私たちは、企業の商品を購入したり、サービスを利用したりすることで、そこで働く人たちの未来を変えることができます。
働く人に十分な賃金を払い、休暇を確保し、安全な職場をつくり、人の負担を減らす企業の商品やサービスが選ばれれば、そうした企業により多くの売上が集まります。その結果、働く人を大切にする経営を続けやすくなります。
反対に、低賃金や長時間労働、安全上の問題を改善しない企業の商品やサービスが売れ続ければ、そうした働かせ方のままでも事業を続けることができます。
だからこの企業審査では、「私たちがお金を使うなら、どの企業を選ぶことが、そこで働く人にとってより良い社会につながるのか」という視点から企業を評価します。
今回審査する丸善ファーム株式会社は、総合22点、シビックランクFです。
丸善ファーム株式会社の特に強い点は、長野県千曲市の自社農園で野菜や米を栽培し、ジュース用トマトなどをその日のうちにグループ工場へ運ぶことで、原料の産地と流れを追いやすくしていることです。公式サイトは地産地消とトレーサビリティ強化を事業の柱として掲げ、ジュース用トマト、米、野沢菜について長野県産原料にこだわっています。[出典1・2]
そのため、この企業が生産した農産物や、それを原料に使うグループ商品が選ばれれば、地域で農地を維持し、誰がどこで作った原料なのかを追いやすい食品供給を残しやすい社会になる可能性が高まります。
一方で、改善点として働く人の待遇、安全、災害対応の情報がほとんど公開されていないことが残ります。対象会社単体の給与、残業、年間休日、有給取得、育児・介護休業、労働災害、熱中症、BCP、代替圃場、復旧時間について公開情報がありません。Gビズインフォでは厚生年金・健康保険の適用事業所として被保険者数1人と掲載されていますが、これは会社全体の総従業員数を意味するとは限らず、実際の働き手構成は外部から判断できません。[出典3]
この記事では、丸善ファーム株式会社の強みと課題をさらに詳しく企業審査していきます。
丸善ファーム株式会社の企業審査結果
丸善ファームは、地域農業、国産原料、トレーサビリティの面では役割があります。一方、企業審査で重視する「そこで働く人がいくら受け取り、どれだけ休み、安全に働けているか」「災害で畑が使えなくなったときにどう供給を続けるか」の情報が非常に少なく、現在の基準では低得点となりました。
| 評価軸 | 点数 |
|---|---|
| Safety | 10/50 |
| Innovation | 7/25 |
| Protection | 5/25 |
| 総合点 | 22/100 |
| シビックランク | F |
評価時点:2026年10月
主な強み
- 長野県千曲市で約10ha規模まで農場を拡大した実績
- ジュース用トマト、米、野沢菜など長野県産原料を重視
- 自社農園から工場へ直接納入し、トレーサビリティを強化
- ジュース用トマトは収穫当日に工場へ運搬
- 長野県オリジナル米「風さやか」の栽培と推進に参加
- 丸善食品工業グループの労働安全衛生方針が「グループの全ての従業員」を対象としている
- 下流の丸善食品工業ではFSSC22000、ISO9001などの食品安全管理を継続
主な課題
- 対象会社単体の給与、賞与、賃上げ率が非公表
- 残業、年間休日、有給取得率、繁忙期の勤務実態が非公表
- 従業員数、雇用形態、男女比、離職率が不明
- 育児・介護制度の対象会社単体利用実績が非公表
- 農作業中の労災、熱中症、農薬曝露、農機事故の実績が非公表
- GAP認証、残留農薬検査の対象会社単体情報を確認できない
- スマート農業、自動収穫、作業時間削減の成果が非公表
- BCP、代替圃場、災害訓練、復旧時間が非公表
事業内容と人間への貢献
丸善ファーム株式会社は、長野県千曲市で農産物の生産、加工、販売、水田・畑作物の経営、農作業受託などを行う丸善食品工業グループの農業法人です。2006年10月に設立され、資本金は2,000万円です。法人番号は1100001006472です。[出典1・3・4]
基本情報
公式会社概要では、農場規模は2008年度3ha、2009年度8ha、2010年度10haへ拡大したとされています。現在の農園紹介では千曲川流域で、ジュース用トマト660a、コシヒカリ90a、風さやか40a、玉ねぎ36a、きゅうり28a、キャベツ30a、野沢菜30aなどを栽培しています。[出典1・2]
本店所在地は法人情報では長野県千曲市大字寂蒔880、営農本部は千曲市大字雨宮541-1です。[出典3・4]
主な事業内容
- ジュース用トマトの栽培
- コシヒカリ、風さやかなど米の栽培
- 玉ねぎ、きゅうり、キャベツ、野沢菜、さつま芋などの野菜栽培
- 農産物の加工・販売
- 水田、畑作の経営
- 農作業の受託
- グループ工場への原料供給
事業による人間への貢献
丸善ファームの大きな役割は、食品メーカーが使う原料の一部を自ら地域で生産することです。
たとえばジュース用トマトは8月上旬から9月上旬にかけて収穫され、すべて手摘みで収穫した後、その日のうちに工場へ運ばれます。[出典5]
食品メーカーが遠方の市場や輸入原料だけに依存せず、製造工場の近くで原料を確保できれば、産地を追いやすくなり、収穫から加工までの時間も短くできます。
また、千曲市の遊休農地を借りて栽培することは、使われなくなった農地を生産へ戻す役割もあります。長野県オリジナル米「風さやか」の推進協議会にも現在、丸善ファームの名前が掲載されています。[出典1・6]
Safety|10/50
Safetyでは、農場で働く人の賃金、休息、健康、安全と、消費者が安心して農産物を食べられるかを確認します。丸善ファームは原料の追跡性とグループの安全方針は確認できますが、対象会社単体の労働条件と事故結果の公開が極めて少ないため、低得点です。
賃金・利益の還元|0/10
丸善ファーム株式会社を雇用主とする現在の給与表、求人、平均給与、時給、賞与、昇給、ベースアップ、利益還元額について、対象会社単体の公開情報はありません。
丸善食品工業では2026年の求人が確認できますが、雇用主は丸善食品工業株式会社であり、丸善ファームの賃金として使うことはできません。
農産物の生産量やグループ売上が分かっても、その利益が農場で働く人へいくら返っているかが分からなければ高得点にはできません。
公開情報がない点は課題です。採点上も減点対象です。そのため0/10点です。
丸善ファーム単体の基本給、時給、賞与、賃金中央値、直近の賃上げ率を公開し、生活改善につながる水準が確認できれば4点以上を検討できます。
労働時間・休息|0/10
対象会社単体の所定労働時間、繁忙期の勤務時間、月平均残業、年間休日、有給取得率、休日出勤、休憩時間について公開情報がありません。
特にジュース用トマトは8月の約1カ月間にすべて手摘みで収穫すると公式サイトが説明しており、夏季の繁忙期にどのような勤務体制を取っているかは重要です。[出典5]
公開情報がない点は課題です。採点上も減点対象です。そのため0/10点です。
残業、年間休日、有給取得、繁忙期の連続勤務日数を公開し、十分な休息が確認できれば4点以上を検討できます。
雇用の安定・待遇の公平性|1/5
丸善ファームは2006年から現在までグループ会社として事業を継続しています。Gビズインフォでは、厚生年金・健康保険の適用事業所について被保険者数1人と掲載されています。[出典3]
一方、この数字は総従業員数そのものではありません。農作業を誰が担っているのか、正社員、パート、季節雇用、外国人労働者、グループ会社からの応援が何人いるのかは公開されていません。
男女比、男女賃金差、離職率、平均勤続年数も非公表です。
法人としての長期事業継続だけを最低限評価し1/5点です。雇用形態別人数、定着率、待遇差を公開できれば3点以上を検討できます。
福利厚生・育児・介護|0/5
丸善ファーム単体の育児休業、介護休業、看護休暇、短時間勤務、住宅支援、健康支援などの制度と利用実績について公開情報がありません。
親会社・関連会社の求人条件を、そのまま丸善ファームの制度として扱うことはできません。
公開情報がない点は課題です。採点上も減点対象です。そのため0/5点です。
対象会社で実際に使える制度と、取得者数、復職率を公開できれば2~4点を検討できます。
人権・ハラスメント・労使関係|2/5
丸善食品工業の安全方針は「当社グループの全ての従業員が働きやすく誇れる企業風土」を掲げ、ILO基本条約に基づく労働安全衛生法規の遵守、教育、内部監査、マネジメントレビューを定めています。[出典7]
丸善ファームは丸善食品工業のグループ企業として公式に掲載されているため、少なくともグループ理念・安全方針の対象であることは確認できます。[出典4]
一方、丸善ファーム単体のハラスメント相談窓口、相談件数、研修受講率、是正件数、労使対話の実績は公開されていません。
グループ方針の適用を評価して2/5点です。対象会社での研修・相談・是正実績まで確認できれば3~4点を検討できます。
労働安全・健康|4/10
丸善食品工業の労働安全衛生方針はグループ全従業員を対象とし、リスクアセスメント、危険有害性の低減、教育、内部監査、パフォーマンス測定を行う方針を示しています。[出典7]
農業では、猛暑、農機具、重量物、刃物、農薬などが主要な労働リスクになります。丸善ファームの公式ページでは8月のトマト収穫をすべて手摘みで行うことが確認できます。[出典5]
一方、丸善ファーム単体の労災件数、休業災害、熱中症、農機具事故、農薬曝露、健康診断受診率、暑熱対策の実施結果は公表されていません。
グループ方針が対象に含まれる点を評価して4/10点です。丸善ファーム単体の事故・健康KPIを公開し、低い事故率が確認できれば6~8点を検討できます。
商品・サービスの安全|3/5
丸善ファームは地産地消とトレーサビリティ強化を明確に掲げています。ジュース用トマトは手摘み後、その日のうちに工場へ運び、グループが使うジュース用トマト、米、野沢菜は長野県産にこだわっています。[出典1・2・5]
下流の丸善食品工業では、HACCPに基づく品質保証、月1回のトレースバック訓練、定期的なトレースフォワード訓練、FSSC22000・ISO9001を運用しています。2026年にも認証更新が公表されています。[出典8・9]
ただし、これらの認証は丸善食品工業の工場を対象としたもので、丸善ファームの農場そのものをFSSC22000やISO9001で認証しているという意味ではありません。
丸善ファーム単体のGAP認証、農薬使用記録、残留農薬検査、微生物検査、回収件数について公開情報が不足しているため3/5点です。農場段階の第三者認証や検査結果まで継続公開できれば4~5点を検討できます。
従業員・元従業員の口コミ
転職会議、Indeed、OpenWork、エンゲージ会社の評判を「丸善ファーム株式会社」で確認しましたが、対象会社の現社員・元社員と判断でき、現在の労働条件を具体的に確認できる口コミ本文は見つかりませんでした。
検索結果では丸善食品工業株式会社の口コミ・求人が多く表示されますが、別法人なので丸善ファームの採点には使っていません。
SNS・匿名掲示板の確認結果
X、5ちゃんねる、爆サイについて、会社名と「給料」「残業」「休日」「退職」「パワハラ」「熱中症」「農薬」「人員削減」などを組み合わせて確認しました。
対象会社の従業員・元従業員であることを具体的に確認でき、今回の点数を変更できる投稿は得られていません。
Innovation|7/25
Innovationでは、農業の重労働や反復作業を技術で減らし、その成果を働く人へ返しているかを確認します。丸善ファームは原料の地産地消や多品目栽培では工夫がありますが、手摘み収穫を含む農作業を機械化・自動化した成果は公開されていません。
作業負担・危険の削減|0/10
公式会社概要には「近い将来ハイテク野菜を工場規模にて生産出来る農業経営を目指す」とあります。[出典1]
しかし、これは将来目標であり、現在の導入実績ではありません。
自動収穫機、選果機、農業ロボット、ドローン、遠隔灌水、AI、生育センサーなどについて、丸善ファームが実際に導入し、作業時間や重量負担を減らした具体的な公開情報はありません。
トマト収穫については現在の公式ページでも「すべて手摘み」と説明されています。[出典5]
公開情報がないため0/10点です。従来作業と導入後を比較し、時間・重量・危険作業を大きく削減できれば4点以上を検討できます。
商品・サービスの改善|4/5
丸善ファームはジュース用トマトだけでなく、コシヒカリ、風さやか、玉ねぎ、ゴーヤ、きゅうり、キャベツ、野沢菜、さつま芋など多品目を栽培しています。[出典2]
長野県オリジナル米「風さやか」の栽培にも参加し、現在の長野県推進協議会の参加者一覧にも掲載されています。[出典6]
また、原料を自社農場から工場へ直接供給し、産地追跡をしやすくすることは、食品メーカー側の原料管理を改善します。
地域原料とトレーサビリティの改善を評価して4/5点です。一方、直近の新品種・新サービスや、品質改善を数値で示す情報は少ないため満点にはしません。
改善成果の人間への還元|0/5
技術導入によって作業時間が減ったという公開情報がないため、その成果を賃金、休日、休憩、安全対策へ返した実績も確認できません。
公開情報がない点は課題です。採点上も減点対象です。そのため0/5点です。
設備導入前後の削減時間と、その時間を休日・残業削減へ返した結果を公開できれば2点以上を検討できます。
研究開発・現場改善の継続|3/5
農場規模は設立後に3haから8ha、10haへ拡大し、現在は多数の作物を栽培しています。長野県産原料の確保、トレーサビリティ、地域ブランド米の栽培など、原料調達と農業を結びつける改善は続けてきました。[出典1・2・6]
一方、丸善ファームの公式サイトで確認できる新着情報は2018年3月のサイトリニューアル・農園紹介更新が最後です。直近の研究、設備投資、収量改善、省力化実績を外部から確認しにくい状態です。[出典10]
そのため3/5点です。最近の設備・栽培改善と、その効果を毎年公開できれば4~5点を検討できます。
Protection|5/25
Protectionでは、豪雨、洪水、猛暑、病害虫、物流停止などが起きても原料供給を続けられるかを評価します。丸善ファームは自社農園とグループ工場を近接させた短い供給網を持つ一方、農場が千曲市周辺へ集中しており、災害時の代替圃場・復旧計画が公開されていません。
災害への備え・訓練|0/5
丸善ファーム単体のBCP、洪水・台風・猛暑を想定した訓練、安否確認、非常用電源、農業用水の代替確保、資材備蓄について公開情報がありません。
千曲川流域で農業を行う企業にとって、水害や豪雨への備えは重要です。
公開情報がない点は課題です。採点上も減点対象です。そのため0/5点です。
農場固有のBCPと訓練結果を公開できれば3点以上を検討できます。
生産・物流・調達の代替|3/5
丸善ファーム自身が原料を生産し、丸善食品工業グループで使用するジュース用トマト、米、野沢菜は丸善ファームを含む長野県産にこだわっています。[出典2]
つまり、グループの原料調達が丸善ファーム一社だけに完全依存しているわけではなく、県内の複数生産者と自社農場を組み合わせる構造になっています。
一方、丸善ファーム自体の圃場は千曲市管内に集中しています。丸善ファームの畑が被災した場合の代替圃場、契約農家、代替輸送、通常供給量の何%を維持できるかは公表されていません。
一定の調達分散を評価して3/5点です。対象会社自身の代替圃場・契約調達先と切替実績まで確認できれば4~5点を検討できます。
サイバー防衛・情報保護|0/5
丸善ファーム単体の情報セキュリティ方針、従業員教育、バックアップ、サイバー訓練、インシデント件数について公開情報がありません。
農業法人でも、取引先、従業員、受発注、栽培記録などの情報を扱います。
公開情報がない点は課題です。採点上も減点対象です。そのため0/5点です。
グループ共通の情報セキュリティ方針が対象会社へ適用されていることと、対象会社での訓練・事故実績を確認できれば2点以上を検討できます。
供給継続・復旧能力|2/5
農場とグループ工場が近く、ジュース用トマトを収穫当日に運べる短いサプライチェーンは、平時の供給には強みです。[出典5]
また、複数の作物を生産しているため、一つの作物だけに事業を依存していません。
一方、農場被災後の復旧目標、代替圃場への切替時間、苗・肥料・燃料・農業用水の代替調達、収量を何%維持できるかについて公開情報がありません。
そのため2/5点です。復旧目標時間と代替生産計画を訓練・実績で示せれば3~4点を検討できます。
危機時の市民への対応|0/5
丸善ファーム単体で、災害時に自治体や避難所へ野菜・米を供給する協定、緊急無償提供、被災地支援を行った具体的な実績について公開情報がありません。
地域に農産物を供給する会社であるため、有事に自社の米や野菜を地域支援へ活用できれば人間への貢献は大きくなります。
現時点では公開情報がないため0/5点です。
良いニュース・最近の前向きな動き
丸善ファーム単体の直近ニュース公表は少ないものの、現在も長野県の地域農業とグループの食品供給網の中で役割を確認できます。地域原料の利用が続けば、農地を維持し、原料の産地を追いやすい食品づくりを支えることにつながります。
長野県「風さやか」推進協議会の参加者として現在も掲載
長野県が公開する「風さやか」推進協議会の参加者一覧には、丸善ファーム株式会社と丸善食品工業株式会社が掲載されています。[出典6]
地域で開発された米を実際に農場で栽培し、地域ブランドの普及へ参加することは、農業を地域内に残す取り組みです。
2026年 下流の丸善食品工業がFSSC22000・ISO9001を更新
2026年、丸善食品工業は本社工場などのFSSC22000・ISO9001認証更新を公表しました。[出典9]
これは丸善ファーム農場そのものの認証ではないため、丸善ファームの商品安全点へ直接満額加点していません。
一方、丸善ファームが供給した原料が入る下流工程で、追跡・食品安全管理を継続していることは、農場から製造まで一体で安全性を高める土台になります。
悪いニュース・問題となった動き
丸善ファームで直近の重大事故や行政処分を裏付ける公開情報は確認されていません。一方、企業審査上の大きな問題は、農業で特に重要な暑熱、労災、繁忙期の働き方、洪水時の事業継続について、対象会社単体の結果がほとんど見えないことです。
夏のトマト収穫はすべて手摘み、暑熱・負担の結果は非公表
ジュース用トマトは8月の約1カ月間、すべて手摘みで収穫すると公式サイトが説明しています。[出典5]
炎天下での反復収穫は、腰、膝、熱中症などの負担につながる可能性があります。
しかし、休憩基準、WBGT管理、給水、熱中症発生件数、重量物運搬、作業時間について現在の公開情報がありません。
手作業自体を問題視するのではなく、負担をどう管理し、事故をどれだけ防げているかを数字で示す必要があります。
2026年時点でも対象会社単体の労働条件が見えない
丸善食品工業の求人は多数ありますが、丸善ファームを雇用主とする現在の給与・休日・残業・福利厚生を示す求人や人的資本情報は確認できません。
同じグループ・同じ住所に関連会社があるため、親会社の条件を丸善ファームの待遇だと誤認しやすい状態です。
対象会社単体の雇用条件を公開することが、求職者と消費者の判断に必要です。
BCP・代替圃場・復旧時間が非公表
千曲川流域に農場を持つ一方、洪水、豪雨、猛暑などで圃場が使えなくなった場合の代替農地、代替調達、復旧目標について公開情報がありません。
農産物は天候の影響を受けやすいため、通常時のトレーサビリティだけでなく、異常気象時の供給継続まで示してほしいところです。
総合評価と、これから改善してほしいこと
丸善ファーム株式会社は22点、シビックランクFです。次のEランクは40点からなので、あと18点必要です。
地産地消とトレーサビリティには明確な価値があります。しかし、現在の企業審査では「野菜を作っている」「グループに安全方針がある」だけでは、そこで働く人が安全で豊かになっていると判断しません。賃金、休息、事故、作業負担、災害復旧を対象会社単体で示すことが、最優先の改善です。
給与と賃上げを対象会社単体で公開してほしい(Safety)
現在の「賃金・利益の還元」は0/10点です。
基本給、時給、賞与、賃金中央値、賃上げ率が公表されていません。
これらを公開し、少なくとも地域の生活を支えられる賃金と継続的な昇給が確認できれば0→4点を検討できます。
加点は+4点で、総合22→26点。Fランクのままです。
参考企業は富士急オートサービス株式会社です。Google Drive上の現行審査では年収300万~550万円、資格別月給、賞与年2回などを公開し、「賃金・利益の還元」6/10点、総合58点・Dとしています。
残業・年間休日・有給取得率を公開してほしい(Safety)
現在の「労働時間・休息」は0/10点です。
夏の収穫期を含む実残業、年間休日、有給取得率が分かりません。
月平均残業、繁忙期の勤務、年間休日、有給取得率を公開し、長時間労働がなく十分な休息が取れていることを確認できれば0→4点を検討できます。
加点は+4点で、総合22→26点です。
参考企業は東京アート株式会社です。Google Drive上の現行審査では月平均残業6.9時間、有給取得率75.2%を公開し、「労働時間・休息」8/10点、総合57点・Dです。
手摘み収穫の暑熱・身体負担を減らしてほしい(Safety・Innovation)
現在の「労働安全・健康」は4/10点、「作業負担・危険の削減」は0/10点です。
夏のトマト収穫をすべて手摘みで行うなら、暑熱管理や運搬負担の低減が重要です。
WBGT管理、休憩基準、給水、熱中症件数を公開し、さらに運搬補助、収穫支援機器、自動化などによって作業時間・重量負担を大きく減らせれば、労働安全4→6点、作業負担0→4点を検討できます。
合計+6点で、総合22→28点です。
参考企業はキリンビバレッジ株式会社です。Google Drive上の現行審査では最大約25kgの茶葉を扱う工程をロボット化し、物流自動化で生産性42%向上と人員の別業務への再配置を確認でき、「作業負担・危険の削減」8/10点、「労働安全・健康」8/10点、総合74点・Bです。
BCPと代替圃場を具体化してほしい(Protection)
現在の「災害への備え・訓練」は0/5点、「供給継続・復旧能力」は2/5点です。
千曲川流域の圃場が洪水や豪雨で使えない場合を想定し、
- 代替圃場
- 契約農家からの緊急調達
- 苗・肥料・燃料の代替先
- 農業用水の確保
- 復旧目標日数
- 年次訓練
を整備し、実地訓練まで確認できれば、災害への備え0→3点、供給継続2→4点を検討できます。
合計+5点で、総合22→27点です。
参考企業は伊藤忠商事株式会社です。Google Drive上の現行審査では東京本社被災時の大阪本社バックアップ、3日分の備蓄、年次BCP訓練を具体化し、「災害への備え・訓練」5/5点、「供給継続・復旧能力」4/5点、総合83点・Aです。
Eランクへ上がるための具体例
現在22点・Fで、Eランクは40点からです。あと18点必要です。
例えば次の改善を実績として確認できれば40点へ届きます。
- 賃金・利益の還元:0→4点 +4
- 労働時間・休息:0→4点 +4
- 労働安全・健康:4→6点 +2
- 作業負担・危険の削減:0→4点 +4
- 災害への備え・訓練:0→3点 +3
- 供給継続・復旧能力:2→3点 +1
合計+18点で、22→40点となりシビックランクEです。
情報を公開しただけでは自動的に加点しません。賃金や休日が実際に良好で、労災が少なく、作業負担が減り、災害時にも供給を続けられることまで確認できた場合に評価を上げます。
丸善ファームは、地域の畑から食品工場へ原料をつなぐ役割そのものには価値があります。次に必要なのは、その原料を作っている人の待遇と安全、そして異常気象が起きた後も農業を続けられる仕組みを、消費者が確認できる形で示すことです。
出典一覧
1.丸善ファーム株式会社「会社概要」【情報ランクA】
2.丸善ファーム株式会社「農園紹介」【情報ランクA】
3.Gビズインフォ「丸善ファーム株式会社」【情報ランクS】
4.丸善食品工業株式会社「グループ企業」【情報ランクA】
5.丸善ファーム株式会社「ジュース用トマト」【情報ランクA】
6.長野県「風さやか推進協議会」【情報ランクS】
7.丸善食品工業株式会社「安全方針」【情報ランクA】
8.丸善食品工業株式会社「安全・安心について」【情報ランクA】
9.丸善食品工業株式会社「FSSC22000・ISO9001認証更新」【情報ランクS・A】
10.丸善ファーム株式会社公式サイト「新着情報」【情報ランクA】
11.転職会議・Indeed・OpenWork・エンゲージ会社の評判での対象法人検索【情報ランクB】
12.X・5ちゃんねる・爆サイでの対象法人検索【情報ランクB】
13.Google Drive現行審査「ふじやまファーム株式会社|25点・F」【比較用】
14.Google Drive現行審査「富士急オートサービス株式会社|58点・D」【比較用】
15.Google Drive現行審査「東京アート株式会社|57点・D」【比較用】
16.Google Drive現行審査「キリンビバレッジ株式会社|74点・B」【比較用】
17.Google Drive現行審査「伊藤忠商事株式会社|83点・A」【比較用】
シビックランクの基準
| シビックランク | 点数 |
|---|---|
| S | 90~100 |
| A | 80~89 |
| B | 70~79 |
| C | 60~69 |
| D | 50~59 |
| E | 40~49 |
| F | 20~39 |
| G | 0~19 |
情報ランクの基準
| 情報ランク | 基準 |
|---|---|
| S | 公的機関、裁判所、規制当局、独立した第三者による調査・監査・認証など、内容そのものに独立した裏づけがある情報 |
| A | 企業公式資料、採用情報、公式声明・公式SNS、氏名・役職・立場を確認できる公表情報 |
| B | 従業員・元従業員の口コミ、一般SNS、匿名掲示板など、発信者と対象企業との関係を独立に確認しにくい情報 |
