MENU

株式会社富士急マリンリゾートを企業審査|シビックランクD・56点|過去5年間の船舶事故0件を評価、年間休日95日・労働実績と復旧情報の開示が課題

私たちは、企業の商品を購入したり、サービスを利用したりすることで、そこで働く人たちの未来を変えることができます。

働く人に十分な賃金を払い、休暇を確保し、安全な職場をつくり、人の負担を減らす企業の商品やサービスが選ばれれば、そうした企業により多くの売上が集まります。その結果、働く人を大切にする経営を続けやすくなります。

反対に、低賃金や長時間労働、安全上の問題を改善しない企業の商品やサービスが売れ続ければ、そうした働かせ方のままでも事業を続けることができます。

だからこの企業審査では、「私たちがお金を使うなら、どの企業を選ぶことが、そこで働く人にとってより良い社会につながるのか」という視点から企業を評価します。

今回審査する株式会社富士急マリンリゾートは、総合56点、シビックランクDです。

株式会社富士急マリンリゾートの特に強い点は、旅客船の安全実績です。国土交通省の旅客船安全情報と同社の2026年度安全情報では、事業に使用する船舶の過去5年間の事故件数は0件とされています。地震・津波、火災、水難などを想定した訓練を毎年実施し、救命胴衣も旅客定員を上回る数を搭載しています。

そのため、この企業の船を利用すれば、船舶の点検、救命設備、乗組員教育、災害訓練などへ継続してお金を使い、離島への移動を安全に維持する企業が残りやすい社会になる可能性が高まります。

一方で、改善点として働く人の休息と労働実績が残ります。現在掲載されている正社員ホテルスタッフ求人では年間休日95日、月7~8日休となっています。また、会社全体の平均残業時間、有給取得率、離職率、労働災害件数、賃上げ率などは十分に公開されていません。船の安全を守るには設備だけでなく、船員やホテルスタッフが十分に休めることも重要です。

この記事では、株式会社富士急マリンリゾートの強みと課題をさらに詳しく企業審査していきます。

目次

株式会社富士急マリンリゾートの企業審査結果

富士急マリンリゾートは、船舶安全と災害対応では具体的な仕組みと実績があります。特に2隻の旅客船、安全設備、通信設備、救助訓練は強みです。

一方、社員の休日・残業・離職・労災などの現在値と、設備更新によって働く人の負担がどう変わったのかについては情報が不足しています。

評価軸得点満点
Safety2650
Innovation1325
Protection1725
総合56100
シビックランクD—

株式会社富士急マリンリゾートとは

株式会社富士急マリンリゾートは1986年2月設立、本社は静岡県熱海市和田浜南町、資本金4,450万円の富士急行100%子会社です。主に熱海港と初島を結ぶ旅客船の運航と「熱海シーサイド・スパ&リゾート」の運営を行っています。

静岡県の「しずおか就職net」では従業員数60人、社会保険の被保険者情報を基にした別データでは48人となっており、集計時点や定義によって差があります。

初島で暮らす人と観光客を運ぶ

熱海港と初島の間では通常期に1日最大10往復の定期船が運航されています。初島は有人離島であり、船は観光客だけでなく島で暮らす人や物資を本土とつなぐ交通手段でもあります。

この航路がなくなれば、「初島へ遊びに行けなくなる」だけではありません。島民が本土へ移動したり、島へ人や物を運んだりする手段にも影響します。

Safety:26/50点

Safetyでは、船に乗る人の安全だけでなく、船員、港湾スタッフ、ホテルスタッフが適切な賃金・休日・健康管理のもとで働けているかを確認します。

富士急マリンリゾートは旅客船安全についてかなり具体的に公開しています。一方で、労務については求人情報以外の結果公開が少なく、安全を支える人の働き方を外部から十分確認できない点が課題です。

賃金・利益の還元:4/10点

現在の正社員ホテルスタッフ求人では、基本給は月20万~26万円です。昇給・賞与があり、20代で年収390万円、30代で450万円というモデル年収も掲載されています。固定残業代はありません。

旅客船乗組員の求人では、月給22万~28万円の募集も確認できます。

給与水準や賞与の存在を具体的に公開していることは加点します。

一方、全社員の平均基本給、賃金中央値、毎年のベースアップ率、利益と人件費の関係は公開情報から確認できません。

Yahoo!しごとカタログでは14人の投稿を基に平均年収487万円とされていますが、これは会社公式統計ではありません。

以上から4/10点としました。

6点へ上げるには、既存社員全体の賃上げ率、平均・中央値、賞与実績などを公開し、利益の増加が基本給改善へつながっていることを確認できる必要があります。

労働時間・休息:4/10点

正社員ホテルスタッフ求人では実働7時間30分、月22~23日勤務、月7~8日休、年間休日95日です。泊まり勤務や利用客の状況による勤務時間の変動もあります。

一方、旅客船乗組員の求人では「完全日帰り」「有休完全消化」を打ち出した募集も確認できます。

船員とホテルスタッフでは働き方が異なるため、片方の求人だけを会社全体へ一般化できません。

しかし、少なくとも年間休日95日の正社員職が存在することは、働く人の休息という観点では改善余地があります。

さらに会社単体の平均残業時間、有給取得率、職種別休日数が公開されていません。

休日制度を確認できることは加点する一方、年間95日という水準と全社実績の不足を踏まえて4/10点としました。

6点以上へ上げるには、年間休日の増加と、職種別残業・有休取得率・連続休息時間を会社自身が公開する必要があります。

雇用の安定・待遇の公平性:3/5点

富士急行の連結子会社として長期間事業を続けており、現在も正社員、アルバイト・パートの採用を行っています。

若い船員や女性船員の採用・育成にも取り組んでいることを会社自身が公表しています。

また、現在のパート求人には社員登用制度があります。

一方、正社員比率、非正規比率、離職率、平均勤続年数、男女賃金差、社員登用人数などは十分に公開されていません。

雇用継続と人材育成を評価する一方、定着と待遇公平性の結果が分からないため3/5点としました。

4点へ上げるには、雇用形態別人数、離職率、平均勤続年数、登用率などの継続公開が必要です。

福利厚生・育児・介護:4/5点

正社員求人では、

・健康保険
・厚生年金
・雇用保険
・労災保険
・退職金
・育児休業
・介護休業
・資格取得手当
・社員寮

などが確認できます。

社員寮は月額5,000円、水道光熱費込みとされています。

熱海で新たに働く人にとって住宅費を抑えられることは、実質的な生活支援になります。

一方、育休取得率、介護休業利用者数、復職率などは公開されていません。

制度の種類と住宅支援を評価して4/5点としました。

5点には、制度の利用率と復職実績まで確認できる必要があります。

人権・ハラスメント・労使関係:2/5点

富士急マリンリゾートは富士急グループの100%子会社で、グループ人権方針や内部通報制度の対象となります。

一方、富士急マリンリゾート単体のハラスメント相談件数、内部通報、調査件数、是正件数などは公開されていません。

Indeedには2024年8月、熱海で一等航海士として勤務したとする1件の口コミがあり、人間関係や管理職について非常に厳しい内容が投稿されています。

これは一人の個人的な勤務経験であり、会社全体でハラスメントが行われている事実とは認定できません。

しかし、会社側の相談・是正データも公開されていないため、制度が実際にどの程度機能しているか判断できません。

グループ制度を加点し、単体の結果開示不足と直近の厳しい口コミを考慮して2/5点としました。

3点へ上げるには、相談、調査、是正、研修の実績を対象会社単体で公開する必要があります。

労働安全・健康:4/10点

2026年度の安全方針では、従業員作業事故0件を目標に設定し、船員の適切な労務管理、ヒヤリハット収集、内部監査、社外研修、労災事故防止を明記しています。

発航前点検、安全会議、ドックでの船体点検など、事故を防止する仕組みも具体的です。

一方、「従業員作業事故0件」は2026年度の目標です。

過去年度の労働災害件数、休業災害度数率、船員・ホテルスタッフ別の負傷件数などは十分に確認できません。

安全制度があることは評価できますが、働く人の事故が実際に何件なのか分からないため4/10点としました。

6点以上へ上げるには、労災件数、負傷内容、休業災害度数率などを年度ごとに公開する必要があります。

商品・サービスの安全:5/5点

ここは富士急マリンリゾートの大きな強みです。

国土交通省の旅客船事業者安全情報と2026年度の会社資料では、過去5年間の事業用船舶事故件数は0件です。

現在は「イルドバカンスプレミア」と「金波銀波」の2隻を保有しています。

旅客定員605人のイルドバカンスプレミアには690個、626人の金波銀波には723個の救命胴衣が用意されており、旅客定員より多い数を搭載しています。救命浮器もそれぞれ660人分あります。

国際VHF無線、衛星電話、業務用無線なども利用できます。

船体は毎年ドックへ入れて点検し、船員は救命器具や緊急誘導の訓練を受けています。

安全実績と設備の両方を確認できるため5/5点としました。

従業員・元従業員の口コミ

Indeedでは口コミが1件掲載され、総合評価は1.0/5です。

2024年8月に一等航海士として働いたとする投稿者は、人間関係、管理職、接客姿勢について厳しい評価をしています。

一方、口コミは1件しかありません。

従業員数40~60人程度とみられる企業であっても、一人の勤務経験だけを会社全体へ一般化することはできません。

口コミ内容は人権・ハラスメント項目の補助材料として使用しますが、違法行為や会社全体の企業文化として断定しません。

SNS・匿名掲示板の確認結果

X、5ちゃんねる、爆サイなどについて、会社名と「残業」「船員」「給料」「パワハラ」「退職」「事故」などを組み合わせて確認しました。

今回の検索範囲では、対象会社の従業員・元従業員であることを確認でき、追加の採点根拠として利用できる投稿本文は確認できませんでした。

投稿が見つからないことを、問題が存在しない証拠とは扱いません。

Safety小計:26/50点

Innovation:13/25点

Innovationでは、船や施設を新しくしたこと自体ではなく、人の作業、安全、利用者の不便がどう改善したか、その成果が働く人へどう返ったかを確認します。

富士急マリンリゾートでは2025年に「金波銀波」を導入し、船そのものを観光体験の一部にするサービス改善を進めました。一方、新技術によって船員やホテルスタッフの作業負担が何時間減ったのかという人間側の成果は確認できません。

作業負担・危険の削減:4/10点

2025年7月に「金波銀波」が就航しました。富士急行の2026年3月期資料でも、富士急マリンリゾートへの主要設備投資として同船の導入が確認できます。

ただし、金波銀波は完全な新造船ではなく、1994年建造の旧「イルドバカンス三世号」を2025年に改装・改名した船です。

設備更新によって安全性・快適性を改善した可能性はありますが、

・船員の作業時間
・整備時間
・燃料消費
・危険作業
・必要人員

がどれだけ減ったのかは公開されていません。

そのため4/10点です。

6点以上へ上げるには、旧船との比較で保守時間、安全性、身体負担などが改善した結果を示す必要があります。

商品・サービスの改善:5/5点

金波銀波は「船まるごと初島」をコンセプトに、移動そのものを観光体験にする形へ改装されています。熱海港と初島港を約25~30分で結びます。

また、イルドバカンスプレミアにはバリアフリートイレやエレベーターが備えられています。

通常の定期航路だけでなく、2026年には伊東按針祭花火大会に合わせた250人限定の特別クルーズも実施しています。

単なる移動から、観光・バリアフリー・特別体験へサービスを広げているため5/5点としました。

改善成果の人間への還元:0/5点

新船導入やサービス改善は確認できます。

しかし、

・船員の残業が減った
・年間休日が増えた
・整備負担が減った
・基本給が上がった
・必要人員が減った際に配置転換した

といった人への還元は公開情報から確認できません。

現在もホテル職では年間休日95日の求人があります。

設備を更新したことと、その成果を働く人へ戻したことは分けて評価するため0/5点です。

3点へ上げるには、設備導入前後の労働時間、休日、必要人数、配置転換、賃金などを公開し、複数の人間側指標で改善を確認できる必要があります。

研究開発・現場改善の継続:4/5点

毎年の船体ドック、安全訓練、2025年の金波銀波導入、安全投資の拡大など、継続的な改善が確認できます。

若い船員や女性船員の育成にも取り組んできました。

一方、改善後の作業時間や事故削減などを横断的なKPIとして公開しているわけではありません。

そのため4/5点としました。

Innovation小計:13/25点

Protection:17/25点

Protectionでは、地震、津波、火災、海難事故、船舶故障などが発生した場合に、乗客を守り、初島と本土の交通を維持・復旧できるかを評価します。

富士急マリンリゾートは、地震・津波・火災・水難訓練、複数の通信手段、2隻の船という具体的な備えがあります。一方、サイバー対策と大規模障害後の復旧目標時間には公開不足があります。

災害への備え・訓練:5/5点

会社は地震・津波、火災、水難などの訓練を毎年定期的に実施しています。

2024年6月には、熱海警察署、海上保安機関、熱海市消防などと合同水難救助訓練を実施しました。

定期船から2人が転落し、救助へ向かった人も溺れるという具体的な事故を想定した訓練です。

会社だけの机上訓練ではなく、警察・消防等と連携した実地訓練まで確認できるため5/5点としました。

生産・物流・調達の代替:4/5点

現在はイルドバカンスプレミアと金波銀波の2隻体制です。

通常期は最大10往復、1隻がドック入りする期間でも残る1隻で7往復の運航ダイヤが設定されています。

一方の船が定期点検で使用できなくても、もう一方で航路を維持できることは大きな強みです。

ただし、2隻とも使用不能になった場合の代替船調達や、航空・他船社など別手段へ切り替える具体的計画は公開されていません。

そのため4/5点としました。

サイバー防衛・情報保護:2/5点

公式サイトでは個人情報を扱い、問い合わせやサービス案内も行っています。

富士急グループとして基本的な個人情報・情報セキュリティ管理制度は存在します。

一方、富士急マリンリゾート単体について、

・MFA
・EDR
・SOC
・サイバー訓練
・バックアップ分離
・情報漏えい件数
・復旧目標時間

などの具体的な公開情報は確認できませんでした。

そのため2/5点です。

3点以上へ上げるには、対象会社の防御体制と復旧訓練結果の公開が必要です。

供給継続・復旧能力:3/5点

2隻体制、毎年のドック点検、衛星電話、国際VHF無線など、通常の通信・船舶障害に対応する仕組みはあります。

船舶事故も過去5年間0件です。

一方、

・船舶故障時に何時間で代替船を出すか
・港湾設備が被災した場合の代替港
・津波後の目標運航再開時間
・燃料や物資をどう確保するか

などの具体的なRTOは公開されていません。

仕組みを評価しつつ、結果・復旧時間不足で3/5点としました。

危機時の市民への対応:3/5点

初島は有人離島で、定期航路は観光だけでなく島で暮らす人の日常生活を本土とつなぐ役割を持っています。

水難事故を想定した警察・消防等との合同訓練にも参加しています。

災害時に離島航路を維持すること自体が、島民の移動や生活維持に重要です。

一方、避難輸送人数、災害物資輸送、自治体との具体的な災害協定などの実績を十分確認できないため3/5点としました。

Protection小計:17/25点

良いニュース・最近の前向きな動き

富士急マリンリゾートでは、長年の安全運航に加えて、新しい船の導入や行政機関との救助訓練を進めています。

同社の船を利用することは、安全設備や船員教育だけでなく、初島と本土を結ぶ交通そのものを維持することにもつながります。

2026年|過去5年間の船舶事故0件を公表【Safety】

2026年度の安全情報では、過去5年間の事業用船舶事故件数が0件と公表されています。国土交通省の旅客船事業者安全情報でも0件です。

利用者が企業を選ぶうえで、「安全に取り組んでいる」という宣言より、実際に事故0件という結果を確認できることには大きな意味があります。

2025年7月|金波銀波が就航【Innovation・Protection】

2025年7月12日、金波銀波が熱海~初島航路で就航しました。

2隻体制を維持できることは、観光サービスだけでなく、片方の船がドック入りしても初島航路を継続するProtectionにもつながります。

2024年6月|警察・消防等と合同水難救助訓練【Protection】

熱海警察署、海上保安関係者、熱海市消防などと合同で、船から人が転落する事故を想定した訓練を実施しました。

海上事故では会社単独で対応できる範囲に限界があります。

日頃から警察や消防などと連携しておくことは、実際の事故時に救助を早めるために重要です。

悪いニュース・問題となった動き

今回の調査では、近年の富士急マリンリゾートについて、死亡船舶事故や重大な行政処分など、総合点を直接大幅に引き下げる重大案件は確認できませんでした。

一方、安全な船を運航する企業だからこそ、そこで働く人の休日や職場環境についても、安全と同じ水準で結果を公開することを求めたいところです。

正社員ホテル職の年間休日は95日【Safety】

現在掲載されているホテルスタッフ求人では、月7~8日休、年間休日95日です。

観光・宿泊業は土日祝日にも働く必要がありますが、「休日が平日になること」と「年間の休み自体が少ないこと」は別です。

十分な休息は社員の健康だけでなく、接客ミスや事故を減らすことにもつながります。

2024年|職場環境へ非常に厳しい社員口コミ【Safety】

Indeedには、一等航海士として働いたとする元社員から、人間関係や管理職について非常に厳しい口コミが投稿されています。

1件だけなので会社全体を代表する事実とは扱いません。

しかし、ハラスメント相談件数や是正件数などを会社が公開していないため、外部からこのような問題に会社がどう対応しているのか確認できません。

総合評価と、これから改善してほしいこと

株式会社富士急マリンリゾートは現在56点、シビックランクDです。

次のCランクは60点からなので、あと4点必要です。

最大の強みは、過去5年間の船舶事故0件、2隻体制、救命設備、災害・水難訓練です。

一方で、働く人の年間休日、全社残業、離職率、労災、自動化・設備更新後の人への還元、障害後の具体的な復旧時間が課題です。

年間休日と労働時間を改善する【Safety・労働時間・休息:4→6/10点】

現在は4/10点です。

ホテルスタッフでは年間休日95日の求人が確認されています。会社全体の平均残業や有休取得率も公開されていません。

年間休日を110日以上へ増やし、職種別平均残業、有給取得率、船員の休息時間を公開したうえで良好な結果が確認できれば、4→6点、プラス2点を想定できます。

総合点は56→58点となります。

働く人に十分な休息があれば、本人の生活だけでなく、利用者への接客と安全運航にも利益があります。

参考企業は株式会社JR東海リテイリング・プラスです。Drive上の最新版審査では、平均残業7.8時間、有給取得率76.1%を公開しており、「労働時間・休息」は8/10点です。

設備更新の成果を人へ返す【Innovation・改善成果の人間への還元:0→3/5点】

現在は0/5点です。

金波銀波の導入や毎年の設備改善は確認できますが、それによって社員の作業時間・残業・休日・賃金がどう変化したかは分かりません。

設備更新前後で、

・保守作業時間
・船員の拘束時間
・残業
・休日
・必要人数
・配置転換
・基本給

を比較し、人への改善が確認できれば0→3点、プラス3点を検討できます。

単独でも総合56→59点となり、Cまであと1点です。

参考企業はキリングループロジスティクス株式会社です。Drive上の最新版審査では、改善によって年間所定労働時間を24時間短縮した実績があり、「改善成果の人間への還元」は3/5点です。

復旧時間を具体的にする【Protection・供給継続・復旧能力:3→4/5点】

現在は3/5点です。

2隻体制と複数通信手段は強みですが、津波、船舶故障、港湾被災などの際に何時間で航路を再開するのかは公開されていません。

主要な災害・故障シナリオごとに復旧目標時間を設定し、訓練や実障害で目標内の復旧が確認できれば3→4点、プラス1点を想定できます。

総合点は56→57点です。

参考企業はSNCF Réseauです。Drive上の最新版審査では、火災や土砂崩れなどの実災害について復旧までの実績を公開し、「供給継続・復旧能力」は4/5点です。

次のCランクへ上がるための具体例

現在56点・Dです。

Cは60点からなので、あと4点必要です。

例えば、

・労働時間・休息:4→6点 +2点
・人権・ハラスメント・労使関係:2→3点 +1点
・供給継続・復旧能力:3→4点 +1点

となれば、

56+2+1+1=60点

となり、シビックランクCへ上がります。

別の方法として、「改善成果の人間への還元」を0→3点に改善し、復旧能力を3→4点にすれば同じく60点です。

情報を公開しただけで自動的に点数を上げるわけではありません。

実際に休日が増えた、残業が減った、ハラスメントへの救済が機能した、設備更新によって社員の負担が減った、災害後に目標時間内で航路を復旧できたという結果が確認できた場合に再評価します。

出典一覧

情報源主な確認内容情報ランク
富士急マリンリゾート「2026年度 安全への取り組み」安全目標、訓練、救命設備、過去5年間の事故A
国土交通省 旅客船事業者安全情報過去5年間の船舶事故0件、保有船S
静岡県警察2024年合同水難救助訓練S
富士急行 有価証券報告書・株主総会資料親子関係、金波銀波導入S
しずおか就職net会社概要、従業員数S
富士急マリンリゾート採用サイト給与、休日、福利厚生A
Indeed社員口コミ、アルバイト求人B
Yahoo!しごとカタログ投稿者ベースの年収参考値B

シビックランクの基準

シビックランク総合得点
S90~100点
A80~89点
B70~79点
C60~69点
D50~59点
E40~49点
F20~39点
G0~19点

情報ランク

情報ランク:A

船舶安全については、国土交通省、静岡県警察、会社自身の安全情報など信頼性の高い資料がそろっています。船舶事故件数、救命設備、船舶検査、訓練などはかなり詳しく確認できます。

一方、社員の平均残業、離職率、労災、男女賃金差、ハラスメント是正実績、設備更新後の労働時間削減、災害後の復旧時間には対象会社単体の情報が不足しています。

情報源そのものは強いためAとしますが、企業を働く人の視点から評価するための労務情報については、さらに公開してほしい企業です。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次