私たちは、企業の商品を購入したり、サービスを利用したりすることで、そこで働く人たちの未来を変えることができます。
働く人に十分な賃金を払い、休暇を確保し、安全な職場をつくり、人の負担を減らす企業の商品やサービスが選ばれれば、そうした企業により多くの売上が集まります。その結果、働く人を大切にする経営を続けやすくなります。
反対に、低賃金や長時間労働、安全上の問題を改善しない企業の商品やサービスが売れ続ければ、そうした働かせ方のままでも事業を続けることができます。
だからこの企業審査では、「私たちがお金を使うなら、どの企業を選ぶことが、そこで働く人にとってより良い社会につながるのか」という視点から企業を評価します。
なぜ企業を審査するのか?――このサイトの目的と、利用するメリット
今回審査する株式会社第四北越銀行は、総合80点、シビックランクAです。
株式会社第四北越銀行の特に強い点は、2026年まで4年連続でベースアップを実施し、2024年度の月平均所定外労働を8時間59分まで抑えながら、アプリ・Web・RPAなどを使って銀行手続きの負担を減らしていることです。そのため、この企業の商品を購入したりサービスを利用したりすれば、働く人へ賃金と時間を返しながら、利用者が店舗へ出向かなくても金融サービスを使える社会につながる可能性が高まります。
一方で、改善点として、2026年3月期の正規雇用労働者の男女賃金比率が64.7%にとどまることと、2023年に元行員が顧客7人の資金合計6,098万8,358円を着服した不祥事件が残ります。
この記事では、株式会社第四北越銀行の強みと課題をさらに詳しく企業審査していきます。
株式会社第四北越銀行の企業審査結果
株式会社第四北越銀行は、新潟県を中心に預金、融資、為替、資産運用、決済、事業承継、DX支援などを提供する地方銀行です。新潟県内192店舗を含む206店舗を持ち、個人の生活資金から地域企業の資金繰りまで幅広く支えています。[出典1]
2026年3月末時点の従業員数は2,893人で、臨時従業員等は別に1,102人です。平均年齢41.5歳、平均勤続年数17.6年、平均年間給与は801万円です。労働組合には2,190人が加入しています。[出典2]
2026年7月からは総合職で実質賃上げ率平均7.4%、うちベースアップ平均3.2%を実施しました。ベースアップは2023年から4年連続で、事務職員やパートタイマーなどにも同率3.2%を適用しています。[出典3]
| 評価軸 | 点数 |
|---|---|
| Safety | 38/50 |
| Innovation | 22/25 |
| Protection | 20/25 |
| 総合点 | 80/100 |
| シビックランク | A |
評価時点:2026年10月9日
主な強み
・2026年まで4年連続ベースアップ
・2026年7月から総合職の実質賃上げ率平均7.4%、ベースアップ平均3.2%
・事務職員、パートタイマーなどにも同率3.2%のベースアップ
・2024年度の月平均所定外労働8時間59分
・2024年度の年次有給休暇取得率66.8%
・女性管理職比率26.8%
・男性育児休業取得率107.4%
・プラチナくるみんプラス、プラチナえるぼしを取得
・健康経営優良法人2026「ホワイト500」に9年連続認定
・旧第四銀行時代にRPAで累計3万6,494時間の事務時間を削減し、168人を営業・企画等へシフト
・アプリ、Web口座振替、DXコンサルティング、BPOなどデジタルサービスを継続拡大
・能登半島地震で通帳・印鑑喪失時の便宜払いや災害復旧融資を実施
・ITリスク委員会、サイバー訓練、地域金融機関とのサイバー情報連携を継続
主な課題
・2026年3月期の男女賃金比率は全労働者50.0%、正規雇用64.7%、パート・有期67.1%
・女性管理職比率26.8%まで上昇した一方、賃金差は依然大きい
・有給取得率66.8%で、休暇をより取得しやすくする余地がある
・2023年、元行員が顧客7人の資金合計6,098万8,358円を着服
・銀行単体の重大な事務事故、不正送金被害、内部不正件数を年次比較できる公開KPIが不足
・旧第四銀行のRPA削減成果は確認できるが、現法人での最新の削減時間・配置転換人数は公表されていない
・銀行全体のRTO・RPO、重大障害時の実測復旧時間、チャネル別稼働率の公開が不足
事業内容と人間への貢献
第四北越銀行は、預金を預かり、必要な個人・企業へ資金を貸し、振込・決済・資産運用・相続・事業承継などを提供します。地域銀行では、金融サービスそのものに加え、地域企業の経営改善、DX、人手不足への対応を支える役割も大きくなっています。[出典1・14]
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社第四北越銀行 |
| 本店 | 新潟県新潟市中央区東堀前通七番町1071番地1 |
| 創業 | 1873年11月2日 |
| 店舗数 | 206店舗、133営業拠点 |
| 新潟県内 | 192店舗、121営業拠点 |
| 従業員数 | 2,893人、2026年3月末 |
| 平均年齢 | 41.5歳 |
| 平均勤続年数 | 17.6年 |
| 平均年間給与 | 801万円 |
主な事業内容
個人向けには預金、住宅ローン、カードローン、資産運用、相続、アプリ・インターネットバンキングなどを提供しています。法人向けには融資、決済、事業承継、M&A、経営改善、DXコンサルティング、BPOなどを提供しています。[出典1・14]
2026年4月には給与計算を中心とするBPOサービスの試行を開始しました。顧客企業が給与計算などの定型バックオフィス業務を外部化すれば、人手不足の企業が社員を営業、製造、顧客対応など本業へ振り向けやすくなります。[出典14]
主な利用者・取引先
主な利用者は、新潟県を中心とする個人、事業者、自治体、地域企業です。206店舗に加え、アプリやWebサービスを使えるため、店舗で対面相談したい人と、日常の手続きをオンラインで済ませたい人の両方へ金融サービスを届けています。[出典1・13]
事業による人間への貢献
銀行が預金と融資を安定して提供できれば、個人は住宅購入、教育、生活資金を確保しやすくなり、企業は給与、設備投資、仕入れ、事業承継に必要な資金を得やすくなります。
例えば地震で住宅や店舗が壊れ、通帳や印鑑まで失った場合、通常どおりの本人確認だけでは現金を引き出せず生活再建が遅れることがあります。第四北越銀行は能登半島地震後、通帳・印鑑を失った被災者への便宜払い、定期預金の期限前払い戻し、災害復旧向け融資などを実施しました。金融機関が非常時にも預金と融資を使えるようにすることは、食料、住居、事業再開の資金を確保することにつながります。[出典17]
Safety|38/50
Safetyでは、働く人への賃金還元、労働時間、育児・健康支援、顧客資産の安全を評価します。4年連続ベースアップ、残業8時間59分、育児支援と健康経営は強い一方、男女賃金差と2023年の顧客資金着服が大きな課題です。[出典2~8]
賃金・利益の還元|8/10
2026年7月から、総合職の実質賃上げ率は平均7.4%、うちベースアップは平均3.2%です。ベースアップは2023年から4年連続です。さらに事務職員、パートタイマーなどにも同率3.2%のベースアップを実施しています。[出典3]
正社員だけでなく非正規を含む広い雇用区分へ基本給引き上げを広げることは、企業業績の成果を働く人の毎月の生活費へ戻す方法です。賞与だけと違い、ベースアップは翌月以降の賃金水準を継続的に引き上げます。
平均年間給与も2026年3月期に801万円で前年比4.7%増です。[出典2]
一方、職位・職種・雇用区分別の賃金中央値や、物価上昇を差し引いた実質賃金の分布までは公表されていません。そのため8/10点です。全雇用区分の中央値と実質賃金上昇を継続公開し、低賃金層を含めて所得増を確認できれば10/10点を検討できます。
労働時間・休息|8/10
2024年度の1人あたり月平均所定外労働時間は8時間59分で、前年度から36分短縮しました。年次有給休暇取得率は66.8%です。[出典4]
月9時間弱の残業であれば、単純平均で平日1日あたり30分を下回る水準です。帰宅、睡眠、家族との時間を確保しやすく、長時間労働による疲労を抑えやすくなります。
一方、有給取得率は2022年度64.1%、2023年度67.3%、2024年度66.8%で、直近はわずかに低下しています。[出典4]
低い残業時間を高く評価しつつ、休暇取得には伸びしろがあるため8/10点です。有給取得率80~90%以上を継続し、月45時間超・60時間超の長時間労働者数も公開して低水準を確認できれば10/10点を検討できます。
雇用の安定・待遇の公平性|3/5
2026年3月期の女性管理職比率は26.8%です。男性育児休業取得率は107.4%で、対象年度より前に子が生まれ当年度に育休を取得するケースなどにより100%を超えることがあります。[出典2]
一方、男女賃金比率は全労働者50.0%、正規雇用64.7%、パート・有期67.1%です。比率だけで同一労働への差別的賃金を意味するとは断定できませんが、役職、職種、勤続年数、勤務形態の男女構成が大きく異なる状態が賃金差として表れている可能性があります。
女性管理職比率は高まっていますが、正規雇用の男女賃金比64.7%という差が大きいため3/5点です。職務・等級・勤続年数を調整した賃金差を公開し、正規雇用の比率を90%程度以上へ縮小できれば4~5/5点を検討できます。
福利厚生・育児・介護|5/5
第四北越銀行は2023年5月にプラチナくるみんプラス認定を取得し、2026年3月期の男性育児休業取得率は107.4%です。採用情報では、子の看護休暇、介護休暇、配偶者出産休暇、健康管理休暇、キャリアデザイン休暇、ボランティア休暇、社宅・家賃補助、企業年金、退職金などを確認できます。[出典2・4・5]
育児・介護・健康上の事情が発生したとき、退職ではなく休暇・勤務継続を選べる制度が広く整い、男性育休も実際に利用されています。
制度と利用実績を両方確認できるため5/5点です。
人権・ハラスメント・労使関係|3/5
従業員2,893人に対し労働組合員は2,190人です。採用活動では、セクハラ、パワハラ、妊娠・出産・育児・介護に関するハラスメントを禁止し、相談窓口をコンプライアンス統括部に設けています。相談者への不利益取扱い禁止、事実確認、懲戒、再発防止も明記しています。[出典2・7]
労働組合と相談窓口があり、救済経路を確認できるため加点します。
一方、対象行単体のハラスメント相談件数、認定件数、是正件数、内部通報件数を年次比較できる公開情報は不足しています。そのため3/5点です。相談・通報後の是正状況を匿名化して継続公開し、重大な人権侵害の低発生と改善実績を確認できれば4~5/5点を検討できます。
労働安全・健康|8/10
第四北越銀行は健康管理センターを設け、産業医、内科・精神科医、保健師等が健康管理を支えています。中央衛生委員会を年12回開き、労働組合・健康保険組合を含む三者協議も行っています。2026年には健康経営優良法人「ホワイト500」に9年連続で認定されました。[出典4・6]
2024年度の有所見率は27.0%で前年度比0.6ポイント改善し、精密検査対象者率も20.2%で2.9ポイント改善しています。月平均所定外労働も8時間59分まで低下しました。[出典4]
銀行業では製造・物流ほど大きな機械災害は多くない一方、長時間の座位、メンタルヘルス、顧客対応ストレスが重要です。身体・精神の両面で専門職と委員会を配置し、健康指標を改善しているため8/10点です。
一方、メンタル不調による休職率、高ストレス者率、労災件数を銀行単体で長期比較できる公開情報は不足しています。これらを継続開示し、低水準または改善を確認できれば10/10点を検討できます。
商品・サービスの安全|3/5
現在のインターネットバンキングでは電子証明書、取引通知、不正送金対策、リスクベース認証などを実施しています。2026年3月のアプリ更新では不正送金対策として「振込保留機能」を追加し、2025年には暗号資産交換業者向け振込の不正利用対策も強化しました。[出典9・10]
一方、2023年7月に公表した不祥事件では、中条支店に勤務していた20代男性の元行員が2023年3~5月、顧客7人から預かった現金や定期預金解約金を合計6,098万8,358円着服しました。銀行が確認した実損額は6人、5,438万8,358円で、銀行は被害者へ全額弁済しました。元行員は懲戒解雇され、関係当局・警察へ報告しています。[出典8]
顧客が銀行へ預けた資金を内部者が不正に持ち出したことは、金融サービスの安全に直接関わる重大問題です。その後の補償・再発防止と現在の不正送金対策は評価しますが、重大な内部不正が発生しているため3/5点です。
重大な顧客資産侵害0を複数年継続し、内部不正・不正送金・補償件数を年次公開して改善を示せれば4~5/5点を検討できます。
従業員・元従業員の口コミ
OpenWorkでは第四北越銀行の口コミ集計で月平均残業13.4時間、有給消化率85.6%、転職会議では残業14.9時間、有給消化率80.6%とされています。公式の所定外労働8時間59分とは集計対象・算出方法が異なるため、単純比較はしません。[出典18]
転職会議の2026年投稿では、20代前半女性・正社員・個人営業の投稿として「支店勤務であれば有給は9割〜上限まで取れる」とあります。情報ランクBです。[出典18]
公式数値と口コミの両方から、支店によっては有給を取得しやすい状況がうかがえます。一方、全社平均だけでは部署間の差を把握できないため、営業店・本部・IT部門など職種別の残業と有休取得率も公開すると実態を判断しやすくなります。
SNS・匿名掲示板の確認結果
X、5ちゃんねる、爆サイを社名、残業、異動、パワハラ、退職、人員削減などと組み合わせて検索しましたが、第四北越銀行の直接雇用者であること、投稿時期、職種・拠点まで本文で確認でき、採点根拠として使用できる投稿は今回の公開検索では確認できませんでした。
有用な投稿が見つからないことは、問題がないことの証明には使いません。
Innovation|22/25
Innovationでは、銀行員の定型事務をRPA等へ移した実績、アプリやWebによる来店不要化、地域企業へのDX・BPO支援を評価します。定量的なRPA成果は旧第四銀行時代の実績なので現法人の最新成果と混同せず、現在もRPA人材採用、アプリ機能追加、Web手続き拡大を続けていることと合わせて評価します。[出典12~15・19]
作業負担・危険の削減|8/10
旧第四銀行では2017年からRPAを導入し、2020年9月までに累計3万6,494時間の事務時間を削減しました。また、事務合理化などを通じて168人を営業・企画などの中核業務へシフトした実績があります。[出典12]
この数字は現在の第四北越銀行発足前の旧第四銀行の実績であり、2026年の対象法人単体成果として直接加点するものではありません。ただし、現在の第四北越銀行もRPAの開発・運用人材を募集し、デジタル事務改善を継続しています。[出典19]
さらに、アプリで定期預金、ローンの一部手続きなどを行えるようにし、Web口座振替受付も拡大しています。利用者が店舗へ移動し、紙へ記入し、銀行員が再入力する工程を減らせるため、顧客と行員の双方の定型作業を削減できます。[出典13]
過去の定量成果と現在の継続施策を評価して8/10点です。現法人で年間何時間の作業を削減し、何人分の定型事務を減らしたかまで最新値を公開できれば10/10点を検討できます。
商品・サービスの改善|5/5
2026年3月には銀行アプリで定期預金の口座開設・預入・解約、ローンの一部繰上返済や固定金利再選択などを追加しました。2026年9月にはWeb口座振替受付サービスを拡大し、個人は来店せず申込みでき、収納企業側も紙処理を減らせるようにしています。[出典13]
また、地域企業向けにDX宣言策定支援、業務改善コンサルティング、BPOサービスを提供し、2025年3月時点でDX宣言策定支援は累計89件まで拡大しました。[出典14]
銀行自身の手続き改善だけでなく、地域企業の紙・定型事務を減らすサービスへ広げているため5/5点です。
改善成果の人間への還元|4/5
旧第四銀行では合理化によって168人を営業・企画などへシフトした実績があり、省人化を単純な人員整理ではなく業務転換へ使ったことが確認できます。[出典12]
現在の第四北越銀行では月平均所定外労働が8時間59分まで低下し、2026年には4年連続ベースアップを実施しています。[出典3・4]
ただし、現在の低残業・賃上げがRPAやデジタル化によって生まれた削減時間・利益を直接還元した結果であるという因果は公表されていません。そのため4/5点です。
現法人のDX導入前後で削減時間、配置転換、人員数、残業、賃金、休日を同じ指標で追い、削減成果が社員の時間・所得へ返ったことを確認できれば5/5点を検討できます。
研究開発・現場改善の継続|5/5
第四北越銀行は、アプリ・Web手続きの機能追加、DXコンサルティング、給与BPO、RPA人材採用を継続しています。さらに2026年にはTSUBASAアライアンス参加行と共同事務センターを設立し、2027年度以降の事務共通化・相続手続きペーパーレス化を計画しています。[出典13~15・19]
単発のシステム導入で終わらず、銀行内部・顧客企業・共同事務基盤の複数領域で改善を続けているため5/5点です。
自動化・AI導入後の雇用状況
旧第四銀行のRPA導入では、2020年9月までに168人を営業・企画等へシフトしたことが公表されています。現法人では2026年4月の新卒入行者110人、2025年103人、2024年86人と採用が続いています。[出典5・12]
また、現在もITソリューション、サイバーセキュリティ、RPA開発・運用などのキャリア採用を行っています。[出典19]
今回の公開調査では、自動化を理由とする大規模な希望退職・整理解雇を第四北越銀行単体で特定していません。一方、現法人でRPA導入前後の担当人数、契約職員の更新、配置転換後の退職を追える公開データは不足しています。
今後、DXごとに削減人数ではなく「何人をどの職務へ移し、その後も雇用を維持できたか」を公開すると、省人化と雇用の関係をより明確に評価できます。
Protection|20/25
Protectionでは、地震・停電・システム障害・サイバー攻撃が起きても預金、決済、融資を使い続けられるかを評価します。BCP、ITリスク委員会、サイバー訓練、災害時の便宜払いは強みですが、銀行全体のRTO・RPOやチャネル別稼働率など、復旧結果の定量開示が不足しています。[出典16・17]
災害への備え・訓練|4/5
第四北越銀行は重要業務を継続するBCPを整備し、障害原因分析、改善策、BCP訓練の実効性を検証しています。ITリスク委員会も毎月開催されています。[出典16]
例えば新潟県内で大地震が発生し複数店舗が使えなくなった場合、預金払戻し、振込、企業の資金繰りなど優先業務を決めておけば、すべての業務を同時に復旧させようとして対応が遅れることを防げます。
BCPと訓練・検証体制を評価して4/5点です。一方、全社訓練の回数、参加率、訓練で確認した復旧時間を年次比較できる公開情報は不足しています。実測結果まで公表できれば5/5点を検討できます。
生産・物流・調達の代替|4/5
銀行では工場の代替生産ではなく、店舗・ATM・アプリ・インターネットなど複数チャネルで金融サービスを代替できるかが重要です。
第四北越銀行は206店舗を持ち、アプリとWebでも振込、口座振替、定期預金、ローン等の手続きを拡大しています。[出典1・13]
例えば一つの店舗が地震や停電で閉鎖した場合でも、別店舗やオンラインで対応できる手続きが多ければ、利用者が現金・決済・手続きを完全に失うリスクを減らせます。
複数チャネルを評価して4/5点です。一方、主要店舗・データセンター停止時に何%の業務を他チャネルへ切り替えられるか、切替時間は公表されていません。代替率と切替実績を公開できれば5/5点を検討できます。
サイバー防衛・情報保護|4/5
第四北越銀行はITリスク委員会を毎月開き、サイバーセキュリティ訓練を定期的に実施しています。2018年に設立した新潟県内金融機関のサイバーセキュリティ情報連絡会では事務局を担い、金融機関、業界団体、新潟県警と情報共有しています。[出典16]
インターネットバンキングでは電子証明書、リスクベース認証、不正アクセス・不正送金対策などを重ねています。[出典9]
単独行だけでなく県警・他金融機関と訓練・情報共有することで、新しい攻撃手口を早く把握し、利用者の預金流出を防ぎやすくなります。
組織、訓練、認証対策を評価して4/5点です。一方、重大サイバー事故件数、侵入検知から封じ込めまでの時間、復旧演習の達成率を銀行単体で継続公開していないため満点とはしません。
供給継続・復旧能力|3/5
BCPと複数チャネルがあり、システム障害の原因分析・改善策の実効性も検証しています。[出典16]
一方、銀行全体の目標復旧時間RTO、目標復旧時点RPO、アプリ・ATM・勘定系の年間稼働率、重大障害からの実測復旧時間は公開情報が不足しています。
金融サービスでは、対策があることに加えて「何分・何時間で戻ったか」が利用者の生活に直結します。例えば給与日に振込・ATMが止まった場合、復旧が1時間か1日かで買い物や支払いへの影響が大きく変わります。
そのため3/5点です。主要チャネルの稼働率99.9%以上、RTO・RPO、切替訓練の実測値を継続公開できれば4~5/5点を検討できます。
危機時の市民への対応|5/5
2024年1月の能登半島地震後、第四北越銀行は通帳・印鑑を紛失した被災者への便宜払い、定期預金の期限前払い戻し、災害復旧に必要な融資相談・緊急融資を実施しました。個人・中小企業向け融資では罹災証明書がなくても相談できる運用を設けました。[出典17]
例えば地震で自宅が壊れ、財布・通帳・印鑑が見つからない場合でも、本人確認を工夫して預金を引き出せれば、食料、宿泊、移動費を確保できます。店舗が損壊した事業者も、罹災証明の発行を待たず資金相談を始められれば、仕入れや給与の停止を防ぎやすくなります。
実際の災害時に金融上の特別措置を迅速に実施した実績があるため5/5点です。
良いニュース・最近の前向きな動き
最近の前向きな動きでは、賃金還元、働きやすさ、詐欺被害防止、オンライン化を評価します。利用者が第四北越銀行のサービスを選ぶことは、低残業と継続的な賃上げを両立しつつ、地域の金融・DX基盤を強化する経営を売上面から支えることにつながります。
2026年7月 4年連続ベースアップ、総合職の実質賃上げ率7.4%(Safety)
2026年7月から総合職の実質賃上げ率は平均7.4%、うちベースアップ3.2%です。ベースアップは4年連続で、事務職員やパートタイマー等にも同率3.2%を実施しました。[出典3]
法定最低賃金の上昇だけに追随するのではなく、正社員・非正規を含む広い雇用区分の基本給を引き上げることは、働く人が日常生活へ使える所得を継続的に増やします。
2026年3月 Ni-ful知事賞を受賞(Safety)
第四北越銀行は、新潟県の多様で柔軟な働き方・女性活躍に関する認定制度「Ni-ful」で最高位の知事賞を受賞しました。[出典6]
女性管理職比率26.8%、男性育休の高い取得実績、低い残業時間など、制度だけでなく複数の実績を積み上げている点を評価できます。一方、男女賃金差は残っているため、この受賞だけで公平性を満点にはしていません。
2026年9月 特殊詐欺を未然防止(Safety)
2026年9月、三島支店では警察官をかたる特殊詐欺に巻き込まれかけた高齢夫婦への対応から被害を未然に防ぎ、警察から感謝状が贈られました。[出典11]
金融機関の安全はシステムだけでなく、窓口で利用者の不自然な送金や不安な様子に気づけるかにも左右されます。人による確認で高齢者の預金流出を防いだ具体例です。
悪いニュース・問題となった動き
最大の問題は、顧客資金を守るべき銀行内部で着服が発生したことと、男女賃金差が現在も大きいことです。どちらも、便利なアプリや高い賃上げ率だけでは相殺できません。顧客資産の安全と働く人の公平性を結果で改善する必要があります。
2023年 元行員が顧客資金約6,099万円を着服(Safety)
2023年7月、第四北越銀行は中条支店の元行員による着服を公表しました。2023年3~5月、顧客7人から預かった現金や定期預金解約金など合計6,098万8,358円を着服し、銀行が確認した実損額は6人、5,438万8,358円でした。[出典8]
銀行は被害者へ全額弁済し、元行員を懲戒解雇し、関係当局・警察へ報告しました。補償と是正は重要ですが、顧客が銀行員へ資金を預けたこと自体が被害につながった点は重大です。
再発防止策が機能していることを示すには、その後の内部不正件数、監査で発見した問題、顧客資産事故0の継続年数を公開する必要があります。
2026年3月期 正規雇用の男女賃金比64.7%(Safety)
2026年3月期の男女賃金比率は、全労働者50.0%、正規雇用64.7%、パート・有期67.1%です。[出典2]
女性管理職比率26.8%まで登用が進んでいても、正規雇用で男性100に対し女性64.7という全体差は大きい水準です。
職種・役職・勤続年数の構成差がどこまで影響しているかを分解し、昇進、配置、管理職登用、同一職責の賃金を改善して差を縮めることが次の課題です。
総合評価と、これから改善してほしいこと
株式会社第四北越銀行は現在80点・シビックランクAです。次のSランクは90点からなので、あと10点必要です。
賃上げ、低残業、育児支援、DX、災害対応は高く評価できます。Sランクへ上がるには、男女賃金差を縮め、顧客資産の内部不正を長期的にゼロへ抑え、DXの削減成果を現法人の数字で示し、重大障害からの復旧時間まで公開する必要があります。
有給取得率を高め、低残業を維持してほしい|労働時間・休息 8→10/10
現在の「労働時間・休息」は8/10点です。月平均所定外労働8時間59分は良好ですが、有給取得率は66.8%です。[出典4]
企業が実行する改善行動は、月平均所定外労働10時間以下を維持しながら、有給取得率を80~90%以上へ引き上げ、月45時間超・60時間超の従業員比率を毎年公開して極少数または0にすることです。
これを複数年確認できれば8→10点、+2点を検討できます。総合80→82点です。
参考企業は株式会社三井住友銀行です。Google Drive上の現行審査では総合81点・A、「労働時間・休息」10/10点です。2025年度の有給取得率95.5%、平均取得19.1日、月平均法定外労働13.3時間、月60時間超の法定外労働者比率0%を公開しています。[出典20]
男女賃金差を縮め、調整後格差を公開してほしい|雇用の安定・待遇の公平性 3→5/5
現在は3/5点です。女性管理職比率26.8%は評価できますが、正規雇用の男女賃金比率64.7%は大きな差です。[出典2]
企業が実行する改善行動は、職種・等級・勤続年数・勤務形態別に差の原因を開示し、正規雇用の男女賃金比率を90%程度以上へ縮小することです。女性管理職比率も30%以上を安定して維持し、同一職責での調整後賃金差を数%以内にすることを目標にします。
これを継続確認できれば3→5点、+2点を検討できます。上の休暇改善と合わせると80+2+2=84点です。
参考企業はプラス株式会社です。Drive上の現行審査では総合76点・B、「雇用の安定・待遇の公平性」4/5点です。正規雇用の男女賃金比率は79.1%で、第四北越銀行の64.7%より差が小さい状態です。Sを目指す第四北越銀行は、この水準をさらに上回り、調整後格差まで公開する必要があります。[出典21]
顧客資産の重大内部不正0を継続してほしい|商品・サービスの安全 3→5/5
現在は3/5点です。2023年に元行員による約6,099万円の着服が発生しました。全額弁済と再発防止は行われましたが、金融機関では顧客資産の内部不正そのものを防ぐ必要があります。[出典8]
企業が実行する改善行動は、内部不正・事務事故・不正送金被害を分類して毎年公開し、重大な顧客資産侵害0を少なくとも3~5年間継続することです。高額払戻し・解約時の複数人承認、異常取引検知、抜き打ち監査などの実施結果も公開します。
重大内部不正0の継続と結果KPIを確認できれば3→5点、+2点を検討できます。ここまでで80+2+2+2=86点です。
参考企業は株式会社セブン銀行です。Drive上の現行審査では総合88点・A、「商品・サービスの安全」4/5点です。ATMのスキミング・不審物・不審取引対策、インターネットサービスの24時間365日監視を実施しています。第四北越銀行が5点を目指すには、対策だけでなく内部不正・利用者被害の結果KPIまで継続公開する必要があります。[出典22]
復旧時間とサイバー成果を数値で示してほしい|災害4→5、サイバー4→5、供給継続3→5
現在は「災害への備え・訓練」4/5点、「サイバー防衛・情報保護」4/5点、「供給継続・復旧能力」3/5点です。BCP、訓練、ITリスク委員会はありますが、銀行全体のRTO・RPO、チャネル稼働率、実測復旧時間が十分公開されていません。[出典16]
企業が実行する改善行動は、勘定系、ATM、アプリ、インターネットバンキングについてRTO・RPOを設定し、地震、停電、通信断、ランサムウェアを想定した年1回以上の切替訓練を行うことです。チャネル別稼働率99.9%以上、重大サイバー事故0、復旧目標達成率100%などの結果も毎年公開します。
これを確認できれば、災害4→5点で+1、サイバー4→5点で+1、供給継続3→5点で+2、合計+4点を検討できます。これまでの改善と合わせて80+2+2+2+4=90点となり、シビックランクSへ到達します。
参考企業は株式会社セブン銀行です。Drive上の現行審査ではサイバー防衛5/5点、供給継続5/5点です。24時間365日の監視、7BK-CSIRT、東西二重化システムを持ち、2024年度のATM稼働率99.98%を公表しています。復旧・稼働の結果を数字で示す点が参考になります。[出典22]
次のランクへ上がるための具体例
現在80点・Aで、Sは90点からです。あと10点必要です。
・有給取得率を80~90%以上へ高め、低残業を維持する。「労働時間・休息」8→10点、+2点。
・正規雇用の男女賃金比率を90%程度以上へ縮小し、調整後格差を公開する。「雇用の安定・待遇の公平性」3→5点、+2点。
・重大な内部不正・顧客資産侵害0を3~5年間継続し、事故KPIを公開する。「商品・サービスの安全」3→5点、+2点。
・RTO・RPO、稼働率、災害・サイバー訓練の実測結果を公開する。災害4→5点、サイバー4→5点、供給継続3→5点、合計+4点。
80点+2点+2点+2点+4点=90点となり、シビックランクSです。
つまり第四北越銀行がSランクへ上がるためには、現在の賃上げ・低残業・DXを維持したうえで、男女のキャリア・賃金差を縮め、顧客資産の重大不正を長期的にゼロへ抑え、金融インフラが止まったときの復旧力を実測値で示すことが重要です。
出典一覧
1.株式会社第四北越銀行「会社概要」
2.第四北越フィナンシャルグループ「2026年3月期 有価証券報告書・統合報告書2026」
3.株式会社第四北越銀行「2026年度の賃上げについて」2026年5月15日
4.株式会社第四北越銀行「ダイバーシティ・健康経営・働き方に関する公開情報」
5.株式会社第四北越銀行「採用情報・募集要項」
6.株式会社第四北越銀行「健康経営優良法人2026 ホワイト500」「Ni-ful知事賞」
7.株式会社第四北越銀行「採用活動におけるハラスメント防止に関する方針」
8.株式会社第四北越銀行「元行員による不祥事件について」2023年7月7日
9.株式会社第四北越銀行「インターネットバンキング・BIZ-WEBのセキュリティ対策」
10.株式会社第四北越銀行「第四北越銀行アプリ機能追加」「不正送金対策強化」
11.新潟県内報道「第四北越銀行三島支店による特殊詐欺被害未然防止」2026年9月
12.旧第四銀行・第四北越フィナンシャルグループ「RPA・生産性向上に関する統合報告資料」
13.株式会社第四北越銀行「アプリ機能追加」「Web口座振替受付サービス拡大」2026年
14.株式会社第四北越銀行「第四北越DXコンサルティングサービス」「給与BPOサービス」
15.株式会社第四北越銀行「TSUBASAアライアンス共同事務センター設立について」2026年
16.第四北越フィナンシャルグループ「BCP・ITリスク管理・サイバーセキュリティに関する公開資料」
17.株式会社第四北越銀行「令和6年能登半島地震に伴う金融上の特別措置」2024年1月
18.OpenWork、転職会議「第四北越銀行の従業員・元従業員口コミ」
19.株式会社第四北越銀行「キャリア採用情報」ITソリューション・サイバーセキュリティ・RPA
20.Google Drive最新版「株式会社三井住友銀行を企業審査|シビックランクA・81点/100点」
21.Google Drive最新版「プラス株式会社を企業審査|シビックランクB・76点/100点」
22.Google Drive最新版「株式会社セブン銀行を企業審査|シビックランクA・88点/100点」
シビックランクの基準
| シビックランク | 点数 |
|---|---|
| S | 90~100点 |
| A | 80~89点 |
| B | 70~79点 |
| C | 60~69点 |
| D | 50~59点 |
| E | 40~49点 |
| F | 20~39点 |
| G | 0~19点 |
株式会社第四北越銀行は80点のため、今回の評価はシビックランクAです。
情報ランクの基準
| 情報ランク | 基準 |
|---|---|
| S | 公的機関、裁判所、規制当局、独立した第三者機関の調査・監査・検証・認証など、内容そのものに独立した裏づけがある情報 |
| A | 企業公式資料、採用情報、公式声明・SNS、記名取材など、発信主体を確認できる公表情報 |
| B | 従業員・元従業員の口コミ、一般SNS、匿名掲示板など、発信者の身元や対象企業との関係を独立に確認しにくい情報 |