私たちは、企業を選ぶことで未来の社会を形作ることができます。富士急シティバスのようなバス会社なら、その選択は「どんな会社に地域の移動を任せるのか」という形で、私たちの生活に直接返ってきます。
路線バスや高速バスを利用すれば、その運賃は会社の売上になります。そのお金を、運転士の賃上げや休日の増加、新しい人材の採用、安全教育、事故防止装置、新しい車両へ使う会社が選ばれれば、運転士が無理なく働き、事故を減らしながら路線を維持しやすくなります。
反対に、人手不足のまま長時間労働を続け、安全管理上の問題が残っていても利用者が集まり続ければ、その状態でも会社は事業を続けることができます。バス会社では、働き方の問題が社員だけで終わりません。運転士の疲労は乗客や歩行者の安全に、人手不足は減便や路線廃止に、安全設備への投資不足は事故リスクに直結します。
富士急シティバスでは、2026年にも運転士の賃金を見直し、求人上の支給総額を月30万~35万円程度としています。大型二種免許の養成制度、単身者向け住宅、育児・介護休業の取得実績もあり、人材を確保するための投資を進めています。さらに、2026年度には前方ミリ波レーダーや左側センシングアイを35両へ追加し、新車8両を導入する計画です。
一方で、運転士の年間休日は100日、月平均時間外労働は25時間です。2025年度には重大事故は0件だったものの、車内人身事故1件、責任事故23件が発生し、責任事故は前年4件から大きく増えました。2023年と2024年には、労働時間管理や運転者への指導監督などをめぐる行政処分も受けています。
つまり富士急シティバスには、「運転士の待遇を改善し、安全装置へ投資している」という前向きな面と、「休息時間や事故、安全管理にはまだ改善すべき問題が残る」という両面があります。
地域の移動を支える会社として、利用者から得た売上をどこまで働く人の生活、安全性、そして路線維持へ返しているのか。Safety・Innovation・Protectionの3軸で評価した結果、富士急シティバス株式会社は57点、シビックランクDとなりました。
富士急シティバス株式会社の企業審査結果
| 評価軸 | 得点 |
|---|---|
| Safety | 27/50 |
| Innovation | 21/25 |
| Protection | 9/25 |
| 総合 | 57/100 |
| シビックランク | D |
| 主な強み | 主な課題 |
|---|---|
| 2026年にも賃金見直しを実施 | 年間休日100日 |
| 運転士の支給総額月30万~35万円程度 | 月平均残業25時間 |
| 育児・介護休業の取得実績 | 2025年度の責任事故23件 |
| 大型二種免許の養成制度 | 車内人身事故1件 |
| 脳ドック・産業医・安全衛生委員会 | 2023年・2024年に行政処分 |
| SAFETY BUS二ツ星 | 現在の労災件数が非公表 |
| EVバス・安全運転支援設備を導入 | BCPの復旧時間が非公表 |
| バスロケ・IC・キャッシュレス対応 | サイバー防御の具体的運用が非公表 |
事業内容と人間への貢献
富士急シティバスは、沼津市、三島市、裾野市、長泉町などを中心に地域交通を担っています。
バスがなくなれば、特に影響を受けるのは車を自由に使えない人です。
学生、高齢者、免許を持っていない人、観光客などにとって、バスは学校、病院、駅、商業施設、職場へ移動するための生活インフラです。
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 富士急シティバス株式会社 |
| 法人番号 | 3080101003809 |
| 設立 | 1995年1月6日 |
| 本店所在地 | 静岡県沼津市東椎路475番地 |
| 資本金 | 9,000万円 |
| 従業員数 | 139名 |
| 代表者 | 井原一泰 |
| 主な事業 | 乗合バス、貸切バス、高速バス、旅行業 |
| 車両数 | 115両 |
| 主な営業地域 | 沼津市、三島市、裾野市、長泉町 |
会社公式情報では、2025年10月1日時点で従業員139名、乗合バス69両、高速バス11両、貸切バス34両など、合計115両を保有しています。
本社営業所、三島営業所、Woven City営業所があります。
地域の移動を支える役割
公共交通がなければ、車を持たない人は通勤、通学、通院、買い物の選択肢を失います。
バス会社の価値は単に「人を運んでいる」ということではありません。
高齢になって運転できなくなっても病院へ行けること、学生が学校へ通えること、観光客が地域を移動できることを支えています。
一方、運転士が不足すれば便数を減らさざるを得ません。
だからこそ、バスの利用によって生まれた売上を、人材確保、賃金、休息、安全設備、省力化へ戻し、少ない人数でも無理なく運行できる会社にしていくことが重要です。
Safety 27/50
富士急シティバスでは、運転士の賃金改善、健康管理、安全教育、安全装置への投資が確認できます。
一方で、年間休日100日、残業月25時間という働き方や、2025年度の責任事故23件、過去の行政処分を考えると、安全管理が十分に完成しているとは評価できません。
賃金・利益の還元 6/10
2026年8月受付の運転士求人では、基本給22万500円~22万6,500円に乗務手当5万~10万円を加え、月額27万500円~32万6,500円としています。
会社は支給総額について月30万~35万円程度と説明しています。
固定残業代はありません。
前年度の昇給実績は月1万円、賞与は年2回・計2.4か月分です。
さらに会社は、2026年4月にも待遇改善として賃金を見直したとしています。
運転士不足が減便や路線廃止につながる業界で、賃金を実際に引き上げて人材確保へ使っていることは評価できます。
一方、全社員の平均給与、継続的なベースアップ率、利益増加分をどの程度社員へ戻しているかは公表されていません。
そのため6/10点です。
労働時間・休息 4/10
2026年8月の求人では、実働7時間37分、月平均時間外労働25時間です。
年間休日は100日で、休日は月8~9日のシフト制、週休二日制は「なし」とされています。
バス運転士は乗客の命を預かります。
疲労が蓄積すれば、本人の健康だけではなく、利用者や周囲の歩行者・車両にも影響します。
また、2022年7月の監査では、乗務時間等基準の遵守違反、1か月の拘束時間や休日労働の限度違反などが確認され、2023年2月に10日車の使用停止と文書警告を受けています。
現在は以前より改善している可能性がありますが、年間休日100日はまだ改善余地があります。
そのため4/10点です。
雇用の安定・待遇の公平性 3/5
2026年の運転士求人は正社員で、雇用期間の定めはありません。
募集理由は「増員」です。
大型二種免許を持っていない応募者については、会社の養成制度を利用できます。
65歳定年後には70歳までの再雇用制度があります。
一方、2023年時点では、退職者に対して新規採用者が不足し、運転士確保に苦慮していることを会社自身が説明しています。
正社員採用と資格取得支援は評価できますが、人材不足が続いているため3/5点です。
福利厚生・育児・介護 4/5
社会保険に加え、退職金共済があります。
単身者には民間アパートを借り上げ、本人負担月1万5,000円+水道光熱費で利用できる制度があります。
育児休業と介護休業には取得実績があります。
大型二種免許の養成制度や取得報奨金もあります。
免許取得費用を会社が支援することで、未経験者がバス運転士という仕事を選びやすくなります。
人材不足の解消にもつながる制度として4/5点です。
人権・ハラスメント・労使関係 3/5
2026年のハローワーク求人では労働組合が「あり」とされています。
運転士が労働時間や待遇について会社側と協議できる仕組みが存在することは評価できます。
一方、富士急シティバス単体のハラスメント相談窓口、内部通報制度、相談件数、是正件数について十分な公開情報がありません。
公開情報がない点は課題です。
そのため3/5点です。
労働安全・健康 5/10
2026年安全報告書では、産業医が参加する安全衛生委員会で、乗務員の健康管理や職場の安全管理について協議するとしています。
50歳以上のバス運転士には専門医による脳ドック健診を実施しています。
遠隔点呼システムには血圧計・検温計を連携させています。
乗務前後にはアルコールチェックを行い、宿泊先でもモバイル型のアルコールチェックを使用しています。
突然の体調不良や飲酒運転は重大事故につながるため、こうした健康管理は評価できます。
一方、現在の死亡労災、休業災害件数、労災度数率などは公表されていません。
安全対策を行っているだけでなく、その結果として社員の事故が何件まで減ったのかも公開してほしいところです。
そのため5/10点です。
商品・サービスの安全 2/5
2025年度の自動車事故報告規則上の重大事故は0件でした。
重大責任事故も0件です。
日本バス協会の貸切バス事業者安全性評価認定制度では二ツ星を取得しています。
全車ドライブレコーダー、デジタルタコグラフ、適性診断などを安全教育へ利用し、事故を起こした運転士には特別教育も実施しています。
一方、2025年度は車内人身事故1件、責任事故23件でした。
前年の責任事故4件から大幅に増加しています。
また、2024年5月の監査では乗務員台帳の不備と運転者への指導監督義務違反が確認され、2024年10月30日に10日車の使用停止と文書警告を受けています。
2023年にも行政処分を受けています。
重大事故がなかったことは評価しますが、責任事故の増加と行政処分を重く見て2/5点です。
従業員・元従業員の口コミ
転職会議には複数の口コミが掲載されています。
投稿者集計では残業時間や有給取得について、会社の現在の求人情報より厳しい数字も出ています。
ただし、投稿時期や部署が限定されるため、現在の会社全体の数値としては扱いません。
2022年頃の正社員口コミでは、路線バスの仕事について地域貢献度を評価する声がある一方、基本給や福利厚生、人手不足への不満も確認できます。
現在は2026年にも賃金見直しを行っているため、古い給与口コミをそのまま現在の待遇評価には使用していません。
SNS・匿名掲示板の確認結果
X、5ちゃんねる、爆サイなどについて、富士急シティバスと残業、事故、退職、待遇、運転士などを組み合わせて確認しました。
今回の採点を変更できるほど具体的で、対象会社・時期・投稿者の立場を十分に確認できる投稿は採点根拠として使用していません。
SNS上に有用な情報がないこと自体は減点していません。
Innovation 21/25
富士急シティバスでは、運転士や運行管理者の仕事を人の注意力だけに任せず、機器やシステムで補助する取り組みが進んでいます。
遠隔点呼、デジタルタコグラフ、バスロケーション、キャッシュレス決済、EVバス、安全運転支援装置など、Innovationは同社の強みです。
作業負担・危険の削減 8/10
点呼では録音・録画対応機器や遠隔点呼システムを導入しています。
血圧計・検温計とも連携し、健康状態を確認できます。
デジタルタコグラフでは、個々の運転データを分析して安全教育へ利用しています。
PCS、車両ふらつき警報などの安全装置も導入しています。
2026年度には前方ミリ波レーダーや左側センシングアイを35両へ追加する計画です。
大型バスでは車体周囲に死角があるため、人の目だけに頼らずセンサーで危険を補うことは、運転士の負担と事故リスクの両方を減らします。
そのため8/10点です。
商品・サービスの改善 5/5
「富士急シティバスコンシェルジュ」では、バスの現在地、遅延時間、運行状況などを確認できます。
利用者は停留所でバスを待つ不確実な時間を減らせます。
一般路線では交通系ICカード、高速バスではクレジットカードやQRコード決済にも対応しています。
大型EV路線バスも導入しています。
EVバスはノンステップ仕様で、車いす利用者向けスロープなども備えています。
利便性、安全性、環境負荷の複数面で改善しているため5/5点です。
改善成果の人間への還元 3/5
2026年には賃金見直しを行い、前年度の昇給実績は月1万円です。
大型二種免許の養成制度もあります。
一方、遠隔点呼、キャッシュレス、デジタル化によって、
・運転士や運行管理者の作業が何時間減ったのか
・窓口業務が何時間減ったのか
・浮いた時間によって休日を何日増やせたのか
・削減した費用を賃金へ何円戻したのか
については公表されていません。
技術導入と待遇改善の双方は確認できますが、両者の因果まで確認できないため3/5点です。
研究開発・現場改善の継続 5/5
ドライブレコーダー、デジタルタコグラフ、遠隔点呼、バスロケーション、スマホ定期券、キャッシュレス決済、EVバスなど、複数年にわたって改善を続けています。
裾野市の自動運転バス実証実験にも協力しています。
2026年度にも新車8両、安全装置35両への追加投資を予定しています。
単発ではなく継続的な改善が確認できるため5/5点です。
自動化・システム導入後の雇用状況
遠隔点呼、バスロケーション、キャッシュレスなど、省力化につながる技術を導入しています。
一方、こうした技術を理由に大規模な人員削減を行ったという公開情報は確認できません。
むしろ2026年には運転士を「増員」で募集しています。
現在の問題は人員余剰ではなく人手不足です。
技術を人員削減だけに使うのではなく、運転士や運行管理者の負担を軽減し、人手不足でも安全な運行を維持するために利用できれば、人への還元としてさらに評価できます。
Protection 9/25
バスは平時の交通手段であると同時に、災害時にも地域住民の移動を支える可能性があります。
富士急シティバスは防災訓練へ参加していますが、「災害が起きたあと何時間で何台を動かせるのか」という復旧能力の公開は不足しています。
災害への備え・訓練 3/5
安全方針では防災力向上を掲げ、発災時には人命を優先して早期復旧を目指すとしています。
富士急グループの防災訓練へ参加し、外部の防災セミナーにも社員を参加させています。
計画だけではなく訓練も行っているため3/5点です。
一方、訓練頻度、参加人数、地震発生後に何台を運行できるか、非常電源や燃料の備蓄量などは公表されていません。
生産・物流・調達の代替 2/5
本社営業所、三島営業所、Woven City営業所があります。
車両も100台以上保有しているため、一拠点・一車両だけに依存する事業ではありません。
一方、本社営業所が使用不能になった場合に他営業所から何台を回せるのか、道路寸断時の代替経路、燃料備蓄、他社との代替輸送協定などは公表されていません。
そのため2/5点です。
サイバー防衛・情報保護 1/5
富士急グループとして個人情報保護や不正アクセス対策などの方針を定めています。
一方、富士急シティバス単体で、多要素認証、EDR、SOC、CSIRT、オフラインバックアップ、サイバー攻撃訓練などをどこまで実施しているかは公表されていません。
バスロケーション、予約、キャッシュレスなどデジタルサービスが増えるほど、システム停止への備えも重要になります。
具体的な実装が確認できないため1/5点です。
供給継続・復旧能力 1/5
安全方針では「早期復旧」を掲げています。
しかし、営業所、運行管理システム、バスロケ、予約・決済システムなどが停止した場合の目標復旧時間や実測復旧時間は公表されていません。
地震発生後、
・3時間後に何%の便を動かせるか
・24時間後に何%まで復旧できるか
という数字があれば、地域住民にとって災害時に頼れる会社か判断しやすくなります。
現在は具体的な復旧能力が分からないため1/5点です。
危機時の市民への対応 2/5
地域交通を担う会社であるため、災害時にも人を運ぶ能力があります。
防災訓練や災害時の報告連絡体制も定めています。
一方、避難所への輸送、被災者の無料輸送、自治体との緊急輸送協定、実際の災害時輸送実績などについて、対象会社単体の具体的な公開情報は十分ではありません。
そのため2/5点です。
人への還元
富士急シティバスでは、運転士不足を背景に、賃金改善と採用支援を進めています。
2026年にも賃金を見直し、大型二種免許の取得支援や単身者住宅などを用意しています。
これは、利用者から得た売上を人材確保へ戻している具体例です。
一方で、年間休日100日、残業月25時間という働き方には改善余地があります。
遠隔点呼、キャッシュレス、バスロケなどで業務を効率化できたのであれば、その成果を会社のコスト削減だけで終わらせず、運転士の休日や自由時間へ戻してほしいところです。
「システム導入で年間○時間削減し、年間休日を○日増やした」
というところまで確認できれば、技術の進歩が人の生活改善へつながったことをより高く評価できます。
良いニュース・最近の前向きな動き
最近では、運転士の待遇改善、安全設備への追加投資、安全性評価認定など、働く人と利用者の双方に関係する前向きな動きがあります。
こうした分野へ売上を使い続けることができれば、人材不足、事故、減便という悪循環を弱めることにつながります。
2026年4月 運転士の待遇を再度改善
2026年にも賃金見直しを行ったことを会社が明らかにしています。
前年度の昇給実績は月1万円です。
人材を確保できれば、既存運転士へ仕事が集中する状態を減らし、休日増加や残業削減へつなげられる可能性があります。
待遇改善は単なる採用対策ではなく、路線維持と安全性にも関係します。
2026年度 安全装置を35両へ追加予定
2026年度には、前方ミリ波レーダーや左側センシングアイを35両へ追加する計画です。
新車も8両導入予定です。
死角の危険をセンサーで補う車両が増えれば、運転士の負担を減らしながら事故防止につなげることができます。
2025年度に責任事故が増えているだけに、導入後に事故件数が実際に減るかが重要です。
貸切バス安全性評価で二ツ星
貸切バス事業者安全性評価認定制度では二ツ星を取得しています。
過去に行政処分を受けている会社だからこそ、その後に安全管理を改善しているかも見る必要があります。
認定取得だけでなく、事故件数や指導監督上の問題が継続的に減るかまで確認していく必要があります。
悪いニュース・問題となった動き
富士急シティバスの課題は、事故、安全管理、人手不足、減便という形で利用者の生活にも直接影響します。
社員の問題と利用者の問題を切り離して考えることはできません。
2025年度 責任事故が4件から23件へ増加
2025年度は重大事故0件でした。
一方、車内人身事故1件、責任事故23件です。
前年の責任事故は4件だったため、大幅な増加です。
重大死亡事故がないことは重要ですが、小さな事故の増加を放置すれば将来の重大事故につながる可能性があります。
安全設備を追加するだけでなく、導入後に責任事故が何件まで減ったのかを公表してほしいところです。
2024年10月 10日車の使用停止と文書警告
2024年5月の監査では、乗務員台帳の記載不備と運転者への指導監督義務違反が確認されました。
2024年10月30日に10日車の輸送施設使用停止と文書警告を受けています。
2023年にも、乗務時間、拘束時間、休日労働などを含む違反で行政処分を受けています。
安全装置を増やすだけでは、安全な会社にはなりません。
人への教育、労働時間管理、記録管理まで含めて改善する必要があります。
2026年10月 路線廃止・減便を含むダイヤ改正
2026年10月1日のダイヤ改正では、一部系統の廃止、減便、経路変更が行われています。
利用者の少ない路線を無制限に維持できない事情はあります。
一方、車を持たない人にとって、減便は通勤、通学、通院、買い物の自由を減らします。
人材不足を待遇改善と省力化によってどこまで解消し、地域に必要な便を残せるかが重要です。
2026年9月 スマホ定期券「チケパスプラス」の終了を発表
スマートフォンで定期券を購入できる「チケパスプラス」は、2026年10月31日で新規・継続購入受付を終了します。
窓口へ行かずに定期券を購入できるサービスは、利用者の時間と窓口業務の両方を減らす仕組みでした。
サービス終了自体を不祥事として扱うべきではありません。
ただし、終了後に同程度以上に使いやすい代替手段を用意できるかは重要です。
総合評価と、これから改善してほしいこと
現在57点・シビックランクDです。
Cは60点からなので、次のランクまであと3点です。
待遇改善、安全教育、健康管理、安全支援装置、EVバス、キャッシュレス化などには具体的な前進があります。
一方で、年間休日100日、月平均残業25時間、責任事故23件、行政処分、BCP・サイバー復旧情報の不足が評価を下げています。
責任事故を実際に減らしてほしい
現在の「商品・サービスの安全」は2/5点です。
2025年度の重大事故は0件でしたが、責任事故は23件でした。
2026年度には35両へ安全センサーを追加します。
重要なのは設備を導入した事実ではなく、その結果です。
責任事故が継続的に減り、行政処分につながった指導監督の問題も再発しなくなれば、2→4点を検討できます。
+2点で総合59点です。
運転士の休日を増やしてほしい
現在の「労働時間・休息」は4/10点です。
年間休日100日、月平均残業25時間です。
賃上げと採用によって必要人数を確保し、年間休日を増やしながら残業を削減できれば、4→6点以上を検討できます。
これは社員の福利厚生だけの問題ではありません。
運転士の疲労を減らすことは、そのまま乗客の安全につながります。
災害後に何時間で運行を戻せるか示してほしい
現在の「災害への備え・訓練」は3/5点、「供給継続・復旧能力」は1/5点です。
防災訓練は実施しています。
次に必要なのは、
・営業所が止まったとき何台を動かせるか
・代替営業所から何台を回せるか
・燃料を何日分確保しているか
・何時間で一部運行を再開できるか
を数字で示すことです。
災害への備え3→4点、復旧能力1→3点まで改善できれば、+3点で総合60点となり、Cへ到達します。
デジタル化の成果を自由時間へ返してほしい
現在の「作業負担・危険の削減」は8/10点、「改善成果の人間への還元」は3/5点です。
遠隔点呼、デジタルタコグラフ、バスロケ、キャッシュレスなど、技術導入は進んでいます。
今後は、
・点呼業務を年間何時間減らしたか
・窓口業務を何時間減らしたか
・残業が何時間減ったか
・年間休日が何日増えたか
まで示してほしいところです。
技術によって浮いた時間が、実際に運転士の自由時間へ戻れば、人への還元をさらに高く評価できます。
次のランクへ上がるための具体例
| 改善項目 | 現在 | 改善後 | 加点 |
|---|---|---|---|
| 災害への備え・訓練 | 3/5 | 4/5 | +1 |
| 供給継続・復旧能力 | 1/5 | 3/5 | +2 |
| 合計 | 57点 | 60点 | +3 |
この組み合わせなら総合60点となり、シビックランクCへ上がります。
富士急シティバスを利用することで生まれた売上が、運転士の待遇改善、安全装置、人材育成、地域路線の維持へ使われるなら、地域で安心して移動できる社会を残す力になります。
だからこそ、今後は「賃金を上げた」「装置を付けた」で終わらず、「休日が増えた」「事故が減った」「災害後に早く運行を戻せた」という、人の生活が実際に良くなった結果まで示してほしいところです。
出典一覧
1.富士急シティバス株式会社「企業情報」
https://www.fujikyucitybus.com/company/
2.富士急シティバス株式会社「安全報告書」
https://www.fujikyucitybus.com/company/report.html
3.富士急シティバス株式会社「運輸安全マネジメントへの取り組み」
https://www.fujikyucitybus.com/company/anzen_management.html
4.ハローワークインターネットサービス「富士急シティバス株式会社 バス運転士」
5.国土交通省「自動車運送事業者の行政処分情報」
6.中部運輸局「一般乗合旅客自動車運送事業者の法令違反に対する行政処分等の公表」
7.富士急シティバス株式会社「安全への取り組みについて」
8.富士急シティバス株式会社「個人情報保護方針」
9.富士急シティバス株式会社「富士急シティバスコンシェルジュ」
10.富士急シティバス株式会社「キャッシュレス決済」
11.富士急行株式会社「大型EV路線バス導入」
12.裾野市「富士急シティバス 路線バス車両・運転者人員確保状況」
13.裾野市「自動運転バスの実証実験」
14.富士急シティバス株式会社「2026年10月1日のダイヤ改正について」
15.富士急シティバス株式会社「チケパスプラス サービス終了のお知らせ」
16.転職会議「富士急シティバス株式会社 社員口コミ」
シビックランクの基準
| シビックランク | 点数 |
|---|---|
| S | 90~100点 |
| A | 80~89点 |
| B | 70~79点 |
| C | 60~69点 |
| D | 50~59点 |
| E | 40~49点 |
| F | 20~39点 |
| G | 0~19点 |
富士急シティバス株式会社は57点のため、今回のシビックランクはDです。
情報ランクの基準
| 情報ランク | 基準 |
|---|---|
| S | 公的機関、裁判所、規制当局、独立した第三者機関の調査・監査・検証・認証など、内容そのものに独立した裏づけがある情報 |
| A | 企業公式資料、採用情報、公式声明・SNS、記名取材など、発信主体を確認できる公表情報 |
| B | 従業員・元従業員の口コミ、一般SNS、匿名掲示板など、発信者の身元や対象企業との関係を独立に確認しにくい情報 |
情報ランクは、情報の出どころと検証状態を示すもので、企業の良し悪しを評価するシビックランクとは別です。
Sは独立した第三者の裏づけがあるため、最も強い根拠として扱います。
AとBは単純な上下関係ではなく、公表情報と現場側情報という性質の違いです。
