私たちは、企業を選ぶことで未来の社会を形作ることができます。スーパーやコンビニで「チーかま」や「ホモソーセージ」、おでん、ささみプロテインバーなどを買うことは、どのような食品メーカーに売上と需要を集め、どのような食品づくりを残していくのかという選択でもあります。
株式会社丸善の場合、そのお金は魚肉ソーセージやかまぼこ、レトルト食品をつくる工場の維持、社員の賃金や休日、研究開発、食品安全設備、災害時にも食べられる常温食品の製造などにつながります。
食品工場で働く人が十分に休める環境をつくり、異物や食中毒を防ぐ設備へ投資し、災害時にも食料を届けられる会社が選ばれれば、安全な食品と安定した暮らしを両立しやすくなります。反対に、労災や長時間労働を十分に公開・改善しなくても商品が売れ続ければ、その経営でも事業を続けることができます。
丸善は1945年創業で、現在は「ホモソーセージ」「チーかま」をはじめ、おでん、もつ煮込、牛すじ煮込、スポーツフードなどを製造しています。本社は東京都台東区上野、工場は美野里工場、埼玉工場、茨城工場の3拠点です。会社公式では従業員350人、マイナビ2027では2025年11月時点320人とされています。
働き方では、2024年度の平均勤続年数14.5年、月平均所定外労働時間7.9時間、平均有給休暇取得日数11.8日です。育児休業は女性1人中1人が取得して100%、男性は3人中1人で33.3%でした。役員・管理的地位にある44人のうち女性は3人で6.8%です。
現在の求人では年間休日117日が中心で、美野里工場の契約社員には賞与実績5か月、正社員登用制度があり、直近3年間で3人の登用実績が掲載されています。営業職では年収370万~550万円、企業年金、退職金、住宅制度、育児・介護休職制度なども確認できます。
食品安全では3工場すべてがJFS-B規格認証を取得しています。美野里工場では2002年にHACCP認定、茨城工場は2012年、埼玉工場も食品安全認証を進め、その後3工場でJFS-B認証へ移行しています。チーかまやソーセージでは、原料検査、マグネットフィルター、自動充填、レトルト殺菌、ピンホール全数検査、金属探知、重量検査まで複数段階の安全確認を行っています。
一方で、社員側の死亡労災、休業災害件数、労災度数率などは十分に公表されていません。2022年には「PROFIT SASAMI P12」4商品について、時間経過に伴う黒変のおそれが判明して自主回収を行いました。会社によれば、その時点で健康被害の申告はありませんでした。
また、BCPの訓練結果、工場停止時の目標復旧時間、サイバー攻撃への具体的な防御体制などの公開も限定的です。
これらをSafety・Innovation・Protectionの3軸で評価した結果、株式会社丸善は60点、シビックランクCとなりました。
株式会社丸善の企業審査結果
| 評価軸 | 得点 |
|---|---|
| Safety | 30/50 |
| Innovation | 18/25 |
| Protection | 12/25 |
| 総合 | 60/100 |
| シビックランク | C |
| 主な強み | 主な課題 |
|---|---|
| 月平均残業7.9時間 | 労災件数・度数率が非公表 |
| 平均勤続14.5年 | 女性管理職比率6.8% |
| 平均有休取得11.8日 | 男性育休取得率33.3% |
| 年間休日117日 | 全社員の平均給与・賃上げ率が非公表 |
| 3工場すべてJFS-B認証 | 2022年に商品自主回収 |
| ピンホール・金属・重量検査 | 自動化による作業時間削減値が不明 |
| 美野里工場へ太陽光発電導入 | BCP・復旧時間が非公表 |
| 3工場による分散製造 | サイバー防御の具体的運用が非公表 |
| 越谷市と災害時食料供給協定 | 災害時の供給量・復旧能力が不明 |
株式会社丸善とは
丸善は、魚肉ソーセージやチーかまなど、常温で保存できる食品を長期間製造してきた食品メーカーです。
単なる「おつまみメーカー」ではありません。
常温保存でき、そのまま食べられる食品を大量に製造できることは、日常の手軽なタンパク源としてだけでなく、災害時の食料にもつながります。
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社丸善 |
| 法人番号 | 5010501019269 |
| 本社 | 東京都台東区上野3丁目5番9号 |
| 創業 | 1945年 |
| 設立 | 1956年4月2日 |
| 資本金 | 1億円 |
| 代表者 | 原 壮太 |
| 従業員数 | 320~350人程度 |
| 主な事業 | 魚肉ソーセージ、かまぼこ、レトルト惣菜、スポーツフードの製造販売 |
| 工場 | 美野里工場、埼玉工場、茨城工場 |
| 研究所 | 埼玉県越谷市 |
Gビズインフォでは従業員335人、男性182人、女性137人となっています。各資料で集計時点が異なるため、単一の数字だけを現在の絶対値とは扱いません。
食生活への貢献
丸善の代表商品であるホモソーセージは魚肉を中心とした食品で、チーかまは魚肉すり身とチーズを組み合わせています。
チーかまは1960年代末から開発され、学校給食にも導入されてきました。現在まで続くロングセラーです。
こうした商品は、調理せずそのまま食べられ、常温保存もできます。
丸善では製品中心部を120℃・4分以上相当で加熱するレトルト殺菌によって、ボツリヌス菌などを含む微生物リスクを抑え、常温保存を可能にしています。
日常では手軽な食事として、災害時には火や水を使わず食べられる食料として役立つ商品です。
Safety 30/50
Safetyでは、食品を食べる人の安全と、工場や営業所で働く人の安全・生活を同時に評価します。
丸善は食品安全の仕組みと現在の平均労働時間については比較的強い数字を持っています。
一方、労災実績やハラスメント対応など、働く人の「結果」に関する情報公開は不足しています。
賃金・利益の還元 5/10
2026年の営業職求人では年収370万~550万円、昇給年1回、賞与年2回です。住宅手当、家族手当、皆勤手当などもあります。
美野里工場の契約社員求人では月給19万~26万1,000円、固定残業代なし、前年の賞与実績5か月分とされています。
2026年3月期の売上高は90億534万円とされています。
ただし、
・全社員の平均給与
・毎年のベースアップ率
・工場別平均給与
・利益増加分の社員還元率
などは公表されていません。
会社の売上が伸びたとき、その成果を働く人へどの程度戻したのかまでは判断できないため5/10点です。
労働時間・休息 8/10
2024年度の月平均所定外労働時間は7.9時間です。
平均有給休暇取得日数は11.8日、平均勤続年数は14.5年です。
現在の主要求人では年間休日117日です。
美野里工場の製造求人では2交替勤務がありますが、土日休み、GW・夏季・年末年始休暇が設定されています。
2026年6月の美野里工場求人では月平均残業15時間、茨城工場や埼玉工場では求人によって20時間程度という数字も確認できます。会社全体の平均7.9時間と、現場求人では差があるため注意が必要です。
それでも会社全体の平均残業7.9時間は食品製造会社として評価できる数字です。
年間休日が120日を超え、有給取得がさらに進めば満点を検討できます。
雇用の安定・待遇の公平性 4/5
平均勤続年数は14.5年です。
美野里工場では契約社員から正社員への登用制度があり、直近3年間で3人が正社員になったとされています。
育児休業は2024年度に女性対象者1人が取得し100%、男性は3人中1人で33.3%でした。
一方、役員・管理的地位にある44人のうち女性は3人、6.8%です。
長期勤続と正社員登用は評価できますが、女性管理職と男性育休には改善余地があるため4/5点です。
福利厚生・育児・介護 4/5
現在の営業職求人では、
・社会保険
・企業年金
・退職金
・財形貯蓄
・住宅制度
・産前産後休暇
・育児・介護休職
・再雇用制度
などがあります。
新入社員研修、工場研修、職種別・階層別研修、通信教育による自己啓発支援もあります。
制度は比較的充実しています。
一方、男性育休取得率33.3%など、利用実績にはまだ改善余地があるため4/5点です。
人権・ハラスメント・労使関係 2/5
教育制度は確認できますが、丸善単体の、
・ハラスメント相談窓口
・相談件数
・内部通報件数
・是正件数
・労使協議結果
などを十分に確認できる公開情報はありません。
食品メーカーとしての品質情報と比べると、働く人の人権や職場問題への情報公開は弱い状態です。
公開情報がない点は課題です。
そのため2/5点です。
労働安全・健康 3/10
丸善は食品工場を3拠点運営しています。
工場では大型製造設備、レトルト釜、包装設備、搬送作業などがあり、食品衛生とは別に労働災害への対策が必要です。
しかし現在の、
・死亡労災
・休業4日以上の労災
・度数率
・挟まれ事故
・転倒事故
・ヒヤリハット件数
・安全衛生教育受講率
などを確認できる公開情報はありません。
HACCPやJFS-Bは「食品を安全につくる仕組み」であり、そこで働く人が事故に遭っていない証明とは別です。
公開情報不足を考慮し3/10点です。
商品・サービスの安全 4/5
食品安全は丸善の大きな強みです。
美野里工場は2002年、茨城工場は2012年にHACCP関連認証を取得し、2019~2020年には埼玉、美野里、茨城の3工場がJFS-B規格認証を取得しました。
チーかま・魚肉ソーセージの製造では、
・原料検査
・マグネットフィルター
・自動定量充填
・高温加熱殺菌
・ピンホール全数検査
・金属探知
・重量選別
などを行っています。
一方、2022年には「PROFIT SASAMI P12」シリーズについて、時間経過で黒変する可能性が判明し自主回収を実施しました。
当時、健康被害の申し出はないと会社は発表しています。
自主回収へ対応した点は評価しますが、品質問題が発生した事実も考慮して4/5点です。
従業員・元従業員の口コミ
転職会議では投稿者集計として月平均残業32.5時間、有給消化率48.2%という数字があります。
ただし、現在の会社公表値は月平均所定外労働7.9時間であり、口コミには古い勤務経験も含まれています。
2018年頃に美野里工場等の生産関連業務で働いた投稿者からは、
「繁忙期は休日出勤もあり、さらには残業も多い」
という声がありました。
現在からかなり前の勤務経験であり、現在の実態としてそのまま採点には使っていません。
現在の求人では年間休日117日、正社員登用、賞与実績5か月など、当時とは異なる条件も確認できます。
SNS・匿名掲示板の確認結果
X、5ちゃんねるなどについて、丸善、チーかま、残業、工場、事故、パワハラ等を組み合わせて確認しました。
今回の採点を変更できるほど、投稿者の立場、対象工場、時期、事実関係を十分確認できる情報は使用していません。
SNS情報が少ないこと自体は減点していません。
Innovation 18/25
Innovationでは、人が行う作業や危険を設備でどこまで減らし、新しい食品やサービスへつなげているかを評価します。
丸善は長期間にわたって食品研究と製造設備を改善しており、この軸は比較的強い会社です。
一方、自動化によって「社員の作業時間が何時間減ったか」という人への還元は公表されていません。
作業負担・危険の削減 6/10
チーかまやソーセージの製造では、定量充填・クリップを機械が自動で行います。
その後もピンホール検査機、金属探知機、重量選別機などを使用しています。
人の目だけで異物や内容量を確認するより、機械による検査を組み合わせることで作業負担と見落としリスクを減らせます。
一方、
・自動化で作業員何人分を削減したか
・年間何時間の作業を減らしたか
・重量物作業を何kg減らしたか
・労災が何件減ったか
といった結果は公開されていません。
そのため6/10点です。
商品・サービスの改善 5/5
丸善は魚肉ソーセージからチーかま、惣菜、スポーツフードへ商品を拡大してきました。
チーかまは魚肉とかまぼこにチーズを組み合わせる開発から生まれ、長期にわたり改良されています。
近年は「PROFIT」シリーズなど、タンパク質を意識したスポーツフードも展開しています。
2025年には一部チーかま商品でアラスカシーフードのロゴも採用しています。
研究所を持ち、継続して新商品を開発しているため5/5点です。
改善成果の人間への還元 2/5
製造設備や検査装置の機械化は進んでいます。
会社全体の平均残業が2024年度7.9時間まで抑えられていることも前向きです。
しかし、
「設備導入によって残業が○時間減った」
「必要人員を減らさず休日を増やした」
「生産性向上分を賃上げへ回した」
といった因果は公開されていません。
そのため2/5点です。
研究開発・現場改善の継続 5/5
丸善は長期間にわたり製造設備と商品を更新しています。
1970年にチーかま製造ライン、1975年にレトルト設備、1999年に美野里工場を新設し、その後HACCP、JFS-Bなど食品安全体制を強化してきました。
本社とは別に研究所を置き、商品開発体制も維持しています。
継続性が明確なため5/5点です。
自動化・AI導入後の雇用状況
丸善では製造工程で自動充填や自動検査を導入しています。
一方、2026年現在も美野里工場などで人材募集を行っており、大規模な自動化による人員削減を示す公開情報は確認できません。
美野里工場では契約社員から正社員への登用実績もあります。
ただし、
・自動化前後の社員数
・配置転換人数
・再教育人数
・省人化人数
までは公表されていません。
Protection 12/25
Protectionでは、地震、停電、物流停止、サイバー攻撃などが発生しても、食品をつくり続け、市民へ届けられるかを評価します。
丸善には3工場と常温保存食品という強みがあります。
さらに自治体との災害時食料供給協定も確認できます。
一方、BCPやシステム復旧情報はほとんど公開されていません。
災害への備え・訓練 1/5
丸善公式サイトでは、家庭向けにローリングストックを推奨しています。
ホモソーセージについて、火や水を必要とせず常温で保存でき、災害時のタンパク質源になると説明しています。
ただし、丸善自身について、
・BCP
・防災訓練
・安否確認訓練
・非常電源
・工場避難訓練
・備蓄量
などの具体的な公開情報は確認できません。
商品の防災性と会社自身の防災力は別なので1/5点です。
生産・物流・調達の代替 4/5
丸善には美野里工場、埼玉工場、茨城工場の3工場があります。
製造所固有記号についても、同一製品を複数工場で製造する場合があることを公式サイトで説明しています。
一つの工場だけに全生産を集中させている企業より、供給継続には有利です。
一方、各工場の代替生産能力や原材料の複数調達状況は公開されていません。
そのため4/5点です。
サイバー防衛・情報保護 1/5
オンラインショップなどで個人情報を扱い、管理責任者を置き、アクセス権限を必要最小限に制限するとしています。
しかし、
・多要素認証
・EDR
・SOC
・CSIRT
・標的型メール訓練
・バックアップ
・復旧訓練
などの具体的なサイバー防御情報は公開されていません。
そのため1/5点です。
供給継続・復旧能力 2/5
3工場を保有し、常温食品を大量に製造できることは供給継続上の強みです。
美野里工場には2023年から自家消費型太陽光発電設備も導入し、年間約16万3,000kWh、工場使用電力量の約6.3%を賄う計画です。
ただし、この太陽光設備だけで停電時に工場を動かせるとは確認できません。
さらに、
・目標復旧時間
・非常電源
・代替物流
・工場停止時の切替時間
などは非公表です。
そのため2/5点です。
危機時の市民への対応 4/5
埼玉県越谷市は、災害時応援協定の一覧で株式会社丸善を「食料品等の供給」事業者として掲載しています。
丸善の商品は常温保存でき、火や水を使わずそのまま食べられるものが多いため、災害時の食料と相性が良い事業です。
自治体との具体的な供給関係まで確認できるため4/5点です。
一方、実際の災害時に何食供給できるか、過去に何件の支援を行ったかまでは公開されていません。
人への還元
丸善には「全従業員とその家族の生活の安定と向上」を経営理念に掲げている特徴があります。
実際、平均勤続14.5年、平均残業7.9時間、年間休日117日、退職金や企業年金、住宅制度など、長期就業を支える制度は確認できます。
これは理念がまったく制度へ反映されていない会社ではありません。
一方で、会社が強く公開しているのは食品安全です。
労災件数、賃上げ率、ハラスメント相談、社員への利益還元については、食品安全ほど透明性が高くありません。
「最高品質の食品をつくる」だけでなく、「その食品をつくる人が事故なく、十分に休み、生活を豊かにできる」結果まで公表できれば、経営理念との一致をさらに高く評価できます。
良いニュース・最近の前向きな動き
丸善では、大きな派手さはなくても、食品安全、環境対応、長期ブランドの改善を継続しています。
食品会社を選ぶ場合、こうした投資へ売上が回れば、安全性と供給力を維持する企業が市場に残りやすくなります。
2025年 チーかま55周年と新商品展開
「チーかま」は2025年に発売55周年を迎えました。
2025年3月発売商品ではアラスカシーフードのロゴを採用するなど、長期ブランドでも原料・表示面の新しい取り組みを進めています。
50年以上同じ商品を売るだけでなく、消費者ニーズへ合わせながら改良を続けている点は評価できます。
美野里工場で再生可能エネルギーを利用
美野里工場では2023年3月から太陽光パネル420枚を稼働させています。
年間計画発電量は16万3,000kWhで、工場使用電力量の6.3%、年間約74トンのCO2削減を見込んでいます。
食品製造には加熱・冷却・包装など多くのエネルギーが必要です。
製造による環境負荷を減らす取り組みとして評価できます。
現在の平均残業7.9時間
2024年度の月平均所定外労働時間は7.9時間です。
過去の従業員口コミには残業への厳しい声もありましたが、現在の会社公表数字が低い水準まで改善しているのであれば前向きな変化です。
今後も工場別・職種別に改善が続いているかを確認したいところです。
悪いニュース・問題となった動き
直近数年間で大規模な食中毒や重大行政処分を示す公開情報は、今回の調査では確認できませんでした。
一方、過去には製品自主回収があり、現在も労働安全やBCPの情報不足が残っています。
2022年 PROFIT SASAMI P12を自主回収
2022年6月、PROFIT SASAMI P12シリーズの一部商品について、時間経過に伴い黒く変色する可能性が判明し、4商品を自主回収しました。
会社は当時、健康被害の申し出はないとしていました。
食品メーカーでは、問題を一切起こさないことが理想ですが、発生した場合に対象商品を特定し、回収し、原因を品質管理へ反映することも重要です。
現在まで同様の問題が繰り返されているとは確認していません。
労災情報が公開されていない
3工場を持つ食品メーカーですが、現在の社員側の労働災害件数や度数率は公表されていません。
JFS-Bなど製品品質については具体的な認証を公開しているだけに、社員の安全についても同程度の透明性がほしいところです。
BCP・サイバー復旧情報が不足
常温保存食品をつくり、災害時の食料供給協定まで持つ会社ですが、自社工場が被災したときの復旧時間や情報システム停止時の復旧方法は公表されていません。
「災害時に役立つ商品をつくる会社」から、「災害が起きても製造を止めにくい会社」へ進めるかが今後の課題です。
総合評価と、これから改善してほしいこと
現在60点・シビックランクCです。
Bは70点からなので、次のランクまであと10点です。
最大の強みは、平均残業7.9時間という現在の働き方、3工場のJFS-B認証、多段階の食品安全検査、複数工場による製造、災害時食料供給という具体的な仕組みです。
一方、社員の労働安全、技術による負担削減の成果、BCP、サイバー対策は情報が不足しています。
労災実績を公開してほしい
現在の「労働安全・健康」は3/10点です。
改善条件は、
・死亡労災件数
・休業災害件数
・度数率
・ヒヤリハット
・安全教育実施率
・事故後の改善
を工場別または全社で毎年公開することです。
事故が少なく、改善成果まで確認できれば3→6点程度を検討できます。
+3点で総合63点です。
自動化によって人がどれだけ楽になったか示してほしい
現在の「作業負担・危険の削減」は6/10点、「改善成果の人間への還元」は2/5点です。
自動充填、ピンホール検査、金属探知、重量選別などの機械化は確認できます。
しかし、
・年間作業時間を何時間減らしたか
・何人分の単純作業をなくしたか
・危険作業を何件なくしたか
・その結果残業がどれだけ減ったか
は分かりません。
例えば「自動化で年間2,000時間削減し、その結果残業を月○時間減らした」という成果まで公開できれば、作業負担6→8点、人への還元2→4点を検討できます。
合計+4点で67点です。
男性育休と女性管理職を増やしてほしい
現在の「雇用の安定・待遇の公平性」は4/5点です。
長期勤続は強みですが、女性管理職比率は6.8%、男性育休取得率は33.3%です。
男性育休取得率の向上や女性管理職登用が進めば、働き続けやすさだけでなく、キャリア形成の公平性も高まります。
BCPと工場復旧時間を公開してほしい
現在の「災害への備え・訓練」は1/5点、「供給継続・復旧能力」は2/5点です。
3工場を持つ強みを生かして、
・美野里工場停止時にどの工場で代替するか
・何時間で代替生産できるか
・原料調達先を何社確保しているか
・非常電源を何時間使用できるか
・物流停止時の代替ルート
まで明確にできれば大きく評価できます。
災害への備え1→3点、復旧能力2→4点なら+4点です。
サイバー対策を具体化してほしい
現在の「サイバー防衛・情報保護」は1/5点です。
個人情報管理方針だけでなく、
・多要素認証
・バックアップ
・EDR
・インシデント対応チーム
・サイバー訓練
などを導入・公開すれば1→3点程度を検討できます。
次のランクへ上がる具体例
| 改善項目 | 現在 | 改善後 | 加点 |
|---|---|---|---|
| 労働安全・健康 | 3/10 | 6/10 | +3 |
| 作業負担・危険の削減 | 6/10 | 8/10 | +2 |
| 改善成果の人間への還元 | 2/5 | 4/5 | +2 |
| 災害への備え・訓練 | 1/5 | 2/5 | +1 |
| サイバー防衛・情報保護 | 1/5 | 2/5 | +1 |
| 供給継続・復旧能力 | 2/5 | 3/5 | +1 |
| 合計 | 60点 | 70点 | +10 |
この組み合わせなら総合70点となり、シビックランクBへ上がります。
丸善の商品を買うことによって、安全検査を重ね、長く保存できる食品をつくり、災害時にも食料を供給できる事業へ売上が集まります。
次に求めたいのは、食品の安全と同じくらい「そこで働く人の安全」を数字で示すことです。
製造設備の進歩が、事故削減、残業削減、休日増加、賃上げへつながっていることまで確認できれば、「安全な食品をつくる会社」から「安全な食品を、人にも無理をさせずにつくる会社」へ進むことができます。
出典一覧
1.株式会社丸善「会社概要・企業理念」
2.Gビズインフォ「株式会社丸善」
3.マイナビ2027「株式会社丸善 会社概要・働き方データ」
4.マイナビ転職「株式会社丸善 ルート営業求人」
5.美野里工場 現行採用情報
6.ハローワーク「株式会社丸善 美野里工場求人」
7.株式会社丸善「チーかまができるまで」
8.株式会社丸善「ソーセージができるまで」
9.株式会社丸善「なぜ常温保存ができるの?」
10.株式会社丸善「商品自主回収に関するお詫びとお知らせ」
11.株式会社丸善「SDGsの取り組み・再生可能エネルギー」
12.株式会社丸善「ローリングストックを始めよう」
13.越谷市「災害時における応援協定」
14.転職会議「株式会社丸善の社員口コミ」
15.株式会社丸善「チーかま55周年」
シビックランクの基準
| シビックランク | 点数 |
|---|---|
| S | 90~100点 |
| A | 80~89点 |
| B | 70~79点 |
| C | 60~69点 |
| D | 50~59点 |
| E | 40~49点 |
| F | 20~39点 |
| G | 0~19点 |
株式会社丸善は60点のため、今回のシビックランクはCです。
情報ランクの基準
| 情報ランク | 基準 |
|---|---|
| S | 公的機関、裁判所、規制当局、独立した第三者機関の調査・監査・検証・認証など、内容そのものに独立した裏づけがある情報 |
| A | 企業公式資料、採用情報、公式声明・SNS、記名取材など、発信主体を確認できる公表情報 |
| B | 従業員・元従業員の口コミ、一般SNS、匿名掲示板など、発信者の身元や対象企業との関係を独立に確認しにくい情報 |
情報ランクは、企業そのものの良し悪しを示すシビックランクとは別です。
今回の審査では、働き方についてマイナビ・ハローワーク等の現在の採用・職場情報を中心に使用し、食品安全については会社公式資料や自治体資料を中心に確認しました。
過去の従業員口コミについては、現在の公式労働時間と差が大きいため、現在の会社全体の状態を示すものではなく補助情報として扱っています。
