私たちは、企業を選ぶことで未来の社会を形作ることができます。ホテルやレストランを利用し、そこで食事をし、贈答品や食品を購入する。その一つひとつの利用によって企業に売上と需要が集まり、その企業が現在行っている経営を続ける力になります。
ホテルオークラグループでは、この関係が宿泊施設だけでなく、レストラン、食品販売、ホテル設備や内装といった裏側の事業にも広がっています。料理を作る人、接客する人、施設を整備する人がどのような待遇で働き、安全や衛生へどれだけ投資できるかによって、私たちが受けるサービスの質も変わります。
たとえば、レストランの売上が働く人の賃上げ、十分な休日、調理現場の安全、教育へ使われれば、無理の少ない環境で質の高いサービスを続けやすくなります。反対に、人手不足や長時間労働、ハラスメント、安全上の問題を改善しないままでも利用され続ければ、その環境でも事業を続けられます。
今回対象とする「ホテルオークラグループ各社」は、ホテルオークラ系の個人情報保護方針で定義されている株式会社ホテルオークラエンタープライズ、株式会社ホテルオークラスペースソリューションズ、株式会社コンチネンタルフーズの3社です。ホテルオークラ全体にはほかにも多数の関連会社がありますが、今回の審査対象には含めません。
この3社の中では、ホテルオークラエンタープライズの情報公開が最も進んでいます。2025年度の月平均所定外労働時間は20時間、平均有給休暇取得日数9.1日、育児休業は男性1人・女性5人の対象者全員が取得しており、男女とも取得率100%でした。一方、年間休日は105日です。
コンチネンタルフーズの2026年採用情報では、月給20万~35万円、実働7時間30分、年間休日104日、賞与年2回、住宅手当や育児・介護休暇などを確認できます。2026年3月期は純利益1,600万円で、前期から増益となりました。
一方、ホテルオークラスペースソリューションズは、ホテル設備・内装の施工や監修、資材調達を担う企業であることは確認できますが、現在の平均給与、労働時間、休日、労災、育児休業、安全教育、BCPなどについて公開情報が非常に限られています。
3社をまとめて評価すると、ホテルオークラブランドを食、サービス、空間の面から支える役割は大きい一方、会社ごとの情報公開にはかなり差があります。
Safety・Innovation・Protectionの3軸で評価した結果、ホテルオークラグループ各社は44点、シビックランクEとなりました。
なお、この44点は3社の単純平均ではありません。3社を一つの対象として見たとき、確認できる制度・成果だけを加点し、1社だけで確認できた制度を3社共通制度として扱わない保守的な採点です。
ホテルオークラグループ各社の企業審査結果
| 評価軸 | 得点 |
|---|---|
| Safety | 25/50 |
| Innovation | 13/25 |
| Protection | 6/25 |
| 総合 | 44/100 |
| シビックランク | E |
| 主な強み | 主な課題 |
|---|---|
| エンタープライズは育休取得率男女100% | 3社共通の平均給与・賃上げ率が不明 |
| エンタープライズは月平均残業20時間 | 年間休日は104~105日 |
| ONEラーニング約300講座 | スペースソリューションズの労働情報が少ない |
| エンタープライズは平均勤続14年 | 労災件数・度数率の公開が弱い |
| コンチネンタルフーズは2026年増益 | ハラスメント対応実績の公開が弱い |
| 食・レストラン・施設運営を幅広く展開 | 自動化による負担削減実績が不明 |
| 個人情報保護・アクセス制御等のグループ方針 | BCP・実測復旧時間が非公表 |
| ホテル施設の設備・内装までグループ内で対応 | 個社ごとのサイバー対策が見えにくい |
今回審査する「ホテルオークラグループ各社」とは
ホテルオークラには多数の子会社・関連会社があります。
しかし、ホテルオークラ系ホテルの個人情報保護方針で「ホテルオークラグループ各社」と定義されているのは、次の3社です。
| 会社 | 主な役割 |
|---|---|
| 株式会社ホテルオークラエンタープライズ | レストラン、食品販売、施設運営など |
| 株式会社ホテルオークラスペースソリューションズ | 設備・内装施工、監修、資材調達 |
| 株式会社コンチネンタルフーズ | レストラン事業 |
ホテルオークラ全体の関連会社一覧では、ホテルオークラ東京、ホテルオークラ神戸、ホテルオークラ福岡、オークラ ニッコー ホテルマネジメントなど、多数の企業が別に掲載されています。
したがって、「ホテルオークラグループ各社」という文言を見て、すべてのホテルオークラ系列会社を意味すると解釈すると範囲が広すぎます。
今回は、公式の共同利用規定に明示された3社を対象にします。
各社の役割と人間への貢献
3社はそれぞれ違う役割を担っています。
利用者から見えるレストランだけではなく、その料理を商品化する会社や、快適なホテル・レストラン空間をつくる会社まで含まれます。
株式会社ホテルオークラエンタープライズ
1973年設立で、2025年4月時点の社員数は225人です。
ホテルオークラが100%出資しています。
レストラン運営だけでなく、
・ホテル・料飲施設の運営受託
・食品製造・販売
・ホテル関連商品の販売
・施設運営
・厨房等の企画
・旅行関連業務
など幅広い事業を手掛けています。
病院内レストラン、東京国立博物館内レストラン、公共施設なども運営してきました。
ホテル利用者だけではなく、美術館や病院などを利用する人へ食事を提供する企業でもあります。
株式会社ホテルオークラスペースソリューションズ
ホテルオークラが70%の議決権を持つ関連会社で、設備内装の施工・監修、資材調達などを担当しています。
2026年時点の企業情報では、資本金5,000万円、所在地は東京都港区虎ノ門とされています。
ホテルでは客室、レストラン、厨房、宴会場など、空間そのものがサービスの一部です。
安全な設備、使いやすい厨房、働く人の負担が少ない動線、災害時にも安全な内装をつくることができれば、利用者だけでなく現場で働く人の安全にもつながります。
一方、その成果を判断できる労災、安全、施工改善などの数値はほとんど公開されていません。
株式会社コンチネンタルフーズ
名古屋を中心にホテルオークラレストランを運営しています。
ホテルオークラの有価証券報告書ではレストラン事業を行う連結子会社として掲載され、ホテルオークラエンタープライズを通じた間接保有を含む議決権比率は97.7%です。
Gビズインフォでは、社会保険の被保険者数41人が確認できます。
2026年3月期の純利益は1,600万円、利益剰余金3,900万円、総資産2億1,100万円でした。
利益が増えているため、今後その成果を賃金、休日、人材確保などへどう戻すかが重要です。
Safety 25/50
Safetyでは、働く人が適切な賃金と休息を得て、安全・健康に働けるか、利用者へ安全な商品やサービスを提供できるかを評価します。
3社の中ではホテルオークラエンタープライズの情報が最も充実しています。
一方、スペースソリューションズは働き方や安全の公開が非常に少なく、コンチネンタルフーズも平均残業や労災実績などまでは確認できません。
賃金・利益の還元 5/10
ホテルオークラエンタープライズの中途採用では、月給20万~35万円、昇給原則年1回、賞与原則年2回となっています。
時間外勤務手当は別途支給され、固定残業代はありません。
Yahoo!しごとカタログの投稿者集計では平均年収452万円となっていますが、会社公式の平均年収ではないため参考情報として扱います。
コンチネンタルフーズも月給20万~35万円、賞与年2回、昇給年1回です。
また、2026年3月期には純利益が1,600万円へ増加しています。
一方、
・3社の平均給与
・直近のベースアップ率
・利益増加分の社員還元率
・スペースソリューションズの給与実績
について公開情報がありません。
そのため5/10点です。
労働時間・休息 4/10
ホテルオークラエンタープライズの2025年度の月平均所定外労働時間は20時間です。
平均有給休暇取得日数は9.1日でした。
求人上の年間休日は105日で、月8日休みに特別休日9日を加える仕組みです。
コンチネンタルフーズは年間休日104日で、月8日休み+特別休日8日です。
ホテル・外食業では土日祝日も営業するためシフト勤務自体は避けにくいものの、年間休日104~105日は、十分な自由時間を確保していると高く評価できる水準ではありません。
さらにスペースソリューションズについて、現在の平均残業や年間休日を確認できる公開情報がありません。
そのため4/10点です。
雇用の安定・待遇の公平性 3/5
ホテルオークラエンタープライズの平均勤続年数は2025年度で14年です。
長く働く社員が存在することは雇用安定性の一つの材料になります。
一方、役員・管理的地位にある80人のうち女性は3人で、女性比率は3.8%です。
働く女性そのものが少ないとは限りませんが、管理職登用には大きな改善余地があります。
コンチネンタルフーズ、スペースソリューションズでは同様の指標が十分に公開されていません。
そのため3/5点です。
福利厚生・育児・介護 5/5
ホテルオークラエンタープライズでは、2025年度の育児休業対象者が男性1人、女性5人で、6人全員が取得しました。
男女とも育休取得率100%です。
社会保険、財形貯蓄、確定拠出年金などもあります。
コンチネンタルフーズも育児休暇、介護休暇、住宅手当、社会保険などを設けています。
スペースソリューションズ単体では制度詳細を確認できませんが、確認できた会社の制度は具体的です。
対象3社すべてで育休実績を確認できたわけではないものの、公開されている制度水準を評価し5/5点としました。
人権・ハラスメント・労使関係 2/5
ホテルオークラエンタープライズでは、新入社員研修、フォローアップ研修、約1年間のジョブローテーション研修などを実施しています。
一方、ハラスメント相談件数、是正件数、内部通報件数などの結果情報は確認できません。
転職会議では2025年の投稿として、特定の職場におけるパワハラや人手不足を訴える口コミもあります。これは匿名口コミであり、会社全体の事実とは断定できませんが、現場情報として無視もしません。
会社側の相談制度や是正実績が公開されれば、口コミとの比較ができます。
現在は2/5点です。
労働安全・健康 2/10
エンタープライズは調理、レストラン運営、食品製造を行い、スペースソリューションズは内装・設備施工を行います。
調理現場には火傷、刃物、重量物、転倒などがあり、建設・施工には墜落、工具、資材など別の危険があります。
しかし、
・死亡労災
・休業災害件数
・度数率
・安全訓練回数
・ヒヤリハット件数
・改善後の事故減少率
など、3社の現在の安全成果を判断できる情報はほぼ公開されていません。
特に施工会社を含むグループとして、安全実績の非公表は大きな課題です。
そのため2/10点です。
商品・サービスの安全 4/5
ホテルオークラエンタープライズは長年にわたりホテル、レストラン、食品販売などを行っています。東京都の食品営業許可資料でも、東京国立博物館内の店舗などの営業許可を確認できます。
今回の調査では、対象3社について直近の大規模な食中毒、重大製品回収、重大な行政処分を示す信頼できる公開情報は確認できませんでした。
ただし、事故・食中毒件数や自主検査結果などを定量的に公表しているわけではありません。
重大問題を確認していないことと、「事故がないことを企業が証明している」ことは別です。
そのため4/5点です。
従業員・元従業員の口コミ
ホテルオークラエンタープライズについては、複数の口コミサイトで従業員・元従業員の声を確認できます。
OpenWorkの集計では、月間残業30時間、有給消化率31.6%というデータが掲載されています。
転職会議の集計では残業42時間、有給消化率20.6%となっています。
一方、現在の会社公表値では月平均所定外労働20時間、有給取得9.1日です。
調査対象・投稿時期・計算方法が異なるため、これらを直接同じ数字として比較することはできません。
Indeedには2025年12月の口コミとして、勤務経験を振り返り「この会社に入って良かったかなと思います」という趣旨の投稿もあります。
良い口コミと厳しい口コミの両方が存在するため、匿名口コミだけで会社全体を判断せず、公式数値との両方を見ます。
SNS・匿名掲示板の確認結果
会社名と残業、退職、パワハラ、食中毒、事故などを組み合わせて確認しました。
ホテルオークラエンタープライズについては口コミサイト上の情報を確認できましたが、Xや匿名掲示板から採点を変更できるほど対象会社・時期・事実関係が明確な投稿は今回の採点には使用していません。
情報が見つからないこと自体は減点していません。
Innovation 13/25
ホテルオークラグループ各社は、食、接客、施設空間というホテルサービスの主要部分を支えています。
一方、「人の作業を具体的に何時間減らしたか」「危険作業を何件なくしたか」というInnovation評価に必要な数字は少なく、ここは評価が伸びませんでした。
作業負担・危険の削減 4/10
スペースソリューションズはホテルや施設の設備・内装を担当します。
厨房やレストラン、ホテルの動線や設備を改善すれば、現場作業を楽にできる可能性があります。
エンタープライズも幅広い施設運営を行っています。
しかし、
・自動調理設備の導入
・配膳・発注の自動化
・重量物作業削減
・厨房内動線改善による歩行距離削減
・施工現場の危険作業自動化
といった導入前後の具体的成果は確認できませんでした。
そのため4/10点です。
商品・サービスの改善 4/5
ホテルオークラエンタープライズは、1973年の設立以降、レストランだけでなく百貨店、博物館、病院、公共施設、食品販売などへ事業を広げてきました。
利用者がホテルへ行かなくても「ホテルオークラの味」を利用できる事業を展開している点は、サービスの利用機会を広げています。
コンチネンタルフーズもレストラン運営を継続し、2026年にもサービス・調理・事務職などを募集しています。
継続的なサービス運営を評価し4/5点です。
改善成果の人間への還元 1/5
エンタープライズでは育休制度や研修制度など、人材への投資は確認できます。
一方、
・効率化で減った作業時間
・その結果減った残業
・増えた休日
・上昇した賃金
・人員削減を行ったか
・配置転換を行ったか
という技術改善と働く人への還元の因果は確認できません。
そのため1/5点です。
研究開発・現場改善の継続 4/5
ホテルオークラエンタープライズは1973年からレストラン・食品関連事業を続け、運営施設を広げてきました。
また、従業員教育では「ONEラーニング」と呼ばれるグループ独自のeラーニングを提供し、英語・中国語を含む約300講座を展開しています。
技術そのものだけでなく、人材の技能向上を継続している点は評価できます。
ただし、現場改善の成果を時間・事故・生産性で示す情報が不足するため4/5点です。
自動化・AI導入後の雇用状況
今回対象とした3社について、AI、RPA、ロボットなどの導入後に大規模な人員削減を行ったという公開情報は確認できませんでした。
一方、どの作業を自動化し、何時間削減し、その後の人員をどう配置したのかという情報もほとんどありません。
「自動化による雇用悪化が確認されない」だけでは加点できません。
今後は、
・導入した技術
・削減した作業時間
・配置転換
・新規採用数
・残業時間
・休日増加
まで公表してほしいところです。
Protection 6/25
Protectionでは、地震、火災、感染症、サイバー攻撃、サプライチェーン寸断などが起きても事業を維持し、人の生活を守れるかを評価します。
ホテル・レストランは非常時の宿泊や食事の提供にも関係する事業ですが、今回の3社ではBCPや復旧実績の情報公開がかなり不足しています。
災害への備え・訓練 1/5
ホテルオークラグループとして災害への配慮が行われている可能性はありますが、対象3社について、
・BCP訓練頻度
・参加人数
・避難訓練結果
・非常食備蓄量
・非常電源
・災害時の社員参集体制
を具体的に確認できる公開情報はありませんでした。
一般的な施設運営を行っていることのみを最低限評価して1/5点です。
生産・物流・調達の代替 2/5
ホテルオークラエンタープライズは東京都内を中心に複数のレストラン・施設を運営し、食品販売も行っています。
複数事業所を持つため、一店舗だけに依存している企業ではありません。
スペースソリューションズは設備・内装資材の調達も担っています。
一方、主要食材や設備資材について、
・複数仕入先化
・代替物流
・備蓄日数
・災害時の供給切替
などの情報は公開されていません。
そのため2/5点です。
サイバー防衛・情報保護 2/5
オークラ ニッコー ホテルズの個人情報保護方針では、情報セキュリティ方針の策定、従業員への定期教育、アクセス制御、暗号化、セキュリティソフト、物理的入室管理などの対策を示しています。
また、ホテルオークラグループ各社は顧客情報の共同利用者として明示されています。
しかし、この方針だけで3社それぞれのSOC、CSIRT、多要素認証、EDR、バックアップ訓練などの実装を確認したとは扱いません。
そのため2/5点です。
供給継続・復旧能力 0/5
対象3社について、
・目標復旧時間
・バックアップサイト
・システム復旧訓練
・店舗停止時の代替営業
・厨房停止時の代替供給
・施工拠点停止時の代替体制
などの具体的な公開情報を確認できませんでした。
公開情報がない点は課題です。
そのため0/5点です。
危機時の市民への対応 1/5
エンタープライズは病院、美術館、公共施設などでも飲食施設を運営してきた実績があります。
こうした施設は通常時にも市民生活と接点があります。
一方、地震や豪雨などの際に、
・避難者へ食事を提供した
・施設を開放した
・被災地へ物資を提供した
・行政と災害協定を締結した
といった対象3社固有の実績は今回確認できませんでした。
そのため1/5点です。
人への還元
ホテルオークラグループ各社で最も明確に人への還元を確認できるのは、ホテルオークラエンタープライズです。
育休対象者6人全員が取得し、平均勤続14年、約300講座のeラーニングもあります。
これは「人を育てながら働き続けてもらう」という方向では評価できます。
一方、年間休日105日は多いとはいえません。
コンチネンタルフーズも年間休日104日です。
接客や調理は人間の感情・体力を使う仕事です。
ブランド価値を守るためにも、
・休日を増やす
・残業を減らす
・利益増加を賃上げへ戻す
・厨房や施工の危険作業を減らす
・ハラスメント相談結果を公開する
といった改善が必要です。
特にコンチネンタルフーズは2026年3月期に増益となっているため、その成果が今後の給与や休日へどう反映されるかを確認したいところです。
良いニュース・最近の前向きな動き
今回の対象3社では、大規模な新技術発表よりも、雇用制度、人材育成、事業の安定性に前向きな材料がありました。
こうした会社へ売上が集まり、その成果がさらに人材育成や待遇改善へ使われれば、質の高いサービスを無理の少ない働き方で提供できる社会へ近づきます。
エンタープライズ 2025年度の育休取得率が男女100%
2025年度は男性1人、女性5人が育児休業の対象となり、6人全員が取得しました。
人数自体は大きくありませんが、男性対象者も実際に取得していることは重要です。
ホテル・外食業ではシフト勤務が中心であるため、育休取得者が出ても現場が回る人員配置を整える必要があります。
今後は取得日数や復職率まで公表されれば、制度の実効性をさらに判断できます。
ONEラーニングで約300講座を提供
ホテルオークラエンタープライズでは、グループ独自のeラーニング「ONEラーニング」を利用できます。
英語、中国語版を含む約300講座があるとされています。
接客、調理、語学など、人の技能がサービス品質へ直結する業界では、人材教育そのものがInnovationです。
コンチネンタルフーズ 2026年3月期も黒字
2026年3月期の純利益は1,600万円で、前年1,100万円から増加しました。
利益剰余金も3,900万円へ増えています。
会社の財務が安定すれば、賃上げ、休日増、人員採用、設備改善へ投資できる余地も大きくなります。
今後は利益増加が実際に働く人へどう還元されたかを公表してほしいところです。
悪いニュース・問題となった動き
今回の3社では、直近の大規模事故や食中毒よりも、情報公開不足と働き方の問題が大きな課題です。
問題が外部に出ていないから安全なのではなく、「安全であることを判断する数字が公開されていない」という別の問題があります。
エンタープライズの年間休日105日
ホテルオークラエンタープライズの年間休日は105日です。
月平均残業は20時間まで公表されていますが、ホテル・外食業で長く働き続けてもらうには、休日数をさらに増やしたいところです。
コンチネンタルフーズの年間休日104日
コンチネンタルフーズも年間休日104日です。
会社が黒字を維持し、利益が増加しているのであれば、その一部を増員や休日増加へ使う選択肢があります。
スペースソリューションズの安全情報が極めて少ない
ホテルオークラスペースソリューションズは内装・設備関連の会社です。
施工を扱う以上、安全管理は非常に重要です。
しかし現在の社員数、労働時間、休日、労災件数、安全教育、施工事故など、審査に必要な公開情報を十分確認できませんでした。
公開情報が少ない点は採点上の課題です。
ハラスメントを指摘する従業員口コミ
ホテルオークラエンタープライズについて、2025年の転職会議投稿には、職場によってパワハラやいじめ、人員不足を感じるという厳しい声があります。
匿名の個人投稿であり、内容が会社全体に当てはまるとは断定できません。
しかし、会社側から相談件数・調査件数・是正実績が公開されていないため、外部から状況を比較検証しにくい状態です。
総合評価と、これから改善してほしいこと
現在44点・シビックランクEです。
Dは50点からなので、次のランクまであと6点です。
最大の強みは、ホテルオークラエンタープライズを中心に育児支援、人材教育、長期雇用の実績が確認できることです。
一方、
・年間休日104~105日
・施工会社の安全情報不足
・3社共通の労災情報不足
・自動化による負担削減の成果不足
・BCPと復旧時間の非公表
が評価を下げています。
年間休日を増やしてほしい
現在の「労働時間・休息」は4/10点です。
エンタープライズ105日、コンチネンタルフーズ104日となっています。
例えば年間115日以上へ増やし、残業時間も継続的に削減できれば、4→6点以上を検討できます。
+2点で46点です。
労災・施工事故を数字で公開してほしい
現在の「労働安全・健康」は2/10点です。
特にスペースソリューションズは施工を行うため、安全成果の公開が重要です。
3社それぞれについて、
・死亡労災
・休業災害
・度数率
・ヒヤリハット
・安全訓練
・事故後の改善
を公表し、事故が少ない状態を実証できれば2→5点程度を検討できます。
+3点で47点です。
効率化を自由時間へ返してほしい
現在の「改善成果の人間への還元」は1/5点です。
ホテル・レストランには、予約、発注、在庫、配膳、清掃、厨房管理など自動化できる業務があります。
導入後に、
「年間○時間削減」
「残業○時間減少」
「休日○日増加」
まで示すことができれば1→3点を検討できます。
+2点で46点です。
BCPと実測復旧時間を公開してほしい
現在の「災害への備え・訓練」は1/5点、「供給継続・復旧能力」は0/5点です。
地震や火災で店舗・厨房・事務システムが止まった場合、
・代替拠点
・非常電源
・代替食材仕入れ
・バックアップ
・目標復旧時間
・訓練で実際に復旧できた時間
を公表できれば大きく評価できます。
災害への備え1→3点、復旧能力0→2点なら合計+4点です。
次のランクへ上がる具体例
| 改善項目 | 現在 | 改善後 | 加点 |
|---|---|---|---|
| 労働時間・休息 | 4/10 | 6/10 | +2 |
| 労働安全・健康 | 2/10 | 4/10 | +2 |
| 災害への備え・訓練 | 1/5 | 2/5 | +1 |
| 供給継続・復旧能力 | 0/5 | 1/5 | +1 |
| 合計 | 44点 | 50点 | +6 |
この組み合わせなら総合50点となり、シビックランクDへ上がります。
ホテルオークラというブランドを選ぶとき、私たちが支えているのは客室や料理だけではありません。
料理を作る人、接客する人、商品を届ける人、ホテル空間を整える人がどのように働くのかも、その売上によって続いていきます。
育休や教育制度の強みを残しながら、休日を増やし、安全実績とBCPを具体的に公開できれば、「高品質なサービス」と「そこで働く人の豊かな生活」を両立する企業グループへ近づきます。
出典一覧
1.オークラ東京「プライバシーポリシー」
ホテルオークラグループ各社の定義。
2.Okura Nikko Hotels「オークラ関連会社」
ホテルオークラ全体の関連会社・議決権比率。
3.株式会社ホテルオークラエンタープライズ「企業概要」
事業内容、資本金、社員数等。
4.マイナビ「株式会社ホテルオークラエンタープライズ 働き方データ」
平均勤続年数、残業、有給、育休、女性管理職、研修制度。
5.株式会社ホテルオークラエンタープライズ「採用情報」
給与、休日、福利厚生等。
6.中国料理 桃花林「2026年採用情報」
株式会社コンチネンタルフーズの給与、勤務時間、年間休日、福利厚生。
7.ホテルオークラ 2026年3月期有価証券報告書
コンチネンタルフーズの連結関係、ホテルオークラグループの従業員情報。
8.株式会社コンチネンタルフーズ 第51期決算公告
2026年3月期の純利益等。
9.Gビズインフォ「株式会社コンチネンタルフーズ」
社会保険被保険者情報。
10.doda「株式会社ホテルオークラスペースソリューションズ」
会社概要。
11.Okura Nikko Hotels「個人情報保護方針」
情報セキュリティ・共同利用。
12.OpenWork「ホテルオークラエンタープライズ」
従業員口コミ集計。
13.転職会議「ホテルオークラエンタープライズ」
残業・有給集計、従業員口コミ。
14.Indeed「ホテルオークラエンタープライズ」
従業員口コミ。
シビックランクの基準
| シビックランク | 点数 |
|---|---|
| S | 90~100点 |
| A | 80~89点 |
| B | 70~79点 |
| C | 60~69点 |
| D | 50~59点 |
| E | 40~49点 |
| F | 20~39点 |
| G | 0~19点 |
ホテルオークラグループ各社は44点のため、今回のシビックランクはEです。
情報ランクの基準
| 情報ランク | 基準 |
|---|---|
| S | 公的機関、裁判所、規制当局、独立した第三者機関の調査・監査・検証・認証など、内容そのものに独立した裏づけがある情報 |
| A | 企業公式資料、採用情報、公式声明・SNS、記名取材など、発信主体を確認できる公表情報 |
| B | 従業員・元従業員の口コミ、一般SNS、匿名掲示板など、発信者の身元や対象企業との関係を独立に確認しにくい情報 |
情報ランクは情報の出どころと検証状態を示すもので、企業の良し悪しを評価するシビックランクとは別です。
Sは独立した第三者の裏づけがあるため、最も強い根拠として扱います。
AとBは単純な上下関係ではなく、公表情報と現場側情報という性質の違いです。
