私たちは、企業の商品を購入したり、サービスを利用したりすることで、そこで働く人たちの未来を変えることができます。
働く人に十分な賃金を払い、休暇を確保し、安全な職場をつくり、人の負担を減らす企業の商品やサービスが選ばれれば、そうした企業により多くの売上が集まります。その結果、働く人を大切にする経営を続けやすくなります。
反対に、低賃金や長時間労働、安全上の問題を改善しない企業の商品やサービスが売れ続ければ、そうした働かせ方のままでも事業を続けることができます。
だからこの企業審査では、「私たちがお金を使うなら、どの企業を選ぶことが、そこで働く人にとってより良い社会につながるのか」という視点から企業を評価します。
今回審査する富士急静岡タクシー株式会社は、総合58点、シビックランクDです。
富士急静岡タクシー株式会社の特に強い点は、2024年度に重大事故0件・車内事故0件を達成しながら、2026年のハローワーク求人では月平均時間外労働10時間と比較的低い水準を示していることです。[出典1・2]
そのため、この企業のタクシーや送迎サービスを利用すれば、運転者の過重労働を抑えながら、安全な移動サービスを維持する企業に売上が集まり、働く人の健康と利用者の安全を両立しやすい社会になる可能性が高まります。
一方で、改善点として2024年度の有責事故が前年12件から16件へ増え、会社が掲げた「前年比2割削減」を達成できなかったこと、2026年のハローワーク求人で年間休日78日となっていることが残ります。安全教育や低い残業時間があっても、事故件数と年間休日の両方が改善しなければ、乗務員の負担と利用者の安全リスクを十分に下げたとは言えません。[出典1・2]
この記事では、富士急静岡タクシー株式会社の強みと課題をさらに詳しく企業審査していきます。
富士急静岡タクシー株式会社の企業審査結果
富士急静岡タクシーは、重大事故0件、月平均残業10時間、健康診断・脳ドックなどの健康管理、GO配車の導入、安全CS推進室の設置などを評価できます。一方、有責事故の増加、年間休日78日、女性管理職0%、事故削減やDXによる人への還元の弱さが点数を押し下げました。
| 評価軸 | 点数 |
|---|---|
| Safety | 30/50 |
| Innovation | 16/25 |
| Protection | 12/25 |
| 総合点 | 58/100 |
| シビックランク | D |
評価時点:2026年10月3日
主な強み
・2024年度の重大事故0件、車内事故0件
・2026年求人の月平均時間外労働10時間
・男性育児休業取得率100%
・正規雇用労働者の男女賃金比率82.2%
・全乗務員集合教育を年4回実施
・健康診断、薬物検査、脳ドックなど健康起因事故対策
・衝突防止装置付き車両の継続導入
・GOアプリ配車、カーナビ、キャッシュレス化
・本社営業所と御殿場営業所で自家用車活用事業の許可を取得
主な課題
・2024年度の有責事故が12件から16件へ増加
・年間休日78日
・昇給制度なしとする2026年求人
・女性管理職比率0%
・労働災害件数・休業災害などの実績開示が不足
・GO配車やデジタル化によって乗務員の労働時間や賃金がどれだけ改善したか不明
・自社単体のRTO・RPOや災害時復旧実績が非公表
事業内容と人間への貢献
富士急静岡タクシー株式会社は1954年に伊豆タクシー株式会社として設立され、1987年に富士急伊豆タクシー株式会社、2017年に現在の社名へ変更しました。本社は静岡県三島市南二日町にあり、現在は本社(三島)営業所と御殿場営業所を運営しています。普通車90台、ジャンボタクシー3台を保有しています。[出典3]
富士急行グループの連結子会社として、三島・沼津・御殿場周辺で地域交通と観光交通を担っています。[出典4]
地域の移動手段を提供
タクシーは、自家用車を運転できない高齢者、病院へ移動する人、鉄道やバスの時間が合わない人、荷物が多い人などにとって重要な移動手段です。
富士急静岡タクシーは三島・沼津地区と御殿場地区で配車を行い、観光タクシーも運行しています。障がい者割引や県内共通タクシークーポン割引も用意しています。[出典3]
観光と地域経済を支える
三島、沼津、御殿場、箱根、伊豆、富士山周辺は観光需要が大きい地域です。鉄道駅から観光地・宿泊施設への移動を補完することで、旅行者の移動負担を減らし、ホテル、飲食店、観光施設へ人をつなぐ役割があります。
Safety|30/50
富士急静岡タクシーのSafetyでは、重大事故0件、月平均残業10時間、健康診断や脳ドック、安全教育、労働組合などを評価しました。一方、有責事故が増加したこと、年間休日78日、女性管理職0%、労災の結果開示不足が課題です。タクシー会社では乗務員の働き方が道路上の安全へ直結するため、労働条件と事故実績を分けて確認します。
賃金・利益の還元|6/10
2026年7月に受理されたハローワーク求人では、基本給は月20万円で、歩合制を組み合わせ、基本給+歩合で月20万~30万円程度を見込むとしています。固定残業代はなく、賞与は前年度実績で年2回・計6か月分です。[出典2]
一方、昇給制度は「なし」と記載され、通勤手当もありません。会社全体の平均年収や賃金中央値、賃上げ率は公開されていません。
2026年3月期の人的資本開示では、富士急静岡タクシーの男女賃金比率は全労働者80.7%、正規雇用82.2%、有期雇用79.1%です。[出典5]
賞与と最低保障を評価し6/10点とします。平均年収、中央値、歩合給の分布、毎年の賃上げ実績まで公開し、広い層で所得改善が確認できれば8点以上を検討できます。
労働時間・休息|6/10
2026年7月のハローワーク求人では、1か月単位の変形労働時間制で、月平均時間外労働は10時間です。平均1日7時間勤務と説明しています。[出典2]
月平均残業10時間は、運転業務として評価できる水準です。過労運転は乗務員本人だけでなく乗客や歩行者の安全にも直結するため、低い時間外労働には大きな意味があります。
一方、同じ求人で年間休日は78日です。勤務ダイヤや隔日勤務では一般的な「休日数」と単純比較しにくいものの、公式求人上の休日数としては多いとは言えません。6か月後の年次有給休暇は10日です。[出典2]
そのため6/10点です。月平均残業10時間前後を維持しつつ、年間休日を100日以上へ増やし、有給取得率も公開・改善できれば8/10点を検討できます。
雇用の安定・待遇の公平性|3/5
ハローワーク求人では正社員・期間の定めなしで募集し、企業全体の従業員は132人とされています。定年60歳に対して再雇用は70歳まで、勤務延長は74歳までです。労働組合もあります。[出典2]
一方、2026年3月期の女性管理職比率は0%です。男性育児休業取得率は100%、正規雇用の男女賃金比率は82.2%です。[出典5]
長期雇用制度と男女賃金差の改善を評価しつつ、管理職の多様性に課題があるため3/5点です。
福利厚生・育児・介護|4/5
雇用保険、労災保険、健康保険、厚生年金に加入し、育児休業、介護休業、看護休暇の取得実績が確認できます。二種免許養成制度もあり、取得費用を会社が負担し、養成期間中も日当を支給します。[出典2]
Indeedの1件の口コミでは、急な用事の際に有給振替や半日有給を利用できたこと、富士急グループ施設の割引などがあったという経験談があります。口コミ1件のみなので会社全体の事実としては扱いませんが、制度の利用例として補助的に確認できます。[出典6]
退職金制度や託児施設は確認できないため満点とはせず、4/5点です。
人権・ハラスメント・労使関係|4/5
2025年度安全報告書では、安全衛生委員会に労組3役が参加し、産業医、衛生管理者、営業所長らと職場状況、健康相談、個人面談を行う体制を示しています。[出典1]
また、2026年10月1日には公式サイトで「カスタマーハラスメントに対する行動指針」を公表しています。乗務員が利用者と一対一になるタクシー業では、理不尽な要求や暴言から従業員を守る仕組みは重要です。[出典7]
富士急グループには内部通報制度や人権方針、コンプライアンス体制がありますが、対象会社単体の相談件数や解決件数までは確認できないため4/5点です。[出典4]
労働安全・健康|4/10
2025年度安全報告書では、乗務員の健康診断を確実に実施し、薬物検査や脳ドックなどの健康スクリーニングによって健康起因事故の予防を図るとしています。安全衛生委員会を毎月開催し、産業医による健康相談や個人面談も行っています。[出典1]
運転中の脳・心臓疾患や体調急変は重大事故につながるため、通常の健康診断に加えて脳ドックなどを取り入れている点は評価できます。
一方、労働災害件数、休業災害、メンタル不調による休職、健康起因事故件数などの結果値は確認できません。
そのため4/10点です。
商品・サービスの安全|3/5
2024年度は、自動車事故報告規則第2条に該当する重大事故0件、車内事故0件でした。[出典1]
一方、有責事故は2023年度12件から2024年度16件へ増えました。会社目標は「前年2割削減」でしたが未達成です。2025年度は目標を前年比5割削減へ引き上げています。[出典1]
事故対策として、全乗務員集合教育を年4回実施し、ドライブレコーダー・バックカメラを活用した教育、事故惹起者への特別教育、事故事例ごとの原因分析を実施しています。2024年度には衝突防止装置付き普通車6両を導入し、2025年度も4両の導入を計画しています。さらに本社に安全CS推進室を新設しました。[出典1]
重大事故0件は高く評価しますが、有責事故が増えているため3/5点です。
従業員・元従業員の口コミ
Indeedではクチコミは1件のみで、総合4.0/5です。2024年4月投稿の元タクシードライバーは、働きやすい環境で、急な用事の有給振替や半日有給が使えたという趣旨を述べています。[出典6]
2026年9月のIndeed質問欄には「昇給頻度」への回答として「なし」という利用者投稿があります。これは公式求人の「昇給制度なし」と一致しますが、回答者の属性は確認できないため補助情報として扱います。[出典8]
口コミ数が少ないため、会社全体の労働環境を断定する材料には使いません。
SNS・匿名掲示板の確認結果
X、5ch、OpenWork、転職会議などを含め公開検索しましたが、現在の富士急静岡タクシー社員だと確認でき、点数を変更できるだけの具体性と裏付けを持つ投稿はほとんど確認できませんでした。
SNS情報が少ないことを「問題なし」とは扱わず、安全報告書、ハローワーク、有価証券報告書など確認可能な資料を優先しています。
Innovation|16/25
富士急静岡タクシーは、GOアプリ、カーナビ、キャッシュレス、衝突防止装置付き車両、自家用車活用事業などを導入し、利用者と乗務員の双方の負担を減らそうとしています。一方、デジタル化によって空車時間や残業が何時間減ったのか、賃金がどれだけ増えたのかという成果還元はまだ十分に見えません。
作業負担・危険の削減|6/10
2026年求人では全車オートマチック・カーナビ付きとされ、求人情報ではGOアプリによる配車が8~9割を占めると説明されています。GOPAYなどキャッシュレスも導入されています。[出典2・9]
アプリ配車が増えれば、乗務員が街を流しながら客を探す時間を減らし、カーナビで迎車地点へ向かいやすくなります。現金授受が減れば会計作業や釣り銭管理の負担も減ります。
さらに安全報告書では衝突防止装置付き車両の更新を続けています。[出典1]
ただし、空車走行時間が何%減った、現金処理時間が何分減った、事故が何件減ったという導入前後比較は十分公開されていないため6/10点です。
商品・サービスの改善|4/5
GOアプリは2023年に御殿場で先行導入され、その後三島・沼津エリアへ拡大しました。アプリから乗車位置を指定して配車できるため、電話で住所を伝える負担を減らせます。[出典10]
また、中部運輸局の2026年3月4日時点の一覧では、本社営業所と御殿場営業所が自家用車活用事業の許可事業者として掲載されています。タクシー供給が不足する時間帯に供給力を補う選択肢になります。[出典11]
障がい者割引や観光タクシーも含め、利用者の選択肢を広げているため4/5点です。
改善成果の人間への還元|2/5
月平均残業10時間は低く、デジタル配車が効率化に寄与している可能性はあります。[出典2]
しかし、GO導入前後で残業が何時間減ったのか、空車走行時間がどれだけ短縮したのか、売上増が基本給や歩合率へどう還元されたのかは公表されていません。
技術導入と人への還元の因果関係が確認できないため2/5点です。
継続的な研究開発・現場改善|4/5
2023年のGO導入、安全装置付き車両の継続更新、安全CS推進室の新設、自家用車活用事業への参入など、サービスと安全の改善を継続しています。[出典1・10・11]
一度導入して終わりではなく、配車・安全・供給力の複数面で改善しているため4/5点です。定量的な成果公開が増えれば5点を検討できます。
Protection|12/25
富士急静岡タクシーは、大規模災害を想定したマニュアル・訓練、グループBCP、複数営業所、自家用車活用事業など、有事に備える土台があります。一方、自社単体で「何時間で配車を再開できるか」「何台を代替投入できるか」といった復旧KPIは見えにくく、サイバー防御の実装情報も不足しています。
災害への備え・訓練|3/5
2025年度安全報告書では、訓練・マニュアルの充実によるテロ・大規模災害対策を掲げています。安全方針にも、発災時は人命最優先で被害軽減を図り早期復旧に努める方針が示されています。[出典1]
富士急グループ全体でも地震など自然災害に備えたBCPと災害対策本部規程を整備しています。[出典4]
ただし、富士急静岡タクシー単体の訓練回数、参加率、復旧時間などは公開されていないため3/5点です。
提供体制の代替性|3/5
本社(三島)営業所と御殿場営業所の2拠点、普通車90台・ジャンボ3台を保有しています。[出典3]
2025年3月には経営合理化のため沼津営業所を閉鎖し、本社営業所が業務を引き継ぎました。拠点数が減ったことは地域分散の面では弱点ですが、配車機能自体は引き継いでいます。[出典12]
さらに本社・御殿場営業所はいずれも自家用車活用事業の許可を受けており、需要過多時の供給補完策を持っています。[出典11]
そのため3/5点です。
サイバー防衛・情報保護|2/5
公式サイトには個人情報保護方針があり、富士急グループでは情報セキュリティ基本方針・管理基準に基づく管理体制を整えています。[出典4]
一方、タクシー配車では位置情報、電話番号、決済情報など重要なデータを扱いますが、対象会社単体のMFA、EDR、フィッシング訓練、インシデント件数、第三者認証などは確認できませんでした。
そのため2/5点です。
事業継続・復旧|3/5
安全報告書には緊急連絡系統、事故・災害時の報告体制、訓練・マニュアルの充実が示されています。富士急グループにもBCPがあります。[出典1・4]
一方、タクシー配車センターや通信システムが停止した場合のRTO・RPO、代替通信、予備電源、復旧訓練の実測値は確認できません。
そのため3/5点です。
危機時の市民への対応|1/5
タクシーは災害や鉄道停止時に重要な移動手段となり得ますが、自治体との緊急輸送協定、災害時の無償輸送、要配慮者輸送など、対象会社単体の具体的な公開実績は今回確認できませんでした。
通常時の地域交通としての役割は大きいものの、危機時の社会支援実績が見えないため1/5点です。
良いニュース・最近の前向きな動き
最近の前向きな動きでは、運賃改定を運転者の労働条件確保につなげようとしたこと、安全CS推進室の発足、カスタマーハラスメント対策を評価します。タクシー会社の売上や運賃が、単に利益へ向かうのではなく、乗務員の待遇、安全設備、事故防止へ使われれば、働く人と利用者の双方に利益があります。
2025年 運賃改定で運転者の労働条件確保を明記(Safety)
富士急静岡タクシーは2025年11月25日から新運賃を適用しました。会社は運賃改定の理由について、タクシー運転者不足の中でサービス品質を維持するため、運転者の労働条件について一定の水準を確保する必要があると説明しています。[出典13]
運賃値上げが実際に賃金上昇や休日増へつながれば、利用者が支払う運賃が働く人の待遇改善へ直接結びつきます。
ただし、改定後に基本給・歩合率・平均年収がどれだけ上がったかは公開されていません。今後は結果まで示してほしいところです。
2025年 安全CS推進室を新設(Safety)
2025年度安全報告書では、本社に安全CS推進室を発足し、事故防止、事故分析、乗務員教育を強化するとしています。[出典1]
事故原因を専門部署が継続的に分析し、教育へ反映できれば、有責事故を減らし、乗務員・乗客・歩行者の事故リスクを下げられます。
2024年度は有責事故16件で増加しているため、今後は新組織設置後に事故が何件まで減ったかという成果が重要です。
2026年10月 カスタマーハラスメント行動指針を公表(Safety)
2026年10月1日、公式サイトでカスタマーハラスメントに対する行動指針を公表しました。[出典7]
タクシー乗務員は乗客と一対一になる時間が長く、暴言や過度な要求が精神的負担や安全運転への集中を妨げる可能性があります。会社が従業員を守る姿勢を明文化することは、乗務員の安全とサービス品質の両方に関係します。
今後は相談件数、会社による対応件数、乗務員研修など運用実績まで確認できれば、さらに評価できます。
悪いニュース・問題となった動き
最大の問題は、有責事故が減るどころか増えたことです。また、沼津営業所の閉鎖で拠点が集約されました。重大事故0件という良い結果を維持しながら、有責事故や地域の供給力を改善できるかが今後の焦点になります。
2024年度 有責事故が12件から16件へ増加(Safety)
2024年度の有責事故は16件で、前年12件から4件増えました。会社は前年比2割削減を目標にしていましたが未達成です。[出典1]
重大事故と車内事故は0件だったため、全体を「危険な会社」と評価することはできません。しかし、小さな接触事故や責任事故が増えれば、重大事故につながるリスクも高まります。
2025年度は有責事故を前年比5割削減する目標を設定しています。目標を掲げるだけでなく、実績が8件以下まで減ったかを次回の安全報告書で確認する必要があります。
2025年3月 沼津営業所を経営合理化で閉鎖(Protection)
富士急静岡タクシーは2025年3月31日で沼津営業所を閉鎖し、本社営業所へ業務を引き継ぎました。理由は「経営合理化の一環」としています。[出典12]
サービスそのものを終了したわけではありませんが、拠点が一つ減れば、災害や道路寸断などで本社側が機能しにくい場合の地域分散性は弱くなります。
一方で、自家用車活用事業やGO配車で供給力を補完する仕組みを持っているため、今後は沼津地区の配車待ち時間や供給台数が悪化していないかを公開してほしいところです。
2026年時点 年間休日78日(Safety)
2026年7月のハローワーク求人では、年間休日78日です。月平均残業10時間は良好ですが、休日日数は多くありません。[出典2]
タクシーは変形労働時間制や隔日勤務があり、単純に一般企業の年間休日と比較しにくい点には注意が必要です。それでも働く人が家族、睡眠、通院、余暇へ使える日を増やすことは、安全運転の土台にもなります。
総合評価と、これから改善してほしいこと
富士急静岡タクシー株式会社は現在58点・シビックランクDです。次のCランクは60点からなので、あと2点必要です。
重大事故0件、残業10時間、健康管理、GO配車、安全教育は明確な強みです。一方、有責事故16件、年間休日78日、労災結果の非公表、DX成果の人への還元不足が課題です。
年間休日を増やし、低残業と両立してほしい|労働時間・休息 6→8/10
現在は6/10点です。月平均時間外10時間は高く評価できますが、年間休日78日です。[出典2]
年間休日を100日以上へ増やし、有給取得率も公開して高水準を確認でき、月平均残業10時間前後を維持できれば8/10点を検討できます。
6→8点で+2点、総合58→60点となり、シビックランクCへ上がります。
参考企業として、当サイトのアスクル株式会社の現行審査では「労働時間・休息」8/10点です。月平均時間外22.3時間、有給16.1日・取得率81.0%、月80時間超0人まで開示しており、働く時間と休息の両方を確認できます。
有責事故を継続して減らしてほしい|商品・サービスの安全 3→4/5
現在は3/5点です。重大事故0件は評価できますが、有責事故が12件から16件へ増えました。[出典1]
2025年度目標の前年比5割削減を達成し、その後も低水準を維持して、事故原因別の件数と再発防止効果まで公開できれば4/5点を検討できます。
3→4点で+1点、総合58→59点です。単独ではCに届きませんが、利用者だけでなく歩行者、自転車、他車の安全にも直接つながります。
参考企業の株式会社フジエクスプレスは、当サイトの現行審査で「商品・サービスの安全」4/5点です。2024年度に重大事故0件を維持しつつ、有責事故を前年28件から18件へ10件減らした点を評価しています。富士急静岡タクシーは件数自体は16件と少ないものの、前年から増加しているため同じ4点にはしていません。
GO・配車DXの成果を乗務員へ返してほしい|改善成果の人間への還元 2→3/5
現在は2/5点です。GO配車やGOPAY、カーナビにより乗務員の空車探索や現金処理の負担を減らせる仕組みがありますが、導入前後の労働時間や賃金の変化が公表されていません。[出典9・10]
GO導入前後の空車時間、営業収入、残業、賃金、休日日数を時系列で公開し、実際に自由時間や所得の改善が確認できれば3/5点を検討できます。
2→3点で+1点、総合58→59点です。
参考企業のキリングループロジスティクス株式会社は、当サイトの現行審査で「改善成果の人間への還元」3/5点です。業務改善・多能工化を背景に年間所定労働時間を1,920時間から1,896時間へ24時間短縮しており、効率化を人の時間へ返した実績を確認できます。
次のCランクへ上がるための具体例
現在58点・Dで、Cは60点からです。あと2点必要です。
最も明確な改善例は、労働時間・休息を6→8点へ上げることです。
・年間休日を100日以上へ増やす
・有給取得率を公開し、取得を進める
・月平均残業10時間前後を維持する
これらが確認できれば+2点となり、総合60点・シビックランクCに到達します。
別の組み合わせでは、
・商品・サービスの安全 3→4点:+1点
・改善成果の人間への還元 2→3点:+1点
でも合計+2点となり、60点・Cへ到達します。
出典一覧
1.富士急静岡タクシー株式会社「2025年度 運輸安全報告書」
2.厚生労働省 ハローワーク「富士急静岡タクシー株式会社 タクシードライバー求人」2026年7月
3.富士急静岡タクシー株式会社「会社概要」
4.富士急行株式会社 2026年3月期有価証券報告書
5.富士急行株式会社 2026年3月期 人的資本開示の連結子会社データ
6.Indeed「富士急静岡タクシー株式会社の社員クチコミ・評判」
7.富士急静岡タクシー株式会社「カスタマーハラスメントに対する行動指針について」2026年10月1日
8.Indeed「富士急静岡タクシー株式会社に関する質問と回答」
9.富士急静岡タクシー株式会社 2026年採用求人
10.富士急静岡タクシー株式会社「GOアプリタクシー配車の開始」2023年
11.中部運輸局「自家用車活用事業の許可事業者」2026年3月4日時点
12.富士急静岡タクシー株式会社「沼津営業所閉鎖のお知らせ」2025年3月12日
13.富士急静岡タクシー株式会社「タクシー運賃・料金の改定について」2025年11月5日
14.富士急静岡タクシー株式会社「働きやすい職場認証制度の認定について」2021年
シビックランクの基準
| シビックランク | 点数 |
|---|---|
| S | 90~100点 |
| A | 80~89点 |
| B | 70~79点 |
| C | 60~69点 |
| D | 50~59点 |
| E | 40~49点 |
| F | 20~39点 |
| G | 0~19点 |
富士急静岡タクシー株式会社は58点のため、今回の評価はシビックランクDです。
情報ランクの基準
| 情報ランク | 基準 |
|---|---|
| S | 公的機関、裁判所、規制当局、独立した第三者機関の調査・監査・検証・認証など、内容そのものに独立した裏づけがある情報 |
| A | 企業公式資料、採用情報、公式声明・SNS、記名取材など、発信主体を確認できる公表情報 |
| B | 従業員・元従業員の口コミ、一般SNS、匿名掲示板など、発信者の身元や対象企業との関係を独立に確認しにくい情報 |
今回の中心資料は、安全報告書、ハローワーク、有価証券報告書、中部運輸局資料などです。口コミは1件しかないため補助情報として扱い、事故情報や労働条件は公式・公的資料を優先しました。
