MENU

株式会社レゾナント・システムズの企業審査|56点・シビックランクD|残業11.4時間と交通安全技術を評価、労災・BCP・復旧時間の開示が課題

私たちは、企業の商品を購入したり、サービスを利用したりすることで、その企業の働き方や安全対策、事業のあり方を間接的に支えています。

バス・鉄道会社などがレゾナント・システムズの音声案内装置、ドライブレコーダー、バスロケーションシステム、車内点検サポートシステム、発券システムなどを導入すれば、その売上は株式会社レゾナント・システムズに入ります。そこで得られた利益が、社員の賃金や休暇、安全対策、製品開発、人材育成、情報セキュリティ、交通事故を減らす技術へどのように使われるのかは、サービスを利用する交通事業者や、その先でバス・鉄道を利用する私たちにとっても無関係ではありません。

今回の企業審査では、2024年度の月平均所定外労働時間が11.4時間、平均有給休暇取得日数が11.3日、年間休日が120日であることを確認しました。2024年度に育児休業の対象となった男性1人は実際に育休を取得しています。資格取得に必要な講習費、受験料、登録料を会社が負担し、資格手当や奨励金を支給する制度もあります。

事業面では、ドライブレコーダー、衝突・後方安全確認システム、バス停通過防止、運行支援、幼稚園・送迎バスの置き去り防止を支援する「かくにん君」など、人のミスや負担を技術によって減らす製品が多数あります。「かくにん君」は国土交通省ガイドライン適合品で、点検忘れが続いた場合に車外へ警告を流す機能や故障自己診断機能も備えています。

一方、現在の労災件数、休業災害度数率、ハラスメント相談件数、全社平均賃金については十分な公開情報がありません。また、2025年12月に情報セキュリティ基本方針を制定しISO/IEC 27001認証取得を目指すとしていますが、現時点では認証取得済みとは確認できず、BCP訓練、非常電源、バックアップ切替時間、システム復旧時間についても具体的な公開情報がありません。

そのため、今回の総合点は56/100点、シビックランクDとしました。

目次

株式会社レゾナント・システムズの企業審査結果

評価軸得点
Safety29/50
Innovation20/25
Protection7/25
総合56/100
シビックランクD
主な強み主な課題
月平均残業11.4時間現在の労災件数・度数率が非公表
年間休日120日全社平均賃金・賃上げ率が非公表
男性育休取得実績100%(対象1人)女性管理職比率が約1割
資格取得費用を会社が負担ハラスメント・内部通報実績の開示が弱い
ISO9001認証取得ISO27001は取得を目指す段階
国交省適合の交通安全機器BCP訓練の具体的成果が非公表
置き去り防止・事故防止機器を開発システム復旧時間が非公表
乗降客カウント等で業務を自動化技術による社員への還元効果が不明

事業内容と人間への貢献

基本情報

項目内容
会社名株式会社レゾナント・システムズ
法人番号2020001018500
本社神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央4-34-26
設立1952年12月12日
資本金2,500万円
社員数125名(2026年5月1日現在)
株主富士急行株式会社
代表取締役社長石塚利之
主な事業交通機器、ソフトウェア、映像・音声、情報システム

会社公式サイトでは、2026年5月1日時点の社員数を125人としています。横浜本社のほか、山梨、渋谷、仙台、名古屋、関西、広島にも拠点があります。

マイナビでは2026年3月期売上高25億4,900万円、2026年7月時点でパート19人を含む従業員126人とされています。

主な事業内容

同社は、バス・鉄道用の音声合成放送装置、液晶・LED案内表示器、ドライブレコーダー、バスロケーションシステム、乗降客カウントシステム、車内点検支援装置などを開発・販売しています。

さらに、鉄道駅の窓口システム「鉄券」、乗合バス窓口システム「大発券」、チケット発券システム「タッチパル」、クラウド・Webホスティングなど、ソフトウェア・IT事業も行っています。

事業による人間への貢献

レゾナント・システムズの事業は、「公共交通を安全に動かし、利用者へ必要な案内を届け、運転士や交通事業者の負担を減らすこと」に大きな特徴があります。

例えば音声合成放送装置がなければ、運転士が停留所案内などをその都度手作業で行う必要があります。

バスロケーションシステムがなければ、利用者はバスがどこまで来ているのか把握しづらくなります。

乗降客カウントシステムは、カメラセンサーによって乗降人数を自動的に集計し、停留所・時間帯・路線・区間ごとの利用状況を分析できます。人が手作業で人数を数える負担を減らし、ダイヤ最適化にも利用できます。

同社の商品・サービスを利用することは、こうした交通の安全性、利便性、業務省力化を支えることにつながります。

Safety 29/50

Safetyでは、社員が適切な賃金・休息・安全を得ているか、利用者が安全に商品やサービスを利用できるかを評価します。

レゾナント・システムズは残業時間、休日、育児休業、研修などについて比較的具体的な情報があります。

一方、労災、賃上げ、ハラスメント対応などの結果情報は不足しています。

賃金・利益の還元 4/10

2025年4月実績の新卒初任給は、大学院卒23万2,000円、大学卒22万2,000円、短大・専門卒21万2,000円、高専卒20万2,000円です。

固定残業制度はなく、時間外手当、休日出勤手当、資格手当、住宅手当、家族手当などが別途支給されます。昇給は年1回、賞与は年2回です。

doda掲載求人では、2026年の技術職の予定年収が400万~630万円程度の求人も確認できます。

一方、会社単体の平均給与、ベースアップ率、賞与平均額、利益成長分を社員へどれだけ還元したのかについて公開情報がありません。

Yahoo!しごとカタログの口コミ集計では正社員平均年収459万円とされていますが、回答者12人による第三者集計のため会社公式値とは扱いません。

会社として継続的な賃上げ率や平均給与を公開していないため4/10点です。

労働時間・休息 8/10

2024年度の月平均所定外労働時間は11.4時間です。

平均有給休暇取得日数は11.3日、年間休日は120日です。

全社平均としては比較的良好な労働時間です。

一方、転職会議の口コミ集計では残業34.2時間、有給消化率56.7%となっています。ただし掲載口コミは古いものが中心で、2016~2018年頃の投稿には繁忙期の長時間労働や休日出勤を指摘する声があります。

例えば2018年頃の正社員口コミには、繁忙期について「何日か徹夜することもままあります」とする記述があります。これは現在から8年ほど前の情報であり、現在の実態としてそのまま採点することはできません。

現在の会社公表値が11.4時間まで改善していることを重視し8/10点としました。

職種・部署別の残業分布や最大残業時間まで公開されれば10点を検討できます。

雇用の安定・待遇の公平性 3/5

2024年度の平均勤続年数は12年です。

Gビズインフォが取得した職場情報では、男性の平均継続勤務年数13.5年、女性5.8年、女性労働者割合22.0%、女性管理職3人/管理職28人となっています。

女性管理職比率は約10.7%です。

2024年度のマイナビ掲載値では、幹部職員33人中女性4人、12.1%でした。

新卒採用者の定着率は、2023年入社66.7%、2024年入社80.0%、2025年入社100%です。

長期勤続者が多い点を評価する一方、女性の勤続年数と管理職比率、新卒定着率には改善余地があるため3/5点です。

福利厚生・育児・介護 4/5

2024年度に育児休業の対象となった男性1人は育児休業を取得しており、男性育休取得率は100%でした。

女性は同年度の対象者が0人だったため、「女性0%」という表示を取得実績が悪いと解釈するべきではありません。

年間休日120日、社会保険に加え、資格取得支援制度もあります。

会社業務に必要な資格について、講習費、受験料、登録料を会社が全額負担し、難易度に応じて奨励金、取得後は資格手当を支給します。対象にはITパスポート、基本情報技術者、応用情報技術者、電気工事士などがあります。

具体的な育児支援と教育投資を評価し4/5点です。

男女別の育休取得日数、介護休業取得率、復職率まで公開されれば5点を検討できます。

人権・ハラスメント・労使関係 2/5

新人研修ではコンプライアンス、安全教育、衛生教育などを行っています。

富士急グループの研修に加えて、入社2~3年目、4~5年目、階層別研修も実施しています。

一方、レゾナント・システムズ単体のハラスメント相談窓口、内部通報制度、相談件数、是正件数、労働組合との協議状況などについて十分な公開情報がありません。

公開情報がない点は課題で、採点上も減点対象です。

そのため2/5点です。

労働安全・健康 4/10

新人研修には安全教育・衛生教育が含まれ、社員が第一種衛生管理者資格を取得した事例も紹介されています。

一方、現在の死亡労災、休業災害件数、労災度数率、メンタルヘルス休職、ストレスチェック受検率などについて公開情報がありません。

製造、取付、メンテナンスを行う企業であるため、工場・車両・現場作業の安全実績を確認することは重要です。

公開情報がない点は課題です。採点上も減点対象です。

安全教育は確認できるものの、成果指標がないため4/10点です。

商品・サービスの安全 4/5

同社は2014年にISO9001認証を取得しています。現在も品質方針で「安全・安心を支える品質」を掲げ、品質管理・品質保証体制の維持と継続改善を明記しています。

また、「かくにん君」は国土交通省ガイドライン適合品で、点検ボタンを押さない状態が10分続けば車外へ警告を流し、機器故障を自己診断する機能も持っています。

ドライブレコーダーDRHV-5100は国土交通省型式指定を受け、常時録画、最大8カメラ、事故映像保存、リアルタイム映像伝送などに対応しています。

製品そのものが交通事故防止・事故原因究明へつながるため4/5点です。

一方、製品不具合率、重大製品事故件数、修理・回収件数などの定量情報は公開されていません。

従業員・元従業員の口コミ

転職会議には17件の口コミがあり、投稿者集計では残業34.2時間、有給消化率56.7%、総合評点2.38とされています。

ただし、確認できる具体的口コミの多くは2016~2018年頃のものです。

2018年頃の機械関連職の投稿では、

「残業代はしっかり出ます。」

という肯定的な記述がある一方、基本給や評価制度への不満も書かれています。

また、2016年頃のプログラマーの投稿では部署によって長時間労働の差が大きかったという指摘があります。

現在の公式値では月平均残業11.4時間、年間休日120日となっているため、古い口コミだけを使って現在の働き方を低く評価することはしていません。

SNS・匿名掲示板の確認結果

X、一般SNS、5ちゃんねる等について、社名と残業、退職、事故、パワハラなどを組み合わせて確認しました。

今回の評価を変更できるほど具体的で、投稿本文・時期・立場を確認できる情報は確認できませんでした。

SNSに情報がないこと自体は減点していません。

Innovation 20/25

Innovationはレゾナント・システムズの最も強い評価軸です。

同社は、バス運転士、窓口担当者、運行管理者が手作業で行っていた確認・案内・集計などを、機器やシステムへ移す製品を長年開発しています。

作業負担・危険の削減 8/10

音声合成放送装置は停留所案内などを自動化します。

乗降客カウントシステムはカメラ画像処理で乗降客数を集計し、停留所、時間帯、路線、区間ごとの利用状況を自動的に把握できます。

運行支援機器では、急加速・速度超過警告、衝突防止、後方安全確認、GPS運行ナビ、緊急警報・地震速報の車内放送などを連携できます。

運転士が一人で運転、安全確認、案内、経路確認を行う負担を技術で補助する点は、人間の負担削減として非常に具体的です。

そのため8/10点です。

10点にしない理由は、導入前後で運転士や窓口担当者の作業時間が何時間減ったかという実測値が十分公表されていないためです。

商品・サービスの改善 5/5

同社は長期間にわたり交通機器を継続的に改善しています。

2005年にバス停通過防止システム、2007年にドライブレコーダー、2009年にバスロケーションシステム、2021年にスマホ定期券、2023年に車内点検サポートシステム「かくにん君」などを開発してきました。

現在のDRHV-6100では最大12チャンネルまで録画を拡張でき、ネットワーク経由で遠隔ダウンロード、車両位置把握、リアルタイム映像確認、イベント映像自動保存が可能です。

2026年度にはDRHV-5100・6100が国土交通省「被害者保護増進等事業費補助金」の対象機器として案内されています。

安全性と運行管理の両方を継続的に改善しているため5/5点です。

改善成果の人間への還元 2/5

製品によって交通事業者側の単純作業や安全確認負担を減らしていることは確認できます。

また、自社社員には資格取得費用を全額負担する制度があり、人材育成への還元も確認できます。

一方、自社の開発効率化・売上成長によって、社員の残業が何時間減ったのか、賃金がどれだけ上がったのか、休日が増えたのかについて公開情報がありません。

製品による「顧客への還元」は強いですが、自社の働く人への還元まで因果関係を確認できないため2/5点です。

研究開発・現場改善の継続 5/5

同社は1952年創業で、音声案内装置から始まり、ドライブレコーダー、バスロケ、クラウド、スマホ定期券、乗降客カウント、車内点検支援などへ製品領域を継続的に広げています。

現在も新しい車載機器やシステムを開発しており、単発の技術導入ではありません。

長期間にわたる継続的な研究開発が確認できるため5/5点です。

自動化・システム導入後の雇用状況

レゾナント・システムズが顧客向けに開発する自動化技術については多くの情報があります。

一方、自社内部でAI・RPA・自動化を導入した後の社員数、配置転換、採用抑制、契約終了などについては十分な公開情報がありません。

社員数は2024年124人、2026年5月125人で、大幅な人員削減は確認できません。

しかし、自動化と雇用人数の因果関係まで確認できる情報ではありません。

Protection 7/25

Protectionでは、災害、サイバー攻撃、システム障害、供給途絶などが起きても、交通事業者や利用者がサービスを継続できるかを評価します。

同社は公共交通向けシステムやクラウドを扱うため、Protectionは非常に重要です。

一方、この分野の公開情報はSafetyやInnovationほど充実していません。

災害への備え・訓練 0/5

地震、火災、停電、大規模災害を想定したレゾナント・システムズ単体のBCP、実地訓練、非常電源、備蓄、安否確認訓練について十分な公開情報がありません。

公開情報がない点は課題です。採点上も減点対象です。

そのため0/5点です。

生産・物流・調達の代替 2/5

同社は横浜本社に加え、山梨、東京、仙台、名古屋、大阪、広島へ拠点を展開しています。

全国に営業・サポート拠点が分散しているため、一拠点だけに依存する企業よりは顧客対応を継続しやすい構造です。

一方、製品製造拠点が停止した場合の代替製造、部品の複数調達先、代替在庫量、物流会社切替などについて公開情報がありません。

そのため2/5点です。

サイバー防衛・情報保護 2/5

2025年12月24日に情報セキュリティ基本方針を制定しています。

映像データや走行データなどの重要情報について、機密性・完全性・可用性を確保し、管理体制と従業員教育を整備するとしています。

また、ISO/IEC 27001認証取得を目指すことも明記しています。

個人情報保護についても、不正アクセス対策、ウイルス対策、権限を与えられた人だけによる利用などを定めています。

ただし、ISO27001は「取得を目指す」段階です。

多要素認証、EDR、SOC、CSIRT、侵入検知、標的型攻撃訓練などの具体的運用結果について公開情報がありません。

そのため2/5点です。

供給継続・復旧能力 1/5

同社はWebホスティングやクラウドサービスを提供しており、交通・施設向けのITインフラも扱っています。

しかし、自社クラウドや顧客向けシステムについて、目標復旧時間、バックアップ頻度、別拠点への切替時間、復旧訓練の実測値などの公開情報がありません。

交通システムは止まれば利用者へ直接影響するため、復旧力は重要です。

一般的なサービス提供実績のみを評価して1/5点です。

危機時の市民への対応 2/5

同社の安全運行システムでは、地震速報などのラジオ情報を受信した場合に車内スピーカーへ音声出力する仕組みや、緊急時に車内状況を外部へ伝えるハンズフリー機能があります。

また、運転士が急病などで運転困難となった場合に車両を安全に停止させるEDSSとの連携にも対応しています。

危機発生時に乗客を守る製品を提供している点は評価できます。

一方、災害時に同社自身が自治体・交通事業者へ機器を緊急提供した実績や、復旧支援チームを派遣した実績について具体的な公開情報がありません。

そのため2/5点です。

人への還元

レゾナント・システムズは、「技術によって他社で働く人の負担を減らす」という点ではかなり強い企業です。

音声案内装置は運転士の案内作業を減らします。

乗降客カウントシステムは人が乗客数を数える作業を自動化します。

車内点検支援装置は、人の記憶だけに安全確認を依存せず、音声・警告・自己診断によってヒューマンエラーを補います。

これはInnovationとして高く評価できます。

一方で、自社の社員については、技術や事業成長の成果が賃金・休日へどれほど戻っているのか十分な情報がありません。

現在の残業11.4時間、年間休日120日は比較的良好です。

しかし、

・製品開発の効率化によって何時間の業務が減ったのか
・その結果、残業が何時間減ったのか
・売上成長に対して賃金を何%上げたのか
・社員へ何円の利益を還元したのか

までは公開されていません。

そのためInnovation内の「改善成果の人間への還元」は2/5点としました。

良いニュース・最近の前向きな動き

直近では、交通事故防止機器が国の補助対象となったことや、情報セキュリティ基本方針を新たに制定したことが前向きな動きです。

交通事業者が同社の製品を購入することで、交通事故防止、事故原因の記録、運転士の負担軽減、セキュリティ強化を進める企業活動を支えることにつながります。

2026年8月 ドライブレコーダーが国土交通省補助対象機器に

2026年8月、同社はDRHV-5100・DRHV-6100について、令和8年度の国土交通省「被害者保護増進等事業費補助金」の対象機器として案内しています。

DRHV-6100では最大12チャンネル録画、遠隔映像確認、位置情報取得、イベント映像の自動保存などに対応します。

事故発生後の原因把握だけでなく、日常的な安全管理にも利用できる設備が導入しやすくなることは、バス利用者や運転士双方にメリットがあります。

2025年12月 情報セキュリティ基本方針を制定

2025年12月24日、情報セキュリティ基本方針を制定しました。

交通機器がネットワーク化され、走行データや映像を扱うようになるほど、機器の安全性だけでなく情報セキュリティが重要になります。

ISO/IEC 27001取得を目標として明示したことは前進です。

次の段階として、認証取得、訓練結果、インシデント件数などまで公開することが期待されます。

車内置き去り防止システムを継続展開

「かくにん君」は、エンジン停止後に車内点検を音声で促し、後部まで移動してボタンを押さない限り点検完了としない仕組みです。

10分間点検されない場合は車外にも警告を流し、故障自己診断機能もあります。

子どもの置き去り事故を、人の注意力だけではなく技術によって防ぐ仕組みとして、人間への貢献が非常に分かりやすい製品です。

悪いニュース・問題となった動き

重大な行政処分、大規模な製品回収、死亡労災などを示す信頼できる公開資料は、今回の調査では確認できませんでした。

一方、サービス終了や労働安全・BCPの情報不足など、企業評価上確認しておくべき動きがあります。

2026年9月 「チケパスプラス」のサービス終了を発表

2026年9月28日、バス・鉄道定期券購入アプリ「チケパスプラス」のサービス終了を発表しました。

定期券の購入受付は2026年10月31日までとされています。

チケパスプラスは、窓口の営業時間に行かなくてもスマートフォンから定期券を購入できるサービスで、富士山麓電気鉄道、岳南電車、富士急系バス会社などで導入されていました。

サービス終了そのものを企業不祥事として扱うべきではありません。

ただし、窓口へ行く負担を減らしていたデジタルサービスが終了するため、利用者・交通事業者がどの代替サービスへ移行できるのかは重要です。

現在の労災実績が公開されていない

製造・取付・メンテナンスを行う企業ですが、死亡事故、休業災害、度数率などの現在の労働安全実績が公表されていません。

安全教育を行っているだけでなく、「その結果として事故が何件まで減ったのか」まで公開してほしいところです。

BCP・復旧時間の公開が不足

公共交通の機器やクラウドシステムを扱っていますが、自社拠点やシステムが災害・サイバー攻撃で停止した際の代替体制、復旧時間、訓練結果について十分な公開情報がありません。

交通を支える会社である以上、Protectionでは大きな改善余地があります。

総合評価と、これから改善してほしいこと

現在56点・シビックランクDです。

Cは60点からなので、次のランクまであと4点です。

同社の最大の強みは、人が行う交通安全確認や案内・集計作業を技術で補助・自動化していることです。

一方、現在の労災、サイバー対策の実装状況、BCP、システム復旧時間など、自社そのものの安全・継続性を示す情報が不足しています。

労災件数と安全改善の結果を公開してほしい

現在の「労働安全・健康」は4/10点です。

安全教育・衛生教育は確認できますが、現在の労災件数や度数率について公開情報がありません。

死亡労災、休業災害、転倒、製造事故、現場作業事故などを毎年公開し、対策によって事故が減った結果まで確認できれば4→6点を検討できます。

加点は+2点で、総合56→58点です。

ISO27001を実際に取得し、運用結果まで公開してほしい

現在の「サイバー防衛・情報保護」は2/5点です。

2025年12月に情報セキュリティ基本方針を制定し、ISO/IEC 27001認証取得を目指すことを明記した点は評価できます。

今後、認証を実際に取得し、標的型攻撃メール訓練、バックアップテスト、インシデント対応訓練などの成果まで確認できれば2→3点以上を検討できます。

+1点で総合57点です。

参考企業のゆうちょ銀行では、CSIRT・SOCを設置し、サイバー演習や第三者評価まで公表しています。

BCPを策定・訓練し、復旧時間を測ってほしい

現在の「災害への備え・訓練」は0/5点、「供給継続・復旧能力」は1/5点です。

公共交通システムは、災害時にこそ停止してほしくない設備です。

主要システムごとに、

・目標復旧時間
・バックアップ拠点
・代替サーバー
・非常電源稼働時間
・災害時の社員参集体制
・復旧訓練で実際にかかった時間

を公開してほしいところです。

BCP策定と実地訓練まで確認できれば「災害への備え・訓練」は0→3点程度を検討できます。

参考企業のゆうちょ銀行では、BCPを策定し、危機を想定した訓練を年1回以上行うことを公開しています。

技術が人をどれだけ楽にしたか数字で示してほしい

現在の「作業負担・危険の削減」は8/10点、「改善成果の人間への還元」は2/5点です。

交通事業者向けの省力化技術は非常に具体的です。

次の段階として、

・音声案内自動化で運転士の操作が何回減ったか
・乗降客自動集計で作業時間が何時間減ったか
・車内点検支援で点検漏れが何件減ったか
・自社のシステム化によって社員の残業が何時間減ったか

まで数値化してほしいところです。

参考企業のキリンビバレッジでは、茶葉投入の自動化について「1人分強の省人化」「年間約2,300時間の業務負荷削減」「最大25kgの重量物作業廃止」まで数値で示しています。

レゾナント・システムズも同様に成果を数字で示せれば、人への還元をより高く評価できます。

次のランクへ上がるための具体例

改善項目現在改善後加点
労働安全・健康4/106/10+2
サイバー防衛・情報保護2/53/5+1
商品・サービスの安全4/55/5+1
合計56点60点+4

この組み合わせなら総合60点となり、シビックランクCへ上がります。

製品そのものはすでに「人のミスを技術で補う」という明確な社会的価値を持っています。

今後は、自社で働く人の事故を減らす、サイバー攻撃や災害から早く復旧する、技術によって削減した時間を働く人へ返すところまで具体的に公開できれば、企業評価はさらに高くなります。

出典一覧

1.株式会社レゾナント・システムズ「企業概要」

2.株式会社レゾナント・システムズ「事業内容」

3.Gビズインフォ「株式会社レゾナント・システムズ」

4.マイナビ2027「株式会社レゾナント・システムズ 会社概要・働き方データ」

5.マイナビ2027「株式会社レゾナント・システムズ 採用データ」

6.doda「株式会社レゾナント・システムズ 給与・求人情報」

7.株式会社レゾナント・システムズ「品質方針」

8.株式会社レゾナント・システムズ「情報セキュリティ基本方針」

9.株式会社レゾナント・システムズ「個人情報保護方針」

10.株式会社レゾナント・システムズ「乗降客カウントシステム」

11.株式会社レゾナント・システムズ「安全運行機器の連携」

12.株式会社レゾナント・システムズ「かくにん君 KMK-900」

13.株式会社レゾナント・システムズ「DRHV-5100」

14.株式会社レゾナント・システムズ「DRHV-6100」

15.株式会社レゾナント・システムズ「沿革」

16.株式会社レゾナント・システムズ「チケパス+」

17.転職会議「株式会社レゾナント・システムズ 社員口コミ」

18.Yahoo!しごとカタログ「株式会社レゾナント・システムズ」

19.キリンビバレッジ株式会社「茶葉原料開梱・投入自動化設備」

20.株式会社ゆうちょ銀行「サイバーセキュリティ態勢」

21.株式会社ゆうちょ銀行「災害・事故などへの対応」

シビックランクの基準

シビックランク点数
S90~100点
A80~89点
B70~79点
C60~69点
D50~59点
E40~49点
F20~39点
G0~19点

株式会社レゾナント・システムズは56点のため、今回のシビックランクはDです。

情報ランクの基準

情報ランク基準
S公的機関、裁判所、規制当局、独立した第三者機関の調査・監査・検証・認証など、内容そのものに独立した裏づけがある情報
A企業公式資料、採用情報、公式声明・SNS、記名取材など、発信主体を確認できる公表情報
B従業員・元従業員の口コミ、一般SNS、匿名掲示板など、発信者の身元や対象企業との関係を独立に確認しにくい情報

情報ランクは情報の出どころと検証状態を示すもので、企業の良し悪しを評価するシビックランクとは別です。

Sは独立した第三者の裏づけがあるため最も強い根拠として扱います。

AとBは単純な上下関係ではなく、公表情報と現場側情報という性質の違いです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次