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株式会社クリアーウォーター津南を企業審査|シビックランクC・62点/100点|月残業2時間・FSSC22000とPFAS検査を評価、賃金・労災・BCPの定量開示が課題

私たちは、企業の商品を購入したり、サービスを利用したりすることで、そこで働く人たちの未来を変えることができます。

働く人に十分な賃金を払い、休暇を確保し、安全な職場をつくり、人の負担を減らす企業の商品やサービスが選ばれれば、そうした企業により多くの売上が集まります。その結果、働く人を大切にする経営を続けやすくなります。

反対に、低賃金や長時間労働、安全上の問題を改善しない企業の商品やサービスが売れ続ければ、そうした働かせ方のままでも事業を続けることができます。

だからこの企業審査では、「私たちがお金を使うなら、どの企業を選ぶことが、そこで働く人にとってより良い社会につながるのか」という視点から企業を評価します。

なぜ企業を審査するのか?――このサイトの目的と、利用するメリット

今回審査する株式会社クリアーウォーター津南は、総合62点、シビックランクCです。

株式会社クリアーウォーター津南の特に強い点は、2025年のハローワーク求人で月平均時間外労働2時間という低い残業水準を確認できることに加え、FSSC22000、123℃以上の加熱殺菌、年1回の外部機関によるPFAS分析など、飲料水の安全管理を具体的に行っていることです。さらに、工場内でペットボトル成形から充填・箱詰めまでを一貫して行い、入出庫予約システムでトラック待機時間を減らすなど、製造・物流の省力化も進めています。

そのため、この企業の商品を購入したりサービスを利用したりすれば、安全性を確認した飲料水を大量に供給しながら、製造現場や物流現場の反復作業・待機時間を減らす社会につながる可能性が高まります。

一方で、改善点として、現在の賃金水準・賃上げ率、年間休日、有給取得、育児・介護制度、死亡・休業労災、BCP訓練、工場停止時の復旧時間など、働く人と供給継続を判断する重要指標の公開が不足しています。

この記事では、株式会社クリアーウォーター津南の強みと課題をさらに詳しく企業審査していきます。

目次

株式会社クリアーウォーター津南の企業審査結果

株式会社クリアーウォーター津南は、新潟県津南町の湧水を原料にナチュラルミネラルウォーターを製造する飲料メーカーです。公式会社概要では従業員37人、年間製造数6,500万本、FSSC22000取得、ファミリーマートのPB受託、日本航空・ANAケータリングサービスなどへの販売を公表しています。[出典1]

2025年8月受理のハローワーク求人では、正社員の製造職について月給16万5,000円~27万1,200円、基本給16万円~24万1,200円、3交替勤務、月平均時間外労働2時間と確認できます。現在の公式採用ページでは募集を行っていません。[出典2・3]

2026年2月期の純利益は4億8,869万7,000円、総資産27億7,194万円で、事業として安定した利益を確保しています。一方、利益が従業員の賃上げや福利厚生へどの程度還元されたかを示す対象会社単体の公開情報は不足しています。[出典4]

評価軸点数
Safety30/50
Innovation16/25
Protection16/25
総合点62/100
シビックランクC

評価時点:2026年10月8日

主な強み

・2025年求人で月平均時間外労働2時間
・正社員として無期雇用の製造職を募集
・公式従業員数37人、社会保険被保険者数39人の外部情報も確認
・FSSC22000を2017年から取得
・123℃以上の高温殺菌と微細フィルターによるろ過
・工場内でペットボトル成形から充填まで一貫製造
・PFASを外部機関で年1回分析し、日本・米国の基準値を下回ると公表
・全ボトルへ100%リサイクルPETを使用
・入出庫予約システムでトラック待機時間を削減
・一部物流を鉄道へ切り替えるモーダルシフト
・2026年TNFD開示で湧水資源のリスク分析と取水上限管理を明示
・太陽光発電を導入し、2025年度CO2排出量を2023年度比85%とする目標・実績指標を設定
・情報セキュリティポリシーとSECURITY ACTION二つ星を公表
・熊本地震時に津南町の要請で水約2万本を熊本市へ供給した実績
・東日本・西日本にファミリーマート系の水製造拠点を持つ供給網の一角を担う

主な課題

・2026年現在の基本給、平均給与、賃金中央値、ベースアップ率が非公表
・2025年求人の下限月給16万5,000円は確認できるが、2026年最低賃金改定後の現行賃金を確認できない
・年間休日、有給取得率、夜勤者の年間勤務日数が公開されていない
・育児休業、介護休業、看護休暇の取得実績が公開されていない
・男女賃金差、女性管理職比率、離職率、平均勤続年数が非公表
・死亡、重篤、休業、軽微を分けた労災件数、度数率、ヒヤリハット件数が非公表
・3交替勤務で深夜0時30分~9時00分の勤務がある
・機械・フォークリフトを扱う工場だが、設備事故・挟まれ・転倒等の安全KPIが非公表
・製造設備によって人の作業を年間何時間削減したかが非公表
・削減した作業時間が賃金、休日、休憩へどう還元されたかが非公表
・単一の津南工場が停止した場合のRTO、代替生産量、非常電源、BCP訓練結果が非公表
・SECURITY ACTIONは自己宣言制度であり、MFA、EDR、バックアップ復元試験などの技術KPIは非公表

事業内容と人間への貢献

株式会社クリアーウォーター津南は2013年3月1日設立で、新潟県中魚沼郡津南町大字秋成8895番地1に本社・工場を置きます。2014年3月に清涼飲料工場を稼働し、津南町の秋成地区にある湧水を採水しています。[出典1]

基本情報

項目内容
会社名株式会社クリアーウォーター津南
英文名Clear Water Tsunan Co., Ltd.
設立2013年3月1日
代表者代表取締役社長 金武浩二
本社・工場新潟県中魚沼郡津南町大字秋成8895番地1
資本金1億5,000万円
従業員数37人、会社公式
事業ナチュラルミネラルウォーターの製造・販売
年間製造数6,500万本、約270万ケース
取得規格FSSC22000
PB受託先株式会社ファミリーマート
NB主要販売先日本航空株式会社、株式会社ANAケータリングサービス等

主な事業内容

津南町の湧水を採水し、微細フィルターでろ過した後、123℃以上で加熱殺菌し、ペットボトルへ充填します。ペットボトル自体も工場内でブロー成形し、充填、ラベル、外観検査、印字、箱詰め、積付、出荷まで一連の工程を同一工場で行います。[出典5]

ファミリーマート向けの「ファミマル 新潟県津南の天然水」などのPB商品を製造するほか、NB商品を航空会社の機内食・ケータリング用途などへ供給しています。[出典1・6]

主な利用企業・取引先

公式会社情報ではPB受託先として株式会社ファミリーマート、主要販売先として日本航空株式会社、株式会社ANAケータリングサービスなどを公表しています。[出典1]

同社の水は全国のコンビニや航空サービスを通じて利用されるため、津南工場の安全・労働条件・供給継続は地域内だけでなく全国の利用者へ影響します。

事業による人間への貢献

飲料水は日常の水分補給だけでなく、災害時にも必要になる生活必需品です。

クリアーウォーター津南は、天然水の採水から容器成形、充填、検査、箱詰め、出荷までを一つの工場で管理しています。外部から完成ボトルを調達して持ち込む工程を減らし、品質責任の所在を明確にしやすい生産方式です。[出典5]

また、ファミリーマートは東日本の津南と西日本の宮崎県小林市に水の製造拠点を持ち、熊本地震では津南からも水約2万本を被災地へ送りました。平時の販売だけでなく、大規模災害時に飲料水を供給する役割があります。[出典6・7]

Safety|30/50

Safetyでは、工場で働く人の賃金、労働時間、雇用、育児・介護、人権、労災と、製造する飲料水の安全を評価しました。

特に強いのは月平均残業2時間とFSSC22000・PFAS検査です。一方、賃金・休日・労災・育児の公開が少なく、3交替勤務の負担を外部から十分に確認できないことが減点要因です。

賃金・利益の還元|4/10

2025年8月受理のハローワーク求人では、正社員製造職の月給は16万5,000円~27万1,200円、基本給は16万円~24万1,200円でした。[出典2]

2026年2月期には純利益4億8,869万7,000円を計上しており、会社として利益を確保しています。[出典4]

一方、2026年現在の賃金表、社員平均給与、賃金中央値、昇給率、ベースアップ、賞与実績は公開されていません。現在の公式採用ページは「募集を行っておりません」としており、2025年求人の賃金を現行賃金とみなすこともできません。[出典3]

新潟県最低賃金は2026年10月1日から時間額1,108円ですが、求人票から年間所定労働日数などを完全に確認できないため、月給を単純に最低賃金へ換算して適法性を判断しません。[出典8]

利益を確保しながら従業員への還元状況が見えないため4/10点です。

社員の賃金中央値、2025年・2026年のベースアップ率、賞与、夜勤を含む年収を公開し、継続的な実質賃金上昇を確認できれば6~8/10点を検討できます。

労働時間・休息|8/10

2025年求人では就業時間が8時30分~17時00分、16時30分~翌1時00分、0時30分~9時00分の3交替で、休憩60分、月平均時間外労働2時間とされています。[出典2]

月2時間の時間外労働は非常に低い水準です。残業が常態化せず、交替勤務の所定時間内で製造を回していることは強く評価できます。

一方、深夜帯を含む3交替勤務は体内時計への負担があります。年間休日、有給取得日数、夜勤回数、連続夜勤日数、勤務間インターバルについて公開情報がありません。

そのため8/10点です。年間休日120日以上、有給平均12日以上、夜勤回数と勤務間インターバルを公開し、交替勤務でも十分な休息を確認できれば10/10点を検討できます。

雇用の安定・待遇の公平性|4/5

2025年求人は雇用期間の定めのない正社員募集で、会社公式従業員数は37人です。外部の社会保険情報では2026年7月時点の被保険者数39人という情報もあり、小規模ながら雇用規模を維持しています。[出典1・9]

2026年2月期の利益も黒字であり、今回の調査では大規模な希望退職、採用停止、整理解雇を裏づける公開情報は確認できませんでした。

一方、男女比、男女賃金差、女性管理職比率、離職率、平均勤続年数、非正規比率は公開されていません。

そのため4/5点です。雇用区分別人数と離職率、男女賃金差・昇進率を公開できれば5/5点を検討できます。

福利厚生・育児・介護|2/5

2025年求人では雇用、労災、健康、厚生年金の各社会保険への加入を確認できます。[出典2]

一方、育児休業、介護休業、看護休暇、短時間勤務、住宅手当、退職金、社員食堂などについて、対象会社単体の現在の制度と取得実績を確認できる公開情報がありません。

親会社・関連会社の福利厚生を対象会社へ自動的に適用できないため2/5点です。

育休・介護制度の利用人数、復職率、夜勤者への健康支援などを公開できれば4/5点以上を検討できます。

人権・ハラスメント・労使関係|3/5

会社は経営理念として倫理・法令遵守、公正なコミュニケーション、社員一人ひとりの創造性を尊重する企業風土を掲げています。[出典1]

ファミリーマートの関連事業会社として、親会社側では人権方針やサプライチェーン上の人権・労働課題への対応を進めています。

一方、クリアーウォーター津南単体のハラスメント相談窓口、相談件数、内部通報件数、是正結果、労働組合の有無は公開されていません。

そのため3/5点です。対象会社単体の相談・是正実績を公開できれば4~5/5点を検討できます。

労働安全・健康|4/10

製造職は、機械の稼働チェック・メンテナンス、生産工程の管理、フォークリフトでの積み降ろしなどを担当します。深夜を含む3交替勤務もあります。[出典2]

機械・フォークリフト・夜勤を扱う工場では、挟まれ、転倒、車両接触、メンテナンス中の事故、睡眠不足などへの対策が重要です。

しかし、死亡・重篤・休業・軽微を分けた労災件数、度数率、ヒヤリハット、夜勤者の健康診断・面談などの結果KPIは公開されていません。

今回の調査では同社に直接結びつく近年の重大死亡事故や重大な労働行政処分は特定できませんでしたが、事故報道が見つからないことは事故ゼロの証明ではありません。

そのため4/10点です。死亡0、休業労災、度数率、フォークリフト・設備事故、夜勤者の健康KPIを毎年公開し、低い事故率を確認できれば6~8/10点を検討できます。

商品・サービスの安全|5/5

クリアーウォーター津南は2017年にFSSC22000を取得し、原材料調達から製造・輸送・販売まで食品安全マネジメントを運用しています。[出典1・5]

製造では原水を微細フィルターでろ過し、123℃以上で高温殺菌した後に充填します。ボトルも工場内で成形し、外観検査、印字、箱詰めまで一貫管理しています。[出典5]

PFASについては外部機関で年1回分析し、PFOA・PFOSが日本の水道水目標値の合計50ng/Lと、米国の各4ng/Lという基準を下回ることを確認していると公表しています。[出典10]

重大な回収・品質事故として同社に直接結びつく近年の事案も今回の調査では特定できませんでした。

第三者規格、殺菌工程、外部水質検査が揃っているため5/5点です。

従業員・元従業員の口コミ

転職会議、Indeed、OpenWork、エンゲージ会社の評判などを「株式会社クリアーウォーター津南」で確認しましたが、対象会社の現社員・元社員と判断でき、現在の職場実態を具体的に確認できる口コミ本文は見つかりませんでした。

求人情報は確認できましたが、求人票は会社・職業安定所が公表する採用条件であり、従業員口コミとは分けて扱います。

SNS・匿名掲示板の確認結果

X、5ちゃんねる、爆サイを対象に、会社名と「残業」「給料」「夜勤」「労災」「退職」「パワハラ」などを組み合わせて確認しました。

対象会社の社員・元社員であること、勤務時期、職種を確認でき、今回の採点を変更できる具体的な投稿本文は確認できませんでした。

有用投稿が見つからないことは、問題が存在しないことの証明ではありません。

Innovation|16/25

Innovationでは、製造・物流の反復作業や待機時間を設備・システムで減らしているか、その成果を人へ返しているかを評価しました。

工場の一貫製造と入出庫予約システム、環境・水資源管理は具体的です。一方、人の作業時間を何時間減らしたかという定量KPIが不足しています。

作業負担・危険の削減|6/10

同社は工場内でペットボトルのブロー成形から充填、ラベル、検査、箱詰め、積付までの生産設備を一体運用しています。2025年求人でも製造ラインオペレーター、梱包オペレーター、機械メンテナンスが中心であり、人が一本ずつボトルを作る工程ではなく設備を監視・保全する生産方式であることが分かります。[出典2・5]

物流では入出庫予約システムを導入し、トラックの待機時間を減らしてドライバーの負担軽減につなげています。[出典10]

一方、製造設備導入前後で何人・何時間の作業を削減したか、フォークリフト・梱包設備によって重量物作業が何%減ったかは公表されていません。

そのため6/10点です。工程別の年間削減時間、重量物取扱回数、設備事故、残業時間を導入前後で公開できれば8~10/10点を検討できます。

商品・サービスの改善|5/5

FSSC22000、123℃以上の加熱殺菌、外部PFAS検査に加え、すべてのボトルへ100%リサイクルPETを使用しています。ラベルも再生PET化・薄肉化を進めています。[出典5・10]

さらにファミリーマートと連携し、津南の水源についてTNFDのLEAP分析を実施しました。取水量の上限を地域の協議で設定し、異常気象・降雪量減少・湧水汚染などを事業リスクとして明示しています。[出典11]

単に水を製造するだけでなく、安全・容器・自然資本を継続的に改善しているため5/5点です。

改善成果の人間への還元|1/5

2025年求人の月平均残業2時間は非常に良好です。

しかし、この低残業が製造自動化や入出庫予約システムによって何時間改善した結果なのかという因果は公開されていません。

効率化で生まれた利益が基本給、賞与、休日、休憩、人材育成へどう返ったかも確認できません。

そのため1/5点です。自動化前後の作業時間・残業を比較し、その削減分を賃上げや休日へ還元した結果を示せれば3~5/5点を検討できます。

研究開発・現場改善の継続|4/5

2017年のFSSC22000取得後も、100%リサイクルPET、ラベル薄肉化、鉄道へのモーダルシフト、入出庫予約システム、太陽光発電、水使用原単位の改善、TNFD分析などを継続しています。[出典5・10・11・12]

伊藤忠商事のESGデータでは、水使用量原単位が2024年度1.82から2025年度1.78へ改善しています。[出典12]

複数年にわたり設備・物流・環境改善を続けているため4/5点です。労働時間削減と生産性を同じKPIで年次公開できれば5/5点を検討できます。

自動化・AI導入後の雇用状況

同社は機械設備を使った一貫製造を行っていますが、自動化による大規模人員削減を裏づける公開情報は確認できませんでした。

むしろ2025年求人では正社員を募集し、公式従業員数37人、2026年の外部社会保険情報では39人とされており、少なくとも直近で急激な人員減少を示す公開情報はありません。[出典1・2・9]

ただし、設備導入前後の従業員数、配置転換、採用、離職を時系列で公開していないため、自動化が雇用へ与えた影響を定量評価することはできません。

Protection|16/25

Protectionでは、地震・豪雪・停電・水源リスク・物流停止・サイバー攻撃が起きても、飲料水を供給できるかを評価しました。

熊本地震時の実供給と、ファミリーマート系の東西水源、鉄道輸送への切替は強みです。一方、津南工場単体のBCP訓練、非常電源、復旧時間の開示が不足しています。

災害への備え・訓練|2/5

2026年のTNFD開示では、降雪量減少、水量低下、湧水汚染、取水規制などを事業リスクとして分析し、地域協議会と連携して取水上限を管理する方針を示しています。[出典11]

自然資本のリスクを事業計画へ組み込んでいる点は評価できます。

一方、地震、豪雪、停電、設備故障を想定したBCP訓練の頻度、安否確認、非常電源、備蓄、工場停止訓練の結果は公開されていません。

そのため2/5点です。年1回以上の実地BCP訓練と結果を公開できれば4~5/5点を検討できます。

生産・物流・調達の代替|4/5

ファミリーマートは東日本の津南と西日本の宮崎県小林市に主力の水製造拠点を持ち、災害時の供給源分散を行っています。[出典6]

物流では従来の大型トラック輸送の一部を貨物鉄道へ切り替えています。トラックと鉄道という複数の輸送手段を持つことは、運転手不足や道路混雑への対応にもなります。[出典13]

対象会社自身は津南の単一工場ですが、主要PBの供給網として東西の代替水源と複数輸送手段を持つため4/5点です。

一方、津南工場が全面停止した際に何%の需要を何時間で他拠点へ切り替えられるかは公開されていません。

サイバー防衛・情報保護|3/5

2023年に情報セキュリティポリシーを制定し、経営者責任、社内体制、従業員教育、事故対応を明記しています。また、IPAのSECURITY ACTION二つ星を自己宣言しています。[出典14]

情報セキュリティを会社単体の方針として公表している点を評価します。

一方、SECURITY ACTIONは第三者認証ではなく自己宣言制度です。MFA、EDR、SOC、ネットワーク分離、オフラインバックアップ、復元訓練、重大インシデント件数、RTO・RPOは公開されていません。

そのため3/5点です。技術対策と復元試験結果を外部から確認できれば4~5/5点を検討できます。

供給継続・復旧能力|3/5

年間6,500万本を製造する設備を持ち、ファミリーマートの全国物流へ供給しています。[出典1]

一方、津南工場の主要設備が停止した場合の予備設備、部品在庫、非常電源、目標復旧時間、代替生産計画を対象会社単体で確認できません。

東西の水源分散と物流多重化は強みですが、津南工場そのものの復旧能力が不透明なため3/5点です。

主要設備ごとのRTO、非常電源稼働時間、代替生産切替時間を公開できれば4~5/5点を検討できます。

危機時の市民への対応|4/5

2016年の熊本地震では、津南町からの要請を受け、クリアーウォーター津南から熊本市へ550mlの水約2万本を送りました。[出典7]

平時の販売契約とは別に、災害時に実際に飲料水を被災地へ送った実績があるため高く評価します。

一方、現在の自治体との災害協定、緊急時に何本を何時間で出荷できるかという供給量・所要時間は公開されていません。

そのため4/5点です。自治体協定と最新の緊急供給能力を公開し、訓練や実災害で確認できれば5/5点を検討できます。

良いニュース・最近の前向きな動き

最近の前向きな動きでは、水源そのものを守るTNFD分析、地域カーボンクレジット、PFAS検査、物流負担の軽減を評価します。安全な水を作るだけでなく、採水地と物流現場を持続可能にする方向へ事業を広げています。

2026年1月 津南の天然水についてTNFD開示

ファミリーマートは「ファミマル 新潟県津南の天然水」についてTNFDのLEAP分析を公表し、水量低下・湧水汚染・降雪量減少・取水規制などをリスクとして整理しました。[出典11]

取水量は地域の協議によって決められた上限を守り、地域の水利用者と持続可能な水資源管理を進める方針です。

水メーカーにとって、水源を使い続けられることは事業継続そのものです。水を大量に取る企業が地域と上限を決める仕組みは、住民や農業との資源競合を減らす意味があります。

PFASを年1回外部機関で確認

会社はPFASについて年1回外部機関で分析し、日本と米国の基準値を下回ることを公表しています。[出典10]

水道・天然水へのPFAS関心が高まる中、検査を継続することは利用者が安全性を判断するための基礎情報になります。

トラック待機時間の削減

入出庫予約システムによって、工場へ来るトラックの待機時間を減らしています。[出典10]

飲料は重量が大きく、大量輸送ではトラック依存が高くなります。荷役待ちを減らせば、ドライバーが工場前で何時間も待つ負担と長時間労働を減らす方向に働きます。

悪いニュース・問題となった動き

今回の調査では、近年の重大死亡事故、大規模リコール、重大な行政処分、重大情報漏洩としてクリアーウォーター津南に直接結びつく事案は特定できませんでした。

一方、企業審査では「問題が報道されていない」だけで安全と判断しません。工場で働く人の待遇・労災と、単一工場停止時の復旧力について結果情報が少ないことが現在の主要課題です。

2026年の現行賃金・休日が見えない

2025年求人では月給16万5,000円~27万1,200円、残業2時間という条件を確認できますが、現在の公式採用ページは募集停止中です。[出典2・3]

2026年10月から新潟県最低賃金は1,108円へ上がっており、2025年の求人条件をそのまま現在へ適用することはできません。[出典8]

賃上げ率、年間休日、有給取得を対象会社単体で毎年更新してほしいところです。

労災KPIが公開されていない

工場では製造機械、梱包設備、フォークリフト、夜勤を扱います。

それにもかかわらず、死亡・休業労災、度数率、設備事故、夜勤者の健康状況を外部から確認できません。

食品安全はFSSC22000やPFAS検査で詳しく公開しているため、働く人の安全についても同程度の透明性が望まれます。

単一工場の復旧時間が公開されていない

ファミリーマート全体では東西に水源を分散していますが、クリアーウォーター津南自身は津南町の一拠点へ生産が集中しています。

豪雪、地震、停電、設備故障、水源汚染が発生した場合、何時間・何日で津南工場を復旧できるかは公開されていません。

総合評価と、これから改善してほしいこと

株式会社クリアーウォーター津南は62点・シビックランクCです。次のBランクは70点からなので、あと8点必要です。

低残業、FSSC22000、PFAS検査、工場一貫生産、モーダルシフト、災害時の水供給は高く評価できます。

一方、賃金、労災、福利厚生、BCPの結果情報が少なく、製造自動化の成果が働く人へどれだけ返ったかも確認できません。

賃上げと賃金中央値を公開してほしい|賃金・利益の還元 4→6/10

現在は4/10点です。

2026年2月期に4億8,869万7,000円の純利益を計上していますが、従業員のベースアップ率や賃金中央値は公開されていません。[出典4]

毎年の基本給改定率、賃金中央値、夜勤を含む平均年収を公開し、利益拡大に合わせて実質賃金が上がっていることを確認できれば4→6/10点、+2点を検討できます。

参考企業は株式会社ライフドリンク カンパニーです。当サイト現行審査では67点・Cで、2026年度まで4年連続ベースアップ、2026年度は月1万5,000円のベースアップを公表しています。飲料メーカーとして、利益を社員へ返したことを数字で示している点が参考になります。

労災と夜勤者の健康を公開してほしい|労働安全・健康 4→6/10

現在は4/10点です。

機械、フォークリフト、深夜勤務がある一方、労災件数や度数率が公開されていません。

死亡、重篤、休業、軽微労災、設備・フォークリフト事故、夜勤者の健康診断・面談実績を毎年公開し、重大労災ゼロと事故率低下を確認できれば4→6/10点、+2点を検討できます。

参考企業の株式会社セブン‐イレブン・ジャパンは、当サイト既存審査で死亡災害0、労災度数率0.78、強度率0.01を公開し、「労働安全・健康」8/10点としています。安全を制度ではなく結果で示している点が参考になります。

自動化の削減時間を公開してほしい|作業負担・危険の削減 6→8/10

現在は6/10点です。

工場はボトル成形から箱詰めまで設備化され、入出庫予約システムもあります。しかし「人の作業を年間何時間減らしたか」がありません。

成形、充填、検査、梱包、積付、荷役ごとに、導入前後の人作業時間、重量物取扱回数、必要人員を測定して公開してほしいです。

これが確認できれば6→8/10点、+2点を検討できます。

参考企業はウイングアーク1st株式会社です。当サイト現行審査では81点・Aで、導入先の業務を月815時間削減するなど、デジタル化の効果を時間で示しています。業種は異なりますが、「導入した」ではなく「何時間減った」と示す点が参考になります。

BCP訓練とサイバー復旧を結果で示してほしい|災害への備え 2→3/5、サイバー防衛 3→4/5

現在は「災害への備え」2/5点、「サイバー防衛・情報保護」3/5点です。

年1回以上、地震・豪雪・停電・水源汚染・サイバー障害を想定した訓練を行い、安否確認率、非常電源稼働時間、生産再開時間、バックアップ復元時間を公開してほしいです。

これが確認できれば災害への備え2→3/5点、+1点、サイバー防衛3→4/5点、+1点を検討できます。

参考企業の株式会社トランス・グリップは当サイト現行審査で56点・Dですが、年2回の全社安否確認訓練と全社員3日分の水・食料備蓄を公表し、「災害への備え・訓練」5/5点です。企業全体の総合点ではなく、訓練を実施して結果へつなげている点が参考になります。

次のBランクへ上がるための具体例

現在62点・Cで、Bは70点からです。あと8点必要です。

・賃金中央値とベースアップ率を公開し、継続的な実質賃上げを確認できる状態にする。「賃金・利益の還元」4→6/10、+2点。

・死亡・休業労災、度数率、夜勤者の健康KPIを公開し、重大事故ゼロと改善を確認する。「労働安全・健康」4→6/10、+2点。

・製造・物流設備について年間削減作業時間を公開する。「作業負担・危険の削減」6→8/10、+2点。

・年1回以上のBCP訓練を実施し、生産再開時間を公開する。「災害への備え・訓練」2→3/5、+1点。

・MFA、EDR、バックアップ復元訓練と復旧時間を公開する。「サイバー防衛・情報保護」3→4/5、+1点。

62点+2点+2点+2点+1点+1点=70点となり、シビックランクBに到達します。

クリアーウォーター津南は、商品安全と水源管理ではすでに高い透明性があります。次に必要なのは、同じレベルの透明性を「そこで働く人」と「災害時の復旧力」に広げることです。

出典一覧

No.出典情報ランク
1クリアーウォーター津南「会社情報」A
2ハローワーク十日町 2025年8月15日号「ペットボトル入りミネラルウォーターの製造」S
3クリアーウォーター津南「採用情報」A
4官報決算データベース「株式会社クリアーウォーター津南 第13期決算公告」S
5クリアーウォーター津南「津南の水ができるまで」A
6ファミリーマート「津南の天然水」会社・工場情報A
7ファミリーマート「平成28年熊本地震 緊急支援物資」A
8新潟労働局「2026年10月1日から新潟県最低賃金1,108円」S
9社会保険被保険者数を基にした法人情報S
10クリアーウォーター津南「環境活動」A
11ファミリーマート「TNFD提言に基づく情報開示 ファミマル新潟県津南の天然水」A
12伊藤忠商事「ESGデータ」A
13ファミリーマート「貨物鉄道輸送を活用したモーダルシフト」A
14クリアーウォーター津南「情報セキュリティポリシー」A
15Water Scape「津南工場における持続可能な地下水利用に向けた初期診断」A
16転職会議・Indeed・OpenWork・エンゲージ会社の評判での対象法人検索B
17X・5ちゃんねる・爆サイでの対象法人検索B
18Google Drive上の当サイト既存企業審査「株式会社ライフドリンク カンパニー」「株式会社セブン‐イレブン・ジャパン」「ウイングアーク1st株式会社」「株式会社トランス・グリップ」比較用内部資料

シビックランクの基準

シビックランク点数
S90~100点
A80~89点
B70~79点
C60~69点
D50~59点
E40~49点
F20~39点
G0~19点

株式会社クリアーウォーター津南は62点のため、今回の評価はシビックランクCです。

情報ランクの基準

情報ランク基準
S公的機関、裁判所、規制当局、独立した第三者機関の調査・監査・検証・認証など、内容そのものに独立した裏づけがある情報
A企業公式資料、採用情報、公式声明・SNS、または氏名・役職・立場が確認できる記名取材や公表発言など、発信主体を確認できる公表情報
B従業員・元従業員の口コミ、一般SNS、匿名掲示板など、発信者の身元や対象企業との関係を独立に確認しにくい情報

情報ランクは企業そのものの良し悪しではなく、個々の情報の出どころと検証状態を示します。Sは独立した裏づけがある情報として最上位です。AとBは単純な上下関係ではなく、残業、休息、ハラスメント、配置転換などの実態ではBの従業員情報が公式資料を補う場合があります。

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