私たちは、企業の商品を購入したり、サービスを利用したりすることで、その企業の働き方や安全対策、事業のあり方を間接的に支えています。
山梨中央銀行に預金したり、振込、ローン、資産運用、法人向け融資などのサービスを利用すれば、預金は融資を支える資金基盤となり、金利や手数料などは銀行の収益につながります。そこで得られた利益が、行員の賃金や休暇、システムの安全対策、地域企業への融資、災害対策、サービス改善、人材育成などにどう使われるのかは、利用する側にとっても無関係ではありません。
働く人を大切にし、預金者の資産を守り、地域の企業や暮らしを支える銀行に利用者や資金が集まれば、そうした経営を続ける力になります。反対に、長時間労働やハラスメント、不十分な情報管理、顧客本位ではない販売などを放置する銀行を利用すれば、その事業のあり方を間接的に支えることにもつながります。
では、山梨県を主要な営業基盤とする株式会社山梨中央銀行は、行員、利用者、地域企業、地域社会をどれだけ大切にしている銀行なのでしょうか。
今回はSafety・Innovation・Protectionの観点から公開情報を調査し、株式会社山梨中央銀行の人間への貢献度を評価します。
先に結論
株式会社山梨中央銀行は、今回の審査で83点/100点、シビックランクAと評価しました。
特に評価したのは、地域企業への資金供給という銀行本来の役割に加えて、中小企業の経営支援、事業承継、DX、脱炭素、スタートアップ支援、金融教育などまで地域支援を広げていることです。
働く人についても、2025年度の定期健康診断受診率100%、ストレスチェック受検率89.5%、男性育児休業取得率100%など、具体的な数値を公開しています。人権方針、DE&I方針、給与・報酬方針なども明文化されています。
一方で、女性管理職比率は2025年度7.4%にとどまり、女性の賃金は男性を100とした場合、全労働者で49.1%、正規雇用労働者で58.9%です。同行は、女性の勤続年数が短いことや管理・監督職が少ないことなどを一因として説明していますが、結果として大きな格差が残っている点は改善課題です。
| 評価項目 | 点数 |
|---|---|
| Safety | 39 / 50 |
| Innovation | 22 / 25 |
| Protection | 22 / 25 |
| 総合点 | 83 / 100 |
| シビックランク | A |
| 情報ランク | S |
株式会社山梨中央銀行とは
株式会社山梨中央銀行は、山梨県甲府市に本店を置く地方銀行です。
現在の山梨中央銀行は1941年に創立されましたが、その源流は1877年の第十国立銀行までさかのぼります。
2026年3月末時点で総資産は4兆5,570億円、総預金残高3兆8,048億円、貸出金残高3兆328億円、自己資本比率9.39%。本支店・出張所など99店舗を山梨県、東京都、神奈川県に展開しています。従業員数は公式プロフィール上1,667人です。
銀行業だけでなく、信用保証、コンサルティング、ベンチャーキャピタルなどもグループで手がけています。
山梨中央銀行がなくなると何が困るのか
銀行は預金を預かる場所であると同時に、地域内のお金を地域企業や住民へ循環させる役割を持っています。
山梨中央銀行の貸出金残高は2026年3月末で約3兆円あります。地域企業が工場を建てる、新しい設備を導入する、事業を引き継ぐ、住宅を購入する、事業資金が一時的に不足するといった場面で、銀行からの融資は重要な役割を果たします。
山梨中央銀行は中小企業に対して、単にお金を貸すだけでなく、経営改善、事業再生、事業承継、M&A、DX、ビジネスマッチングなども支援しています。資源高や物価上昇などで影響を受けた企業に対する貸付条件変更などの相談にも対応する方針を明示しています。
地域金融機関がなくなれば、特に大企業ほど資本市場へ直接アクセスできない中小企業にとって、資金調達や経営相談の選択肢が減ります。
この**「地域内で資金を循環させる機能」**は、山梨中央銀行の人間への貢献を考えるうえで最も重要な部分です。
給与・利益還元
2026年3月末時点の山梨中央銀行単体の従業員数は1,604人、平均年齢38.7歳、平均勤続年数15.0年、平均年間給与は673万9,000円です。
前年の平均年間給与652万2,000円から3.3%増加しています。
同行は給与について、担当する役割の影響度、難易度、戦略性などを基に基本給を決定し、賞与についても業績と個人の成果を反映させる方針を公表しています。
同時に、短期的な販売実績を過度に重視しないよう、「お客さま本位の行動」を意識した目標設定を行うことも明記しています。金融商品の販売では強い販売ノルマが顧客利益と衝突する可能性があるため、この考え方は評価できます。
さらに山梨中央銀行職員組合が存在し、2026年3月期有価証券報告書では組合員1,306人、労使間に特記すべき事項はないとしています。
労働時間と休暇
採用情報では完全週休2日制に加えて、5日間の連続休暇、2日間のミニ連休、勤続年数に応じた3~5日のリフレッシュ休暇、2日のアニバーサリー休暇などを設けています。
有給休暇は初年度14日、その後は勤続年数に応じて14~20日が付与され、半日単位・時間単位でも取得できます。使い切れなかった休暇を最大100日まで積み立て、病気、介護、不妊治療などに利用する制度もあります。
一方、会社自身による最新の有給消化率や平均残業時間については、今回確認した公開ページでは比較可能な形の数値を十分確認できませんでした。
そこで口コミも補助的に確認しました。
OpenWorkでは残業月12.4時間、有給休暇消化率64.3%、転職会議では残業月16.2時間、有給消化率61.8%となっています。
口コミ集計を見る限り、極端な長時間労働を前提とする職場とは考えにくい一方、有給休暇をどこまで自由に取得できるかについては、支店や上司による差を指摘する投稿があります。
会社が休暇制度を整えるだけでなく、全店舗で同程度に利用できる状態にすることが重要です。
福利厚生・育児支援
山梨中央銀行ではテレワーク制度や育児関連制度などを導入しています。
2025年度の男性育児休業取得率は**100%**です。
採用情報では寮や社宅、企業型確定拠出年金、職員持株会、財形貯蓄なども案内されています。
育児休業を制度として設けているだけでなく、男性について実際に100%という取得実績が出ていることは高く評価しました。
女性管理職と男女賃金差
一方、Safety評価で大きく減点したのが男女格差です。
2025年度の管理的地位に占める女性の割合は**7.4%**です。
男女賃金差は、男性を100とした場合、
全労働者では女性49.1%、正規雇用労働者58.9%、パート・有期労働者69.9%となっています。
この数字は、「同じ仕事をする女性に男性の49.1%しか払っている」という意味ではありません。
同行は、女性の勤続年数が男性より短いことや、管理・監督職に女性が少ないことなどを正社員の賃金差の一因として説明しています。
しかし、人間への還元を見る企業審査では、原因が直接的な賃金差別でなければ問題なしとはしません。
管理職や高賃金職に女性が少ないという構造そのものも結果として所得格差につながります。
同行自身も女性管理職比率について2027年度10%以上、長期的には30%以上という目標を掲げているため、現状を課題として認識しています。
健康経営
健康分野は山梨中央銀行の強みです。
2025年度の定期健康診断受診率は100%、精密検査受診率76.5%、ストレスチェック受検率89.5%、高ストレス者率7.1%でした。
労働災害発生件数も公開しており、2023年度15件、2024年度13件、2025年度13件です。
「健康経営に取り組んでいます」と宣言するだけでなく、健康診断、ストレス、労災まで結果を数値公開している点は評価できます。
一方、労災13件が発生している以上、満点にはしていません。
事故件数だけでは重症度までは分かりませんが、今後は事故の種類や休業災害の発生状況まで継続的に公開すると、さらに安全性を判断しやすくなります。
人権・ハラスメント
山梨中央銀行グループは独立した人権方針を公開しています。
世界人権宣言などの国際規範を尊重するとともに、人種、民族、宗教、国籍、年齢、障害、性別、性的指向、性自認などを理由とした差別やハラスメントを容認しないとしています。
対象も行員だけではありません。
顧客やサプライヤーについても人権への配慮を求め、事業によって人権への悪影響を引き起こした場合には是正・救済を行う方針です。
さらに2026年10月1日には「採用活動におけるハラスメント防止方針」を新たに策定しています。
方針を作っただけで実態が良いと断定することはできませんが、人権問題を企業経営上の課題として明文化している点は評価しました。
従業員口コミ
公式情報だけでは実際の職場環境を完全に判断できないため、従業員口コミも補助的に確認しました。
OpenWorkでは総合評価2.94で、法令順守意識は4.6と比較的高い一方、「20代成長環境」2.5、「人材の長期育成」2.6、「人事評価の適正感」2.5などは低めです。残業は月12.4時間、有給消化率64.3%です。
転職会議では総合評価3点台前半、残業月16.2時間、有給消化率61.8%です。福利厚生や研修を評価する投稿がある一方、支店によって休暇取得や残業量に差があるという意見も確認できます。
Indeedは8件とサンプルが少ないものの、総合3.3/5、給与・福利厚生3.5、勤務時間・残業3.0となっています。
口コミサイトは投稿者の部署や勤務時期が異なるため、そのまま全社評価には使いません。
ただし、複数サイトで「残業時間は比較的少ない」「福利厚生は一定の評価」という方向はある程度一致しています。
地域企業への資金供給
山梨中央銀行を高く評価した最大の理由の一つが、地域金融機関としての役割です。
同行は「地域密着と健全経営」を掲げ、中小企業への資金供給に加えて、経営改善、事業再生、業種転換、事業承継などを支援しています。
2026年6月には、甲府信用金庫、山梨信用金庫、山梨県民信用組合、都留信用組合と「やまなし地域金融ネットワーク」を設立しました。
地域の金融機関同士が連携し、産業振興、地域課題、金融機能の維持・高度化などへ共同で取り組む仕組みです。
地方では人口減少により金融機関そのものの維持が難しくなる可能性があります。
その中で競争だけでなく地域金融機関同士が協力する方向へ進んでいることは、地域住民や中小企業へのProtectionとして評価できます。
脱炭素支援
金融機関は、自社が排出するCO₂だけでなく、どこにお金を貸すのかによって社会への影響が大きく変わります。
山梨中央銀行は投融資ポリシーを策定し、再生可能エネルギー、防災、農林業、観光、文化財保全などを積極的に支援する方針を示しています。
一方、非人道兵器の製造、違法伐採や児童労働の可能性が高い事業などについて投融資を抑制する方針も明記しています。
2030年度までのサステナブルファイナンス投融資額について8,000億円以上を目標としており、2026年4月には企業向けCO₂排出量算定ツール「やまなしGXアシスト MiRuCO₂」の提供も開始しました。
単に自社店舗の節電をするだけでなく、融資先企業の脱炭素を支援するところまで踏み込んでいる点を評価しました。
DX・AI
銀行業務では、窓口へ行く、紙へ記入する、現金で支払うといった作業を減らすことも、人間の時間を減らすInnovationになります。
山梨中央銀行はインターネットバンキング、アプリ、キャッシュレス決済、オンライン相談などを提供し、法人向けにはICT・DXコンサルティングも行っています。
2026年10月1日には「山梨中央銀行グループAIポリシー」を策定しました。
AIについて、人間が最終判断・介入権限を持つこと、安全性、公平性、プライバシー、透明性、説明責任などを原則として掲げています。
AIを導入すること自体を加点しているわけではありません。
人間の判断を残しながら業務効率化へ使うという原則を先に明文化したことを評価しています。
サイバーセキュリティ
預金や個人情報を扱う銀行では、サイバー攻撃へのProtectionは一般企業以上に重要です。
山梨中央銀行はサイバー攻撃による業務中断を重大な経営リスクと位置づけ、「サイバーセキュリティ経営宣言」を策定しています。
事務、システム、法務、人的リスク、サードパーティなどを含めてサイバーリスクを管理する枠組みを設けています。
また、インターネットバンキングによる不正な払戻しについて、利用者に重大な過失がない場合などに被害補償を行う制度も公表しています。
事故を防ぐ対策だけでなく、事故が起きた後の利用者救済制度があることもProtectionとして評価しました。
災害対応
銀行は災害時でも、人が預金を引き出し、生活や事業を継続できる状態を維持する必要があります。
山梨中央銀行は「緊急事態対応基本規定」「業務継続計画」「災害対策規定」などを整備し、自然災害などによる業務停止へ備えています。
さらに2026年5月には、地域金融機関同士で**「大規模災害発生時の預金払戻にかかる相互支援協定」**を締結しました。
自社だけで災害対応するのではなく、他金融機関と相互支援する仕組みを作っている点は高く評価できます。
良いニュース
山梨中央銀行では、2025~2026年にかけても、地域金融、防災、労働、人権、環境などで新しい取り組みが続いています。ここでは、単なる新商品ではなく、人や地域への貢献につながる動きを中心に確認します。
大規模災害時の金融機関相互支援
2026年5月に、大規模災害発生時の預金払戻しに関する相互支援協定を締結しました。
災害で通常利用している金融機関や店舗が機能しにくくなった場合にも、地域金融機能を維持しやすくする取り組みです。
山梨県内5金融機関が連携
2026年6月には県内5金融機関による「やまなし地域金融ネットワーク」を設立しました。
企業価値向上、地域課題解決、金融機能維持などについて金融機関同士が協力します。
AIポリシーを策定
2026年10月1日にAIポリシーを策定し、人間中心、安全性、公平性、プライバシー、説明責任などを明文化しました。
AIによる効率化だけを追求するのではなく、人が最終判断を持つことを明記した点を評価できます。
採用ハラスメント防止方針を策定
同じ2026年10月1日には、採用活動におけるハラスメント防止方針も策定しています。
従業員になった後だけでなく、採用応募者との関係まで人権・ハラスメント対策の対象を広げた取り組みです。
悪いニュース・課題
今回の調査では、大規模な不祥事だけを「悪いニュース」とするのではなく、実際に公開されている指標から改善が必要な部分や、利用者に影響したサービス障害も確認しました。
男女賃金差が大きい
2025年度の男女賃金差は全労働者で49.1%、正社員でも58.9%です。
同行は女性の勤続年数や管理職数など構成上の要因を説明していますが、結果として大きな差が残っています。
同行自身が女性管理職比率の向上を目標にしており、ここは今後の重要な改善項目です。
女性管理職比率7.4%
管理的地位にある労働者のうち女性は7.4%です。
男性育休100%まで進んでいる一方、意思決定層の男女構成についてはまだ大きな偏りがあります。
労働災害13件
2025年度の労働災害発生件数は13件でした。2024年度も13件です。
件数を公開している透明性は評価できますが、労災そのものはSafety上のマイナス要因です。
今後は重大度や原因、再発防止策まで確認できる開示を期待します。
2026年にデジタルサービスの不具合
2026年8月には一部利用者で山梨中銀アプリが利用できない事象、9月には公式ホームページが正常に表示されない事象、インターネット投信のサービス停止時間延長が公表されています。
重大な資産喪失事故として確認されたものではありませんが、銀行サービスのデジタル化が進むほどシステムの可用性は重要になります。
Innovationを進める一方で、障害を減らすProtectionも同時に強化する必要があります。
Safety|39 / 50点
Safetyでは、社員への利益還元、労働時間、休暇、男女格差、育児、人権、健康、労働災害、利用者保護を評価しました。
賃金・利益還元|8 / 10点
平均年間給与は673万9,000円で前年比3.3%増加しています。給与・賞与の決定方針も公開しています。
男女賃金差が大きいため満点とはしていません。
労働時間・休息|8 / 10点
連続休暇や時間単位有休など制度は充実しています。口コミ集計でも残業は月12~16時間程度です。
ただし支店による差を指摘する口コミもあるため8点です。
雇用安定・公平性|2 / 5点
女性管理職7.4%、正社員男女賃金差58.9%は大きな改善課題です。
福利厚生・育児介護|5 / 5点
男性育休100%、テレワーク、積立休暇、寮・社宅などが確認できます。
人権・ハラスメント・労使|5 / 5点
人権方針、DE&I方針、職員組合、採用ハラスメント防止方針まで確認できます。
労働安全・健康|7 / 10点
健康診断受診率100%、ストレスチェック89.5%などは高く評価します。
一方、2025年度に労災13件が発生しているため減点します。
商品・サービス安全|4 / 5点
サイバーセキュリティ管理や不正払戻し補償があります。
一方、2026年にはアプリやウェブサービスの障害も確認されたため満点とはしません。
Safety合計:39 / 50点
Innovation|22 / 25点
Innovationでは、新しい技術を導入したかではなく、それによって人の負担や地域の課題をどれだけ減らしているかを評価しました。
人間の負担削減|8 / 10点
インターネットバンキング、アプリ、キャッシュレス、オンライン相談などにより、店舗へ移動する必要を減らしています。
法人向けにもDX・ICT支援を行っています。
サービス改善|5 / 5点
金融だけでなく事業承継、M&A、DX、GX、ビジネスマッチングなど、地域企業の課題に合わせてサービス領域を広げています。
成果の人間・地域への還元|5 / 5点
地域企業への資金供給、スタートアップ支援、金融教育、脱炭素支援など、銀行の技術・人材を地域課題解決へ使っています。
継続性|4 / 5点
地域金融を長期間維持しながら、デジタル・AI・コンサルティングへ継続的に事業を拡張しています。
一方、デジタル障害も確認されているため5点満点とはしていません。
Innovation合計:22 / 25点
Protection|22 / 25点
銀行では、便利さ以上に「預けた資産や地域金融機能を危機の際にも守れるか」が重要です。
災害対応・BCP|5 / 5点
業務継続計画、緊急事態対応規定、災害対策規定を整備しています。
2026年には大規模災害時の預金払戻し相互支援協定も締結しました。
財務・供給基盤|5 / 5点
2026年3月末の自己資本比率は9.39%で、不良債権比率は0.79%、保全率86.4%です。
銀行として地域へ継続的に金融機能を提供するための財務基盤を維持しています。
サイバーセキュリティ|4 / 5点
サイバーセキュリティ経営宣言を設け、サードパーティを含めたリスク管理を実施しています。
システム障害が確認されたため満点にはしていません。
復旧・代替性|4 / 5点
BCPに加えて地域金融機関との相互支援体制があり、一つの組織だけで危機へ対応しない構造を作っています。
顧客・地域保護|4 / 5点
不正払戻し被害への補償、金融円滑化、地域企業の経営改善支援などがあります。
Protection合計:22 / 25点
改善してほしい点
山梨中央銀行は、今回調査した企業の中でもかなり具体的な非財務情報を公開しています。
そのうえで最優先で改善してほしいのは、女性管理職比率と男女賃金差です。
男性育休取得率100%まで進んでいるため、今後は育児制度を利用できることからさらに進み、女性が長期的にキャリアを継続し、管理・監督職へ進める環境づくりが重要になります。
次に、13件発生している労働災害について、事故の重大度、原因、再発防止策まで公開するとSafetyの評価をさらに高められます。
デジタル分野では、AI・DXを積極的に進める一方、2026年にはアプリやウェブサイトの利用障害も発生しています。
便利なサービスを増やすことと、いつでも安全に利用できる状態を維持することを両立してほしいところです。
総合評価
株式会社山梨中央銀行は、地域金融機関が人間や地域社会へ何を還元できるかという点で、かなり具体的な取り組みを行っている銀行です。
利用者が山梨中央銀行へ預金し、ローン、振込、資産運用などを利用することで形成された金融基盤は、地域企業への約3兆円規模の貸出、中小企業支援、事業承継、スタートアップ、脱炭素、防災などへつながっています。
働く人についても、平均給与673万9,000円、男性育休100%、健康診断100%、労災13件など、良い数字だけでなく問題を判断するための数字まで公開している点は評価できます。
特に「労災ゼロ」といった良い結果だけを宣伝するのではなく、実際に13件発生していることまで公開しているため、外部から企業の状態を検証できます。
一方、男女格差は明確な弱点です。
女性管理職比率7.4%、正社員男女賃金差58.9%という現状は、同行が掲げるDE&I方針との間にまだ大きな距離があります。
そのため、地域貢献や制度の存在だけでSランクにはせず、
Safety:39/50
Innovation:22/25
Protection:22/25
として、
総合83点/100点・シビックランクA
と評価します。
山梨中央銀行を利用することは、地域企業への資金供給、地域金融インフラ、災害対応、脱炭素支援、金融教育などを間接的に支えることにつながります。
同時に利用者としては、同行に対して男女格差の縮小、労働災害の削減、デジタルサービスの安定性向上を求めていくことが、より人を大切にする銀行経営を後押しすることにもつながります。
最終ランク
総合点:83点/100点
シビックランク:A
Safety:39/50
Innovation:22/25
Protection:22/25
情報ランク:S
情報ランク
山梨中央銀行は企業審査に必要な情報をかなり広く公開しています。
会社概要や財務だけでなく、平均給与、男女賃金差、女性管理職比率、男性育休取得率、健康診断受診率、ストレスチェック、労働災害件数、人権方針、投融資方針、気候変動、サイバーセキュリティ、BCPなどについて一次情報を確認できます。
さらに従業員口コミについてもOpenWork、転職会議、Indeedなど複数の外部情報と比較できました。
すべての指標が公開されているわけではありませんが、企業自身の一次情報に加え、有価証券報告書、金融関連の法定開示、第三者口コミまで組み合わせて検証できるため、今回の情報ランクはSとします。
