私たちは、企業の商品を購入したり、サービスを利用したりすることで、そこで働く人たちの未来を変えることができます。
働く人に十分な賃金を払い、休暇を確保し、安全な職場をつくり、人の負担を減らす企業の商品やサービスが選ばれれば、そうした企業により多くの売上が集まります。その結果、働く人を大切にする経営を続けやすくなります。
反対に、低賃金や長時間労働、安全上の問題を改善しない企業の商品やサービスが売れ続ければ、そうした働かせ方のままでも事業を続けることができます。
だからこの企業審査では、「私たちがお金を使うなら、どの企業を選ぶことが、そこで働く人にとってより良い社会につながるのか」という視点から企業を評価します。
なぜ企業を審査するのか?――このサイトの目的と、利用するメリット
今回審査するレンゴー株式会社は、総合84点、シビックランクAです。
レンゴー株式会社の特に強い点は、平均年間給与818万1,928円、平均残業15.4時間、有給取得率81.4%という働く人への還元・休息実績に加え、包装機械、協働ロボット、AI、RFIDなどを利用して、物流・包装現場の重量物作業や反復作業を実際に機械へ移していることです。
そのため、この企業の商品や包装サービスを利用すれば、人の手作業を減らしながら物流を維持し、災害時には段ボールベッドなどを迅速に供給できる企業に売上が集まり、働く人の負担を減らしながら生活物資を安定して届けられる社会につながる可能性が高まります。
一方で、改善点として、正規雇用の男女賃金比は73.7%、女性管理職比率は7.1%にとどまります。また、2025年度にはレンゴー単体・国内連結子会社の範囲で死亡・重篤災害1件が発生し、重大な製品不具合も11件発生しています。
この記事では、レンゴー株式会社の強みと課題をさらに詳しく企業審査していきます。
レンゴー株式会社の企業審査結果
レンゴーは、日本の段ボール・板紙・包装を支える大手メーカーです。
働く人の給与、有給、育児、人権、労災、サイバー事故、製品不具合など、多くの企業が公開していない結果指標まで開示している点を高く評価しました。
Innovationでは、顧客工場だけでなく自社物流でもRFID、AI、自動搬送設備などを使い、人が行ってきた確認・荷揃え・重量物取扱いを減らしています。
Protectionでは全国に分散した生産拠点を持ち、能登半島地震や2026年熊本地震でも段ボールベッドを供給しています。
一方、製造業として労災は完全には抑えられておらず、2025年度にはグループ国内範囲で死亡災害が1件発生しました。男女賃金差と女性管理職比率にも改善余地があります。
| 評価軸 | 得点 |
|---|---|
| Safety | 40/50 |
| Innovation | 22/25 |
| Protection | 22/25 |
| 総合点 | 84/100 |
| シビックランク | A |
| 主な強み | 主な課題 |
|---|---|
| 平均年間給与818万1,928円 | 正規雇用の男女賃金比73.7% |
| 平均残業15.4時間 | 女性管理職比率7.1% |
| 有給取得率81.4% | 2025年度に国内グループで死亡・重篤災害1件 |
| 男性育休取得率は総合職116.7%、業務職109.1% | レンゴー単体の労災度数率0.90でゼロではない |
| 労使協議会を年間400回以上実施 | 2025年度の重大製品不具合11件 |
| EDR・SOC導入、重大サイバー事故0件 | 製造現場には交替勤務が存在 |
| AI・RFID・無人リフト・包装ロボットによる省力化 | 口コミでは繁忙部署の残業・休日出勤への不満も確認 |
| 全国分散型の包装供給網 | 工場停止時の代替率・RTOの詳細は非公表 |
| 災害時に段ボールベッド・パーティションを供給 | 過去に段ボール価格カルテル事件あり |
事業内容と人間への貢献
レンゴー株式会社は1909年創業、1920年設立の総合包装メーカーです。
2026年3月期の連結売上高は1兆83億3,700万円、単体売上高は3,787億8,600万円。従業員数は連結2万5,573人、単体4,426人です。
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | レンゴー株式会社 |
| 英文名 | RENGO CO., LTD. |
| 創業 | 1909年4月12日 |
| 設立 | 1920年5月2日 |
| 本社 | 大阪市北区中之島2-2-7 |
| 東京本社 | 東京都港区港南1-2-70 |
| 資本金 | 310億6,600万円 |
| 単体従業員数 | 4,426人 |
| 連結従業員数 | 25,573人 |
| 単体売上高 | 3,787億8,600万円 |
| 連結売上高 | 1兆83億3,700万円 |
| 平均年齢 | 42.1歳 |
| 平均勤続年数 | 16.8年 |
| 平均年間給与 | 818万1,928円 |
平均給与は2026年3月期有価証券報告書に基づき、賞与・時間外等を含む平均年間給与です。前期から約5%増え、近年は上昇傾向です。
主な事業内容
レンゴーは段ボールだけを作る会社ではありません。
板紙、段ボール、紙器、軟包装、食品用フィルム、クラフト紙袋、ポリエチレン重袋、物流資材、不織布、セルロース素材、包装機械などを扱います。
通販向けでは商品のサイズに合わせて自動的に箱の高さを変える「ジェミニ」「J-RexS」などを開発し、製函、封函、パレタイズまで包装ラインそのものを自動化しています。
事業による人間への貢献
商品は、工場で作っただけでは人へ届きません。
食品、飲料、医薬品、家電、日用品などを安全に運ぶためには、衝撃、積み重ね、湿度、物流時の振動などから商品を守る包装が必要です。
レンゴーは圧縮・振動・落下・温湿度などを再現する包装試験を実施し、輸送中の破損を減らす設計を行っています。
さらに包装の形を変えることで、店員が箱を開封して商品を棚へ並べる作業、物流センターでピッキングする作業、通販倉庫で箱を組み立てる作業そのものを減らしています。
RSDP・NSDは、ケースの開封や陳列を簡略化し、小売現場の人手不足対策につなげる製品です。
つまりレンゴーの商品は、中身を守るだけでなく、その商品を運び、開け、並べる人の時間と身体負担を減らす役割を持っています。
Safety|40/50
Safetyでは、レンゴー単体の賃金、労働時間、男女待遇、育児、人権、労働安全に加え、包装メーカーとして製品の品質・安全も評価します。
給与・休暇・育児・労使対話は高水準です。
一方、男女賃金差、女性管理職比率、死亡災害、重大製品不具合が満点を妨げています。
賃金・利益の還元|8/10
2026年3月期の平均年間給与は818万1,928円です。
前年度より約39万円、約5%増加し、直近数年間でも上昇しています。
平均年齢42.1歳、平均勤続16.8年という社員構成を考慮する必要はありますが、製造業の大企業として高い給与水準です。
2025年の製品価格改定説明でも、原燃料・物流費と並び「賃上げの実施による労務費上昇」を明示しており、人件費上昇をコストとして実際に負担していることも確認できます。
一方、2026年度の全社員一律のベースアップ額、職種別の賃金中央値、利益のうち固定給へ何%還元したかまでは確認できません。
そのため8/10点です。
全社員のベースアップ額・率を毎年公開し、実質賃金が物価上昇率を継続して上回ることを確認できれば10/10点を検討できます。
労働時間・休息|9/10
厚生労働省「女性の活躍推進企業データベース」に基づく2025年度データでは、月平均残業は全体15.4時間、総合職15.6時間、業務職16.2時間です。
有給休暇取得率は81.4%です。
レンゴー自身も2015年から「全要素生産性向上による総実労働時間削減」を進めており、技術革新と作業改善によって残業削減と有給取得を進める方針を明示しています。
15時間台の残業と80%を超える有給取得は非常に良好です。
一方、Indeedの2026年口コミでは製造職から
「忙しい時期がとても多い」
という投稿や、別工場で休日出勤への不満も確認できます。
転職会議の投稿者集計では残業28.4時間、有給消化率62%となっており、会社公表値との間に差があります。
全社平均は良好でも、工場・営業・デザイン等で負担差がある可能性を考慮して9/10点です。
雇用の安定・待遇の公平性|3/5
2026年3月末の単体従業員数は4,426人です。
女性比率は14.4%、女性管理職比率は7.1%です。女性管理職比率は2021年度5.1%から改善していますが、まだ低い状態です。
男女賃金比は全従業員68.4%、正規雇用73.7%、非正規50.9%です。
会社は、初任給・昇給体系そのものには男女差がなく、管理職比率、勤続年数、交替勤務手当、雇用区分の違いが差に影響していると説明しています。
管理職を除く正社員の平均基本給では男女比94.7%です。
同一職務で女性の基本給を意図的に低く設定していると判断できる情報ではありません。
それでも正規雇用全体73.7%、女性管理職7.1%という結果は改善の余地が大きいため3/5点です。
福利厚生・育児・介護|5/5
2025年度の男性育児休業取得率は、管理職66.7%、総合職116.7%、業務職109.1%です。
100%を超えるのは、前年度に出生した子どもについて翌年度に取得した社員等が含まれるためです。
全社の女性活躍情報でも男性育休取得率は高い水準を継続しています。
仕事と育児・介護の両立相談窓口も整備されています。
制度だけでなく、男性側でも実際に多数利用されているため5/5点です。
人権・ハラスメント・労使関係|5/5
レンゴーはグループ人権方針を設け、差別、強制労働、児童労働、ハラスメントを禁止し、結社の自由と団体交渉権を明記しています。
各工場・事業所では、労働組合と管理職による労使協議会を毎月開催しています。
本社・本部間の協議も含めると、年間400回以上の労使協議が行われています。
さらに、社内窓口と外部弁護士窓口を持つ内部通報制度があり、匿名通報や退職後1年以内の元社員も利用できます。
方針だけでなく、日常的な労使協議と独立窓口まで確認できるため5/5点です。
労働安全・健康|7/10
レンゴー単体の労働災害度数率は、2021年0.90、2022年1.58、2023年0.90、2024年1.34、2025年0.90です。
事故をゼロにはできていませんが、結果を年度別に公開していることは高く評価できます。
2026年度は安全衛生憲章を新たに制定し、挟まれ・巻き込まれ防止のための機械設備の本質安全化や職長教育を重点施策にしています。
一方、レンゴー単体と国内連結子会社を合わせた対象範囲では、2025年度に死亡・重篤災害1件が発生しています。会社自身が年間0件を目標としていたため、重大な未達です。
事故が単体か子会社かは公開ページの記述だけでは確定できないため、レンゴー単体の死亡事故と断定はしません。
単体度数率0.90と国内グループ死亡災害を踏まえて7/10点です。
死亡・重篤災害0、単体度数率0.5以下などを複数年継続できれば8~10点を検討できます。
商品・サービスの安全|3/5
レンゴーは、製紙、段ボール、紙器などの品質管理でZD=Zero Defectsを目標にしています。
2025年度の製紙部門では、不具合件数は121件で前年116件から増加しました。段ボール・紙器部門では軽微な不具合の報告を増やしながら、ルール違反と重大不具合は大幅に減少したとしています。
一方、グループのマテリアリティKPIでは、損失額100万円以上の「重大な製品不具合」が2025年度11件あり、目標0件に届いていません。
包装は食品、医薬品、飲料などにも使われるため、箱が潰れる、接着不良、印刷・表示を誤るなどの不具合は中身の物流・販売にも影響します。
品質管理の仕組みと改善活動は強いものの、重大不具合が残るため3/5点です。
従業員・元従業員の口コミ
口コミは公式情報だけでは分かりにくい工場・部署ごとの差を確認する補助材料として使用します。
Indeedは2026年7月時点で24件、総合評価3.0、給与・福利厚生4.1、勤務時間・残業2.8です。
2026年7月の製造職投稿には、
「忙しい時期がとても多いです」
との記述があります。
2026年6月の神奈川県の製函職投稿では、
「休みが思ったより少ない」
というタイトルで、休日出勤等への不満が記載されています。
一方、転職会議の投稿者集計は564件と比較的多く、平均残業28.4時間、有給消化率62%です。
公式・公的データの15.4時間、81.4%との差が大きいため、社員全体は改善していても、勤務地・職種によって負担に差がある可能性があります。
情報ランク:B。
SNS・匿名掲示板の確認結果
X、5ちゃんねる等について「レンゴー」「残業」「労災」「工場」「パワハラ」「退職」などを組み合わせて確認しました。
今回確認できた範囲では、勤務先、時期、職種等を一定程度確認でき、既存の公的資料・口コミを上回って採点を変更するほど信頼性の高い匿名投稿は確認できませんでした。
そのためSNS・匿名掲示板だけを根拠とする追加加点・減点は行っていません。
Innovation|22/25
Innovationはレンゴーの大きな強みです。
包装メーカーでありながら、「箱を売る」だけで終わらず、製函、封函、仕分け、パレタイズ、荷揃え、輸送までを自動化する機械・システムを開発しています。
自社物流にもAI、RFID、無人リフトを導入しており、人間の負担削減が顧客向け商品だけでなく自社業務にも及んでいます。
作業負担・危険の削減|9/10
協働ロボットパレタイザー「ZIZAI 2my」は、段ボールケースを人が手積みする工程をロボットへ移す設備です。
レンゴー自身が「重量物を扱う作業者が確保できない現場」を利用例として示しています。
通販物流向けには製函・封函を自動化し、手作業より出荷量を増やせる包装システムを提供しています。
自社の淀川流通センターでは、AI搭載の無人クランプリフトを導入し、有人リフトと役割分担することで荷揃えを省力化しています。
RFIDによって入荷確認やラベル貼り作業も削減し、作業時間短縮を実現しています。
人が重量物を持つ・確認する・積むという作業を具体的に設備へ移しているため9/10点です。
自動化前後の人時、重量物取扱量、労災件数を統一指標で公開できれば10/10点を検討できます。
商品・サービスの改善|5/5
2026年に機械振興協会会長賞を受賞した「J-RexS」は、商品のサイズに合わせて段ボールの底面積と高さを変えて自動包装します。
必要以上に大きな箱を使わずに済み、包装資材使用量と輸送空間を減らせます。
2026年日本パッケージングコンテストでは、ビールケースを従来の開封方法のまま、より小さな力で開封できる構造などが受賞しています。
新型包装を継続的に市場へ投入し、作業性、物流効率、資源使用を同時に改善しているため5/5点です。
改善成果の人間への還元|3/5
レンゴーは2015年からTFP向上による総実労働時間削減を進めています。
実際、2025年度には残業15.4時間、有休取得率81.4%まで改善しています。
平均年間給与も818万円まで上昇しており、自動化・生産性向上と同時に、休暇と賃金の双方が改善していることは評価できます。
ただし、「無人リフト導入によって削減した○時間を休日へ移した」「AI導入利益を○円の賃上げへ充てた」という設備ごとの直接的な因果までは公開されていません。
そのため3/5点です。
省力化前後の総実労働時間・残業・賃金を施策別に公開できれば4~5点を検討できます。
研究開発・現場改善の継続|5/5
レンゴーは包装機械、自動化、包装設計、セルロース材料、デジタル印刷など幅広い研究開発を継続しています。
2026年にはJ-RexSが機械振興賞を受賞し、「ブライトプレス」も木下賞包装技術賞を受賞しました。ブライトプレスでは打抜きとエンボスを同時に行い、工程数と工場間輸送を削減しています。
2025・2026年の日本パッケージングコンテストでも複数作品が受賞しており、改善活動が単発ではありません。
そのため5/5点です。
自動化・AI導入後の雇用状況
レンゴー単体の従業員数は2026年3月末4,426人です。連結従業員数は2万5,573人に達しています。
AI、無人リフト、包装ロボット、RFIDなどの導入は確認できますが、それらを理由とした大規模な希望退職・解雇を2026年時点で確認していません。
むしろDX人材育成を進め、情報処理安全確保支援士やデータ分析人材を増やす目標を設定しています。
一方、自動化によって削減された職務から何人を別業務へ再配置したか、再教育したかという詳細までは公開されていません。
現時点では「人を減らすためだけのDX」ではなく、作業不足や重量物負担を補う自動化として評価できます。
Protection|22/25
Protectionでは、地震・豪雨・火災・物流停止・サイバー攻撃が起きても、段ボール・包装を供給し続けられるかを評価します。
レンゴーは全国分散型の生産構造と、災害時に実際に段ボールベッドを供給してきた実績が非常に強い企業です。
サイバー分野でもEDR、SOC、脆弱性診断を導入し、2025年度の重大インシデント0件まで公開しています。
災害への備え・訓練|4/5
レンゴーは地震、台風などの際、自治体・業界団体を通じて段ボールベッド、床敷き段ボール、パーティションなどを供給できる体制を構築しています。
全国自治体との防災協定締結も進めています。
製造拠点自体も全国へ分散しており、一つの地域のみで全商品を作る会社ではありません。
一方、レンゴー単体の全社BCP訓練の頻度や、各工場の実測復旧時間までは詳細公開されていません。
そのため4/5点です。
生産・物流・調達の代替|5/5
レンゴーの段ボール事業は地域分散型です。
段ボールはかさばり、遠距離輸送より需要地域の近くで製造することが合理的なため、全国各地に製造拠点を配置しています。
この構造は、ある地域の工場が停止した際にも周辺拠点で補完できる余地を持ちます。
自社物流でもRFID、AI配車、無人リフトなどを利用し、物流効率化を進めています。
災害時の実物資供給実績と地域分散構造が確認できるため5/5点です。
サイバー防衛・情報保護|4/5
レンゴーは情報セキュリティ委員会を置き、EDR、SOC、セキュリティ教育、情報資産台帳、脆弱性診断を実施しています。
2025年度の重大情報セキュリティインシデントは0件です。
単に「対策しています」ではなく、具体的な技術と事故結果まで公開している点は高く評価できます。
一方、主要業務システムのRTO・RPO、復旧訓練の実測時間、MFA適用率などは公開されていません。
そのため4/5点です。
供給継続・復旧能力|4/5
包装は食品・飲料・医薬品などの物流に不可欠です。
中身が製造できても段ボール箱がなければ出荷できないため、包装会社の停止は他産業の供給停止へ波及します。
レンゴーは全国に分散した製造基盤を持ち、災害時にも別地域を含むグループ網から資材を供給しています。
一方、「A工場停止時にB工場で何%代替し、何時間で切り替えられるか」という具体的な代替率・RTOは一般公開されていません。
そのため4/5点です。
危機時の市民への対応|5/5
2024年の能登半島地震では1,000万円の義援金に加え、業界団体を通じて段ボールベッドを供給し、追加要請へ即時対応できる体制を整えました。
2026年8月の熊本地震でも、レンゴーグループは1,000万円を寄付し、段ボールベッドを供給しました。追加要請に即応できる体制も整えています。
大阪・関西万博にも段ボール製ベッド・パーティション約630セットを提供しており、災害時の避難所用途でも利用できる製品を平時から実装しています。
実際の災害で継続的に物資を出しているため5/5点です。
良いニュース・最近の前向きな動き
直近では、包装現場の省人化、物流の効率化、働く人の安全、災害支援を同時に進めるニュースが目立ちます。
2026年3月 自動包装機J-RexSが機械振興賞を受賞
商品のサイズに合わせて箱を自動で最適化するJ-RexSが、第60回機械振興賞の機械振興協会会長賞を受賞しました。
箱を小さくすれば、段ボール使用量だけでなくトラックに積める個数も増えます。
包装資材、生産作業、物流を一つの設備で改善できる技術です。
2026年7月 ブライトプレスが木下賞を受賞
「ブライトプレス」は打抜きとエンボス加工を同時に行い、従来別々だった工程を一つへ集約します。
工場間輸送まで不要にできるため、作業工程、エネルギー、物流を同時に減らします。
2026年8月 熊本地震で段ボールベッドを供給
2026年熊本地震では1,000万円を寄付するとともに、業界団体経由で段ボールベッドを供給しました。
Protectionで高得点となった最大の理由の一つです。
2026年 安全衛生憲章を新設
2026年4月1日、「レンゴーグループ安全衛生憲章」を制定しました。
設備の挟まれ・巻き込まれリスク削減、安全教育、健康管理をグループ共通方針として明文化しています。
2025年度に死亡災害が発生しているため、この憲章が今後の事故減少へ結びつくかを確認する必要があります。
悪いニュース・問題となった動き
現在の最大課題は、製造現場の安全、製品不具合、男女格差です。
さらに、現在の企業姿勢とは分けて扱う必要がありますが、過去の段ボール価格カルテル事件も企業統治上の重大な履歴として残っています。
2025年度に死亡・重篤災害1件
レンゴー単体および国内連結子会社の対象範囲で、2025年度に死亡・重篤災害が1件発生しました。
会社目標は0件です。
対象範囲に国内子会社を含むため、死亡者がレンゴー株式会社単体社員だったとは断定しません。
ただし、親会社としてグループ安全衛生を統括する立場では重大な問題です。
労災度数率は0.90
レンゴー単体の2025年労災度数率は0.90です。前年1.34から改善しましたが、事故ゼロではありません。
大型製紙設備、段ボール設備、フォークリフト等を扱う会社であるため、設備の本質安全化をさらに進める必要があります。
重大製品不具合11件
2025年度のマテリアリティ実績では、損失額100万円以上の重大製品不具合が11件です。目標は0件です。
品質管理活動自体は強化されていますが、包装が多くの企業の商品出荷へ使われることを考えると、重大不具合は減らす必要があります。
正規雇用の男女賃金比73.7%
女性管理職比率は7.1%で、正規雇用の男女賃金比は73.7%です。
管理職を除く正社員の基本給差は94.7%なので、直接的な給与テーブル差よりも、管理職登用、勤続年数、交替勤務職場への配置差が影響しています。
その構造自体を縮める必要があります。
過去の段ボール価格カルテル事件
2014年、公正取引委員会はレンゴーを含む段ボールメーカーに排除措置命令・課徴金納付命令を行いました。
その後の審判でレンゴー側の課徴金の一部は取り消されましたが、大口需要者向け段ボールケースの事件では10億6,758万円を超える部分のみが取り消され、残る審判請求は棄却されています。
東日本地区の段ボールシート・ケースをめぐる別事件についても審決があります。
古い事案であり、現在の従業員や現在の全取引へそのまま当てはめるものではありません。
一方、社会の物流インフラを担う大手企業である以上、価格形成の公平性は重要な企業統治課題として履歴に残します。
総合評価と、これから改善してほしいこと
レンゴー株式会社は84点・シビックランクAです。
次のSランクは90点からなので、あと6点です。
平均給与、残業、有給、育休、労使対話、Innovation、災害支援、サイバー防御まで広い項目で高い結果を確認できます。
特に「省人化設備を売っている会社」だけではなく、自社でもAI・RFID・無人リフトを使い、有休81.4%、残業15.4時間という結果につなげている点は評価できます。
Sに届かない理由は、現在の課題が公開情報不足ではなく、男女格差、死亡災害、製品不具合という実際の結果として確認されているためです。
死亡・重篤災害0を継続してほしい
現在の「労働安全・健康」は7/10点です。
2025年度は国内グループ対象で死亡・重篤災害1件が発生しました。
死亡・重篤災害0を複数年継続し、レンゴー単体度数率も0.5以下へ下げられれば7→9点を検討できます。
+2点で84→86点です。
正規雇用の男女賃金比を90%以上へ近づけてほしい
現在の「雇用の安定・待遇の公平性」は3/5点です。
正規雇用男女賃金比73.7%、女性管理職比率7.1%です。
管理職比率を2030年度目標の8%で止めず、さらに10~15%以上へ引き上げ、正規雇用男女賃金比を90%以上へ近づけられれば3→5点を検討できます。
+2点で86点です。
重大製品不具合を11件から0件へ近づけてほしい
現在の「商品・サービスの安全」は3/5点です。
2025年度に重大製品不具合11件が確認されています。
原因別の再発防止を進め、重大不具合0~1件程度を複数年維持できれば3→5点を検討できます。
+2点で86点です。
DXの成果を人の自由時間として定量化してほしい
現在の「改善成果の人間への還元」は3/5点です。
AI、RFID、無人リフト、協働ロボットなど、人の作業を減らす技術は十分あります。
今後、「RFID導入で1人あたり年間○時間削減」「無人リフトで夜間作業○時間削減」「J-RexS導入で包装要員○人分を再配置」といった人側の結果を公開し、その削減分が休日・教育・賃金へ回ったことを確認できれば3→5点を検討できます。
+2点です。
次のSランクへ上がる具体例
| 改善項目 | 現在点→改善後 | 加点 |
|---|---|---|
| 労働安全・健康 | 7→9 | +2 |
| 雇用の安定・待遇の公平性 | 3→5 | +2 |
| 商品・サービスの安全 | 3→5 | +2 |
| 合計 | 84→90 | +6 |
この3項目を実際に改善できれば、84点から90点となり、シビックランクSへ到達します。
レンゴーはすでに「何を改善すればいいか分からない企業」ではありません。
平均給与818万円、残業15.4時間、有休81.4%、男性育休、高度な包装自動化、サイバー重大事故0、災害支援という高い基盤があります。
次に必要なのは、設備や制度をさらに増やすことより、死亡事故をゼロへ近づけること、男女のキャリア差を縮めること、重大品質事故をゼロへ近づけることです。
出典一覧
1.レンゴー株式会社「会社概要」
2.レンゴー株式会社2026年3月期有価証券報告書情報
3.レンゴー株式会社「DEIの推進」
4.レンゴー株式会社「健康経営の推進」
5.厚生労働省女性活躍推進企業データベース公表値を整理した労働データ
6.レンゴー株式会社「安全で働きやすい環境の整備」
7.レンゴー株式会社「2026年度安全衛生方針」
8.レンゴー株式会社「人権の尊重」
9.レンゴー株式会社「コンプライアンス」
10.レンゴー株式会社「DXの取組み」
11.レンゴー株式会社「持続可能な物流の構築」
12.レンゴー株式会社「包装機械・包装システム」
13.レンゴー株式会社「協働ロボットパレタイザー ZIZAI 2my」
14.レンゴー株式会社「J-RexS 第60回機械振興賞」
15.レンゴー株式会社「第50回木下賞 包装技術賞」
16.レンゴー株式会社「製品の品質と安全性の保証」
17.レンゴー株式会社「マテリアリティへの取組み」
18.レンゴー株式会社「ステークホルダーとの関わり」
19.レンゴー株式会社「令和6年能登半島地震への対応」
20.レンゴー株式会社「2026年熊本地震への対応」
21.Indeed「レンゴー株式会社 社員クチコミ」
22.転職会議「レンゴー株式会社」
23.公正取引委員会「レンゴー株式会社ほか1名に対する審決」
24.公正取引委員会「レンゴー株式会社ほか36名に対する審決」
シビックランクの基準
| シビックランク | 点数 |
|---|---|
| S | 90~100点 |
| A | 80~89点 |
| B | 70~79点 |
| C | 60~69点 |
| D | 50~59点 |
| E | 40~49点 |
| F | 20~39点 |
| G | 0~19点 |
レンゴー株式会社は84点のため、今回のシビックランクはAです。
情報ランクの基準
| 情報ランク | 基準 |
|---|---|
| S | 公的機関、裁判所、規制当局、独立した第三者機関の調査・監査・検証・認証など、内容そのものに独立した裏づけがある情報 |
| A | 企業公式資料、採用情報、公式声明・SNS、または氏名・役職・立場が確認できる公表情報 |
| B | 従業員・元従業員の口コミ、一般SNS、匿名掲示板など、発信者の身元や対象企業との関係を独立に確認しにくい情報 |
公正取引委員会の審決、有価証券報告書等の制度開示はS相当の情報として重視しています。
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