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大塚ホールディングス株式会社の企業審査|総合63点・シビックランクC|月平均残業3時間とBCP・CSIRTを評価、単体労災KPIと男女賃金差が課題

薬や経口補水液、健康食品、飲料を買うとき、消費者が目にするのは大塚製薬や大塚食品などの商品名です。しかし、その裏側で「どの研究へいくら投資するか」「どの子会社を買収するか」「災害時にどの会社と倉庫を連携させるか」「グループ共通の情報セキュリティや内部通報をどう設計するか」を決める会社があります。

大塚ホールディングス株式会社は、2025年12月末時点で単体224人の持株会社です。連結では37,758人、連結子会社181社、持分法適用関連会社26社を抱えます。大塚製薬、大塚製薬工場、大鵬薬品工業、大塚食品、大塚倉庫、大塚化学、大塚メディカルデバイスなどが実際の研究、製造、販売、物流を担い、大塚ホールディングス本体は経営企画、財務、人材、内部統制、内部監査、グループIT、サステナビリティ、事業開発などを通じて、その巨大なグループを統括します。

2025年度の取締役会では、業績・予算に関する審議13回、M&A・提携10回、リスクマネジメント6回、財務戦略11回、IT1回などを実施しました。子会社単体の業績や課題、中期経営計画の進捗、買収案件、内部通報の年間報告、海外危機管理、グループAIポリシーまで取締役会で扱っています。

働く人の条件を見ると、持株会社本体の2025年平均年間給与は1,000万4,876円です。2024年の月平均所定外労働時間は3時間、有給休暇取得率は73.6%でした。2025年度の男性育児休業取得率は100%、女性管理職比率は23.6%です。

一方、正規雇用の男女賃金差は、男性を100とした場合に女性82.5%、全労働者では67.8%です。これは同じ仕事をする女性の給与を男性の82.5%に設定しているという意味ではなく、役職、職種、勤続年数、雇用形態などの構成差が含まれます。ただし、結果として差が存在する以上、昇進・配置・採用の構成まで継続して確認する必要があります。

Protectionでは、大塚ホールディングス本体と主要事業会社が共同でBCMを進め、医薬品・飲料・食品の生産と安定供給についてISO22301認証を取得し、毎年合同シミュレーション演習を行っています。2025年にはサプライヤー状況確認の共通プラットフォームを実際のインシデント時に使い、回答率100%を達成しました。サイバー面でも大塚ホールディングス本体とグループ各社にCSIRTを置き、グループ横断アセスメントと是正・改善を行っています。

ただし、会社単体の死亡・休業労災件数や労災度数率は確認できません。公開されている2024年度の労災度数率1.37は大塚ホールディングスを含むグローバル30社の集計であり、224人の持株会社本体の数字ではありません。また、BCPやCSIRTの仕組みは具体的でも、持株会社本体のシステム停止からの平均復旧時間や、重大サイバーインシデント件数は公表されていません。

大塚ホールディングスを評価する場合、ポカリスエットや医薬品の売上、工場の事故、商品のリコールをそのまま持株会社本体の実績に移してはいけません。逆に、「持株会社だから何もしていない」と扱うのも不正確です。数兆円規模の資金配分と、37,000人を超えるグループへ共通のリスク・IT・人権・品質ルールを設計する仕事そのものを審査します。

評価時点:2026年9月25日

適用基準:100点制・第1版

目次

結論:総合63点・シビックランクC

大塚ホールディングス株式会社の企業審査結果は63点/100点、総合シビックランクCです。

内訳はSafety 32点/50点、Innovation 11点/25点、Protection 20点/25点です。

評価軸得点主な評価
Safety32/50平均年収約1,000万円、残業月3時間、有休73.6%、男性育休100%、健康データの単体開示を評価。男女賃金差と単体労災KPI不足が課題
Innovation11/25サプライチェーン共通基盤、資本配分、M&A・研究開発投資、AI方針を評価。効率化が本体社員の時間・賃金へどう返ったかは不明
Protection20/25ISO22301、毎年の合同演習、物流分散、3日間稼働可能な非常電源、CSIRT、実インシデント時のサプライヤー回答率100%、災害支援を評価
総合63/100シビックランクC

この会社の強みは、持株会社として「ルールを作るだけ」に留まらず、BCPやサイバー、資本配分、サプライチェーン確認をグループ共通の仕組みに落としていることです。

特にProtectionは具体性があります。主要事業会社との合同シミュレーションを毎年実施し、医薬品・飲料・食品の安定供給でISO22301認証を持ち、災害時の供給網も大塚倉庫と連携して分散しています。2025年には実際のインシデントでサプライヤー確認プラットフォームを利用し、回答率100%を記録しました。

働く人の実績も比較的見えます。持株会社単体の残業は月3時間、有休取得率73.6%、高ストレス者率6.1%、疾病による休職者率0.55%まで公開しています。

一方、給与が高いだけで満点にはしません。平均年間給与は賞与や時間外賃金を含む平均で、224人の管理部門社員の数字です。グループ37,758人の平均ではありません。また、2026年の全社員ベースアップ額や職位別の給与分布は確認できません。

男女賃金差は正規雇用82.5%で、女性管理職比率23.6%まで上がっている一方、結果として残る差の要因をさらに説明する余地があります。

労働安全については、持株会社本体が工場を運営する会社ではなく、中心業務はオフィス型の経営管理です。そのため、残業、ストレス、疾病休職、健康診断、衛生委員会などの健康結果を評価します。しかし、本体単体の死亡・休業労災件数までは確認できないため満点にはしません。

Innovationでは、第4次中期経営計画で約3.2兆円のキャッシュ配分を計画し、そのうち約1.5兆円を研究開発へ振り向ける方針を掲げています。研究そのものは大塚製薬や大鵬薬品などが行いますが、どこへ資金を出すか、どの企業・技術を買うかを審議するのは持株会社の重要な仕事です。

ただし「1.5兆円投資するから人間に貢献している」とは評価しません。新薬や健康製品の研究が患者や生活者へどんな結果をもたらしたかは事業会社側で別に評価します。持株会社本体についても、ITやサプライチェーンの効率化で社員の作業時間が何時間減り、その成果が給与や休日へどう返ったかは確認できません。

以上から、強いProtection、短い残業時間、健康・育児実績、具体的なグループ統治を評価しつつ、単体労災KPI、男女賃金差、Innovationの人間への還元結果を課題として、63点・シビックランクCとします。

基本情報

項目内容情報ランク
会社名大塚ホールディングス株式会社S・A
英文名Otsuka Holdings Co., Ltd.A
設立2008年7月8日A
本店東京都千代田区神田司町二丁目9番地A
代表取締役社長兼CEO井上 眞A
資本金816億9,000万円A
従業員数単体224人、臨時従業員年間平均33人S
連結従業員数37,758人、臨時従業員年間平均5,275人S
連結子会社181社A
持分法適用関連会社26社A
事業内容持株会社A
上場東京証券取引所プライム市場、証券コード4578A
単体平均年齢46.9歳S
単体平均勤続年数3.3年S
単体平均年間給与10,004,876円S

有価証券報告書では、提出会社の224人は全員が「全社(共通)」、つまり管理部門に属するとされています。

これは非常に重要です。

大塚ホールディングスの口コミページや求人検索では、ときどき「製造」「営業」「工場」といった職種が同社名に紐付けられて表示されます。しかし、本体の公式な従業員区分は管理部門です。工場で医薬品や食品を作る社員は、大塚製薬、大塚食品、大塚製薬工場など別法人の社員である場合があります。

したがって、口コミや求人を使う場合も「大塚ホールディングス本体の社員か」「子会社が検索サービス上で同じブランド名にまとめられていないか」を確認します。

持株会社は具体的に何をしているのか

「持株会社としてグループを統括する」という説明だけでは、224人が何の仕事をしているか分かりません。

大塚ホールディングスの現在の役員・執行体制には、CFO、人材企画、経営企画、経営情報分析、事業開発、IR、広報、サステナビリティ、内部統制、内部監査、グループIT、環境戦略などの担当があります。

子会社の予算と業績を確認する

2025年度の取締役会では、業績・予算に関する報告・審議を13回行いました。

そこで見るのは連結売上だけではありません。

  • 各事業会社単体の業績
  • 各事業セグメントの現況と課題
  • 中期経営計画の進捗
  • 予算と実績の差
  • 今後どこへ資金を振り向けるか

などを確認します。

例えば大塚食品の飲料事業が不振なら、単に「子会社だから任せる」だけではなく、持株会社側がグループ全体の資本配分や計画達成への影響を確認します。

M&A・提携を審議する

2025年度の取締役会ではM&A・提携を10回審議しました。

具体例として、大塚製薬による眼科遺伝子治療薬4D-150のライセンス契約や、大鵬薬品によるAraris社買収が取締役会の審議事項として公表されています。

持株会社が見るべきなのは「買収した会社の技術が魅力的か」だけではありません。

  • 買収価格は妥当か
  • 既存事業との相乗効果があるか
  • 将来の研究開発費を負担できるか
  • 期待した成果が出なかった場合の減損リスクはどの程度か
  • 買収後にガバナンスをどう効かせるか

を判断します。

2024~2028年度の第4次中期経営計画では、約3.2兆円のキャッシュ配分を計画し、研究開発へ約1.5兆円、設備投資へ約5,000億円を振り向ける方針です。

この資金配分は、将来の治療薬、栄養製品、生産設備へ間接的に影響します。

内部統制と内部通報を監督する

2025年度の取締役会では、内部統制報告書、グローバル研修、利益相反確認、内部通報の年間報告、海外危機管理などを審議しています。

グループ各社は関係会社管理規程に基づき、重要事項を必要に応じて大塚ホールディングスへ報告し、重要な案件では承認を得る仕組みです。

持株会社の内部統制部・内部監査部は、子会社が独自に動く巨大グループで、重大な問題を経営層へ上げる経路を作る役割を担います。

グループITとサイバー防衛を統括する

大塚ホールディングスにはグループIT部門があり、現在の求人ではグループ共通ITインフラの企画・運用、予算管理、クラウド基盤などを扱うことが確認できます。

2025年度には取締役会でグループAIポリシーも審議・発行しています。

情報セキュリティでは、大塚ホールディングス本体とグループ各社にCSIRTを設置し、共通ポリシー、教育、サイバーセキュリティフレームワークに基づくグループ横断アセスメント、是正・改善を進めています。

主な対象事業会社

持株会社には「顧客」という言葉が必ずしも合いません。

ここでは、大塚ホールディングスが資本・経営・リスク管理を通じて統括する主要事業会社を具体例として示します。

事業会社主な役割大塚HDとの関係
大塚製薬株式会社医薬品、診断、医療機器、栄養製品等の研究開発・製造・販売主要事業会社。研究開発・成長投資・リスク・IT等をグループ経営で統括
株式会社大塚製薬工場輸液、臨床栄養製品、医薬品、医療機器等医療供給・BCPの主要対象
大鵬薬品工業株式会社がん領域を中心とする医薬品研究開発・製造販売M&A・研究開発投資の主要対象
大塚食品株式会社食品・飲料の製造、販売、輸入販売クリスタルガイザーを日本で扱う事業会社
大塚倉庫株式会社医薬品・食品等の物流グループのBCP・安定供給を支える物流会社
大塚化学株式会社化学品・複合材料等グループの化学・素材事業
大塚メディカルデバイス株式会社医療機器事業医療機器投資・ガバナンスの対象

クリスタルガイザーとの関係では、1994年からCG Roxane, LLCのシャスタ工場で製造するCrystal Geyser Alpine Spring Waterを、当時の大塚ベバレジ、現在の大塚食品が日本へ輸入・販売しています。

つまり、大塚ホールディングス本体はクリスタルガイザーを採水・ボトリングする会社でも、日本で直接販売する会社でもありません。

商品審査では、

CG Roxane, LLC=米国での採水・製造

大塚食品=日本での輸入・販売

大塚ホールディングス=日本側グループ全体の資本・人権・リスク・IT・供給責任の統括

と役割を分ける必要があります。

事業による人間への貢献

持株会社の人間への貢献は、商品そのものでは見えにくいものです。

大塚ホールディングスが薬を一錠作るわけでも、水を一本ボトリングするわけでもありません。

しかし、どの事業へ投資し、どの危険をグループ共通で管理し、どこまで供給を止めない仕組みを作るかによって、数万人の従業員と患者・生活者へ影響します。

研究開発へ約1.5兆円を配分する

2024~2028年度の第4次中期経営計画では、約3.2兆円のキャッシュを配分する計画です。

そのうち研究開発へ約1.5兆円、設備投資へ約5,000億円を計画しています。

研究開発は大塚製薬や大鵬薬品などが実施します。したがって「大塚ホールディングスが新薬を開発した」とは書きません。

持株会社の貢献は、複数の研究テーマの中から長期的に資金を出す領域を選び、資金が足りないため研究を止めるリスクを抑えることです。

一方、1.5兆円を使えば自動的に人間へ貢献するわけではありません。

研究が失敗することもあります。買収した技術が期待通りの成果を出さない場合もあります。

そのためInnovationでは、資金配分と継続的な研究投資を評価し、患者への治療成果は各事業会社・製品の審査へ分けます。

子会社同士をつなぎ、災害時に供給を止めにくくする

大塚グループでは、大塚ホールディングス、大塚製薬、大塚製薬工場、大鵬薬品、大塚倉庫、大塚化学などが共同でBCMを運用しています。

医薬品、飲料、食品の生産・安定供給についてISO22301認証を取得し、輸液、抗がん剤へ認証範囲を広げてきました。

さらに毎年、自然災害や感染症拡大を題材に合同シミュレーションを実施しています。

患者にとって重要なのは「BCP文書があること」ではなく、災害が起きても薬や栄養製品が届くことです。

大塚倉庫の西日本ロジスティクスセンターには非常用自家発電設備があり、停電しても約3日間は無補給で倉庫をフル稼働できるとしています。免震構造も採用しています。

ただし、この設備は大塚倉庫の設備であり、大塚ホールディングス本体の倉庫ではありません。

本記事では、持株会社がBCMを統括し、事業会社・物流会社を共通の仕組みで連携させる点を評価します。

2025年、サプライヤー確認を共通基盤へ移した

大塚ホールディングスと主要事業会社5社は2024年、サプライチェーン情報管理の共通プラットフォームを導入しました。

従来、災害などが起きた場合、各担当者がサプライヤーへ個別に連絡して状況を確認する必要がありました。

共通プラットフォームでは、高リスク品目やサプライヤー情報を一元管理し、インシデント発生時にはアンケートを一斉送信して状況を集約できます。

2025年には実際のインシデントでこの仕組みを使用し、アンケート回答率100%を達成しました。会社は従来の個別確認と比較して効率的な情報収集ができたと説明しています。

これはInnovationとして具体性があります。

従来:担当者が個別に連絡し回答を集める

導入後:共通基盤で対象サプライヤーへ一斉確認し状況を集約

測定結果:実インシデント時の回答率100%

未公開:確認完了まで何時間短縮したか、何人時削減したか、残業や人員配置へどう返ったか

ここまで分けて評価します。

2026年熊本地震で5,000万円と製品支援

2026年7月31日、大塚ホールディングスは熊本地震の被災地支援として、グループで日本赤十字社を通じ5,000万円を寄付すると発表しました。

さらに飲料や食品などの製品提供も行うとしています。

持株会社がグループとして寄付を決定し、事業会社の商品を被災地支援へつなぐ実対応です。

過去の東日本大震災でも、グループ各社が飲料、水、食品、経口補水液などを提供し、大塚ホールディングスがグループ社員の義援金を日本赤十字社へ届けています。

危機時の市民対応として評価します。

労働環境

持株会社本体で働く224人の条件と、グループ37,758人の条件を混同しないことが最も重要です。

平均年間給与は1,000万4,876円

2025年12月期の有価証券報告書では、大塚ホールディングス単体の平均年間給与は10,004,876円です。

対象は224人の管理部門社員で、平均年齢46.9歳、平均勤続年数3.3年です。

平均年間給与には賞与と基準外賃金が含まれます。

高い水準であることは評価できますが、次の点は分かりません。

  • 職位別の給与中央値
  • 新卒・若手の給与分布
  • 2026年の全社員ベースアップ額
  • 臨時従業員33人の平均給与
  • グループ子会社37,000人超の給与

平均給与だけで「利益を十分社員へ返している」と結論しないため、賃金・利益還元は6/10点とします。

月平均所定外労働は3時間

会社公式の健康データでは、月平均所定外労働時間は、

2022年 4時間

2023年 4時間

2024年 3時間

です。

一時的に短いだけではなく、3年連続で低い水準です。

有給休暇取得率は、

2022年 61.7%

2023年 74.0%

2024年 73.6%

でした。

2030年目標は80%です。

有休はまだ目標へ届いていませんが、会社単体で実残業と有休取得率を継続開示している点は強く評価できます。

労働時間・休息は8/10点とします。

健康状態まで会社単体で公開

2024年の会社単体データでは、

  • ストレスチェック受検率88.6%
  • 高ストレス者率6.1%
  • 疾病による休職者率0.55%
  • 睡眠で十分な休養が取れている人68.5%
  • 運動習慣者34.5%

などを公表しています。

月1回、大塚製薬、大塚メディカルデバイスと3社合同の衛生委員会を開催し、大塚ホールディングスの従業員代表も参加します。

持株会社本体は全員が管理部門で、工場の重量物・生産機械などの危険とは性質が異なります。

一方、会社単体の死亡・休業労災件数や労災度数率は確認できません。

グループの2024年度労災度数率1.37は大塚ホールディングスを含む30社、強度率0.00は21社の集計です。これを本体224人の事故率として使いません。

健康に関する結果開示は評価しつつ、事故KPI不足を残し、労働安全・健康は4/10点とします。

男性育休100%、女性管理職23.6%

2025年度の有価証券報告書では、男性育児休業取得率100%です。

女性管理職比率は23.6%です。

男性育休が制度だけでなく取得実績として確認できる点は高く評価できます。

会社公式ページでは、社員と家族が利用できる保養所8カ所、スポーツクラブ法人契約、健康相談・ストレスチェックなども確認できます。

福利厚生・育児介護は4/5点とします。

正規雇用の男女賃金差は82.5%

2025年度の男女賃金差は、

  • 全労働者 67.8%
  • 正規雇用 82.5%
  • 非正規雇用 56.7%

です。

この数値は、女性が同一労働で男性より17.5%低い賃金に設定されていることを意味しません。

有価証券報告書の男女賃金差は、職位、職種、年齢、勤続、労働時間などの構成差を含む全体結果です。

それでも、正規雇用で約17.5ポイントの差があることは結果として残ります。

女性管理職比率23.6%まで登用が進む中で、

  • 管理職より上位の役職構成
  • 高賃金職種への男女配置
  • 勤続年数
  • 中途採用時の職位

など、どこで差が生じているかを説明できれば、待遇公平性をより正確に評価できます。

雇用安定・待遇公平性は3/5点とします。

労働組合はないが、内部通報制度はある

有価証券報告書では、大塚ホールディングス本体には労働組合がないと明記されています。

労組がないことだけを低評価にはしません。

重要なのは、社員が問題を上げられる別の仕組みがあるかです。

大塚グループでは、

  • 社内通報窓口
  • 弁護士事務所など社外窓口
  • 匿名通報
  • 通報者への報復禁止
  • 契約・派遣・パート・アルバイトからの通報
  • ビジネスパートナー向けスピークアップライン

を設けています。

グループ各社の内部通報運用状況は大塚ホールディングス取締役会へ定期的に報告され、2025年度には通報件数と概要を含む年間報告が取締役会の審議事項になりました。

一方、公表資料では大塚ホールディングス本体だけのハラスメント相談件数、認定件数、是正件数を確認できません。

人権・ハラスメント・労使関係は4/5点です。

従業員・元従業員の口コミ

口コミは会社公式情報で見えない働き方を確認する補助資料です。

ただし大塚ホールディングスでは特に注意が必要です。

本体は224人の管理部門会社なのに、一部口コミサイトでは「製造」「営業」「研究」など、子会社の仕事とみられる投稿が大塚ホールディングス名にまとめられています。

そのため投稿先名だけで本体社員と断定しません。

転職会議

情報ランクC。

転職会議では13件の口コミが掲載され、投稿者集計では月平均残業32.3時間、有休消化率87.5%です。

しかし会社公式の2024年実績は残業3時間、有休73.6%です。

差が非常に大きいため、口コミ集計を現在の本体勤怠へ置き換えません。

投稿時期、部署、回答者数、子会社との混同などの可能性があります。

Indeed

情報ランクC。

Indeedでは対象会社の明確な本文を1件確認できました。

2025年5月13日、徳島のIT企画として掲載された投稿では、良い点として「毎月オンラインでトップの話を聞ける」「傘下グループ会社の最新情報を知れる」という趣旨を挙げています。

一方、ストレスとして、コロナ禍以降の対面コミュニケーションの少なさと孤独感を挙げ、持株会社の統括機能に対しても厳しい個人的評価をしています。

1人の主観であり、全社文化へ一般化しません。

OpenWork

情報ランクC。

公開検索で大塚ホールディングス57件の社員クチコミ集計を確認しました。

公開集計では総合3.21、残業23.4時間、有休消化率62.9%です。

個別本文は今回の公開検索範囲で十分確認できなかったため、集計値だけを補助情報として扱います。

公式の単体残業3時間との差が大きいため、採点には会社公式の継続データを優先します。

エンゲージ会社の評判

会社名を指定して検索しましたが、今回の公開検索では大塚ホールディングス株式会社本人と確定できる有用な口コミページ・本文を取得できませんでした。

似た社名の別会社が検索結果に混在したため、誤引用を避けます。

Yahoo!しごとカタログ

必須4サイトとは別に補助確認しました。

84件、平均残業12.1時間、有休47.1%という集計があります。

一方、公開される個別口コミには「製造」「営業」「研究職」などが多数含まれており、持株会社本体の管理部門224人という公式区分と整合しにくい投稿があります。

グループ会社情報が混在している可能性を排除できないため、本体採点には使いません。

SNS・匿名掲示板の確認結果

口コミサイトとは別工程で、X、旧Twitter、Facebook、YouTube、TikTok、5ちゃんねる、爆サイを会社名と「残業」「パワハラ」「事故」「給料」「退職」などの語を組み合わせて検索しました。

媒体状態確認結果
X検索実施・有用情報なし株価や別の「大塚」への言及が多く、本体社員の勤務関係と具体的事実を確認できる投稿を確保できず
旧Twitter検索実施・有用情報なし同上
Facebook検索実施・有用情報なし本体社員の労務事実を裏づけられる一般投稿を確保できず
YouTube検索実施・有用情報なし本体社員の具体的な勤務実態を検証できる動画を確保できず
TikTok閲覧制限検索を試みたがrobots制限があり本文確認できず
5ちゃんねる本文確認済み・有用情報なし大塚HDの株価等への言及は確認したが、対象法人の労働実態を裏づける内容なし
爆サイ検索実施・有用情報なし対象法人との勤務関係が確認できる具体的投稿を確保できず

これは各サービスの全投稿を網羅したという意味ではありません。

検索エンジンに公開・索引された範囲で、評価に使える投稿を確認できなかったという結果です。

「悪評が見つからなかったから安全」とも評価しません。

Safety

持株会社のSafetyでは、工場災害だけを見るのではなく、224人の本体社員の健康・待遇と、グループ全体に対して品質・安全のルールをどう設計しているかを分けて見ます。

本体社員の健康結果は比較的詳しい

会社単体では、残業3時間、有休73.6%、高ストレス者6.1%、疾病休職0.55%などを公開しています。

工場を持つ事業会社のような機械災害リスクは中心ではありませんが、長時間労働、メンタルヘルス、座り仕事、健康診断などは持株会社社員にも直接関係します。

月1回の合同衛生委員会に従業員代表が参加し、会社公式ページで複数年の結果まで開示している点を評価します。

一方、単体の休業労災件数や度数率がないため、4/10点に留めます。

グループの労災率を本体へ移さない

2024年度の大塚グループ労災度数率は1.37、強度率0.00です。

ただし、度数率はグローバル30社、強度率は21社の集計です。

大塚製薬、大塚食品、大塚倉庫など、生産・物流の危険を持つ会社が含まれます。

この1.37を「大塚ホールディングス本体の事故率」として使うことも、逆に本体がオフィス中心だから「事故ゼロ」と推測することもしません。

商品・サービスSafetyはグループ統治として評価

大塚ホールディングス本体は医薬品や飲料を製造しません。

そのため、本体の商品リコール件数を探しても事業単位として適切ではありません。

本体の役割は、品質ポリシー、リスク管理、内部統制を通じ、事業会社が品質・安全を管理する共通枠組みを整えることです。

大塚グループでは、原材料受入れから出荷まで工程ごとの品質試験、試験データの一元管理、ロット単位のトレーサビリティ、サプライヤー監査を進めています。

ただし、具体的な製品事故や回収は各製造・販売法人の責任範囲です。

大塚食品の回収をそのまま大塚ホールディングスの事故件数へ加えるようなことはしません。

持株会社の品質統治は評価し、商品・サービスSafetyは3/5点です。

Innovation

大塚ホールディングスのInnovationは工場のロボットではなく、資金配分、共通IT、サプライチェーン管理、M&Aなどの経営システムに現れます。

サプライヤー確認を個別連絡から共通基盤へ

最も具体的な改善は2024年導入のサプライチェーン情報管理プラットフォームです。

従来、人が電話やメールでサプライヤーへ個別に連絡して状況を集めていた工程を、共通基盤で対象企業へ確認し、回答を一元管理する方式へ変えました。

2025年の実インシデントでは回答率100%でした。

会社は従来の個別確認より効率的になったとしています。

ただし、確認完了が何時間早くなったか、担当者の残業が何時間減ったかは公表されていません。

作業負担・危険削減は4/10点とします。

M&Aと研究投資は将来の製品改善を支える

持株会社は研究所で実験するわけではありません。

しかし2025年度にM&A・提携を10回審議し、4D-150のライセンスやAraris買収など、将来の研究基盤に関わる大型案件を確認しています。

第4次中計では研究開発へ約1.5兆円を配分する計画です。

これは継続的Innovationの基盤として評価できます。

一方、研究結果は各事業会社で評価すべきため、大塚HDだけで「新薬を生み出した」と加点しません。

商品・サービス改善3/5点、研究開発・現場改善継続4/5点とします。

効率化が本体社員へどう返ったかは不明

本体の残業が月3時間と短いことはSafetyで評価しています。

しかし、サプライチェーン基盤や共通ITによって残業が3時間まで減ったという因果関係は確認できません。

IT集約で浮いた時間を人員削減ではなく別業務へ移したのか、賃金へ返したのかも不明です。

そのため改善成果の人間への還元は0/5点です。

Protection

Protectionはこの会社の最も強い領域です。

大塚グループは医薬品、輸液、飲料、食品を扱うため、災害時に供給が止まれば患者や生活者へ直接影響します。

ISO22301と毎年の合同シミュレーション

大塚ホールディングスと主要事業会社は共同でBCMを進めています。

医薬品、飲料、食品の生産と安定供給について2012年からISO22301認証を取得し、2015年に輸液、2016年に抗がん剤へ対象を拡大しました。

さらに毎年、自然災害や感染症拡大を題材に合同シミュレーションを行っています。

書類だけでなく継続的な訓練まであるため、災害への備え・訓練は5/5点です。

在庫・物流拠点を分散する

グループでは物流拠点や製品在庫を分散し、新たな在庫拠点も確保しています。

医薬品輸送では災害時の規制区域へ乗り入れられる規制除外車両登録、荷主・倉庫間の救援物資輸送協力覚書なども整備しています。

西日本ロジスティクスセンターでは、非常用発電により停電時でも約3日間、無補給で倉庫をフル稼働できるとしています。

これらは大塚倉庫などグループ事業会社の設備であり、持株会社自身の物流資産ではありません。

しかし大塚ホールディングスがBCMの統括主体として主要会社を連携させる点を評価し、生産・物流・調達代替は4/5点とします。

CSIRTを本体にも設置

大塚グループはグローバル情報セキュリティポリシーを制定し、役員・従業員へ教育を行っています。

さらに、

  • サイバーセキュリティフレームワークに基づくグループ横断アセスメント
  • 評価結果に基づく是正・改善
  • 大塚ホールディングス本体とグループ各社へのCSIRT設置
  • セキュリティインフラとプロセスの強化
  • パスワードを含む最低限の共通対策

を確認できます。

制度だけでなく本体にCSIRTがあるため、サイバー防衛・情報保護は4/5点です。

満点にしないのは、本体の重大インシデント件数、平均検知時間、封じ込め時間、バックアップ復旧時間などの結果が公開されていないためです。

2025年の実インシデントで回答率100%

供給継続では、サプライチェーン共通基盤を実際のインシデント時に使った点が具体的です。

回答率100%で、従来の個別確認より効率的な状況把握ができたとしています。

一方、何時間で全サプライヤーを確認できたか、製造停止を何件回避できたか、実際の工場停止から何時間で復旧したかは不明です。

供給継続・復旧能力は3/5点とします。

2026年熊本地震へ5,000万円を寄付

2026年7月、熊本地震を受けて大塚ホールディングスはグループとして日本赤十字社へ5,000万円を寄付し、飲料・食品等の製品支援も実施すると発表しました。

災害時に持株会社がグループ資金と事業会社の商品を支援へつなぐ具体例です。

危機時の市民対応は4/5点です。

重大事故・行政処分・不祥事の確認

通常調査とは別に、大塚ホールディングス株式会社本体について、死亡事故、労災、書類送検、行政処分、火災、爆発、製品回収、情報漏えい、サイバー攻撃、人員削減などを検索しました。

2025~2026年の公開検索範囲では、評価を大きく変更する大塚ホールディングス本体の重大死亡労災、刑事処分、大規模製品回収を公的資料から特定できませんでした。

ただし、本体は製造会社ではありません。

子会社の工場事故や製品回収が存在した場合でも、法人を確認せず本体の事件として計上しません。

2026年9月15日には、同社またはグループ会社の社長を装う不審メールが複数報告されているとして注意喚起を公表しました。

メールには原材料調達、工場設立、契約締結等の事業提案が書かれ、金銭・個人情報・機密情報の提供を求める可能性があります。

現時点の会社発表は「役員を装った外部の不審メール」であり、社内システムへの侵入や情報漏えいが発生したとは説明していません。

そのためサイバー侵害事件としては扱わず、なりすまし・ソーシャルエンジニアリングへの警戒事例として扱います。

主なニュース・最近の動き

2026年9月15日:役員を装う不審メールを注意喚起

大塚ホールディングスは、2026年8月以降、自社やグループ会社の社長を装う不審メールが複数報告されていると公表しました。

原材料調達、工場設立、契約締結などを装うケースがあり、返信、送金、個人情報・機密情報の提供をしないよう注意を呼びかけています。

サイバー攻撃による内部漏えいを示す発表ではありませんが、グループ名を利用した社会工学的詐欺への対応として重要です。

2026年7月31日:熊本地震へ5,000万円と製品支援

熊本地震の被災地支援として、日本赤十字社を通じ5,000万円を寄付し、飲料・食品等の製品提供も行うと発表しました。

持株会社がグループの資金と商品供給を束ねる、危機時の市民対応です。

2026年3月25日:全国の全小学校へ「水」の健康教育まんがを寄贈

大塚ホールディングスは「OTSUKAまんがヘルシー文庫Ⅱ 水ってすごい!~人と地球の健康 水のパワー~」を発刊し、全国の全小学校へ寄贈しました。

これは医薬品・飲料を売ることとは別に、子どもが水と健康を学ぶ情報提供活動です。

教育活動の効果測定までは確認できないため、総合得点を大きく動かす材料にはしません。

2025年:サプライチェーン共通基盤を実インシデントで使用

2024年に導入した共通プラットフォームを2025年の実インシデントで利用し、サプライヤー状況確認アンケートの回答率100%を達成しました。

ProtectionとInnovationで最も具体的な最近の運用成果の一つです。

2025年度:M&A10回、リスク6回、財務11回を取締役会で審議

取締役会では、子会社モニタリングだけでなく、4D-150のライセンス、大鵬薬品によるAraris買収、内部通報年間報告、海外危機管理、資金調達・配当、グループAIポリシーなどを扱いました。

持株会社が実際に何を決めているかを可視化する重要な開示です。

100点制・第1版による採点

Safety:32点/50点

採点項目得点評価理由対象範囲・情報ランク
賃金・利益の還元6/10単体平均年間給与1,000万4,876円を公表。高水準だが職位別分布、2026年ベア、臨時従業員の水準は不明単体S
労働時間・休息8/10単体の月平均所定外3時間、有休取得率73.6%を継続開示。2030年有休目標80%には未達単体A
雇用安定・待遇公平性3/5管理部門224人、女性管理職23.6%。正規男女賃金差82.5%、非正規56.7%で構成差の説明余地あり単体S
福利厚生・育児介護4/5男性育休100%、保養所、スポーツクラブ、健康支援を確認。制度利用の詳細は一部不明単体S・A
人権・ハラスメント・労使関係4/5匿名・外部通報、報復禁止、取締役会への年間報告あり。労組なし。本体相談・是正件数は非公表単体・グループA、S
労働安全・健康4/10単体の残業、ストレス、疾病休職等を公開し毎月衛生委員会を開催。一方、本体単体の死亡・休業労災件数・度数率は不明単体A、重要事故結果一部非公表
商品・サービスSafety3/5本体は製造しないが品質ポリシー、内部統制、グループ品質統治を構築。製品事故は各事業会社で別評価グループA

Safetyは32点です。

最大の長所は、持株会社単体の労働時間・有休・健康指標・育休まで具体的に出していることです。

最大の不足は、男女賃金差の背景説明と本体単体の労災結果です。

Innovation:11点/25点

採点項目得点評価理由対象範囲・情報ランク
作業負担・危険の削減4/10サプライヤー個別確認を共通基盤へ移し、実インシデントで回答率100%。削減時間・人時は不明HD+主要5社A
商品・サービス改善3/5資本配分、M&A、共通IT・AI方針で事業会社の改善を支援。本体自身は商品を製造しないため成果は限定評価単体・グループA
改善成果の人間への還元0/5IT・管理効率化が本体社員の賃金、労働時間、配置へ何件・何時間戻ったか因果関係を確認できず重要結果非公表
研究開発・現場改善の継続4/52024~2028年に研究開発約1.5兆円を計画。M&A・提携審議を継続。研究成果そのものは子会社で別評価単体A

Innovationは11点です。

大塚HDは研究者の会社ではなく、研究を続けるための資金と事業ポートフォリオを決める会社です。

その役割は評価しますが、子会社の発明を親会社の実績として二重加点しません。

Protection:20点/25点

採点項目得点評価理由対象範囲・情報ランク
災害への備え・訓練5/5ISO22301、毎年の合同シミュレーション、HDと主要会社のBCM連携を確認HD+主要会社A・S
生産・物流・調達の代替4/5在庫・物流分散、規制除外車両、救援物資輸送覚書、非常電源約3日。個別製品の代替容量は不明グループA
サイバー防衛・情報保護4/5グローバルポリシー、横断アセスメント、是正、HDと各社のCSIRTを確認。検知・復旧KPIは不明HD・グループA
供給継続・復旧能力3/52025年実インシデントでサプライヤー確認回答率100%。工場・ITの具体的RTO・実復旧時間は不明HD+主要会社A
危機時の市民対応4/52026年熊本地震で5,000万円寄付と製品支援を決定。過去災害でも物資支援実績ありHD・グループA

Protectionは20点です。

この会社で最も強い部分です。

特に「BCPがあります」で終わらず、国際規格、毎年の演習、実インシデントでの供給網確認、非常電源、現物支援まで複数段階の実績があります。

満点にしないのは、工場や基幹システムが実際に止まったときのRTO、代替生産能力、復旧時間を横断的に確認できないためです。

総合評価

大塚ホールディングス株式会社の総合評価は63点/100点、シビックランクCです。

この会社を評価するときに最も避けるべきなのは、大塚製薬や大塚食品の実績をすべて足して「大塚HDはすごい」とすることです。

大塚HD本体は224人の持株会社です。

工場でポカリスエットを製造するわけでも、Crystal Geyserを輸入販売するわけでも、新薬の実験を直接行うわけでもありません。

一方、その224人が扱う意思決定の範囲は巨大です。

2025年度だけでも取締役会では、子会社の業績・予算、M&A、内部統制、内部通報、海外危機管理、資金調達、配当、AI方針などを繰り返し審議しています。

第4次中期経営計画では約3.2兆円のキャッシュをどう使うかを設計し、研究開発だけで約1.5兆円を計画しています。

この資金配分を誤れば、将来の医薬品開発や設備投資が止まる可能性があります。適切に配分できれば、事業会社が長期間の研究や安定供給を続けやすくなります。

働く人の条件は強い部分です。

平均年収約1,000万円だけでなく、月平均所定外労働3時間、有休73.6%、男性育休100%を会社単体で確認できます。

平均年収が高い企業でも長時間労働が続く場合はありますが、大塚HD本体では少なくとも会社公表の勤怠実績は短いです。

さらに高ストレス者率6.1%、疾病休職率0.55%まで公開しています。

この情報公開はSafety上の長所です。

一方、正規雇用の男女賃金差は82.5%です。

女性管理職が23.6%に達しているから問題がないとも、賃金差だけを見て差別があるとも断定できません。

どの職位・職種・勤続構成が差を生んでいるのかを開示すれば、待遇公平性をさらに正確に評価できます。

労働安全では、本体単独の死亡・休業災害件数を確認できませんでした。

グループ度数率1.37を本体へ移さず、健康結果が詳しい分だけ評価し、事故結果不足を残しています。

Innovationでは、2025年にサプライチェーン共通基盤を実インシデントで使い、回答率100%を達成した事例が具体的です。

これまで担当者が個別に電話やメールで確認していた仕事を、一元的に集められる方向へ変えています。

しかし、何時間短縮したかは分かりません。

「デジタル化したから効率化した」で終わらず、時間・人員・残業の変化まで公開できれば評価は上がります。

Protectionは高く評価できます。

ISO22301、毎年の合同演習、在庫・物流拠点の分散、西日本ロジスティクスセンターの約3日間の非常電源、CSIRT、サイバーアセスメント、2025年の実インシデント対応、2026年熊本地震への5,000万円寄付と製品支援まで確認できます。

持株会社の仕事は、平常時には生活者から見えません。

しかし災害、サイバー攻撃、供給不足、子会社の重大事故が起きたとき、「会社同士をつなぐ仕組み」があるかどうかが表面化します。

大塚HDはその仕組みをかなり具体化しています。

クリスタルガイザーの商品審査との関係でも、大塚HDをCG Roxaneや大塚食品と同じ役割にはしません。

CG Roxaneは採水・製造、大塚食品は日本の輸入・販売、大塚ホールディングスは日本側グループの資本、人権、リスク、IT、供給責任を統括する会社です。

今後、大塚ホールディングスの評価をさらに上げるために確認したい情報は、

  • 本体単体の死亡・休業労災件数
  • 男女賃金差を生む職位・職種構成
  • 2026年のベースアップ・社員への利益還元
  • サプライチェーン共通基盤による確認時間・人時削減
  • IT・サイバー障害の検知時間・復旧時間
  • 主要製品の代替生産能力とRTO
  • 内部通報後の是正結果

です。

強いBCP・サイバー統治、短い残業、育休・健康データの開示を評価しつつ、単体労災と人間へのInnovation還元の不足を残し、現時点では総合63点、シビックランクCとします。

出典一覧

1.大塚ホールディングス株式会社「会社概要」
https://www.otsuka.com/jp/company/overview/

2.大塚ホールディングス株式会社「主要事業会社紹介」
https://www.otsuka.com/jp/company/corebusiness/index.html

3.大塚ホールディングス株式会社「ガバナンス体制」
https://www.otsuka.com/jp/sustainability/governance/governance_system.html

4.大塚ホールディングス株式会社「社員の健康」
https://www.otsuka.com/jp/company/employee-health/

5.大塚ホールディングス株式会社「労働安全衛生」
https://www.otsuka.com/jp/sustainability/society/people/occupational.html

6.大塚ホールディングス株式会社「人権の尊重」
https://www.otsuka.com/jp/sustainability/society/human_rights.html

7.大塚ホールディングス株式会社「コンプライアンス」
https://www.otsuka.com/jp/sustainability/governance/compliance2.html

8.大塚ホールディングス株式会社「リスクマネジメント」
https://www.otsuka.com/jp/sustainability/governance/risk_management.html

9.大塚ホールディングス株式会社「事業等のリスク」
https://www.otsuka.com/jp/ir/management/risk.html

10.大塚ホールディングス株式会社「物流」
https://www.otsuka.com/jp/sustainability/society/quality/logistics.html

11.大塚ホールディングス株式会社「調達」
https://www.otsuka.com/jp/sustainability/society/quality/procurement.html

12.大塚ホールディングス株式会社「品質/安全性管理」
https://www.otsuka.com/jp/sustainability/society/quality/safety_management.html

13.大塚ホールディングス株式会社「CFOメッセージ」
https://www.otsuka.com/jp/ir/management/message/cfo_message.html

14.大塚ホールディングス株式会社「令和8年熊本地震による被害への支援について」2026年7月31日
https://www.otsuka.com/jp/news/detail.php?id=44

15.大塚ホールディングス株式会社「当社および当社グループ会社の役員を装った不審なメールに関する注意喚起」2026年9月15日
https://www.otsuka.com/jp/news/detail.php?id=45

16.大塚ホールディングス株式会社「統合報告書2026」
https://www.otsuka.com/jp/ir/library/annual.html

17.EDINET提出書類 大塚ホールディングス株式会社 第18期有価証券報告書
https://info.gbiz.go.jp/hojin/edinetDownload?docId=S100XUA7

18.大塚食品株式会社「クリスタルガイザー」
https://www.otsukafoods.co.jp/product/crystalgeyser/

19.大塚ホールディングス株式会社「大塚グループのあゆみ」
https://www.otsuka.com/jp/company/history/detaile/

20.転職会議「大塚ホールディングス株式会社」
https://jobtalk.jp/companies/153740

21.Indeed「大塚ホールディングスのクチコミ」
https://jp.indeed.com/cmp/%E5%A4%A7%E5%A1%9A%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%82%B9/reviews

22.OpenWork「大塚ホールディングス 社員クチコミ」
https://www.openwork.jp/

23.Yahoo!しごとカタログ「大塚ホールディングス株式会社」
https://jobcatalog.yahoo.co.jp/company/1100003347/

24.大塚ホールディングス採用「IT企画部 ITインフラ」
https://vhr-otsuka.wd1.myworkdayjobs.com/ja-JP/Japan_External_Career_Site_OHD/job/XMLNAME–OHD-IT-IT-_R8803

情報ランクの基準

情報ランク基準
S公的機関の調査・統計・行政文書・法定開示などで直接確認できる情報、または独立した第三者による検証・監査・認証等の裏づけがある情報。確認された範囲に限る
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DXなど一般SNS上の投稿で、発信者の立場や内容の裏づけが十分でない情報
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