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株式会社富士急ビジネスサポートを企業審査|シビックランクC・64点|地域雇用と就労支援を評価、女性管理職0%・賃金差と安全情報の公開には課題

私たちは、企業の商品を購入したり、サービスを利用したりすることで、その企業の働き方や安全対策、事業のあり方を間接的に支えています。

富士急グループの施設やサービスを利用すれば、その運営を裏側で支える株式会社富士急ビジネスサポートの警備、清掃、人材派遣、業務請負などにも仕事が生まれます。そこで得られた収益が、現場で働く人の賃金や休暇、安全対策、教育、キャリア形成にどう使われるのかは、利用する側にとっても無関係ではありません。

株式会社富士急ビジネスサポートは、富士急行株式会社の100%子会社で、人材派遣・職業紹介だけでなく、警備、各種業務請負、社員寮管理、受託観光事業などを担っています。富士急グループ内の観光・交通・宿泊施設を人材面から支える会社です。

今回評価したいのは、派遣スタッフについて賃金・派遣料金・マージン率を公開し、社会保険や健康診断、キャリア相談、給与を支給した上での教育訓練を用意している点です。企業主導型保育所「フジQキッズガーデン」の運営も担い、仕事と子育ての両立を支える事業にも直接関与しています。

一方、2026年提出の富士急行の有価証券報告書では、富士急ビジネスサポートの女性管理職比率は0.0%、男女の賃金差異は男性を100とした場合、全労働者77.3%、正規雇用労働者61.1%、有期雇用労働者74.8%です。特に正規雇用での差は大きく、原因や改善策の具体的な説明が求められます。

また、警備・清掃など身体的なリスクを伴う業務を扱う会社ですが、労災件数、死亡労災、度数率などの会社別安全KPIは今回確認した公開情報では見つかりませんでした。

以上から、総合64点、シビックランクCと評価します。

目次

審査結果

評価項目点数
Safety28 / 50
Innovation18 / 25
Protection18 / 25
総合点64 / 100
シビックランクC

同社の強みは、「人材を紹介するだけ」で終わらず、派遣、請負、警備、清掃、保育などを通じ、富士急グループや地域の現場を実際に支えていることです。

一方、人材サービスを主力とする会社だからこそ、働く人に関する情報はより厳しく見る必要があります。

女性管理職0%、正規雇用の男女賃金差61.1%という最新数値は、今後の改善状況を追う必要があります。

株式会社富士急ビジネスサポートとは

株式会社富士急ビジネスサポートは1994年5月設立、資本金3,300万円。株主は富士急行株式会社です。

富士急行の最新有価証券報告書でも、同社は連結子会社として掲載され、人材派遣業およびレジャー・サービス関連事業を担う会社と位置付けられています。

事業は、

  • 労働者派遣
  • 有料職業紹介
  • 各種業務請負
  • 警備
  • 社員寮管理
  • 受託観光
  • 清掃等
  • 保育所運営

など幅広いものです。

政府のgBizINFOが職場情報総合サイトから取得した2026年3月時点の情報では、従業員270人、男性110人、女性160人とされています。平均継続勤務年数は男女とも5.0年です。

一方、2026年のハローワーク求人では事業所従業員数241人との記載もあり、集計時点や対象範囲によって数字に差があります。

従業員数そのものについても、基準日と雇用区分を統一して公式サイトで公開すると、より分かりやすくなります。

Safety|28点/50点

Safetyでは、働く人の賃金、休息、公平性、安全、教育などを評価します。

富士急ビジネスサポートは人材そのものを事業の中心とする会社なので、ここは特に重要です。

派遣労働者への賃金と情報公開|7点/10点

公式サイトでは、2024年3月末時点の派遣事業について、

  • 派遣労働者数:11人
  • 派遣先企業数:8社
  • 派遣料金平均:1日8時間16,682円
  • 派遣労働者平均賃金:1日8時間11,265円
  • マージン率:32.4%

を公開しています。

マージン率32.4%だけを見て、「取り過ぎ」と判断することはできません。

公式資料では、このマージン部分には社会保険等の法定福利費、教育訓練、年次有給休暇、運営経費などが含まれると説明しています。

派遣料金と労働者賃金を具体的に公開していること自体は評価できます。

一方、掲載データが2023年度・2024年時点のものにとどまっており、2025年度以降の最新実績への更新が望まれます。

教育・キャリア形成|5点/5点

派遣スタッフにはキャリアコンサルティング相談窓口を設置しています。

教育訓練についても、

  • 未経験の新規採用者:OJT4時間
  • 採用1年経過者の希望者:OFF-JT8時間
  • 研修費用:本人負担なし
  • 研修時間:賃金支給あり

と明記されています。

教育を本人の自己負担にせず、研修時間にも賃金を支給する点は、人材サービス企業として評価できます。

社会保険・健康診断・有給休暇|5点/5点

公式サイトでは、派遣スタッフについて条件を満たせば社会保険や健康診断など富士急ビジネスサポートの福利厚生を受けられると説明しています。

また、6か月継続勤務したスタッフについて、勤務日数に応じて年次有給休暇を付与すると具体的な日数まで公開しています。

制度を明記している点は評価できます。

男女の公平性|2点/10点

ここは大きな課題です。

2026年提出の最新有価証券報告書では、株式会社富士急ビジネスサポートの管理職に占める女性の割合は0.0%でした。

一方、gBizINFO掲載の従業員構成は男性110人、女性160人で、人数では女性の方が多くなっています。

それにもかかわらず女性管理職が0%という点は、昇進・登用の仕組みを確認する必要があります。

男女賃金差も最新年度では、

  • 全労働者:77.3%
  • 正規雇用:61.1%
  • 有期雇用:74.8%

です。

男女賃金差が存在するだけで、同一労働に対する違法な差別があったと断定することはできません。職種、勤続年数、役職、労働時間、雇用区分などでも数字は変わるからです。

だからこそ、なぜ正規雇用で61.1%なのかを説明し、改善目標を公開することが重要です。

労働安全衛生|4点/10点

警備、清掃、施設管理などは、転倒、交通事故、暑熱、夜間勤務などの安全リスクがある業務です。

しかし今回確認した公開資料では、

  • 労災件数
  • 死亡労災
  • 労災度数率
  • 強度率
  • 安全教育実施率

といった株式会社富士急ビジネスサポート単体の安全KPIを確認できませんでした。

「事故が多い」という意味ではありません。

安全実績を外部から確認できる情報が公開されていないことが課題です。

2026年4月にハローワークへ掲載された河口湖駅清掃の求人では、当該求人について時間外労働なし、36協定の特別条項なしとされています。ただし、これは一つの清掃職求人であり、全社員へ一般化はできません。

派遣社員へのフォロー|5点/10点

公式にはキャリア相談制度があります。

一方、転職会議に掲載された2017年当時の派遣社員の口コミでは、営業担当が頻繁に訪問する派遣先とそうでない派遣先があり、派遣先で無理な仕事を任された経験があるとの投稿があります。同時に、電話相談がしやすかったという肯定的な内容も掲載されています。

古い1件の匿名口コミなので、現在の会社全体の実態として扱うことはできません。

ただし派遣会社では、「派遣後にどれだけ労働者を守るか」が非常に重要です。

派遣先訪問率、相談件数、相談後の解決率などを公開できれば評価を高められます。

Innovation|18点/25点

富士急ビジネスサポートはIT企業ではありません。

ここでは、新技術だけでなく、人手不足への対応、就労機会の創出、子育て支援など、人間の生活を改善する仕組みをInnovationとして評価します。

人と仕事を結び付ける仕組み|5点/6点

同社は派遣スタッフと雇用契約を結び、派遣先企業へ人材を送り出しています。

また、紹介予定派遣も扱っており、一定期間実際に働いてから正社員等として入社するかを本人と企業が判断できる仕組みを説明しています。

企業側の人手不足を解消すると同時に、求職者へ複数の就業機会を提供する仕組みです。

企業主導型保育所|5点/5点

富士急ビジネスサポートは、富士急グループの企業主導型保育施設「フジQキッズガーデン」の運営を受託しています。

施設は365日開所し、通常7時30分から18時30分、延長時は21時まで対応。富士急グループ従業員だけでなく、地域住民向けの枠も設けられています。

観光・交通・宿泊業は土日祝日や早朝・夜間勤務も多いため、一般的な平日日中型の保育所だけでは対応できない家庭があります。

勤務形態に合わせた保育を用意することは、「子どもがいるため働けない」という制約を減らす取り組みとして評価できます。

教育による技能向上|4点/5点

新規採用者へのOJTと、採用1年後の能力向上研修を制度化しています。研修費無料・研修時間有給という仕組みも確認できます。

単に人を派遣して手数料を得るだけではなく、技能を高める仕組みを持っている点はプラスです。

地域雇用への貢献|3点/4点

会社自身も、富士急ブランドの人材ネットワークを使い、グループ会社や外部企業への安定的な人材派遣と就業機会の提供を通じて地域社会へ貢献するとしています。

富士山周辺という観光需要の大きな地域で、宿泊、交通、レジャー等の人材を補う役割には社会的価値があります。

DX・業務効率化|1点/5点

今回確認した公開資料では、AI、人員配置最適化、デジタル勤怠、派遣スタッフ向けアプリなどについて、株式会社富士急ビジネスサポート独自の具体的な成果を十分確認できませんでした。

人材サービス企業としては、

  • シフト作成の自動化
  • 勤怠入力のデジタル化
  • 派遣先との情報連携
  • AIによる求人マッチング
  • スタッフの相談状況把握

などで、人間の事務負担をさらに減らせる余地があります。

Protection|18点/25点

Protectionでは、事故や犯罪、情報漏えい、人員不足などから人を守れる仕組みを評価します。

警備による安全確保|5点/6点

富士急ビジネスサポートは警備業務を事業の柱の一つとしています。

富士急グループは多数の観光・交通施設を運営しており、来場者が集まる場所の警備は、人の安全を直接守る仕事です。

一方、警備員教育時間、事故件数、配置人数、救命講習受講率などの実績は十分公開されていません。

個人情報保護|4点/5点

人材会社は、住所、職歴、給与、健康診断など非常に多くの個人情報を扱います。

富士急ビジネスサポートの個人情報保護方針では、不当な目的で個人情報を利用しないことや、従業者が業務上知った情報を第三者へ漏らさないことなどを定めています。

また、富士急グループ全体では情報セキュリティを経営リスクとして位置付け、不正侵入、改ざん、情報漏えい、システム障害などへの対策を進めています。

ただし、ここは親会社・グループ方針と、富士急ビジネスサポート自身の実績を区別する必要があります。

同社単体のセキュリティ監査結果やインシデント件数までは確認できませんでした。

社会保険・健康保護|4点/5点

派遣スタッフについて社会保険や健康診断を明示しており、有給休暇制度も公開しています。

雇用主と実際の勤務先が異なる派遣という働き方では、派遣元が健康・労務管理を確実に行うことが重要です。

制度面は評価できますが、健康診断受診率や労災データがあればさらに評価できます。

働けなくなることへのProtection|3点/4点

同社は派遣、人材紹介、紹介予定派遣など複数の就労ルートを持っています。

さまざまな職場を経験し、自分に合った仕事を探せるという点は、人材会社ならではのProtectionです。

災害・BCP・緊急対応|2点/5点

警備や観光施設支援を手掛ける会社として、災害時の役割は大きいと考えられます。

しかし今回確認した公開情報では、株式会社富士急ビジネスサポート単体について、

  • BCP
  • 災害時の人員確保
  • 安否確認
  • 緊急連絡訓練
  • 警備員の災害訓練
  • 代替拠点

などの具体的な運用実績を確認できませんでした。

親会社や富士急グループに対策があることだけで、子会社へ満点を付けることはしません。

良いニュース

富士急ビジネスサポートでは、目立つ新製品開発よりも、働く人や地域を支える仕組みが評価材料になります。

最新の人的資本データが親会社の有価証券報告書で公開

富士急行の2026年提出有価証券報告書では、連結子会社ごとに女性管理職比率や男女賃金差を掲載しています。

富士急ビジネスサポートについても個別数値が公開されており、外部から課題を確認できる状態になっています。

悪い数値を含めて開示することは、改善の第一歩として評価できます。

地域と従業員を支える保育事業

フジQキッズガーデンは富士急グループ従業員の子どもだけでなく地域枠を設け、365日開所しています。

観光地特有の勤務時間に対応する保育サービスとして、人への還元が具体的です。

派遣スタッフへの有給教育

教育訓練を無料とし、その時間にも賃金を支給する制度を明記しています。

派遣労働者の技能形成という意味で評価できます。

悪いニュース・課題

今回確認した公開情報では、富士急ビジネスサポート単体について、直近の重大な行政処分、大規模事故、死亡事故などを裏付ける信頼性の高い情報は確認できませんでした。

ただし、「検索で見つからなかった」ことを「事故や問題が存在しない」と評価することはしません。

現在明確に確認できる課題は人的資本データです。

女性管理職比率0%

2025年度実績として、女性管理職比率は0.0%です。

女性従業員の人数自体は少なくないため、女性の管理職登用は優先度の高い改善項目です。

正規雇用の男女賃金差61.1%

最新データでは正規雇用労働者の男女賃金差が61.1%です。

前年の公開値は76.9%だったため、最新年度では差が拡大しています。

人数構成や職種構成の変化によって数値が大きく動く可能性はあります。

そのため、会社には単に数値を公表するだけでなく、差が生じる理由と改善方法を説明してほしいところです。

労働安全の成果が見えない

警備、清掃、施設業務などを扱っているにもかかわらず、労災件数や重大事故などを会社単体で継続公開していません。

公開情報がない点はSafetyの減点対象です。

口コミ

株式会社富士急ビジネスサポートは、大手企業ほど口コミ件数がありません。

転職会議では確認時点で口コミ件数が少なく、母数が非常に小さいため、点数そのものを企業全体の評価として使うことはできません。

内容を見ると、派遣社員からは相談しやすかった、さまざまな職場を経験できたという肯定的な趣旨の投稿がある一方、派遣先によって営業担当のフォローに差があったという趣旨の投稿もあります。

いずれも個人の体験であり、特に古い勤務経験に基づく投稿は現在の職場環境を直接示すものではありません。

今回は補助情報としてのみ使用します。

総合評価

株式会社富士急ビジネスサポートは、富士急グループの「人」を支える会社です。

人材派遣だけでなく、

  • 清掃
  • 警備
  • 業務請負
  • 社員寮管理
  • 観光業務
  • 保育

まで担っており、華やかな観光施設の裏側で必要な仕事を担当しています。

特に評価できるのは、

  • 派遣料金と賃金の公開
  • 有給での教育訓練
  • キャリア相談窓口
  • 社会保険・健康診断
  • 紹介予定派遣
  • 365日対応の企業主導型保育所

です。

「働く機会を作る」「働き続けられるよう支える」という会社の役割は、人への貢献として明確です。

一方、人を扱う会社だからこそ、より厳しく改善してほしい部分があります。

最優先は、女性管理職0%と男女賃金差です。

最新の正規雇用男女賃金差61.1%について、職種差、役職差、勤続年数などの原因分析を行い、改善目標と実績を開示してほしいところです。

次に重要なのが安全情報です。

警備や清掃を事業としている以上、

  1. 労災件数・死亡労災・度数率の公開
  2. 女性管理職比率の改善
  3. 男女賃金差の原因と改善目標の公開
  4. 派遣スタッフへの定期面談・訪問実績の公開
  5. 平均残業時間・有休取得率・離職率の公開
  6. 災害訓練・BCP・警備教育の実績公開
  7. 派遣料金・平均賃金データの毎年度更新

を優先して進めてほしいと考えます。

Safety:28点/50点

Innovation:18点/25点

Protection:18点/25点

総合点:64点/100点

シビックランク:C

情報ランク

情報ランク:A

株式会社富士急ビジネスサポート自身が、会社概要、派遣料金、平均賃金、マージン率、教育制度、福利厚生などを公開しています。

さらに、親会社の富士急行が金融庁へ提出した有価証券報告書から、女性管理職比率や男女賃金差を会社別に確認できます。

政府のgBizINFOやハローワークによる第三者・公的情報も利用できます。

一方、

  • 労災件数
  • 平均残業時間
  • 有休取得率
  • 離職率
  • 平均給与
  • セキュリティ事故
  • 災害訓練
  • 派遣スタッフの相談・定着実績

などは十分公開されていません。

また、公式サイトに掲載された派遣事業データが2024年時点で止まっているため、情報の更新頻度にも改善余地があります。

シビックランク:C(64点/100点)

情報ランク:A

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