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株式会社ミツウロコフーズを企業審査|シビックランクC・65点|食品安全・災害時の飲料供給を評価、労働KPI・自動化成果還元の開示が課題

私たちは、企業の商品を購入したり、サービスを利用したりすることで、そこで働く人たちの未来を変えることができます。

働く人に十分な賃金を払い、休暇を確保し、安全な職場をつくり、人の負担を減らす企業の商品やサービスが選ばれれば、そうした企業により多くの売上が集まります。その結果、働く人を大切にする経営を続けやすくなります。

反対に、低賃金や長時間労働、安全上の問題を改善しない企業の商品やサービスが売れ続ければ、そうした働かせ方のままでも事業を続けることができます。

だからこの企業審査では、「私たちがお金を使うなら、どの企業を選ぶことが、そこで働く人にとってより良い社会につながるのか」という視点から企業を評価します。

今回審査する株式会社ミツウロコフーズは、総合65点、シビックランクCです。

株式会社ミツウロコフーズの特に強い点は、傘下の飲料・食品事業で食品安全管理と災害時の飲料水供給を具体的に進めていることです。ミツウロコビバレッジの3工場ではJFS-B、静岡ミツウロコフーズの工場ではFSSCを取得し、ロットごとの微生物・官能検査、外部機関による原水・製品検査などを実施しています。

そのため、この企業が統括する飲料や食品、店舗サービスを利用すれば、食品の大量生産だけを重視するのではなく、検査、品質管理、水質対策、災害時の飲料供給にもお金を使う食品事業に強い社会になる可能性が高まります。

一方で、改善点としてミツウロコフーズ本体の労働実績と、設備改善による成果の人への還元が残ります。2026年の正社員求人では年間休日122日、1日7時間30分勤務、育休後復帰率100%、想定年収500万~800万円という条件を確認できますが、本体12人について平均残業時間、有給取得率、平均給与、離職率、労働災害件数などの会社単体KPIは公表されていません。

この記事では、株式会社ミツウロコフーズの強みと課題をさらに詳しく企業審査していきます。

目次

株式会社ミツウロコフーズの企業審査結果

ミツウロコフーズは、自ら大規模工場や多数の飲食店を直接運営する会社というより、ミツウロコグループのフード&プロビジョンズ事業を統括する会社です。

2026年時点の社会保険被保険者数は12人ですが、傘下には従業員65人のミツウロコビバレッジ、510人のミツウロコプロビジョンズなどがあり、飲料製造、ベーカリー、カフェ、売店、レストランなどの事業を展開しています。

評価軸得点満点
Safety2850
Innovation1725
Protection2025
総合65100
シビックランクC—

株式会社ミツウロコフーズとは

株式会社ミツウロコフーズは2017年設立、資本金1億円、本社は東京都中央区京橋にあります。株主は株式会社ミツウロコグループホールディングス100%です。

2022年4月に旧「株式会社ミツウロコヴォイジャーズ」から現在の社名へ変更されました。

公式サイトでは、飲料事業、ショップ&レストラン事業、ベーカリー・カフェ事業などを統括する会社と説明しています。

飲料・食品事業を束ねる

ミツウロコフーズ傘下では、ミツウロコビバレッジが山梨県の鳴沢・山中湖と岐阜県養老で天然水などを製造しています。

ミツウロコプロビジョンズは企業、学校、病院、ホテル、公共施設などで100を超える売店・食堂を運営しています。

さらに、ミツウロコパートナーズを通じ「元町珈琲」などのカフェ事業も展開しています。

ミツウロコフーズは、こうした複数の食品事業会社の経営・財務・品質管理を束ねる役割を持っています。

Safety:28/50点

Safetyでは、ミツウロコフーズ本体で働く人の賃金、休暇、雇用、福利厚生、人権、安全を確認すると同時に、同社が統括するフーズ事業の商品安全についても評価します。

本体の求人条件は比較的良好ですが、社員12人の実際の平均残業や離職率などは公開されていません。一方、食品安全についてはグループ全体でかなり具体的な仕組みを確認できます。

賃金・利益の還元:5/10点

2026年6月に掲載された財務経理職の求人では、月給31万2,500~50万円、想定年収500万~800万円、賞与年2回・計4カ月分となっています。固定残業代ではなく基本給として提示されています。

責任者候補という条件を考慮する必要はありますが、本体正社員について具体的な賃金水準を確認できることは加点材料です。

一方、これは一つの中途採用職種です。

会社全体について、

・平均給与
・給与中央値
・新卒・若手社員の給与
・既存社員のベースアップ率
・利益に対する人件費比率

は公表されていません。

高い給与の求人が一つ存在することだけで、12人全員へ十分な利益還元が行われているとは判断できません。

そのため5/10点としました。

7点以上へ上げるには、社員全体の平均・中央値、賃上げ率などを継続的に公開する必要があります。

労働時間・休息:5/10点

同じ正社員求人では、9時30分~18時、所定労働時間7時間30分、年間休日122日、土日祝休み、年末年始6日となっています。

1日の所定労働時間が8時間未満で、年間休日122日ある点は評価できます。

一方、求人には「残業あり」とあるものの、月平均残業時間は示されていません。

また、

・全社員の平均残業
・有給取得率
・休日出勤
・長時間労働者数

も対象会社単体では公開されていません。

制度上の勤務時間と休日を評価しつつ、実際に何時間働いているかを確認できないため5/10点としました。

7点以上へ上げるには、会社単体の平均残業、有給取得率、年間総実労働時間を公開し、良好な結果を確認できる必要があります。

雇用の安定・待遇の公平性:3/5点

gBizINFOでは社会保険被保険者数12人です。

2026年の求人は正社員・期間の定めなしで、静岡工場の設備投資や販売数量増加を背景とした「増員採用」と説明されています。将来的には財務経理部長への昇進機会も示されています。

人員削減ではなく事業拡大に対応する採用である点を評価しました。

一方、

・離職率
・平均勤続年数
・男女賃金差
・男女別管理職比率
・採用者の定着率

はミツウロコフーズ単体では確認できません。

そのため3/5点です。

4点以上には、少人数企業であっても定着率や待遇差の公開が必要です。

福利厚生・育児・介護:4/5点

2026年求人では、

・健康保険
・厚生年金
・雇用保険
・労災保険
・退職金
・確定拠出年金
・寮・社宅
・家族手当
・グループ団体保険
・保養所
・出産・育児支援制度
・再雇用制度

などを確認できます。

4~9月入社では有給休暇20日が付与され、育児休業取得実績があり、育休後復帰率100%とされています。

制度はかなり充実しています。

一方、対象会社全体の男女別育休取得率や介護休業利用率は公開されていないため4/5点としました。

人権・ハラスメント・労使関係:4/5点

ミツウロコグループ人権方針では、差別・ハラスメント禁止、強制労働・児童労働禁止、労働基本権の尊重、ワークライフバランス支援などを明記しています。

全役員・従業員を対象にハラスメント研修を実施し、2025年度も全社員対象のハラスメント研修と人権研修を各1回実施しています。

また、海外を含む全グループ従業員が利用できる内部・外部通報窓口も設置されています。

グループ制度が明確に全社員を対象としているため高く評価します。

一方、ミツウロコフーズ単体の相談件数、認定件数、是正件数は公開されていません。

制度の存在だけでなく結果まで確認する必要があるため4/5点としました。

労働安全・健康:3/10点

ミツウロコグループでは全社共通の労働安全衛生マネジメントシステムを運用し、リスクアセスメントや専門職による各社・拠点巡回を行っています。

2024年度のグループ全体では、労災死亡者0人、重大事故0件、作業災害11件でした。作業災害は2021年度29件から減少しています。

グループとして安全管理を行っていることは評価できます。

ただし、この11件のうちミツウロコフーズ本体が何件なのかは分かりません。

本体12人について、

・労災件数
・休業災害
・健康診断受診率
・ストレスチェック結果
・メンタル休職

などは会社単体で公開されていません。

そのため3/10点としました。

商品・サービスの安全:4/5点

フーズ事業では、ミツウロコビバレッジの山中湖・鳴沢・岐阜養老工場がJFS-B、静岡ミツウロコフーズの庵原・興津工場がFSSCを取得しています。

HACCPチームを編成し、完成品をロットごとに抜き取り、微生物検査・官能検査を実施しています。原水・製品について外部公的機関による検査も行っています。

2026年にもミツウロコビバレッジと静岡ミツウロコフーズがPFAS検査結果を公開しています。

一方、2025年7月には、静岡ミツウロコフーズ庵原工場が製造したチェリオ「喫茶店の味 ミックスフルーツオレ」の一部でキャップ部にカビが確認され、自主回収が行われました。

内容液にはカビは確認されず、第三者機関の分析では摂取しても健康被害につながらないことが確認されていますが、食品製造上の品質問題として無視できません。

安全認証と検査体制を高く評価する一方、直近の自主回収を考慮して4/5点としました。

従業員・元従業員の口コミ

ミツウロコフーズ単体について、転職会議では口コミとして登録されているのは面接・選考1件のみで、実際に働いた社員による賃金、残業、人間関係、福利厚生などのレビューは確認できませんでした。

Yahoo!しごとカタログにも会社口コミは掲載されていません。

そのため、社員口コミから「働きやすい」「働きにくい」と判断することはできません。

SNS・匿名掲示板の確認結果

X、5ちゃんねるなどについて、「ミツウロコフーズ」「給与」「残業」「退職」「パワハラ」「労災」などを組み合わせて確認しました。

今回の検索範囲では、ミツウロコフーズ本体の現社員・元社員であることを確認でき、採点根拠として利用できる具体的な投稿は確認できませんでした。

口コミがないことを問題が存在しない証拠とは扱いません。

Safety小計:28/50点

Innovation:17/25点

Innovationでは、新しい製造設備や店舗サービスを導入したこと自体ではなく、人の作業や危険をどこまで減らし、利用者に新しい価値を提供し、その成果を働く人へ還元したかを評価します。

ミツウロコフーズでは傘下企業を通じ、飲料工場への大規模投資や食品事業再編を進めています。特に2025年に稼働した新ラインは、製造能力の増加と少人数運転の両方を意識した設備となっています。

作業負担・危険の削減:7/10点

2025年7月、静岡ミツウロコフーズ庵原工場で新しいミネラルウォーター製造ラインが本格稼働しました。

新ラインでは、設備や搬送コンベヤを小型化して省スペース化し、少人数でのオペレーションを可能にする設計とされています。500mlと2LのPETボトルに対応し、1分間最大300本を製造できます。

生産能力はグループ全体で従来比約2倍になる見込みです。

さらに2025年度には庵原工場で自動ラップ倉庫の工事も進められています。

人が大量の飲料を手作業で運搬・包装する負担を機械へ移す方向性は高く評価できます。

一方、

・必要人員が何人から何人へ減ったか
・重量物作業が何時間減ったか
・残業が何時間減ったか
・負傷件数が何件減ったか

という結果は公開されていません。

そのため7/10点としました。

9点以上へ上げるには、人間側の改善結果まで数値で示す必要があります。

商品・サービスの改善:5/5点

新ラインではPFASなどの水質汚染物質を除去する活性炭ろ過装置を導入しました。

製造能力を拡大するだけでなく、水質リスクそのものへの対策設備を組み込んでいます。

また、フーズ事業全体ではミネラルウォーターだけでなく、茶系飲料、果汁飲料、ベーカリー、カフェ、施設内売店・食堂などを展開しています。2024年度のフーズ事業売上高は211億61百万円、営業利益8億99百万円でした。

消費者が利用できる商品・サービスを継続的に広げながら食品安全も強化しているため5/5点としました。

改善成果の人間への還元:0/5点

新ラインは少人数で運転でき、生産能力も約2倍になるとされています。

しかし、その生産性向上によって、

・社員の残業が減った
・休日が増えた
・賃金が上がった
・危険作業が減った
・余った時間を教育へ回した

という結果は公開されていません。

人員を少なくして生産量を増やすだけなら、必ずしも働く人への利益とはいえません。

改善によって得た余力を、人の時間・賃金・安全へ返したことを確認できないため0/5点としました。

3点へ上げるには、新ライン導入前後の残業、配置人数、休日、賃金、労災を比較して公開する必要があります。

研究開発・現場改善の継続:5/5点

飲料事業では2004年の全自動充填設備導入、山中湖工場の稼働、複数工場への展開を経て、2025年にも新しいミネラルウォーターラインを導入しています。

食品安全認証や外部検査も継続しています。

一回の設備投資だけではなく、長期的に設備、品質管理、商品開発を更新しているため5/5点としました。

Innovation小計:17/25点

Protection:20/25点

Protectionでは、地震、豪雨、停電、工場停止、サイバー攻撃などが発生しても食品・飲料事業を継続できるか、そして企業が持つ飲料供給能力を市民の保護へ利用しているかを評価します。

ミツウロコフーズはグループ共通のBCP・サイバー対策に加え、複数の飲料工場を持っています。さらに2025年には傘下企業が鳴沢村と静岡市で災害時の飲料水供給協定を締結しており、Protectionは今回の大きな強みです。

災害への備え・訓練:4/5点

ミツウロコグループでは大規模災害などを想定したBCPと災害対応マニュアルを策定しています。

飲料事業では複数地域に工場を置き、災害時の飲料供給協定も進めています。

グループとして災害対応方針が整備されている点を評価します。

一方、ミツウロコフーズ本体やフーズ事業全体で実施したBCP訓練について、避難時間・復旧時間などの具体的な結果は確認できません。

そのため4/5点です。

生産・物流・調達の代替:4/5点

ミツウロコビバレッジは鳴沢、山中湖、岐阜養老の3工場を持ち、静岡ミツウロコフーズは庵原と興津に複数の工場・製造ラインを持っています。

一つの工場だけに飲料製造を集中していないことは、災害・設備故障時の大きな強みです。

2025年の庵原工場新ラインによってミネラルウォーター製造能力も従来比約2倍へ増強されました。

一方、一工場が完全停止した際に他工場で何%代替できるかという具体的な数値は公開されていません。

そのため4/5点としました。

サイバー防衛・情報保護:4/5点

ミツウロコグループでは、サイバーセキュリティを経営課題として位置付けています。

グループ会社の対策状況を確認し、一定基準以上のセキュリティツールと運用を担保する方針を取っています。

契約社員・協力会社を含むグループ役職員に年1回のeラーニングを実施し、抜き打ちの標的型攻撃メール訓練も行っています。

グループ各社へセキュリティポリシーを適用する方針が明記されているため、ミツウロコフーズにも適用される制度として評価します。

一方、ミツウロコフーズ単体のインシデント件数、バックアップ復元時間、RTO・RPOなどは公開されていません。

そのため4/5点としました。

供給継続・復旧能力:3/5点

グループではBCPを策定し、業務を集約する事務センターについても埼玉と長野の2拠点体制を整えています。

フーズ事業も複数県に飲料工場を持つため、一つの地域へ完全依存する構造ではありません。

一方、

・工場停止後の目標復旧時間
・主要設備のRTO
・物流停止時の代替輸送
・原料やPET容器の代替調達時間

などは公開されていません。

仕組みは強いものの、実際に何時間で戻せるのかが分からないため3/5点としました。

危機時の市民への対応:5/5点

ここは非常に高く評価できます。

2025年7月、ミツウロコビバレッジは鳴沢村と災害時の飲料水等供給協定を締結しました。

災害時には飲料水、ウォーターサーバー、その他調達可能な物資を提供します。

2025年9月には静岡ミツウロコフーズが静岡市と協定を締結し、ミネラルウォーター、トイレカーで利用できる原水、その他物資を提供する体制を整えました。

岐阜県海津市でも、ミツウロコビバレッジと災害時飲料水供給協定があります。

飲料を売って利益を得るだけでなく、災害時には製造能力を市民の生命維持へ利用する仕組みが複数地域で整っているため5/5点としました。

Protection小計:20/25点

良いニュース・最近の前向きな動き

ミツウロコフーズの最近の動きでは、飲料製造能力を拡大しながら、水質リスクへの対応と災害時の地域支援を同時に進めている点が目立ちます。

食品・飲料を購入する側にとっては、安く大量に作れることだけでなく、安全性や災害時の供給能力へ企業が投資しているかも重要です。

2025年7月|少人数運転・PFAS対応の新ラインを稼働【Safety・Innovation】

静岡ミツウロコフーズ庵原工場で新しいミネラルウォーターラインが稼働しました。

PFASなどを除去できる活性炭ろ過装置を備え、少人数運転が可能で、1分間最大300本を製造できます。

グループ全体のミネラルウォーター製造能力は従来比約2倍となる見込みです。

水質安全と生産性の両方を改善する投資として評価できます。

2025年|鳴沢村・静岡市との災害協定を拡大【Protection】

2025年には鳴沢村と静岡市で相次いで飲料水供給協定を締結しました。

南海トラフ地震などの広域災害では、行政が備蓄する水だけでは不足する可能性があります。

民間飲料工場が地域に存在し、災害時に製品や原水を供給できる仕組みを事前に決めておくことは、市民の生命を守るProtectionとして大きな意味があります。

2026年|PFASを含む水質検査を継続公開【Safety】

ミツウロコビバレッジと静岡ミツウロコフーズは、2026年も各飲料工場のPFAS検査結果を公開しています。

第三者機関による水質検査を外部に示すことで、利用者自身が安全情報を確認できます。

悪いニュース・問題となった動き

ミツウロコフーズの課題は、グループとして安全・健康・人権制度をかなり詳しく公開している一方、統括会社自身の労働実績が十分に見えないことです。

また、傘下の食品工場では2025年に自主回収につながった品質問題も発生しました。

2025年7月|静岡ミツウロコフーズ製造商品を自主回収【Safety】

チェリオが販売した「喫茶店の味 ミックスフルーツオレ」の一部商品で、キャップ部にカビが確認されました。

製造元は静岡ミツウロコフーズ庵原工場です。

内容液にはカビはなく、第三者機関による調査で健康被害につながらないことが確認されています。

そのため重大健康被害案件としては扱いません。

一方、食品安全認証を持つ工場でも実際の品質トラブルは起こり得るため、原因究明と再発防止結果を継続的に確認する必要があります。

2025年9月|天然水の風味に関する問い合わせ【Safety】

静岡ミツウロコフーズは、庵原工場で製造した一部天然水について、顧客から風味に関する問い合わせがあったことを公表しました。

安全性と身体への影響がないことを確認したと説明しています。

健康被害が確認された案件ではありませんが、飲料メーカーでは味や臭いの変化も品質管理上の重要な指標です。

ミツウロコフーズ本体の労働KPIが不足【Safety】

本体は12人規模で、求人から年間休日122日や福利厚生は確認できます。

しかし、平均残業、有給取得率、離職率、平均給与、労災件数などは公開されていません。

グループ全体では詳細なESG情報を公開しているため、今後は主要子会社だけでなく、フーズ事業を統括するミツウロコフーズ自身についても結果を開示してほしいところです。

総合評価と、これから改善してほしいこと

株式会社ミツウロコフーズは現在65点、シビックランクCです。

次のBランクは70点からなので、あと5点必要です。

特に強いのは、食品安全、製造設備投資、複数工場による供給体制、サイバー対策、災害時の飲料供給です。

一方、統括会社自身の労働実績と、設備改善の成果を働く人へどの程度返しているのかが見えにくいことが最大の課題です。

本体12人の残業・有給を公開する【Safety・労働時間・休息:5→7/10点】

現在は5/10点です。

年間休日122日、1日7時間30分という制度は確認できますが、実際の平均残業時間や有休取得率は分かりません。

会社単体の平均残業、有給取得率、年間総実労働時間を毎年公開し、残業20時間以下など良好な結果が確認できれば5→7点、プラス2点を検討できます。

総合点は65→67点となります。

参考企業は株式会社JR東海リテイリング・プラスです。Drive上の最新版企業審査では、平均残業7.8時間、有給取得率76.1%を対象会社単体で公開し、「労働時間・休息」は8/10点です。

新ラインの成果を社員の時間へ返す【Innovation・改善成果の人間への還元:0→3/5点】

現在は0/5点です。

庵原工場の新ラインでは少人数運転が可能となり、生産能力も約2倍へ拡大します。

その一方で、効率化した分が、

・残業削減
・休日増加
・夜勤削減
・賃上げ
・危険作業削減

へどれだけつながったのかは公表されていません。

導入前後を比較し、働く人の時間や安全へ実際に成果を返していることが確認できれば0→3点、プラス3点を検討できます。

参考企業はキリングループロジスティクス株式会社です。Drive上の最新版企業審査では、業務改善・多能工化を背景に年間所定労働時間を1,920時間から1,896時間へ24時間短縮した実績を確認でき、「改善成果の人間への還元」は3/5点です。

本体の賃金実績を公開する【Safety・賃金・利益の還元:5→6/10点】

現在は5/10点です。

500万~800万円という責任者候補求人はありますが、社員12人全体の賃金水準は分かりません。

平均給与、中央値、賃上げ率を対象会社自身が公開し、利益成長とともに既存社員の基本給も上がっていることが確認できれば、さらに評価できます。

次のBランクへ上がるための具体例

現在65点・Cです。

Bは70点からなので、あと5点必要です。

例えば、

・労働時間・休息:5→7点 +2点
・改善成果の人間への還元:0→3点 +3点

となれば、

65+2+3=70点

となり、シビックランクBへ上がります。

つまりミツウロコフーズの場合、新しい制度を大量に追加するより、すでに進めている効率化を社員の時間へ返し、その結果を公開することがBランクへの近道です。

情報を公開しただけで自動的に加点するわけではありません。

実際に残業が減った、休日が増えた、賃金が上がった、安全性が改善したという結果が確認できた場合に再評価します。

出典一覧

情報源主な確認内容情報ランク
株式会社ミツウロコフーズ会社概要、事業内容、沿革A
gBizINFO法人・社会保険被保険者数S
ミツウロコグループホールディングス食品安全、人権、労働安全、BCP、サイバー対策A
ミツウロコビバレッジ工場、PFAS・水質検査A
静岡ミツウロコフーズFSSC、新ライン、水質検査A
静岡市・鳴沢村災害時飲料供給協定S
リクルートエージェント掲載求人給与、休日、福利厚生、育休復帰B
チェリオコーポレーション2025年自主回収A
転職会議・Yahoo!しごとカタログ社員口コミの有無B

シビックランクの基準

シビックランク総合得点
S90~100点
A80~89点
B70~79点
C60~69点
D50~59点
E40~49点
F20~39点
G0~19点

情報ランク

情報ランク:A

ミツウロコフーズ本体については、法人情報、現在の求人、会社概要を確認できます。

さらに、同社が統括するフーズ事業については、上場親会社の有価証券報告書、サステナビリティ情報、自治体との災害協定、食品安全認証、工場設備、PFAS検査、自主回収情報など一次情報が豊富です。

一方、本体12人の平均給与、残業、有給、離職、労災などは公開されていません。

そのため、事業・食品安全・危機対応を評価する情報は強いものの、統括会社そのものの働き方については今後さらに開示してほしい企業です。

今回は子会社の制度や実績をミツウロコフーズ本体の社員実績として混ぜず、「本体」と「傘下事業」を分けて採点しています。

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