私たちは、企業の商品を購入したり、サービスを利用したりすることで、そこで働く人たちの未来を変えることができます。
働く人に十分な賃金を払い、休暇を確保し、安全な職場をつくり、人の負担を減らす企業の商品やサービスが選ばれれば、そうした企業により多くの売上が集まります。その結果、働く人を大切にする経営を続けやすくなります。
反対に、低賃金や長時間労働、安全上の問題を改善しない企業の商品やサービスが売れ続ければ、そうした働かせ方のままでも事業を続けることができます。
だからこの企業審査では、「私たちがお金を使うなら、どの企業を選ぶことが、そこで働く人にとってより良い社会につながるのか」という視点から企業を評価します。
なぜ企業を審査するのか?――このサイトの目的と、利用するメリット
今回審査する株式会社カスミは、総合73点、シビックランクBです。
株式会社カスミの特に強い点は、2026年の求人情報で3年連続のベースアップと給与5%アップが示され、平均残業11.5時間、有給休暇平均12.5日という働き方を確認できることに加え、59自治体等と災害時の物資供給協定を結び、実際の災害でも食料を供給した実績があることです。そのため、この企業の商品を購入したりサービスを利用したりすれば、賃金を改善しながら地域の食料供給を維持し、災害時にも生活必需品を届けられる小売網を支えることにつながる可能性が高まります。
一方で、改善点として正規雇用労働者の男女賃金比が84.0%、男性育児休業等取得率が72.5%にとどまること、会社情報と口コミで労働時間に大きな差があること、労働災害の結果や自動化後の残業・配置転換・雇用への影響が十分に公開されていないことが残ります。
この記事では、株式会社カスミの強みと課題をさらに詳しく企業審査していきます。
株式会社カスミの企業審査結果
カスミは、賃上げ、育児・介護制度、健康経営、移動スーパー、災害時の物資供給で強みがあります。デジタル化もScan&Go、自動発注、無人店舗、省力化什器など幅広く進んでいます。
一方で、DXによって人の作業が実際に何時間減ったか、残業・休日・人員配置へどう返ったかという成果はまだ弱く、口コミでは人手不足やサービス残業を訴える投稿も確認されます。
| 評価軸 | 得点 |
|---|---|
| Safety | 35/50 |
| Innovation | 18/25 |
| Protection | 20/25 |
| 総合点 | 73/100 |
| シビックランク | B |
| 主な強み | 主な課題 |
|---|---|
| 2026年は給与5%アップ、3年連続ベースアップとの求人情報 | 正規雇用の男女賃金比84.0% |
| 平均残業11.5時間、有給平均12.5日 | 転職会議集計では残業月26.2時間 |
| 健康経営優良法人2026 | サービス残業を訴える口コミあり |
| 男性育休72.5%、女性育休取得実績も確認 | 女性管理職比率13.1% |
| Scan&Go、自動発注、省力化什器を展開 | DXによる残業・人員削減効果の定量開示不足 |
| 59自治体等と災害時物資供給協定 | 単体のサイバー防御・復旧KPIが不足 |
| 台風19号でおにぎり・パンを実際に供給 | 労災件数・度数率・強度率の継続公開不足 |
事業内容と人間への貢献
株式会社カスミは、茨城県つくば市に本社を置き、茨城・千葉・埼玉・東京・栃木・群馬で「フードスクエア」「フードマーケット」「FOOD OFFストッカー」「BLΛNDE」などを展開するスーパーマーケット会社です。2026年2月期の営業収益は2,807億4,800万円です。
2026年2月末時点では198店舗、U.S.M.Hの2026年9月28日時点の一覧では200店舗となっています。2026年2月28日時点のカスミ単体の就業人員は2,649人で、このほかパートタイマー・アルバイトが8時間換算で6,906人います。会社案内ではグループを含む従業員数を10,512人としています。
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社カスミ |
| 英文名 | KASUMI CO., LTD. |
| 設立 | 1961年6月 |
| 本社 | 茨城県つくば市西大橋599-1 |
| 代表者 | 代表取締役社長 折本文孝 |
| 資本金 | 1億円 |
| 営業収益 | 2,807億4,800万円(2026年2月期) |
| 店舗数 | 198店舗(2026年2月末)、200店舗(2026年9月28日時点U.S.M.H一覧) |
| 単体就業人員 | 2,649人 |
| パート・アルバイト | 6,906人相当(8時間換算・期中平均) |
| 主な事業 | 食料品、家庭用品、衣料品等の小売販売 |
情報ランク:A~S。
主な事業内容
カスミの店舗では、食品、生鮮品、惣菜、日用品などの販売を行っています。
店舗勤務では、レジ、水産、農産、デリカ、インストアベーカリー、畜産などに分かれ、製造、加工、品出し、発注、売場管理、接客などを担います。
さらに、中央流通センター、佐倉流通センター、精肉加工センターなどを持ち、商品の物流・加工を支えています。
2012年からは移動スーパーを展開し、通常の店舗まで行きにくい地域でも商品を買える仕組みを提供しています。2020年にはScan&Go、オンラインデリバリー、オフィススマートショップを開始しました。
事業による人間への貢献
スーパーマーケットの人間への貢献は、食品や生活必需品を毎日買える場所を維持することです。
特にカスミは関東1都5県に約200店舗を展開し、通常店舗に加えて移動スーパーや無人店舗も運営しています。高齢者や車を運転できない人、近隣に店舗がない地域でも食品を入手できる仕組みを広げています。
また、大規模災害時には日常の物流・店舗網を生活物資の供給網として使えることも重要です。
Safety|35/50
Safetyでは、店舗や物流拠点で働く人の賃金、休息、健康、安全と、消費者が安心して商品を購入できるかを評価します。
カスミは賃上げ、健康経営、育児・介護制度に強みがあります。一方、口コミ上の長時間労働・サービス残業と、会社単体の労災結果の開示不足は無視できません。
賃金・利益の還元|8/10
2026年の正社員求人では、3年連続でベースアップを実施し、2026年は給与を5%引き上げたとされています。モデル年収として店長職540万円、SV職650万円も示されています。
新卒初任給は2026年4月実績で大学卒26万2,000円、大学院卒26万8,400円です。時間外勤務手当は別途支給されます。
物価が上昇する中で基本給与を複数年引き上げれば、従業員は残業を増やさなくても生活費上昇へ対応しやすくなります。
一方、5%という上昇率の対象範囲や、パートを含む全雇用区分の基本給上昇率を会社公式資料だけで一律に比較できる状態ではありません。
そのため8/10点です。正社員・パート・有期社員別に基本給、昇給率、実質賃金を継続公開し、全区分で物価上昇を上回る改善が確認できれば10/10点を検討できます。
情報ランク:A~B。
労働時間・休息|6/10
キャリタス就活の2026年8月更新情報では、平均残業時間は月11.5時間、有給休暇平均取得日数は12.5日です。平均勤続年数は14.8年です。
会社公式では年間休日115日、7日間と3日間の連続休暇制度を設けています。基本勤務時間は7時間45分で、店舗の繁閑に合わせて1日4~10時間の変形労働時間制を採用しています。
一方、転職会議の1,000件超の口コミ集計では、残業月26.2時間、有給消化率52.7%となっています。公式・採用情報と母集団や時点が違うため直接置き換えることはできませんが、差は大きいです。
Indeedでは2025年10月の販売スタッフ投稿に、
「サービス残業が当たり前になっており」
との記述があります。特定店舗・個人の経験ですが、人手不足と勤怠管理を確認する必要がある情報です。
そのため6/10点です。
店舗・部門・雇用形態別の残業時間、サービス残業是正件数、36協定超過者、有給取得率を会社単体で継続公開し、全体で月15時間以下を維持できれば8~10点を検討できます。
情報ランク:A~B。
雇用の安定・待遇の公平性|3/5
2025年度の正規雇用労働者の男女賃金比は84.0%、全労働者では69.4%、パート・有期では98.7%です。女性管理職比率は13.1%、男性の育児休業等取得率は72.5%です。
正社員の平均勤続年数は男性17.6年、女性12.9年です。
パート・有期では男女賃金差が小さい一方、正社員では女性が男性の84%にとどまります。
U.S.M.Hは、正規雇用の差について、全国転勤区分など給与体系の異なる働き方を選ぶ男性割合が高いことなどを要因として説明しています。
そのため3/5点です。
正社員の男女賃金比を90%以上へ改善し、同じ職種・等級・勤務区分での差も公開できれば4~5点を検討できます。
情報ランク:S。
福利厚生・育児・介護|5/5
育児休業は原則として子どもが1歳2カ月になるまで利用でき、条件を満たせば2歳まで延長できます。
育児短時間勤務は子どもが中学校へ入学するまで利用でき、1日の勤務時間を最大3時間45分短縮できます。介護休業・介護短時間勤務、子の看護休暇、配偶者出産休暇、再雇用につながるキャリアライセンス制度もあります。
2026年度の男性育休等取得率も72.5%まで上がっています。
また、カスミは「健康経営優良法人2026」の大規模法人部門に認定されています。
制度だけでなく取得実績と外部認定まで確認できるため5/5点です。
情報ランク:S~A。
人権・ハラスメント・労使関係|3/5
カスミにはカスミユニオンがあり、現在も労使関係の枠組みを持っています。健康経営ではハラスメント研修も実施しています。
一方、Indeedでは2026年8月の投稿で昇進の公平性や内部告発への対応に否定的な体験談が掲載されています。匿名口コミのため事実認定には使用できませんが、内部通報制度の運用実績を確認する材料にはなります。
会社単体のハラスメント相談件数、内部通報件数、認定件数、是正・再発状況は十分に公開されていません。
そのため3/5点です。
労使協議と研修は評価しますが、相談制度が実際に機能していることを結果で示せれば4~5点を検討できます。
情報ランク:A~B。
労働安全・健康|6/10
カスミは代表取締役社長を健康経営推進責任者とし、店舗ごとに健康推進責任者と安全衛生委員会を設置しています。
安全衛生委員会は毎月、健康課題や労災について協議しています。健康診断、ストレスチェック、長時間労働管理、ハラスメント研修なども実施しています。
店舗では包丁・スライサー、加熱設備、重量物、濡れた床など、小売業特有の労災リスクがあります。
しかし、カスミ単体の死亡労災、休業災害件数、度数率、強度率などを年度別に比較できる公開データは不足しています。
そのため6/10点です。
死亡・重篤事故0、労災件数、度数率、事故原因と再発防止を継続公開できれば8~10点を検討できます。
情報ランク:A。事故結果は公開不足。
商品・サービスの安全|4/5
カスミは食品の放射性物質自主検査を継続し、2026年も検査結果を公開しています。青果物については月1回のサンプル検査も行っています。
トレーサビリティや食品安全情報を継続公開していることは評価できます。
一方、2025年にはカスミを含むイオングループ各社で販売された米関連商品について、カドミウム基準値を超える原料米が混入した可能性が判明し、回収対象になりました。自主検査では健康被害を及ぼさないことが確認されています。
製造主体と販売主体は区別する必要がありますが、販売企業にも商品回収や購入者への案内を確実に行う責任があります。
そのため4/5点です。
重大な食品事故0を継続し、サプライヤーを含む原因・再発防止まで確認できれば5/5点を検討できます。
情報ランク:S~A。
従業員・元従業員の口コミ
転職会議ではカスミの口コミが1,000件以上あり、投稿者集計は残業月26.2時間、有給消化率52.7%です。
Indeedでは2026年1月の品出し経験者から、
「残業もほぼ無く」
という投稿がある一方、2026年3月の投稿では社員1~2人体制や人手不足を訴える内容があります。
さらに2025年の販売スタッフ投稿にはサービス残業を訴える記述があります。
口コミは店舗による差がかなり大きく、「カスミ全店で残業が多い」と断定できるものではありません。
しかし会社平均だけでは店舗別の負担差を把握できないため、Safetyでは補助情報として扱います。
情報ランク:B。
SNS・匿名掲示板の確認結果
X、5ちゃんねる等について、カスミと「残業」「人手不足」「採用」「退職」などを組み合わせて確認しました。
5ちゃんねるでは2025年に「人手不足」を指摘する一般利用者投稿や、アルバイト募集の状況についての書き込みが確認できます。
ただし、投稿者がカスミ社員であることを確認できず、職種・店舗・雇用形態も特定できないため、これらを採点根拠には使用していません。
働き方については、職種・時期が確認できるIndeed、転職会議と公式・公的情報を優先します。
Innovation|18/25
Innovationでは、セルフレジやアプリを導入していることだけでなく、従業員が行っていた発注、陳列、補充、レジ作業がどれだけ減り、その成果が人へ返っているかを評価します。
カスミでは自動発注、Scan&Go、無人店舗、スライド棚などの導入が進んでいますが、削減時間の定量公開はイオンリテールなどと比べるとまだ弱いです。
作業負担・危険の削減|6/10
カスミでは、自動発注対象領域の拡大、スライド式什器、納品形態のまま陳列する売場など、省力化施策を進めています。
2025年度の施策資料では、スライド棚を8店舗、温度管理設備を7店舗、電子棚札を1店舗へ導入しています。2025年10月改装の松ヶ丘店では、冷蔵ケースやグロサリー棚へスライド式什器を導入し、陳列・補充負担を減らしています。
Scan&Goやセルフレジも、従来のレジ業務を利用者側へ分散する技術です。
一方、「品出しが1日何時間減った」「発注時間が何%減った」といった対象会社単体の具体的な削減時間は十分に公開されていません。
そのため6/10点です。
主要業務で導入前後の作業時間、歩行距離、持ち上げ重量、必要人数まで示せれば8~10点を検討できます。
情報ランク:A。
商品・サービスの改善|5/5
カスミはScan&Go、オンラインデリバリー、移動スーパー、オフィススマートショップなど、店舗以外も含む買い物手段を広げています。
オフィススマートショップは工場、病院、自治体などへ設置できる24時間型の無人店舗で、近隣にスーパーやコンビニがない場所でも食品を購入できます。
移動スーパーは買い物困難地域へ商品を直接届けます。
単なる店舗の大型化ではなく、「店まで来られない人」や「レジに並びたくない人」へ別の購入方法を提供しているため5/5点です。
情報ランク:A。
改善成果の人間への還元|2/5
自動発注、Scan&Go、省力化什器など、人の作業を減らす仕組みは確認できます。
また2026年には給与5%アップとされ、採用情報上の平均残業も11.5時間です。
しかし、自動発注を導入した店舗で残業が何時間減ったのか、セルフレジ導入後にレジ担当者をどこへ配置したのか、省力化で削減した利益が賃金へ何円回ったのかという直接的な因果は公開されていません。
そのため2/5点です。
導入店舗ごとに残業、必要人数、配置転換、採用、退職、賃金、休日を前後比較して公開し、改善成果が人へ返ったことを確認できれば4~5点を検討できます。
情報ランク:A。人間への還元の因果は公開不足。
研究開発・現場改善の継続|5/5
カスミは2011年にネットスーパー、2012年に移動スーパー、2020年にScan&Go・オンラインデリバリー・無人店舗、2022年にLFS、2023年にScan&Goカードを導入してきました。
2025~2026年も自動発注、省力化什器、無人店舗、デジタルサービスを拡大しています。
一度の実証で終わらず、買い物・店舗業務の改善を継続しているため5/5点です。
情報ランク:A。
自動化・AI導入後の雇用状況
カスミ単体では2026年2月末に正社員等2,649人、パート・アルバイト6,906人相当が確認できます。
現時点で、自動発注、セルフレジ、Scan&Goを理由とした大規模希望退職や人員整理を示す公式情報は確認していません。
一方、自動化導入店舗におけるレジ人員、品出し人員、採用人数、配置転換、再訓練、契約更新数を時系列で公開した情報もありません。
匿名掲示板ではアルバイト募集停止や人件費削減を推測する投稿がありますが、会社方針として確認できないため採点には使用していません。
今後は、自動化によって仕事が減った場合に、人を解雇したのか、別業務へ移したのか、採用を減らしたのか、残業・休日へ返したのかを追う必要があります。
Protection|20/25
Protectionでは、地震、台風、物流停止、システム障害などが起きても、市民へ食品と生活用品を届けられるかを評価します。
カスミは自治体との災害協定と実際の物資供給実績が非常に強く、Protectionは今回の大きな長所です。
災害への備え・訓練|5/5
カスミは災害時の物資供給協定を59自治体等と締結しています。包括連携協定も29自治体と結んでいます。
協定では、大規模災害発生時に行政の要請を受け、食料品、飲料水などの生活必需品を優先提供します。
協定があるだけでなく、過去の災害で実際に供給しているため5/5点です。
情報ランク:A~S。
生産・物流・調達の代替|4/5
カスミには中央流通センター、佐倉流通センターなど複数の物流拠点があり、精肉加工センターも茨城と千葉に配置されています。
約200店舗も複数県へ分散しているため、一つの店舗・物流拠点だけに供給を依存する会社ではありません。
一方、中央流通センター停止時に佐倉で何%を代替できるのか、精肉加工センター相互の追加能力、切替に必要な時間は公開されていません。
そのため4/5点です。
主要拠点ごとの代替能力と実地訓練結果まで公開できれば5/5点を検討できます。
情報ランク:A。
サイバー防衛・情報保護|2/5
カスミはScan&Go、オンラインデリバリー、キャッシュレス決済など、デジタルシステムへの依存度が高まっています。
2025年3月28日から4月22日にかけて、フードスクエアカスミ学園の森店ではシステム障害により一部のクレジットカード支払データがカード会社へ届かず、請求が遅れる問題が発生しました。
2023年にも約2時間、QR決済、Scan&Goの確認、公式サイトの閲覧などができなくなるシステム障害を公表しています。
これらは情報漏えいとは異なりますが、システム停止が店舗利用へ直接影響することを示します。
MFA、EDR、SOC、バックアップ、外部侵入テスト、RTO・RPO、復元訓練など対象会社単体の公開情報も不足しています。
そのため2/5点です。
具体的なサイバー対策と復旧演習結果を公開し、重大障害0を継続できれば3~5点を検討できます。
情報ランク:A。
供給継続・復旧能力|4/5
約200店舗、複数物流・加工拠点、移動スーパーを持っていることは、供給継続上の強みです。
U.S.M.Hでも大規模災害を想定したBCPを策定し、定期的に訓練しています。
カスミでは自治体からの要請に応じて食料を供給した実績もあるため、計画だけではありません。
一方、店舗・物流センター・基幹システムごとのRTOと実測復旧時間は公開不足です。
そのため4/5点です。
情報ランク:A。
危機時の市民への対応|5/5
2019年の台風19号では、自治体との協定に基づき、つくば市へおにぎり2,000個、常総市へパン500個・おにぎり3,000個などを提供しています。
これは「災害時には協力します」という宣言ではなく、実際に住民が食べられる食料を届けた実績です。
さらに移動スーパーの仕組みを平時から持っているため、固定店舗以外の供給手段もあります。
実災害で具体的な市民支援を行っているため5/5点です。
情報ランク:A。
良いニュース・最近の前向きな動き
2026年のカスミでは、賃金・健康・店舗作業改善の3方向で前向きな動きがあります。
単に店舗数を増やすだけではなく、働く人の給与と健康を改善し、作業のやり方そのものを軽くしようとしている点を評価できます。
2026年 給与5%アップ、3年連続ベースアップ
現在の正社員求人では、3年連続ベースアップを実施し、2026年は給与5%アップと明記されています。
新卒大卒初任給も26万2,000円となっています。
既存社員を含む詳細な賃上げ率を公式資料でさらに公開してほしい部分はありますが、物価上昇局面で基本給与を継続して上げる方向はSafety上の強みです。
2026年3月 健康経営優良法人2026に認定
カスミは「健康経営優良法人2026」の大規模法人部門に認定されました。
健康診断だけでなく、安全衛生委員会、ストレスチェック、長時間労働管理、運動、食生活などを一体で扱っています。
2025~2026年 店舗の補充・発注作業を軽減
新しい店舗運営では、自動発注領域を拡大し、スライド棚や納品形態のまま商品を陳列する方式を導入しています。
品出しでは商品を棚の奥まで押し込んだり、何度も箱を開けて並べ直したりする作業が身体負担になります。
こうした作業そのものを減らす設備投資は、Innovationとして評価できます。
悪いニュース・問題となった動き
直近でカスミ単体の死亡事故や大規模情報漏えいは今回の調査では確認していません。
一方、店舗システム障害、商品回収、従業員口コミ上の人員不足など、改善を追うべき問題はあります。
2025年4月 クレジットカード支払データが未処理
フードスクエアカスミ学園の森店で、2025年3月28日から4月22日までの26日間、一部のクレジットカード支払データがカード会社へ届いていなかったことが判明しました。
利用者の二重請求ではなく請求タイミングの遅延でしたが、26日間にわたり問題が継続したことは、決済システムの監視・異常検知の改善が必要であることを示します。
2025年 カドミウム基準超過原料米混入可能性による回収
カスミを含む複数のイオングループ企業で販売された商品について、カドミウム基準値を超える原料米が混入した可能性から回収が行われました。自主検査では健康被害を及ぼさないことが確認されています。
カスミが原因企業とは限りませんが、販売会社として仕入れ・回収・購入者通知まで確実に行う必要があります。
口コミでは人手不足・サービス残業の訴え
2025年のIndeed投稿では、人員不足とサービス残業を訴える投稿があります。別の2026年投稿では「残業もほぼ無い」という内容もあり、店舗差が大きいことがうかがえます。
会社平均だけでなく、店舗別・職種別の労働時間を公開することが重要です。
総合評価と、これから改善してほしいこと
現在73点・シビックランクBです。
次のAは80点からなので、あと7点必要です。
カスミは、2026年の賃上げ、育児・健康支援、移動スーパー、約200店舗の供給網、59自治体等との災害協定など、働く人と地域住民を支える基盤をかなり持っています。
Aへ進むための最大の課題は、「制度や技術がある」段階から、「その結果として人が楽になった」ことを数値で示すことです。
店舗別の残業を公開し、全社で月15時間以下を安定させてほしい
現在の「労働時間・休息」は6/10点です。
採用情報では平均残業11.5時間ですが、転職会議集計は約26時間で、サービス残業を訴えるIndeed投稿もあります。
店舗・部門・雇用形態別の実労働時間を勤怠記録ベースで公開し、サービス残業をなくしたうえで全社平均15時間以下を複数年維持できれば6→8点を検討できます。
加点は+2点で、総合73→75点です。
参考企業はイオンリテール株式会社です。現行審査では会社公式の月平均所定外労働3.9時間を確認できています。カスミでも同様に、対象会社自身が毎年の実績を公開することが参考になります。
労災件数・度数率・強度率を公開してほしい
現在の「労働安全・健康」は6/10点です。
安全衛生委員会や健康経営の仕組みはありますが、事故結果が不足しています。
死亡事故、休業災害、転倒、切創、腰痛などを件数・原因別に公開し、度数率と強度率を低水準で維持できれば6→8点を検討できます。
加点は+2点で、総合73→75点です。
参考企業はKDDI株式会社です。現行審査では死亡0、労災1件、度数率0.05など具体的な結果を公開しています。
自動発注・省力化で生まれた時間を残業・休日へ返してほしい
現在の「改善成果の人間への還元」は2/5点です。
自動発注、Scan&Go、スライド棚などは進んでいますが、人が何時間楽になったのかが分かりません。
導入前後で発注時間、品出し時間、必要人数、歩行距離、残業、休日、配置転換を測り、作業削減が従業員の自由時間へ返ったことを示せれば2→4点を検討できます。
加点は+2点で、総合73→75点です。
参考企業はイオンリテール株式会社です。現行審査ではAI発注によって1部門約90分の発注作業を約45分まで削減した具体的成果が確認されています。
決済・店舗システムの復旧力を公開してほしい
現在の「サイバー防衛・情報保護」は2/5点です。
2025年には一店舗でクレジットカード支払データの未処理が26日間続き、2023年にもQR決済やScan&Go等の障害が発生しています。
重要システムについてMFA、EDR、バックアップ、異常検知、RTO・RPOを設定し、復旧訓練の結果を公開できれば2→3点を検討できます。
加点は+1点で、総合73→74点です。
参考企業はセブン銀行株式会社です。現行審査では高いATM稼働率と複数拠点によるシステム継続性を公開しており、「止めない仕組み」を結果まで見せる点が参考になります。
次のランクへ上がるための具体例
| 改善項目 | 現在点→改善後 | 加点 |
|---|---|---|
| 労働時間・休息 | 6→8 | +2 |
| 労働安全・健康 | 6→8 | +2 |
| 改善成果の人間への還元 | 2→4 | +2 |
| サイバー防衛・情報保護 | 2→3 | +1 |
| 合計 | 73→80 | +7 |
4項目すべてで実際の改善が確認できれば、総合73点から80点となり、シビックランクAへ上がります。
重要なのは、情報を公開しただけで自動的に加点することではありません。
残業が実際に減った、労災が少ないことを結果で示した、自動化による削減時間が従業員へ返った、システム障害から短時間で復旧できたという成果が確認できた場合に点数を更新します。
出典一覧
1.株式会社カスミ「会社概要」
2.株式会社カスミ 採用サイト「募集要項」
3.株式会社カスミ 採用サイト「FAQ」
4.株式会社カスミ「ワークライフバランス」
5.株式会社カスミ「健康経営」
6.U.S.M.H 2026年2月期有価証券報告書
7.イオン株式会社 2026年2月期有価証券報告書
8.キャリタス就活「株式会社カスミ 職場環境」
9.株式会社カスミ 2026会社案内
10.株式会社カスミ「自治体との連携」
11.株式会社カスミ「台風19号の被害に対する支援物資提供」
12.株式会社カスミ「沿革」
13.株式会社カスミ「オフィススマートショップ」
14.U.S.M.H 2025年度施策資料
15.転職会議「株式会社カスミの口コミ」
16.Indeed「株式会社カスミの社員クチコミ」
17.株式会社カスミ「クレジットカードによるお支払いの未処理に関するお詫び」
18.株式会社カスミ「システム障害のお詫びと復旧について」
19.消費者庁リコール情報
20.株式会社カスミ「放射性物質自主検査結果」
21.株式会社カスミ「移動スーパー」
22.U.S.M.H「健康経営優良法人2026」
シビックランクの基準
| シビックランク | 点数 |
|---|---|
| S | 90~100点 |
| A | 80~89点 |
| B | 70~79点 |
| C | 60~69点 |
| D | 50~59点 |
| E | 40~49点 |
| F | 20~39点 |
| G | 0~19点 |
株式会社カスミは73点のため、今回のシビックランクはBです。
情報ランクの基準
| 情報ランク | 基準 |
|---|---|
| S | 公的機関、裁判所、規制当局、独立した第三者機関の調査・監査・検証・認証など、内容そのものに独立した裏づけがある情報 |
| A | 企業公式資料、採用情報、公式声明・SNS、または氏名・役職・立場が確認できる公表情報 |
| B | 従業員・元従業員の口コミ、一般SNS、匿名掲示板など、発信者の身元や対象企業との関係を独立に確認しにくい情報 |
Sは第三者による裏づけがある情報として最も強く扱います。AとBは情報の性質が異なり、働き方の実態確認ではBが有用な場合もあります。口コミは時期・職種・拠点・件数を確認し、公式・公的情報と照合して使用します。
