているかを外部から判断できない点は課題です。採点上も減点対象です。
そのため6/10点です。事故を死亡・休業・軽微に分け、度数率・強度率、事故原因、再発防止後の推移まで公開し、重大事故が低水準であることを確認できれば8点、長期的に高水準なら10点を検討できます。
商品・サービスの安全|4/5
プラスは商品開発・製造段階で、国内外の規格に基づく設計・評価を行い、前橋工場では新製品の試作から性能、外観、安全性、包装まで確認しています。外部講師による安全教育や危険予知活動、協力会社との品質会議も行っています。[出典6]
公式の「回収・交換」一覧には、過去の電子黒板、折りたたみ椅子、カッターなどの回収・注意情報がありますが、現在の一覧上では2025年・2026年に新たに掲載された回収案件は見当たりません。[出典13]
現在の品質管理体制を評価して4/5点です。ただし、年間の重大不具合件数、回収件数、けがにつながった製品事故件数、不良率を継続公開していません。これらを公開し、低い事故水準が続いていることを確認できれば5点を検討できます。
従業員・元従業員の口コミ
転職会議では300件を超える口コミが掲載され、投稿者集計では平均残業23.2時間、有給消化率55.2%です。2026年の正社員投稿には「有給は申請すれば必ず取れる」という評価がある一方、「一部の部署や担当者に業務が集中」という指摘もあります。[出典14・情報ランクB]
Indeedは口コミ7件、総合評価3.7で、勤務時間・残業3.4、給与・福利厚生3.2などとなっています。2025年の投稿には「風通しがよく働きやすかった」という記述があります。[出典15・情報ランクB]
OpenMoneyでは投稿数が8件と小さいため、平均年収などを全社員の代表値としては扱いません。[出典16]
口コミは個人経験であり、会社全体の事実として採点を決める材料にはしません。ただし、公式平均20時間に対して投稿では部署差を示す内容があるため、部署別の残業分布を公開する必要があります。
SNS・匿名掲示板の確認結果
X、5ちゃんねる、爆サイについて、プラス株式会社と残業、退職、ハラスメント、事故、AI、省人化、人員削減などを組み合わせて確認しました。
2026年現在のプラス株式会社の直接雇用者だと具体的に判断でき、現在の採点を変更できるほど具体的な投稿は得られていません。発信者や勤務先を確認できない投稿は、会社全体の事実として採用しません。
Innovation|19/25
プラス株式会社は、文具や家具を改良するだけでなく、生成AI、オフィスデータ、座席利用データなどを仕事の改善へ使っています。一方、企業審査では「AIを入れた」ことではなく、社員の作業が何時間減り、その成果が残業・休日・賃金へ返ったかを重視します。
作業負担・危険の削減|6/10
プラスは2024年に社内向け生成AI支援ツール「みんなのDX Chat」を開発し、アイデア出し、文章作成、課題整理などに利用しています。社内情報を安全に扱えるよう設計され、日常業務へ組み込まれています。[出典7]
また「Data Based Working」では、座席利用、CO2、温湿度、照度、騒音などを測り、オフィス環境改善へ利用しています。[出典7]
人が繰り返していた文章作成や情報整理、働く場所の状態把握を技術で補助しているため6/10点です。
ただし、プラス株式会社単体で「年間何時間の作業を削減したか」「残業が何時間減ったか」「ミスが何%減ったか」という実績値は公開されていません。これらを導入前後で示し、大きな負担削減が確認できれば8点以上を検討できます。
商品・サービスの改善|5/5
プラスはオフィス家具、文具、空間設計を継続的に改善し、働き方そのものをデータで検証するサービスまで展開しています。
2026年には大阪のPLUS DESIGN CROSSでも、実際の働き方・環境データを分析し、改善内容を顧客へ共有する運用を続けています。[出典7]
商品を売った後も「実際に働きやすくなったか」を測る方向へサービスを広げているため5/5点とします。
改善成果の人間への還元|3/5
月平均残業20時間、有給取得率63.1%という働き方の結果は公開されています。[出典2]
しかし、生成AIやデータ活用によって削減した時間と、この残業・休暇の数字を直接結びつける公開情報はありません。技術で1時間浮いても、その1時間が別の仕事で埋まれば、働く人への還元とは言えません。
そのため3/5点です。DX導入前後の作業時間と残業、賃金、休日、配置転換を同じ時系列で示し、実際に自由時間や安全へ返っていることを確認できれば4点、複数年度で高い成果が続けば5点を検討できます。
研究開発・現場改善の継続|5/5
プラスは文具・家具の製品開発に加え、社内DX、Data Based Working、実証型オフィスなどを継続しています。
一度だけの実験ではなく、複数年にわたって新しい働き方を実際の自社オフィスで検証し、商品・サービスへ戻す流れがあるため5/5点とします。
自動化・AI導入後の雇用状況
社内生成AI「みんなのDX Chat」は2024年に開発されました。
プラス株式会社の従業員数は2024年末の1,483人から、2025年末には1,656人へ増えています。2025年度にはキャリア採用206人も公表されています。[出典1・2]
この数字から、AI導入後の翌年度に会社全体の純減が起きたとは言えません。一方、AI導入と人員増加に因果関係があるとも言えず、個別業務での配置転換、採用抑制、非正規契約の変化までは公開されていません。
現時点では、大規模な人員削減をAI導入と結びつける根拠はありませんが、今後も従業員数、採用、配置転換、退職の推移を確認する必要があります。
Protection|21/25
プラスは、普段は文具・家具を届ける物流網を、災害時には生活用品や防災物資を届ける仕組みとしても使っています。全国6物流拠点、60を超える地方公共団体との協定は大きな強みです。一方、訓練結果、サイバー攻撃時の復旧時間、原材料の代替調達には改善余地があります。
災害への備え・訓練|4/5
プラスグループはBCPを進め、災害時の初動体制や備蓄を整備しています。鳥取県との協定では、地震、津波、豪雨などの際に、県からの要請に応じて事務用品、カセットコンロ、毛布、食品、衣類などを供給する仕組みを定めています。[出典8]
例えば豪雨で避難所に人が集まり、毛布や衛生用品が不足した場合、自治体が一から仕入先を探すのではなく、事前協定に基づいて供給を要請できます。必要物資が届くまでの手続きを短くできることが市民の利益です。
一方、年間の訓練回数、参加人数、要請から出荷まで何時間かかったかという実測結果は十分公開されていません。
そのため4/5点です。実地訓練の頻度と供給時間・数量まで継続公開できれば5点を検討できます。
生産・物流・調達の代替|4/5
プラスグループは2026年時点で全国6か所の物流センターを持ち、災害時には他地域から供給を補える体制を整えています。国内外に複数の工場・調達拠点もあります。[出典1・8]
一方、2026年には中東情勢による原油・石油製品の供給混乱を受け、一部原材料の調達が不安定になり、長期化すればPLUSブランド商品全般で受注・供給を制限する可能性を会社が案内しました。[出典11]
拠点分散は強みですが、原材料によっては国際供給網の影響を受けます。そのため4/5点です。主要原材料ごとの代替調達先と切替所要時間、実際の切替訓練・実績まで確認できれば5点を検討できます。
サイバー防衛・情報保護|4/5
プラス株式会社はプライバシーマークを取得し、グループ情報セキュリティ方針、教育、監査、事故対応体制を整備しています。グループ方針では契約社員、派遣社員、パートなども対象に含めています。[出典5]
グループの公開情報では、顧客データの漏えいが確認された事案は過去にないとしています。[出典5]
一方、ISO/IEC 27001の認証はグループ会社のビズネットやプラス カーゴサービスで確認できるものの、プラス株式会社本体の全体認証としては確認できません。フィッシング訓練の失敗率、重大インシデント件数、検知・復旧時間も十分公開されていません。
そのため4/5点です。プラス株式会社単体で第三者認証や攻撃訓練、重大事故件数、復旧時間まで公開できれば5点を検討できます。
供給継続・復旧能力|4/5
全国6物流拠点と複数生産拠点を持つため、一地域が被災した場合に別地域から供給を補いやすい構造です。[出典8]
しかし、本社システム停止、物流センター停止、主要工場停止を想定した復旧目標時間や、バックアップ切替を実際に何時間で完了できたかという結果は十分公開されていません。
そのため4/5点です。重要業務ごとのRTO、代替物流への切替時間、データ復旧訓練の実測結果を公開できれば5点を検討できます。
危機時の市民への対応|5/5
プラスグループは60を超える地方公共団体と災害時の調達協定を持ち、物流拠点には非常用トイレ、食品、衛生用品、電池などを備蓄しています。[出典8]
能登半島地震では、プラス株式会社が日本赤十字社を通じて1,000万円を寄付し、グループ会社も被災地の福祉関係者へボディシートなどを提供しました。[出典10]
さらに2026年には家庭向け防災オンラインショップ「SONAtive」を開設し、備蓄診断や賞味期限通知まで提供しています。[出典9]
災害が起きた後だけでなく、平時から家庭の備蓄不足を減らす事業まで始めているため5/5点とします。
良いニュース・最近の前向きな動き
最近のプラス株式会社では、社員の健康管理と、災害時に生活物資を届ける仕組みの両方が強化されています。前者はSafety、後者はProtectionに関係します。こうした企業の商品が選ばれれば、働く人の健康へお金を使い、平時の物流網を災害時にも市民へ使う企業が事業を続けやすくなります。
2026年 健康経営優良法人へ3年連続認定(Safety)
プラス株式会社は2026年、健康経営優良法人の大規模法人部門に3年連続で認定されました。[出典17]
健康診断100%、ストレスチェック94.4%などの実績も同時に公開されています。[出典2]
認定そのものではなく、社員の健康状態を把握する仕組みと結果を継続している点を評価します。病気やメンタル不調を早く把握できれば、重症化や長期休職を減らしやすくなります。
2026年 鳥取県と災害時物資調達協定、協定先は60自治体超(Protection)
プラスグループは鳥取県と災害時の物資調達協定を結び、全国で60を超える地方公共団体との協定を持つ体制になっています。[出典8]
災害時に毛布、食品、衛生用品などの調達先があらかじめ決まっていれば、自治体は避難者が困ってから販売先を探す時間を減らせます。
2026年 家庭向け防災サービス「SONAtive」を開始(Protection)
2026年8月、家庭向け防災オンラインショップ「SONAtive」を開始しました。備蓄品を販売するだけでなく、家庭の備蓄状況の診断や賞味期限通知も提供します。[出典9]
非常食を買って忘れ、災害時に期限切れだったという失敗を減らせる仕組みです。企業向け・自治体向けの防災物資供給だけでなく、家庭までProtectionを広げた点を評価できます。
悪いニュース・問題となった動き
プラス株式会社の課題は、重大な問題が大量に発生していることより、「安全対策をしている結果、事故が実際に何件まで減ったのか」を十分比較できないことです。また、国際的な原材料供給の混乱が商品供給へ波及するリスクも現実に表れています。改善されなければ、働く人の安全実態や、必要な商品が届くかを消費者が判断しにくい状態が残ります。
2026年 中東情勢で原材料調達が不安定化(Protection)
プラスは2026年、中東情勢による原油・石油製品の供給混乱によって一部原材料の調達が不安定になり、状況が長引けばPLUSブランド商品全般で受注・供給を制限する可能性があると公表しました。[出典11]
これは、海外供給網の混乱が文具や家具など身近な商品の供給へ波及する例です。代替原材料や代替調達先を増やし、切替時間まで実証する必要があります。
2025年度 男女賃金比率78.7%(Safety)
男女賃金比率は全労働者78.7%、正規79.1%、パート・有期71.1%です。[出典2]
この数字だけで同じ仕事の男女に異なる賃金を払っているとは判断できません。しかし、役職、職種、勤続年数、勤務時間などの構成差を説明し、差を縮める計画と実績を示す必要があります。
2022年 前橋工場で従業員が重体となる労災(Safety)
前橋工場では2022年、油圧式テーブルリフトのホース交換作業中に従業員が上半身を挟まれ、会社発表時点で重体となる事故が発生しました。会社は警察・労働基準監督署の調査に協力すると公表しています。[出典12]
過去の事故一件だけで現在の職場全体を判断することはできません。だからこそ、その後の死亡災害、休業災害、度数率、再発防止後の事故推移を毎年公開し、「安全になった」という結果まで示すことが重要です。
総合評価と、これから改善してほしいこと
プラス株式会社は76点、シビックランクBです。次のAランクは80点からなので、あと4点必要です。
健康管理、育児支援、商品品質、災害時の物資供給は強みです。一方、Aへ進むには「安全活動をしている」から一歩進み、事故がどれだけ少ないのか、技術によって人の仕事がどれだけ楽になったのかを数字で示す必要があります。
労災件数と事故率を公開し、安全改善の結果まで示してほしい(Safety)
現在の「労働安全・健康」は6/10点です。
健康診断100%、ストレスチェック94.4%、安全衛生委員会12回などは確認できます。一方、2022年には重大な労災があり、現在の死亡、休業、労災総件数、度数率、強度率は継続比較できる形で公表されていません。[出典2・12]
毎年、死亡災害、休業災害、軽微事故、度数率・強度率、事故原因、再発防止後の件数推移を公開し、重大事故が低水準で事故率も改善していることを確認できれば6→8点を検討できます。
加点は+2点で、総合76→78点。ランクはBのままです。
参考企業はキリンビバレッジ株式会社です。同社は2024年の死亡0人、休業災害度数率0.58、安全方針の適用100%を法人単位で公開しており、Google Drive上の現行審査では「労働安全・健康」8/10点です。[参考企業出典20]
事故情報を公開すると企業が悪く見えるのではなく、働く人が安全になったかを外部から確認できるようになります。
DX・生成AIの効果を「人が楽になった数字」で示してほしい(Innovation)
現在の「作業負担・危険の削減」は6/10点です。
社内生成AIやData Based Workingを実際に導入していますが、導入前後で、作業時間、残業、処理件数、ミス、必要人数がどれだけ変わったのかについてプラス株式会社単体の公開数字が不足しています。[出典7]
年間削減作業時間、1人あたり削減時間、残業削減時間、入力・確認ミスの減少率、重量物や危険作業の削減、配置転換人数などを時系列で公開し、大きな負担削減が確認できれば6→8点を検討できます。
加点は+2点で、単独では総合76→78点、Bのままです。
参考企業はキリンビバレッジ株式会社です。同社は最大約25kgの茶葉原料を扱う工程をロボット化し、物流自動化の実証では生産性42%向上と人員の別業務への再配置を確認でき、Google Drive上の現行審査では「作業負担・危険の削減」8/10点、「改善成果の人間への還元」4/5点です。[参考企業出典20]
BCP・サイバーの復旧実績を実測値で公開してほしい(Protection)
現在の「災害への備え・訓練」は4/5点、「供給継続・復旧能力」は4/5点です。
全国6物流拠点、自治体との多数の協定、情報セキュリティ方針は強い一方、災害訓練で要請から供給まで何時間かかったか、システム停止から何時間で復旧したかという実測値は十分公表されていません。[出典5・8]
実地訓練を毎年行い、供給開始までの時間、代替拠点への切替時間、RTO、バックアップ復旧時間、サイバー訓練結果まで公開し、高水準の実績が確認できれば、該当項目で1点ずつ上積みを検討できます。
参考企業は伊藤忠商事株式会社です。Google Drive上の現行審査ではProtection 22/25点で、「災害への備え・訓練」5/5点、「サイバー防衛・情報保護」5/5点です。東京本社被災時の大阪バックアップ、3日分備蓄、年次BCP訓練、年2回の標的型メール訓練、年1回以上の第三者サイバー攻撃演習まで具体化しています。[参考企業出典21]
Aランクへ上がるための具体例
現在76点・Bで、Aは80点からです。
最も分かりやすい組み合わせは、
- 労働安全・健康:6→8点 +2点
- 作業負担・危険の削減:6→8点 +2点
です。
両方が実際の成果として確認できれば、総合76→80点となり、シビックランクAへ上がります。
情報を公開しただけでは自動的に加点しません。公開された数字から、事故が少ない、事故が減っている、作業時間や危険作業が減っているという実績まで確認できた場合に点数を上げます。
プラス株式会社は、すでに「健康に働く」「災害時にも物資を届ける」という部分では比較的強い企業です。次に必要なのは、その仕組みが実際に事故を減らし、働く時間や負担を減らしたところまで見せることです。
出典一覧
1.プラス株式会社「会社概要・企業情報」【情報ランクA】
2.プラス株式会社「ESGデータ/数字でわかるプラス」【情報ランクA】
3.プラス株式会社「健康経営・ダイバーシティ・福利厚生」【情報ランクA】
4.プラス株式会社採用情報、マイナビ2027、doda現行求人【情報ランクA】
5.プラスグループ「人権方針・情報セキュリティ方針・個人情報保護方針」【情報ランクA】
6.プラス株式会社「商品の品質向上・安全性確保」【情報ランクA】
7.プラス株式会社「みんなのDX Chat」「Data Based Working」「PLUS DESIGN CROSS」【情報ランクA】
8.プラスグループ「レジリエンス」「鳥取県との災害時物資調達協定」【情報ランクA】
9.プラス株式会社「SONAtive」【情報ランクA】
10.プラス株式会社・グループ各社「能登半島地震への支援」【情報ランクA】
11.プラス株式会社「中東情勢に伴う原材料・商品供給への影響」【情報ランクA】
12.プラス株式会社「前橋工場における労働災害について」【情報ランクA】
13.プラス株式会社「商品回収・交換のお知らせ一覧」【情報ランクA】
14.転職会議「プラス株式会社」【情報ランクB】
15.Indeed「プラス株式会社のクチコミ」【情報ランクB】
16.OpenMoney「プラス株式会社」【情報ランクB】
17.プラス株式会社「健康経営優良法人2026認定」【情報ランクA】
20.Google Drive現行審査「キリンビバレッジ株式会社の企業審査|74点・B」【比較用】
21.Google Drive現行審査「伊藤忠商事株式会社の企業審査|83点・A」【比較用】
シビックランクの基準
| シビックランク | 点数 |
|---|---|
| S | 90~100 |
| A | 80~89 |
| B | 70~79 |
| C | 60~69 |
| D | 50~59 |
| E | 40~49 |
| F | 20~39 |
| G | 0~19 |
情報ランクの基準
| 情報ランク | 基準 |
|---|---|
| S | 公的機関、裁判所、規制当局、独立した第三者による調査・監査・認証など、内容そのものに独立した裏づけがある情報 |
| A | 企業公式資料、採用情報、公式声明・公式SNS、氏名・役職・立場を確認できる公表情報 |
| B | 従業員・元従業員の口コミ、一般SNS、匿名掲示板など、発信者と対象企業との関係を独立に確認しにくい情報 |
