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株式会社DGフィナンシャルテクノロジーを企業審査|シビックランクB・79点|決済セキュリティと技術力は高評価、労働・人的資本情報の公開には課題

私たちは、企業の商品を購入したり、サービスを利用したりすることで、その企業の働き方や安全対策、事業のあり方を間接的に支えています。

ECサイトや店舗などでDGフィナンシャルテクノロジーの決済基盤が利用されれば、その取引を通じて同社の事業収益につながります。そこで得られた利益が、社員の賃金や休暇、決済システムの安全対策、不正利用防止、システム開発、人材育成などにどう使われるのかは、サービスを利用する側にとっても無関係ではありません。

株式会社DGフィナンシャルテクノロジー(DGFT)は、クレジットカードやQRコードなどの決済処理を支える企業です。2025年4月から2026年3月までの決済取扱高は9.1兆円、決済取扱件数は17.3億件に達しており、多数の消費者と事業者の日常的な支払いを裏側で支えています。

今回特に高く評価したのは、PCI DSSへの完全準拠、ISO/IEC 27001認証、24時間365日の監視、カード情報非保持化、不正検知、システム冗長化など、決済会社として重要な安全対策です。

一方、社員の平均残業時間、平均給与、労災件数、男女賃金差、女性管理職比率、育児休業取得率など、働く人を評価するための会社独自の実績データは十分に公開されていません。

求人情報では年間休日123日、フレックスタイム制、リモートワーク、育児支援などを確認できる一方、30時間分の固定残業手当を含む求人もあります。第三者口コミでは月33時間程度の残業という集計も確認できました。

以上から、株式会社DGフィナンシャルテクノロジーは79点、シビックランクBと評価します。

目次

株式会社DGフィナンシャルテクノロジーとは

まず、社会の中でどのような役割を持つ会社なのかを確認します。

株式会社DGフィナンシャルテクノロジーは1997年設立の決済事業者です。旧社名はベリトランス株式会社で、2021年に現在の社名へ変更しました。

2026年9月1日時点の従業員数は181人、資本金は10億6,845万円。親会社は東証プライム上場企業の株式会社デジタルガレージです。

主な事業は、

・決済情報処理サービス
・収納代行サービス
・送金サービス

です。

また、

・電子決済等代行業者
・資金移動業者
・クレジットカード番号等取扱契約締結事業者

として登録されています。

2026年3月期実績では、

・決済取扱高:9.1兆円
・決済取扱件数:17.3億件
・支払い拠点数:133万超
・対応決済手段:40種類以上
・監視体制:24時間365日

となっています。

181人規模の会社が非常に大きな決済量を扱っていることから、システムが停止したり情報漏えいが発生した場合には、社会への影響も大きくなります。

そのため、一般企業以上にProtectionとSafetyを厳しく評価する必要があります。

Safety|34点/50点

Safetyでは、社員、消費者、取引先などが企業活動によって傷つけられない仕組みが作られているかを確認します。

DGFTの場合、特に決済情報の安全性は高く評価できます。一方、従業員に関する情報公開は改善の余地があります。

賃金・人への還元|7点/10点

会社全体の平均給与は公開情報から確認できませんでした。

一方、2026年の中途採用求人では、法務・経営企画などで予定年収600万~850万円、経理では700万~1,000万円などの募集が確認できます。

給与水準そのものは比較的高い求人が多いと考えられます。

昇給は年1回、賞与も年1回とされています。

ただし、求人の給与だけで社員全体への還元状況を判断することはできません。

平均給与や中央値、賃上げ率などを継続的に公開すれば、利益が社員へどの程度還元されているのかをより正確に評価できます。

労働時間・休息|6点/10点

求人情報では、

・完全週休2日制
・土日祝日休み
・年間休日123日
・フレックスタイム制
・リモートワーク併用
・育児休暇
・介護休暇
・ボランティア休暇

などが確認できます。

一部求人では月の残業時間を20~30時間程度としています。

一方、転職会議の投稿者集計では、

残業時間33.3時間/月、有給消化率70%

となっています。

ただし、これは社員全員を対象とした会社公式統計ではありません。

また、複数の求人で給与に月30時間分の固定残業手当が含まれています。30時間を超えた分については追加の残業手当が支払われる条件です。

固定残業制そのものを問題とは評価しませんが、企業審査では実際に何時間働いているのかが重要です。

会社自身による平均残業時間の公開を求めたいところです。

福利厚生|5点/5点

確認できた福利厚生は比較的充実しています。

・社会保険
・確定拠出年金
・社員持株会
・慶弔見舞金
・育児短時間勤務制度
・ベビーシッター割引券
・婦人科検診
・インフルエンザ予防接種
・社内カウンセリング
・福利厚生サービス
・保養所

などが確認できます。

育児と健康の両方を支える制度が用意されている点は評価できます。

人権・労働安全・公平性|4点/10点

今回確認した公開情報では、DGFT単体について、

・労災件数
・死亡労災
・女性管理職比率
・男女賃金差
・育児休業取得率
・離職率
・ハラスメント相談件数
・内部通報件数

などの具体的な実績値を十分確認できませんでした。

これは「問題が発生している」という意味ではありません。

重要な情報が公開されていないため、外部から評価できないという意味です。

親会社であるデジタルガレージの制度や方針があっても、それだけでDGFT単体に満点を与えることはしません。

181人の企業であっても、決済取扱高9兆円を超える社会インフラ企業である以上、人的資本についてもより具体的な開示が望まれます。

顧客・決済情報の安全性|12点/15点

ここはDGFTの大きな強みです。

2025年11月更新でPCI DSS Version 4.0.1完全準拠、さらにISO/IEC 27001とプライバシーマークも取得しています。

PCI DSSについては、取締役会が情報セキュリティ担当役員から定期的に実施状況の報告を受け、必要に応じて見直す体制を明記しています。

サービス面でも、

・カード情報非保持化
・トークン決済
・EMV 3-Dセキュア
・AIを利用した不正検知
・BOT・大量アタック対策
・脆弱性診断

を提供しています。

決済会社として必要な安全対策はかなり具体的に公開されています。

一方で、年間のセキュリティインシデント件数や重大障害件数、平均復旧時間などの実績を一覧で公開すれば、さらに高く評価できます。

Innovation|23点/25点

Innovationでは、技術によって人間の不便や負担をどれだけ減らしているかを評価します。

DGFTは今回の審査で最も高く評価できる分野です。

決済の利便性|6点/6点

DGFTは40種類以上の決済手段を扱い、133万を超える支払い拠点につながる決済基盤を提供しています。

事業者がカード会社や各決済サービスと個別にシステムを構築する負担を減らし、利用者側も多様な支払い方法を選択できます。

年間17.3億件という利用実績からも、単なる研究段階ではなく社会で実際に使われている技術です。

不正利用防止技術|5点/5点

AIスコアリング、不正検知エンジン、3Dセキュア、BOT対策など複数の技術を組み合わせています。

決済の利便性を高める一方で、詐欺やカード不正利用によって人が損害を受ける可能性を減らす技術にも投資している点を評価します。

社会インフラのDX|5点/5点

2025年にはJR四国の列車内で、乗車券購入時のQRコード決済にDGFTの「Cloud Pay」が採用されました。

車掌と利用者双方が金額を手入力する必要をなくし、列車内という特殊な環境でもキャッシュレス決済を可能にしています。

また、医療機関向けにもキャッシュレス決済を活用し、患者の会計待ち時間や病院スタッフの業務負担を減らす取り組みを進めています。

技術が企業の売上向上だけでなく、人間の待ち時間や事務作業の削減にも使われている点は高評価です。

新しい決済基盤|4点/5点

2026年には東芝テックなどと連携し、新型決済端末を起点とする対面決済プラットフォームの構築を発表しています。

オンライン決済中心だった技術を実店舗へ広げ、オンラインとオフラインの双方を支える方向へ事業を拡張しています。

技術成果の人への還元|3点/4点

顧客企業の業務削減や利用者の利便性向上という形では、技術成果が人へ還元されています。

一方、技術革新によってDGFT自身の社員の労働時間が何時間削減されたのか、賃金や休日へどの程度還元されたのかについては公開実績を確認できませんでした。

そのため満点にはしません。

Protection|22点/25点

決済会社では、便利さ以上に「止まらないこと」と「盗まれないこと」が重要です。

DGFTはこの分野も高評価です。

24時間365日の監視|5点/5点

DGFTは有人と自動監視を組み合わせ、24時間365日の監視体制を公表しています。

金融・決済は夜間や休日にも利用されるため、通常の営業時間だけ監視する体制では十分ではありません。

社会インフラに適した体制です。

システムの冗長化|5点/5点

決済ゲートウェイでは冗長化構成を採用し、安定稼働とサービス継続性を確保するとしています。

単一システムの故障で決済全体が停止しないようにする仕組みは、Protectionで重要な評価対象です。

情報セキュリティ|5点/5点

PCI DSS、ISO/IEC 27001、プライバシーマークという複数の外部基準を確認できます。

またカード番号を加盟店側で保持しないトークン決済によって、情報漏えい時の被害そのものを小さくする設計を採用しています。

「侵入されないようにする」対策だけでなく、「万一侵入されても重要情報を盗みにくくする」考え方が入っている点を評価します。

法的な利用者保護|4点/5点

DGFTは銀行法に基づく電子決済等代行業者として、システム欠陥や管理不備による情報漏えいなど、会社の責任によって利用者へ損害が生じた場合には損害賠償責任を負うことを明記しています。

銀行との間でも、情報管理や損害賠償責任の分担について公表しています。

利用者保護を契約上明確にしている点は評価できます。

障害・復旧実績の公開|3点/5点

今回確認した公式ニュースでは、重大な情報漏えいや行政処分を示す公表は確認できませんでした。

ただし、検索で見つからなかったことを「事故がない」とは評価しません。

決済取扱高9.1兆円という規模を考えれば、

・年間システム障害件数
・重大障害件数
・稼働率
・平均復旧時間
・情報セキュリティ事故件数

などを年次で公開してほしいところです。

安全対策の仕組みは非常に詳しい一方、「実際に年間どれだけ安定稼働したか」という成果指標の開示は限定的です。

良いニュース

直近では、決済を単なる「支払い処理」から、社会のさまざまな場所で人の作業を減らすインフラへ広げる動きが確認できます。

2026年、新型対面決済プラットフォームを構築

DGFTはデジタルガレージ、東芝テック、TDペイメントと連携し、2026年4月から新型決済端末を展開すると発表しました。

ECだけでなく実店舗にも決済基盤を広げる取り組みです。

決済取扱高9.1兆円へ拡大

2026年3月期の決済取扱高は9.1兆円、取扱件数は17.3億件となっています。

社会インフラとして実際に大規模利用されていることを示す数字です。

JR四国の列車内決済を支援

2025年4月から、JR四国の列車内で乗車券を購入する際にQRコード決済を利用できる仕組みへDGFTのCloud Payが採用されました。

現金の受け渡しや手入力を減らし、利用者と車掌双方の負担削減につながります。

悪いニュース・課題

今回の調査では、直近の重大な行政処分や大規模情報漏えいを示す信頼性の高い一次情報は確認できませんでした。

そのため、存在が確認できない不祥事を作って減点することはしません。

一方、企業審査上の課題はあります。

労働実態の公式公開が少ない

会社自身による、

・平均残業時間
・有給取得率
・平均給与
・離職率
・労災
・男女賃金差
・女性管理職比率

などの継続的な公開は十分確認できませんでした。

決済のセキュリティ情報と比較すると、人的資本情報には大きな差があります。

第三者口コミでは月33時間程度の残業

転職会議では投稿者集計として月平均33.3時間、有給消化率70%となっています。

口コミ件数が多い企業ではないため、この数字を社員全体の実態とは断定しません。

一方、求人情報でも月20~30時間程度の残業を示している職種があるため、会社自身が実績値を公開することには意味があります。

口コミ

口コミは公式資料では分からない現場の状況を確認するために利用しますが、匿名情報であるため補助材料として扱います。

転職会議では31件の口コミが掲載され、投稿者集計は総合2.86、残業33.3時間、有給消化率70%です。

OpenWorkでは、2025年の投稿の一例として残業20時間、有給消化率90%という回答も確認できます。

つまり、口コミだけでも勤務実態にはかなり幅があります。

そのため、

「残業が必ず多い会社」

とは断定できません。

公式に平均残業時間を公開することで、この不確実性を解消してほしいところです。

総合評価

株式会社DGフィナンシャルテクノロジーは、技術とセキュリティについては非常に評価しやすい企業です。

PCI DSS 4.0.1完全準拠、ISO/IEC 27001、プライバシーマーク、24時間365日監視、冗長化、カード情報非保持化、不正検知など、決済企業に求められる対策を具体的に確認できます。

また、年間9.1兆円・17.3億件という決済を処理しているため、その技術は実験段階ではなく社会インフラとして機能しています。

InnovationとProtectionは高評価です。

課題は、人に関する情報です。

福利厚生や休日、フレックス、リモート勤務などの制度は確認できますが、

実際に社員がどの程度働き、休み、賃金を受け取り、安全に働けているのか

を確認できるデータは不足しています。

優先的に改善してほしいのは、

  1. 平均残業時間と有給取得率の公開
  2. 労災件数・死亡労災・健康指標の公開
  3. 男女賃金差と女性管理職比率の公開
  4. 育児休業取得率・離職率の公開
  5. システム障害件数・稼働率・平均復旧時間の公開
  6. セキュリティ事故件数の年次公開

です。

DGFTは「安全な決済」についてはかなり詳しく説明しています。

今後は同じレベルで「働く人の安全と待遇」について数字を公開できれば、シビックランクAを狙える企業です。

Safety:34点/50点

Innovation:23点/25点

Protection:22点/25点

総合点:79点/100点

シビックランク:B

情報ランク

情報ランク:A

会社概要、登録事業、PCI DSS、ISO/IEC 27001、プライバシーマーク、銀行法に基づく情報、決済取扱実績など、事業とセキュリティについては一次情報が非常に充実しています。

一方、労働環境については公式な人的資本データが少なく、doda、転職会議、OpenWorkなどの第三者情報で補う必要がありました。

情報が存在しない項目を推測で埋めず、「公開情報がない点」をそのまま評価上の課題としています。

シビックランク:B(79点/100点)

情報ランク:A

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