私たちは、企業の商品を購入したり、サービスを利用したりすることで、そこで働く人たちの未来を変えることができます。
働く人に十分な賃金を払い、休暇を確保し、安全な職場をつくり、人の負担を減らす企業の商品やサービスが選ばれれば、そうした企業により多くの売上が集まります。その結果、働く人を大切にする経営を続けやすくなります。
反対に、低賃金や長時間労働、安全上の問題を改善しない企業の商品やサービスが売れ続ければ、そうした働かせ方のままでも事業を続けることができます。
だからこの企業審査では、「私たちがお金を使うなら、どの企業を選ぶことが、そこで働く人にとってより良い社会につながるのか」という視点から企業を評価します。
今回審査する信濃高原食品株式会社は、総合56点、シビックランクDです。
信濃高原食品株式会社の特に強い点は、飲料製造の食品安全・品質管理です。2026年6月にはFSSC22000とISO9001の認証更新を公表し、食品安全・品質方針でも両規格を基礎としたマネジメントシステムの継続的な運用を明記しています。製造工程では微生物検査、アレルゲン検査、トレーサビリティ訓練なども行われています。
そのため、この企業が製造する飲料を選べば、価格や生産量だけを優先するのではなく、食品安全や品質検査へ継続してお金を使う飲料製造に強い社会になる可能性が高まります。
一方で、改善点として製造現場の労働時間が残ります。2026年8月の製造職求人では年間休日129日を確保している一方、月平均時間外労働は35時間です。繁忙時には36協定の特別条項として月90時間、年720時間まで延長可能とされています。また、会社単体の労働災害件数や休業災害度数率も公開されていません。
この記事では、信濃高原食品株式会社の強みと課題をさらに詳しく企業審査していきます。
信濃高原食品株式会社の企業審査結果
信濃高原食品は、飲料の大量生産能力と食品安全管理については具体的な設備・認証・検査体制があります。
一方、働く人については残業が比較的長く、労災や離職などの結果指標が十分に公開されていません。Innovationでも高度な飲料製造ラインは確認できるものの、その生産性向上を残業削減や休日、賃金へどこまで返せたかは確認できません。
| 評価軸 | 得点 | 満点 |
|---|---|---|
| Safety | 28 | 50 |
| Innovation | 14 | 25 |
| Protection | 14 | 25 |
| 総合 | 56 | 100 |
| シビックランク | D | — |
信濃高原食品株式会社とは
信濃高原食品株式会社は1982年2月設立、法人番号3100001005563の食品・飲料メーカーです。
本社は長野県須坂市にあり、東京支店と静岡県駿東郡小山町の富士小山工場を持ちます。主な事業はOEM・委託ブランド商品の製造です。
2026年のハローワーク求人では企業全体の従業員数86人、富士小山工場の就業場所39人とされています。別の社会保険データでは2026年9月の被保険者数101人となっており、集計時点や定義によって数字に差があります。
大手企業の飲料を受託製造する
信濃高原食品は自社ブランドを前面に販売する会社というより、他社から依頼を受けて飲料を製造するOEMメーカーです。
富士小山工場にはアセプティック充填AラインとBラインがあり、Aラインは日産96万本、Bラインは日産115.2万本の能力が公表されています。
コンビニ、スーパー、飲料ブランドなどで購入する商品でも、実際にはこうしたOEM工場で製造されている場合があります。
消費者から会社名が見えにくい企業だからこそ、食品安全と労働環境を確認する意味があります。
Safety:28/50点
Safetyでは、製造される飲料が安全であることに加え、飲料を作る人が十分な賃金、休息、安全、福利厚生を確保できているかを確認します。
信濃高原食品ではFSSC22000やISO9001、労働安全衛生方針など制度面は充実しています。一方、製造求人では月平均残業35時間が確認され、労災件数など結果の公開も不足しています。
賃金・利益の還元:4/10点
2026年2月受付のハローワーク製造職求人では、基本給は月19万~23万円です。
昇給は前年度実績で0~3%、賞与は年3回、計5カ月分となっています。固定残業代はありません。
2026年夏に掲載されたマイナビ転職では、初年度年収350万~450万円、製造職経験2年のモデル年収450万円という募集も確認できます。
賞与5カ月分、昇給制度、正社員雇用を確認できる点は加点します。
一方、同社の平均年収、賃金中央値、既存社員全体の平均賃上げ率、利益に対する人件費率は公開されていません。
さらに製造求人では、残業・深夜・交代手当を合わせて月10万円程度上乗せされる場合があるとされています。つまり収入の一部を長時間勤務や夜勤手当が支えている構造でもあります。
基本給や賞与は確認できますが、利益が社員へどの程度還元されているかまでは分からないため4/10点としました。
6点へ上げるには、平均基本給、賃金中央値、既存社員のベースアップ率などを継続公開し、残業時間に依存せず収入が改善していることを確認できる必要があります。
労働時間・休息:4/10点
2026年8月の製造職求人では、勤務は4勤2休の交替制で、年間休日129日です。
一方、月平均時間外労働は35時間です。取引先都合の繁忙や納期ひっ迫時には、特別条項として月90時間を年6回、年720時間まで延長できる協定となっています。
年間休日129日は製造業として評価できます。
しかし、月35時間の残業は少ないとはいえません。食品・飲料工場では夜勤もあり、同求人では6時55分~15時40分と18時55分~翌3時40分を4日ごとに交替します。
また、会社公式採用ページには月平均40時間、年間休日113日という異なる条件も掲載されています。
求人時期や勤務設計の違いの可能性がありますが、現在の全社員平均残業や年間休日が一つの数字として整理されていない点も課題です。
休日数を加点する一方、残業時間と特別条項を考慮し4/10点としました。
6点へ上げるには、会社全体または製造職の平均残業を20時間程度以下へ削減し、有給取得率や勤務間インターバルまで公開する必要があります。
雇用の安定・待遇の公平性:3/5点
2026年の製造求人は正社員、雇用期間の定めなしです。
募集理由も「増員」とされ、5人の採用を予定しています。未経験者については一人ひとりに教育担当を付けることも明記されています。
大規模な人員削減ではなく業務拡大に伴う増員であること、教育担当を付けて未経験者を育成することは評価できます。
一方、
・離職率
・平均勤続年数
・男女賃金差
・正規・非正規の待遇差
・入社後の定着率
は公開されていません。
雇用制度と増員を評価しつつ、定着と待遇公平性を確認できないため3/5点としました。
4点へ上げるには、離職率や平均勤続年数、男女・雇用形態別の待遇差を公開し、安定した雇用結果を確認できる必要があります。
福利厚生・育児・介護:4/5点
2026年のハローワーク求人では、
・雇用保険
・労災保険
・健康保険
・厚生年金
・退職金制度
・退職金共済
・単身用住宅
・世帯用住宅
・育児休業取得実績
が確認できます。
退職金は勤続3年以上、定年60歳、65歳までの再雇用制度があります。
製造工場は郊外に立地しているため、単身・世帯向け住宅を用意していることは、遠方から働く人の生活負担を軽減できます。
一方、介護休業と看護休暇について求人上の取得実績は「なし」です。育児休業についても男女別取得率や復職率までは公開されていません。
制度と育休実績、住宅支援を評価し4/5点としました。
5点には、育休取得率、介護休業利用率、復職率などの継続的な公開が必要です。
人権・ハラスメント・労使関係:2/5点
信濃高原食品は安全方針の中で、「人間の尊重」を掲げ、ILO基本条約に基づく労働安全衛生関連の法規制を遵守するとしています。
安全衛生教育や内部監査を継続する方針も明示されています。
一方、
・ハラスメント相談窓口
・内部通報制度
・相談件数
・調査件数
・是正件数
・人権研修結果
・労使協議
について対象会社単体の十分な公開情報は確認できませんでした。
「人間の尊重」という方針は評価できますが、ハラスメントや人権問題を実際に救済する仕組みの結果までは見えないため2/5点としました。
3点へ上げるには、相談窓口、研修、相談・是正実績を具体的に公開する必要があります。
労働安全・健康:6/10点
信濃高原食品は労働安全衛生方針を公開しています。
リスクアセスメントによる危険源の特定、危険有害性の低減、内部監査、マネジメントレビュー、教育・啓発などを方針に組み込んでいます。
丸善食品グループの工場では、安全な製品づくりと従業員の安全確保のため、5S検査を毎月実施しています。
大型機械を扱う飲料工場では、巻き込まれ、転倒、重量物、薬品、熱、騒音などさまざまな危険があります。
危険源を事前に評価し、定期監査・教育を行う仕組みは評価できます。
一方、信濃高原食品単体の、
・年間労働災害件数
・休業災害度数率
・重大労災
・ヒヤリハット件数
・設備別事故件数
は公開されていません。
安全管理の仕組みを評価しつつ、実際の結果が確認できないため6/10点としました。
8点へ上げるには、労災件数や休業災害度数率を年度推移で公開し、安全活動によって事故が減少していることを示す必要があります。
商品・サービスの安全:5/5点
ここは信濃高原食品の大きな強みです。
2026年6月には、同社公式サイトでFSSC22000・ISO9001の認証更新を公表しています。
食品安全・品質方針では、FSSC22000とISO9001に基づくマネジメントシステムを構築し、継続的にレビューするとしています。
丸善食品グループの品質管理では、
・製造ごとの微生物検査
・官能検査
・アレルゲン検査
・空気、機械、水の環境微生物検査
・月1回のトレースバック訓練
・定期的なトレースフォワード訓練
を実施しています。
食品事故が発生した場合に、どの設備・時間帯で製造され、どこへ出荷されたのかを追跡できることは、被害拡大を防ぐために重要です。
今回の公開情報調査では、信濃高原食品を名指しした近年の重大な大規模リコールや行政処分は確認できませんでした。
第三者認証、検査、トレーサビリティ訓練まで具体的に確認できるため5/5点としました。
従業員・元従業員の口コミ
社員口コミも確認しました。
転職会議には会社ページが存在しますが、現在「まだ投稿はありません」とされており、会社全体の職場環境を判断できる具体的な口コミ本文はありません。
Indeedにも求人・給与情報は多数掲載されていますが、調査時点では労働環境を具体的に評価できる社員レビュー本文は確認できませんでした。
Indeedの質問欄には2025年、「派遣社員には福利厚生がない」という趣旨の回答が1件ありますが、回答者の雇用関係や制度の適用範囲を独立して確認できないため、採点には直接使用していません。
SNS・匿名掲示板の確認結果
X、5ちゃんねるなどについて、「信濃高原食品」「富士小山」「残業」「退職」「パワハラ」「労災」などを組み合わせて確認しました。
今回の調査範囲では、対象会社の現在の社員・元社員であることを確認でき、採点へ利用できる具体的な投稿本文は確認できませんでした。
SNSで問題が見つからなかったことを、安全な職場である証拠とは扱いません。
Safety小計:28/50点
Innovation:14/25点
Innovationでは、大量に飲料を作れること自体ではなく、設備投資によって人の作業・危険を減らしたか、商品の品質を改善したか、その成果を働く人へ還元したかを確認します。
信濃高原食品では、大規模なアセプティック充填ラインによる製造と継続的な設備・品質改善が確認できます。一方、設備の生産性向上が社員の残業削減や休日増加へつながった結果は公開されていません。
作業負担・危険の削減:4/10点
富士小山工場には、アセプティック充填AラインとBラインがあります。
Aラインは日産96万本、Bラインは日産115.2万本の生産能力があり、Bラインは2018年に稼働しました。
大量の飲料について、充填、包装などを大型設備で処理できることは、人が一本ずつ扱う作業とは大きく異なります。
しかし企業審査では「大型機械があるから人の負担が減った」と推測するだけでは高得点にしません。
実際に、
・何人分の作業を削減したのか
・重量物作業が何時間減ったのか
・危険作業が何件減ったのか
・残業が何時間減ったのか
は公開されていません。
そのため4/10点としました。
6点以上へ上げるには、設備導入前後の作業時間や身体負担を定量的に示す必要があります。
商品・サービスの改善:5/5点
信濃高原食品は、お茶、コーヒー、果汁飲料、フレーバー水、機能性飲料、炭酸飲料、ボトルドウォーターなど多様な清涼飲料をOEM生産できます。
FSSC22000とISO9001を維持し、検査・トレーサビリティも継続しています。
大手飲料メーカーなどから依頼された商品を大量に、一定品質で製造するための設備と品質管理が整っています。
製造能力と品質管理の両面でサービス改善が確認できるため5/5点としました。
改善成果の人間への還元:0/5点
アセプティックBラインなど生産性を高める設備は導入されています。
しかし現在の製造求人でも月平均残業35時間です。
設備投資によって、
・残業が何時間減ったか
・夜勤回数が減ったか
・休日が増えたか
・基本給が上がったか
・危険作業が減ったか
という結果は公開されていません。
生産量を増やせたことと、働く人の生活が改善したことは別です。
そのため0/5点としました。
3点へ上げるには、設備投資前後の残業、休日、賃金、安全、配置人数を比較し、人への改善が複数確認できる必要があります。
研究開発・現場改善の継続:5/5点
信濃高原食品の富士小山工場は2016年に建設され、2018年にはアセプティックBラインが稼働しました。現在もFSSC22000・ISO9001の認証更新を続けています。
食品安全方針でもマネジメントシステムを継続的にレビューすると明記しています。
設備導入と品質管理が一回限りで終わっていないため5/5点としました。
Innovation小計:14/25点
Protection:14/25点
Protectionでは、地震、富士山噴火、停電、製造設備故障、サイバー攻撃などが起きても飲料を供給できるか、さらに企業の設備を地域住民の安全へ使っているかを確認します。
信濃高原食品の富士小山工場は、丸善食品グループが小山町と結ぶ防災協定の対象地域にあり、災害時の飲料・施設提供に関係しています。一方、協定の直接の締結主体は親会社であり、信濃高原食品単体のBCP・サイバー復旧情報には不足があります。
災害への備え・訓練:4/5点
丸善食品工業は小山町と、地震、風水害、富士山噴火などの災害時に救援物資や避難施設を提供する協定を締結しています。
公式資料では、小山町に丸善食品工業とグループ会社である信濃高原食品の富士小山工場があることを明記しています。
富士小山地区の施設には予備電源があり、飲料、食料品、AEDなどを提供できるとされています。
災害に備えた施設・物資が工場地域に存在することを評価しました。
一方、協定の署名主体は丸善食品工業です。
信濃高原食品単体で実施した防災訓練や、実際の災害対応回数までは確認できないため4/5点としました。
5点には、対象会社自身の訓練結果まで必要です。
生産・物流・調達の代替:3/5点
信濃高原食品富士小山工場にはA・Bの2本のアセプティック充填ラインがあります。
同じ工場内ではありますが、製造ラインが1本だけではないことは一定の冗長性があります。
一方、
・Aライン停止時にBラインで何%代替できるのか
・工場全体が停止した場合に丸善食品グループの別工場で代替できるのか
・原料・容器の代替調達先があるのか
について、信濃高原食品を対象とした具体的なBCP情報は公開されていません。
そのため3/5点です。
4点以上には、工場停止を想定した代替生産能力を数値で示す必要があります。
サイバー防衛・情報保護:1/5点
親会社の丸善食品工業は2026年9月に情報セキュリティ基本方針を制定し、不正アクセス、マルウェア、情報漏えいへの対策、バックアップ・復旧体制などを明記しています。
しかし、この方針は文面上「丸善食品工業株式会社」の役員・従業員を適用範囲としており、信濃高原食品への適用までは明記されていません。
親会社に制度があるという理由だけで、子会社へ満額加点することはできません。
信濃高原食品単体では、
・情報セキュリティ方針
・MFA
・EDR
・バックアップ
・サイバー訓練
・インシデント件数
などの具体的情報を確認できないため1/5点としました。
2点以上へ上げるには、対象会社への適用範囲と具体的対策を公開する必要があります。
供給継続・復旧能力:3/5点
富士小山工場には複数の製造ラインがあり、工場地域には非常用電源も用意されています。
このため、通常設備の一部停止や停電に対して一定の備えがあると考えられます。
一方、
・製造設備停止からの目標復旧時間
・停電時に何時間操業できるか
・原料供給停止時の代替策
・工場全体停止時の代替生産量
・過去の障害からの実復旧時間
は公開されていません。
設備と非常電源を評価しつつ、復旧結果が見えないため3/5点としました。
4点へ上げるには、災害や設備故障を想定したRTOと復旧訓練の結果を公開する必要があります。
危機時の市民への対応:3/5点
小山町との防災協定では、災害時に飲料・食料品・AEDを提供し、富士小山地区の施設を緊急避難施設として最大約1,000人収容できるとされています。
飲料メーカーの能力を通常の販売だけでなく、災害時に地域住民を守るためへ使う考え方は高く評価できます。
特に天然水、茶、スポーツドリンクを製造する工場が地域に存在することは、災害時の水分確保という直接的な利益があります。
一方、協定の直接の締結主体は親会社の丸善食品工業であり、信濃高原食品自身が何本の飲料を提供する義務を負うのか、どの施設を開放するのかまでは資料から明確に分離できません。
そのため対象会社への加点は3/5点にとどめました。
Protection小計:14/25点
良いニュース・最近の前向きな動き
信濃高原食品では2026年も食品安全認証の更新と地域交流を続けています。
飲料を購入する側にとっては、製造会社が大量生産能力を持つことだけでなく、その工場が検査、安全管理、地域との関係へ継続して資金を使っているかも重要です。
2026年6月|FSSC22000・ISO9001認証を更新【Safety】
信濃高原食品は2026年6月10日、FSSC22000とISO9001の認証更新を公表しました。
食品工場の認証は、一度取得すれば永久に有効というものではありません。
継続的な監査や管理を行い、基準を維持する必要があります。
そのため、認証の更新を継続している点は食品安全を長期的に維持する取り組みとして評価できます。
2026年|富士小山工場で地域向け感謝祭を開催【地域貢献】
2026年9月26日、信濃高原食品富士小山工場では地域住民への感謝祭を開催しました。
アトラクション、コンサート、軽食、商品の特別販売などを行っています。
食品工場は大型車両、騒音、交通など地域へ負担を与える可能性もあります。
工場を閉じた施設として扱うのではなく、地域住民との接点を継続して作る姿勢は評価できます。
食品安全の追跡訓練を継続【Safety・Protection】
丸善食品グループでは、商品を製造設備・時間帯まで遡るトレースバック訓練を月1回実施し、出荷先を追跡するトレースフォワード訓練も行っています。
食品事故が発生した場合に「どの商品が対象なのか」を早く特定できれば、必要以上に広い商品を回収することなく、危険な商品を素早く市場から除けます。
悪いニュース・問題となった動き
今回の調査では、近年の信濃高原食品について、死亡事故、大規模食品リコール、重大な行政処分などは確認できませんでした。
一方で、製造現場の労働時間と、安全対策の結果開示には明確な改善余地があります。
2026年|製造職の月平均残業35時間【Safety】
2026年8月の製造職求人では、月平均残業35時間です。
年間休日129日は良い水準ですが、休日が多くても勤務日に長時間労働が集中すれば、身体への負荷は残ります。
特に日勤・夜勤の交替勤務を行う製造職では、睡眠リズムへの影響も考える必要があります。
繁忙時は月90時間まで延長可能【Safety】
36協定の特別条項では、取引先都合の繁忙や納期ひっ迫時に、月90時間、年6回、年間720時間まで時間外労働を延長できる設定です。
これは「実際に毎月90時間残業している」という意味ではありません。
しかし、繁忙時には大幅な時間外勤務を可能とする制度設計であることは、働く人の健康を評価するうえで確認すべき情報です。
労災実績を確認できない【Safety】
会社は労働安全衛生方針、リスクアセスメント、内部監査などを詳しく公開しています。
一方、「実際に何件事故が起きたのか」は公開していません。
設備の安全性を評価するには、対策内容と同時に事故件数や負傷率を確認できることが重要です。
総合評価と、これから改善してほしいこと
信濃高原食品株式会社は現在56点、シビックランクDです。
次のCランクは60点からなので、あと4点必要です。
最大の強みはFSSC22000・ISO9001を基礎とする食品安全と品質管理です。
一方、月平均残業35時間、労災KPIの非公表、自動化成果の人への還元、サイバー・復旧情報の不足が点数を押し下げています。
残業を減らし、労働時間の実績を統一して公開する【Safety・労働時間・休息:4→6/10点】
現在は4/10点です。
最新のハローワーク求人では年間休日129日という良い条件がありますが、平均残業は35時間です。
また、会社公式採用ページには残業40時間・年間休日113日という別の数字が残っています。
まず会社として最新の労働条件を統一して公開し、平均残業を20時間程度以下へ減らしてほしいところです。
条件を満たせば4→6点、プラス2点を検討できます。
総合点は56→58点となります。
参考企業は株式会社JR東海リテイリング・プラスです。Drive上の最新版企業審査では、2025年度の平均残業7.8時間、有給取得率76.1%を会社単体で公開しており、「労働時間・休息」は8/10点です。
労災件数を公開し、安全管理の成果を示す【Safety・労働安全・健康:6→8/10点】
現在は6/10点です。
リスクアセスメント、内部監査、5S、安全衛生方針は具体的です。
一方、実際の労災件数や休業災害度数率が分かりません。
労災件数、休業災害、原因別事故を年度推移で公開し、安全管理によって事故が低水準に抑えられていることが確認できれば6→8点、プラス2点を想定できます。
この2項目だけでも、
56+2+2=60点
となり、シビックランクCへ上がります。
自動化の成果を働く人へ返す【Innovation・改善成果の人間への還元:0→3/5点】
現在は0/5点です。
日産100万本前後を生産できる大規模ラインを持ちながら、社員の平均残業は35時間です。
設備の生産性向上を、
・残業削減
・休日増加
・危険作業削減
・賃上げ
・教育時間増加
へつなげ、その結果を公開してほしいところです。
導入前後の数字で複数の改善を確認できれば0→3点、プラス3点を検討できます。
参考企業はキリングループロジスティクス株式会社です。Drive上の最新版企業審査は65点・Cで、「改善成果の人間への還元」は3/5点です。同社は業務改善・多能工化を背景に年間所定労働時間を1,920時間から1,896時間へ24時間短縮し、改善成果を社員の時間へ返したことを具体的に示しています。
防災・サイバー対策を対象会社自身の情報として公開する【Protection】
丸善食品グループには小山町との防災協定や、2026年制定の情報セキュリティ基本方針があります。
しかし、信濃高原食品単体への具体的な適用範囲が分かりにくい状態です。
信濃高原食品について、
・非常電源の稼働可能時間
・A/Bライン相互代替能力
・工場停止時の代替生産
・RTO
・バックアップ
・サイバー訓練
まで公開すれば、Protectionをさらに高く評価できます。
次のCランクへ上がるための具体例
現在56点・Dです。
Cは60点からなので、あと4点必要です。
例えば、
・労働時間・休息:4→6点 +2点
・労働安全・健康:6→8点 +2点
となれば、
56+2+2=60点
となり、シビックランクCへ上がります。
別の方法として、
・改善成果の人間への還元:0→3点 +3点
・サイバー防衛・情報保護:1→2点 +1点
でも60点です。
情報を公開しただけでは加点しません。
残業が実際に減った、労災が低水準だった、自動化の成果が社員の時間や賃金へ返った、災害・サイバー障害から目標時間内に復旧できた、といった結果が確認できた場合に再評価します。
出典一覧
| 情報源 | 主な確認内容 | 情報ランク |
|---|---|---|
| 信濃高原食品株式会社公式サイト | 会社概要、採用、安全方針、認証更新 | A |
| ハローワーク | 給与、賞与、残業、休日、福利厚生、従業員数 | S |
| 丸善食品工業公式サイト | 工場能力、品質管理、トレーサビリティ、防災協定 | A |
| gBizINFO | 法人情報 | S |
| Indeed | 求人・給与・Q&Aの補助確認 | B |
| 転職会議 | 社員口コミの有無、参考データ | B |
| マイナビ転職 | 年収例、福利厚生の補助確認 | B |
シビックランクの基準
| シビックランク | 総合得点 |
|---|---|
| S | 90~100点 |
| A | 80~89点 |
| B | 70~79点 |
| C | 60~69点 |
| D | 50~59点 |
| E | 40~49点 |
| F | 20~39点 |
| G | 0~19点 |
情報ランク
情報ランク:A
信濃高原食品は、会社公式の安全方針・採用情報に加え、ハローワークから給与、賞与、残業、休日、福利厚生など具体的な情報を確認できます。
また、FSSC22000・ISO9001、製造ライン、トレーサビリティ、安全方針など、商品安全と製造体制に関する一次情報も比較的豊富です。
一方、労働災害、離職率、男女賃金差、ハラスメント相談、自動化後の人への還元、対象会社単体のBCP・サイバー復旧については情報が不足しています。
そのため、情報の信頼性と量は高いものの、企業審査に必要な結果指標の一部が欠けていることから情報ランクAとしました。
