商品を買うことは、私たちの未来を買うことでもあります。低賃金、長時間労働、危険な職場を改善しない企業の商品が売れ続ければ、その企業行動でも事業が成立しやすい市場が残ります。反対に、賃金や休暇を改善し、人の負担を減らす技術を導入し、事故や災害に備える企業の商品が選ばれれば、そうした経営へ需要と売上が集まりやすくなります。
なぜ企業を審査するのか?――このサイトの目的と、利用するメリット
今回審査する「ファミマル 新潟県津南の天然水 600ml」は、総合73.48点、表示73点、シビックランクBです。
最大の強みは、水そのものの安全確認と、容器・物流まで含めた具体的な改善が揃っていることです。新潟県津南町秋成地区の水源から採水した硬度17mg/Lの軟水を、製造会社のクリアーウォーター津南がFSSC22000の食品安全管理のもとで製造しています。PFASは外部機関で年1回分析され、2026年1月の製品水ではPFOS・PFOA合算が0.0000003mg/L未満、つまり0.3ng/L未満でした。日本で示されている50ng/Lという水準と比べても、検出限界の上限自体が約167分の1です。これは「PFASが完全にゼロ」という意味ではなく、今回の検査では検出限界未満だったという結果です。
容器は100%リサイクルPETです。さらに2024年から、この600mlを名指しして一部地域への輸送をJR貨物へ切り替え、トラック輸送と比べてCO2排出量を約30%、輸送コストを最大10%減らす取り組みを始めています。重い飲料水を長距離輸送する仕事の一部を鉄道へ移すため、環境負荷だけでなく長距離トラック輸送の負担を減らす方向にもつながります。
関連企業では、商品企画・販売を担う株式会社ファミリーマートが78点・B、採水・製造・充填を担う株式会社クリアーウォーター津南が62点・C、商品名を指定した鉄道輸送を担う日本貨物鉄道株式会社(JR貨物)が68点・Cです。ファミリーマートは4年連続のベースアップやAI発注による週約6時間の作業削減、災害時物資供給を評価しています。一方、女性管理職4.8%や平均残業20.2時間などに改善余地があります。クリアーウォーター津南は月平均残業2時間、食品安全、PFAS検査を評価する一方、現在の賃上げ、有休、労災、BCP復旧時間などの公開不足が点数を押し下げています。JR貨物は鉄道輸送と災害時の代替輸送に強い一方、2024年の輪軸検査データ改ざんと国土交通省の事業改善命令が重大な課題です。
最近では、2026年にファミリーマートがこの商品を対象としたTNFD開示を行い、地域との協議で決めた取水上限を守る方針や、2025年度のCO2排出量を2023年度比85%とする指標を公表しました。一方で、この600mlは津南町の水源とクリアーウォーター津南の工場への依存が大きく、同じ商品名のまま別地域の水へ簡単に切り替えられません。水源、工場、電力、道路が長く止まった場合の復旧時間や代替生産量は十分に公開されておらず、Protectionの大きな課題です。
この記事では、ファミマル 新潟県津南の天然水600mlが社会に与えている影響と、商品を購入するメリット・デメリットが一目でわかる商品審査を解説します。
ファミマル 新潟県津南の天然水600mlの商品審査結果
ファミマル 新潟県津南の天然水600mlは、総合73.48点、表示73点、シビックランクBです。
今回の100点制では、関連企業を80点、商品自体を20点で評価しました。関連企業は企業数をそのまま平均せず、実際の役割に応じて加重しています。ブランド・商品企画・販売主体20%、採水・製造・充填30%、原材料・容器・包装15%、物流・保管・配送15%、販売チャネル10%、リサイクル・資源循環5%、設備・その他支援5%です。
本商品の関連企業調査では、製造・物流・容器・販売・再資源化・金融・ITなどまで広げて41枠の関連企業候補を調査しました。ただし、企業審査が終わっていることと、2026年現在のこの600mlへ直接関与していることは同じではありません。そのため点数計算では、現行商品との関係を公開資料で具体的に確認できる企業だけを採用しました。
現行600mlの役割別計算へ直接入れた企業は、ファミリーマート、クリアーウォーター津南、JR貨物の3社です。41枠のうち残る38枠には、宮崎県霧島など別SKUの企業、グループ共通機能、購入経路によって関係する物流・販売会社、2021年など過去の採用関係は確認できるものの現在の供給継続が個社単位で確認できない企業などが含まれます。企業を調べたことを無駄にせず、関係範囲が確定した時点で追加できる状態に残しつつ、現行SKUの点数へ誤って混ぜない運用です。
現行計算対象3社にはF・Gランク企業はありません。ただし、JR貨物はCランクで、輪軸検査データ改ざんという確認済みの実態上の問題が明確な減点要因です。クリアーウォーター津南もCランクですが、こちらは悪い実態が大量に確認されたというより、賃金、有休、労災、BCPなど重要な結果情報を外部から比較しにくいことが大きな減点要因です。問題が確認された企業と、情報不足で点を伸ばせない企業は分けて扱っています。
| 評価項目 | 得点 |
|---|---|
| Safety | 25.20/40 |
| Innovation | 14.20/20 |
| Protection | 15.08/20 |
| 商品自体 | 19.00/20 |
| 総合 | 73.48/100 |
| 表示得点 | 73点 |
| シビックランク | B |
Safetyの得点理由|25.20/40点
Safetyは、関連企業で働く人の賃金、労働時間、休暇、雇用、安全、人権と、企業審査側で評価している商品・サービス安全を役割別に反映しています。
ファミリーマートはSafety 36/50です。4年連続のベースアップ、労災死亡0、人権デューデリジェンス、内部通報制度などを評価しています。一方、平均残業20.2時間、有休取得率64.3%、女性管理職4.8%、正規雇用の男女賃金比79.2%には改善余地があります。PBの企画・販売主体として20%、販売チャネルとして10%を担うため、商品評価への影響は大きくなります。
クリアーウォーター津南はSafety 30/50です。2025年求人では製造職の月平均時間外労働2時間を確認でき、FSSC22000、123℃以上の加熱殺菌、外部PFAS検査など製品安全も具体的です。工場内でペットボトルのブロー成形から充填、検査、箱詰めまで行うため、採水・製造・充填30%に加え、現在の容器製造と設備運用の役割も商品と密接です。
一方、2026年現在の平均給与・賃上げ率、年間休日、有給取得率、死亡・休業労災、ストレスチェック、夜勤者の健康指標などは十分に公開されていません。食品安全の公開が詳しい会社だからこそ、工場で働く人の安全・休息も同じ程度の透明性が望まれます。
JR貨物はSafety 27/50です。平均給与や残業、育児支援を一定評価できる一方、2024年に輪軸組立作業の検査データ改ざんが発覚し、国土交通省から事業改善命令を受けました。2025年度にも入換作業等で従業員負傷事故が確認されています。津南の天然水600mlでは南長岡駅から青森・秋田・静岡方面への一部輸送を担うため、これは商品そのものの水質問題ではありませんが、商品を届ける物流企業のSafetyとして無視できません。
役割別に加重するとSafetyは25.20/40点です。低残業の製造会社や賃上げを続ける販売会社が押し上げる一方、製造現場の労災・賃金情報不足とJR貨物の安全ガバナンス問題が上限を抑えました。
Innovationの得点理由|14.20/20点
Innovationでは、AIや設備を導入した事実ではなく、人が行っていた反復作業、長距離運転、荷役、発注、製造管理などをどれだけ減らしたかを重視します。
ファミリーマートはInnovation 20/25です。AI発注によって店舗の発注作業を週約6時間削減し、新型POSでレジ関連業務を約2割減らすなど、時間削減を数値で示しています。商品物流でも配送シミュレーターやモーダルシフトを進めています。一方、店舗総労働時間を減らした後、加盟店スタッフの月収、時給、休憩、教育時間がどう変わったかという「人への還元」の結果はまだ弱い状態です。
クリアーウォーター津南はInnovation 16/25です。ボトル成形から充填までの一貫ライン、入出庫予約システム、100%再生PET、太陽光発電などを導入しています。入出庫予約は、トラックが工場で順番待ちする時間を減らし、ドライバーの拘束時間を短くする方向へ働きます。一方、設備導入前後で製造要員が何人から何人へ変わり、重量物作業や残業が年間何時間減ったかは公開されていません。
JR貨物はInnovation 19/25です。長距離トラックだけに依存せず、鉄道コンテナへ輸送を切り替える仕組み自体が、運転手不足への対応になります。この商品では品質保持試験を行った上で鉄道輸送へ切り替え、CO2約30%減、輸送コスト最大10%減という商品固有の成果も出ています。
役割別の結果は14.20/20点です。商品固有のモーダルシフトまで確認できるため高めですが、製造自動化や店舗DXで浮いた時間が賃金・休日・教育へどれだけ返ったかを一続きで検証できないため満点にはしません。
Protectionの得点理由|15.08/20点
Protectionでは、地震、豪雪、停電、水源異常、物流停止、サイバー攻撃などが起きても、この商品を市民へ届け続けられるかを評価します。
ファミリーマートはProtection 22/25です。全都道府県との災害時物資支援関係、災害対策本部訓練、中食製造や物流のバックアップ、実災害での物資供給などが強みです。全国の店舗網を持つため、一部地域の店舗が止まっても他地域で販売を継続しやすい構造があります。
JR貨物もProtection 22/25です。鉄道が寸断された場合にトラック・船舶へ代替した実績を持ち、全国規模の輸送網を構築しています。津南の天然水では、青森・秋田・静岡の一部物流拠点まで鉄道という別経路を持つこと自体が、トラックだけに依存するより輸送手段の選択肢を増やします。
一方、クリアーウォーター津南はProtection 16/25です。BCPや水源保全の考え方、情報セキュリティ方針、取水上限管理は確認できますが、津南町の一拠点に採水・主要製造が集中しています。地震、豪雪、停電、設備故障、水源汚染などで工場が止まった場合に、同じ「新潟県津南の天然水」として別工場へ何時間で移せるのか、何日分の在庫を持つのか、非常電源で何時間生産できるのかは公開されていません。
この商品は水源そのものが価値の一部です。別地域の水へ切り替えれば同じ商品ではなくなるため、一般的な加工食品より原料代替性が低くなります。
役割別のProtectionは15.08/20点です。販売・物流側の災害対応は強いものの、水源と製造拠点の集中が最大の弱点です。
商品自体の得点理由|19/20点
商品自体は、安全性・健康5/5、品質・人への貢献5/5、使いやすさ5/5、価格・継続性4/5です。
安全性・健康|5/5
製造会社はFSSC22000を2017年から取得し、原料湧水を微細フィルターでろ過した後、123℃以上で加熱殺菌して充填しています。ボトル成形から外観検査・印字・箱詰めまで工場内で一貫しています。
PFASは外部機関で年1回分析されています。2026年1月16日採取の製品水では、PFOS・PFOA合算が0.0000003mg/L未満、PFOSとPFOAはそれぞれ0.0000001mg/L未満でした。原水でも同じ検出限界未満です。
0.0000003mg/Lは0.3ng/Lです。クリアーウォーター津南が比較基準として示す日本の50ng/Lに対し、検出限界の上限で比較しても約167分の1です。定期的な外部検査、食品安全認証、殺菌工程が揃っているため5/5点としました。
品質・人への貢献|5/5
水源は新潟県津南町秋成地区です。商品公式ページでは硬度17mg/Lの軟水とされています。
600mlという容量は、一度に飲み切る500mlより少し多く、移動・仕事・外出時の水分補給に使いやすい量です。糖類や香料を加えない天然水で、日常の飲料として用途が明確です。
水は生活に不可欠な商品であり、全国のファミリーマートで同じ規格を入手しやすいことも人への貢献です。医療効果などをうたう商品ではありませんが、日常の水分補給という基本用途を十分に満たしているため5/5点です。
使いやすさ|5/5
600mlのPETボトルは持ち運びしやすく、開栓して直接飲めます。全国発売で、ファミリーマート店舗という購入地点も多く、外出中に水が必要になったときの入手性が高い商品です。
100%リサイクルPETへ切り替えても、通常のPETボトルとして開栓・携帯・分別回収できる使い方は維持されています。使用後にはPETボトルの分別が必要ですが、利用時の負担は小さいため5/5点です。
価格・継続性|4/5
通常価格は税込118円です。600mlなので、1L換算では約196.7円です。
ファミペイの「ボトルキープ」では、600ml天然水24本分が2,242円で販売されています。1本あたり約93.4円、1L換算では約155.7円です。通常価格で24本買う2,832円と比べると590円安く、ちょうど5本分の値引きです。
一方、2021年の100%リサイクルPET切替時は税込100円で、現在は118円です。原材料・物流・人件費などの環境が変わっているため値上げそのものだけを企業の問題とはしませんが、継続購入する家計負担は増えています。
また、ファミリーマートPBであるため購入場所は基本的に同チェーンへ依存します。全国展開と回数券の安さを評価しつつ、価格上昇と購入経路の限定から4/5点です。
良いニュース・最近の前向きな動き
最近の良い動きは、水質の安全確認だけにとどまりません。水源管理、再生PET、鉄道物流まで、商品の一生に沿って改善が進んでいます。購入者にとっては「安い水」だけでなく、どの製造・物流の方法へ需要を渡すかを判断できる材料が増えています。
| 時期 | 出来事 | 関連企業と現在評価 | 商品・社会への意味 |
|---|---|---|---|
| 2026年1月 | TNFDに基づき水源リスクと取水上限を開示 | ファミリーマート78点・B、クリアーウォーター津南62点・C | 水を大量に採る企業自身が水源の持続性を公開 |
| 2026年1月 | 製品水・原水のPFAS外部検査で検出限界未満 | クリアーウォーター津南62点・C | 利用者が水質を数値で確認できる |
| 2025~2026年 | 100%再生PETのデカボスコア30%offを表示 | ファミリーマート78点・B、クリアーウォーター津南62点・C | 再生材を使う容器を消費者が見分けやすい |
| 2024年4月~ | 600mlを含む津南の天然水を一部地域でJR貨物へ切替 | ファミリーマート78点・B、クリアーウォーター津南62点・C、JR貨物68点・C | CO2約30%減、輸送費最大10%減、長距離トラック依存を軽減 |
| 2021年 | 600mlを100%ボトルtoボトル再生PETへ切替 | ファミリーマート78点・B、クリアーウォーター津南62点・C、協栄産業50点・Dは原料供給開始を公表 | 使用済みPETを再び飲料ボトルへ戻す需要を作る |
2026年1月|水源をTNFDで可視化
株式会社ファミリーマートは78点・B、株式会社クリアーウォーター津南は62点・Cです。
ファミリーマートの強みは賃上げ、店舗DX、災害供給で、弱みは残業、女性管理職比率、商品回収などです。クリアーウォーター津南の強みは低残業、食品安全、PFAS検査で、弱みは賃金・労災・BCPの結果開示不足です。
2026年のTNFD開示では、津南の天然水に必要な湧水資源について、地域と協議して決める取水上限を守る方針を明示しました。太陽光発電も導入し、2025年度のCO2排出量を2023年度比85%とする指標を示しています。
天然水は水源を使い続けられなければ商品そのものが成立しません。取水量と自然リスクを商品単位で公表したことは、Protectionと商品の継続性を判断する情報として評価できます。
2026年1月|PFASを製品水と原水で外部検査
クリアーウォーター津南は62点・Cです。食品安全と低残業は強い一方、労災やBCPの公開不足が課題です。
2026年1月16日に採取された製品水と原水は、外部検査機関でPFOS・PFOAを分析されました。製品水・原水とも、合算0.0000003mg/L未満、個別0.0000001mg/L未満です。
「安全です」という広告文だけでなく、検査日、検査機関、検出限界を公開しているため、利用者が数字で判断できます。商品自体の安全性5/5を支える重要な実績です。
2024年4月~|600mlを名指ししてJR貨物へモーダルシフト
ファミリーマートは78点・B、クリアーウォーター津南は62点・C、JR貨物は68点・Cです。
ファミリーマートは物流・災害対応が強く、クリアーウォーター津南は製造・品質が強い会社です。JR貨物は全国物流と災害時代替輸送が強みですが、輪軸検査不正という重大な弱みがあります。
この取り組みでは、津南工場から南長岡駅までトラックで運び、JR貨物で青森、秋田、静岡の貨物駅へ輸送し、その後ファミリーマート物流拠点へ届けます。導入前には鉄道コンテナによる製品への負荷試験を行い、品質を保てることを確認しました。
トラック輸送に比べCO2を約30%減らし、輸送コストは最大10%減るとされています。物流2024年問題で長距離ドライバーの労働時間が制約される中、商品固有の輸送方法を変えた具体例として高く評価できます。
2021年~|100%ボトルtoボトル再生PETへ
ファミリーマートは78点・B、クリアーウォーター津南は62点・Cです。協栄産業は現在50点・Dで、食品接触用再生PETとFtoP技術は強い一方、製造現場の残業・労災・BCP開示が弱点です。
ファミリーマートは2021年、津南600mlと霧島600mlを再生PET樹脂100%のボトルへ切り替えました。協栄産業の公式沿革では、同年6月にファミリーマートPB「津南の水」への原料供給開始を記録しています。
現在もクリアーウォーター津南は「全てのボトルにリサイクル100%PETを使用」と公表しています。ただし、2026年現在の津南600mlの再生PET原料を協栄産業が継続供給しているかは個社名まで公表されていないため、協栄産業50点・Dを現行の原材料役割の点数計算へ直接入れてはいません。
悪いニュース・問題となった動き
この商品の弱点は水質事故ではなく、サプライチェーン側にあります。特に、水源・工場の集中、JR貨物の安全ガバナンス、製造会社の労働・BCP情報不足は、商品が売れ続けるほど改善要求も強く出すべき点です。
| 時期・状態 | 問題 | 関連企業と現在評価 | この商品への意味 |
|---|---|---|---|
| 2024年発覚 | JR貨物の輪軸検査データ改ざん、国交省が事業改善命令 | JR貨物68点・C | 水質問題ではないが、商品の一部輸送を担う企業の安全ガバナンス問題 |
| 現在 | 津南工場の労災件数・BCP訓練・復旧時間が十分に公開されていない | クリアーウォーター津南62点・C | 製造停止時に何日で商品供給を戻せるか判断しにくい |
| 現在 | 採水・主要製造が津南の一拠点へ集中 | クリアーウォーター津南62点・C | 同じ商品として他水源へ代替しにくい |
| 現在 | 鉄道輸送は青森・秋田・静岡の一部拠点で、全国輸送の主力は大型トラック | 3社 | ドライバー負担軽減の効果が全国へはまだ広がっていない |
| 2021→現在 | 税込100円から118円へ上昇 | 商品自体 | 継続購入する家計負担は18%増 |
2024年|JR貨物の輪軸検査データ改ざん
JR貨物は68点・Cです。Protection 22/25、Innovation 19/25という物流・技術面の強さがある一方、Safetyは27/50です。
輪軸組立作業で基準値を超えたデータを書き換えるなどの不正が発覚し、国土交通省から事業改善命令を受けました。その後、検査データを書き換えられないシステムへの改修や監査体制強化を進めています。
津南の天然水そのものに品質異常が起きた事件ではありません。しかし、2024年からこの600mlの一部輸送にJR貨物を使っているため、輸送会社の安全管理は商品サプライチェーンの一部です。鉄道へ移せば自動的に高評価になるのではなく、安全性を回復させながら輸送負担を減らすことが必要です。
現在|津南工場の労災・BCP結果が見えにくい
クリアーウォーター津南は62点・Cです。月平均残業2時間、FSSC22000、PFAS検査は高く評価できます。
一方、死亡・休業労災、度数率、夜勤者の健康指標、BCP訓練の回数、非常用電源の稼働時間、工場停止時の目標復旧時間は公開情報が不足しています。
食品安全だけを見ると非常に強い工場ですが、そこで働く人がどれだけ安全か、工場が止まったとき何時間で戻せるかという別の安全性は外部から判断しにくい状態です。重要情報の公開不足そのものが、商品評価でもC社を製造役割へ置いた際の減点要因になっています。
現在|水源・製造拠点が集中している
新潟県津南の天然水という商品は、津南の水源を使うこと自体が商品特性です。
ファミリーマートには宮崎県霧島など別の天然水商品もあるため、チェーン全体で「水」というカテゴリーを供給する代替性はあります。しかし、津南600mlそのものは、津南の水源や工場が長期停止したとき、霧島の水へ差し替えて同じ商品として販売することはできません。
水源異常、豪雪、地震、停電、設備故障の際に、原水・完成品の備蓄日数、ライン復旧時間、代替充填の可否を公開すれば、この弱点をより正確に評価できます。
この商品を買うことで支えるもの
この商品を選ぶ意味は、単に「軟水で安い」という点にありません。現在確認できるサプライチェーンでは、買い物による需要が次の企業行動へ流れます。
PFASを毎年外部検査し、結果を公開する製造
クリアーウォーター津南は年1回のPFAS外部分析を行い、2026年は製品水と原水の結果を公開しています。
水質検査に費用を使い、結果を隠さず公表する商品が選ばれるほど、「安全と言うだけでなく数値を見せる」飲料メーカーが市場で評価されやすくなります。
製造職の月平均残業2時間という働き方
2025年求人では月平均残業2時間です。3交替勤務の負担、賃金、有休など未公開情報は残りますが、残業時間そのものは非常に低い水準です。
この工場の水が売れることは、少なくとも現在確認できる低残業の製造体制へ需要を渡すことにつながります。今後はその売上が基本給や休暇へも返っていることを数字で示せれば、購入する意味はさらに強くなります。
100%再生PETを日常商品へ使う仕組み
600mlは2021年にボトルtoボトルの再生PET100%へ切り替わり、現在も製造会社は全ボトルへの100%再生PET使用を公表しています。
一部の限定商品ではなく、全国で毎日販売する低価格の水へ再生材を使うことで、回収したPETを再び飲料容器へ戻す需要を継続的に作ります。
長距離トラックの一部を鉄道へ移す物流
2024年から青森、秋田、静岡の一部向けでJR貨物を使い、CO2約30%減、輸送コスト最大10%減を見込んでいます。
飲料水は重量が大きいため、長距離輸送の方法を変える効果も大きくなります。この商品が売れ、その鉄道輸送エリアが広がれば、長距離をトラックだけで運ぶ量を減らす市場側の後押しになります。
ファミリーマートの賃上げ・店舗DX・災害供給
販売主体のファミリーマートは78点・Bです。4年連続のベースアップ、AI発注による週約6時間の発注作業削減、災害時の物資供給などを評価しています。
このPBを買う売上はファミリーマート側にも入ります。したがって、賃上げと省力化を続ける経営を支える側面があります。同時に、女性管理職4.8%、残業20.2時間、省人化後のスタッフ収入などの課題も残るため、売上が増えるほど改善結果の公開も求める必要があります。
この商品・関連企業に改善してほしいこと
現在73.48点でBランクです。Aランクは80点からなので、あと6.52点必要です。
この商品では、商品自体の19/20をさらに上げるより、製造・物流・販売企業が働く人と危機対応の実績を改善する方が点数への影響が大きくなります。特に、採水・製造・充填30%、容器15%、設備・支援5%を現行商品で担うクリアーウォーター津南の改善効果が大きい構造です。
クリアーウォーター津南|賃金・労災・BCPと自動化後の人への還元を公開してほしい
現在、クリアーウォーター津南はSafety 30/50、Innovation 16/25、Protection 16/25、総合62点・Cです。
改善してほしいのは、現行の平均給与・賃上げ率、有給取得率、死亡・休業労災、夜勤者の健康指標、製造自動化による作業時間削減、BCP訓練、非常用電源、目標復旧時間です。
例えば、賃上げと有休、労災低下を確認してSafety 30→36、設備導入による年間削減時間と残業低下を示してInnovation 16→20、年次BCP訓練と主要ラインの復旧実績を示してProtection 16→20まで上がったと仮定します。
同社は現行商品で合計50%分の役割に反映しているため、商品総合点は約5.60点上がります。73.48→79.08点となり、Aまであと0.92点です。
JR貨物|検査ガバナンスと現場事故を改善してほしい
JR貨物はSafety 27/50、Innovation 19/25、Protection 22/25、総合68点・Cです。
輪軸検査データ改ざん後のシステム改修を定着させ、入換作業などの負傷事故を減らし、労災KPIが継続改善した結果を確認できれば、Safety 27→31を検討できます。
物流役割15%で計算すると、商品総合点への影響は約+0.48点です。先ほどの79.08点と合わせると79.56点です。
ファミリーマート|残業・女性登用・省人化後の還元を改善してほしい
ファミリーマートはSafety 36/50、Innovation 20/25、Protection 22/25、総合78点・Bです。
平均残業をさらに減らし、有休取得率を引き上げ、女性管理職比率を高め、店舗総労働時間削減がスタッフの収入減ではなく時給、休憩、教育、高付加価値業務へ返ったことを示してほしいです。
Safety 36→38まで改善したと仮定すると、ブランド・販売・資源循環の一部に反映されるため、商品総合点は約+0.52点です。
次のAランクへ上がる具体例
・クリアーウォーター津南:Safety 30→36、Innovation 16→20、Protection 16→20 商品+約5.60点
・JR貨物:Safety 27→31 商品+約0.48点
・ファミリーマート:Safety 36→38 商品+約0.52点
73.48点+5.60点+0.48点+0.52点=80.08点となり、シビックランクAへ到達します。
この試算は将来の評価を約束するものではありません。実際に賃金、休暇、労災、復旧、作業削減の結果が確認できた場合に、同じ100点制で再計算する感度試算です。
商品基本情報
ファミマル 新潟県津南の天然水600mlは、新潟県津南町の秋成地区の水源を使ったナチュラルミネラルウォーターです。比較企画では500~600ml帯の商品をそろえるため、本記事は600mlを対象にしています。宮崎県霧島600mlや長野県安曇野2Lは水源・製造者が異なるため、本記事の点数をそのまま適用しません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 商品名 | ファミマル 新潟県津南の天然水 600ml |
| ブランド・販売 | 株式会社ファミリーマート |
| 製造 | 株式会社クリアーウォーター津南 |
| 水源 | 新潟県中魚沼郡津南町・秋成地区 |
| 内容量 | 600ml |
| 硬度 | 17mg/L・軟水 |
| 通常価格 | 税込118円 |
| 1L換算 | 約196.7円 |
| ボトルキープ | 24本2,242円、1本約93.4円 |
| 販売地域 | 全国、店舗により取扱いなし |
| 容器 | 100%リサイクルPET |
| 食品安全 | FSSC22000 |
| 製法 | 微細フィルターろ過、123℃以上で加熱殺菌 |
| PFAS検査 | 年1回外部分析 |
| 2026年PFOS・PFOA | 製品水・原水とも合算0.3ng/L未満 |
| 主な物流改善 | 2024年から一部地域でJR貨物へモーダルシフト |
商品そのものの特徴
硬度17mg/Lの軟水
公式商品情報では硬度17mg/Lです。硬度が低い軟水で、味の個人差はありますが、一般にミネラル分による重さを感じにくい水を選びたい人向けの選択肢です。
商品表示例では、100ml当たりエネルギー0kcal、たんぱく質・脂質・炭水化物0g、ナトリウム0.3mg、カルシウム0.5mg、マグネシウム0.1mg、カリウム0.1mgとされています。健康効果を目的とした高ミネラル水ではなく、日常の飲用を中心とした商品です。
採水からボトル成形・充填まで一貫
クリアーウォーター津南は、工場内でPETボトルをブロー成形し、そのまま水を充填しています。
外部から空ボトルを大量輸送するのではなく、工場内で成形して充填工程へつなぐことで、容器の取り扱い工程を一体管理できます。採水、成形、充填、ラベル、外観検査、印字、箱詰め、積付、出荷まで一連の工程が示されています。
100%再生PETと薄肉・再生ラベル
現在、クリアーウォーター津南は全ボトルに100%リサイクルPETを使用すると公表しています。ラベルも再生PETへの変更と12ミクロンへの薄肉化を進めています。
ファミリーマートのデカボスコアでは、この600mlは100%リサイクルPET使用を理由に30%offと表示されています。再生PETは商品自体の飲みやすさを変える機能ではありませんが、毎日消費される容器の原料需要を新規石油由来PETから循環材へ移す意味があります。
価格は通常118円、回数券なら約93円
1本だけ買う場合は118円です。コンビニで今すぐ水が必要なときに使いやすい価格帯です。
定期的にファミリーマートを使う場合、ファミペイのボトルキープを利用すれば24本2,242円です。約20.8%安くなり、1本約93.4円まで下がります。有効期間やアプリ利用条件があるため、誰にとっても同じ価格ではありません。
関連企業と役割
今回の関連企業調査では、製造・物流・容器・販売・再資源化・設備・金融・ITなどへ範囲を広げて41枠の候補を追いました。そのうえで、現行600mlの100点計算では「現在のこの商品に何をしているか」を確認できる企業を中心に採用しています。
| 関連会社 | シビックランク | 役割 |
|---|---|---|
| 株式会社ファミリーマート | B・78点 | ブランド、商品企画、販売、物流設計、資源循環方針 |
| 株式会社クリアーウォーター津南 | C・62点 | 採水、製造、充填、ボトル成形、品質管理、出荷 |
| 日本貨物鉄道株式会社(JR貨物) | C・68点 | 2024年から一部地域の600ml・370mlを鉄道輸送 |
| 協栄産業株式会社 | D・50点 | 2021年にPB「津南の水」へ再生PET原料供給開始。現行個社供給は未確認 |
| 大日本印刷株式会社 | A・81点 | 100%再生PET化時の包装開発関係。2021日本パッケージングコンテストで関係確認 |
| 東洋製罐株式会社 | B・79点 | 100%再生PET化時の包装関係。2021日本パッケージングコンテストで関係確認 |
株式会社ファミリーマート|78点・B
全国のファミリーマートで販売するブランド・商品企画・販売主体です。4年連続のベースアップ、AI発注で週約6時間の作業削減、災害時の物資供給などが主な強みです。
一方、平均残業20.2時間、有休64.3%、女性管理職4.8%、正規雇用の男女賃金比79.2%などが課題です。この商品を買う売上が最も直接的に入る会社の一つであり、商品評価ではブランド20%と販売10%を中心に大きく反映しています。
株式会社クリアーウォーター津南|62点・C
新潟県津南町で採水・製造・充填する中核メーカーです。年間6,500万本を製造し、ファミリーマートPBの受託先であることを公式に公表しています。
月平均残業2時間、FSSC22000、123℃以上の殺菌、PFAS外部検査、工場内ボトル成形、100%再生PET、入出庫予約などが強みです。
一方、現在の賃上げ、有休、労災、育児・介護、BCP訓練、工場復旧時間の公開不足が課題です。採水・製造30%、容器15%、設備5%など商品成立の中心部分を担うため、Aランクを目指すうえで最も改善効果が大きい会社です。
日本貨物鉄道株式会社(JR貨物)|68点・C
2024年から、津南の天然水370ml・600mlを南長岡駅から青森・秋田・静岡方面へ運ぶモーダルシフトで商品との直接関係が確認できます。
全国鉄道網、災害時のトラック・船舶代替、物流DXは強みです。一方、輪軸検査記録改ざんと事業改善命令、現場負傷事故は重大なSafety上の課題です。
商品の鉄道輸送自体はCO2と長距離トラック依存を減らす良い施策なので、安全ガバナンスの改善が進めば商品側の評価も上がります。
協栄産業株式会社|50点・D
使用済みPETを再び飲料ボトルへ戻すボトルtoボトルの再生材企業です。公式沿革で2021年6月にファミリーマートPB「津南の水」へ原料供給を開始したことを公表しています。
食品接触用MR-PETの第三者認証やFtoPの自動化技術は強い一方、製造現場の残業、労災、BCPの公開不足が課題です。
この商品との具体的な過去関係は強いため記事に残しますが、2026年現在の再生PET原料供給者として継続していることは個社名で確認できていません。そのため現行100点計算には直接投入していません。
大日本印刷株式会社|81点・A
2021日本パッケージングコンテストでは、津南600ml・霧島600mlの100%再生PET化に関係する企業として、ファミリーマート、クリアーウォーター津南、クリーン・アクア・ビバレッジ、東洋製罐とともに掲載されています。
DNPの企業審査では、残業11.2時間、労災死亡0、RFIDによる棚卸し時間5分の1などを評価しています。一方、男女賃金差とグループのサイバー事故が課題です。
包装開発の具体的関係は確認できるものの、2026年現在の600mlの包装供給・設計契約が同じ形で継続しているかは確認できないため、現行加重平均には入れていません。
東洋製罐株式会社|79点・B
同じ2021日本パッケージングコンテストで、津南600ml・霧島600mlの100%再生PET化に関係する企業として確認できます。
企業審査では労災度数率0.16、全生産拠点FSSC、複数工場BCPなどを評価し、残業・夜勤負担と労災件数増加を課題としています。
DNPと同様、再生PET化時の具体的な関係は残しますが、現在の津南600mlにどの容器部材を継続供給しているかを確認できるまでは現行点数へ直接入れません。
41枠まで調べた関連企業の扱い
今回調査した41枠には、上記以外にも、物流センター運営、卸売、PET回収、再資源化、金融、デジタル決済、ファミリーマートの地域会社などが含まれます。
これらを無条件で平均すると、例えば「ファミマでこの水を買った」というだけで、別地域の製造会社や、特定実証だけに参加したPETリサイクル企業、決済会社の点数まで水そのものの評価へ混ざってしまいます。
そこで本記事では、企業審査をした数を減らすのではなく、役割を二段階に分けました。
・現行600mlへの直接関係が確認できる企業:100点計算へ反映
・過去の具体的関係、別SKU、地域・購入経路依存、グループ共通機能、実証参加等:記事の関係資料として保持し、現行SKUへの関係が確認できた時点で再計算
この方法なら、関連企業を広く調査した意味を残しながら、企業数が多いだけで商品点数が上下することを防げます。
出典一覧
1.ファミリーマート「新潟県津南の天然水 600ml」商品情報
2.ファミリーマート「ファミマル天然水・お茶・紅茶・ティーボトルキープ」
3.ファミリーマート「PBの水の容器を100%リサイクルペットボトルへ切り替え」2021年6月21日
4.ファミリーマート「貨物鉄道輸送を活用したモーダルシフトを推進」2024年6月3日
5.ファミリーマート「物流2024年問題に対する配送ドライバー確保への取り組み」2024年7月26日
6.ファミリーマート「ファミマル 新潟県津南の天然水 TNFD提言に基づく情報開示」
11.クリアーウォーター津南「PFAS検査結果」2026年1月30日
12.日本包装技術協会「JAPAN PACKAGING CONTEST 2021 入賞作品一覧」
13.協栄産業株式会社「沿革」
14.当サイト現行企業審査「株式会社ファミリーマート|78点・B」
15.当サイト現行企業審査「株式会社クリアーウォーター津南|62点・C」
16.当サイト現行企業審査「日本貨物鉄道株式会社(JR貨物)|68点・C」
17.当サイト現行企業審査「協栄産業株式会社|50点・D」
18.当サイト現行企業審査「大日本印刷株式会社|81点・A」
19.当サイト現行企業審査「東洋製罐株式会社|79点・B」
評価基準:商品審査マスター仕様書・現行100点制
評価時点:2026年10月10日
