私たちは、企業の商品を購入したり、サービスを利用したりすることで、そこで働く人たちの未来を変えることができます。
働く人に十分な賃金を払い、休暇を確保し、安全な職場をつくり、人の負担を減らす企業の商品やサービスが選ばれれば、そうした企業により多くの売上が集まります。その結果、働く人を大切にする経営を続けやすくなります。
反対に、低賃金や長時間労働、安全上の問題を改善しない企業の商品やサービスが売れ続ければ、そうした働かせ方のままでも事業を続けることができます。
だからこの企業審査では、「私たちがお金を使うなら、どの企業を選ぶことが、そこで働く人にとってより良い社会につながるのか」という視点から企業を評価します。
なぜ企業を審査するのか?――このサイトの目的と、利用するメリット
今回審査する株式会社イオンフードスタイルは、総合62点、シビックランクCです。
株式会社イオンフードスタイルの特に強い点は、年間休日125日と長期休暇制度を設けながら、Scan&Go、セルフレジ、ネットスーパー、クイックコマース、移動スーパーなどを組み合わせ、店舗従業員と利用者の作業・移動負担を減らしていることです。そのため、この企業の商品を購入したりサービスを利用したりすれば、働く人が休みを確保しながら、買い物に時間や移動をかけにくい人も食品へアクセスしやすい社会につながる可能性が高まります。
一方で、改善点として2026年3月の3事業統合後について、会社単体の平均残業、有給取得率、男女賃金差、労災件数・度数率などの実績公開が十分でないことに加え、2026年9月にはマックスバリュ辰巳台店でLPガス漏えいが発生し、利用者らが避難する事故が起きています。
この記事では、株式会社イオンフードスタイルの強みと課題をさらに詳しく企業審査していきます。
株式会社イオンフードスタイルの企業審査結果
| 評価軸 | 得点 |
|---|---|
| Safety | 31/50 |
| Innovation | 17/25 |
| Protection | 14/25 |
| 総合点 | 62/100 |
| シビックランク | C |
| 主な強み | 主な課題 |
|---|---|
| 正社員求人で年間休日125日、5日連休を年4回取得できる制度 | 統合後の会社単体平均残業・有休取得率が非公表 |
| 新卒求人で賞与年4カ月分の2024年実績 | 統合後の男女賃金差・女性管理職比率が非公表 |
| Scan&Go、セルフレジ、ネットスーパー、クイックコマース | 労災件数・死亡事故・度数率などのKPIが非公表 |
| 移動スーパーで来店困難者へ食品を届ける | DXが残業・必要人数・休日へ与えた効果の定量公開が不足 |
| 神奈川県の生活必需物資調達協定の対象事業者 | 法人単体のBCP訓練・復旧時間の公開が不足 |
| U.S.M.Hの内部通報制度・コンプライアンス体制 | 2026年9月に辰巳台店でLPガス漏えい |
| 123店舗の首都圏ネットワーク | サイバー防御の具体的な運用実績が不足 |
事業内容と人間への貢献
株式会社イオンフードスタイルは、東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県で食品スーパーマーケットを展開するU.S.M.Hグループの事業会社です。2026年3月1日、マックスバリュ関東株式会社に株式会社ダイエーの関東事業とイオンマーケット株式会社が統合され、マックスバリュ関東が株式会社イオンフードスタイルへ社名変更して現在の会社となりました。[出典1・2]
2026年3月時点の従業員数は7,966人です。U.S.M.Hの2026年9月28日時点の店舗データでは、イオンフードスタイルは123店舗を運営しています。[出典3・4]
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社イオンフードスタイル |
| 設立 | 2009年12月4日 |
| 現社名での始動 | 2026年3月1日 |
| 本社 | 東京都江東区東陽2丁目2番20号 東陽駅前ビル |
| 代表者 | 代表取締役社長 平田 炎 |
| 資本金 | 1億円 |
| 従業員数 | 7,966人(2026年3月) |
| 店舗数 | 123店舗(2026年9月28日時点) |
| 主な地域 | 東京・千葉・埼玉・神奈川 |
| 事業 | 食料品を中心としたスーパーマーケット |
主な事業内容
生鮮食品、惣菜、加工食品、日用品などを店舗で販売し、地域の日常的な食料供給を担っています。店舗ブランドにはフードスタイル、ダイエー、グルメシティ、ピーコックストア、マックスバリュなどが含まれます。
また、ネットスーパー、Uber Eatsを利用したクイックコマース、Scan&Go ignica、移動スーパーも展開しています。店舗へ行くことが難しい人、レジ待ちを減らしたい人、短時間で商品を受け取りたい人など、利用者の状況に合わせて食品へのアクセス方法を増やしています。[出典5]
主な利用者・取引の関係
利用者は首都圏に住む一般消費者です。店舗での買い物だけでなく、ネットスーパー、移動スーパー、宅配、スマートフォン決済などを通じて食品と生活必需品を購入できます。
日常の購入代金は店舗運営、人件費、物流、冷蔵・冷凍設備、商品開発、DX、災害対応などの原資になります。消費者が利用する企業を選ぶことは、スーパーで働く人の労働条件や、地域の食料供給体制を間接的に選ぶことにもつながります。
事業による人間への貢献
食品スーパーの最大の人間貢献は、毎日の食事に必要な商品を地域で継続的に供給することです。
特に移動スーパーは、店舗へ直接来店することが難しい人へ商品を届けています。現在の公式サイトでは、東京都・千葉県・神奈川県の複数店舗を拠点とした運行が確認できます。例えば高齢や身体的理由で遠くのスーパーまで行きにくい場合でも、移動販売車が地域へ来れば、野菜、肉、魚、牛乳、パン、惣菜などを自分で選んで購入できます。[出典5・6]
Safety|31/50
Safetyでは、イオンフードスタイルで働く人の賃金、休息、雇用、人権、安全と、店舗を利用する人の商品・施設安全を評価します。年間休日125日や福利厚生は強い一方、2026年3月の統合後の会社単体労働KPIがまだ十分に公開されていません。また、9月のガス漏えいは店舗設備の安全管理上の課題として評価へ反映します。
賃金・利益の還元|6/10
2027年卒向け採用情報では、大学・大学院卒の月給は働き方区分により24万8,000円または27万1,000円、短大・専門卒は24万円または25万3,000円です。固定残業代制はなく、時間外手当は別途支給されます。昇給は年1回、賞与は年2回で、2024年実績は年間4カ月分です。[出典7・8]
中途求人では初年度年収380万~420万円、生鮮部門では主任450万円、副店長570万円、店長620万円という年収例も示されています。[出典9]
一定の給与水準と賞与実績を確認できるため6/10点です。一方、統合後7,966人全体の平均給与、中央値、賃上げ率、正社員・パート別の基本給上昇率は公表されていません。
会社全体で物価上昇を上回る基本給改善を複数年続け、雇用区分別の実質賃金を公開できれば8~10点を検討できます。
労働時間・休息|6/10
正社員求人では年間休日125日とされ、5日間の連続休暇を年4回取得できる長期休暇制度があります。採用情報では年間休日120~125日とされ、有給休暇促進制度も設けられています。[出典7・9]
休日制度そのものは高水準です。
一方、転職会議の旧マックスバリュ関東を中心とする投稿集計では、残業25.7時間、有給消化率57.9%となっています。この集計には統合前の投稿が含まれるため、現在のイオンフードスタイル7,966人全体の実績へ置き換えることはできません。[出典10]
2026年3月の統合後について、全社平均残業、年間総実労働時間、有給取得率、45時間超の残業者比率は公表されていません。そのため制度は高く評価しつつ6/10点です。
統合後の全社平均残業を20時間以下、有給取得率80%以上と確認できれば8/10点、さらに残業15時間以下と有給90%以上を複数年継続できれば10/10点を検討できます。
雇用の安定・待遇の公平性|3/5
2026年3月時点の従業員数は7,966人で、新卒・中途採用も継続しています。新会社発足後には店舗運営職を5人以上募集する中途求人もあり、統合直後に採用を停止している状態ではありません。[出典3・9]
統合前のマックスバリュ関東については、U.S.M.H統合報告書で女性管理職比率12.3%、男性育児休業取得率100%、日給月給社員の男女賃金比82.4%が開示されています。[出典11]
ただし、これは現在のイオンフードスタイル全体ではなく、統合前法人の実績です。ダイエー関東事業とイオンマーケットを含む現在7,966人について、男女賃金差、女性管理職比率、正規・非正規比率、離職率はまだ十分に公開されていません。
雇用継続と採用は確認できる一方、公平性の現状を判断する統合後データが不足するため3/5点です。
福利厚生・育児・介護|5/5
正社員向けには、社宅制度、買物割引制度、育児時短・休職制度、介護時短・休職制度、共済制度、企業年金、確定拠出年金などが設けられています。育児短時間勤務は子どもが小学6年生になるまで利用可能とされています。[出典7・8]
統合前のマックスバリュ関東では男性育児休業取得率100%という実績も確認できます。現在の新会社全体で同じ取得率を確認できているわけではありませんが、育児・介護を含む制度が幅広く、長期休暇制度と組み合わせて生活との両立を支える仕組みが整っているため5/5点です。
今後は統合後の男女別育休取得率、平均取得日数、復職率、介護休業利用実績を公開すると、制度が新会社全体で機能していることをさらに確認しやすくなります。
人権・ハラスメント・労使関係|3/5
親会社U.S.M.Hは「イオンコンプライアンスホットライン」を設置し、子会社にもグループの仕組みに応じたヘルプラインや人事窓口を設けています。通報者への不利益な取り扱いを禁止し、内部通報件数と対応結果を経営会議で確認しています。2024年度はグループ管理職696人へのコンプライアンス研修も実施しています。[出典12]
一方、イオンフードスタイル単体の相談件数、ハラスメント認定件数、是正件数は公開されていません。
転職会議には旧マックスバリュ関東勤務者によるハラスメントを訴える投稿もあります。例えば2025年12月投稿には「同期が目の前でパワハラを受けているのを見た」という記述があります。個別の口コミであり会社全体の実態とは扱いませんが、制度の存在だけで満点とせず、運用結果も確認する必要があります。[出典13]
グループの通報・研修制度を評価しつつ、法人単体の実績不足から3/5点です。
労働安全・健康|4/10
スーパーでは包丁・スライサーなどの調理機器、冷凍・冷蔵設備、品出し時の重量物、バックヤード作業、深夜・早朝勤務などがあり、転倒、切創、腰痛、機械事故などの労災管理が重要です。
イオンフードスタイルは労災保険を含む社会保険制度を整え、グループのリスク管理・コンプライアンス体制の対象となっています。[出典7・12]
一方、統合後の会社単体について、死亡災害、休業災害件数、度数率、強度率、転倒・切創事故件数などの公開情報はありません。
また2026年9月にはマックスバリュ辰巳台店が入る施設でLPガス漏えいが発生し、利用者らが避難しました。けが人は報道上確認されていませんが、休止中のタンクの点検結果を施設側が共有されていなかったことが判明し、管理方法の見直しが行われました。[出典14]
安全管理体制と事故後の是正を考慮して4/10点です。死亡0、休業災害、度数率、重大設備事故を毎年公開し、低い事故率を継続できれば6~8点を検討できます。
商品・サービスの安全|4/5
食品スーパーでは、温度管理、期限管理、衛生管理、異物・アレルゲン管理などが利用者の健康へ直接関係します。イオンフードスタイルは首都圏123店舗を運営し、食品を継続供給しています。[出典4]
2026年9月の辰巳台店のガス漏えいでは利用者らが避難する事態となりましたが、事故後にタンクは撤去され、今後は使用していないガス設備についても管理会社から点検結果を共有する運用へ改めるとされています。[出典14]
重大な食品事故や大規模な食品回収を対象会社自身が繰り返している事実は今回の調査では確認していません。一方、店舗設備事故が発生したことから満点とはせず4/5点です。
従業員・元従業員の口コミ
転職会議では、旧マックスバリュ関東を中心とする口コミ集計で月平均残業25.7時間、有給消化率57.9%とされています。[出典10]
2026年4月投稿の20代前半女性・正社員・販売スタッフは、
「残業はほぼないのは良い。でも朝が早いため少しでも残業があると次の日が苦痛」
と記載しています。店舗や部門によって残業負担が異なることを示す情報ランクBの補助情報です。[出典15]
一方、2026年1月の投稿には、
「昭和のように365日いつでも働けます、のようなメンタルがないと心か身体を壊す会社。」
という厳しい評価もあります。これも個人経験であり、統合後7,966人全体を示すものではありません。[出典10]
会社が2026年3月に大きく統合されたため、旧会社の口コミと統合後の実態を区別して今後も確認する必要があります。
SNS・匿名掲示板の確認結果
X、5ちゃんねる、爆サイ等について社名と「残業」「給料」「退職」「パワハラ」「統合」などを組み合わせて確認しました。
5ちゃんねるでは2026年の統合や店舗ブランド変更に関する投稿が多数見つかりましたが、投稿者がイオンフードスタイルの従業員であること、職種・拠点・雇用形態を確認でき、Safety採点を変更できる具体的な労働情報は使用していません。[出典16]
Innovation|17/25
Innovationでは、店舗業務や買い物の負担をデジタル技術・配送でどこまで減らし、その成果を働く人へ返しているかを評価します。Scan&Go、セルフレジ、ネットスーパー、クイックコマース、移動スーパーと選択肢は多い一方、導入前後で店舗の作業時間や必要人数、残業が何時間減ったかという定量公開は不足しています。
作業負担・危険の削減|6/10
店舗では自動釣銭機、セルフレジ、Scan&Goが使われています。Scan&Goでは利用者自身が商品のバーコードをスマートフォンで読み取り、通常の有人レジに並ばず決済できます。[出典5・17]
これによりレジ担当者がすべての商品を一件ずつ精算する作業を一部減らせます。自動釣銭機は金銭の数え間違いや釣り銭受け渡し作業も減らします。
ただし、導入店舗でレジ作業時間が何%減ったか、必要人数や残業が何時間減ったかという対象会社単体の定量実績は公表されていません。
実装済みの省力化を評価して6/10点です。作業時間や人時削減を導入前後で公開できれば8~10点を検討できます。
商品・サービスの改善|5/5
イオンフードスタイルはネットスーパー、クイックコマース、Scan&Go、移動スーパーを組み合わせています。[出典5]
例えば育児や介護で店舗へ行く時間が取りにくい人はネットスーパーを使えます。急ぎの商品はクイックコマースで注文できます。高齢や移動困難で店舗まで行きにくい人は移動スーパーを利用できます。店舗へ行ける人もScan&Goでレジ待ち時間を減らせます。
利用者の異なる不便に複数の方法で対応しているため5/5点です。
改善成果の人間への還元|2/5
DXによってレジ精算や注文受付の一部を自動化・オンライン化している一方、導入前後の店舗総人時、残業、必要人数、配置転換、休日、賃金がどう変化したかは統合後の会社単体では公表されていません。
「技術がある」ことと「働く人の自由時間が増えた」ことは別です。
そのため2/5点です。DX導入店舗で残業減少、有給取得増加、危険作業削減、人員の別業務への配置転換などを時系列で確認できれば4/5点、高水準の結果が全社で継続すれば5/5点を検討できます。
研究開発・現場改善の継続|4/5
統合前のマックスバリュ関東はScan&Goの機能改善、移動スーパーの増車、ネットスーパーを継続的に展開し、統合後のイオンフードスタイルもこれらを引き継いでいます。2026年にはFoodStyle業態の新規出店・転換も進めています。[出典5・18]
グループでは17社・約5万人から4,799件の業務改善・商品アイデアを集める共同アイデアグランプリも行っています。[出典19]
継続的な改善活動を評価して4/5点です。一方、イオンフードスタイル単体の年間改善件数、削減時間、研究開発費などは公開されていないため満点とはしません。
自動化・AI導入後の雇用状況
セルフレジ、Scan&Go、自動釣銭機、ネット注文などは、従来人が行っていた精算・受付作業の一部を減らします。
一方、2026年の新会社発足後も正社員の新卒・中途採用を継続し、5人以上の店舗運営人材を募集する求人も確認できます。現時点でDXを理由とする大規模希望退職や採用停止を示す公開情報は確認していません。[出典7・9]
ただし、旧3事業の統合とDXを同時に進めているため、店舗ごとの必要人数、配置転換、採用抑制、非正規契約、退職者数を今後も追う必要があります。
Protection|14/25
Protectionでは、地震、豪雨、停電、物流途絶、サイバー攻撃などが起きても、食品や生活必需品を市民へ届け続けられるかを評価します。123店舗のネットワークと自治体との物資供給協定、移動スーパーは強みです。一方、イオンフードスタイル単体のBCP訓練回数、復旧時間、代替物流、サイバー演習結果の公開は不足しています。
災害への備え・訓練|3/5
親会社U.S.M.Hは首都直下地震を想定したBCPを策定し、定期的に訓練する方針を示しています。また神奈川県の生活必需物資の調達協定では、株式会社イオンフードスタイルが協定事業者として掲載されています。[出典20・21]
例えば大地震で避難所の食料や日用品が不足した場合、県が協定に基づいて事業者へ物資供給を求められる仕組みがあります。
一方、イオンフードスタイル単体の2026年度訓練回数、参加店舗、訓練で確認した供給数量や課題は公開されていません。
正式な協定とグループBCPを評価して3/5点です。会社単体で年1回以上の実地訓練を行い、供給量・時間まで確認できれば4~5点を検討できます。
生産・物流・調達の代替|3/5
イオンフードスタイルは123店舗を首都圏4都県に展開しています。単一店舗が被災しても、他店舗・グループ企業から商品を融通できる可能性があるネットワークを持っています。[出典4]
またU.S.M.Hはマルエツ、カスミ、いなげや、イオンフードスタイルの4社で760店舗を持つ規模です。[出典4]
ただし、イオンフードスタイル単体で物流センターが停止した場合の代替拠点、主要商品の複数調達率、緊急輸送ルートを一覧で公開しているわけではありません。
広域ネットワークを評価し3/5点です。代替物流訓練や具体的な代替拠点を公開できれば4~5点を検討できます。
サイバー防衛・情報保護|2/5
プライバシーポリシーでは、不正アクセス、紛失、改ざん、漏えいの防止、従業員教育、内部体制、システムセキュリティの継続的見直しを掲げています。ウェブサイトではSSLとファイアウォールの利用も明記しています。[出典22]
一方、MFA、EDR、SOC、バックアップ分離、標的型メール訓練、脆弱性診断、重大情報漏えい件数、復旧訓練の結果などは法人単体で公開されていません。
基本的な仕組みは確認できますが、具体的な運用成果が不足するため2/5点です。
供給継続・復旧能力|3/5
123店舗の店舗網に加えて、ネットスーパー、クイックコマース、移動スーパーという複数の供給経路があります。[出典4・5]
通常店舗が利用しにくい場合でも、別の店舗や配送手段を使える余地があることは食品供給の継続性を高めます。
一方、大規模災害時に何店舗が何時間以内に営業再開できるのか、物流センター・情報システムの目標復旧時間、非常用電源の稼働時間などは会社単体で公開されていません。
複数チャネルを評価して3/5点です。実災害や訓練で復旧時間を計測・公開できれば4~5点を検討できます。
危機時の市民への対応|3/5
神奈川県の生活必需物資調達協定の対象事業者であり、移動スーパーも運営しています。[出典21・5]
例えば災害で住民が遠くの大型店まで移動できなくなった場合、地域の店舗網と移動販売車を使えば、食品をより生活圏に近い場所へ届けられる可能性があります。
また会社はフードドライブ、フードバンク、募金活動などを継続しています。[出典23]
一方、2026年の統合後に大規模災害で何人へ何食・何本の商品を届けたかという会社単体の実績はまだ確認できません。そのため3/5点です。
良いニュース・最近の前向きな動き
最近のイオンフードスタイルでは、新会社の統合後も店舗出店と買い物手段の多様化が進み、自治体・他企業と連携した地域支援や資源循環も広がっています。これらはInnovationとProtectionに関係し、利用者の移動・待ち時間を減らしながら、平時と有事の食料アクセスを支える動きです。
2026年3月 3事業を統合し首都圏スーパーとして始動(Protection・Innovation)
2026年3月1日、マックスバリュ関東にダイエー関東事業とイオンマーケットが統合され、株式会社イオンフードスタイルとして始動しました。[出典1・2]
2026年9月時点で123店舗を展開しています。店舗網が広がれば、仕入れ、物流、商品、デジタルサービスを共通化しやすくなり、地域によるサービス差を小さくできる可能性があります。
一方、統合によって働き方や配置がどう変わったかは今後の重要な確認項目です。
2026年現在 年休125日・5日連休年4回を求人で明示(Safety)
2026年の中途求人では年間休日125日を掲げ、新卒採用情報でも5日間の長期休暇を年4回取得する制度を示しています。[出典7・9]
店舗は土日祝日も営業するため、暦通りに休めない職種でもまとまった休暇を制度化することは重要です。
この制度が7,966人全体で実際に利用され、高い有休取得率や低い残業につながれば、働く人へ利益を時間として返す企業としてさらに評価できます。
2026年10月 ヨーグルト紙カップの店頭回収実証に参加(Innovation)
2026年10月1日から11月30日まで、明治・TOPPANと連携し、横浜市内のイオン・イオンスタイル・イオンフードスタイル計13店舗でヨーグルト紙カップの回収実証を行っています。[出典24]
普段捨てられやすい紙カップを店舗で回収できれば、買い物のついでに資源循環へ参加できます。スーパーの店舗網を商品販売だけでなく回収拠点として使う取り組みです。
悪いニュース・問題となった動き
問題面では、統合直後の会社として労働・安全データの開示が追いついていないことと、2026年9月のガス漏えいが重要です。設備管理に抜けがあると、食品を供給する店舗そのものが利用できなくなり、利用者と従業員の安全を損ないます。
2026年9月 マックスバリュ辰巳台店でLPガス漏えい(Safety・Protection)
2026年9月4日、千葉県市原市のイオンタウンたつみ台でLPガスが漏れ、店内の利用者らが避難しました。報道ではけが人は確認されていません。[出典14]
漏れたのは休止中のLPガスタンクで、管理会社からは安全弁の不具合の可能性が説明されています。タンクは撤去されました。
事故前にも管理会社は点検していましたが、使用していないガスタンクやボンベについて施設側は点検結果の共有を受けていませんでした。事故後は共有する運用へ改めています。
けが人が出なかったことと是正を評価する一方、休止設備を含めた管理情報の共有が不十分だったことは課題です。
2026年現在 統合後の労働・安全KPIが不足(Safety)
イオンフードスタイルは7,966人規模の会社となりましたが、統合後の平均残業、有給取得率、男女賃金差、女性管理職比率、労災件数、度数率などはまだ十分に公表されていません。
旧マックスバリュ関東のデータだけで、旧ダイエー関東事業・イオンマーケットを含む現在の会社全体を判断することはできません。
制度が良いだけでなく、新会社として実際にどう働けているかを早期に公開する必要があります。
総合評価と、これから改善してほしいこと
現在62点・シビックランクCです。Bは70点からなので、次のランクまであと8点です。
イオンフードスタイルは、休暇制度、買い物DX、移動スーパー、首都圏の店舗網、災害物資協定という明確な強みを持っています。一方で、統合後の会社単体データが少ないため、「7,966人が実際にどれだけ休めているか」「DXが何時間の仕事を減らしたか」「事故がどれだけ少ないか」「災害時に何時間で供給を戻せるか」が十分に見えません。
統合後の残業・有休を公開し、休暇制度を実績へつなげてほしい(Safety)
現在の「労働時間・休息」は6/10点です。
年間休日125日と長期休暇制度は強みですが、統合後の全社平均残業と有給取得率が公表されていません。
7,966人全体と店舗職を分けて月平均残業、有給取得率、年間総実労働時間を公開し、全社残業20時間以下、有給取得率80%以上を複数年継続できれば6→8点を検討できます。
加点は+2点で、総合62→64点、Cのままです。
参考企業はイオン九州株式会社です。Google Drive上の現行審査では、残業7.9時間、有給取得率82.1%を確認し、「労働時間・休息」8/10点です。
労災件数・度数率を会社単体で公開してほしい(Safety)
現在の「労働安全・健康」は4/10点です。
店舗設備・調理機器・品出しなどの危険がある一方、死亡、休業災害、度数率、転倒・切創などの会社単体実績が公表されていません。
死亡0、休業災害、度数率、事故原因、再発防止を毎年公開し、重大事故0と低い事故率を継続できれば4→6点を検討できます。
加点は+2点で、総合62→64点です。
参考企業として、株式会社セブン‐イレブン・ジャパンは当サイトの比較審査で2024年度の死亡災害0、労働災害度数率0.78、強度率0.01を公開し、「労働安全・健康」8/10点と評価しています。
DXで削減した時間を残業・配置転換まで追ってほしい(Innovation)
現在の「改善成果の人間への還元」は2/5点です。
セルフレジ、Scan&Go、ネット注文などが導入されていますが、店舗の人時、残業、必要人数、配置転換が導入前後でどう変化したかは公表されていません。
DX導入店舗で作業時間、残業、人員配置、有休取得を導入前後で公開し、複数店舗で残業削減と雇用維持が確認できれば2→4点を検討できます。
加点は+2点で、総合62→64点です。
参考企業はイオン九州株式会社です。Google Drive上の現行審査では店舗総人時削減と人時生産性106.9%を公開し、「改善成果の人間への還元」3/5点です。さらにキリンビバレッジ株式会社は重量物工程の自動化後に生産性42%向上と人員再配置まで確認でき、同項目4/5点です。
災害協定を供給量・復旧時間まで具体化してほしい(Protection)
現在の「災害への備え・訓練」は3/5点、「供給継続・復旧能力」は3/5点です。
神奈川県との生活必需物資調達協定と123店舗のネットワークは強みですが、訓練で何店舗が参加し、何人へ何日分の食品を、要請から何時間で届けられるかは公表されていません。
会社単体で年1回以上の供給訓練を行い、供給可能数量、代替物流、店舗・システムの目標復旧時間を公開し、実際に目標を達成できれば「災害への備え・訓練」を3→4点、「供給継続・復旧能力」を3→4点とすることを検討できます。
合計+2点で、総合62→64点です。
参考企業はKDDI株式会社です。Google Drive上の現行審査では、東京・大阪の監視機能二重化、複数通信ルート、移動基地局、Starlink、JAPANローミングを確認し、Protection 21/25点と評価しています。
次のランクへ上がるための具体例
| 改善項目 | 現在点 | 改善後 | 加点 | 達成条件 |
|---|---|---|---|---|
| 労働時間・休息 | 6/10 | 8/10 | +2 | 統合後の全社残業20時間以下、有休80%以上を複数年 |
| 労働安全・健康 | 4/10 | 6/10 | +2 | 死亡0、度数率・事故件数・原因・再発防止を継続公開 |
| 改善成果の人間への還元 | 2/5 | 4/5 | +2 | DX導入前後で残業減・雇用維持・配置転換を確認 |
| 災害への備え・訓練+供給継続 | 6/10 | 8/10 | +2 | 実地供給訓練、供給量、代替物流、復旧時間を公開 |
62点+2点+2点+2点+2点=70点となり、シビックランクBへ上がります。
つまり、イオンフードスタイルがBへ上がるためには、統合によって得た規模やDXを「働く人の時間」「事故の少なさ」「災害時の復旧速度」という数字へ変換し、新会社単体の実績として公開することが重要です。
出典一覧
1.株式会社イオンフードスタイル「会社情報」
2.イオン株式会社「2026年3月1日 東西新生スーパーマーケットが始動」
3.イオン株式会社 グループ採用情報「株式会社イオンフードスタイル」
4.ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス株式会社「U.S.M.Hとは」
5.株式会社イオンフードスタイル「私たちの取り組み」
6.株式会社イオンフードスタイル「移動スーパー」・マックスバリュ関東「移動スーパー4号車」
7.マイナビ2027「株式会社イオンフードスタイル 採用データ」
8.Re就活キャンパス「株式会社イオンフードスタイル 待遇・福利厚生」
9.doda・マイナビ転職「株式会社イオンフードスタイル 中途求人」
10.転職会議「株式会社イオンフードスタイル(旧マックスバリュ関東)残業・口コミ」
11.U.S.M.H統合報告書 人的資本データ
12.U.S.M.H統合報告書「グループガバナンス・内部通報制度」
13.転職会議「退職理由・ハラスメントに関する従業員口コミ」
14.イオン株式会社・日テレNEWS「マックスバリュ辰巳台店 LPガス漏えい」
15.転職会議「ワークライフバランスに関する従業員口コミ」
16.5ちゃんねる「ダイエー、イオン、トップバリュ等など。」
17.株式会社イオンフードスタイル パート・アルバイト求人サイト
18.株式会社イオンフードスタイル「ニュースリリース」
19.U.S.M.H「会社案内2026/共同アイデアグランプリ」
20.U.S.M.H「業務の適正を確保するための体制」
21.神奈川県「生活必需物資の調達に関する協定」
22.株式会社イオンフードスタイル「プライバシーポリシー」
23.株式会社イオンフードスタイル「環境社会貢献」
24.株式会社明治「ヨーグルト紙カップ回収実証」
参考比較:Google Drive内の現行企業審査「イオン九州株式会社」「KDDI株式会社」ほか。
シビックランクの基準
| シビックランク | 点数 |
|---|---|
| S | 90~100点 |
| A | 80~89点 |
| B | 70~79点 |
| C | 60~69点 |
| D | 50~59点 |
| E | 40~49点 |
| F | 20~39点 |
| G | 0~19点 |
株式会社イオンフードスタイルは62点のため、今回のシビックランクはCです。
情報ランクの基準
| 情報ランク | 基準 |
|---|---|
| S | 公的機関、裁判所、規制当局、独立した第三者機関の調査・監査・検証・認証など、内容そのものに独立した裏づけがある情報 |
| A | 企業公式資料、採用情報、公式声明・SNS、記名取材など、発信主体を確認できる公表情報 |
| B | 従業員・元従業員の口コミ、一般SNS、匿名掲示板など、発信者の身元や対象企業との関係を独立に確認しにくい情報 |
Sは第三者による裏づけがある情報として最も強く扱います。AとBは情報の性質が異なり、働き方の実態確認ではBが有用な場合もあります。口コミは時期・職種・拠点・件数を確認し、公式・公的情報と照合して使用します。
