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株式会社ミツウロコグループホールディングスを企業審査|シビックランクA・86点/100点|平均年収1,037万円・SmartOWL・90日備蓄を評価、男女賃金差77.2%と単体労働時間開示が課題

私たちは、企業の商品を購入したり、サービスを利用したりすることで、そこで働く人たちの未来を変えることができます。

働く人に十分な賃金を払い、休暇を確保し、安全な職場をつくり、人の負担を減らす企業の商品やサービスが選ばれれば、そうした企業により多くの売上が集まります。その結果、働く人を大切にする経営を続けやすくなります。

反対に、低賃金や長時間労働、安全上の問題を改善しない企業の商品やサービスが売れ続ければ、そうした働かせ方のままでも事業を続けることができます。

だからこの企業審査では、「私たちがお金を使うなら、どの企業を選ぶことが、そこで働く人にとってより良い社会につながるのか」という視点から企業を評価します。

今回審査する株式会社ミツウロコグループホールディングスは、総合86点、シビックランクAです。

ミツウロコグループホールディングスの特に強い点は、生活インフラを止めない仕組みと、人の作業を実際に減らすDXをグループ横断で設計していることです。LPガスでは元売・国家備蓄を含め約90日分、消費者宅の軒先在庫で約60日分を確保し、24時間365日の緊急出動体制を構築しています。さらにSmartOWLでは、LPガス容器の配送先1軒あたり平均配送回数を6.6回から4.6回へ減らし、実証では配送業務時間約30%減、走行距離約20%減を確認しています。

そのため、ミツウロコグループのLPガス・電力・生活関連サービスが選ばれれば、災害時にもエネルギーを止めにくくしながら、検針や配送に使う人の時間を減らし、事故・過重労働・人手不足を技術で補う企業グループに売上が集まることになります。

一方で改善点もあります。2026年3月期の提出会社単体では平均年間給与1,037万5,000円、女性管理職比率47.4%、男性・女性とも育児休業取得率100%という強い結果がある一方、全労働者の男女賃金比率は77.2%です。正規雇用では91.5%まで縮まるものの、パート・有期労働者では38.9%となっています。また、グループ全体の月平均時間外労働15.5時間や年間平均総労働時間1,926.5時間は公開されていますが、持株会社単体の平均残業・有休取得率は確認できませんでした。

この記事では、株式会社ミツウロコグループホールディングスの強みと課題をさらに詳しく企業審査していきます。

目次

株式会社ミツウロコグループホールディングスの企業審査結果

ミツウロコグループホールディングスは、賃金、女性登用、育児支援、労働安全、LPガスの備蓄、24時間保安、SmartOWLによる省力化、複数電源・複数拠点のBCP、サイバー教育まで幅広く具体的な実績を確認できます。

一方、持株会社単体の労働時間開示、男女賃金差、SmartOWLで削減した時間の賃金・休日への還元、グループで発生している作業災害11件などは改善余地として残ります。

評価軸得点主な評価
Safety41/50平均年収1,037.5万円、女性管理職47.4%、男女育休100%、死亡災害0・重大事故0を評価。男女賃金差77.2%、単体労働時間非開示、作業災害11件が課題
Innovation22/25SmartOWLで配送回数6.6→4.6回、実証で配送時間30%・走行距離20%削減。自動検針・シェアードサービス・蓄電池を評価。削減成果の賃金・休日への還元は弱い
Protection23/25LPG約90日備蓄+軒先約60日、24時間365日緊急出動、BCP、複数拠点、電力の複数調達、標的型メール訓練を評価
総合86/100シビックランクA

主な強み

・2026年3月期の単体平均年間給与1,037万5,000円
・提出会社単体の女性管理職比率47.4%
・男性・女性の育児休業取得率100%
・グループで労災死亡0人、重大事故0件、交通事故0件
・SmartOWLでLPガス配送先1軒あたり平均配送回数6.6回から4.6回へ削減
・実証で配送業務時間約30%、走行距離約20%削減
・LPガスの元売・国家備蓄約90日分、軒先在庫約60日分
・24時間365日の緊急出動体制
・さいたま・長野の事務センター2拠点BCP
・サイバーセキュリティのeラーニングと抜き打ち標的型メール訓練
・2026年に北海道北広島の系統用蓄電所を運開予定

主な課題

・提出会社単体の全労働者の男女賃金比率77.2%
・パート・有期労働者の男女賃金比率38.9%
・持株会社単体の平均残業、有休取得率を確認できない
・グループの2024年度月平均残業15.5時間
・グループの2024年度年間平均総労働時間1,926.5時間
・2024年度の作業災害11件、休業度数率2.39
・SmartOWLで削減した時間を賃金・休日へどこまで返したかの定量開示が弱い
・2025年度の安否確認訓練は目標年2回に対し1回
・サイバー防御の技術構成や復旧時間は一部非公表

事業内容と人間への貢献

ミツウロコグループホールディングスは、グループの経営戦略・経営管理を担う持株会社です。LPガス、電力、再生可能エネルギー、飲料、飲食、住宅、物流、IT、海外セルフストレージなど、多様な生活インフラ事業を傘下企業を通じて展開しています。

今回の企業審査では、持株会社自身の雇用・賃金は提出会社単体の数値で評価し、LPガス保安、労働安全、SmartOWL、BCPなどについては、持株会社がグループ横断で方針・管理体制を設計し、子会社で運用しているものとして「持株会社の統括機能」と「子会社の実績」を区別して評価します。

基本情報

項目内容
会社名株式会社ミツウロコグループホールディングス
英文名Mitsuuroko Group Holdings Co., Ltd.
設立1926年5月10日
代表者代表取締役社長 CEO 田島 晃平
本社東京都中央区京橋3丁目1番1号
資本金70億77百万円
主な事業持株会社としてグループの経営戦略・経営管理
2026年3月末の提出会社従業員数74人
2026年3月末の連結従業員数1,759人
2026年3月期単体平均年間給与1,037万5,000円
平均年齢41.0歳
平均勤続年数8.1年

2026年3月31日時点の有価証券報告書では提出会社74人ですが、現在の公式会社概要では25人と表示されています。集計時点・人員配置の違いがあるため、平均給与など2026年3月期の指標は有価証券報告書の74人を基準に扱います。

情報ランク:S・A。

エネルギー・電力を生活へ届ける

グループはLPガス、都市ガス、石油製品、電力、風力、バイオマス、太陽光などを扱っています。家庭の調理・給湯だけでなく、企業や店舗の事業継続にも関わるサービスです。

特にLPガスは容器単位で運べるため、大規模災害で都市ガスや電力網が停止した場合にも個別復旧しやすい特徴があります。

食品・飲料・生活サービスまで展開

グループには飲料水製造、ベーカリー、カフェ、施設運営、住宅・不動産、物流などの事業もあります。

エネルギー会社というより、「暮らしを支える複数のインフラを一つのグループで持つ」ことが同社の特徴です。

持株会社としてグループ横断の管理を担う

持株会社は自らLPガス容器を配送したり発電所を運転したりする会社ではありません。

その代わり、リスク管理委員会、サステナビリティ、法務、内部監査、コンプライアンス、人的資本、情報セキュリティなどをグループ横断で統括しています。2026年1月には内部通報制度を海外子会社まで対象とするグループ規程へ改め、エシックス&コンプライアンス審議会も設置しました。

Safety 41/50

Safetyでは、持株会社自身の賃金・育児支援・公平性に加え、持株会社がグループ横断で管理する労働安全、人権、商品・サービス安全を確認しました。

平均年収、女性管理職比率、育児休業、安全衛生管理はかなり強い一方、単体の労働時間開示、男女賃金差、グループの作業災害は改善余地として残ります。

賃金・利益の還元:9/10

2026年3月期の提出会社単体の平均年間給与は1,037万5,000円です。平均年齢41.0歳、平均勤続年数8.1年で、賞与と基準外賃金を含む平均値です。

持株会社で専門職・管理部門が中心という人員構成の影響はあるものの、平均給与水準としては非常に高く、働く人への金銭的還元を強く評価できます。

一方、職位別の固定給引上げ率、賃金中央値、一般社員のベースアップ率までは確認できませんでした。

そのため9/10点です。

情報ランク:S。

労働時間・休息:7/10

グループの2024年度実績では、従業員1人あたりの月平均時間外労働は15.5時間、年間平均総労働時間は1,926.5時間、有給休暇の平均取得日数は12.6日です。

月15.5時間という残業水準は極端な長時間労働ではなく、有休も年間12日以上取得されています。

一方、これらはグループデータであり、持株会社単体74人の平均残業、有休取得率、年間総労働時間は確認できませんでした。またグループの年間平均総労働時間は2023年度1,835.5時間から2024年度1,926.5時間へ増加しています。

持株会社単体の実績を確認できないことを考慮して7/10点です。

情報ランク:A。

雇用の安定・待遇の公平性:4/5

2026年3月末の提出会社単体では、労働者に占める女性比率48.0%、管理的地位にある女性比率47.4%です。

女性比率と女性管理職比率がほぼ同じ水準にあり、女性が管理職へ進みにくい構造は比較的小さいと評価できます。

一方、男女賃金比率は全労働者77.2%です。正規雇用では91.5%まで縮まりますが、パート・有期労働者では38.9%です。

これは同一職務の男女に異なる賃金を払っていることを直接示す数字ではありませんが、雇用形態・職位などの構成差が大きな賃金差として現れていることは課題です。

そのため4/5点です。

情報ランク:S。

福利厚生・育児・介護:5/5

2026年3月期の提出会社単体では、男性労働者の育児休業取得率100%、女性も100%です。

グループ全体でも2025年度の男性育児休業取得率は86.5%まで上昇し、女性は100%を維持しています。

また、グループでは育児短時間勤務、介護休職、帯同休職、リフレッシュ制度なども設けています。2024年度の育児休職取得者の復職率は100%です。

制度の存在だけでなく、実際の取得率まで高いため5/5点です。

情報ランク:S・A。

人権・ハラスメント・労使関係:4/5

グループ人権方針では、差別・ハラスメント、児童労働、強制労働を禁止し、結社の自由・団体交渉権も尊重しています。

2026年3月末の全ミツウロコ労働組合の組合員数は701人で、有価証券報告書では労使関係は円滑とされています。

2026年1月には内部通報制度を海外子会社まで対象とするグループ規程へ改め、社外法律事務所、人事、内部監査室を窓口とする体制へ変更し、処分の公平性を審議するエシックス&コンプライアンス審議会も設置しました。

一方、ハラスメント相談件数、認定件数、是正件数などの結果は毎年比較できる形では十分に公開されていません。

そのため4/5点です。

情報ランク:S・A。

労働安全・健康:8/10

グループはOSHMSを用いて全社共通の安全衛生管理を行い、リスクアセスメントや専門職による事業所巡回を実施しています。

2024年度は労災による死亡者0人、重大事故0件、交通事故0件です。作業災害は11件で、前年から減少しています。休業度数率は2.39、強度率は0.038です。

健康面では定期健康診断受診率100%を継続しています。

死亡・重大事故・交通事故ゼロと、作業災害の減少を評価します。

一方、作業災害11件は残っており、持株会社単体の安全衛生結果はグループデータから分離して確認できません。

そのため8/10点です。

情報ランク:A。

商品・サービスの安全:4/5

LPガスでは27か所の充填所、77か所の小売店舗、コールセンター、SmartOWLによる保安情報収集などを組み合わせて安全管理しています。電力では発電所に24時間交替制で従業員を配置し、本社からの遠隔監視も行っています。

フーズ事業ではHACCPチームを編成し、ロットごとの微生物・官能検査や外部機関による原水・製品検査を行っています。

持株会社自身が商品を製造・配送するわけではありませんが、食品品質管理委員会やグループ横断のリスク管理を持株会社が統括していることも確認できます。

複数事業で安全管理が具体化されているため4/5点です。

情報ランク:A。

従業員・元従業員の口コミ

転職会議では、ミツウロコグループホールディングス単体の口コミは4件と少なく、投稿者集計で残業20時間、有休消化率40%と表示されています。

確認できる具体的な口コミは2011~2012年頃の勤務経験を基にした古い内容が中心で、休日にも顧客や上司から連絡が入り休みにくかったという投稿があります。

ただし、現在の持株会社は人員構成・業務内容が当時と大きく異なる可能性があり、2026年の会社実態へそのまま一般化しません。

現在の公式データでは育休100%、女性管理職47.4%など改善した結果も確認できるため、口コミは過去の補助情報としてのみ扱います。

情報ランク:B。

SNS・匿名掲示板の確認結果

X、5ちゃんねる、爆サイについて、「ミツウロコグループホールディングス」「残業」「給料」「事故」「退職」「パワハラ」などを組み合わせて確認しました。

今回の検索範囲では、2026年時点の提出会社社員・元社員であることや勤務時期を確認でき、採点に利用できる具体的な投稿本文は確認できませんでした。

「株式会社ミツウロコ」や各事業会社の口コミは存在しますが、別法人の口コミを持株会社単体の採点へ流用していません。

Innovation 22/25

Innovationでは、持株会社がグループ全体へ導入しているデジタル技術や業務改善が、人の作業時間と危険を実際に減らしているかを確認しました。

SmartOWLは、単なるIoT導入ではなく、配送回数・配送時間・走行距離まで削減効果が確認されているため高く評価できます。

作業負担・危険の削減:9/10

SmartOWLはLPガスメーター情報を自動取得し、従来人が訪問していた検針を遠隔化します。さらに、ガス残量から最適な容器交換日を算出し、配送計画を効率化します。

グループ企業で導入前後を比較すると、配送先1軒あたりの平均配送回数は年間6.6回から4.6回へ減少しています。過去の実証では配送業務時間約30%減、走行距離約20%減を達成しました。

検針訪問、トラック運転、容器交換の回数を実際に減らしているため、労働時間だけでなく交通事故・重量物取扱いの機会も減らせる改善です。

非常に具体的な結果があるため9/10点です。

情報ランク:A。

商品・サービスの改善:5/5

SmartOWLによる自動検針・配送最適化に加え、グループは再生可能エネルギー、デマンドレスポンス、系統用蓄電池、電力小売、太陽光などへ事業を広げています。

2026年には北海道北広島第一蓄電所の運開が予定され、出力1,534kW、容量7,834kWhの蓄電池を電力系統へ投入する計画です。

エネルギーの供給量だけでなく、需給調整・効率化・再エネ利用へ機能を広げているため5/5点です。

情報ランク:A。

改善成果の人間への還元:3/5

SmartOWLによって配送時間を約30%減らし、配送回数も年間約2回/軒減らしているため、「人が使っていた時間を取り戻した」という成果自体は確認できます。

同社はその効果を労働力不足の補完と明示しています。

一方、その削減時間によって配送員の年間総労働時間、残業、休日、賃金が導入前後でどう変わったかは公開されていません。

「より少ない人数で同じ仕事をする」だけでは、人への還元とはいえません。削減した時間を休息や賃金へ返した結果まで確認できれば満点を検討できます。

そのため3/5点です。

情報ランク:A。

研究開発・現場改善の継続:5/5

2018年からLPガス配送効率化の大規模実証を行い、2019年にIoTメーターサービスを商用化、2021年にSmartOWL配送効率化ソリューションを開始しています。さらに4件の特許技術を活用し、外部LPガス事業者へも展開しています。

電力分野でもデマンドレスポンス、系統用蓄電池、再生可能エネルギー開発を継続しています。

複数年にわたり、実証、商用化、外販、設備拡大まで進めているため5/5点です。

情報ランク:A。

Innovation小計:22/25点

Protection 23/25

Protectionでは、災害・停電・ガス供給停止・サイバー攻撃が起きても生活インフラを維持できるかを確認しました。

ミツウロコグループは、LPガス備蓄、24時間保安、複数元売・複数電源、事務センター2拠点化、BCP、安否確認、サイバー訓練まで具体的に整備しており、今回の審査で最も強い分野です。

災害への備え・訓練:5/5

グループは大規模災害に備えBCPと災害対応マニュアルを策定し、安否確認訓練、事故対応訓練、出動訓練を実施しています。

2023年度と2024年度の安否確認訓練は年2回実施しました。2025年度は1回で、目標年2回には届いていません。

LPガス容器の流出防止では、充填所に防災ネット・ラッシングベルトを備え、浸水リスク地域では容器チェーンの二重掛けや放出防止型高圧ホースを進めています。

訓練と設備対策の両方が確認できるため5/5点です。

情報ランク:A。

生産・物流・調達の代替:5/5

LPガスは複数の輸入元売会社と年間調達契約を結び、元売備蓄と国家備蓄で約90日分、消費者宅の軒先在庫で約60日分を確保しています。石油製品も複数元売会社から調達しています。

電力でも自社発電、長期契約調達、再生可能エネルギー、蓄電池など複数の供給手段を持っています。

一つの供給元・一つの設備だけに依存しない構造が具体的に確認できるため5/5点です。

情報ランク:A。

サイバー防衛・情報保護:4/5

持株会社とグループ子会社が一体となった情報セキュリティ体制を構築し、不正侵入防止などの技術対策へ予算・人員を確保しています。

契約社員・協力会社を含むグループ役職員へ年1回のeラーニングを行い、抜き打ちの標的型攻撃メール訓練も実施しています。グループ会社にも一定基準以上のセキュリティツールと運用を求めています。

一方、MFA・EDR・SOC・バックアップ分離・侵入テスト・復元訓練の結果など、技術的な防御構成のすべてが外部から確認できるわけではありません。

そのため4/5点です。

情報ランク:A。

供給継続・復旧能力:5/5

ガス漏れなどに備え、24時間365日の緊急出動体制を構築しています。

グループ各社の事務業務を集約する「ミツウロコ事務センター」は、さいたま市と長野の2拠点体制で、さいたま側が機能しない場合にはBCPプログラムを発動し、非常時業務へ切り替える仕組みです。

また、LPガスは容器単位で個別復旧でき、電力は送配電会社との連携、自社発電所の24時間監視などを組み合わせています。

代替調達、複数拠点、緊急対応、遠隔監視が揃っているため5/5点です。

情報ランク:A。

危機時の市民への対応:4/5

LPガスは災害時にも容器単位で供給できる分散型エネルギーであり、ミツウロコグループは災害用バルク、発電機、GHPなどの災害対策支援を全国の販売ネットワークで推進しています。

全国ミツウロコ会は約1,800社で構成され、約80万世帯との接点を持っています。

地域の生活インフラを復旧・維持する土台としては非常に強い一方、持株会社単体の直近災害について、避難所へ何件・何台・何人を支援したかという定量実績までは十分に確認できません。

そのため4/5点です。

情報ランク:A。

Protection小計:23/25点

良いニュース・最近の前向きな動き

最近の前向きな動きでは、創立100周年を迎えながら、エネルギー供給を「ガスを届ける会社」から「デジタル・蓄電池・再エネを組み合わせる会社」へ変えている点が目立ちます。

2026年:創立100周年

ミツウロコグループホールディングスは2026年5月に創立100周年を迎えました。創業は1886年で、グループとしては140年の歴史があります。

長期間続いていること自体では加点しませんが、石炭・ガスから電力、再エネ、DX、生活サービスへ事業を変えながら生活インフラを維持してきた継続性はProtectionとInnovationの背景として評価できます。

2026年:北海道北広島第一蓄電所を運開予定

ミツウロコグリーンエネルギーは、北海道北広島市に出力1,534kW、容量7,834kWhの系統用蓄電所を2026年に運開する計画です。

太陽光・風力は天候によって発電量が変わるため、蓄電池があれば電力を貯めて需給を調整できます。

再生可能エネルギーを増やしながら電力系統を安定させる投資として評価できます。

2026年1月:内部通報・コンプライアンス体制を再構築

2026年1月、内部通報運用規程とコンプライアンス規程を海外子会社まで対象とするグループ規程へ改めました。外部法律事務所への通報窓口も見直し、エシックス&コンプライアンス審議会を新設しています。

制度を置くだけでなく、調査・処分決定の公平性まで仕組みに入れたことを評価します。

悪いニュース・問題となった動き

今回確認した範囲では、2026年に持株会社自身が起こした重大な死亡事故や大規模リコール、重大行政処分は確認できませんでした。

一方、強い会社であるからこそ、数字として残っている賃金差と労働災害、単体データの不足は明確に改善すべき課題です。

2026年3月期:全労働者の男女賃金比率は77.2%

提出会社単体の女性管理職比率は47.4%と非常に高い一方、全労働者の男女賃金比率は77.2%です。正規雇用では91.5%ですが、パート・有期労働者では38.9%です。

女性管理職を増やすだけでなく、雇用形態・職種・労働時間など何が賃金差を生んでいるかを分解し、是正結果まで公開することを期待します。

2024年度:作業災害11件

グループでは2024年度の死亡災害0人、重大事故0件、交通事故0件を達成した一方、作業災害は11件、休業度数率は2.39でした。

前年より作業災害は減少していますが、LPガス配送、充填、物流、製造など危険を伴う仕事を持つ以上、ゼロへ近づける継続改善が必要です。

グループの年間総労働時間が増加

グループの従業員1人あたり年間平均総労働時間は2023年度1,835.5時間から2024年度1,926.5時間へ増えています。月平均時間外労働も15.0時間から15.5時間へわずかに増えました。

事業構成や集計範囲の影響も考えられるため単純に悪化と断定はしませんが、SmartOWLなどで生産性を上げている企業だからこそ、技術改善が総労働時間の短縮につながっていることを示す必要があります。

総合評価と、これから改善してほしいこと

現在の総合評価は86点、シビックランクAです。

次のSランクは90点からなので、あと4点必要です。

ミツウロコグループホールディングスは、平均給与、育児支援、女性登用、安全管理、DX、BCPの多くで高い水準にあります。

Sランクへ上がるためには、すでにある制度を増やすより、男女賃金差、労働時間、作業災害、DX成果の人への還元をさらに改善し、「良い仕組みが実際に人の生活を良くした」と数字で示すことが重要です。

男女賃金差を縮める:雇用の安定・待遇の公平性 4→5/5

現在の「雇用の安定・待遇の公平性」は4/5点です。

女性管理職比率47.4%は強い一方、全労働者の男女賃金比率77.2%、パート・有期労働者38.9%には改善余地があります。

改善条件は、職種・職位・労働時間・雇用形態ごとに賃金差の原因を開示し、全労働者の比率を90%以上へ近づけることです。

その場合、

現在4/5 → 5/5

加点:+1点

総合:86→87点

ランク:Aのまま

を想定できます。

DXで削減した時間を休日・総労働時間へ返す:改善成果の人間への還元 3→5/5

現在の「改善成果の人間への還元」は3/5点です。

SmartOWLは配送時間約30%減、配送回数6.6回から4.6回という非常に強い成果があります。

改善条件は、導入した配送会社・部署で、残業時間、年間総労働時間、年間休日、賃金が導入前後でどう変わったかを公開することです。

その場合、

現在3/5 → 5/5

加点:+2点

総合:86→88点

ランク:Aのまま

を想定できます。

参考企業はキリングループロジスティクス株式会社です。当サイトの既存審査では、業務改善を年間所定労働時間1,920時間から1,896時間への24時間短縮につなげた点を評価しています。

作業災害をさらに減らす:労働安全・健康 8→9/10

現在の「労働安全・健康」は8/10点です。

死亡0、重大事故0、交通事故0は強い一方、作業災害11件と休業度数率2.39が残ります。

改善条件は、作業災害をさらに減らし、休業度数率を継続的に改善し、事故原因別の再発防止成果まで公開することです。

その場合、

現在8/10 → 9/10

加点:+1点

総合:86→87点

ランク:Aのまま

を想定できます。

Sランクへ上がる具体例

現在86点・Aです。

Sは90点からなので、あと4点です。

例えば、

・雇用の安定・待遇の公平性:4→5点 +1
・改善成果の人間への還元:3→5点 +2
・労働安全・健康:8→9点 +1

をすべて実現すれば、

86点→90点

となり、シビックランクAからSへ上がります。

ミツウロコグループホールディングスは、災害時にもエネルギーを止めない仕組みと、SmartOWLで人の仕事を実際に減らす技術を持っています。

次に期待したいのは、その技術と利益によって「働く時間が減った」「賃金差が縮まった」「作業災害が減った」という成果まで人へ返すことです。

現時点の総合評価は86点/100点、シビックランクAです。

出典一覧

1.株式会社ミツウロコグループホールディングス「会社概要」
2.株式会社ミツウロコグループホールディングス「第117期 有価証券報告書」
3.株式会社ミツウロコグループホールディングス「ESGデータ」
4.株式会社ミツウロコグループホールディングス「事業領域」
5.株式会社ミツウロコグループホールディングス「社会/KPI」
6.株式会社ミツウロコグループホールディングス「エネルギー・電力の安定供給」
7.株式会社ミツウロコグループホールディングス「防災対策」
8.株式会社ミツウロコグループホールディングス「産業保健・労働安全衛生」
9.株式会社ミツウロコグループホールディングス「お客様の安全確保・品質管理」
10.株式会社ミツウロコグループホールディングス「SmartOWLによるLPガス業務効率化」
11.株式会社ミツウロコグループホールディングス「SmartOWL実証結果」
12.株式会社ミツウロコグループホールディングス「再生可能エネルギー・系統用蓄電所」
13.株式会社ミツウロコグループホールディングス「沿革」
14.株式会社ミツウロコグループホールディングス「サイバーセキュリティ」
15.株式会社ミツウロコグループホールディングス「人権の尊重」
16.株式会社ミツウロコグループホールディングス「コンプライアンス/リスクマネジメント」
17.株式会社ミツウロコグループホールディングス「2026年提出 有価証券報告書 人的資本KPI」
18.転職会議「株式会社ミツウロコグループホールディングス 社員口コミ」
19.株式会社ミツウロコグループホールディングス「水セキュリティ/事務センターBCP」
20.株式会社ミツウロコグループホールディングス「地域社会/全国ミツウロコ会」
21.株式会社ミツウロコグループホールディングス「創立100周年特設サイト」

シビックランクの基準

ランク点数
S90~100点
A80~89点
B70~79点
C60~69点
D50~59点
E40~49点
F20~39点
G0~19点

情報ランクの基準

情報ランク基準
S公的機関、裁判所、規制当局、独立した第三者機関の調査・監査・検証・認証など、内容そのものに独立した裏づけがある情報
A企業公式資料、採用情報、公式声明・SNS、氏名・役職・立場を確認できる記名取材や公表発言など、発信主体を確認できる公表情報
B従業員・元従業員の口コミ、一般SNS、匿名掲示板など、発信者の身元や対象企業との関係を独立に確認しにくい情報

情報ランクは企業そのものの良し悪しではなく、個々の情報の出どころと検証状態を示します。

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