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まいばすけっと株式会社を企業審査|シビックランクC・66点/100点|高水準の賃上げ・残業10.6時間と店舗DXを評価、労災KPI・BCP開示が課題

私たちは、企業の商品を購入したり、サービスを利用したりすることで、そこで働く人たちの未来を変えることができます。

働く人に十分な賃金を払い、休暇を確保し、安全な職場をつくり、人の負担を減らす企業の商品やサービスが選ばれれば、そうした企業により多くの売上が集まります。その結果、働く人を大切にする経営を続けやすくなります。

反対に、低賃金や長時間労働、安全上の問題を改善しない企業の商品やサービスが売れ続ければ、そうした働かせ方のままでも事業を続けることができます。

だからこの企業審査では、「私たちがお金を使うなら、どの企業を選ぶことが、そこで働く人にとってより良い社会につながるのか」という視点から企業を評価します。

なぜ企業を審査するのか?――このサイトの目的と、利用するメリット

今回審査するまいばすけっと株式会社は、総合66点、シビックランクCです。

まいばすけっと株式会社の特に強い点は、2025年に正社員6.26%・パート時給7.00%の賃上げを実施し、2026年もパート等13,583人に平均時給95.46円・7.10%の引き上げを行いながら、セルフレジ・発注支援・作業改善で店舗業務の負担を減らしていることです。そのため、この企業の商品を購入したりサービスを利用したりすれば、都市部の生活必需品を身近に届けながら、店舗で働く人の賃金と作業負担を改善する小売の仕組みにつながる可能性が高まります。

一方で、改善点として、対象法人単体の死亡・重篤・休業労災、労災度数率、BCP訓練、物流拠点停止時の復旧目標、サイバー復旧指標が十分公開されていないことが残ります。

この記事では、まいばすけっと株式会社の強みと課題をさらに詳しく企業審査していきます。

目次

まいばすけっと株式会社の企業審査結果

まいばすけっと株式会社は、東京・神奈川・千葉・埼玉を中心に都市型小型食品スーパー「まいばすけっと」を展開するイオングループ企業です。2026年2月20日時点の従業員数は34,923人、資本金36億円、イオン株式会社が97%を保有しています。[出典1]

2026年2月期末の店舗数は1,323店舗で、2026年10月時点の公式店舗検索では約1,380店舗まで拡大しています。小型店舗を住宅地や駅周辺へ高密度に配置することで、日常の食品・飲料・日用品を徒歩圏で購入しやすくする事業です。[出典1・2・3]

評価軸点数
Safety35/50
Innovation22/25
Protection9/25
総合点66/100
シビックランクC

評価時点:2026年10月8日

主な強み

・2025年春闘で正社員の賃上げ総額1万7,894円・6.26%、うち引き上げ分1万2,565円・4.40%
・2025年のパート時給は+88.1円・7.00%
・2026年もパート等13,583人に平均時給+95.46円・7.10%
・2025年度の正社員平均残業10.6時間/月
・店長・エリアマネージャー候補でも2025年度の時間外労働月平均14.7時間
・年間休日115~125日、長期休日20日
・男性育休取得率96.8%、採用ページでは令和7年度100%
・セルフレジ、バーコード付き値引きラベル、発注支援システム、シフト管理アプリ
・床清掃を3工程から1工程へ削減するモップ導入
・2024年時点で60歳以上の従業員が2,000人超、パートは条件付きで75歳まで継続雇用
・2025年に東京都の障害者雇用エクセレントカンパニー賞・東京都知事賞
・2025年にカスタマーハラスメント指針を制定
・2026年に身だしなみ基準を見直し、多様な価値観を尊重する方針を明確化

主な課題

・管理職に占める女性比率10.9%
・正規雇用の男女賃金比率83.4%
・対象法人単体の死亡・重篤・休業労災、度数率が非公表
・店舗では荷下ろし・在庫移動など身体負担のある作業が残る
・セルフレジ・発注支援導入後の店舗別人員、配置転換、契約更新、残業削減の継続開示が不足
・対象法人単体のBCP訓練、物流センター別RTO、安全在庫日数が非公表
・MFA、EDR、SOC、バックアップ復元訓練など対象法人単体のサイバーKPIが非公表
・2026年4月にイオングループの決済障害で一部まいばすけっと店舗も影響
・2026年9月2日以降、物件問い合わせフォームを正常受信できない状態が約1か月続いた
・2025年にカドミウム基準超過原料混入の可能性がある米を回収

事業内容と人間への貢献

まいばすけっと株式会社は2011年9月21日に設立され、千葉市美浜区に本社、川崎市川崎区に本部を置いています。事業の源流は2005年に横浜市で開店した1号店で、2012年にイオンリテールから事業を承継しました。[出典1・3]

基本情報

項目内容
会社名まいばすけっと株式会社
設立2011年9月21日
代表者代表取締役社長 岩下欽哉
本社千葉県千葉市美浜区中瀬1-5-1
本部神奈川県川崎市川崎区日進町1-14
資本金36億円
株主イオン株式会社97%
従業員数34,923人、2026年2月20日時点
事業都市型小型食品スーパー「まいばすけっと」の運営
店舗数2026年2月期末1,323店舗、2026年10月公式店舗検索約1,380店舗

主な事業内容

まいばすけっとは、大型スーパーを建てにくい住宅地や駅周辺に小型店舗を多数配置し、食品、飲料、日用品などを販売します。

通常の大型スーパーより売場を小さくし、商品構成と作業工程を標準化することで、日常の買い物を近隣で済ませやすい仕組みを作っています。

2013年には深夜時間帯に配送・納品・陳列まで完了させる夜間配送を開始し、2019年には専用物流センター「横浜LC」を稼働、セルフレジの設置・運用も始めました。2022年からは発注支援システムを導入しています。[出典3]

主な利用者・取引先

利用者は首都圏の住宅地・駅周辺で暮らす住民です。単身世帯、高齢者、共働き世帯などが、徒歩や自転車で日常の食品を購入する用途に向いています。

事業による人間への貢献

例えば仕事帰りに牛乳、パン、冷凍食品、洗剤が必要になった場合、大型スーパーまで車や電車で移動せず、住宅地の近隣店舗で購入できれば移動時間を短くできます。

高齢者にとっても、重い商品を長距離持ち運ぶ必要が減ります。店舗網が高密度になるほど、日常生活に必要な商品へ徒歩でアクセスしやすい地域が増えます。

一方、店舗数を増やす事業モデルは、多数のパート・アルバイトがレジ、品出し、荷受け、清掃などを担うことで成立しています。利用者の便利さと同時に、そこで働く人の賃金・安全・作業負担を改善できているかが重要です。

Safety|35/50

Safetyでは、3万人を超える従業員を抱える小売企業として、正社員だけでなく時間給制社員の賃金・休息・安全を重視しました。

高水準の賃上げ、低めの残業、男性育休、カスタマーハラスメント対応は強みです。一方、管理職の女性比率と男女賃金差、労災結果の非公表、商品回収が満点を妨げています。

賃金・利益の還元|8/10

2025年春闘では、正社員組合員について賃上げ総額1万7,894円・6.26%、そのうち引き上げ分1万2,565円・4.40%で満額妥結しました。パートタイマーは時給+88.1円・7.00%で、引き上げ分だけでも+84円・6.67%です。[出典4・5]

2026年春闘でも、まいばすけっと労働組合の有期・短時間・契約等組合員13,583人について、平均時給1,345円に対し+95.46円・7.10%の回答が確認できます。労働組合も「2026統一労働条件交渉 満額妥結」を公表しています。[出典6・7]

2027年新卒採用の大卒・大学院卒初任給は、転居を伴うリージョナル社員で月27万円、地域正社員で月25万9,000円です。[出典8]

複数年にわたり正社員・時間給社員の双方で高い賃上げを行っているため8/10点です。

一方、全社員の賃金中央値、職位別のベースアップ率、実質賃金が物価上昇を上回ったかまでは公表されていません。これらを毎年公開し、高水準の固定給改善を継続できれば10/10点を検討できます。

労働時間・休息|8/10

厚生労働省の女性活躍推進企業データベース由来の2026年データでは、対象正社員の平均残業時間は月10.6時間です。[出典9]

現在のキャリア採用では、店長・エリアマネージャー候補の2025年度時間外労働月平均を14.7時間と明記しています。年間所定労働時間は1,920時間、休日は月8~10日、年間115~125日で、20日の長期休日制度があります。[出典10]

10.6時間という全体値と、店舗管理職候補14.7時間という職務別に近い数字を両方確認できるため、平均だけで極端な長時間労働を隠している状態とは評価しません。

一方、転職会議の投稿者集計では残業24.2時間、有給消化率71%と、公式・公的データより残業が長い集計です。過去の投稿も含むため現在値とは扱いませんが、店舗・役職による差は残ると考えられます。[出典11]

そのため8/10点です。店舗・役職別の45時間超人数、休日出勤、有給取得率を公開し、繁忙店舗でも長時間労働が少ないことを継続確認できれば10/10点を検討できます。

雇用の安定・待遇の公平性|3/5

2024年4月時点で従業員27,949人だったのに対し、2026年2月20日時点では34,923人です。定年65歳、一定条件で70歳まで、パート社員は75歳まで働ける制度があり、60歳以上の従業員も2,000人を超えていました。内部登用制度でパート社員からのキャリアアップも可能です。[出典1・12]

一方、イオンの2026年有価証券報告書では、まいばすけっとの女性管理職比率は10.9%、正規雇用の男女賃金比率は83.4%です。全労働者では89.5%、パート・有期では125.6%となっています。[出典13]

雇用拡大と高齢者・パートからの登用は評価できますが、管理職構成と正規雇用の賃金差には改善余地があるため3/5点です。

女性管理職比率を20%以上へ上げ、職種・等級別に男女の昇格率と賃金差を公開し、正規雇用の男女賃金比率を90%以上へ近づけられれば4~5/5点を検討できます。

福利厚生・育児・介護|5/5

育児休職・育児勤務、介護休職・介護勤務、転居停止制度、社宅、住宅助成、買物割引、財形貯蓄、社員持株、確定拠出年金などを整備しています。[出典10]

イオンの2026年有価証券報告書では男性育休取得率96.8%です。現在の高卒採用ページでは令和7年度の男性育児休業取得率100%、育児休職23人、短期育児休職7人としています。[出典10・13]

制度の存在だけでなく、男性側でもほぼ全員に近い利用実績を確認できるため5/5点です。

人権・ハラスメント・労使関係|4/5

2018年にまいばすけっと労働組合が創設され、2026年も統一労働条件交渉を行っています。[出典3・7]

2025年にはカスタマーハラスメント指針を制定し、個人で抱え込まず組織的に対応し、必要に応じて警察・弁護士と連携し、被害を受けた従業員へ精神的・身体的なケアを行うとしています。[出典14]

2026年7月には身だしなみ基準を改定し、多様な価値観を尊重する環境づくりを明記しました。名札も個人名ではなく「店舗スタッフ」に統一しています。[出典15]

2025年には東京都の障害者雇用エクセレントカンパニー賞・東京都知事賞も受賞しています。[出典3]

労組、カスハラ対策、多様性施策が対象法人単体で確認できるため4/5点です。一方、社内ハラスメント相談件数、内部通報件数、是正率、再発率は公表されていません。救済結果まで開示できれば5/5点を検討できます。

労働安全・健康|4/10

独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構の事例では、店舗業務に商品荷下ろしや在庫移動など身体負担のある作業があり、会社が労働災害予防動画を年1回店舗タブレットへ配信していることが確認できます。[出典12]

また、セルフレジやラベルプリンタ、清掃工程を3工程から1工程へ減らすモップなどで、立ち作業・レジ・清掃の負担軽減も進めています。[出典12]

安全教育と負担軽減策が実際にあるため4/10点です。

一方、対象法人単体の死亡災害、重篤災害、休業災害、労災件数、度数率、転倒・切創・腰痛などの最新結果は公表されていません。3万人超が働く店舗網で重要な安全成果が公開されていない点は課題です。採点上も減点対象です。

重大労災0、休業災害、度数率、事故原因別件数を毎年公開し、事故率低下を複数年確認できれば6~8/10点を検討できます。

商品・サービスの安全|3/5

商品に問題があった場合、店舗または問い合わせフォームで、利用店舗・日時・商品・状況を伝えて対応を求められる仕組みがあります。[出典16]

一方、2025年には「令和6年産 秋田県産あきたこまち無洗米5kg」について、仕入先からカドミウム基準値を超える原料が混入した可能性があるとして回収依頼を受け、まいばすけっとも対象商品を回収しました。[出典17]

仕入先由来の問題であり、まいばすけっと自身の製造工程で起きた問題ではありませんが、販売企業として利用者の安全に関わります。

回収を公表し対象商品を特定した点は評価しますが、販売前の仕入先監査、重大回収件数、回収率などの全社KPIは公表されていないため3/5点です。回収件数の減少と仕入先監査結果を継続開示できれば4~5/5点を検討できます。

従業員・元従業員の口コミ

Indeedでは2026年9月時点で245件前後の口コミがあり、勤務時間と残業3.3/5、給与と福利厚生3.3/5、定着率と昇進3.0/5と集計されています。[出典18]

2026年9月、新宿区のパート勤務者は「時給も1分単位で支給されます」と投稿しています。媒体はIndeed、情報ランクBです。[出典18]

一方、2026年9月に埼玉県でレジ・品出しを担当した投稿者は「時間帯によってはレジ対応をしながら他の作業も進める必要があります」としています。媒体はIndeed、情報ランクBです。[出典19]

店舗によって人員配置や店長の教え方に差があるという投稿もあり、全社平均の残業が短くても、時間帯や店舗によって複数作業が集中する場合があります。

SNS・匿名掲示板の確認結果

X、一般SNS、5ちゃんねる、爆サイについて、会社名と「残業」「給料」「人手不足」「退職」「セルフレジ」「人員削減」「一人営業」などを分けて確認しました。

2026年の決済障害時に、まいばすけっとで現金以外の一部決済が使えなかったという利用者投稿は確認できましたが、対象法人の従業員であること、勤務時期、職種、雇用形態まで分かり、労働環境の採点に使える投稿は確認できませんでした。[出典20]

Innovation|22/25

Innovationはまいばすけっとの強い評価軸です。

小型店舗を少人数で運営するため、セルフレジ、バーコード付き値引きラベル、発注支援、夜間配送、シフトアプリ、清掃工程削減などを長期間積み重ねています。導入後も従業員数と店舗数が増えているため、会社全体で自動化を理由とした大規模人員削減は確認されていません。

作業負担・危険の削減|8/10

セルフレジは2019年に導入を始め、2020年にはオールセルフレジ店舗を開始しました。2022年には発注支援システムを導入しています。[出典3]

独立行政法人の事例では、バーコード付き値引きラベルによって、従業員が会計時に値引きボタンを押す作業を不要にしています。床清掃も、掃き・水拭き・乾拭きの3工程から、シート交換式モップを使う1工程へ削減しました。[出典12]

シフト管理アプリでは、60歳以上の約8割が登録し、4割以上に実際の利用実績があります。空き時間に他店舗のシフトへ応募できるため、電話や紙だけでヘルプ要員を探す作業を減らせます。[出典21]

複数の反復作業を具体的に減らしているため8/10点です。

一方、セルフレジ・発注支援導入前後で、1店舗あたり作業時間が何時間減ったのか、腰痛や労災が何件減ったのかは公表されていません。人時・事故削減を定量化できれば10/10点を検討できます。

商品・サービスの改善|5/5

都市部の小型店舗を高密度に出店し、2026年2月期には1,323店舗、2026年10月の公式店舗検索では約1,380店舗まで拡大しています。[出典2・3]

2026年2月期には129店舗を新規出店し、発注支援システムやセルフレジの導入による省力化と生産性向上もイオンの有価証券報告書で説明されています。[出典2]

近隣店舗が多いことは、例えば一つの店舗が計画停電で一時閉店する場合でも、公式に近隣2店舗を代替先として案内できる利点があります。[出典22]

出店、決済、発注、店舗運営を継続して改善しているため5/5点です。

改善成果の人間への還元|4/5

2025年には正社員6.26%、パート時給7.00%という高い賃上げを実施し、2026年もパート等で7.10%の時給引き上げが確認できます。[出典4・6]

対象正社員の平均残業は月10.6時間で、男性育休も96.8%です。[出典9・13]

作業負担削減と同時期に賃金・休息・育児指標が良好であるため4/5点です。

一方、セルフレジや発注支援による生産性向上分のうち、何%を賃金へ回したのか、残業が導入前から何時間減ったのかという因果関係は公表されていません。技術導入前後の人時・賃金・休日を同じ店舗で追跡できれば5/5点を検討できます。

研究開発・現場改善の継続|5/5

2010年の2店舗を1名の店舗責任者が管理するSI制度、2013年の夜間配送、2019年のセルフレジと専用物流センター、2020年のオールセルフレジ店舗、2022年の発注支援システム、2023年のユニフォームクリーニング施設など、改善を複数年続けています。[出典3]

単発の実証ではなく、店舗運営そのものを継続的に変えているため5/5点です。

自動化・AI導入後の雇用状況

セルフレジや発注支援システムを導入した後も、会社公表の従業員数は2024年4月の27,949人から2026年2月20日の34,923人へ増えています。店舗数も拡大しています。[出典1・12]

2027年新卒採用と現在のキャリア採用も継続しています。[出典8・10]

このため、会社全体でセルフレジ・発注支援を理由とする大規模な希望退職や大量解雇が進んでいるとは評価しません。

一方、個別店舗でレジ担当人数が何人減り、品出し・接客へ何人配置転換されたのか、パートの契約時間・契約更新・採用数がどう変わったのかは公表されていません。

店舗別に導入前後の従業員数、契約時間、残業、配置転換、離職を追跡できれば、自動化が雇用を削ったのか、働く時間を減らしたのかをより正確に評価できます。

Protection|9/25

Protectionは今回の最大の弱点です。

1,300店舗を超える店舗網と専用物流センターがあり、近隣店舗へ利用者を誘導できる分散性はあります。一方、対象法人単体のBCP訓練、物流センター停止時の代替拠点、復旧目標時間、災害時供給実績、サイバー復旧訓練が十分公開されていません。

2026年には実際に決済障害と問い合わせフォーム障害も発生しました。

災害への備え・訓練|1/5

イオングループ全体には防災・BCPの仕組みがありますが、まいばすけっと株式会社単体について、地震・水害・停電を想定した訓練回数、参加店舗数、訓練で確認した復旧時間の公開情報はありません。

グループ制度があることだけを対象法人の成果として高く採点しないため1/5点です。

全店舗・本部・物流センターを対象に年1回以上の総合訓練を行い、安否確認率、店舗再開時間、物流切替時間を公開できれば3~5/5点を検討できます。

生産・物流・調達の代替|2/5

2019年に専用物流センター「横浜LC」が稼働し、多数の店舗へ標準化された商品供給を行っています。[出典3]

一方、横浜LCなど主要物流拠点が停止した場合、どのセンターへ何時間で切り替えるのか、複数拠点から同じ店舗へ供給できるのか、安全在庫が何日分あるのかは公表されていません。

1,300店舗超のネットワークがあっても、供給元が止まった場合の代替性を外部から判断できないため2/5点です。

代替センター、代替輸送会社、切替時間を訓練で実証し、主要拠点が止まっても供給を続けられる結果が確認できれば4~5/5点を検討できます。

サイバー防衛・情報保護|2/5

プライバシーポリシーでは、個人情報の利用目的や管理方針を公表しています。[出典23]

一方、対象法人単体のMFA、EDR、SOC、バックアップ分離、脆弱性診断、復元訓練、重大サイバー事故件数、RTO・RPOは公表されていません。

2026年4月22日にはイオングループの一部店舗でクレジットカード、AEON Pay、WAON、WAON POINTが約6時間利用できない障害が発生し、まいばすけっとも対象店舗に含まれました。原因はグループ側システムで、まいばすけっと単体のサイバー事故とは扱いません。[出典24]

防御・復元の対象法人単体KPIが不足するため2/5点です。MFA・EDR適用率、SOC監視、バックアップ復元訓練を公開し、目標時間内で復旧できれば4/5点以上を検討できます。

供給継続・復旧能力|3/5

2024年の板橋駅東口店では計画停電に伴い9時から12時まで営業を停止し、近隣の新板橋駅南店と板橋駅南店を代替利用先として案内しました。[出典22]

店舗密度が高いため、一店舗が停止しても近隣店舗へ利用者を誘導できる点は強みです。

一方、2026年9月2日以降、「物件に関するお問い合わせ」フォームの送信内容を会社側で正常受信できない状態が発生し、10月7日に復旧を公表しました。対象期間の問い合わせは再送が必要になりました。第三者送信や情報漏えいはなかったとしています。[出典25]

障害を公表し復旧した点は評価できますが、約1か月にわたり受信できていなかったことは監視・検知・復旧の弱点です。

店舗営業・発注・決済・問い合わせ・物流についてRTOを設定し、障害検知時間と復旧実績を継続公開できれば4~5/5点を検討できます。

危機時の市民への対応|1/5

2026年にはスマトラ島豪雨への店頭募金を1,293店舗で行い、901,316円を寄付しています。被災地支援としての社会的意義はあります。[出典26]

一方、地震や水害で首都圏住民が食品・水を必要とした場合に、まいばすけっと株式会社が自治体から要請を受けて何店舗から何個供給するのか、避難所へ物資を届けた対象法人単体の実績は公表されていません。

募金は評価できますが、Protectionでは危機時に生活必需品を直接届け続ける能力を重視するため1/5点です。

自治体との物資供給協定、緊急供給数量、実災害での供給実績を対象法人単体で公表できれば3~5/5点を検討できます。

良いニュース・最近の前向きな動き

最近の前向きな動きでは、2026年も続いたパート等の高い賃上げと、従業員の多様性を尊重する身だしなみ基準の改定が重要です。

前者はSafetyで働く人の所得へ直接返る成果、後者は人権・働きやすさに関係する成果です。まいばすけっとで買い物をすることで、都市型店舗の拡大と同時にこうした処遇・職場環境改善を続ける売上につながります。

2026年3月|パート等13,583人の時給を平均95.46円・7.10%引き上げ(Safety)

連合の2026春闘集計では、まいばすけっと労働組合の有期・短時間・契約等組合員13,583人について、平均時給1,345円を基準に95.46円・7.10%の回答が記録されています。[出典6]

2025年もパート時給を88.1円・7.00%引き上げているため、2年連続で7%台です。[出典4]

店舗運営を支える時間給社員へ継続して賃上げが及んでいることは、同社の大きな強みです。

2026年7月|身だしなみ基準と名札を見直し(Safety)

2026年7月21日から、従業員の多様な価値観を尊重する目的で身だしなみ基準を改定し、名札表記を「店舗スタッフ」へ統一しました。[出典15]

接客業では外見に細かな制約が設けられやすい一方、衛生・安全と両立できる範囲で個人の表現を認めることは、働く人が自分らしさを保ちやすい環境につながります。

悪いニュース・問題となった動き

最近の問題では、問い合わせフォームが約1か月正常受信できなかったことと、2026年4月のグループ決済障害、2025年の米回収が重要です。

前二つはProtectionのシステム継続、米回収はSafetyの商品安全に関係します。店舗DXを広げるほど、障害を早く検知し、代替手段へ切り替える能力が重要になります。

2026年9月~10月|問い合わせフォームを約1か月受信できず(Protection)

2026年10月7日、まいばすけっとは「物件に関するお問い合わせ」フォームのシステムエラーが復旧したと公表しました。9月2日以降に送信された問い合わせは会社側で受信できておらず、対象者へ再送を依頼しています。[出典25]

情報の第三者送信や漏えいはなかったとしています。

一方、送信者側では手続きが完了したように見えても会社へ届かない状態が長期間続いたため、異常検知の早さと監視体制には改善余地があります。

2026年4月22日|一部店舗でキャッシュレス決済が約6時間停止(Protection)

2026年4月22日2時48分頃から8時50分まで、イオングループの一部店舗でクレジットカード、AEON Pay、WAON、WAON POINTが利用できないシステム障害が発生し、まいばすけっとも対象でした。[出典24]

利用者投稿では現金のみの案内を受けた店舗も確認されています。[出典20]

原因はグループ共通側であり、まいばすけっと単体の管理ミスとは断定しません。ただし、同社の店舗営業が外部・グループシステム障害の影響を受けることを示した事例です。

2025年4月|カドミウム基準超過の可能性で米を回収(Safety)

秋田県産あきたこまち無洗米5kgについて、仕入先からカドミウム基準値を超える原料が混入した可能性があるとして回収要請があり、まいばすけっとも対象ロットを回収しました。[出典17]

販売企業として回収を公表した点は適切ですが、商品安全では仕入先由来の問題も利用者へ届く前に検知できる仕組みが重要です。

総合評価と、これから改善してほしいこと

まいばすけっと株式会社は現在66点・シビックランクCです。次のBランクは70点からなので、あと4点必要です。

賃上げ、残業、育児支援、店舗DXは強い一方、Safetyでは労災結果、ProtectionではBCP・サイバー・復旧力の開示が弱くなっています。次のランクへ上がるには、すでに導入している安全・IT・物流の仕組みについて「実際に事故が何件まで減ったか」「止まったとき何時間で戻せるか」を数字で示すことが重要です。

労働安全KPIの公開を強化する|労働安全・健康 4→8/10

現在は4/10点です。安全教育と作業負担軽減策は確認できますが、全店舗を合算した事故件数や度数率などの最新結果が公表されていません。

全店舗について、休業を伴う事故、軽微な事故、度数率、転倒、切創、腰痛を毎年公開し、事故率低下を3年程度継続できれば4→8/10点、+4点を検討できます。総合66→70点となり、シビックランクBへ上がります。

参考企業として、株式会社セブン‐イレブン・ジャパンは当サイト現行審査で「労働安全・健康」8/10点です。2024年度の労災度数率0.78、強度率0.01を公表し、度数率も2022年度1.75、2023年度1.53から改善しています。

対象法人単体の防災訓練と物流代替を実証する|災害への備え1→3/5、生産・物流・調達の代替2→4/5

現在は「災害への備え・訓練」1/5点、「生産・物流・調達の代替」2/5点です。

主要物流センターが止まった場合の代替拠点、店舗への切替時間、安全在庫日数、総合防災訓練の結果が公表されていません。

本部・物流センター・店舗を対象に年1回以上の実地訓練を行い、横浜LCなど主要拠点停止を想定して、代替センターへの切替を4時間以内、主要店舗への供給再開を24時間以内など具体的な目標で検証してほしいです。

これが確認できれば災害への備え1→3点で+2点、物流代替2→4点で+2点、合計+4点を検討できます。総合66→70点でBへ上がります。

参考企業のイオン北海道株式会社は、当サイト現行審査で「災害への備え・訓練」5/5点です。年1回以上の総合地震防災訓練を実施し、自治体等との物資供給・避難場所提供協定を整えています。

サイバーとシステム復旧を対象法人単体で可視化する|サイバー防衛2→4/5

現在は2/5点です。

2026年にはグループ決済障害の影響を受け、対象法人自身の問い合わせフォームでも長期受信不具合が発生しました。

店舗POS、発注、決済、採用・物件問い合わせを対象に、MFA・EDR適用率、24時間監視、バックアップ分離、異常検知時間、RTO・RPO、年1回以上の復元訓練結果を公開してほしいです。

主要システムを目標時間内に復旧できる実績が確認できれば2→4/5点、+2点を検討できます。総合66→68点でCのままですが、Bまであと2点になります。

参考企業の株式会社セブン‐イレブン・ジャパンは、当サイト現行審査で「サイバー防衛・情報保護」4/5点です。アクセス制御、監視、委託先管理、脆弱性診断、インシデント対応、演習を具体的に公表しています。

女性管理職比率と正規雇用の男女賃金差を改善する|雇用の安定・待遇の公平性 3→4/5

現在は3/5点です。

女性管理職比率10.9%、正規雇用の男女賃金比率83.4%です。

女性管理職比率20%以上を達成し、職種・等級・リージョナル社員・地域正社員ごとの男女構成、昇格率、賃金中央値を公開し、正規雇用の男女賃金比率を90%以上へ近づけてほしいです。

これが確認できれば3→4/5点、+1点を検討できます。総合66→67点です。

参考企業のアスクル株式会社は、当サイト現行審査で「雇用安定・待遇公平性」4/5点です。女性管理職比率22.8%など対象法人単体の人的資本指標を継続公開しています。

次のBランクへ上がるための具体例

現在66点・Cで、Bランクは70点からです。あと4点必要です。

最も直接的な道筋は、3万人を超える従業員の労災を全店舗で統一集計し、休業を伴う事故や度数率を毎年公開したうえで、深刻な事故を防ぎ、事故率低下を複数年実現することです。「労働安全・健康」を4/10点から8/10点へ上げれば+4点となり、66+4=70点でBランクへ上がります。

別の道筋として、対象法人単体の防災訓練を実施して「災害への備え・訓練」を1→3/5点、主要物流センター停止時の代替拠点と切替時間を実証して「生産・物流・調達の代替」を2→4/5点とすれば、+2点+2点で同じく70点へ到達します。

つまり、まいばすけっとが次のランクへ上がるためには、新しいシステムをさらに増やすことより、現在の店舗・物流・ITの仕組みについて「事故をどこまで減らせたか」「止まったとき何時間で復旧できるか」を対象法人単体の数字で示すことが重要です。

出典一覧

1.まいばすけっと株式会社「企業情報」
2.イオン株式会社「2026年2月期 有価証券報告書」
3.まいばすけっと株式会社「沿革」
4.流通ニュース「賃上げ2025/イオン、ヤオコー、ライフ、サミット積極的にパート時給をアップ」2025年4月4日
5.労働政策研究・研修機構「昨年に続き、高い水準の賃上げ回答が相次ぐ」2025年
6.連合「2026春季生活闘争 有期・短時間・契約等賃金 回答速報」
7.まいばすけっと労働組合「2026統一労働条件交渉 満額妥結」
8.まいばすけっと株式会社「新卒採用募集要項」
9.厚生労働省 女性の活躍推進企業データベース・公表データ
10.まいばすけっと株式会社「キャリア採用募集要項」「高卒採用募集要項」
11.転職会議「まいばすけっと株式会社の評判・社員口コミ」
12.独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構「まいばすけっと株式会社 高年齢者活躍企業事例」
13.イオン株式会社「2026年2月期 有価証券報告書 人的資本指標」
14.まいばすけっと株式会社「カスタマーハラスメントに対する指針」2025年7月17日
15.まいばすけっと株式会社「従業員の身だしなみ基準 改定のお知らせ」2026年7月11日
16.まいばすけっと株式会社「お問い合わせ」
17.まいばすけっと株式会社「秋田県産あきたこまち無洗米5Kg 商品回収に関するお知らせ」2025年4月10日
18.Indeed「まいばすけっと株式会社の社員クチコミ・評判」
19.Indeed「まいばすけっと株式会社 レジ・品出しのクチコミ」2026年9月
20.Yahoo!リアルタイム検索「まいばすけっと システム障害」2026年4月
21.独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構「70歳雇用推進事例集2026」
22.まいばすけっと株式会社「板橋駅東口店 計画停電に伴う一時営業停止のお知らせ」2024年3月18日
23.まいばすけっと株式会社「プライバシーポリシー」
24.イオンカード「2026年4月22日 一部店舗における決済サービス障害・復旧」
25.まいばすけっと株式会社「物件に関するお問い合わせフォーム不具合復旧のお知らせと再送のお願い」2026年10月7日
26.まいばすけっと株式会社「インドネシア・スマトラ島豪雨 緊急支援募金 ご協力の御礼」2026年4月13日
27.Google Drive「株式会社セブン‐イレブン・ジャパンの企業審査」現行版
28.Google Drive「イオン北海道株式会社の企業審査」現行版
29.Google Drive「アスクル株式会社の企業審査」現行版

シビックランクの基準

シビックランク点数
S90~100点
A80~89点
B70~79点
C60~69点
D50~59点
E40~49点
F20~39点
G0~19点

まいばすけっと株式会社は66点のため、今回の評価はシビックランクCです。

情報ランクの基準

情報ランク基準
S公的機関、裁判所、規制当局、独立した第三者機関の調査・監査・検証・認証など、内容そのものに独立した裏づけがある情報
A企業公式資料、採用情報、公式声明・SNS、記名取材など、発信主体を確認できる公表情報
B従業員・元従業員の口コミ、一般SNS、匿名掲示板など、発信者の身元や対象企業との関係を独立に確認しにくい情報

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