私たちは、企業の商品を購入したり、サービスを利用したりすることで、そこで働く人たちの未来を変えることができます。
働く人に十分な賃金を払い、休暇を確保し、安全な職場をつくり、人の負担を減らす企業の商品やサービスが選ばれれば、そうした企業により多くの売上が集まります。その結果、働く人を大切にする経営を続けやすくなります。
反対に、低賃金や長時間労働、安全上の問題を改善しない企業の商品やサービスが売れ続ければ、そうした働かせ方のままでも事業を続けることができます。
だからこの企業審査では、「私たちがお金を使うなら、どの企業を選ぶことが、そこで働く人にとってより良い社会につながるのか」という視点から企業を評価します。
なぜ企業を審査するのか?――このサイトの目的と、利用するメリット
今回審査する北陸コカ・コーラボトリング株式会社は、総合75点、シビックランクBです。
北陸コカ・コーラボトリング株式会社の特に強い点は、2024年の能登半島地震で自社の能登地区営業所も被災する中、行政と協力して被災地へ「い・ろ・は・す」を提供し、平時の販売網を実際の災害支援へ切り替えたことです。そのため、この企業の商品を購入したりサービスを利用したりすれば、地震や豪雨などで通常の買い物が難しくなったときにも、地域の販売網と自動販売機を生活物資の供給拠点として使える社会につながる可能性が高まります。
一方で、改善点として平均年間給与、既存社員のベースアップ、男女賃金差、会社単体の休業労災・度数率、SCMや自販機改善で削減した作業時間の人への還元が十分に公開されていません。
この記事では、北陸コカ・コーラボトリング株式会社の強みと課題をさらに詳しく企業審査していきます。
北陸コカ・コーラボトリング株式会社の企業審査結果
北陸コカ・コーラボトリングは、富山・石川・福井・長野で清涼飲料の販売と需給調整を担う地域ボトラーです。能登半島地震での実供給、男性育休100%、年間休日126日、長い平均勤続年数は強みです。一方、給与と男女賃金差、単体の安全実績、デジタル化による社員への還元は外部から確認しにくい状態です。
| 評価軸 | 点数 | 評価の要点 |
|---|---|---|
| Safety | 36/50 | 年間休日126日、男性育休100%、平均勤続23.52年、柔軟勤務、公開健康指標の労災減少を評価。平均給与・男女賃金差、単体労災・交通事故、相談実績の開示不足が課題 |
| Innovation | 19/25 | 需要予測モデル、S&OP、カード型自販機見本、災害対応型自販機を評価。削減人時・残業・賃金・価格への還元結果が不足 |
| Protection | 20/25 | 能登地震での実供給、自治体との災害協定、災害対応自販機を高評価。代替能力、サイバー防衛、RTO・RPOの開示が不足 |
| 総合点 | 75/100 | シビックランクB |
主な強み
・2026年3月時点の正社員数は361人、2025年売上高は393億4,500万円
・2027年新卒の年間休日は126日、総合職初任給は月24万5,000円
・2024年の平均勤続年数は23.52年
・2024年の入社3年後定着率は77.80%
・2024年の女性管理職比率は9.5%
・2023年に男性育児休業取得率100%を達成し、19人が14日以上連続で取得
・育児休業後の復職率100%
・フレックスタイム、在宅勤務、時間単位有給、副業・兼業などを整備
・健康経営の公開指標では労働災害件数が2022年度2件、2023年度2件、2024年度1件、2025年度0件へ減少
・需要計画では過去実績、季節、直近トレンドを使う独自予測モデルとS&OPを活用
・2024年にカード型自動販売機用製品見本を導入し、PET見本では従来比約60%のプラスチック削減と交換作業の効率化を進めた
・2024年能登半島地震で能登営業所が被災する中、行政と協力して飲料を供給
・2025年11月時点で長野県77市町村のうち36市町村と災害協定を結び、災害対応自販機は108台
・2025年のPRIDE指標で最高評価「ゴールド」を4年連続受賞
主な課題
・平均年間給与、賃金中央値、既存社員のベースアップ率が十分に公開されていない
・男女賃金差を会社単体で確認できない
・女性管理職比率9.5%は女性社員比率26%を下回る
・健康経営ページには複数社を含む指標があり、労災0件などを北陸コカ・コーラボトリング単体の実績とは断定できない
・会社単体の死亡労災、休業災害、度数率、強度率、交通事故が非公表
・2024年度の健康経営指標では平均月間所定外労働10.3時間、有休取得率51.3%で、有休には改善余地がある
・口コミサイトの投稿集計は公式数値より長い残業時間を示しており、職種・時期による差を確認する必要がある
・人権・SOGI方針はあるが、ハラスメント相談・内部通報の件数と是正結果の単体開示が不足
・需要予測、S&OP、自販機改善による年間削減人時、残業削減、配置転換が非公表
・2026年9月に185品目を5.3~20.4%値上げしており、効率化によるコスト削減が利用者価格へどこまで返っているか確認しにくい
・SOC、CSIRT、EDR、MFA、攻撃演習、重大サイバー事故件数、重要業務のRTO・RPOなどの公開が不足
事業内容と人間への貢献
北陸コカ・コーラボトリング株式会社は、富山県高岡市に本社を置き、富山県・石川県・福井県・長野県で清涼飲料の販売を担うコカ・コーラ指定会社です。会社設立は1962年6月5日で、2026年3月時点の正社員は361人です。[出典1]
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 北陸コカ・コーラボトリング株式会社 |
| 英文名 | HOKURIKU COCA-COLA BOTTLING CO.,LTD. |
| 設立 | 1962年6月5日 |
| 代表取締役会長 | 稲垣晴彦 |
| 代表取締役社長執行役員 | 井辻秀剛 |
| 資本金 | 1億円 |
| 本社 | 富山県高岡市内島3550番地 |
| 売上高 | 393億4,500万円(2025年実績) |
| 正社員数 | 361人(2026年3月) |
| 主な事業 | 清涼飲料の販売 |
| 販売地域 | 富山県、石川県、福井県、長野県 |
| 主なグループ会社 | 株式会社ベネフレックス、北陸コカ・コーラプロダクツ株式会社、株式会社なぶーる |
主な事業内容
北陸コカ・コーラボトリングの会社概要上の事業は「清涼飲料の販売」です。ただし、地域ボトラーの仕事は営業だけではありません。
需要計画では、過去の販売実績、季節、市場トレンドなどを使って、数か月先にどの商品がどれだけ必要になるかを予測します。予測を生産・流通・営業へつなぐことで、欠品や過剰在庫を抑えます。[出典6]
営業・マーケティングでは、小売店、飲食店、オフィス、公共施設などへ商品や売り場、自動販売機を提案します。自動販売機には通常販売だけでなく、災害時に遠隔・手動操作で飲料を無料提供できる災害対応型もあります。[出典7]
一方、砺波工場で実際に飲料を製造する主体は別法人の北陸コカ・コーラプロダクツ株式会社です。製造子会社の交替勤務、工場労災、ISO認証、電子線殺菌などを北陸コカ・コーラボトリング本体へそのまま加点しません。
主な利用企業・取引先
グループ採用サイトでは、北陸コカ・コーラグループ全体で約1万4,500店の取扱店舗、約2万9,000台の自動販売機、年間約2,430万ケースの販売規模が示されています。[出典2]
これらはグループ全体の数字であり、北陸コカ・コーラボトリング株式会社単体の社員だけで運営している数字ではありません。
主な取引先・利用先は、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、飲食店、オフィス、学校、公共施設、観光・スポーツ施設などです。
事業による人間への貢献
北陸・長野の地域で水、無糖茶、スポーツ飲料、コーヒー、炭酸飲料などを安定して買える状態を保つことが、販売会社としての基本的な人間への貢献です。
例えば猛暑時に水やスポーツ飲料が欠品すれば、仕事中や外出中の水分補給が難しくなります。需要予測によって必要な地域へ必要量を前もって振り分けられれば、急な欠品や緊急配送を減らせます。
さらに2024年1月の能登半島地震では、能登地区の営業所自体が被災する中、行政と協力して被災地へ「い・ろ・は・す」の提供を進めました。[出典9]
平時の商品販売に使う在庫・営業・地域ネットワークを、非常時には被災者への水分供給へ切り替えられることは、地域ボトラーならではの人間への貢献です。
Safety|36/50
Safetyでは、販売・営業・SCM・管理部門で働く社員が十分な賃金と休息を得られているか、長く公平に働けるか、安全・健康が守られているか、利用者が安全に商品・サービスを受け取れるかを見ます。北陸コカ・コーラボトリングは休日、育児支援、長期勤続、安全衛生活動に強みがありますが、給与と単体安全KPIの透明性は不足しています。
賃金・利益の還元|6/10
2027年新卒総合職の初任給は月24万5,000円です。時間外勤務手当、在宅勤務手当などが別途支給され、賞与は年2回、昇給は年1回です。[出典3]
時間外手当を初任給へ固定で組み込む求人ではないこと、住宅補助、企業年金、持株会、社宅などがあることは評価できます。[出典4]
一方、既存社員の平均年間給与、賃金中央値、職種別平均、2026年のベースアップ率、男女賃金差は確認できませんでした。
2026年5月14日の転職会議には、40代後半の現職女性正社員から「年収は管理職にならないと上がりにくい。」との投稿があります。[出典18、情報ランクB]
初任給と福利厚生は確認できるものの、働き続けた社員へ利益がどの程度固定給で還元されているかを判断する情報が不足するため6/10点です。
8/10には、全正社員の賃金中央値、職種・等級別賃金、男女賃金差、既存社員のベースアップ率を毎年公開し、物価上昇を上回る基本給改善を複数年示す必要があります。
労働時間・休息|8/10
2027年新卒採用では年間休日126日、基本勤務時間は8時50分~17時30分で、フレックスタイム制度があります。[出典3]
採用サイトのワークライフページでは、2023年の平均残業時間6.6時間、有給休暇平均10.8日、育児休業後復職率100%を掲載しています。[出典4]
一方、健康経営ページでは平均月間所定外労働時間を2023年度10.0時間、2024年度10.3時間、有休取得率を2024年度51.3%と掲載しています。対象範囲・算定定義が採用サイトと同一かは明確ではありません。[出典5]
転職会議の投稿集計では残業31.3時間、有給消化率48.3%です。これは投稿者の職種・在籍時期が混在する情報ランクBの集計であり、公式の単体平均へ置き換えません。[出典18]
2026年5月14日の現職女性正社員の投稿では「残業も一般職はしない方針」と記載されています。[出典18、情報ランクB]
休日数と公式残業値は良好ですが、有休取得率と職種・役職別の差を確認できないため8/10点です。
10/10には、会社単体で同一定義の平均残業10時間以下、有休取得率80%以上、月45時間・60時間超の社員比率、勤務間休息を職種・役職別に公開し、高水準を継続する必要があります。
雇用の安定・待遇の公平性|4/5
2024年の平均勤続年数は23.52年、入社3年後定着率は77.80%です。男女比は男性74%、女性26%、女性管理職比率は9.5%です。[出典2]
平均勤続23年以上は長期雇用の厚さを示します。2026年4月には北陸コカ・コーラボトリングへ11人の新入社員が入り、2027年新卒採用も継続しています。[出典16]
一方、女性社員26%に対し女性管理職9.5%であり、男女別昇進率や男女賃金差も公開されていません。
雇用継続の実績を評価し4/5点です。5/5には、女性管理職比率を社員構成へ近づけ、男女別昇進率、賃金差、若手の定着率を複数年公開する必要があります。
福利厚生・育児・介護|5/5
2023年に男性育児休業取得率100%を達成し、そのうち19人が14日以上連続で取得しました。育児休業後の復職率も100%です。[出典4]
在宅勤務、フレックスタイム、短時間勤務、時間単位・半日単位の有給、FC休暇、介護休暇、副業・兼業、住宅補助、社宅、企業年金などを整備しています。[出典4]
制度があるだけでなく、男性育休と復職の実績まで確認できるため5/5点です。
人権・ハラスメント・労使関係|3/5
北陸コカ・コーラボトリングはSOGIの多様性を尊重する基本理念・基本方針を策定し、差別やハラスメントのない職場づくりを掲げています。2025年のPRIDE指標では最高評価のゴールドを4年連続で受賞しました。[出典14・15]
健康面では産業保健師を配置し、社員と家族が24時間利用できる電話相談窓口も設けています。[出典5]
一方、一般的なハラスメント相談、内部通報、労使協議について、対象会社単体の件数、是正完了率、再発率、報復防止実績は十分に公開されていません。
多様性への具体策は評価するものの、運用結果の透明性が不足するため3/5点です。
4/5には、匿名の社内・社外通報窓口、ハラスメント相談件数、是正完了率、人権研修率、労使協議の実績を会社単体で継続公開する必要があります。
労働安全・健康|6/10
健康経営ページの公開指標では、労働災害件数が2022年度2件、2023年度2件、2024年度1件、2025年度0件へ減少し、熱中症は4年間0件です。2025年度の安全衛生教育eラーニング参加数は2,465人でした。[出典5]
ただし同ページは「双爽グループ」の健康経営として複数社を横断しており、女性管理職比率にも「3社管理職のうち」と注記があります。そのため労災0件を北陸コカ・コーラボトリング株式会社単体の結果とは断定しません。
会社単体の死亡労災、休業災害、度数率、強度率、営業車両の交通事故、倉庫・営業拠点の転倒や荷役事故は確認できません。
公開指標の改善と安全衛生活動を評価して6/10点です。8/10には、対象会社単体で死亡0を継続し、休業災害、度数率、交通事故率、事故類型を毎年公開して低水準を複数年示す必要があります。
商品・サービスの安全|4/5
コカ・コーラシステムのKOREは、原材料調達から製造、物流・輸送、販売、回収・リサイクルまで、「品質」「食品安全」「環境」「労働安全衛生」を管理対象にしています。販売会社である北陸コカ・コーラボトリングも、この販売・物流段階の基準へ組み込まれています。[出典8]
また、お客様対応プロセスはJIS Q 10002:2015(ISO 10002:2014)の苦情対応指針に適合していると公表しています。[出典17]
製造工場のISO9001、FSSC22000、ISO45001は北陸コカ・コーラプロダクツ株式会社砺波工場の実績であり、本体の点数へ直接加えません。
販売・顧客対応まで品質管理が及んでいるため4/5点です。5/5には、対象会社単体の期限・保管・配送・販売上の重大品質事故、顧客苦情、不適合、回収対応の年次KPIを公開し、重大事故0を複数年確認できる必要があります。
従業員・元従業員の口コミ
転職会議には110件の口コミがあり、2026年10月時点の投稿集計は残業31.3時間、有給消化率48.3%です。公式資料より負担が大きく見えますが、投稿時期・職種が混在するため会社単体の現在平均へ置き換えません。[出典18、情報ランクB]
2026年5月14日、40代後半の現職女性正社員はワークライフバランスについて「残業も一般職はしない方針」と投稿しています。[出典18、情報ランクB]
同日、年収・評価制度について「年収は管理職にならないと上がりにくい。」との投稿もあります。[出典18、情報ランクB]
現在の制度は柔軟でも、職種・役職と給与上昇の違いがある可能性があります。口コミは個人の経験であり、公式の職種別残業・賃金データが公開されれば、より正確に比較できます。
SNS・匿名掲示板の確認結果
X、5ちゃんねる、爆サイ等について、北陸コカ・コーラボトリングと残業、給料、休日、退職、パワハラ、事故、人員削減、AI、省人化などを組み合わせて確認しました。
今回の公開検索では、現在の対象会社の従業員・元従業員と特定でき、採点を変更できる具体性を持つ有用な現行投稿は確認できませんでした。有用な投稿が見つからないこと自体は減点していません。
Innovation|19/25
Innovationでは、営業・SCM・自動販売機における予測、確認、交換、移動などの作業を技術で減らし、その成果を人の時間・安全・賃金・価格へ返せているかを見ます。北陸コカ・コーラボトリングは需要予測と自販機改善を継続していますが、人への還元を定量的に追える情報がまだ不足しています。
作業負担・危険の削減|8/10
需要計画部門では、過去実績、季節、直近トレンドなどを使う独自の予測モデルで需要を予測し、S&OPを通じて販売・製造・供給を調整しています。予測から外れるSKUを早期に検出してアラートを出し、供給不足や過剰在庫を防ぐ運用も行っています。[出典6]
2024年9月からはカード形式の自動販売機用製品見本を採用しました。PETボトルの立体見本をカードへ変える場合、プラスチック使用量は1枚当たり約60%減り、ルートトラック内の保管スペース削減と交換時間短縮も見込めます。[出典10]
販売予測と現場交換の双方で反復作業を減らす具体策があるため8/10点です。
10/10には、導入前後で需要予測作業時間、緊急配送回数、在庫確認時間、自販機見本交換時間、走行距離を数値化し、複数拠点で削減実績を示す必要があります。
商品・サービスの改善|5/5
災害対応型自動販売機は、平時には通常販売を行い、災害時には遠隔操作または手動操作によって飲料を無償提供できます。電光掲示板付きでは災害情報・避難情報も表示できます。[出典7]
支援型自動販売機では売上の一部を地域団体へ寄付できます。また、2024年からは自動販売機設置先企業向けに「あすけん」とCoke ONを組み合わせたウェルネスプログラムも提供しています。[出典20]
飲料販売設備を、健康支援・地域支援・災害対応へ広げているため5/5点です。
改善成果の人間への還元|2/5
需要予測や自販機改善は、欠品、過剰在庫、交換作業、移動の無駄を減らせる仕組みです。
一方、会社は「何人分・何時間の作業が減ったか」「営業・SCMの残業が何時間減ったか」「効率化分を基本給・休日へどれだけ返したか」を公開していません。
2026年9月には185品目のメーカー希望小売価格を5.3~20.4%改定し、大型PETは1本30円、その他は20円の引き上げが中心でした。原材料、包装、エネルギー、為替コストの上昇が理由であり、値上げだけで効率化が失敗したとは判断しません。[出典13]
それでも、効率化によるコスト削減が社員の自由時間、賃金、または利用者価格へどの程度戻ったかを確認できないため2/5点です。
3/5以上には、主要DX施策ごとに削減人時、残業、配置転換、基本給、物流コスト、価格への還元を同じ時系列で公開する必要があります。
研究開発・現場改善の継続|4/5
需要予測、S&OP、自販機の新機能、カード型製品見本、ウェルネスプログラムなど、営業・供給・自販機の改善を継続しています。[出典6・7・10・20]
一方、商品そのものの研究開発は日本コカ・コーラ、製造技術の多くは北陸コカ・コーラプロダクツなど別法人が担います。
本体自身の販売・SCM改善は継続しているため4/5点です。5/5には、改善投資と成果KPIを会社単体で毎年示す必要があります。
自動化・AI導入後の雇用状況
需要予測の高度化や自販機オペレーション改善を進めていますが、これらを理由とする北陸コカ・コーラボトリング株式会社の大規模な希望退職、整理解雇、採用停止は今回確認できませんでした。
2026年3月時点の正社員数は361人で、2026年4月には新卒11人が入社しています。2027年新卒採用も継続中です。[出典1・3・16]
ただし、SCMや営業部門の自動化前後の必要人数、求人件数、配置転換人数、再訓練、契約更新、退職者数は公開されていません。
現時点では「自動化で人員削減した」とは判断しませんが、「雇用へ影響がない」と断定できるほど部署単位の追跡情報もありません。
Protection|20/25
Protectionでは、地震、豪雨、大雪、停電、物流停止、サイバー攻撃が起きても、北陸・長野の住民が水分を確保できるかを評価します。北陸コカ・コーラボトリングの最大の強みは、能登半島地震という実災害で販売網を支援へ切り替えた実績です。一方、拠点間の代替量とデジタルシステムの復旧指標は公開が不足しています。
災害への備え・訓練|4/5
北陸コカ・コーラボトリングは自治体と災害時の救援物資提供協定を結び、災害対応型自販機を展開しています。
2025年11月には長野県下條村と協定を締結し、長野県77市町村のうち36市町村目、災害対応自販機108台目となりました。[出典11]
2024年12月には富山県との包括連携協定を締結し、県庁に災害被災者支援自販機と災害支援型自販機を設置しています。[出典12]
平時から要請経路と供給設備を準備しているため4/5点です。5/5には、全社防災訓練の頻度、安否確認時間、非常電源稼働時間、飲料払出し訓練の実測値を公開する必要があります。
生産・物流・調達の代替|4/5
北陸コカ・コーラグループは富山・石川・福井・長野に複数の事業拠点を持ち、販売、製造、機器サービスなどを分担しています。[出典1・2]
需要計画部門では、販売予測と供給計画をつなぎ、過剰在庫と供給不足を早期に調整しています。[出典6]
能登地区の営業所が被災した2024年にも、行政と協力して被災地へ飲料供給を続けられたことは、単一営業所だけに依存しない供給力を示す実例です。[出典9]
一方、営業所停止時の代替配送量、倉庫在庫日数、製造子会社停止時の他ボトラー・他工場からの代替量、切替時間は公開されていません。
実際の代替能力が確認できるため4/5点です。5/5には、主要製品・地域別の代替率と切替時間を訓練または実災害で数値化する必要があります。
サイバー防衛・情報保護|3/5
個人情報保護方針では、顧客情報の共同利用範囲、委託先管理、販売促進・問い合わせ対応における管理責任を明記しています。[出典13]
販売、需要予測、受注、自販機などのデジタル化が進むほど、システム停止は商品供給へ直結します。
一方、MFA、EDR、SOC、CSIRT、24時間監視、標的型メール訓練、攻撃演習、オフラインバックアップ、重大インシデント件数は公開情報で十分確認できません。
方針と管理責任は確認できるため3/5点です。4~5点には、全社サイバー体制、訓練、重大事故0、検知・封じ込め・復旧時間を公開する必要があります。
供給継続・復旧能力|4/5
2024年1月1日の能登半島地震では、能登地区の営業所が被災しました。それでも1月5日の公表時点で各行政と協力し、被災地へ「い・ろ・は・す」の提供を進めていました。[出典9]
自社拠点が被害を受けた状況で生活物資を出し続けたことは、計画だけでなく実際の継続能力を示します。
一方、能登営業所が何日・何時間で通常機能へ戻ったのか、受注・在庫・需要予測システムのRTO・RPO、バックアップ拠点の実測復旧時間は公開されていません。
実災害での継続実績を評価して4/5点です。5/5には、重要業務ごとの目標復旧時間と実測値を継続公開する必要があります。
危機時の市民への対応|5/5
2024年能登半島地震では、能登営業所も被災する中、行政と協力して被災地域へ「い・ろ・は・す」を提供しました。[出典9]
2025年4月にはファミリーマートとの「石川食べて応援プロジェクト」を通じて北陸コカ・コーラボトリングから石川県へ100万円を寄託しました。[出典19]
2025年11月時点では長野県内36市町村との災害協定と108台の災害対応自販機があり、災害時に飲料水を迅速に提供する体制を平時から広げています。[出典11]
実際の大規模災害で自社の商品と販売網を直接市民支援へ使い、その後も協定・設備・復興支援を継続しているため5/5点です。
良いニュース・最近の前向きな動き
最近の前向きな動きでは、災害対応網、人権・多様性、自販機オペレーション改善を評価します。これらはProtection、Safety、Innovationをそれぞれ強め、働く人と地域住民の安全、災害時の水分確保、現場の作業負担軽減につながる動きです。
2025年11月|長野県下條村と災害協定、県内36市町村・災害対応自販機108台へ(Protection)
2025年11月27日、北陸コカ・コーラボトリングは長野県下條村と「災害時における救援物資提供に関する協定」を締結しました。これで長野県77市町村のうち36市町村目、災害対応自販機は108台目となりました。[出典11]
例えば豪雨や地震で店舗が閉まり、避難所で飲料が不足した場合、協定があれば自治体が平時から決めた経路で支援を要請でき、災害対応自販機からも飲料を供給できます。
同社の商品を選ぶことで、日常の販売網を災害時にも地域の飲料供給へ使う事業を支える関係があります。
2025年11月|PRIDE指標で4年連続ゴールド(Safety)
2025年のPRIDE指標で最高評価「ゴールド」を4年連続で受賞しました。会社はSOGIに関する差別・ハラスメント防止方針を持ち、パートナーの性別や婚姻関係にかかわらず育児・介護制度を利用できる仕組みなどを整えています。[出典14・15]
性的指向や性自認を理由に、家族制度や職場で不利益を受けにくくすることは、働く人の安全と継続就業に直接関係します。
今後は相談件数、是正率、社員意識調査まで公開できれば、制度の存在だけでなく運用結果も確認できます。
2024年9月|カード型自販機見本を導入、プラスチック約60%削減(Innovation)
2024年9月から自動販売機の製品見本をカード型へ切り替え始めました。PETボトル見本の場合、従来型に比べプラスチック使用量を1枚当たり約60%削減できます。[出典10]
カード部分だけ交換できるため、ルートトラック内の保管スペースを減らし、製品切替時の交換作業も短縮できます。
今後、交換時間や巡回時間が実際に何分減ったかを公開できれば、環境改善だけでなく働く人の負担削減としてさらに強く評価できます。
悪いニュース・問題となった動き
最近の課題では、生活者負担、従業員のストレス、賃金の透明性を確認します。効率化や制度があっても、その成果が価格や社員の生活へ十分に返らなければ、InnovationとSafetyの改善余地が残ります。
2026年9月|185品目を5.3~20.4%価格改定(Innovation)
2026年9月1日出荷分から、PETボトル、缶、紙パック、袋入りなど185品目のメーカー希望小売価格を5.3~20.4%引き上げました。大型PETは1本30円、その他商品は20円の引き上げが中心です。[出典13]
会社は原材料、包装資材、エネルギー、為替などのコスト上昇を理由とし、製造・オペレーション効率化だけでは吸収できないと説明しています。
供給継続のため必要な価格改定まで否定するものではありません。しかし日常的に飲料を買う人には購入負担が増えます。需要予測や業務改善によるコスト削減を、将来どの程度価格抑制へ戻せるかがInnovationの課題です。
2025年度|高ストレス者26.7%、仕事のやりがい・満足感54点(Safety)
双爽グループの健康経営指標では、2025年度のストレスチェック高ストレス者割合は26.7%、仕事のやりがい・満足感は54点でした。2024年度の高ストレス者26.3%からわずかに上昇しています。[出典5]
この数値は北陸コカ・コーラボトリング単体だけの集計とは断定できませんが、健康経営の対象組織で改善余地があることを示します。
長時間労働だけでなく、役割、評価、人員配置、上司との関係を含めて高ストレス要因を分析し、対象会社単体の結果も示すことが重要です。
2026年5月|現職社員から賃金上昇への課題指摘(Safety)
2026年5月14日の転職会議では、40代後半の現職女性正社員が「年収は管理職にならないと上がりにくい。」と投稿しています。[出典18、情報ランクB]
一人の口コミを会社全体の賃金実態とは扱いません。一方、会社は平均給与、賃金中央値、既存社員のベースアップを公表していないため、口コミの指摘を公式データで検証しにくい状態です。
働き続けた人の固定給がどう増えているかを公開すれば、賃金への還元をより明確に評価できます。
総合評価と、これから改善してほしいこと
北陸コカ・コーラボトリング株式会社は75点、シビックランクBです。次のAランクは80点からなので、あと5点必要です。
能登半島地震での実供給、災害対応自販機、年間休日126日、男性育休100%、需要予測の高度化には明確な強みがあります。Aランクへ進むためには、制度や技術の数を増やすよりも、既存社員の賃金、会社単体の事故率、DXで削減した時間という「人に返った結果」を数値で示すことが重要です。
既存社員の賃金・男女差を公開し、実質賃金を改善する|賃金・利益の還元 6→8/10
現在の「賃金・利益の還元」は6/10点です。新卒初任給24万5,000円や賞与・福利厚生は確認できますが、既存社員の平均給与、中央値、男女賃金差、ベースアップ率が公開されていません。
全正社員の賃金中央値、営業・SCM・管理部門など職種別中央値、男女賃金比率を公開し、既存社員の基本給を物価上昇率以上で複数年改善できれば6→8点、+2点を検討できます。
改善後は総合77点・Bです。
参考企業はKDDI株式会社(82点・A)です。当サイトの現行審査では、平均年収、基本給改善、人的資本KPIなど賃金・雇用の結果を比較できる形で開示している点を評価しています。
会社単体の労災・交通事故を公開し、低水準を継続する|労働安全・健康 6→8/10
現在の「労働安全・健康」は6/10点です。健康経営の公開指標では労災件数が2025年度0件まで減っていますが、複数社を含むページであるため対象会社単体とは断定できません。
北陸コカ・コーラボトリング単体について、死亡0、休業災害、度数率、強度率、営業車両の交通事故、転倒・荷役事故を毎年公開してください。死亡0を継続し、度数率1.0以下など低水準を複数年確認できれば6→8点、+2点を検討できます。
前項と合わせると総合79点・Bです。
参考企業はTOPPAN株式会社(73点・B)です。当サイトの現行審査では、2025年の死亡0、休業災害度数率0.043、強度率0.000を単体で公表しているため「労働安全・健康」8/10点としています。
DXの削減時間を社員へどう返したか公開する|改善成果の人間への還元 2→3/5
現在の「改善成果の人間への還元」は2/5点です。需要予測やカード型自販機見本によって、在庫・交換・移動の無駄を減らす仕組みはありますが、社員の自由時間や賃金へ返った量を確認できません。
主要なSCM・自販機改善について、導入前後の作業時間、緊急配送、残業、走行距離、必要人数、配置転換を公開し、少なくとも複数部門で残業減少や他業務への時間再配分を示せれば2→3点、+1点を検討できます。
これにより75+2+2+1=80点となり、シビックランクAへ到達します。
参考企業はTOPPAN株式会社(73点・B)です。熊本工場では環境データの巡回点検を7割強削減し、浮いた時間を従来外注していた業務へ振り向けたことまで公表しています。技術導入だけでなく、削減した時間の行き先まで示す点が参考になります。
次のランクへ上がるための具体例
・既存社員の職種別賃金中央値、男女賃金差、ベースアップ率を公開し、実質基本給を複数年改善。「賃金・利益の還元」6→8点、+2点。
・会社単体の死亡・休業労災、度数率、強度率、交通事故率を公開し、死亡0と低い事故率を複数年継続。「労働安全・健康」6→8点、+2点。
・SCM・自販機改善の年間削減人時、残業、配置転換を公開し、人の自由時間へ還元したことを示す。「改善成果の人間への還元」2→3点、+1点。
75点+2点+2点+1点=80点となり、シビックランクAへ上がります。
北陸コカ・コーラボトリングがAへ進むための中心課題は、災害支援の強さをさらに増やすことより、平時に働く社員へ賃金・安全・時間として成果を返し、その結果を会社単体の数字で確認できるようにすることです。
出典一覧
1.北陸コカ・コーラボトリング株式会社「会社概要」
2.北陸コカ・コーラグループ採用サイト「事業モデル」
3.北陸コカ・コーラグループ採用サイト「新卒採用」
4.北陸コカ・コーラグループ採用サイト「ワークライフインテグレーション」「福利厚生」
5.北陸コカ・コーラボトリング株式会社「健康経営」
6.北陸コカ・コーラグループ採用サイト「サプライチェーンマネジメント」「需要計画課」
7.北陸コカ・コーラボトリング株式会社「自動販売機」
8.北陸コカ・コーラボトリング株式会社「品質管理」
9.北陸コカ・コーラボトリング株式会社「令和6年能登半島地震の影響について」2024年1月5日
10.北陸コカ・コーラボトリング株式会社「カード形式の自動販売機用製品見本を採用開始」2024年10月11日
11.北陸コカ・コーラボトリング株式会社「長野県下條村と災害協定を締結しました」2025年11月28日
12.北陸コカ・コーラボトリング株式会社「富山県と包括連携協定」2024年12月10日
13.北陸コカ・コーラボトリング株式会社「価格改定に関するお知らせ」2026年7月10日
14.北陸コカ・コーラボトリング株式会社「SOGIの多様性を尊重するための基本理念・基本方針」
15.北陸コカ・コーラボトリング株式会社「PRIDE指標2025 ゴールドを4年連続受賞」
16.北陸コカ・コーラボトリング株式会社「令和8年度北陸コカ・コーラグループ入社式」2026年4月1日
17.北陸コカ・コーラボトリング株式会社「消費者志向自主宣言/お客様対応プロセス」
18.転職会議「北陸コカ・コーラボトリング株式会社の社員口コミ」[情報ランクB]
19.北陸コカ・コーラボトリング株式会社「石川食べて応援プロジェクト」2025年4月22日
20.北陸コカ・コーラボトリング株式会社ほか「ウェルネスプログラム全国展開」2024年4月8日
21.Google Drive「KDDI株式会社を企業審査|シビックランクA・82点/100点」現行版[参考企業]
22.Google Drive「TOPPAN株式会社を企業審査|73点/100点・シビックランクB」現行版[参考企業]
シビックランクの基準
| ランク | 総合点 |
|---|---|
| S | 90~100点 |
| A | 80~89点 |
| B | 70~79点 |
| C | 60~69点 |
| D | 50~59点 |
| E | 40~49点 |
| F | 20~39点 |
| G | 0~19点 |
北陸コカ・コーラボトリング株式会社は75点のため、今回のシビックランクはBです。
情報ランクの基準
| 情報ランク | 基準 |
|---|---|
| S | 公的機関、裁判所、規制当局、独立した第三者機関の調査・監査・検証・認証など、内容そのものに独立した裏づけがある情報 |
| A | 企業公式資料、採用情報、公式声明・SNS、氏名・役職・立場が確認できる記名取材や公表発言など、発信主体が明確な一次情報 |
| B | 従業員・元従業員の口コミ、一般SNS、匿名掲示板など、発信者の身元や対象企業との関係を独立に確認しにくい情報 |
