MENU

ポケットカード株式会社を企業審査|シビックランクB・72点/100点|残業12.7時間・不正利用確認1日最大100件自動化を評価、男女賃金比65.7%とクラウド障害が課題

私たちは、企業の商品を購入したり、サービスを利用したりすることで、そこで働く人たちの未来を変えることができます。

働く人に十分な賃金を払い、休暇を確保し、安全な職場をつくり、人の負担を減らす企業の商品やサービスが選ばれれば、そうした企業により多くの売上が集まります。その結果、働く人を大切にする経営を続けやすくなります。

反対に、低賃金や長時間労働、安全上の問題を改善しない企業の商品やサービスが売れ続ければ、そうした働かせ方のままでも事業を続けることができます。

だからこの企業審査では、「私たちがお金を使うなら、どの企業を選ぶことが、そこで働く人にとってより良い社会につながるのか」という視点から企業を評価します。

なぜ企業を審査するのか?――このサイトの目的と、利用するメリット

今回審査するポケットカード株式会社は、総合72点、シビックランクBです。

ポケットカード株式会社の特に強い点は、2025年12月時点で月平均残業12.7時間、年間平均有給休暇取得16.6日という働き方を実現しながら、カード不正利用の本人確認をオートコールで1日50~100件自動化し、未対応残数0件を実現していることです。さらに、不正発生後のチャージバック業務でもExcel中心の手作業を見直し、業務工数を半減させるなど、人が繰り返していた事務・確認作業を具体的に減らしています。

そのため、この企業の商品を購入したりサービスを利用したりすれば、キャッシュレス決済の安全性を高めながら、コールセンターや事務部門で人が繰り返す確認・入力作業を機械へ移し、人が本当に対応すべき不正被害や顧客相談へ時間を使いやすい社会につながる可能性が高まります。

一方で、改善点として、2026年2月期の正規雇用の男女賃金比率が65.7%にとどまること、男性育児休業取得率が法定開示で50.0%だったこと、2026年7月には外部クラウド障害の影響で会員専用アプリ等が約3時間33分利用できなくなったことが残ります。

この記事では、ポケットカード株式会社の強みと課題をさらに詳しく企業審査していきます。

ポケットカード株式会社の企業審査結果

ポケットカード株式会社は、P-oneカード、ファミマカード、ZOZOCARD、and ST CARDなどを発行し、クレジットカード、融資、保険代理店などを行う金融会社です。株主は、伊藤忠商事の100%子会社である株式会社PCH、株式会社ファミリーマート、株式会社三井住友銀行です。2026年2月28日時点の従業員数は404人です。[出典1・2]

2026年2月期の営業収益は424億87百万円、当期純利益は39億80百万円でした。単体の平均年間給与は652万2,000円、平均勤続年数14.7年です。[出典2]

働き方では、2025年12月31日時点の採用情報で月平均残業12.7時間、年間休日123日、年間平均有給休暇取得16.6日、離職率8.0%を公表しています。[出典3]

DXでは、カード不正利用確認のオートコールで1日50~100件を自動化し、未対応残数0件を実現しています。2025年にはチャージバック業務でも工数を半減させる改善事例が公表されました。[出典15・16]

評価軸点数
Safety34/50
Innovation21/25
Protection17/25
総合点72/100
シビックランクB

評価時点:2026年10月10日

主な強み

・2026年2月期の平均年間給与652万2,000円
・平均勤続年数14.7年
・2025年12月時点の月平均残業12.7時間
・年間休日123日
・年間平均有給休暇取得16.6日
・厚生労働省系公開データで有給休暇取得率77.9%
・女性管理職比率18.2%
・ポケットカードユニオンがあり、UAゼンセン加盟、労使関係は安定
・プラチナくるみん、えるぼし認定実績
・24時間365日のカード不正検知
・2026年2月から利用通知サービスを開始
・不正利用確認の架電を1日50~100件自動化
・自動化後の不正利用確認未対応残数0件
・チャージバック業務工数を約半減
・AutoMLを与信、マーケティング、債権管理へ導入
・AI・DXを2026年度重点施策として明示
・BCPガイドラインを策定
・2025年のIIJサイバー攻撃影響調査では最終的に情報漏洩なしと確認
・2026年熊本地震や大雨の被災会員へカード紛失・支払い相談窓口を設置

主な課題

・全労働者の男女賃金比率60.6%
・正規雇用の男女賃金比率65.7%
・女性管理職比率18.2%で、2027年度末目標20%に未達
・2026年2月期の法定開示では男性育児休業取得率50.0%
・採用サイトの「育休取得率・復職率100%」とは指標・期間が異なるため、男性育休100%とは評価できない
・2025年12月時点の離職率8.0%
・労災件数、休業災害、メンタル休職率、健康診断受診率などの定量KPIが不足
・ハラスメント相談件数、内部通報件数、是正件数の開示が不足
・DXで削減した時間を賃金・休日・教育へどう還元したかの定量開示が不足
・BCP訓練の回数、参加率、非常用電源、代替拠点、RTO・RPOが非公表
・2026年7月16日にAWS障害の影響でアプリ等が16時45分~20時18分まで停止
・外部クラウドや委託先を含む復旧時間・冗長化の実績開示が不足

事業内容と人間への貢献

ポケットカード株式会社は1982年5月25日に設立され、クレジットカード事業、融資事業、保険代理店事業などを行っています。[出典1]

基本情報

項目内容
会社名ポケットカード株式会社
設立1982年5月25日
本社東京都港区芝公園1-1-1 住友不動産御成門タワー
大阪センター大阪府大阪市中央区瓦町2-5-14 本町オーミビル
資本金143億7,414万円
従業員数404人、2026年2月28日時点
平均年間給与652万2,000円
平均勤続年数14.7年
株主株式会社PCH、株式会社ファミリーマート、株式会社三井住友銀行
主な事業クレジットカード、融資、保険代理店、その他

主な事業内容

主力はクレジットカードです。

P-oneカードは日常のカード利用に応じた請求時割引を特徴とし、ファミマカード、ZOZOCARD、and ST CARDなど、提携企業の店舗やサービスと組み合わせたカードも発行しています。

カード発行後は、利用代金の請求、本人認証、不正利用監視、紛失・盗難対応、支払い方法変更、キャッシング、会員アプリやネットサービスなどを運営します。

融資事業ではキャッシング等を扱い、保険代理店事業も行っています。

主な利用企業・取引先

ポケットカードは、ファミリーマート、ZOZO、アダストリアなどの小売・EC・サービス企業と提携カードを展開しています。

また、Visa、Mastercard、JCBなどの国際ブランド加盟店網を通じて、日常の買い物、公共料金、交通、ECなどの決済に使われます。

事業による人間への貢献

クレジットカードは、現金を持ち歩かずに商品・サービスを購入し、公共料金や定期的な支払いをまとめて管理できる仕組みです。

一方、カード番号の盗用やフィッシング、不正利用が起きれば利用者の生活へ直接的な金銭被害を与えます。

そのためカード会社の人間への貢献は、決済を便利にすることだけでなく、不正を早く検知し、利用者へ通知し、被害が起きた場合に補償・相談できる状態を作ることまで含まれます。

ポケットカードでは不正検知を24時間365日実施し、2026年には利用通知サービスも導入しました。[出典8・9]

Safety|34/50

Safetyでは、社員の賃金、労働時間、雇用、福利厚生、人権・労使関係、健康と、金融サービスを安全に利用できるかを評価しました。

残業、有給、給与、育児制度は比較的良好です。一方、男女賃金差は大きく、健康・労災・ハラスメントの結果KPIも十分ではありません。

賃金・利益の還元|7/10

2026年2月期の平均年間給与は652万2,000円で、前年の約633万円から約3%上昇しました。2017年の546万円から見ると、長期的にも上昇しています。[出典2]

2026年度入社の大学・大学院卒初任給は月26万5,000円で、賞与は年2回です。[出典4]

2026年2月期の当期純利益は39億80百万円で、会社は黒字を確保しています。[出典2]

一方、男女賃金比率は全労働者60.6%、正規雇用65.7%です。

制度上同じ給与規程であっても、女性が低い職位・職種に偏れば、実際に受け取る年間賃金の差は残ります。

平均給与が上昇している点を評価しつつ、男女格差の大きさを考慮して7/10点です。

正規雇用の男女賃金比率を85~90%以上へ改善し、職位別・職種別賃金と毎年のベースアップ率を公開できれば8~10/10点を検討できます。

労働時間・休息|8/10

2025年12月31日時点の採用データでは月平均残業12.7時間、年間休日123日、年間平均有給休暇取得16.6日です。[出典3]

厚生労働省系公開データでは、2025年度の有給休暇取得率77.9%です。

中途採用では所定労働時間7時間30分、完全週休2日制、時間単位有休なども確認できます。[出典4]

残業が20時間を大きく下回り、有給も16日以上取得されているため8/10点です。

一方、2026年度からの行動計画では、年間所定外労働360時間以上の従業員数を2025年度比10%以上減らす目標を置いています。会社平均は良好でも、一部に長時間労働者が残っていることが分かります。[出典5]

年間360時間以上の従業員をゼロに近づけ、月平均残業10時間以下、有給取得率85%以上を維持できれば10/10点を検討できます。

雇用の安定・待遇の公平性|3/5

2026年2月28日時点の従業員数は404人で、前年400人から微増しています。平均勤続年数は14.7年です。[出典2]

女性管理職比率は18.2%で、会社は2027年度末までに20%以上を目標としています。[出典2・5]

従業員男女比は2025年12月時点で男性49.4%、女性50.6%とほぼ半々です。[出典3]

一方、正規雇用の男女賃金比率は65.7%です。

社員構成は男女ほぼ同数であるにもかかわらず、賃金には大きな差が残っているため3/5点です。

女性管理職25%以上、正規雇用の男女賃金比率85~90%以上を実現し、昇進率・職位別男女比も公開できれば4~5/5点を検討できます。

福利厚生・育児・介護|4/5

ポケットカードでは、育児休業、介護休業、短時間勤務、子の看護等休暇、積立年次有給休暇、退職金、確定給付企業年金、福利厚生サービスなどを整備しています。[出典4]

プラチナくるみんや、女性活躍推進のえるぼし認定実績もあります。[出典5]

採用サイトでは2025年12月時点の「育休取得率・復職率100%」を公表しています。[出典3]

一方、有価証券報告書の2025年度法定開示では男性育児休業取得率50.0%です。期間や算定方法が異なる可能性があるため、採用サイトの100%を男性育休100%と読み替えません。[出典2]

制度と復職支援は強いものの、男性の法定取得率に改善余地があるため4/5点です。

男性育休取得率80~100%を複数年維持し、平均取得日数、介護休業利用者数、復職率を男女別に公開できれば5/5点を検討できます。

人権・ハラスメント・労使関係|4/5

有価証券報告書では、ポケットカードユニオンが1987年から組織され、2026年2月末時点の組合員数は464人、UAゼンセンに加盟し、労使関係は安定しているとしています。[出典2]

従業員数404人より組合員数が多いのは、従業員数と組合員数の集計対象が異なるためと考えられ、単純な組織率には換算しません。

倫理憲章では人権尊重、人格・個性の尊重、適正な消費者対応を明記しています。コーポレートガバナンスでも定期的なコンプライアンス教育を実施しています。[出典6]

一方、ハラスメント相談件数、内部通報件数、認定・是正件数、再発率は公開されていません。

制度と労組の存在を評価して4/5点です。相談・通報の運用結果まで公開できれば5/5点を検討できます。

労働安全・健康|4/10

ポケットカードは主にオフィス・事務・システム・コールセンター業務を行う会社で、製造・物流企業より重大な機械事故のリスクは低い業態です。

会社は健康診断の受診促進、集団インフルエンザ予防接種などの健康管理をサステナビリティ施策に掲げています。[出典7]

一方、健康診断受診率、ストレスチェック受検率、高ストレス者率、メンタルヘルス休職率、労災件数、休業災害件数は公開情報が不足しています。

コールセンターや債権管理では精神的負担も発生しやすいため、身体事故だけでなくメンタルヘルスの結果も重要です。

そのため4/10点です。

健康診断100%、ストレスチェック90%以上、高ストレス者率・休職率・労災件数を毎年公開し、改善傾向を確認できれば6~8/10点を検討できます。

商品・サービスの安全|4/5

ポケットカードは、カード不正検知システムで24時間365日、不正利用を監視しています。過去の不正利用パターンと似た取引を検知した場合はカード利用を一時停止します。[出典8]

2026年2月には利用通知サービスを開始し、カード利用時に利用先・日時・金額をメールで通知する仕組みを導入しました。身に覚えのない利用を本人が早期に発見しやすくなります。[出典9]

紛失・盗難、不正使用について一定期間遡った補償制度もあります。

一方、2026年7月にはAWSの障害により、会員専用アプリ、LINE ID連携、QR分割払いが16時45分から20時18分まで利用できませんでした。[出典10]

また2025年には利用中のIIJメールセキュリティサービスがサイバー攻撃を受け、情報漏洩の懸念が公表されました。後日の調査でポケットカードに関する情報漏洩はなかったと確認されています。[出典11・12]

安全対策は強いものの、外部サービス障害や委託先リスクが実際に顕在化しているため4/5点です。

従業員・元従業員の口コミ

転職会議ではポケットカードについて約190件の口コミが掲載され、投稿者集計の残業時間は20.3時間、有給消化率57.1%です。[出典21、情報ランクB]

会社公式の2025年12月時点では残業12.7時間、有給平均16.6日であり、口コミとは差があります。口コミには在籍時期が古い投稿も含まれるため、現在の会社公式データを優先し、部署差や過去の実態を見る補助情報として扱います。

OpenMoneyでは2025年2月の退職済み総合職から「残業代は勤怠実績通りに支給されます。」との投稿があります。[出典22、情報ランクB]

Indeedでは2026年4月時点で4件の口コミがあり、勤務時間と残業4.0、給与と福利厚生5.0と比較的高い評価ですが、件数が少ないため全社評価には一般化しません。[出典20、情報ランクB]

SNS・匿名掲示板の確認結果

X、5ちゃんねる、爆サイなどについて、社名と「残業」「給料」「退職」「パワハラ」「システム」「不正利用」などを組み合わせて確認しました。

対象法人の社員・元社員であること、勤務時期、職種が確認でき、今回の採点を変更できる具体的な原文投稿は確認できませんでした。

匿名投稿が見つからないことは、問題が存在しないことの証明ではありません。

Innovation|21/25

Innovationでは、審査、顧客連絡、不正利用確認、チャージバック、データ分析など、人が繰り返している事務・判断作業をどれだけ機械へ移しているかを評価しました。

ポケットカードは、不正利用確認で1日最大100件の架電を自動化し、チャージバック業務工数を半減しています。結果まで数字で確認できるため、この軸は高く評価できます。

作業負担・危険の削減|8/10

不正利用検知後の本人確認では、以前はSMSで回答が得られない顧客へオペレーターが全件電話していました。

オートコール導入後は、本人利用と確認できるケースを自動音声で完結させ、不正利用の可能性がある場合だけオペレーターへ転送する仕組みに変えました。[出典16]

現在は1日50~100件程度の架電を自動化し、未対応残数0件を実現しています。

これにより、オペレーターは単純な一次架電より、不正被害の可能性がある利用者からの受電対応へ時間を振り向けられます。

また2025年のチャージバック業務改善では、Excel中心の手作業を見直し、業務工数を半減させた事例が公表されています。[出典15]

実際に人の作業量を半減・自動化した結果が確認できるため8/10点です。

全社の年間削減時間、残業削減時間、人員再配置まで公開できれば10/10点を検討できます。

商品・サービスの改善|5/5

2026年2月に利用通知サービスを開始し、カード利用内容をメールで通知する仕組みを導入しました。[出典9]

カード会社側の不正検知だけに頼らず、本人も早期に不正へ気づける仕組みです。

会員専用アプリ、LINE ID連携、オンライン入会、本人認証、不正検知、支払い方法変更など、カード利用に必要な手続きをデジタル化しています。

またAutoMLのDAVinCI LABSを与信、マーケティング、債権管理へ導入し、分析業務の効率化・高度化を進めています。[出典13・14]

サービス利便性と安全性を継続して改善しているため5/5点です。

改善成果の人間への還元|3/5

自動化による人の作業削減は具体的です。

不正利用確認では1日50~100件の架電を自動化し、チャージバック業務でも工数を半減しています。[出典15・16]

会社全体の残業も12.7時間と比較的低い水準です。

一方、これらのDXによって全社で年間何時間削減し、その時間を残業削減、休暇、人材育成、賃金へ何時間・何円返したかという因果は公開されていません。

そのため3/5点です。

DX導入部署の導入前後について、残業、人数、教育時間、配置転換、賃金を同じ期間で公開できれば5/5点を検討できます。

研究開発・現場改善の継続|5/5

ポケットカードは、電子申込、不正検知、AutoML、会員アプリ、LINE連携、オートコール、チャージバック業務改革などを複数年にわたり導入しています。

2026年2月期有価証券報告書でも、2026年度の重点施策として「AI・DXをフル活用した効果的で機動的な業務遂行」「効率的なセンター運営」「データ人材やデジタル人材の育成」を明記しています。[出典2]

単発のシステム導入ではなく、与信、マーケティング、債権管理、顧客対応、不正利用対応へ継続的にデジタル化を広げているため5/5点です。

自動化・AI導入後の雇用状況

自動化が進む一方、従業員数は2025年2月末400人から2026年2月末404人へ増えています。[出典2]

2025年4月には新卒20人を採用し、2026年4月も26人の採用予定が示されました。2027年4月も16~20人の採用予定です。[出典4]

今回の公開情報、求人、口コミ、SNS検索では、AutoML、オートコール、チャージバック業務自動化を理由とする大規模希望退職、一斉解雇、採用停止は確認できませんでした。

人数が増えたから自動化が雇用を守ったと因果関係を断定することはできませんが、少なくとも現時点で「自動化後に会社全体の雇用を急減させた」という状態ではありません。

今後は自動化対象部署の人数、配置転換、再教育、退職、採用を時系列で公開すると、人を減らす自動化か、人の単純作業を減らす自動化かをさらに正確に評価できます。

Protection|17/25

Protectionでは、地震、豪雨、システム障害、サイバー攻撃、委託先障害が発生しても、決済・請求・顧客支援を続けられるかを評価しました。

BCPガイドライン、情報管理、不正検知、被災会員への相談対応は確認できますが、RTO・RPOや訓練結果の開示は限定的です。

災害への備え・訓練|3/5

ポケットカードは、大規模地震、自然災害、テロ、事件・事故などを想定し、「事業継続計画ガイドライン」を定めています。[出典7]

人命安全、被害抑制、二次災害防止、早期業務再開を目的としていることを公式に明示しています。

一方、安否確認訓練の年間回数、参加率、非常用電源の稼働時間、備蓄日数、訓練で判明した課題と改善率は公開されていません。

計画は確認できるものの、実地訓練の結果が不足しているため3/5点です。

生産・物流・調達の代替|3/5

金融会社のため工場や物流倉庫はありませんが、本社を東京、大阪に大阪センターを持ち、デジタルサービスでは外部クラウド等を活用しています。[出典1・10]

2026年8月の計画メンテナンスではアプリとLINEを停止する一方、ブラウザ経由の会員専用ネットサービスは利用可能とし、別経路を残していました。

一つのチャネルが停止しても別チャネルへ誘導できる仕組みは評価できます。

一方、東京本社停止時に大阪センターへどの業務を何時間で切り替えるか、クラウドリージョンの冗長化、委託先切替条件は公開されていません。

そのため3/5点です。

サイバー防衛・情報保護|4/5

カード会社は氏名、住所、決済履歴、カード情報など大量の個人・金融情報を扱います。

ポケットカードは個人情報保護方針、安全管理措置、役職員・委託先の監督、定期監査を公表しています。[出典17]

カード不正利用は24時間365日監視し、本人認証や利用通知も組み合わせています。[出典8・9]

標的型メール訓練の導入事例も確認できます。

2025年4月には利用中のIIJメールセキュリティサービスがサイバー攻撃を受け、情報漏洩の懸念が生じましたが、4月25日の追報でポケットカードに関する情報漏洩はなかったと確認されました。[出典11・12]

具体的対策が複数確認できるため4/5点です。

一方、MFA適用率、EDR、SOC、バックアップ復元訓練、重大インシデント件数、RTO・RPOを横断的に比較できる情報は不足しています。

供給継続・復旧能力|3/5

2026年7月16日、AWS障害の影響でポケットカード会員専用アプリ、LINE ID連携、QR分割払いが16時45分から20時18分まで停止しました。[出典10]

約3時間33分で復旧し、現在は通常利用へ戻ったことを会社は公表しています。

外部クラウド障害から当日中に復旧した実績は評価できます。

一方、障害中に会員専用ネットサービス全体がどこまで代替できたか、目標復旧時間を達成したか、再発防止やリージョン冗長化をどう改善したかは公開されていません。

そのため3/5点です。

主要サービスごとのRTO・RPO、実障害からの復旧時間、代替チャネル稼働率を毎年公開できれば4~5/5点を検討できます。

危機時の市民への対応|4/5

2024年能登半島地震、2026年熊本地震、2026年8月の大雨などで、被災した会員からカード紛失や利用代金の支払い相談を受け付けています。[出典18・19]

災害で財布やカードを失った人、引き落とし資金の確保が難しくなった人に対して、カード会社が個別相談を受けることは生活再建に直接関わります。

一方、災害時の手数料免除件数、支払い猶予件数、支援金額などの実績は公開されていません。

継続的に被災者窓口を設置している点を評価し4/5点です。

良いニュース・最近の前向きな動き

最近のポケットカードでは、不正利用対策とDX、働き方改善を同時に進めています。

特に不正利用確認の自動化は、利用者の安全と社員の作業負担を一つの施策で改善している点が評価できます。

2026年2月|利用通知サービスを開始

2026年2月24日から、カード利用時に利用先・日時・金額等をメールで知らせる「利用通知サービス」を開始しました。[出典9]

不正利用をカード会社だけが監視するのではなく、本人もすぐに確認できることで、身に覚えのない利用を早期に発見しやすくなります。

開始時点でメールアドレス登録済みの会員は通知ONとなる設計で、利用者が個別に設定しなくても安全機能を使いやすい点も評価できます。

不正利用確認を1日最大100件自動化

不正検知後に必要な本人確認について、オートコールを導入しました。[出典16]

1日50~100件の架電を自動化し、未対応残数0件を実現しています。

本人利用であれば自動音声で完結し、不正の可能性がある場合だけオペレーターへ転送するため、人は被害対応へ集中できます。

2025年|チャージバック業務工数を半減

カード不正利用後に国際ブランド等との処理が必要になるチャージバック業務について、Excelを中心とした手作業を見直し、業務工数を半減させる改善事例が公表されました。[出典15]

不正利用が増えれば、被害者対応だけでなく裏側の事務処理も増えます。

その作業を減らせれば、件数増加に比例して人員と残業を増やす必要を抑えられます。

悪いニュース・問題となった動き

現在の主な課題は、男女賃金差とシステム・外部委託先への依存です。

男女賃金比率が正規雇用65.7%

2026年2月期の男女賃金比率は、全労働者60.6%、正規雇用65.7%、パート・有期67.3%です。[出典2]

一方、従業員男女比はほぼ半々で、女性管理職比率は18.2%です。[出典2・3]

女性が低い職位や賃金帯に偏る構造が残っている可能性があり、管理職20%達成だけでは賃金格差の解消とは言えません。

2026年7月|AWS障害で一部サービスが約3時間33分停止

2026年7月16日16時45分から20時18分まで、外部クラウドAWSの障害により、会員専用アプリ、LINE ID連携、QR分割払いが利用できませんでした。[出典10]

当日中に復旧していますが、金融サービスでは外部クラウドの停止が顧客の手続きへ直接影響します。

クラウドが止まった場合でも別リージョンや別チャネルへ切り替えられる設計と、実測復旧時間の公開が必要です。

2025年4月|委託先サービスへのサイバー攻撃で情報漏洩懸念

利用していたIIJセキュアMXサービスが第三者によるサイバー攻撃を受け、ポケットカードも情報漏洩の可能性を調査しました。[出典11]

4月25日の追報で、ポケットカードに関する情報漏洩はなかったと確認されています。[出典12]

実害が確認されなかったため重大漏洩として減点はしません。

一方、金融会社の安全性は自社システムだけでなく、メール、クラウド、委託先まで含めて守る必要があります。委託先リスクの継続的な監査と復旧訓練が重要です。

総合評価と、これから改善してほしいこと

ポケットカード株式会社は72点・シビックランクBです。

次のAランクは80点からなので、あと8点必要です。

働き方では残業12.7時間、有給16.6日、平均年収652万円と良好な指標があります。

Innovationでは、不正利用確認1日最大100件自動化、未対応0件、チャージバック業務工数半減という具体的成果があります。

一方、Aランクへ進むには、男女賃金差を大きく縮め、DXで減らした時間を社員へどう返したかを数字で示し、金融サービスのBCP・サイバー復旧を実測値で証明する必要があります。

男女賃金差を縮め、女性管理職を増やしてほしい|賃金・利益の還元 7→8/10、雇用の安定・待遇の公平性 3→4/5

現在は「賃金・利益の還元」7/10点、「雇用の安定・待遇の公平性」3/5点です。

正規雇用の男女賃金比率65.7%、女性管理職比率18.2%が課題です。[出典2]

女性管理職25%以上、正規雇用の男女賃金比率85%以上をまず達成し、職位・職種別の昇進率と賃金差も毎年公開してほしいです。

これが確認できれば賃金7→8/10、雇用公平性3→4/5で+2点、総合72→74点を検討できます。

参考企業は株式会社ミツウロコグループホールディングスです。2026年3月期の公的開示で女性管理職47.4%、正規雇用の男女賃金比率91.5%を確認できます。金融業とは業種が異なりますが、女性比率だけでなく上位職と賃金の双方を改善した比較例です。

健康・メンタルヘルスを結果で公開してほしい|労働安全・健康 4→6/10

現在は4/10点です。

健康診断やインフルエンザ予防接種の施策はありますが、健康診断受診率、ストレスチェック、高ストレス者率、メンタル休職率、労災件数を確認できません。

健康診断100%、ストレスチェック90%以上を維持し、高ストレス者率、メンタル休職率、労災件数を毎年公開して改善傾向を確認できれば4→6/10点、+2点を検討できます。

参考企業はウイングアーク1st株式会社です。当サイト現行審査では健康診断受診率100%、健康面談実施率100%を確認し、健康管理を結果で評価しています。

BCPとシステム復旧を実測値で示してほしい|災害への備え 3→4/5、供給継続・復旧能力 3→4/5

現在は「災害への備え・訓練」3/5点、「供給継続・復旧能力」3/5点です。

BCPガイドラインはありますが、訓練回数、安否確認時間、非常用電源、東京から大阪への切替時間、クラウド障害時のRTO・RPOは公開されていません。

年1回以上の全社BCP訓練を実施し、主要システムごとの目標復旧時間と実測復旧時間、代替チャネル稼働率を公開してほしいです。

これが確認できれば災害3→4/5、供給継続3→4/5で+2点、累計76点を検討できます。

参考企業は株式会社セブン銀行です。当サイト現行審査ではProtection 24/25点で、東日本・西日本の重要システム二重化、ATMの24時間365日監視、ATM稼働率99.98%、災害時の移動ATM派遣まで確認しています。金融インフラ企業として、平時の稼働率と災害時の代替手段を結果で示している点が参考になります。

DXで減らした時間を社員へ返した結果を公開してほしい|改善成果の人間への還元 3→5/5

現在は3/5点です。

オートコールは1日50~100件、チャージバック業務は工数半減という具体的成果があります。

次に必要なのは、これらを合計して年間何時間を削減したのか、その部署の残業、有給、研修時間、配置転換、賃金がどう変わったかを公開することです。

DX対象部署の残業を導入前比20%以上削減し、削減時間を研修・休暇・高付加価値業務へ振り替えたことを数字で確認できれば3→5/5点、+2点を検討できます。

参考企業は伊藤忠商事株式会社です。当サイト現行審査では生成AIを約1,300人へ展開し、522人の申告実績で月1万3,000時間の業務削減を確認しています。ポケットカードも個別業務の削減率だけでなく、全社の人の時間へ換算することが参考になります。

次のAランクへ上がるための具体例

現在72点・Bで、Aは80点からです。あと8点必要です。

・女性管理職25%以上、正規雇用男女賃金比率85%以上を実現する。「賃金・利益の還元」7→8/10、「雇用の安定・待遇の公平性」3→4/5、+2点。

・健康診断、ストレスチェック、高ストレス者率、メンタル休職率、労災件数を公開し改善する。「労働安全・健康」4→6/10、+2点。

・BCP訓練、東京・大阪の代替、主要システムの実測復旧時間を公開する。「災害への備え・訓練」3→4/5、「供給継続・復旧能力」3→4/5、+2点。

・DXの全社年間削減時間と、残業・休暇・教育への還元を公開する。「改善成果の人間への還元」3→5/5、+2点。

72点+2点+2点+2点+2点=80点となり、シビックランクAに到達します。

ポケットカードはすでに、不正利用確認を1日最大100件自動化し、未対応を0件にするところまで業務改善を進めています。

次の段階では、「機械が何件処理したか」だけでなく、「人の残業が何時間減ったか」「その時間を休暇や教育へどう返したか」「システム障害から何分で戻せたか」まで公開できれば、キャッシュレスの便利さと、そこで働く人・利用する人の安全をより強く両立できる企業になります。

出典一覧

No.出典情報ランク
1ポケットカード株式会社「会社概要」A
2ポケットカード株式会社 2026年2月期有価証券報告書・EDINETS
3ポケットカード株式会社 2027年度新卒採用「数値で見るポケットカード」A
4ポケットカード株式会社「2027年卒新卒採用 募集要項」「中途採用」A
5ポケットカード株式会社「キャッシュレスを支える従業員への取り組み」A
6ポケットカード株式会社「コーポレートガバナンス」「倫理憲章」A
7ポケットカード株式会社「サステナビリティ」「SDGsへの取り組み」A
8ポケットカード株式会社「不正使用に対するポケットカードの取り組み」A
9ポケットカード株式会社「利用通知サービス」A
10ポケットカード株式会社「システム障害による一部サービスの一時停止のお詫びと復旧」2026年7月16日A
11ポケットカード株式会社「IIJセキュアMXサービスにおける情報漏洩懸念」2025年4月17日A
12ポケットカード株式会社「IIJに関わる情報漏洩懸念 追報」2025年4月25日A
13ポケットカード株式会社「DAVinCI LABS導入」A
14株式会社DTS「ポケットカード DAVinCI LABS導入事例」A
15双日テックイノベーション「ポケットカード チャージバック業務工数半減」A
16株式会社電話放送局「ポケットカード 不正利用本人確認オートコール導入事例」A
17ポケットカード株式会社「保有個人情報の安全管理措置」A
18ポケットカード株式会社「令和8年8月13日からの大雨に伴う災害により被災された地域の皆様へ」A
19ポケットカード株式会社「令和8年熊本地震により被災された地域の皆様へ」A
20Indeed「ポケットカード株式会社 社員クチコミ」B
21転職会議「ポケットカード株式会社 社員口コミ」B
22OpenMoney「ポケットカード株式会社 残業の実態に関する口コミ」B
23株式会社ミツウロコグループホールディングス 2026年3月期有価証券報告書S
24Google Drive上の当サイト既存企業審査「株式会社セブン銀行」比較用内部資料
25Google Drive上の当サイト既存企業審査「ウイングアーク1st株式会社」比較用内部資料
26Google Drive上の当サイト既存企業審査「伊藤忠商事株式会社」比較用内部資料

シビックランクの基準

シビックランク点数
S90~100点
A80~89点
B70~79点
C60~69点
D50~59点
E40~49点
F20~39点
G0~19点

ポケットカード株式会社は72点のため、今回のシビックランクはBです。

情報ランクの基準

情報ランク基準
S公的機関、裁判所、規制当局、独立した第三者機関の調査・監査・検証・認証など、内容そのものに独立した裏づけがある情報
A企業公式資料、採用情報、公式声明・SNS、または氏名・役職・立場が確認できる記名取材や公表発言など、発信主体を確認できる公表情報
B従業員・元従業員の口コミ、一般SNS、匿名掲示板など、発信者の身元や対象企業との関係を独立に確認しにくい情報

情報ランクは企業そのものの良し悪しではなく、個々の情報の出どころと検証状態を示します。Sは独立した裏づけがある情報として最上位です。AとBは単純な上下関係ではなく、残業、休暇、ハラスメント、配置転換などの実態ではBの従業員情報が公式資料を補う場合があります。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次