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イオンビッグ株式会社を企業審査|シビックランクC・60点/100点|残業7.9時間・時給7.14%引き上げとAI表示チェックを評価、塩さば1万2,230パックの不適正表示が課題

私たちは、企業の商品を購入したり、サービスを利用したりすることで、そこで働く人たちの未来を変えることができます。

働く人に十分な賃金を払い、休暇を確保し、安全な職場をつくり、人の負担を減らす企業の商品やサービスが選ばれれば、そうした企業により多くの売上が集まります。その結果、働く人を大切にする経営を続けやすくなります。

反対に、低賃金や長時間労働、安全上の問題を改善しない企業の商品やサービスが売れ続ければ、そうした働かせ方のままでも事業を続けることができます。

だからこの企業審査では、「私たちがお金を使うなら、どの企業を選ぶことが、そこで働く人にとってより良い社会につながるのか」という視点から企業を評価します。

なぜ企業を審査するのか?――このサイトの目的と、利用するメリット

今回審査するイオンビッグ株式会社は、総合60点、シビックランクCです。

イオンビッグ株式会社の特に強い点は、月平均所定外労働7.9時間という比較的短い残業時間を維持しながら、短時間・有期労働者の賃金を2026年春闘でも7.14%引き上げ、さらにAI画像認識を使って食品ラベルの貼り間違いを防ぐ仕組みを実店舗で開発していることです。そのため、この企業の商品を購入すれば、低価格の商品供給と働く人への賃金還元を両立しながら、人のミスを技術で減らす小売業が広がる社会につながる可能性が高まります。

一方で、改善点として、2025年に輸入品の塩さばについて原産国「中国」を表示せず、28店舗で合計1万2,230パックを販売したとして食品表示法に基づく行政指示を受けた問題があります。2026年6月にもザ・ビッグ高月店でラベルを誤って貼り、「卵」「乳」のアレルギー表示が欠落した商品7パックが販売されました。食品表示の再発防止を実際の結果で証明する必要があります。

この記事では、イオンビッグ株式会社の強みと課題をさらに詳しく企業審査していきます。

目次

イオンビッグ株式会社の企業審査結果

イオンビッグ株式会社は、ディスカウントストア「ザ・ビッグ」「ザ・ビッグエクストラ」などを展開するイオングループの小売会社です。

2026年7月時点で宮城県から奈良県まで12県に129店舗を展開しています。採用情報では従業員約1万2,000人、そのうち正社員1,321人とされています。代表取締役社長は三浦弘氏です。

評価軸得点主な評価
Safety29/50点残業7.9時間、平均有休12.5日、継続的な時給引き上げを評価。女性管理職6.5%、男性育休16.9%、労災KPI不足、食品表示問題が課題
Innovation17/25点AI表示チェック、AI需要予測、日付管理システムなどを評価。削減時間や人員配置への還元実績は不足
Protection14/25点129店舗の広域網と複数自治体との災害協定を評価。サイバー対策、代替物流、復旧時間の単体開示が不足
総合60/100点シビックランクC

評価時点:2026年10月8日

主な強み

月平均所定外労働時間は7.9時間、平均有給休暇取得日数は12.5日です。年間休日は職務区分などにより115~125日で、そのうち20日を長期休日として利用できます。固定残業代制度はなく、時間外勤務手当は実績に応じて1分単位で支給するとしています。

賃金では、2024年に正社員平均7.0%、パート時給7.0%の賃上げで妥結しました。2025年には有期・短時間労働者について時給79.57円、7.24%、2026年にも時給87.50円、7.14%の引き上げ回答が確認できます。店舗を支える短時間労働者へ複数年にわたって高い賃上げを続けている点は大きな強みです。

Innovationでは、イシダと共同開発したAI画像識別システムが目立ちます。畜産売場で商品をカメラ撮影し、設定された商品と一致しなければラベル発行を停止する仕組みで、実証では識別正答率99.9%を記録しています。

主な課題

イオン株式会社の2026年2月期有価証券報告書では、イオンビッグの女性管理職比率は6.5%、男性育児休業取得率は16.9%です。男女賃金比率は全労働者66.3%、正規雇用74.8%、パート・有期123.8%とされています。特に管理職への女性登用と正社員の男女賃金差は改善余地があります。

採用情報では男性育休について2025年度28人中11人、39.3%という別の数値も掲載されています。法定開示の16.9%とは算定対象や集計方法が異なると考えられるため、外部から比較できるよう定義をそろえた開示が望まれます。

さらに、対象法人単体の死亡労災、休業災害件数、労災度数率、転倒・切創・腰痛などの事故件数について、年次で比較可能な公開情報が不足しています。

食品表示では2025年2月、輸入品の塩さばに原産国名「中国」を表示せず、28店舗で合計1万2,230パックを販売したとして、農林水産省から食品表示法に基づく指示を受けました。

事業内容と人間への貢献

イオンビッグは、食料品・日用品などを低価格で販売するディスカウントストアを運営しています。

基本情報

項目内容
会社名イオンビッグ株式会社
法人番号4180001101313
設立2011年8月21日
本社愛知県名古屋市中村区名駅5丁目25番8号
代表取締役社長三浦 弘
資本金1,000万円
従業員数約12,000人、うち正社員1,321人
店舗数129店舗、2026年7月時点
店舗地域宮城・福島・栃木・神奈川・静岡・山梨・長野・岐阜・愛知・三重・滋賀・奈良
主要事業ディスカウントストアの運営
親会社イオン株式会社

会社概要では「毎日の安さへ革新と挑戦を続け、地域の豊かな暮らしに貢献します」を経営理念に掲げています。

主な事業内容

店舗では食品・日用品などの販売だけでなく、商品の発注、品出し、惣菜や生鮮食品の加工、計量、値付け、賞味期限管理、レジ、清掃など多数の作業が行われています。

イオンビッグはディスカウント業態のため、低価格の商品を継続的に供給すること自体が事業の中心です。

事業による人間への貢献

食品や日用品は毎日必要になる商品です。

イオンビッグが低価格販売を続ければ、同じ数量の商品を買うために必要な家計支出を減らせます。特に食料品価格が上昇している局面では、低価格店舗を利用できることは可処分所得を守ることにつながります。

また、129店舗を12県で展開しているため、単一地域だけではなく東北・関東・中部・近畿の生活物資供給を担っています。

一方、「安さ」を実現するために従業員の賃金や人員を削り過ぎれば、人間への貢献とは言えません。この点で、短時間労働者へ2025年7.24%、2026年7.14%という賃上げが続いていることには意味があります。

Safety|29/50点

Safetyでは、低い平均残業、長期休日、複数年の大幅な時給引き上げを評価できます。

一方、女性管理職の少なさ、正社員の男女賃金差、労災実績の公開不足、食品表示違反が点数を押し下げました。

賃金・利益の還元|8/10点

2024年春闘では正社員平均1万8,700円、7.0%の賃上げ、パート時給78.4円、7.0%の引き上げで妥結しました。

2025年には有期・短時間・契約等の組合員9,366人について時給79.57円、7.24%、2026年には9,286人について87.50円、7.14%の引き上げ回答が確認できます。

店舗運営を多数のパート・短時間労働者が支える小売業で、短時間労働者へ7%前後の賃上げを複数年継続している点は高く評価できます。

一方、対象会社単体の正社員平均年収、給与中央値、2025年・2026年の正社員ベースアップ額、利益に占める従業員還元額は公開情報が不足しています。

そのため8/10点です。

労働時間・休息|8/10点

2025年度の月平均所定外労働時間は7.9時間、平均有給休暇取得日数は12.5日です。

正社員の休日は年間115~125日で、そのうち20日は長期休日です。会社は1時間単位で取得できる有給休暇制度も案内しています。

小売業では土日・祝日も店舗が営業するため、休みを確保できる仕組みは重要です。

平均残業7.9時間であれば、月30~40時間の残業がある職場と比べ、睡眠、家事、育児、余暇に使える時間を増やしやすくなります。

一方、店長・主任・一般社員別の残業時間、月45時間超の人数、有休取得率は公表されていません。

そのため8/10点です。

雇用の安定・待遇の公平性|2/5点

平均勤続年数は2025年度15.2年です。長期的に働く社員が一定数いることは評価できます。

一方、最新のイオン株式会社の法定開示では、イオンビッグの女性管理職比率は6.5%です。

男女賃金比率も全労働者66.3%、正規雇用74.8%です。正社員では女性の平均賃金が男性の約4分の3にとどまります。

賃金差には職種、役職、勤務時間、勤続年数など複数の要因がありますが、その内訳を外部から十分検証できる資料はありません。

長期勤続を加点する一方、管理職登用と正社員賃金差の改善余地が大きいため2/5点です。

福利厚生・育児・介護|4/5点

社会保険、企業年金基金、社員持株会、財形貯蓄、買物割引、社宅・住宅助成、育児勤務・休職、介護勤務・休職、看護休暇などがあります。

育休後の復職率について会社は男女とも100%としています。

一方、男性育休取得率は法定開示で16.9%、採用情報では39.3%と差があります。

制度は幅広いため4/5点ですが、男性育休取得を高い水準まで引き上げ、算定基準を統一して公開できれば5/5点を検討できます。

人権・ハラスメント・労使関係|4/5点

イオンビッグ労働組合が存在し、イオングループ労働組合連合会へ加盟しています。

賃上げの交渉結果も毎年確認できるため、労働組合が存在するだけではなく、実際の処遇改善へつながっています。

一方、イオンビッグ単体のハラスメント相談件数、内部通報件数、是正件数、再発防止結果の年次公開は不足しています。

労使交渉の実績を評価して4/5点です。

労働安全・健康|2/10点

スーパーでは、品出し時の重量物運搬、床面での転倒、包丁・スライサーによる切創、冷凍・冷蔵設備、早朝・夜間勤務などのリスクがあります。

しかし、イオンビッグ単体の死亡労災件数、休業災害件数、労災度数率、転倒事故、切創、腰痛などを継続比較できる公開情報が不足しています。

事故を減らすには、制度だけでなく「何件発生し、前年から何件減ったのか」を公開することが重要です。

労災保険や健康管理制度は確認できますが、安全成果を数値で評価できないため2/10点です。

商品・サービスの安全|1/5点

2025年2月18日、農林水産省はイオンビッグに食品表示法に基づく指示を行いました。

輸入品である「冷凍塩さば」などについて原産国名「中国」を表示せず、2024年7月6日から8月8日までに28店舗で合計1万2,230パックを販売していました。

農林水産省は原因究明、責任の明確化、相互チェック体制の強化、全役員・全従業員への食品表示教育などを求めました。

さらに2026年6月18日、ザ・ビッグ高月店では「チキンステーキ(照り焼き)」へ別商品のラベルを貼り、特定原材料「卵」「乳」の表示が欠落した商品7パックを販売しました。会社は販売後に公表し、回収と再発防止を実施しています。

食品表示を改善する技術として、2026年からAI画像識別システムを畜産部門へ順次導入する計画は評価できます。

ただし行政指示の翌年にも食品ラベルの誤表示が発生しているため、現時点では1/5点です。

従業員・元従業員の口コミ

Indeedでは2026年8月時点で29件の口コミが掲載され、総合評価は2.9/5、勤務時間と残業2.6、給与と福利厚生3.3、定着率と昇進2.6となっています。

2025年8月に奈良県の販売職として投稿された口コミでは、

「パートやアルバイトが少ないと、出勤しないといけない場面が多い。」

とされています。情報ランクBです。

一方、2025年7月の山梨県のレジチェッカーからは、人間関係について肯定的な投稿もあります。

口コミからは、会社全体の平均残業が7.9時間でも、人員配置や店舗によって働き方に差が生じる可能性が読み取れます。

SNS・匿名掲示板の確認結果

X、一般SNS、5ちゃんねる、爆サイについて、社名と「残業」「退職」「パワハラ」「人員削減」「セルフレジ」などを組み合わせて確認しました。

現在の採点を変更できるほど、対象法人・勤務時期・職種を特定できる有用な投稿は確認できませんでした。

Safety小計:29/50点

Innovation|17/25点

イオンビッグは、AI需要予測、賞味期限管理システム、AIによる食品画像認識など、小売現場の作業を機械へ移す取り組みを進めています。

特に食品表示ミス防止では、現場の人が最後まで目視だけに頼らなくてよい仕組みを実店舗で開発している点を評価します。

作業負担・危険の削減|6/10点

イシダと共同開発したAI画像識別システムでは、商品を計量器へ載せるとカメラが撮影し、AIが商品を識別します。

設定商品と実物が違えば警告を出し、ラベルの発行を止めます。

香芝店で2023年6月から実証し、直近5週間で正答率99.9%を記録しました。

現場からは機械が最終確認することで安心感が大きくなったという声も公表されています。

人が一つ一つ「商品とラベルが一致しているか」を確認する心理的負担を機械で補助するため、作業負担軽減として評価できます。

一方、ラベル確認作業が1日何分減ったのか、店舗全体で年間何時間削減したのかは公開されていません。

そのため6/10点です。

商品・サービスの改善|4/5点

イオンビッグはAI需要予測によって仕入れ・製造計画の精度を高め、賞味期限チェックのシステム化も進めています。

需要予測が正確になれば、必要以上に商品を作って廃棄する量を減らす一方、売れ筋商品が欠品する可能性も減らせます。

低価格販売と食品廃棄削減を同時に進めている点を評価して4/5点です。

改善成果の人間への還元|2/5点

月平均残業7.9時間という良好な結果と、短時間労働者への7%台の賃上げが確認できます。

またAI画像認識について、従業員の心理的負担軽減が実際の店舗から報告されています。

一方、「AIやシステム化によって削減した○時間を休日へ転換した」「生産性向上分○円を賃上げへ回した」という因果関係までは公開されていません。

そのため2/5点です。

研究開発・現場改善の継続|5/5点

イシダとの取り組みは一度限りではありません。

両社は10年以上、店舗運営の課題解決を共同で進め、商品情報をバーコードから呼び出す仕組みなども開発してきました。今回のAI画像認識も、その継続的な改善の延長です。

AI需要予測、食品日付管理、食品表示AIなど複数領域で改善を続けているため5/5点です。

自動化・AI導入後の雇用状況

2026年時点で従業員約1万2,000人、正社員1,321人とされ、現在も新卒・中途・パートの募集が続いています。

AI需要予測やラベル確認システムを理由とした大規模な希望退職や整理解雇は、今回の調査では確認していません。

ただし、セルフレジ、AI発注、食品加工機器などの導入後に、レジ・発注・加工担当が具体的に何人減り、どの仕事へ配置転換されたかについて公開情報がありません。

Innovation小計:17/25点

Protection|14/25点

イオンビッグは12県に129店舗を持ち、複数自治体と災害時の物資供給協定を締結しています。

食品や日用品を扱う小売業は、災害時にも営業・供給を続けられるかが重要です。

災害への備え・訓練|3/5点

2024年11月、イオンビッグは静岡市と災害時支援協定を締結しました。

地震などの大規模災害時に、食料品や生活必需品を調達・供給し、配送まで行う内容です。

香芝市、那須塩原市、さくら市、本巣市などでも物資供給や避難場所提供を含む協定が確認できます。

例えば地震で家庭の食料や水が不足した場合、自治体は店舗側へ必要物資の供給を要請できます。

一方、イオンビッグ単体の全社防災訓練回数、参加店舗数、訓練後の改善事項は公開情報が不足しています。

そのため3/5点です。

生産・物流・調達の代替|3/5点

2026年7月時点で129店舗を12県に展開しています。

複数地域へ店舗が分散しているため、一店舗が停止しても会社全体の販売機能が失われる構造ではありません。

イオングループの調達・物流網を利用できることも供給継続の強みになります。

一方、主要物流拠点が停止した場合に、どのセンターへ切り替えるのか、通常供給量の何%を何時間以内に復旧できるのかは対象会社単体では公表されていません。

そのため3/5点です。

サイバー防衛・情報保護|2/5点

イオンビッグは個人情報保護管理責任者を置き、社員教育、監査、不正アクセス・漏えい等への対策を定めています。

ウェブサイトではSSLとファイアウォールの利用も明記しています。

一方、

  • MFA
  • EDR
  • SOC監視
  • POSと社内ネットワークの分離
  • オフラインバックアップ
  • 標的型メール訓練
  • サイバー攻撃発生件数
  • RTO・RPO

について、イオンビッグ単体の具体的な公開情報が不足しています。

方針と基本対策を評価して2/5点です。

供給継続・復旧能力|2/5点

2026年3月、ザ・ビッグエクストラ弥富店は施設内停電により営業を休止しました。会社は休止状況を公表しています。

一方、店舗停電、地震、洪水、物流センター障害ごとの目標復旧時間や平均復旧時間は公開されていません。

129店舗の広域網を持っていても、一地域で店舗が停止したときに食品供給をどの程度維持できるかを数字で評価できません。

そのため2/5点です。

危機時の市民への対応|4/5点

那須塩原市との協定では物資供給だけでなく、店舗駐車場を一時避難場所として提供する内容も確認できます。

静岡市との協定では食料品・生活必需品を配送まで含めて供給します。

例えば大地震で住宅へ戻れず避難場所が不足した場合、店舗駐車場を一時避難場所として利用できます。

さらに物流が混乱し、避難所の食品や日用品が不足した場合には、自治体からの要請を受けて店舗・物流網から物資を供給できます。

複数自治体との具体的な協定を評価して4/5点です。

実災害時の供給数量、到着時間、支援人数まで継続公開できれば5/5点を検討できます。

Protection小計:14/25点

良いニュース・最近の前向きな動き

最近のイオンビッグでは、働く人への賃金還元と、食品表示ミスそのものをAIで止めようとする技術開発が特に重要です。

低価格競争の中でも賃金を上げ、人の注意力だけに依存していた作業を機械へ移せれば、「安さ」を従業員の負担増によって実現しない方向へ進めます。

2026年3月 短時間・有期労働者の時給を7.14%引き上げ

連合の2026春季生活闘争回答速報では、イオンビッグ労働組合の対象組合員9,286人について、平均時給1,225円に対し87.50円、7.14%の引き上げ回答となっています。

2025年にも7.24%の引き上げが確認できるため、複数年の改善です。

店舗の大部分を支える短時間労働者の時給を引き上げることは、売上や生産性向上の成果を現場へ戻す最も直接的な方法の一つです。

2026年1月 AIで食品ラベルを99.9%の精度で確認

イシダと共同開発したシステムでは、カメラとAIで商品を識別し、設定商品と一致しなければラベル発行を停止します。

実証では正答率99.9%でした。

例えば「若鶏むね肉」を登録した状態で「若鶏もも肉」を置けば、AIが違いを検出して作業者へ知らせます。

食品表示は、毎回人間が完全に注意し続けることを求めるより、間違えたときに機械側で止める仕組みにしたほうが事故を減らしやすくなります。

悪いニュース・問題となった動き

イオンビッグで最も重い課題は食品表示です。

2025年に国から行政指示を受け、2026年にも店舗でアレルギー情報を含む誤表示が発生しています。食品表示を技術で改善する取り組みは評価できますが、最終的には違反・回収件数が実際に減ったかで判断する必要があります。

2025年2月 塩さば1万2,230パックで原産国表示を欠落

農林水産省は2025年2月18日、イオンビッグに食品表示法に基づく指示を行いました。

輸入品の塩さばについて原産国名「中国」を表示せず、28店舗で合計1万2,230パックを販売していました。

農林水産省は原因究明、責任所在の明確化、相互チェック強化、全従業員への食品表示教育などを求めました。

消費者は表示を見て商品の産地や内容を判断します。表示が間違えば、その選択自体ができなくなります。

2026年6月 「卵」「乳」のアレルギー表示が欠落

ザ・ビッグ高月店では2026年6月18日、「チキンステーキ(照り焼き)」へ別商品のラベルを貼り、特定原材料である「卵」「乳」の表示が欠落した商品7パックを販売しました。

会社は対象商品を公表して回収しました。

7パックと数量は小さいものの、アレルギー表示は健康被害へ直接つながる情報です。

2026年からAI画像認識システムを展開する以上、今後は同様のラベル誤貼付が実際にどこまで減ったかを公表する必要があります。

総合評価と、これから改善してほしいこと

イオンビッグ株式会社は現在60点・シビックランクCです。

次のBランクは70点からなので、あと10点必要です。

低残業、長期休日、短時間労働者への継続的な賃上げ、AIによる食品表示ミス防止、災害時物資供給には明確な強みがあります。

一方、食品表示、労働安全KPI、女性管理職、AI導入後の作業時間削減と人間への還元を改善・公開する必要があります。

食品表示違反を止め、AI導入後の再発率を公開する|Safety

現在の「商品・サービスの安全」は1/5点です。

2025年の塩さば1万2,230パックの不適正表示に続き、2026年にもアレルギー表示を含むラベル誤貼付が発生しました。

AI画像識別を全畜産部門へ展開し、

  • AI導入店舗数
  • 食品ラベル誤貼付件数
  • AIが出荷前に停止した誤表示件数
  • 抜き打ち監査件数
  • 監査不備率
  • アレルギー表示事故件数
  • 行政指示後12カ月以上の同種違反0件

を公開し、改善結果を確認できれば4/5点を検討できます。

改善後想定:1→4点
加点幅:+3点
総合点:60→63点
ランク:C

労災件数と事故率を公開する|Safety

現在の「労働安全・健康」は2/10点です。

毎年度、

  • 死亡労災件数
  • 休業災害件数
  • 労災度数率
  • 転倒
  • 切創
  • 腰痛・重量物事故
  • 深夜作業中の事故
  • 前年比
  • 再発防止後の事故減少率

を公開し、事故率の低下まで確認できれば6/10点を検討できます。

改善後想定:2→6点
加点幅:+4点
総合点:63→67点
ランク:C

参考企業のキリンビバレッジ株式会社は、現行の企業審査で死亡労災0人や休業災害度数率を法人単位で公開しており、労働安全の実績を外部から比較できます。

AI・自動化で削減した作業時間を人へ返す|Innovation

現在の「改善成果の人間への還元」は2/5点です。

AI画像認識や需要予測について、

  • 導入前後の作業時間
  • 年間削減時間
  • 発注作業時間
  • ラベル確認時間
  • 店舗当たり必要人時
  • 残業時間
  • 削減時間を教育・休暇へ転換した時間
  • 生産性向上後の賃上げ額

をつなげて公開すれば、技術による効率化が人の生活改善につながったことを確認できます。

改善後想定:2→4点
加点幅:+2点
総合点:67→69点
ランク:C

参考企業のキリンビバレッジ株式会社では、湘南工場の原料投入自動化によって年間約2,300時間の業務負荷削減を数値で示しています。

女性管理職と男女賃金差を改善する|Safety

現在の「雇用の安定・待遇の公平性」は2/5点です。

女性管理職比率6.5%、正規雇用の男女賃金比率74.8%について、職種・役職・勤続年数別に原因を分析し、

  • 女性管理職比率20%以上
  • 正規雇用の男女賃金比率90%以上
  • 男女別昇進率
  • 男女別管理職候補者数
  • 育休後の昇進・賃金推移

を公開できれば3/5点以上を検討できます。

改善後想定:2→3点
加点幅:+1点
総合点:69→70点
ランク:C→B

次のランクへ上がるための具体例

現在60点・Cで、Bランクは70点からです。

食品表示の再発防止を結果まで公開して+3点、労災実績を公開し事故削減を確認して+4点、AIによる削減時間と従業員への還元を公開して+2点、女性管理職・男女賃金差を改善して+1点となれば、

60点 → 70点

となり、シビックランクBへ上がります。

イオンビッグは、「残業を抑える」「賃金を上げる」「AIで人のミスを減らす」という方向では既に具体的な成果があります。今後は食品表示の再発を実際に止めること、そして労災やAI導入後の作業削減を数字で公開することがBランクへの最も重要な条件です。

出典一覧

  • イオンビッグ株式会社「会社情報」
  • イオンビッグ株式会社「数字でわかるイオンビッグ」
  • イオンビッグ株式会社「正社員採用情報」
  • イオンビッグ株式会社「福利厚生」
  • イオンビッグ株式会社「働く『しあわせ』」
  • イオンビッグ株式会社「社会の『しあわせ』」
  • イオンビッグ株式会社「マルチステークホルダー方針」
  • イオンビッグ株式会社「プライバシーポリシー」
  • イオン株式会社「2026年2月期 有価証券報告書」
  • 連合「2025春季生活闘争 有期・短時間・契約等賃金 回答速報」
  • 連合「2026春季生活闘争 有期・短時間・契約等賃金 回答速報」
  • 流通ニュース「賃上げ2024」
  • イオングループ労働組合連合会「加盟単組」
  • 株式会社イシダ・イオンビッグ株式会社「AI画像識別で食品表示ミスを防ぐ、正答率99.9%」
  • 農林水産省「イオンビッグ株式会社における塩さばの不適正表示に対する措置について」
  • ザ・ビッグ高月店「食品表示間違いに関するお詫びとお知らせ」
  • 静岡市・イオンビッグ株式会社「災害時における支援協力に関する協定」
  • 那須塩原市「災害時応援協定」
  • 香芝市「締結している災害協定一覧」
  • さくら市「防災協定一覧」
  • Indeed「イオンビッグ株式会社 社員クチコミ」情報ランクB
  • マイナビ2027「イオンビッグ株式会社 働き方データ」

シビックランクの基準

シビックランク総合点
S90~100点
A80~89点
B70~79点
C60~69点
D50~59点
E40~49点
F20~39点
G0~19点

イオンビッグ株式会社は60点のため、シビックランクCです。

情報ランクの基準

情報ランク基準
S公的機関、裁判所、規制当局、独立した第三者機関の調査・監査・検証・認証など、内容そのものに独立した裏づけがある情報
A企業公式資料、採用情報、公式声明・SNS、または氏名・役職・立場が確認できる記名取材や公表発言など、発信主体を確認できる公表情報
B従業員・元従業員の口コミ、一般SNS、匿名掲示板など、発信者の身元や対象企業との関係を独立に確認しにくい情報

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