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東洋製罐株式会社を企業審査|シビックランクB・79点/100点|労災度数率0.16・全生産拠点FSSCと複数工場BCPを評価、残業・夜勤負担と労災件数増加が課題

私たちは、企業の商品を購入したり、サービスを利用したりすることで、そこで働く人たちの未来を変えることができます。

働く人に十分な賃金を払い、休暇を確保し、安全な職場をつくり、人の負担を減らす企業の商品やサービスが選ばれれば、そうした企業により多くの売上が集まります。その結果、働く人を大切にする経営を続けやすくなります。

反対に、低賃金や長時間労働、安全上の問題を改善しない企業の商品やサービスが売れ続ければ、そうした働かせ方のままでも事業を続けることができます。

だからこの企業審査では、「私たちがお金を使うなら、どの企業を選ぶことが、そこで働く人にとってより良い社会につながるのか」という視点から企業を評価します。

なぜ企業を審査するのか?――このサイトの目的と、利用するメリット

今回審査する東洋製罐株式会社は、総合79点、シビックランクBです。

東洋製罐株式会社の特に強い点は、東洋製罐単体で死亡労災0、度数率0.16、強度率0まで安全実績を公開し、国内の全生産拠点でFSSC22000を取得しながら、全国13工場とBCP訓練によって包装容器の供給を支えていることです。そのため、この企業の商品を利用する企業や、その容器を使った商品を購入する消費者が東洋製罐の需要を支えれば、安全な食品・飲料容器を安定供給し、製造現場の安全対策と省人化技術へ投資できる企業が残りやすくなります。

一方で、改善点として2024年度の労働災害発生件数が10件から18件へ増えていること、製造現場の口コミで長時間残業や夜勤負担が指摘されていること、女性管理職比率や男女賃金差などの公平性指標が東洋製罐単体では十分に公開されていないことが残ります。

この記事では、東洋製罐株式会社の強みと課題をさらに詳しく企業審査していきます。

目次

東洋製罐株式会社の企業審査結果

評価軸得点
Safety39/50
Innovation21/25
Protection19/25
総合点79/100
シビックランクB
主な強み主な課題
2024年度の死亡労災0、度数率0.16、強度率0労災発生件数は2023年度10件から2024年度18件へ増加
2026年の豊橋工場求人で年休128日、有休平均14.8日口コミでは月30~40時間台や長時間夜勤を指摘
製造職で月給23万~30万円、賞与組合平均4.86カ月全社員の平均給与・賃上げ率は非公表
女性100%・男性92%の育休取得率を豊橋工場求人で提示東洋製罐単体の女性管理職比率・男女賃金差は公開不足
13の国内生産拠点すべてでFSSC22000を取得製造現場の交替勤務・夜勤負担が残る
自動化設備・自動検査・パレタイザー等を生産へ導入自動化後の残業・必要人数・配置転換の定量公開は限定的
13工場の分散配置と2025年度のBCP火災訓練工場停止後のRTO・代替率の詳細は非公表
約9,000人へのセキュリティ教育・標的型メール訓練東洋製罐単体のサイバー事故件数・復旧時間は非公表

事業内容と人間への貢献

東洋製罐株式会社は、飲料缶、食品缶、PETボトル、パウチ、プラスチックカップ、エアゾール缶などの包装容器を設計・開発・製造・販売する総合容器メーカーです。現法人は2012年6月25日設立ですが、事業の起点は1917年の創業にさかのぼります。2026年4月1日時点の従業員数は2,627人、資本金は10億円、本社は東京都品川区です。[出典1]

基本情報

項目内容
会社名東洋製罐株式会社
現法人設立2012年6月25日
事業の起点1917年創業
代表者取締役社長 武部 安光
資本金10億円
従業員数2,627人(2026年4月1日時点)
本社東京都品川区東五反田2-18-1
主な事業金属・プラスチック等の包装容器の設計・開発・製造・販売、食品関連機械・包装システム
国内拠点本社・テクニカルセンター・13工場
親会社東洋製罐グループホールディングス株式会社

主な事業内容

飲料缶、食品缶、PETボトル、レトルトパウチ、スパウト付きパウチ、プラスチックカップ、エアゾール缶など、人が日常的に使う商品の容器を幅広く製造しています。[出典1・2]

国内には北海道の千歳工場から佐賀県の基山工場まで13の生産拠点があり、地域を分散して包装容器を供給しています。[出典3]

主な利用企業・取引の関係

東洋製罐の直接の顧客は、飲料、食品、日用品、化粧品などを製造・販売する企業です。

消費者が飲料や食品を購入すると、その需要を通じて容器メーカーの生産量や売上にもつながります。容器メーカーが安全性、生産効率、リサイクル性を改善すれば、最終商品を利用する消費者にも食品保存性や使いやすさとして影響します。

事業による人間への貢献

包装容器の役割は、食品や飲料を安全に保存し、必要な量を遠くまで運び、消費者が開封するまで内容物を守ることです。

東洋製罐は、酸素を遮断するPETボトル、レトルトパウチ、缶などの技術を通じて食品の保存期間や品質維持に貢献しています。包装によって食品を長く安全に保管できれば、食品ロスを減らし、災害時や物流が不安定な状況でも食品を備蓄しやすくなります。[出典4]

Safety|39/50

Safetyでは、製造工場で働く人の賃金、労働時間、福利厚生、人権、安全と、容器によって食品・飲料を安全に届けられるかを評価します。

東洋製罐は労働災害件数、死亡者、休業者、度数率、強度率を単体で公開している点が大きな強みです。食品安全でも国内生産拠点すべてでFSSC22000を取得しています。一方、工場ごとの残業差と2024年度の労災件数増加は改善課題です。

賃金・利益の還元|8/10

2026年の豊橋工場の製造職求人では、基本給月23万~30万円、残業代は全額別途支給、賞与は組合平均4.86カ月、想定年収は460万~600万円です。24歳・経験2年で年収500万円、31歳・経験3年で585万円という例も掲載されています。[出典5]

大卒総合職の2026年4月初任給は25万7,000円、修士27万7,000円、博士29万8,000円で、固定残業制度はありません。[出典6]

製造職・新卒とも一定以上の賃金水準と賞与を確認できるため8/10点です。

一方、東洋製罐単体の平均年収、賃金中央値、全社員のベースアップ率、物価上昇を上回る実質賃金の推移は公表されていません。全社実績まで継続公開できれば10/10点を検討できます。

労働時間・休息|6/10

総合職では年間休日122日、有給休暇は入社時20日付与です。2026年の豊橋工場製造職求人では交替勤務の年間休日128日、2025年度の有休平均取得日数14.8日、育児休業取得率は女性100%・男性92%とされています。[出典5・6]

制度面では休日が多く、工場勤務でも休息を確保する設計が確認できます。

一方、転職会議の投稿集計では平均残業33.5時間、有給消化率51.4%です。2026年の30代後半・生産管理系の投稿には、8時から21時までの勤務が週2~3回あり、夜勤でも長時間拘束になるという内容があります。Indeedにも「残業が多い」「夜勤がある」という2026年投稿があります。[出典10・11]

さらに石岡工場の2026年求人では、月平均30~45時間の残業を示す募集もあります。[出典12]

工場・職種による差が大きいため6/10点です。全社平均残業20時間以下、有休取得率80%以上を会社単体で複数年確認できれば8点以上を検討できます。

雇用の安定・待遇の公平性|3/5

2026年4月時点で2,627人を雇用し、製造、技術、営業、人事、経理、物流、ITなど複数職種で採用を継続しています。[出典1・7]

グループでは女性管理職比率5.8%、女性採用比率23.3%まで公開し、東洋製罐では女性活躍推進の「かがやきプロジェクト」を実施しています。[出典8]

一方、これらの管理職比率・男女賃金差は主要グループ会社合計の数字であり、東洋製罐単体の女性管理職比率、男女賃金差、離職率、平均勤続年数を分けて確認できる公開情報は不足しています。

採用継続と改善活動を評価して3/5点です。会社単体で男女差と離職率を継続公開できれば4~5点を検討できます。

福利厚生・育児・介護|5/5

社宅・独身寮、社会保険、積立貯蓄、投資会、健保組合、退職金、確定拠出年金、資格取得支援、保養所、結婚休暇、育児休業、介護休業、看護休暇などを整備しています。[出典5・9]

豊橋工場求人では2025年度の育休取得率が女性100%・男性92%とされ、健康経営優良法人2026にも認定されています。東洋製罐の健康経営優良法人認定は2018年以降9年連続です。[出典5・13]

制度と利用実績の両方を確認できるため5/5点です。

人権・ハラスメント・労使関係|4/5

東洋製罐グループには社内・社外の相談窓口があり、匿名で24時間365日Web相談でき、通報者の探索や報復行為を禁止しています。東洋製罐自身もハラスメント防止教材を各事業所へ展開し、大阪工場ではコミュニケーション講習を実施しています。[出典14]

2024年度のグループ相談件数は111件でしたが、重大なコンプライアンス違反や人権侵害につながる事例はなかったと公表しています。[出典14]

通報制度と会社別の研修を評価して4/5点です。

一方、東洋製罐単体の相談件数、ハラスメント認定件数、是正件数までは公開されていないため満点とはしません。

労働安全・健康|8/10

東洋製罐は単体の労働災害データを公開しています。

2024年度は労働災害18件、負傷者18人、休業者2人、死亡者0人でした。度数率は0.16、強度率は0です。2021年度から死亡者0を継続しています。[出典13]

全事業所で毎月安全衛生委員会を開き、運転中の機械へ手を入れないルール、指差し呼称、危険体感教育、設備安全装置の点検、低経験者教育などを実施しています。健康診断受診率は2021~2024年度まで100%、2024年度のストレスチェック受検率は98.0%です。[出典13]

死亡0、度数率0.16、強度率0という結果と詳細な安全管理を評価して8/10点です。

一方、労災発生件数は2023年度10件から2024年度18件へ増加しました。休業者も1人から2人へ増えています。重大事故は抑えていますが、全事故件数を再び減少させる余地があるため10点とはしません。

商品・サービスの安全|5/5

2026年4月1日時点で、千歳、仙台、石岡、久喜、埼玉、横浜、静岡、豊橋、滋賀、茨木、大阪、広島、基山の国内13生産拠点すべてがISO9001、ISO14001、FSSC22000を取得しています。[出典15]

東洋製罐は品質・環境・食品安全を統合したマネジメントシステムを運用し、食品容器を含む包装材料の安全管理を全拠点へ展開しています。

缶の製造工程では内外面検査機や漏洩検査などを組み込み、不良容器が食品・飲料の安全性を損なうリスクを抑えています。[出典16]

今回、近年に東洋製罐単体を原因とする大規模な食品容器リコールや重大な製品事故を確認していないため5/5点です。

従業員・元従業員の口コミ

Indeedでは2026年1月時点で10件の口コミ、総合評価3.1、給与・福利厚生3.8、勤務時間と残業2.7です。2026年1月の投稿では、残業と夜勤で自分の時間が少ない一方、残業代は給与に反映されるという内容があります。[出典10]

転職会議では残業33.5時間/月、有給消化率51.4%というユーザー集計が掲載されています。2026年投稿には、工場で8時~21時勤務が週2~3回あり、夜勤も長時間拘束という指摘があります。[出典11]

一方、2026年の豊橋工場求人では年間休日128日、有休平均14.8日、育休取得率女性100%・男性92%とされており、拠点や職場によって実態差が大きい可能性があります。[出典5]

口コミは情報ランクBとして扱い、会社全体の確定値にはしませんが、全社平均残業を会社自身が公開する必要性を示す材料として採点に反映しています。

SNS・匿名掲示板の確認結果

X、5ちゃんねる、爆サイなどについて「東洋製罐」と「残業」「夜勤」「労災」「パワハラ」「退職」などを組み合わせて確認しました。

今回、対象会社の従業員であること、勤務時期、職種まで確認でき、Indeed・転職会議以上に採点を変更できる具体的な投稿本文は使用していません。

Innovation|21/25

Innovationでは、包装容器の製造工程をどこまで自動化し、人の反復作業や危険作業を減らしているか、さらに技術改善が利用者と働く人へどこまで還元されているかを評価します。

東洋製罐は自動製缶、自動検査、パレタイザー、高密度自動倉庫、設備の見える化など、包装製造の省人化・自動化を長年進めています。2026年にはアルミニウムのアップグレードリサイクルについて量産・自動化の実証フェーズへ進み、包装技術そのものも継続的に更新しています。一方、自動化後の残業削減量や配置転換人数を会社単体で十分に公開していません。

作業負担・危険の削減|8/10

缶の製造では、材料送り、プレス、成形、印刷、検査、パレット積みまで多くの工程が設備化されています。TULCの製造工程では内外面検査機とパレタイザーまで組み込まれており、品質検査や重量物の積み付けを機械へ移しています。[出典16・17]

2026年の求人でも、生産ラインには自動化設備が多数導入され、進捗の「見える化」によって残業削減を目指すと説明されています。[出典7]

さらに、グループの物流改善では高密度自動倉庫を活用し、大ロット輸送・高積載率配送へ切り替えることでドライバー負担の軽減を進めています。東洋製罐も対象会社に含まれています。[出典8]

反復作業、検査、積み付け、物流負担を機械やシステムへ移す具体性を評価して8/10点です。

一方、設備導入前後で重量物作業が何回減ったか、作業時間が何%減ったか、労災件数がどこまで下がったかという人側の定量成果は十分に公開されていません。これらを同一ラインで比較できれば10/10点を検討できます。

商品・サービスの改善|5/5

東洋製罐は食品・飲料容器の軽量化、保存性向上、リサイクル性向上を継続しています。

酸素吸収PETボトル「OXYBLOCK」や酸化ケイ素膜を使う「SiBARD」は、酸素や水蒸気などから内容物を守り、食品・飲料の品質維持に役立ちます。[出典4]

2025年にはコカ・コーラ社「ジョージア」185g用アルミ飲料缶で資材使用量を1缶あたり13%削減し、The Canmaker Cans of the Year Awards 2025で銅賞を受賞しました。[出典18]

2026年8月にはアルミニウムのアップグレードリサイクル実用化開発、軟包装材の剥離・脱墨による資源循環実証にも参加しています。[出典19・20]

保存性、安全性、材料削減、再資源化を継続的に改善しているため5/5点です。

改善成果の人間への還元|3/5

会社は自動化設備と進捗の見える化によって残業時間削減を目指しています。また、2026年の豊橋工場求人では年間休日128日、有休平均14.8日という比較的良好な休息条件を確認できます。[出典5・7]

一方、どの設備導入によって残業が何時間減ったか、夜勤人数が何人減ったか、危険作業を担当していた社員をどこへ配置転換したか、浮いた生産性が賃金へどこまで還元されたかは公表されていません。

改善の方向は確認できますが、人への還元との因果を十分に検証できないため3/5点です。

自動化前後の残業、配置人数、夜勤回数、事故、賃金を同じ工場・ラインで公開できれば4~5点を検討できます。

研究開発・現場改善の継続|5/5

1919年の自動製缶設備導入以来、TULC、バリアPET、レトルトパウチ、軽量容器など包装技術を継続して更新してきました。[出典2・17]

2026年にもNEDO事業でアルミニウム再資源化の量産・自動化実証へ進み、環境省事業では9社連携で軟包装材の資源循環モデル実証へ参加しています。[出典19・20]

技術開発が一時的な設備更新ではなく、材料・製造・再資源化まで継続しているため5/5点です。

自動化・AI導入後の雇用状況

東洋製罐は自動製缶設備、自動検査、パレタイザー、自動倉庫など省人化設備を広く使っています。

一方、2026年4月時点で2,627人を雇用し、製造、保全、生産技術、物流、人事、経理、営業、ITなどで採用を継続しています。自動化を理由とする大規模希望退職や一斉解雇を示す公開情報は今回確認していません。[出典1・7]

ただし、自動化によって職種別人数がどのように変化したか、配置転換・再教育を何人に行ったかという時系列データは不足しています。

Protection|19/25

Protectionでは、地震、台風、火災、工場停止、原材料不足、サイバー攻撃などが起きても包装容器の供給を続けられるかを評価します。

東洋製罐は北海道から九州まで13工場を分散配置し、BCPとバックアップ生産体制を整え、実際に火災想定訓練を行っています。サイバー対策もグループ共通で強化されています。一方、災害時に市民へ直接物資を供給する制度は、飲料メーカーなどと比べると限定的です。

災害への備え・訓練|5/5

東洋製罐グループでは、自然災害や事故発生時に人命を最優先し、事業活動を早期復旧・継続するためBCPを策定しています。[出典21]

東洋製罐では2025年11月、茨木工場の製造ラインで火災が発生した状況を想定し、工場と危機対策本部がBCPに沿って初動対応と連携を実践する訓練を実施しました。[出典21]

机上の計画にとどまらず、特定工場と本部をつないだ実地訓練まで確認できるため5/5点です。

生産・物流・調達の代替|5/5

国内には千歳、仙台、石岡、久喜、埼玉、横浜、静岡、豊橋、滋賀、茨木、大阪、広島、基山の13工場があります。[出典3]

グループのリスク情報では、自然災害時に調達先の分散、生産拠点のバックアップ体制構築・再配置、適正在庫確保を行うと明示しています。[出典22]

北海道から九州まで工場を分散し、バックアップ生産を方針として明示しているため5/5点です。

サイバー防衛・情報保護|4/5

東洋製罐グループでは情報管理委員会を設置し、2025年度には約9,000人を対象として情報セキュリティeラーニングと標的型攻撃メール訓練を実施しました。2026年度にはグループ共通のサイバーセキュリティ対策基準を制定し、外部業者による情報セキュリティリスクアセスメントを国内外の事業所へ展開しています。[出典23]

東洋製罐はグループ共通体制の対象会社であり、教育、実戦訓練、第三者点検まで進んでいるため4/5点です。

一方、東洋製罐単体のサイバー事故件数、MFA・EDR・バックアップ分離率、システム復旧時間は公開されていないため満点とはしません。

供給継続・復旧能力|4/5

13工場の分散配置、調達先分散、バックアップ生産、適正在庫、BCP訓練を確認でき、単一工場停止に対する耐性は高いと評価できます。[出典3・21・22]

包装容器は飲料・食品メーカーの生産継続に不可欠であり、一つの容器工場が止まると最終商品の出荷にも影響します。東洋製罐の多拠点体制は食品・飲料供給網全体の復旧力を支える役割があります。

一方、主要製品ごとの代替生産可能率、工場停止後の目標復旧時間、実災害時の平均復旧時間までは公開されていません。そのため4/5点です。

危機時の市民への対応|1/5

東洋製罐の容器は保存食品・飲料・衛生用品を流通させる社会インフラの一部であり、災害時にも必要性が高い事業です。

一方、東洋製罐自身が自治体と災害物資供給協定を結び、避難所へ容器や物資を直接提供した実績について、今回の調査では十分な公開情報を確認できませんでした。

通常時の供給基盤は強いものの、市民への直接的な危機対応制度が確認できないため1/5点です。

良いニュース・最近の前向きな動き

最近の東洋製罐では、包装材料の使用量削減、再生材の高度利用、再生可能エネルギー導入などが進んでいます。これらは資源を減らすだけでなく、長期的に製造コストや原材料調達リスクを抑え、包装供給を維持しやすくする取り組みでもあります。

2026年8月 アルミニウムのアップグレードリサイクルを量産・自動化実証へ(Innovation)

2026年8月、東洋製罐はNEDO採択事業として、使用済みアルミニウムをより高品質な材料へ戻すアップグレードリサイクルの実用化開発を開始しました。研究段階から量産・自動化の実証フェーズへ進んでいます。[出典19]

アルミ缶の再生材を高品質な缶材として繰り返し利用できれば、天然資源の採掘や新地金製造への依存を減らせます。

2026年8月 9社で軟包装材の資源循環実証を開始(Innovation)

2026年8月、環境省事業として9社が連携し、軟包装材の剥離・脱墨技術を使った資源循環の実証を開始しました。[出典20]

複数企業が設備と技術を共有する協創型プラットフォームを検証しており、これまで再利用が難しかった印刷済みフィルムを再資源化する仕組みづくりを進めています。

2026年4~6月 大阪・茨木工場で再生可能エネルギー導入(Innovation・Protection)

大阪工場と茨木工場ではオンサイトPPAモデルによる再生可能エネルギー電力の利用を開始しました。茨木工場では年間約420t、大阪工場では年間約276tの温室効果ガス削減を見込んでいます。[出典24]

自家消費型電源の活用は環境負荷低減だけでなく、将来的なエネルギー調達の多様化にもつながります。

2025年 アルミ飲料缶の資材使用量を13%削減(Innovation)

コカ・コーラ社「ジョージア」185g用アルミ飲料缶で、従来比1缶あたり13%の資材使用量削減を実現し、国際的な缶コンテストで銅賞を受賞しました。[出典18]

同じ本数を生産する場合でも必要なアルミ量を減らせるため、資源消費と輸送負荷の両方を下げる効果があります。

悪いニュース・問題となった動き

最近の最大の課題は、大規模な死亡事故や重大リコールではなく、労災件数の増加と、一部製造現場で長時間勤務を訴える口コミが続いていることです。

2024年度 労働災害が10件から18件へ増加(Safety)

東洋製罐単体の労働災害発生件数は、2023年度10件から2024年度18件へ増加しました。休業者も1人から2人へ増えています。死亡者は0、度数率0.16、強度率0と重大度は低く抑えられています。[出典13]

つまり「重大事故は抑えているが、事故そのものは増えた」という状態です。

機械への巻き込まれ、不注意、低経験者事故などを重点課題として会社自身が挙げているため、今後は18件を再び10件以下へ減らす結果が求められます。

2026年 製造現場の残業・夜勤負担を訴える口コミ(Safety)

2026年の転職会議には、8時から21時までの勤務が週2~3回ある、夜勤も長時間拘束になるという投稿があります。Indeedにも、残業が多く夜勤で自分の時間が少ないという投稿があります。[出典10・11]

一方、豊橋工場の求人では年間休日128日、有休平均14.8日とされており、工場・部署差が大きい可能性があります。[出典5]

全社平均だけでなく工場別の残業時間、45時間超残業者比率、有休取得率を公開すれば、どの拠点に改善が必要なのかを明確にできます。

総合評価と、これから改善してほしいこと

現在79点・シビックランクBです。次のAランクは80点からなので、あと1点です。

東洋製罐は、給与・福利厚生、労働安全の数値開示、食品安全、製造技術、BCP、サイバー対策まで幅広く強い会社です。特に、死亡労災0・度数率0.16、国内13生産拠点すべてのFSSC22000取得、13工場の分散配置とBCP訓練は高く評価できます。

一方、Aランクへ上がるための課題は明確です。工場によって残業・夜勤負担に差があること、労災発生件数が2024年度に増えたこと、自動化の成果を人の時間へどれだけ返したかが十分に数字で示されていないことです。

自動化後の残業・夜勤削減を定量化してほしい(Innovation)

現在の「改善成果の人間への還元」は3/5点です。

東洋製罐は自動検査、パレタイザー、自動倉庫、進捗の見える化などを進めていますが、設備導入後に残業が何時間減ったか、夜勤人数が何人減ったか、危険作業から何人を配置転換したかは十分に公開していません。

主要工場で設備導入前後の平均残業、夜勤回数、配置人数、労災件数を公開し、残業・危険作業の減少と雇用維持を確認できれば3→4/5点を検討できます。

現在3/5点
改善後4/5点
加点+1点
総合79→80点
ランクB→A

となります。

参考企業は株式会社ファミリーマートです。Google Drive上の現行審査では、AI発注によって店舗作業を週約6時間削減した定量実績を評価しています。東洋製罐も「自動化した」ではなく「人の時間が何時間減った」を示すことで、技術投資の人間への還元をより明確にできます。

工場別の残業・有休を公開し、長時間勤務の拠点を改善してほしい(Safety)

現在の「労働時間・休息」は6/10点です。

年間休日122~128日、有休平均14.8日という良い数字がある一方、口コミや一部求人では月30~45時間の残業、長時間の交替勤務が確認されています。

全工場について平均残業、45時間超残業者比率、有休取得率を公開し、全工場で平均残業20時間以下、有休取得率80%以上を継続できれば6→8/10点を検討できます。

加点+2点で総合81点・Aとなります。

参考企業はイオン九州株式会社です。Google Drive上の現行審査では、残業7.9時間、有休取得率82.1%を確認し、「労働時間・休息」を8/10点と評価しています。

労災発生件数を再び10件以下へ減らしてほしい(Safety)

現在の「労働安全・健康」は8/10点です。

死亡0、度数率0.16、強度率0は優れていますが、労災発生件数は2023年度10件から2024年度18件へ増加しました。

重大事故ゼロを維持しながら、全労災件数を10件以下へ減らし、その後も減少傾向を継続できれば10/10点を検討できます。

加点+2点で総合81点・Aとなります。

同社はすでに事故の種類、休業者、度数率、強度率まで公開できているため、次に必要なのは「公開すること」ではなく「実際に事故を減らすこと」です。

次のランクへ上がるための具体例

改善項目現在点改善後加点達成条件
改善成果の人間への還元3/54/5+1自動化後の残業・夜勤・危険作業削減を定量公開

79点+1点=80点となり、シビックランクAへ上がります。

より本質的には、全工場の残業時間を抑え、2024年度に18件へ増えた労災を再び減らすことが重要です。

つまり、東洋製罐は新しい制度や認証を追加する段階より、すでに持っている自動化・安全管理・福利厚生の仕組みを、工場で働く人の「残業が減った」「夜勤負担が減った」「事故が減った」という結果へつなげることで、Aランクへ到達できる企業です。

出典一覧

1.東洋製罐株式会社「会社概要」【情報ランクA】
2.東洋製罐株式会社「企業情報・製品情報」【情報ランクA】
3.東洋製罐株式会社「国内事業拠点」【情報ランクA】
4.東洋製罐株式会社「バリアボトル」【情報ランクA】
5.doda「東洋製罐株式会社 豊橋工場 製造スタッフ求人」2026年【情報ランクB】
6.マイナビ2027「東洋製罐グループ 採用後の待遇」【情報ランクB】
7.doda「東洋製罐株式会社 中途採用・求人情報」2026年【情報ランクB】
8.東洋製罐グループホールディングス「多様な人材の共創・働き方改革」【情報ランクA】
9.東洋製罐株式会社「福利厚生」【情報ランクA】
10.Indeed「東洋製罐株式会社の社員クチコミ」【情報ランクB】
11.転職会議「東洋製罐株式会社の残業・夜勤に関する口コミ」【情報ランクB】
12.タウンワーク「東洋製罐株式会社 石岡工場求人」2026年【情報ランクB】
13.東洋製罐株式会社「健康経営・労働安全衛生」【情報ランクA】
14.東洋製罐グループホールディングス「コンプライアンス・相談窓口」【情報ランクA】
15.東洋製罐株式会社「品質・環境・食品安全 統合マネジメントシステム/認証状況」【情報ランクA】
16.東洋製罐株式会社「DI缶・溶接缶の製造工程」【情報ランクA】
17.東洋製罐株式会社「TULCの製造工程」【情報ランクA】
18.東洋製罐株式会社「The Canmaker Cans of the Year Awards 2025/資材使用量13%削減」【情報ランクA】
19.東洋製罐株式会社「アルミニウムのアップグレードリサイクル実用化開発」2026年【情報ランクA】
20.東洋製罐株式会社「9社連携によるプラスチック容器包装資源循環実証」2026年【情報ランクA】
21.東洋製罐グループホールディングス「リスクマネジメント/2025年度BCP訓練」【情報ランクA】
22.東洋製罐グループホールディングス「リスク情報」【情報ランクA】
23.東洋製罐グループホールディングス「情報セキュリティ」【情報ランクA】
24.東洋製罐株式会社「大阪工場・茨木工場 オンサイトPPA導入」2026年【情報ランクA】

シビックランクの基準

シビックランク点数
S90~100点
A80~89点
B70~79点
C60~69点
D50~59点
E40~49点
F20~39点
G0~19点

東洋製罐株式会社は79点のため、今回のシビックランクはBです。

情報ランクの基準

情報ランク基準
S公的機関、裁判所、規制当局、独立した第三者機関の調査・監査・検証・認証など、内容そのものに独立した裏づけがある情報
A企業公式資料、採用情報、公式声明・SNS、氏名・役職・立場を確認できる記名取材や公表発言など、発信主体を確認できる公表情報
B従業員・元従業員の口コミ、一般SNS、匿名掲示板など、発信者の身元や対象企業との関係を独立に確認しにくい情報

Sは第三者による裏づけがある情報として最も強く扱います。AとBは情報の性質が異なり、働き方の実態確認ではBが有用な場合もあります。口コミは時期・職種・拠点・件数を確認し、公式・公的情報と照合して使用します。

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