私たちは、企業の商品を購入したり、サービスを利用したりすることで、そこで働く人たちの未来を変えることができます。
働く人に十分な賃金を払い、休暇を確保し、安全な職場をつくり、人の負担を減らす企業の商品やサービスが選ばれれば、そうした企業により多くの売上が集まります。その結果、働く人を大切にする経営を続けやすくなります。
反対に、低賃金や長時間労働、安全上の問題を改善しない企業の商品やサービスが売れ続ければ、そうした働かせ方のままでも事業を続けることができます。
だからこの企業審査では、「私たちがお金を使うなら、どの企業を選ぶことが、そこで働く人にとってより良い社会につながるのか」という視点から企業を評価します。
今回審査する富士山麓電気鉄道株式会社は、総合61点、シビックランクCです。
富士山麓電気鉄道株式会社の特に強い点は、最新の安全報告書で2024年度の運転事故0件、インシデント0件、有責輸送障害0件を達成し、安全投資として2億8百万円を投入している点です。
そのため、この企業の鉄道やロープウェイを利用すれば、事故を防ぐ設備更新、乗務員の健康管理、防災訓練を続ける企業に売上と需要が集まり、地域の移動を安全に維持しやすい社会になる可能性が高まります。
一方で、改善点として、現在の採用情報で年間休日が102日にとどまること、2026年3月期の女性管理職比率が0%、正規雇用労働者の男女賃金比率が72.9%であることが残ります。また、モバイルチケットやWEB予約、駅業務のデジタル化が、従業員の作業時間・残業・必要人数・賃金・休日へどの程度還元されたかは公表されていません。
この記事では、富士山麓電気鉄道株式会社の強みと課題をさらに詳しく企業審査していきます。
富士山麓電気鉄道株式会社の企業審査結果
富士山麓電気鉄道は、輸送安全、防災訓練、地域交通としての継続性に強みがあります。一方、年間休日、男女間の待遇差、対象会社単体の労災情報、デジタル化の成果を働く人へ返したことの定量開示が総合点を抑えました。
| 評価軸 | 点数 |
|---|---|
| Safety | 29 / 50 |
| Innovation | 16 / 25 |
| Protection | 16 / 25 |
| 総合 | 61 / 100 |
| シビックランク | C |
主な強み
・2024年度の運転事故0件、インシデント0件、有責輸送障害0件
・2024年度の安全投資2億8百万円、2025年度計画4億7千万円
・運転士への脳ドック、睡眠時無呼吸症候群検査、深夜勤務者への年2回健康診断
・警察、消防、JR東日本との異常時合同訓練を実施
・大規模災害時の備蓄品を駅へ配置
・2025年3月に山梨県の指定地方公共機関に指定され、感染症などでも継続運行体制を強化
主な課題
・運転士候補、駅員、アテンダントなどの年間休日が102日
・2026年3月期の女性管理職比率0%
・男女賃金比率は全労働者68.6%、正規雇用72.9%
・対象会社単体の労働災害件数・休業災害・度数率を公開していない
・モバイルチケットやWEB予約導入後の作業時間削減、人員再配置、残業・休日への還元が未開示
・サイバー防御の具体的な導入範囲やRTO・RPOの公開が限定的
事業内容と人間への貢献
富士山麓電気鉄道は、大月駅から河口湖駅まで26.6kmを結ぶ富士急行線と、河口湖畔から天上山富士見台を結ぶロープウェイを運営しています。地域住民の通勤・通学と、富士山・富士五湖を訪れる観光客の移動を同時に支える交通会社です。
2025年4月から2026年3月までの鉄道輸送人員は440万7千人で、うち定期利用者は109万1千人でした。観光だけではなく、毎日の通勤・通学に使われる地域インフラでもあります。
基本情報
・会社名:富士山麓電気鉄道株式会社
・設立:2021年5月25日
・鉄道事業開始:2022年4月に富士急行株式会社から鉄道事業を承継
・本社:山梨県南都留郡富士河口湖町船津3641番地
・代表者:代表取締役社長 石井謙一
・資本金:1億円
・事業:鉄道事業、索道事業等
・富士急行線:大月~河口湖26.6km、18駅
・2025年度輸送人員:440万7千人
・GビズINFOの社会保険適用事業所情報では被保険者数126人
主な事業内容
富士急行線では、普通列車、フジサン特急、富士山ビュー特急、JR中央線から直通する特急「富士回遊」などを運行しています。
索道事業では「~河口湖~富士山パノラマロープウェイ」を運営しています。
駅や列車ではSuicaなど交通系ICカード、モバイルチケット、WEB特急券予約などを導入し、外国人観光客への多言語案内も進めています。
主な利用者・取引先
沿線住民、学生、通勤者、国内外の観光客が主な利用者です。JR東日本と直通特急を運行し、警察・消防とも安全訓練で連携しています。
事業による人間への貢献
鉄道があることで、自動車を運転できない学生、高齢者、観光客でも大月、都留、富士吉田、河口湖の間を移動できます。
2025年度には定期利用者が前年比6.0%増えました。地域住民からの要請を受けて高校生以下の通学定期券を値下げしており、学生が学校へ通う交通費を下げる役割も果たしています。
鉄道は道路渋滞に左右されにくく、大量の人を一度に運べるため、富士山観光の混雑緩和にも役立ちます。
Safety|29 / 50
Safetyでは、働く人の賃金、休息、雇用、福利厚生、人権、労働安全と、利用者の輸送安全を評価します。富士山麓電気鉄道は利用者の安全対策は非常に具体的ですが、従業員の休日数と待遇差には改善余地があります。
賃金・利益の還元|4 / 10
現在の採用情報では、運転士候補と駅員は月給19万5,000円から、技術職は高卒19万円、大卒エキスパート職21万8,000円、大卒総合職22万9,000円からです。賞与は年2回の支給制度があります。
2026年8月掲載の総務求人では月給20万9,000円~24万5,000円、残業月20時間程度という募集例も確認できます。
一方、対象会社単体の平均年間給与、中央値、賃上げ率、営業利益の増加分を従業員へどれだけ還元したかという情報は公表されていません。
鉄道事業の2026年3月期営業収益は30億8,341万円ですが、その収益と従業員の賃上げを直接比較できないため4点です。平均年収、ベースアップ率、利益還元額まで公開できれば6点以上を検討できます。
労働時間・休息|4 / 10
運転士候補、技術職、鉄道アテンダント、駅員の採用情報では、基本の実働時間は7時間42分、休憩1時間です。
一方、年間休日は102日です。運転士候補、アテンダント、駅員はいずれも102日で、総合職も駅務員の場合は102日とされています。
転職会議では投稿者平均残業10.5時間/月、有給消化率60%です。残業時間だけを見ると極端に長くありませんが、2026年7月5日の契約社員投稿には「休みが少ない」との記載があります。2024年のYahoo!しごとカタログの駅員投稿にも「有給もなかなか取れず」との記載があります。
口コミは情報ランクBであり全社を代表するものではありません。ただし、会社自身が年間休日102日を示しているため、休息面は明確な改善課題です。
年間休日を115日以上へ増やし、職種別の残業・拘束時間・有給取得率まで公開できれば6点以上を検討できます。
雇用の安定・待遇の公平性|3 / 5
2027年度新卒採用を開始し、運転士候補、技術職、総合職、アテンダント、駅員を募集しています。運転士候補や駅員は契約社員から正社員への登用実績があり、技術職・総合職では正社員募集も行っています。
2026年3月期の男性育児休業取得率は100%です。
一方、管理職に占める女性割合は0%でした。また、男女賃金比率は全労働者68.6%、正規雇用72.9%、有期雇用85.9%です。
雇用を継続し採用も続けている点は評価できますが、管理職登用と賃金差の改善余地が大きいため3点です。
福利厚生・育児・介護|4 / 5
採用情報では、社会保険、制服・作業服、当社線乗車証、独身寮、企業内保育所、富士急グループ施設利用優待などを確認できます。
2026年3月期の男性育児休業取得率は100%です。富士急グループでは育児休業取得時の給与補填、子どもが小学校3年生になるまでの育児短時間勤務、中学校就学前までのスライド勤務、ストック有給休暇制度なども公表しています。
対象会社の採用ページで企業内保育所を明示し、男性育休取得率も対象会社単体で100%を確認できるため4点です。
一方、女性の育休取得率、介護休業利用人数、育児制度の利用者数などは対象会社単体で公表されていません。
人権・ハラスメント・労使関係|3 / 5
2025年3月制定の富士急グループ人権方針は、グループの全役員・従業員に適用されます。国際人権規範、ILO宣言、救済、教育・研修、情報開示を明記しています。
また、富士急グループ各社を対象にカスタマーハラスメント行動指針を設け、従業員の尊厳と就業環境を守るため、警察・弁護士との連携、相談・報告体制の整備を明記しています。
一方、2026年7月の転職会議には、職場で怒鳴られることやデリカシーのない会話への不満を示す投稿があります。個人の投稿であり事実認定はできませんが、対象会社単体のハラスメント相談件数、是正件数、研修結果は公表されていません。
方針は対象会社に適用されることが確認できるものの、実績開示が不足するため3点です。
労働安全・健康|6 / 10
安全報告書では、深夜時間帯に安全関係業務へ従事する職員に年2回の健康診断を実施しています。
運転士には脳ドックと睡眠時無呼吸症候群検査を行い、出退勤時のアルコールチェック、産業医が参加する月1回の安全衛生委員会、職場巡視、健康相談も実施しています。
2025年には有人駅へWBGT計測器を設置し、屋外作業者へ熱中症アラートウォッチを配布するなど、暑熱対策も強化しました。
一方、対象会社単体の労働災害件数、休業災害、度数率、熱中症発生件数は公開されていません。
輸送安全の情報は詳しい一方、従業員自身の労災実績が十分見えないため6点です。労災件数と原因、再発防止、翌年度の改善結果を公表できれば8点を検討できます。
商品・サービスの安全|5 / 5
最新の安全報告書では、2024年度の運転事故0件、インシデント0件、有責輸送障害0件でした。
輸送障害そのものは3件あり、地震による遅延、鹿との衝突による車両故障、踏切輸送障害による運休・遅延でしたが、会社有責の輸送障害は0件です。
安全投資は2024年度に2億8百万円を実施し、変電所遠隔制御装置、配電線、擁壁、木柱のコンクリート化などを更新しました。2025年度は4億7千万円の安全投資を計画し、ATS、踏切遮断機、石積補強、避雷針などの更新を予定しています。
踏切への多言語注意看板、人感センサー音声案内、侵入防止フェンス、防犯カメラ、駅係員呼出インターホンも導入しています。
事故実績と設備投資の両方が具体的に公開されているため5点です。
従業員・元従業員の口コミ
転職会議では口コミ5件、総合評点2.75、投稿者平均残業10.5時間/月、有給消化率60%です。
2026年7月5日投稿の20代前半男性・契約社員は、退職理由に関して「休みが少ない」と記載しています。情報ランクBです。
同日のワークライフバランスに関する投稿では「運転手とかは休みを取りにくい」との記載があります。情報ランクBです。
Yahoo!しごとカタログでは、2024年12月10日の20代男性・正社員・駅員の投稿に「有給もなかなか取れず」との記載があります。情報ランクBです。
これらは個人の体験であり全社員へ一般化はしません。ただし、公式の年間休日102日と同じ方向で休息への不満が確認されるため、労働時間・休息の評価に補助的に使用しました。
SNS・匿名掲示板の確認結果
X、5ちゃんねる、爆サイ、Facebook、YouTube、TikTokについて会社名と残業、退職、駅員、運転士、ハラスメントなどを組み合わせて確認しました。
今回の採点に利用できるほど、本人と対象会社との関係、時期、職種、本文を安定して確認できる現社員・元社員投稿は確認できませんでした。TikTokは検索時にアクセス制限があり、本文確認を行えませんでした。
そのため、SNS・匿名掲示板による追加の加点・減点は行っていません。
Innovation|16 / 25
富士山麓電気鉄道は、安全設備、WEB予約、モバイルチケット、キャッシュレス化、行き違い設備などを継続して導入しています。一方、技術導入が従業員の作業時間や必要人数を何時間・何人減らしたかという成果は公表されていません。
作業負担・危険の削減|6 / 10
駅構内・車内の防犯カメラ、駅係員呼出インターホン、人感センサーによる多言語注意放送を導入しています。
線路へ侵入する鹿への対策として「鹿ソニック」、侵入防止柵、動物忌避剤なども試しています。運転士が急停止するリスクや夜間の線路確認負担を下げることにつながります。
2023年度からはレール削正機を導入し、レール継ぎ目の段差を機械で削ることで乗り心地と保守品質の改善を進めています。
一方、これらによって巡回・案内・保守時間が何時間減ったか、必要人数や危険作業が何件減ったかは公表されていません。
具体的な技術導入を評価して6点ですが、人間側の削減実績を公開できれば8点以上を検討できます。
商品・サービスの改善|5 / 5
2026年3月に特急WEB予約システムをリニューアルし、24時間の座席検索・予約と電子特急券表示に対応しました。
モバイルチケットも複数の企画乗車券で利用でき、窓口へ行かずスマートフォンで購入できます。
2026年4月には寿駅への行き違い設備新設を発表し、2027年12月の完成を目指しています。単線区間で列車同士が行き違える場所を増やすことは、将来の運行本数やダイヤ柔軟性を高める基盤になります。
下吉田駅には2026年6月、完全キャッシュレスのグッズ自動販売機を設置し、IC、QR、タッチ決済など多数の決済方式へ対応しました。
利用者の待ち時間、窓口依存、決済の不便を減らす改善が複数確認できるため5点です。
改善成果の人間への還元|1 / 5
WEB予約、モバイルチケット、自動販売機、駅窓口の一部休止など、窓口業務を減らせる仕組みは導入されています。
しかし、導入前後の窓口担当人数、チケット発券時間、残業時間、人員再配置、契約更新、賃金、休日数の変化は公表されていません。
むしろ採用情報では現在も年間休日102日です。
技術によって利用者の利便性が上がったことは確認できますが、そこで生まれた効率を働く人へ返したことを確認できないため1点です。
研究開発・現場改善の継続|4 / 5
2023年のレール削正機、2024年度の踏切侵入防止設備や防犯カメラ増設、2025年度のATS・踏切遮断機更新計画、2026年のWEB予約リニューアルと寿駅行き違い設備など、複数年にわたり安全・利便性改善を続けています。
単発の実証で終わらず、設備投資とサービス改善を継続しているため4点です。
一方、改善後の作業時間、事故率、顧客待ち時間などを定量的に追跡した成果公開は限定的です。
自動化・AI導入後の雇用状況
今回確認した範囲では、AIを理由とする大規模な人員削減は確認できませんでした。
WEB予約、モバイルチケット、自動販売機など窓口業務の一部をデジタル化する一方、2027年度新卒採用を開始し、運転士候補、技術職、総合職、アテンダント、駅員を募集しています。
ただし、2025年11月以降に富士急ハイランド駅の窓口営業時間を一部休止し、2026年3月から都留文科大学前駅などでも窓口休止時間を設定しています。これが人員配置の効率化によるものか、人手不足によるものか、具体的な理由は公表されていません。
また、スマホ定期券「チケパスプラス」は2026年10月31日で新規・継続購入受付を終了し、11月以降は紙の定期券を窓口で購入する方式へ戻ります。デジタル化がすべて継続・拡大しているわけではありません。
Protection|16 / 25
鉄道は災害や感染症の際にも地域移動を支える重要インフラです。富士山麓電気鉄道は訓練と備蓄、指定地方公共機関としての体制では強みがありますが、代替ルートとサイバー復旧情報には課題があります。
災害への備え・訓練|5 / 5
2024年度には大月警察署、JR大月駅、大月消防署と合同で、車内殺傷事件を想定した訓練を実施しました。
乗客の避難誘導、不審者制圧、負傷者救護まで複数機関で連携しています。
車両・信号トラブルを想定した乗務員・駅員訓練、心肺蘇生、AED、脱線復旧訓練も実施しています。
大雪・地震などで運休した際に利用者と職員が使う食料・生活用品も駅に配備しています。
具体的な訓練と備蓄まで確認できるため5点です。
生産・物流・調達の代替|2 / 5
富士急行線は大月~河口湖の単一路線で、単線区間が中心です。
JR中央線と大月駅で接続し、JR直通の「富士回遊」も運転していますが、自社線の一部が長期間不通になった場合の代替鉄道路線はありません。
バスを含む富士急グループの交通網はありますが、富士山麓電気鉄道自身が、どの区間停止時に何台の代行バスを何分で用意できるのか、部品・電力の代替調達先をどの程度持つのかという公開情報はありません。
寿駅の行き違い設備新設は運行柔軟性を高める投資ですが、災害時の代替能力まで確認できないため2点です。
サイバー防衛・情報保護|1 / 5
個人情報保護方針では「情報セキュリティ管理規準」を制定し、不正アクセス対策、コンピュータウイルス対策を行うとしています。
2026年1月には、代表者や役員を騙るなりすましメールが複数確認されたとして利用者へ注意喚起しました。
一方、MFA、EDR、SOC、バックアップ分離、脆弱性診断、サイバー攻撃訓練、年間インシデント件数などは公表されていません。
WEB予約やモバイルサービスへの依存が増えているため、具体的な技術対策の公開が必要です。方針のみでは十分な検証ができないため1点です。
供給継続・復旧能力|4 / 5
2025年3月13日に山梨県から指定地方公共機関に指定され、新型インフルエンザなどの事象でも継続的な運行を行う体制を強化しています。
大規模災害用の備蓄、異常時訓練、脱線復旧訓練、車両・線路・架線の定期点検を行っています。
2024年度の輸送障害3件のうち、地震、鹿衝突、踏切障害に対して運休・遅延対応を行い、有責輸送障害は0件でした。
一方、区間別のRTO、代行輸送開始までの目標時間、指令・予約システムのRPOなどは公表されていません。
継続運行の制度と訓練は強いものの、復旧目標時間の定量開示がないため4点です。
危機時の市民への対応|4 / 5
2025年3月に山梨県の指定地方公共機関へ指定されたことは、災害・感染症などの際に地域交通を維持する社会的役割が公式に位置付けられたことを意味します。
駅には大雪・地震時に利用者と職員が使う食料・生活用品を備蓄しています。
また、沿線住民からの要請を受け、高校生以下の通学定期券を値下げしており、地域の生活交通を維持する姿勢も確認できます。
一方、災害時の避難者輸送、物資輸送、自治体への車両提供などの具体的な出動実績は今回の調査で十分確認できなかったため4点です。
良いニュース・最近の前向きな動き
2026年は、観光だけでなく地域交通の容量・使いやすさを高める設備投資とサービス改善が進んでいます。これらは利用者の移動時間や窓口負担を減らし、安全で継続可能な鉄道をつくる方向につながります。
・2026年3月、特急WEB予約システムをリニューアルし、座席検索と電子特急券を改善
・2026年4月、寿駅に行き違い設備を新設し2027年12月完成を目指す計画を発表
・2026年4月、富士山ビュー特急1号車をリニューアル
・2026年6月、下吉田駅に完全キャッシュレスのグッズ自動販売機を設置
・2026年8~9月、JR直通特急「富士回遊」や臨時フジサン特急を運転し、輸送力を強化
・2025年4月~2026年3月の定期利用者は前年比6.0%増加
悪いニュース・問題となった動き
輸送事故は低く抑えられていますが、働く人の休息と、利用者向けデジタルサービスの継続性には課題があります。
・現在の主要採用職種の年間休日は102日
・女性管理職比率0%、正規雇用の男女賃金比率72.9%
・2026年の口コミで「休みが少ない」「運転手とかは休みを取りにくい」との指摘
・2024年度の踏切直前横断・線路内立入事象は22件で前年15件から増加
・2026年10月、スマホ定期券「チケパスプラス」のサービス終了を発表し、11月から紙定期券の窓口購入へ戻る予定
・対象会社単体の労災件数、ハラスメント相談実績、DX後の残業・休日改善の定量公開が不足
総合評価と、これから改善してほしいこと
富士山麓電気鉄道株式会社は61点、シビックランクCです。次のBランクは70点からなので、あと9点です。
最大の強みは、運転事故0件、有責輸送障害0件、安全投資、合同訓練、健康管理など、鉄道利用者の安全を守る仕組みを具体的に公開していることです。
一方、年間休日102日、男女の待遇差、従業員労災の非公表、デジタル化の成果を働く人へ返したことの開示が弱く、「利用者の安全」と比べて「働く人の生活」の情報が不足しています。
年間休日と有給取得を改善する|労働時間・休息 4 → 6点
現在は年間休日102日で、口コミでも休みの少なさへの指摘があるため4/10点です。
年間休日を115日以上へ増やし、運転士、駅員、技術職、アテンダント別の残業・拘束時間・有給取得率を毎年公開できれば6/10点を想定します。
+2点で総合63点です。
参考企業として、キリングループロジスティクスは業務改善・多能工化を年間所定労働時間1,920時間から1,896時間への24時間短縮につなげており、効率化を実際の労働時間へ返した例として比較できます。
賃金水準と利益還元を公開する|賃金・利益の還元 4 → 6点
現在は初任給と賞与制度を確認できますが、対象会社単体の平均年収、賃上げ率、利益還元額が公表されていないため4/10点です。
平均年収・中央値、定期昇給・ベースアップ率、鉄道事業の利益増加に対する従業員還元額を公開し、実際の賃上げを確認できれば6/10点を想定します。
+2点で総合63点です。
参考企業として、大塚商会は当サイト審査で平均年間給与1,027.6万円など具体的な報酬実績を確認でき、賃金・利益還元を8/10点と評価しました。業種は異なるため金額を直接比較せず、「対象会社自身が結果を公開しているか」を参考にします。
労災実績を対象会社単体で公開する|労働安全・健康 6 → 8点
現在は脳ドック、SAS検査、熱中症対策、安全衛生委員会などを確認できますが、対象会社単体の労働災害件数が公開されていないため6/10点です。
死亡・重篤・休業・軽微事故、熱中症、原因、職種、再発防止策を毎年公開し、事故減少を確認できれば8/10点を想定します。
+2点で総合63点です。
参考企業として、アスクル株式会社は当サイト審査で事故を重症度別に公開している点を評価し、労働安全・健康8/10点としました。
DXの成果を働く人へ返す|改善成果の人間への還元 1 → 3点
現在はWEB予約、モバイルチケット、自動販売機などを導入していますが、導入前後の作業時間、担当人数、残業、休日への影響を公表していないため1/5点です。
窓口発券や予約対応が月何時間減ったか、その結果として人員をどこへ配置転換したか、残業や休日がどう改善したかを公開できれば3/5点を想定します。
+2点で総合63点です。
参考企業として、キリングループロジスティクスは業務改善を労働時間短縮まで結びつけており、「効率化した」だけではなく「人の時間へ返した」実績が比較材料になります。
Bランクへのルート
労働時間・休息を4点から6点へ改善して+2点、賃金・利益の還元を4点から6点へ改善して+2点、雇用の安定・待遇の公平性を3点から4点へ改善して+1点、労働安全・健康を6点から8点へ改善して+2点、改善成果の人間への還元を1点から3点へ改善して+2点。合計+9点で70点となり、シビックランクBに到達します。
富士山麓電気鉄道は、列車を安全に走らせることについては具体的な数字と設備投資を示せています。次に必要なのは、その安全と効率化を支えている駅員、運転士、技術職が、十分に休めているか、待遇が改善しているかまで同じ水準で見えるようにすることです。
出典一覧
・富士山麓電気鉄道株式会社「会社概要」
・富士山麓電気鉄道株式会社「採用情報」
・富士山麓電気鉄道株式会社「安全報告書2025」
・富士山麓電気鉄道株式会社「個人情報保護方針」
・富士山麓電気鉄道株式会社「特急WEB予約システム リニューアル」
・富士山麓電気鉄道株式会社「寿駅における行き違い設備の新設について」
・富士山麓電気鉄道株式会社「チケパスプラス アプリ サービス終了」
・富士急行株式会社「2026年3月期 有価証券報告書」
・富士急行株式会社「富士急グループ人権方針」
・富士急行株式会社「安心・安全の更なる追求」
・GビズINFO「富士山麓電気鉄道株式会社」
・転職会議「富士山麓電気鉄道株式会社」
・Yahoo!しごとカタログ「富士山麓電気鉄道株式会社」
シビックランクの基準
| ランク | 点数 |
|---|---|
| S | 90~100 |
| A | 80~89 |
| B | 70~79 |
| C | 60~69 |
| D | 50~59 |
| E | 40~49 |
| F | 20~39 |
| G | 0~19 |
情報ランクの基準
| 情報ランク | 主な情報源 |
|---|---|
| S | 行政機関、裁判所、規制当局、独立した第三者検証・認証 |
| A | 企業公式、IR、採用情報、公式発表、実名の公的発言 |
| B | 現社員・元社員口コミ、一般SNS、匿名掲示板 |
