私たちは、企業の商品を購入したり、サービスを利用したりすることで、そこで働く人たちの未来を変えることができます。
働く人に十分な賃金を払い、休暇を確保し、安全な職場をつくり、人の負担を減らす企業の商品やサービスが選ばれれば、そうした企業により多くの売上が集まります。その結果、働く人を大切にする経営を続けやすくなります。
反対に、低賃金や長時間労働、安全上の問題を改善しない企業の商品やサービスが売れ続ければ、そうした働かせ方のままでも事業を続けることができます。
だからこの企業審査では、「私たちがお金を使うなら、どの企業を選ぶことが、そこで働く人にとってより良い社会につながるのか」という視点から企業を評価します。
なぜ企業を審査するのか?――このサイトの目的と、利用するメリット
今回審査するレンゴー株式会社は、総合84点、シビックランクAです。
レンゴー株式会社の特に強い点は、平均年間給与818万1,928円、月平均残業15.4時間、有給休暇取得率81.4%という働く人への還元・休息実績に加え、AI、RFID、無人クランプリフト、包装機械などを使って、物流・包装現場の重量物作業や反復作業を機械へ移していることです。そのため、この企業の商品を購入したりサービスを利用したりすれば、人の手作業を減らしながら物流を維持し、災害時にも段ボールベッドなどを届けられる企業へ売上が集まり、働く人の負担を減らしながら生活物資を安定して届けられる社会につながる可能性が高まります。
一方で、改善点として、正規雇用の男女賃金比率73.7%、女性管理職比率7.1%が残ります。また、2025年度にはレンゴー単体・国内連結子会社を対象とする指標で死亡・重篤災害1件、重大な製品不具合11件が発生しています。
この記事では、レンゴー株式会社の強みと課題をさらに詳しく企業審査していきます。
レンゴー株式会社の企業審査結果
レンゴーは、段ボール、板紙、紙器、軟包装、重包装、包装機械などを扱う総合包装メーカーです。
働く人の賃金、休暇、育児、人権、労災、サイバー事故、品質不具合など、結果指標まで比較的詳しく公開しています。Innovationでは顧客工場だけでなく自社物流でもRFIDや無人クランプリフトを使い、確認・荷揃え・重量物取扱いを省力化しています。Protectionでは全国の製造拠点と災害時の段ボール供給実績を確認できます。
| 評価軸 | 点数 |
|---|---|
| Safety | 40/50 |
| Innovation | 22/25 |
| Protection | 22/25 |
| 総合点 | 84/100 |
| シビックランク | A |
評価時点:2026年10月12日
主な強み
・2026年3月期の平均年間給与818万1,928円
・2025年度の組合員1人当たり平均賃上げ2万2,000円・6.7%
・2025年度の月平均残業15.4時間、有給休暇取得率81.4%
・男性育児休業取得率は総合職116.7%、業務職109.1%
・労使協議会を全社で年間400回以上実施
・レンゴー単体の2025年労災度数率0.90
・EDR、SOC、脆弱性診断を実施し、2025年度の重大情報セキュリティインシデント0件
・RFID、AI、無人クランプリフト、包装ロボットによる省力化
・全国分散型の包装供給網
・能登半島地震、2026年熊本地震で段ボールベッドを供給
主な課題
・正規雇用の男女賃金比率73.7%
・非正規雇用の男女賃金比率50.9%
・女性管理職比率7.1%
・2025年度にレンゴー単体・国内連結子会社の対象範囲で死亡・重篤災害1件
・2025年度の重大製品不具合11件
・製造現場には交替勤務があり、口コミでは繁忙部署の忙しさや休日出勤への不満がある
・自動化による削減時間を従業員の休日・賃金へどの程度直接還元したかの施策別数値は不足
・工場停止時の代替率や主要業務のRTO・RPOは非公表
・過去の段ボール価格カルテル事件について、2025年8月に最高裁が上告を棄却し、上告受理申立てを受理しない決定
事業内容と人間への貢献
レンゴーは1909年創業、1920年設立の総合包装メーカーです。2026年3月期の単体売上高は3,787億8,600万円、単体従業員数は4,426人です。
段ボールや紙器は、食品、飲料、医薬品、家電、日用品などを工場から店舗・家庭へ運ぶための基盤です。包装が止まれば、中身を製造できても安全に出荷できない商品が増えるため、包装産業は物流を支えるサポーティングインダストリーです。
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | レンゴー株式会社 |
| 英文名 | RENGO CO., LTD. |
| 本社 | 大阪市北区中之島2-2-7 |
| 東京本社 | 東京都港区港南1-2-70 |
| 創業 | 1909年4月12日 |
| 設立 | 1920年5月2日 |
| 資本金 | 310億6,600万円 |
| 単体従業員数 | 4,426人 |
| 連結従業員数 | 25,573人 |
| 単体売上高 | 3,787億8,600万円 |
| 連結売上高 | 1兆83億3,700万円 |
| 平均年齢 | 42.1歳 |
| 平均勤続年数 | 16.8年 |
| 平均年間給与 | 818万1,928円 |
主な事業内容
レンゴーは、段ボール、段ボール箱、紙器、板紙、軟包装、セロファン、クラフト紙袋、ポリエチレン重袋、フレキシブルコンテナ、不織布、機能材、包装機械などを製造・販売しています。
包装機械では、商品の高さに合わせて箱を自動加工する高さ可変包装機、製函機、封函機、協働ロボットパレタイザーなどを扱います。通販倉庫や食品・飲料工場で、人が箱を組み立て、封をし、積み上げる作業を機械へ移せます。
事業による人間への貢献
商品は製造するだけでは消費者へ届きません。輸送中の衝撃、圧縮、振動、湿度などから中身を守る包装が必要です。
レンゴーは包装設計と包装機械を組み合わせ、商品の破損を減らすだけでなく、物流・小売・通販で発生する箱組み、封函、荷揃え、パレタイズ、開封、陳列などの作業も減らしています。
包装を軽く・小さくできれば、運ぶトラックの積載効率が上がり、同じ商品量を運ぶために必要な資材・輸送回数も減らせます。災害時には段ボール箱に加え、ベッドやパーティションとして包装技術を避難所支援へ転用しています。
Safety|40/50
Safetyでは、レンゴー単体の賃金、労働時間、雇用、公平性、育児、人権、労働安全に加え、包装メーカーとして製品の品質・安全を評価します。
賃金、休暇、育児、労使対話は高い水準です。一方、男女賃金差、女性管理職比率、国内グループで発生した死亡災害、重大製品不具合が満点を妨げています。
賃金・利益の還元|8/10
2026年3月期の平均年間給与は818万1,928円です。
さらに、2025年度の組合員1人当たり平均賃上げは月2万2,000円、6.7%でした。同じ資料に掲載された製造業平均5.42%、紙・パルプ平均5.53%を上回ります。
全要素生産性を高めて生まれた付加価値を従業員へ分配する方針も明文化されています。高い賃上げ率が実際に確認でき、働く人が生産性向上の成果を給与として受け取れる仕組みがあるため8/10点です。
一方、正社員、工場交替勤務者、非正規など雇用区分別の賃金中央値や、物価上昇後の実質賃金を長期間比較できるデータまでは十分ではありません。
雇用区分・職種別の賃金中央値を公開し、物価上昇率を上回る実質賃金の伸びを複数年継続できれば10/10点を検討できます。
労働時間・休息|8/10
2025年度の公表値では、月平均残業は全体15.4時間、総合職15.6時間、業務職16.2時間です。有給休暇取得率は81.4%です。
15時間台の残業と80%を超える有給取得率は、働く人が仕事以外に使える時間を確保するうえで強い結果です。
一方、従業員口コミでは繁忙期や休日出勤への負担を指摘する投稿があります。転職会議の投稿者集計も残業28.4時間、有給消化率62%で、公表値との隔たりがあります。
全社平均は良好でも、工場・部署ごとの負担差が残る可能性があるため8/10点です。
工場・営業・本社など主要職種別でも平均残業15時間以下、有給取得率80%以上を安定して維持し、休日出勤実績も公開できれば10/10点を検討できます。
雇用の安定・待遇の公平性|3/5
2026年3月末の単体従業員数は4,426人、平均勤続年数は16.8年です。長期雇用の基盤があります。
一方、女性管理職比率は7%台です。男女賃金比率は全従業員68.4%、正規雇用73.7%、非正規雇用50.9%です。
会社は初任給・昇給体系に性別差はなく、管理職比率、勤続年数、交替勤務手当、雇用区分などが賃金差に影響すると説明しています。管理職を除く正社員の平均基本給男女比は94.7%です。
同じ給与表で女性だけを低く設定していることを示す数字ではありませんが、結果として女性が高賃金の管理職や交替勤務職へ進みにくい構造が残っています。
そのため3/5点です。
女性管理職比率を15~20%以上へ引き上げ、正規雇用の男女賃金比率90%以上、非正規も職務・勤務時間をそろえた賃金差が小さいことを公開できれば5/5点を検討できます。
福利厚生・育児・介護|5/5
2025年度の男性育児休業取得率は、管理職66.7%、総合職116.7%、業務職109.1%です。100%を超える区分は、年度内の出生者数と取得者数の算定時期の違いによって生じます。
育児休業は子どもが3歳になるまで利用でき、最初の30日は有給です。育児短時間勤務や介護との両立支援も設けています。
高い男性育休利用実績を含め、育児・介護で離職せず働き続けるための制度と利用実績が確認できるため5/5点です。
人権・ハラスメント・労使関係|5/5
レンゴーは人権デュー・ディリジェンスを実施し、2025年度は対象となる国内54社すべてでセルフアセスメントを実施しています。
ハラスメントや人事考課、メンタルヘルス、育児・介護との両立などの相談窓口を設けています。
事業所・工場では労働組合と管理職が毎月労使協議会を開き、本部・本社間でも年4回開催しています。全社合計で年間400回以上です。
問題が起きてから相談する仕組みだけでなく、日常的に労使が職場運営について話し合う仕組みが継続しているため5/5点です。
労働安全・健康|8/10
レンゴー単体の2025年労災度数率は0.90です。会社の公表資料では過去5年間の単体度数率まで継続公開しています。
工場では挟まれ・巻き込まれ防止、フォークリフトと歩行者の分離、熱中症対策、機械設備の本質安全化を進めています。
一方、2025年度はレンゴー単体・国内連結子会社を対象とする死亡・重篤災害KPIで1件の死亡災害が発生しました。対象範囲に子会社を含むため、レンゴー単体で発生したとは断定しません。
単体の事故頻度が比較的低く、具体的な設備対策も確認できるため8/10点です。
死亡・重篤災害0を複数年継続し、単体度数率をさらに引き下げ、強度率も低水準で安定していることを確認できれば10/10点を検討できます。
商品・サービスの安全|3/5
レンゴーはZD=Zero Defectsを掲げ、全社CS委員会、工場CS委員会などで不具合削減を進めています。
一方、レンゴー単体・国内連結子会社を対象とする「損失金額100万円以上の重大な製品不具合」は2025年度11件で、目標0件に届いていません。
食品、飲料、医薬品などの包装不具合は中身の出荷・販売にも影響するため3/5点です。
重大製品不具合を0~1件程度まで減らし、原因別の再発率、回収件数、顧客影響も継続公開できれば5/5点を検討できます。
従業員・元従業員の口コミ
転職会議の投稿者集計では、平均残業28.4時間、有給消化率62%です。
近年の公式全社平均より負担感の強い口コミもあり、過去の製造職口コミでは仕事内容の身体的な厳しさや休憩の取りにくさを指摘する原文もあります。古い投稿は現在の全社実態として扱わず、現場差を考える補助材料とします。
SNS・匿名掲示板の確認結果
X、5ちゃんねる、爆サイを「レンゴー」「工場」「残業」「休日」「労災」「退職」「パワハラ」などの語と組み合わせて確認しました。
今回、勤務時期・職種・対象法人との関係を確認でき、口コミサイトや公的・公式資料を上回って採点を変更できるだけの投稿本文は確保できませんでした。
そのため、SNS・匿名掲示板だけを根拠とする追加加点・減点は行いません。
Innovation|22/25
Innovationでは、包装・物流の現場で人が行っていた重労働、危険作業、単純反復作業をどこまで機械・DXへ移し、その成果を人へ返しているかを評価します。
レンゴーは顧客向け包装機械だけでなく、自社物流でもRFID、AI、無人クランプリフトを導入しています。生産性向上と同時に賃金・休息の改善結果も確認できるため、高い評価です。
作業負担・危険の削減|8/10
包装機械では、製函、封函、開封、パレタイズなどを自動化できます。
自社物流の淀川流通センターでは、トラック誘導を自動化するシステム、ピッキングアプリ、AI搭載・レーザー誘導式の無人クランプリフトを導入しています。人が行っていた荷揃えや重量物搬送を機械へ移し、作業時間短縮と安全性向上につなげています。
段ボール工場ではRFIDにより、入荷確認やラベル貼付作業も削減しています。
重い原紙や段ボールを扱う物流現場で、人の運転・確認・搬送作業そのものを減らしているため8/10点です。
一方、導入前後で1人当たり年間何時間減ったのか、フォークリフト接触リスクや必要作業人数が何%減ったのかを全社横断で比較できる数値は不足しています。
削減時間、歩行距離、荷役回数、危険作業件数を設備別に公開できれば10/10点を検討できます。
商品・サービスの改善|5/5
レンゴーは包装ライン全体の自動化を支援しています。
高さ可変包装機J-RexSは、商品の大きさに合わせて段ボールを切断・封函し、包装資材使用量を減らしながら積載効率を高めます。2026年には機械振興協会会長賞を受賞しました。
2026年に木下賞包装技術賞を受賞したブライトプレスは、従来別工程だった打ち抜きとエンボス加工を同時に行い、工程数と工場間輸送を減らします。
包装を「中身を包む箱」から、物流・店頭・通販の作業自体を減らすシステムへ発展させているため5/5点です。
改善成果の人間への還元|4/5
レンゴーは、生産性向上で生み出した付加価値を従業員へ適切に分配する方針を示しています。
2025年度の組合員平均賃上げは6.7%、月平均残業15.4時間、有給取得率81.4%でした。生産性向上と同時に賃金・休息の結果も良好である点を評価します。
一方、「無人リフトで年間○時間削減し、そのうち○時間を休日へ移した」といった施策別の直接的な因果までは公開されていません。
そのため4/5点です。
設備・DXごとに削減時間、再配置人数、教育時間、残業削減、賃金還元をつなげて公開できれば5/5点を検討できます。
研究開発・現場改善の継続|5/5
レンゴーは包装機械、包装設計、セルロース素材、デジタル技術などの研究開発を継続し、J-RexSやブライトプレスなど外部表彰を受ける新技術も生み出しています。
単発の設備投資ではなく、現場改善と研究開発を継続する仕組みがあるため5/5点です。
自動化・AI導入後の雇用状況
レンゴー単体の従業員数は2026年3月末で4,426人です。過去数年でも大規模に縮小した形跡はなく、AI、RFID、無人リフト、包装ロボットなどの省人化設備を理由とする大規模な希望退職・解雇は2026年10月時点で確認していません。
一方、自動化対象業務から何人を別業務へ移したのか、配置転換後に退職した人がいるか、採用抑制があったかという施策別の追跡情報は公開されていません。
現時点では、自動化が大規模な雇用削減へ直結したとは評価しません。今後も従業員数、求人、配置転換、希望退職等を継続して確認する必要があります。
Protection|22/25
Protectionでは、地震、豪雨、火災、感染症、サイバー攻撃、工場停止などが起きても、食品・飲料・医薬品等の物流に必要な包装を供給できるかを評価します。
全国分散型の生産網、BCP、情報バックアップ、EDR・SOC、実災害での段ボールベッド供給が強みです。一方、主要工場・システムごとの代替率やRTO・RPOの詳細は公開されていません。
災害への備え・訓練|4/5
レンゴーは自然災害等による事業中断を想定したBCPや事業継続の仕組みを整備しています。
例えば大規模地震で一つの工場が止まった場合でも、包装は食品・飲料等の出荷に不可欠なため、平時から代替供給と復旧要員を準備しておくことで、他社商品の出荷停止が長引くリスクを減らせます。
一方、訓練頻度、安否確認完了時間、各工場の実測復旧時間は公開情報が不足しています。
そのため4/5点です。実地訓練で目標時間内に復旧できた結果を継続公開すれば5/5点を検討できます。
生産・物流・調達の代替|5/5
レンゴーの段ボール事業は、全国各地に製造拠点を置く地域分散型で、直営段ボール工場だけでも全国に26工場あります。
例えば一地域の工場が災害で停止した場合、周辺地域の生産拠点へ供給を振り替えられる構造は、食品メーカーや日用品メーカーの出荷停止リスクを下げます。
全国分散型の生産網が事業構造そのものに組み込まれているため5/5点です。
サイバー防衛・情報保護|4/5
レンゴーは情報セキュリティ委員会を設け、EDR、SOC、情報セキュリティ教育、情報資産台帳、脆弱性診断を実施しています。
2025年度の重大情報セキュリティインシデントは0件です。
包装・物流システムがサイバー攻撃で停止すると、受注、製造指示、出荷が止まり、顧客の商品供給まで影響します。侵入検知と監視組織を持ち、重大事故0という結果まで公開していることは高く評価できます。
一方、MFA適用率、主要システムのRTO・RPO、ランサムウェアを想定した復元訓練の実測時間は公表されていません。
そのため4/5点です。
これらの技術適用率と復旧訓練結果まで公開できれば5/5点を検討できます。
供給継続・復旧能力|4/5
食品、飲料、医薬品などは、中身があっても包装材がなければ出荷できません。
レンゴーは全国に分散した製造拠点を持ち、包装供給を地域分散させています。
供給継続の仕組みは強い一方、「A工場停止時にB工場へ何時間で切り替え、平時の何%を代替できるか」といった製品別の代替率・復旧時間は公開情報がありません。
公開情報がない点は課題です。採点上も減点対象です。
そのため4/5点です。
主要製品ごとのRTO・代替生産率を設定し、訓練で目標達成を公表できれば5/5点を検討できます。
危機時の市民への対応|5/5
レンゴーは地震や台風等で自治体から要請を受けると、段ボールシート、パーティション、段ボールベッド、段ボール箱などを緊急支援物資として届けています。全国の自治体との防災協定も進めています。
2024年の能登半島地震では1,000万円の義援金に加え、業界団体を通じて段ボールベッドを供給し、追加要請へ即応できる体制を整えました。
例えば体育館へ避難し、床で寝なければならない場合、段ボールベッドが届けば床から体を離して眠れ、冷えやほこり、立ち上がる際の負担を減らせます。
実災害で物資供給を行い、平時から自治体との協定も進めているため5/5点です。
良いニュース・最近の前向きな動き
最近のレンゴーでは、省力化技術、災害支援、女性活躍で前向きな動きが続いています。
包装技術を選ぶことが、物流現場の人手不足・重労働を減らす技術開発を支え、災害時には同じ素材・生産網を避難所支援へ転用できる点を評価します。
2026年3月|J-RexSが機械振興協会会長賞を受賞(Innovation)
国産高さ可変包装機J-RexSは、商品の大きさに合わせて段ボールを切断・封函し、資材使用量と箱内部の空間を減らします。
刃物を使わない段ボール切断加工技術も特徴で、通販現場の包装作業を機械へ移しながら、輸送時の積載効率を高めます。2026年3月26日に第60回機械振興賞の機械振興協会会長賞を受賞しました。
2026年7月|ブライトプレスが木下賞包装技術賞を受賞(Innovation)
ブライトプレスは、従来別工程だった打ち抜きとエンボス加工を一つの工程へ集約します。
工程が減れば、機械を移し替える作業、工場間輸送、エネルギー使用を減らせるため、人の作業時間と物流負担の双方を減らせます。
2026年8月|熊本地震で段ボールベッドを供給(Protection)
2026年8月21日、レンゴーは令和8年熊本地震への対応を公表しました。段ボールベッドなど、包装生産網を危機時の市民支援へ転用する活動を続けています。
2026年|女性活躍の新行動計画を開始(Safety)
レンゴーは2026年4月から2031年3月までの新しい女性活躍推進行動計画を策定し、2030年度までに女性採用比率30%以上、女性管理職比率8%以上、男性育休取得率90%以上を目標にしています。
悪いニュース・問題となった動き
現在の大きな課題は、製造現場の重大災害、製品不具合、男女格差です。
さらに過去の価格カルテル事件については、2025年8月に最高裁で上告棄却・不受理決定が出ています。古い違反行為と現在の事業運営を混同しませんが、大手包装企業として公正競争の履歴は記録に残す必要があります。
2025年度|死亡・重篤災害1件(Safety)
レンゴー単体・国内連結子会社を対象とするKPIで、2025年度に死亡災害1件が発生しました。会社目標は0件です。
対象範囲に国内子会社を含むため、レンゴー株式会社単体社員の死亡と断定はしません。
ただし、グループの製造現場では重大災害をゼロへ戻すことが最優先です。
2025年度|重大製品不具合11件(Safety)
損失金額100万円以上の重大製品不具合は11件でした。対象はレンゴー単体と国内連結子会社です。
原因分析と再発防止は実施していますが、目標0件との隔たりは大きく、商品・サービスの安全を満点にできない理由です。
2025年度|正規雇用の男女賃金比率73.7%(Safety)
男女賃金比率は正規雇用73.7%、非正規雇用50.9%です。
管理職を除く正社員基本給の男女比は94.7%なので、給与表の違いだけではなく、昇進、勤続年数、交替勤務職への配置などキャリア構造の差が大きく影響しています。
2025年8月|段ボール価格カルテル事件の上告を最高裁が棄却
過去の段ボールシート・ケースの価格カルテルをめぐる事件では審判・訴訟が続き、2025年8月27日、最高裁第三小法廷はレンゴーほか6社の上告を棄却し、上告審として受理しない決定をしました。
違反行為自体は過去の事案ですが、物流インフラに近い市場で価格競争を損なった重大な履歴として記録します。
総合評価と、これから改善してほしいこと
レンゴー株式会社は現在84点・シビックランクAです。
次のSランクは90点からなので、あと6点必要です。
平均給与、賃上げ、残業、有給、育児、労使対話、Innovation、災害支援、サイバー防御まで広い項目で高い結果を確認できます。
Sランクへ上がるために最も重要なのは、制度をさらに増やすことではなく、死亡・重篤災害、男女格差、重大品質不具合という実際の結果を改善することです。
死亡・重篤災害0を複数年継続してほしい|労働安全・健康:8→10/10
現在の「労働安全・健康」は8/10点です。
レンゴー単体の2025年度数率0.90は低い水準にある一方、単体・国内連結子会社を対象とする死亡・重篤災害KPIでは1件の死亡災害が発生しています。
企業が実行する改善行動は、挟まれ・巻き込まれ設備のインターロック、フォークリフトと歩行者の完全分離、危険作業の遠隔化・無人化、熱中症設備対策を主要拠点へ水平展開し、事故原因と再発防止効果を公開することです。
死亡・重篤災害0を3年以上継続し、レンゴー単体の度数率0.5以下、強度率も低水準で安定すれば10/10点を検討できます。
現在:8/10点
改善後:10/10点
加点:+2点
総合:84→86点
ランク:Aのまま
参考企業はKDDI株式会社です。当サイトの現行審査では、単体の労働災害1件、死亡0件、重篤工事事故0件、度数率0.05、強度率0.00382まで公開しており、「労働安全・健康」8/10点です。事故件数だけでなく頻度と重大度まで継続公開する点が参考になります。
女性管理職と男女賃金差を改善してほしい|雇用の安定・待遇の公平性:3→5/5
現在の「雇用の安定・待遇の公平性」は3/5点です。
正規雇用の男女賃金比率73.7%で、女性管理職比率もなお低い水準です。
企業が実行する改善行動は、営業・製造・管理部門ごとに女性の採用、配置、昇格、交替勤務への参加、管理職候補育成を追い、職位・職種・勤続年数を調整した賃金差まで毎年公開することです。
女性管理職比率15~20%以上、正規雇用男女賃金比率90%以上へ改善し、非正規についても職務・勤務時間をそろえた差が小さいことを確認できれば5/5点を検討できます。
現在:3/5点
改善後:5/5点
加点:+2点
総合:84→86点
ランク:Aのまま
参考企業は株式会社ミツウロコグループホールディングスです。当サイトの現行審査では、女性管理職比率47.4%、正規雇用男女賃金比率91.5%を確認し、「雇用の安定・待遇の公平性」4/5点です。
重大製品不具合を0~1件へ減らしてほしい|商品・サービスの安全:3→5/5
現在の「商品・サービスの安全」は3/5点です。
2025年度は損失金額100万円以上の重大製品不具合が11件発生しています。
企業が実行する改善行動は、不具合を異品種混入、手配誤り、接着・印刷・加工不良、異物混入など原因別に分解し、重大化する前の検出率を高めることです。工場間で同種原因を水平展開し、再発件数まで公開する必要があります。
重大製品不具合0~1件を複数年維持し、重大回収・重大利用者事故0、再発率低下を確認できれば5/5点を検討できます。
現在:3/5点
改善後:5/5点
加点:+2点
総合:84→86点
ランク:Aのまま
参考企業は永伸商事株式会社です。当サイトの現行審査では、FSSC22000認証、複数段階のろ過・殺菌、継続的なPFOS・PFOA検査など、製品安全の第三者認証と結果確認を組み合わせ、「商品・サービスの安全」5/5点としています。業種は異なりますが、管理体制だけでなく安全結果を継続して示す点が参考になります。
次のランクへ上がるための具体例
現在84点・Aで、Sランクは90点からです。あと6点必要です。
・労働安全・健康:8→10/10
死亡・重篤災害0を3年以上継続し、単体度数率0.5以下、強度率も低水準で維持
→+2点
・雇用の安定・待遇の公平性:3→5/5
女性管理職15~20%以上、正規雇用男女賃金比率90%以上、職位・職種調整後の格差縮小
→+2点
・商品・サービスの安全:3→5/5
重大製品不具合0~1件を複数年維持し、重大回収・重大利用者事故0、再発率低下を公開
→+2点
これらを実現すれば、
84点+2点+2点+2点=90点
となり、シビックランクSへ到達します。
レンゴーは、賃金・休暇・省力化・災害対応・サイバー防御の基盤がすでに強い企業です。次に必要なのは、製造現場の重大事故をゼロへ戻すこと、女性が管理職や高賃金職へ進める構造をつくること、重大品質不具合をゼロへ近づけることです。この3つを結果として達成できれば、Sランクに届く可能性があります。
最終評価は、
Safety:40/50
Innovation:22/25
Protection:22/25
総合:84/100
シビックランク:A
とします。
出典一覧
1.レンゴー株式会社「会社概要」【情報ランクA】
2.レンゴー株式会社「2026年3月期 有価証券報告書」【情報ランクS】
3.レンゴー株式会社「DEIの推進」【情報ランクA】
4.レンゴー株式会社「健康経営の推進」【情報ランクA】
5.厚生労働省「女性の活躍推進企業データベース」レンゴー株式会社公表値【情報ランクS】
6.レンゴー株式会社「人材育成方針・社内環境整備方針」【情報ランクA】
7.レンゴー株式会社「人権の尊重」【情報ランクA】
8.レンゴー株式会社「安全で働きやすい環境の整備」【情報ランクA】
9.厚生労働省「2025年 労働災害動向調査」【情報ランクS】
10.レンゴー株式会社「製品の品質と安全性の保証」【情報ランクA】
11.レンゴー株式会社「DXの取組み」【情報ランクA】
12.レンゴー株式会社「持続可能な物流の構築」【情報ランクA】
13.レンゴー株式会社「包装機械・包装システム」【情報ランクA】
14.レンゴー株式会社「リスクマネジメント」【情報ランクA】
15.レンゴー株式会社「TCFDへの対応」【情報ランクA】
16.レンゴー株式会社「ステークホルダーとの関わり」【情報ランクA】
17.レンゴー株式会社「令和6年能登半島地震への対応」【情報ランクA】
18.レンゴー株式会社「令和8年熊本地震への対応」【情報ランクA】
19.レンゴー株式会社「第60回機械振興賞 機械振興協会会長賞」【情報ランクA】
20.レンゴー株式会社「第50回木下賞 包装技術賞」【情報ランクA】
21.Indeed「レンゴー株式会社 社員クチコミ」【情報ランクB】
22.転職会議「レンゴー株式会社 社員口コミ」【情報ランクB】
23.公正取引委員会「レンゴー株式会社に対する課徴金納付命令」【情報ランクS】
24.公正取引委員会審決等データベース「レンゴー株式会社ほか6名による審決取消請求上告事件等」【情報ランクS】
25.シビックギルド「KDDI株式会社を企業審査」【比較資料】
26.シビックギルド「株式会社ミツウロコグループホールディングスを企業審査」【比較資料】
27.シビックギルド「永伸商事株式会社を企業審査」【比較資料】
シビックランクの基準
| ランク | 総合点 |
|---|---|
| S | 90~100点 |
| A | 80~89点 |
| B | 70~79点 |
| C | 60~69点 |
| D | 50~59点 |
| E | 40~49点 |
| F | 20~39点 |
| G | 0~19点 |
レンゴー株式会社は84点のため、シビックランクAです。
情報ランクの基準
| 情報ランク | 基準 |
|---|---|
| S | 行政、公的機関、裁判所、規制当局、独立第三者機関の調査・監査・検証・認証など、内容そのものに独立した裏づけがある情報 |
| A | 企業公式資料、採用情報、公式声明・SNS、氏名・役職・立場が確認できる記名取材や公表発言など、発信主体を確認できる公表情報 |
| B | 従業員・元従業員口コミ、一般SNS、匿名掲示板など、発信者の身元や対象企業との関係を独立に確認しにくい情報 |
