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丸善物流システム株式会社を企業審査|シビックランクE・44点/100点|全国配送網と2024年C倉庫稼働を評価、労働条件・労災KPI非公表が課題

私たちは、企業の商品を購入したり、サービスを利用したりすることで、そこで働く人たちの未来を変えることができます。

働く人に十分な賃金を払い、休暇を確保し、安全な職場をつくり、人の負担を減らす企業の商品やサービスが選ばれれば、そうした企業により多くの売上が集まります。その結果、働く人を大切にする経営を続けやすくなります。

反対に、低賃金や長時間労働、安全上の問題を改善しない企業の商品やサービスが売れ続ければ、そうした働かせ方のままでも事業を続けることができます。

だからこの企業審査では、「私たちがお金を使うなら、どの企業を選ぶことが、そこで働く人にとってより良い社会につながるのか」という視点から企業を評価します。

今回審査する丸善物流システム株式会社は、総合44点、シビックランクEです。

丸善物流システムの特に強い点は、複数の倉庫拠点と全国の運送会社ネットワークを使い、食品・飲料を含む物流を止めにくい仕組みを持っていることです。長野県千曲市の屋代倉庫と静岡県小山町の富士小山物流センターを持ち、輸送では西濃運輸、日本通運、第一貨物、鴻池運輸など多数の協力会社を使い分けています。2024年には新たにC倉庫も稼働しました。[出典2・3・5]

そのため、この企業の物流サービスが選ばれれば、一つの運送会社や一つの倉庫だけに依存せず、食品・飲料・資材を必要な場所へ届けやすい物流網が続きやすくなります。物流停止によって工場や店頭への供給が止まるリスクを減らせる社会につながる可能性があります。

一方で、改善点として、働く人に関する情報公開が大きく不足しています。2025年3月期は純利益3億3,292万7,000円、利益剰余金18億282万3,000円を確認できますが、会社単体の平均賃金、賃上げ率、残業時間、有休取得率、育休取得率、労災件数などは公開情報から確認できませんでした。利益を上げた会社が、その成果を働く人の賃金・休息・安全へどこまで返しているのかを外部から判断できないことが大きな課題です。[出典7・10]

この記事では、丸善物流システム株式会社の強みと課題をさらに詳しく企業審査していきます。

目次

丸善物流システム株式会社の企業審査結果

丸善物流システムは、複数倉庫、全国の協力運送会社、食品・飲料の物流基盤、2024年の新倉庫稼働では強みがあります。一方、会社単体の賃金・労働時間・福利厚生・労災結果、DX導入効果、BCP訓練・サイバー対策などの情報公開が非常に少なく、点数を大きく抑えました。

評価軸得点主な評価
Safety17/50安全運転管理者の選任、安定した事業・利益、運送・倉庫の許認可を評価。賃金・残業・有休・育休・労災KPIの会社単体開示がほぼない
Innovation15/252024年C倉庫稼働、複数倉庫と協力会社を組み合わせた物流改善を評価。自動化・省人化の具体効果や人への還元は非公表
Protection12/25長野・静岡の複数拠点と全国の輸送協力会社を高く評価。BCP訓練、サイバー防御、復旧時間、市民支援の具体的開示が弱い
総合44/100シビックランクE

主な強み

・2005年設立、物流・倉庫・卸売などを継続
・長野県千曲市と静岡県小山町に物流拠点
・西濃運輸、日本通運、第一貨物、鴻池運輸など多数の協力会社
・サントリーロジスティクス、アサヒロジ、山崎製パンなどを主要受託先として掲載
・2024年にC倉庫が稼働
・2025年3月期の純利益3億3,292万7,000円
・利益剰余金18億282万3,000円
・長野県警の安全運転管理者選任事業所一覧で会社名を確認

主な課題

・会社単体の平均年収、賃金中央値、賃上げ率が非公表
・会社単体の平均残業、有休取得率、年間休日などが非公表
・育児・介護休業の利用実績が非公表
・労災件数、交通事故件数、フォークリフト事故、度数率などが非公表
・Gマーク、働きやすい職場認証などの会社単体取得を確認できない
・倉庫の自動化・省人化効果を定量確認できない
・BCP訓練、RTO・RPO、サイバー対策の結果が非公表
・従業員口コミが少なく、第三者から職場実態を検証しにくい

事業内容と人間への貢献

丸善物流システムは、長野県千曲市を中心に、貨物輸送、倉庫、化学製品・食品添加物販売、包装資材、産業用車両関連などを扱う物流会社です。丸善食品工業グループの製品・資材物流を支えるだけでなく、外部企業からも輸送を受託しています。[出典1・2・6]

基本情報

項目内容
会社名丸善物流システム株式会社
法人番号6100001006468
設立2005年9月7日
代表者代表取締役 春日 靖史
本社長野県千曲市大字寂蒔880
営業本部長野県千曲市大字雨宮541-1
西関東物流センター静岡県駿東郡小山町小山1-1
東京支店東京都港区北青山2-10-21
資本金2,000万円
主な事業貨物自動車運送、貨物利用運送、倉庫、化成品・食品添加物販売、産業用運搬車両関連など
2025年3月期純利益3億3,292万7,000円
2025年3月期利益剰余金18億282万3,000円

情報ランク:A・S。[出典1・7・10]

食品・飲料工場を倉庫から支える

屋代倉庫では、製缶会社から納品された空PET、空ボトル、空缶、缶蓋、プリフォームなどを荷受けし、丸善食品工業の本社工場・須坂工場へ供給しています。[出典3]

富士小山物流センターでは、丸善食品工業富士小山工場や信濃高原食品富士小山工場で製造された製品を保管し、荷役や外部倉庫管理を担っています。[出典3]

工場で飲料や食品を製造できても、容器や資材が届かなければ生産できません。また、完成品を保管・出荷できなければ消費者へ届きません。倉庫は製造と販売をつなぐ基盤です。

全国の協力会社を使った貨物輸送

貨物輸送では、自社だけで全輸送を行うのではなく、依頼内容に合わせて協力会社を選び、配送を手配します。[出典2]

公式サイトには、西濃運輸、東海西濃運輸、長野通運、第一貨物、日本通運、トナミ運輸信越、ニッコン、近物レックス、関西陸運、鴻池運輸、日本トランスシティなど多数の協力会社が掲載されています。[出典2]

この仕組みは、荷物、地域、車種に応じて輸送会社を変えられるため、一社だけで全国輸送を抱える方式より柔軟です。

化成品・食品添加物の調達も担う

接着剤、衛生用品、食品原料・添加物、精密機器などの受発注と納品手配も行っています。化成品の多くはメーカーから顧客へ直送し、頻繁に注文される包材や衛生用品などは倉庫へ在庫します。[出典4]

物流だけではなく、工場で必要になる資材の調達窓口まで担うことで、製造現場の調達負担を減らしています。

Safety 17/50

Safetyでは、倉庫作業や貨物輸送に関わる人が適切な賃金と休息を得られているか、フォークリフトや車両による事故を防げているかを確認しました。

丸善物流システムは事業継続と収益力、安全運転管理者の選任は確認できますが、働く人の賃金・労働時間・福利厚生・労災結果に関する会社単体の公開情報が非常に少ないことが最大の弱点です。

賃金・利益の還元:3/10

2025年3月期の純利益は3億3,292万7,000円、利益剰余金は18億282万3,000円です。[出典10]

利益を出し、内部に蓄積できているため、賃上げや福利厚生、安全設備へ投資する財務余力があることは確認できます。

一方、会社単体の平均年収、基本給、賃上げ率、賞与、賃金中央値などは今回確認した公開情報にはありません。

利益が大きいことと、働く人へ十分に利益が還元されていることは別です。

そのため3/10点です。

情報ランク:S。賃金還元情報は非公表。

労働時間・休息:1/10

丸善物流システム株式会社単体の平均残業時間、年間休日、有休取得率、長時間労働者比率を確認できる公開情報は見つかりませんでした。

丸善食品工業グループの別法人では求人情報が公開されていますが、その労働条件を丸善物流システムの社員へそのまま適用して採点することはしません。

物流・倉庫では繁忙期、荷役、時間指定配送などによって労働時間が長くなる可能性があるため、会社単体の実績が重要です。

重要情報が非公表であるため1/10点です。

情報ランク:A。重要情報は非公表。

雇用の安定・待遇の公平性:3/5

2005年の設立後も事業を継続し、長野、静岡、東京に拠点を持っています。2025年3月期には大きな利益も確認できます。[出典1・10]

一方、公式の従業員数、平均勤続年数、離職率、男女賃金差、女性管理職比率、正規・非正規の待遇差などは確認できませんでした。

会社としての事業安定性は確認できるものの、雇用の質と公平性を比較する情報が不足しているため3/5点です。

情報ランク:A・S。

福利厚生・育児・介護:1/5

会社単体の育児休業取得率、介護休業利用実績、退職金、住宅手当、家族手当などの公開情報は確認できませんでした。

丸善食品工業グループには共済会や退職金などを持つ法人がありますが、対象会社への適用範囲を確認できないため、そのまま加点しません。

そのため1/5点です。

情報ランク:A。会社単体情報は非公表。

人権・ハラスメント・労使関係:1/5

会社単体のハラスメント相談窓口、内部通報件数、是正件数、労働組合、労使協議、男女賃金差について公開情報を確認できませんでした。

丸善食品グループには組織として安全衛生委員会などがありますが、対象会社の運用実績を確認できないため、親会社・グループ制度だけで高得点にはしません。

そのため1/5点です。

情報ランク:A。結果情報は非公表。

労働安全・健康:4/10

長野県警が公開する安全運転管理者選任事業所一覧には、丸善物流システム株式会社が掲載されています。[出典9]

車両を扱う企業として、安全運転管理者を置いていることは基本的な安全管理体制として評価できます。

一方、倉庫ではフォークリフト、荷役、積み降ろしなどのリスクがあり、運送では交通事故のリスクがあります。それにもかかわらず、会社単体の交通事故件数、労災件数、休業災害、度数率、健康起因事故、ヒヤリハットを年度比較できる公開情報は確認できませんでした。

そのため4/10点です。

情報ランク:S・A。

商品・サービスの安全:4/5

第一種貨物利用運送事業、倉庫業など必要な登録・許可を取得し、サントリーロジスティクス、アサヒロジ、山崎製パン、大塚製薬工場などの輸送を受託しています。[出典1・2]

主要な食品・飲料・物流企業から継続して受託していることは、一定の運用品質を示す補助材料です。

一方、Gマーク、安全性優良事業所認定、ISO39001など、交通安全を第三者が評価する会社単体の認証は今回確認できませんでした。また事故率の公表もありません。

そのため4/5点です。

情報ランク:A。

従業員・元従業員の口コミ

転職会議、OpenWork、Indeedなどを検索しましたが、丸善物流システム株式会社単体の勤務実態を具体的に判断できる口コミは今回確認できませんでした。

Yahoo!マップの営業本部・本社ページにも、確認時点で投稿された口コミはありません。[出典11]

口コミがないことを「働きやすい」と評価することはしません。

SNS・匿名掲示板の確認結果

X、5ちゃんねる、爆サイについて、会社名と「残業」「給料」「事故」「倉庫」「退職」などを組み合わせて確認しました。

今回の検索範囲では、社員・元社員であることや勤務時期を確認でき、採点に利用できる具体的な投稿は確認できませんでした。

投稿が確認できなかったことを「問題がない」という加点には使っていません。

Innovation 15/25

Innovationでは、物流現場で人が行う配車調整、在庫管理、荷役、拠点間調整をどこまで仕組み化し、物流を安定させているかを確認しました。

丸善物流システムは、複数の運送会社を使い分ける配車機能、長野・静岡の倉庫運営、外部倉庫管理などを組み合わせ、2024年にはC倉庫も稼働させています。一方、倉庫自動化や省人化の具体的な設備・削減時間、人への還元については公開情報が不足しています。

作業負担・危険の削減:5/10

貨物輸送では、荷物の種類や配送条件に応じて協力会社を選定し、配車・納品を手配しています。[出典2]

化成品・食品添加物販売では、基本的にメーカーから顧客へ直送する方式を取り、必要な在庫だけを自社倉庫に置いています。[出典4]

この仕組みは、自社ですべての輸送・在庫を抱えるよりも、車両や倉庫の無駄な移動・保管を減らせる可能性があります。

一方、配車システム、倉庫管理システム、自動搬送、フォークリフト支援などの具体的な導入内容や、導入前後で作業時間・荷役回数・事故件数がどれだけ減ったかは公表されていません。

そのため5/10点です。

情報ランク:A。

商品・サービスの改善:5/5

輸送だけでなく、倉庫、外部倉庫管理、化成品・食品添加物、包装資材、フォークリフト等の産業用運搬車両関連まで事業を広げています。[出典1・3・4]

輸送依頼を受けた後、荷物の状況に応じて車種・協力会社を変えられるため、顧客は単一の運送会社に固定されずに物流を組み立てられます。[出典2]

また、2024年には丸善物流システムのC倉庫が稼働しました。[出典5]

物流容量を増やしながら、倉庫・輸送・資材調達をまとめて提供する方向へ改善を続けているため5/5点です。

情報ランク:A。

改善成果の人間への還元:0/5

物流拠点の追加や協力会社ネットワークの活用によって、業務効率が改善している可能性はあります。

しかし、その結果として丸善物流システム社員の残業が何時間減ったのか、休日が増えたのか、賃金や賞与へどれだけ還元されたのかは確認できませんでした。

2025年3月期には純利益3億3,292万7,000円を計上していますが、利益と従業員への還元をつなぐ公開情報はありません。[出典10]

そのため0/5点です。

情報ランク:S・A。成果還元の情報は非公表。

研究開発・現場改善の継続:5/5

丸善物流システムは2005年設立後、貨物利用運送、倉庫、資材販売などへ事業を広げています。[出典1]

2011年には倉庫業登録を取得し、現在は屋代倉庫と富士小山物流センターを運営しています。2024年には新たにC倉庫が稼働しました。[出典1・3・5]

大規模な研究開発企業ではありませんが、物流拠点とサービス範囲を継続的に拡張していることを評価し5/5点です。

情報ランク:A。

Innovation小計:15/25点

Protection 12/25

Protectionでは、災害、輸送会社の停止、倉庫停止、システム障害が起きても食品・飲料・資材を届け続けられるかを確認しました。

丸善物流システムは、多数の協力運送会社と複数物流拠点を持つため、物流経路の代替性は強い企業です。一方、BCP訓練、サイバー防御、復旧目標時間などの会社単体情報はほとんど公開されていません。

災害への備え・訓練:1/5

長野県と静岡県に物流拠点を持つため、一拠点だけに物流機能を集中させてはいません。[出典1・3]

一方、地震、豪雨、大雪、停電、倉庫火災などを想定した会社単体のBCP訓練について、実施日、参加人数、改善結果などを確認できませんでした。

複数拠点があることと、災害対応訓練を実際に行っていることは別なので1/5点です。

情報ランク:A。

生産・物流・調達の代替:5/5

物流代替性は丸善物流システムの最も強いProtection項目です。

公式サイトには、西濃運輸、東海西濃運輸、長野通運、第一貨物、日本通運、トナミ運輸信越、ニッコン、近物レックス、関西陸運、鴻池運輸、日本トランスシティなど多数の輸送協力会社が掲載されています。[出典2]

荷物や地域に応じて車種・協力会社を変える仕組みなので、一社の車両不足や特定輸送会社の停止時にも別会社へ切り替えられる余地があります。

屋代倉庫と富士小山物流センターに加えて外部倉庫も管理しているため、保管先についても複数の選択肢があります。[出典3]

具体的な切替訓練時間は公表されていませんが、代替先そのものが多数確認できるため5/5点です。

情報ランク:A。

サイバー防衛・情報保護:1/5

同社は配車、受発注、給与計算・採用代行など、企業情報や個人情報を扱う事業を持っています。[出典1]

一方、会社単体の情報セキュリティ方針、MFA、EDR、SOC、標的型メール訓練、バックアップ分離、インシデント件数などは今回確認できませんでした。

物流会社のシステムが止まれば配車や納品調整へ影響するため、情報セキュリティは事業継続に直結します。

具体情報がほぼないため1/5点です。

情報ランク:A。重要情報は非公表。

供給継続・復旧能力:5/5

長野の屋代倉庫、静岡の富士小山物流センター、外部倉庫、全国の協力運送会社を組み合わせて物流を構成しています。[出典2・3]

自社車両・自社倉庫だけに依存せず、外部企業と複数の保管先を使えることは、物流障害時の復旧・継続力として大きな強みです。

一方、主要拠点停止時のRTO・RPO、何時間で別倉庫・別運送会社へ切り替えるかという訓練値までは公表されていません。

代替資源の多さを高く評価して5/5点です。

情報ランク:A。

危機時の市民への対応:0/5

食品・飲料物流を担うこと自体は、市民生活を支える重要な事業です。

しかし、災害時に自治体と結ぶ緊急物資輸送協定、避難所への直接輸送、被災地支援など、丸善物流システム株式会社単体の具体的な市民支援制度・実績は今回確認できませんでした。

通常時の物流機能を、危機時の市民支援実績へ置き換えて加点しません。

そのため0/5点です。

Protection小計:12/25点

良いニュース・最近の前向きな動き

最近の前向きな動きでは、物流拠点の拡張と安定した財務基盤が確認できます。食品・飲料物流では、工場が増産しても保管・出荷能力が不足すれば商品を届けられません。倉庫能力を増やし、複数の物流会社を使える状態を維持することは、供給網の安定につながります。

2024年:丸善物流システムのC倉庫が稼働

丸善食品グループの沿革では、2024年に「丸善物流システム株式会社C倉庫稼働」と記録されています。[出典5]

公開情報ではC倉庫の設備仕様や自動化率までは確認できませんが、新たな倉庫能力を追加したことは物流容量と保管余力の拡大として評価できます。

2025年3月期:純利益3億3,292万7,000円

2025年3月期の決算公告では、純利益3億3,292万7,000円、利益剰余金18億282万3,000円、総資産60億2,892万4,000円が確認できます。[出典10]

物流拠点や安全設備、賃上げ、BCPへ投資できる財務余力があることは前向きな材料です。

ただし、利益を実際に従業員へどの程度還元したかは別途確認が必要です。

多数の輸送協力会社を公式に公開

公式サイトでは、全国各地の輸送協力会社を具体名で公開しています。[出典2]

荷物ごとに複数の選択肢を持つことは、ドライバー不足、車両不足、地域障害などが起きたときの供給継続に有利です。

悪いニュース・問題となった動き

今回の調査では、丸善物流システム株式会社について直近の重大事故、大規模行政処分、重大な倉庫火災などは確認できませんでした。

一方、悪いニュースが見つからないことと、安全実績が良いことは同じではありません。今回の審査でより大きな問題となったのは、働く人と安全に関する結果情報がほとんど公開されていないことです。

利益に対して賃金・労働時間の情報が見えない

2025年3月期には3億円を超える純利益を計上しています。[出典10]

しかし、会社単体の平均給与、賃上げ率、残業、有休取得率、年間休日などは確認できませんでした。

利益が増えても働く人の賃金・休暇が改善しなければ、「利益を人へ返している企業」とは評価できません。

労災・交通事故・荷役事故の結果が確認できない

安全運転管理者の選任は確認できますが、事故件数、休業災害、フォークリフト事故、度数率などは確認できませんでした。[出典9]

運送・倉庫では車両と荷役機械の事故が人命へ直結するため、対策だけでなく結果を毎年公開することが重要です。

BCP・サイバー対策の結果が確認できない

複数拠点と多数の運送会社という構造的な強みはあります。

一方、災害訓練の結果、システム停止時のバックアップ、復旧目標時間、サイバー訓練などは確認できませんでした。

食品・飲料物流を支える企業だからこそ、「止まったとき何時間で戻せるか」を公開することを期待します。

総合評価と、これから改善してほしいこと

現在の総合評価は44点、シビックランクEです。

次のDランクは50点からなので、あと6点必要です。

丸善物流システムは、全国の運送会社を使い分けられる物流ネットワークと複数倉庫を持つ一方、働く人の賃金・時間・安全を会社単体で確認できる情報が非常に少ない会社です。まずは労働条件と安全実績を公開し、改善を数字で示すことが、ランクを上げるうえで最も重要です。

労働時間を公開し、休息を確保する:労働時間・休息 1→5/10

現在の「労働時間・休息」は1/10点です。

会社単体の平均残業時間、年間休日、有休取得率が公開されていないため、倉庫・配車・事務に関わる人がどの程度休めているかを外部から判断できません。

改善条件は、職種別の平均残業、年間休日、有休取得率、特別条項利用人数を毎年公開し、平均残業を月10~15時間程度、有休取得率70%以上などの水準で継続できることです。

その場合、

現在1/10 → 5/10

加点:+4点

総合:44→48点

ランク:Eのまま

を想定できます。

参考企業は株式会社JR東海リテイリング・プラスです。当サイトの既存審査では、平均残業7.8時間、有休取得率76.1%という会社単体の実績を確認できることを評価しています。

労災・事故結果を毎年公開する:労働安全・健康 4→6/10

現在の「労働安全・健康」は4/10点です。

安全運転管理者の選任は確認できますが、交通事故、フォークリフト事故、休業災害、度数率などの結果が公開されていません。

改善条件は、自社起因交通事故、重大・休業災害、荷役事故、ヒヤリハット、健康起因事故を毎年公開し、前年との比較と再発防止策を示すことです。

その場合、

現在4/10 → 6/10

加点:+2点

総合:44→46点

ランク:Eのまま

を想定できます。

参考企業はアスクル株式会社です。当サイトの既存審査では、安全結果を具体的に公表していることを労働安全・健康で評価しています。

物流改善の成果を働く人へ返す:改善成果の人間への還元 0→3/5

現在の「改善成果の人間への還元」は0/5点です。

C倉庫の稼働や協力会社ネットワークの拡大は確認できますが、それによって社員の配車業務、荷役、残業、休日、賃金がどう改善したかは公開されていません。

改善条件は、新倉庫・物流システム導入前後の作業時間、必要人員、残業、休日、賃金を公開し、物流改善の成果が働く人へ返っていることを確認できることです。

その場合、

現在0/5 → 3/5

加点:+3点

総合:44→47点

ランク:Eのまま

を想定できます。

参考企業はキリングループロジスティクス株式会社です。当サイトの既存審査では、業務改善を背景に年間所定労働時間を1,920時間から1,896時間へ24時間短縮した実績を評価しています。

Dランクへ上がる具体例

現在44点・Eです。

Dは50点からなので、あと6点です。

例えば、

・労働時間・休息:1→5点 +4

・労働安全・健康:4→6点 +2

を実現すれば、

44点→50点

となり、シビックランクEからDへ上がります。

丸善物流システムは、物流ネットワークや財務基盤そのものは弱くありません。

だからこそ次に必要なのは、「食品や飲料を止めずに運ぶ会社で、働く人自身も十分に休め、安全に働けている」という状態を、会社単体の数字で示すことです。

現時点の総合評価は44点/100点、シビックランクEです。

出典一覧

1.丸善物流システム株式会社「会社概要」

2.丸善物流システム株式会社「貨物輸送サービス」

3.丸善物流システム株式会社「倉庫事業」

4.丸善物流システム株式会社「化成品・食品添加物販売」

5.丸善食品工業株式会社「丸善の歴史」

6.丸善食品工業株式会社「グループ企業」

7.経済産業省 gBizINFO「丸善物流システム株式会社」

8.doda「丸善物流システム株式会社 企業概要」

9.長野県警察「安全運転管理者選任事業所一覧」

10.官報決算データベース「丸善物流システム株式会社 2025年3月期決算」

11.Yahoo!マップ「丸善物流システム株式会社/営業本部」

シビックランクの基準

ランク点数
S90~100点
A80~89点
B70~79点
C60~69点
D50~59点
E40~49点
F20~39点
G0~19点

情報ランクの基準

情報ランク基準
S公的機関、裁判所、規制当局、独立した第三者機関の調査・監査・検証・認証など、内容そのものに独立した裏づけがある情報
A企業公式資料、採用情報、公式声明・SNS、氏名・役職・立場を確認できる記名取材や公表発言など、発信主体を確認できる公表情報
B従業員・元従業員の口コミ、一般SNS、匿名掲示板など、発信者の身元や対象企業との関係を独立に確認しにくい情報

情報ランクは企業そのものの良し悪しではなく、個々の情報の出どころと検証状態を示します。

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