MENU

サカイキャニング株式会社を企業審査|68点/100点・シビックランクC|AGV倉庫完全無人化と年間休日105日・FSSC22000を評価、給与水準・労災・BCP開示が課題

私たちは、企業の商品を購入したり、サービスを利用したりすることで、そこで働く人たちの未来を変えることができます。

働く人に十分な賃金を払い、休暇を確保し、安全な職場をつくり、人の負担を減らす企業の商品やサービスが選ばれれば、そうした企業により多くの売上が集まります。その結果、働く人を大切にする経営を続けやすくなります。

反対に、低賃金や長時間労働、安全上の問題を改善しない企業の商品やサービスが売れ続ければ、そうした働かせ方のままでも事業を続けることができます。

だからこの企業審査では、「私たちがお金を使うなら、どの企業を選ぶことが、そこで働く人にとってより良い社会につながるのか」という視点から企業を評価します。

今回審査するサカイキャニング株式会社は、総合68点、シビックランクCです。

サカイキャニング株式会社の特に強い点は、自動化を進めながら働く人の休日も実際に増やしていることです。2023年12月からAGV自動搬送システムを導入して倉庫内作業の負担軽減を進め、2025年4月には生産部門を3班制から4班制へ変更して年間休日を96日から105日へ9日増やしました。2026年2月にはAGVの第2期工事が完成し、製品倉庫を完全無人化しています。

そのため、この企業の商品を買ったり、サカイキャニングが製造する飲料を選んだりすれば、人が重い製品を運ぶ仕事を機械へ移し、そこで生まれた余力を休息やより価値の高い仕事へ振り向ける製造業に売上が集まりやすくなります。技術進歩によって人をただ減らすのではなく、人の身体的負担や働く時間を減らす社会に強くなる可能性が高まります。

一方で、改善点として賃金と労働安全の成果開示が残ります。2026年の就職情報では初任給20万円、Indeedの過去求人集計では製造職の推定月給約21.3万円となっていますが、既存社員全体の平均給与、賃上げ率、賃金中央値は公開されていません。また、労働安全方針や暑熱対策は確認できる一方、労働災害件数、休業災害、熱中症件数などの個社実績も確認できません。働く人へ技術革新の利益をどこまで所得と安全で返しているのかを判断するために、これらの数字を公開する必要があります。

この記事では、サカイキャニング株式会社の強みと課題をさらに詳しく企業審査していきます。

目次

サカイキャニング株式会社の企業審査結果

サカイキャニングは、飲料工場の自動化、食品安全認証、休日増加、災害時の水供給などに具体的な実績があります。特にInnovationは、中小規模の飲料製造会社としてかなり強い内容です。

一方、給与・労災・BCP・サイバー防衛など、働く人や事業継続の結果を判断するための数字には不足があります。

評価軸得点主な評価
Safety30/50年休105日、有休53%、福利厚生、人権協定、FSSC22000を評価。給与水準・労災実績の開示が課題
Innovation21/25AGV、ロボット、無人ライン、休日9日増、DX継続を高く評価
Protection17/25災害時の水供給協定と被災地支援を評価。BCP、代替生産、サイバー成果の開示が不足
合計68/100シビックランクC

主な強み

  • 2025年4月に年間休日を96日から105日へ9日増加
  • 平均残業は20時間弱、生産管理・品質保証は月17時間、事務は月3時間
  • 平均有給休暇消化率53%
  • 2026年2月、AGVによって製品倉庫を完全無人化
  • 生産ラインの多くをコンピューター・ロボットで自動化
  • FSSC22000、ISO22000、JISQ9001を取得
  • 食品衛生法項目、残留農薬131項目、放射能など水質を検査
  • 和歌山県人権尊重の社会づくり協定を締結
  • 橋本市と災害時の水供給協定を締結
  • 東日本大震災で24,000L、紀伊半島台風で12,000Lの水を無償提供
  • 2026年に太陽光発電設備を増設

主な課題

  • 既存社員全体の平均給与・賃金中央値が非公表
  • 現在の全社員への賃上げ率が非公表
  • 年間休日105日は改善したものの120日前後の企業より少ない
  • 生産現場は24時間3交代勤務
  • 夏は暑く冬は寒いと会社自身が認めている
  • 労働災害・休業災害・熱中症件数が非公表
  • 自動化後の配置転換人数や職種別残業削減量が非公表
  • BCP、復旧目標時間、工場間の具体的な代替生産能力が非公表
  • サイバー訓練、外部認証、復旧試験等の開示が不足

事業内容と人間への貢献

サカイキャニングは、清涼飲料、乳製品、ミネラルウォーターなどを製造する和歌山県の飲料メーカーです。

自社ブランドだけを売る会社ではなく、他社ブランド・PB商品の受託製造を大きな事業としています。

基本情報

項目内容
会社名サカイキャニング株式会社
法人番号2170001010979
創業1912年(大正元年)
設立1991年2月
登記上本社和歌山県橋本市高野口町小田530
かつらぎ工場和歌山県伊都郡かつらぎ町島358-1
東京営業所東京都港区高輪4-18-19
代表取締役社長阪井 克行
資本金1,000万円
従業員75人(会社公式)
売上高約74億円
主な事業清涼飲料、乳製品、缶・瓶詰食品、菓子、酒類等の製造
主な認証FSSC22000、ISO22000、JISQ9001

会社公式では従業員75人としています。和歌山県の2026年就職情報では正規社員74人、非正規社員8人と掲載されており、集計時点や定義が異なるため単純比較はしません。

主な事業内容

サカイキャニングは、

  • 茶系飲料
  • コーヒー
  • スポーツドリンク
  • 果汁飲料
  • ミネラルウォーター
  • 栄養・機能性飲料

などを受託製造しています。

小ロットから大量生産まで対応し、商品開発室で味・香り・色・成分の調整も行っています。

高野山麓かつらぎ工場では、500mlペットボトルを1分間に約400本製造できるラインを持ち、生産工程の多くが無人・コンピューター管理されています。

事業による人間への貢献

飲料製造会社の役割は、人が安全に飲める水や飲料を安定供給することです。

サカイキャニングの場合、自社ブランドだけでなく他社から受託した多数の飲料を作っているため、同社の工場が支えている商品は消費者が意識する以上に広い可能性があります。

さらに災害時には、水そのものが生命維持に必要な物資になります。

橋本市との協定では、災害時に同社が保有する水を供給する仕組みが設けられています。

そのため同社の役割は、平時の飲料製造だけでなく、非常時の飲料水供給にも及びます。

Safety

Safetyでは、飲料を口にする利用者の安全と、24時間稼働する工場で働く人の賃金・休息・健康を確認します。

食品安全の制度は非常に強い一方、給与と労災成果は十分に見えません。

賃金・利益の還元 3/10点

2026年の和歌山県就職情報では初任給20万円です。

Indeedが過去求人から算出した推定値では、

  • 製造 月21.3万円
  • 食品製造 月20.9万円
  • 品質管理 月21.0万円

となっています。

Indeedでは食品製造について全国平均を25%下回ると表示していますが、これは過去求人を基にした第三者推定値であり、現在の全社員給与とは扱いません。

会社は給与体系について、年齢給・勤続給・能力給で構成し、年齢給と勤続給は毎年昇給すると説明しています。

毎年昇給する制度があることは評価できます。

一方、

  • 平均年収
  • 給与中央値
  • 2025年・2026年のベースアップ額
  • 非正規を含む賃上げ率
  • 利益増加分の人件費還元

は確認できません。

売上約74億円の企業として、利益成長がどの程度従業員所得へ戻っているのか判断できないため3/10点です。

全社員の平均給与と賃上げ率を公開し、実際の賃金上昇を確認できれば5~7点以上へ上げられます。

労働時間・休息 6/10点

サカイキャニングは、2025年4月から生産部門を3班制から4班制へ変更し、年間休日を96日から105日へ9日増やしました。

現在の勤務時間は、

  • 8:30~17:00
  • 16:30~翌1:00
  • 0:30~9:00

の3交代制です。

いずれも実働7時間45分です。

会社回答では平均残業は直近数年20時間弱で、

  • 生産管理部 月17時間
  • 品質保証部 月17時間
  • 事務職 月3時間

としています。

和歌山県の就職情報では有給休暇消化率53%です。

過去には「休日が少ない」という従業員口コミがあり、会社自身も休日増加へ取り組むと回答していました。その後実際に年間休日を96日から105日へ増やしており、問題認識から改善まで確認できます。

そのため6/10点としました。

一方、年間休日105日は改善したものの、年間120日前後を確保する製造企業より少なく、夜勤を含む交代勤務でもあります。

年間休日115~120日以上、有給70~80%以上、平均残業15時間未満へ改善できれば8点以上を検討できます。

雇用の安定・待遇の公平性 4/5点

和歌山県の就職情報では、

  • 正規社員74人
  • 非正規社員8人
  • 女性管理職あり
  • 平均年齢45歳
  • 平均勤続年数10年
  • シニア再雇用実績あり

とされています。

2026年度には高校卒採用3人、離転職者0人と掲載されています。

さらに2030年3月期売上100億円を目標とし、人材育成と事業拡大を進める方針を示しています。

現在も採用を続けており、自動化を理由とする大規模な人員整理は今回確認できませんでした。

雇用維持と採用を評価して4/5点です。

ただし会社全体の離職率、男女賃金差、正規登用実績などを公開できれば5点を検討できます。

福利厚生・育児・介護 4/5点

和歌山県の就職情報では、

  • 住宅手当
  • 家族手当
  • 通勤手当
  • 時間外手当
  • 深夜手当
  • 企業年金
  • 確定拠出年金
  • 確定給付企業年金
  • 退職金制度
  • 育児休業取得実績

などが確認できます。

夜勤を伴う製造業で退職後の年金制度まで複数整備している点は評価できます。

一方、男性育児休業取得率、介護休業取得率、雇用形態別の利用実績は確認できません。

制度だけでなく利用率まで示せれば5点へ上げられます。

人権・ハラスメント・労使関係 4/5点

サカイキャニングは「和歌山県人権尊重の社会づくり協定」の締結企業です。2026年6月時点の県公式一覧にも掲載されています。

会社の行動規範でも、

  • 差別・ハラスメントをしない
  • 人権を尊重する
  • 明るく活力ある職場をつくる

と明記しています。

また、現場の課題を部門長へ相談しやすいボトムアップ型の運用を説明しています。

一方、社外通報窓口、ハラスメント相談件数、是正結果などは確認できません。

公的な人権協定と社内規範を評価して4/5点としました。

労働安全・健康 4/10点

会社は労働安全方針として、

「負傷してまでやらなければならない業務はない」

と明記しています。

また、中央労働災害防止協会、和歌山県労働基準協会に参加しています。

生産現場については会社自身が、

  • 夏場は暑い
  • 冬場は寒い
  • 機械音がある
  • ライン作業は体力的にきつい時期がある

と説明しています。

熱中症対策として食品製造用の空調服を一人ひとりへ支給し、冷房のあるスペースで休めるようにしています。

現場リスクを隠さず対策を説明していることは評価できます。

一方、

  • 労働災害件数
  • 休業災害
  • 重傷災害
  • 熱中症件数
  • 度数率
  • 健康診断結果

などが公開されていません。

制度は確認できても成果を判断できないため4/10点です。

労災件数と重症度を毎年公開し、事故減少まで確認できれば6~8点以上へ上げられます。

商品・サービスの安全 5/5点

サカイキャニングは食品安全で強い制度を持っています。

高野山麓かつらぎ工場の受託製造でFSSC22000を取得し、ISO22000、JISQ9001も取得しています。

製造ラインには30台以上の超高速カメラを使った外観検査機や独自制御の殺菌機などを導入しています。

製造用水についても、

  • 食品衛生法26項目
  • 残留農薬131項目
  • 放射能

などを検査しています。

今回の公開情報調査では、サカイキャニング自身を原因とする近年の重大な食品回収・食中毒行政処分を裏付ける公的資料は確認できませんでした。

認証、検査、自動検査設備まで具体的に確認できるため5/5点としました。

従業員・元従業員の口コミ

従業員口コミは件数が少ないため、会社全体の統計とは扱いません。

転職会議では5件の口コミがあり、投稿者集計で、

  • 残業20.8時間/月
  • 有給消化率43.8%

となっています。

2021年頃の品質管理社員の投稿では、

「休日が少なく、仕事内容も体力勝負」

という趣旨の不満が確認できます。

Indeedには1件のみですが、2023年の事務職経験者から「休みが少ないのに給料が低い」という厳しい投稿があります。

一方、これらの口コミより後に、

  • 年間休日96→105日
  • 3班→4班
  • AGVによる負担削減

という会社側の改善が確認されています。

古い口コミだけで現在も同じ状態と判断せず、改善後の現在値を優先しています。

SNS・匿名掲示板の確認結果

X、5ちゃんねる、爆サイ等について、

「サカイキャニング」
「残業」
「給料」
「退職」
「パワハラ」
「労災」
「自動化」

などを組み合わせて確認しました。

今回の検索では、現社員・元社員であることと投稿本文を十分確認でき、採点に使用できる現在の具体的投稿は確保できませんでした。

匿名情報が見つからないこと自体を加点材料にはしていません。

Innovation

サカイキャニングは今回の企業審査でInnovationが最も強い分野です。

飲料工場の生産・検査・物流を積極的に自動化しており、2026年には製品倉庫まで完全無人化しました。

さらに、働く人の休日を増やしたことまで確認できるため、「機械を導入しただけ」の企業より高く評価できます。

作業負担・危険の削減 8/10点

かつらぎ工場の生産ラインはほぼ無人に近く、コンピューターで管理されています。

具体的には、

  • ロボットパレタイザー
  • 自動制御設備
  • 高速カメラ検査
  • AGV自動搬送

などを導入しています。

2023年12月にはAGVを導入し、倉庫内作業の負担軽減と無人化を開始しました。

2026年2月には第2期が完成し、製品倉庫を完全無人化しています。

飲料ケースは重量があるため、人がフォークリフトや手作業で繰り返し移動させる工程を機械へ移すことは、身体負担や接触事故リスクを減らす可能性があります。

具体的に人が担当していた搬送工程を機械へ移しているため8/10点です。

一方、腰痛件数、フォークリフト事故、必要作業人数、年間作業時間が何%減ったかまでは公表されていません。

人への効果を数値化できれば10点を検討できます。

商品・サービスの改善 5/5点

サカイキャニングは缶、PET、カップ等の生産技術を持ち、小ロットから大量生産まで対応しています。

商品開発室では味、香り、色、成分分析を行い、他社との共同開発にも対応しています。

工場側でも殺菌、外観検査、無菌充填などを継続的に高度化しています。

顧客企業が「飲料のアイデアはあるが自社工場を持たない」という場合でも商品化を支援できるため、飲料産業全体の開発負担を減らしています。

継続的な商品・製造改善を評価して5/5点としました。

改善成果の人間への還元 4/5点

2025年4月、生産部門を3班制から4班制へ変更し、年間休日を96日から105日へ増やしました。

同じ会社回答では、AGVによる倉庫負担軽減と働き方の見直しを並行して進めていることが説明されています。

自動化による効率化と採用増強を利用し、「休日を9日増やす」という具体的な人への還元まで実施している点は重要です。

また、2026年6月時点でも被保険者数75人が確認され、会社公式も従業員75人としています。大量解雇によって無人化を進めた形は今回確認できません。

そのため4/5点としました。

ただし、

  • AGV導入前後の物流人員
  • 配置転換人数
  • 残業削減時間
  • 賃上げ効果
  • 異動後の離職率

は公開されていません。

自動化で生まれた余力が人へどう返ったかをさらに定量化できれば5点です。

研究開発・現場改善の継続 4/5点

2025年の組織改編では「生産・DX推進担当」の執行役員を置き、物流課やR&D課を新設しています。

2030年3月期に売上100億円を目標とし、生産から物流までのデジタル連携、自動倉庫、物流DXへの投資を続ける方針です。

2026年にはAGV第2期と150kWの太陽光発電設備を完成させています。

継続的な設備・組織改善を確認できるため4/5点としました。

改善効果をKPIとして公開し続ければ5点を検討できます。

自動化後の雇用状況

自動化企業では、「人の仕事を楽にした」のか「人を切って利益だけを増やした」のかを分ける必要があります。

サカイキャニングは2023年からAGVを導入し、2026年には製品倉庫を完全無人化しています。

一方、2026年時点でも従業員約75人を維持し、高校卒を含む採用も行っています。

2025年には、むしろ3班制を4班制へ変更するため採用を増やし、休日を増加させています。

今回の調査では、AGV導入を原因とする希望退職、大量解雇、人員整理は確認されませんでした。

ただし、物流担当者が何人から何人になったのか、その人たちが別業務へ配置されたのかは公開されていません。

今後は自動化前後の人員配置まで示してほしいところです。

Protection

サカイキャニングは「水を製造する会社」であるため、災害時の社会的役割が大きい企業です。

実際に自治体との供給協定と被災地への大量の水提供実績があります。

一方、工場そのものが被災した場合の復旧・代替生産計画は十分公開されていません。

災害への備え・訓練 4/5点

橋本市とサカイキャニングは、災害時に水を供給する協定を締結しています。

災害時に市が要請した場合、会社の営業に支障がない範囲で保有する水を供給する内容です。

これは非常時を事前に想定した自治体との制度的な備えです。

一方、サカイキャニング自身の、

  • BCP訓練
  • 地震訓練
  • 安否確認訓練
  • 非常用電源
  • 復旧訓練

などの実績は公開されていません。

災害対応制度を評価して4/5点としました。

生産・物流・調達の代替 3/5点

サカイキャニングは、

  • 高野山麓高野口工場
  • 高野山麓かつらぎ工場
  • 倉庫
  • 東京営業所

を持っています。

複数拠点を持つ点は単一工場企業より有利です。

ただし、高野口工場とかつらぎ工場がそれぞれどの商品をどこまで代替生産できるか、片方が停止した場合に生産量の何%を補えるかは公開されていません。

原料・資材の代替調達先も不明です。

複数拠点を評価して3/5点としました。

代替生産能力や複数調達先を公開できれば4~5点へ上げられます。

サイバー防衛・情報保護 2/5点

サカイキャニングは、独自システムによって東京営業所から工場の原料入庫、生産、品質検査、出荷までリアルタイムで確認しています。

デジタル化が進むほど、サイバー攻撃で生産や物流が停止する危険も高まります。

行動規範では「情報の機密漏洩防止」「情報管理の適正維持・改善」を掲げています。

一方、

  • CISO等の責任者
  • SOC
  • 多要素認証
  • サイバー訓練
  • バックアップ復旧試験
  • ISO27001
  • インシデント件数

などは確認できません。

基本方針はあるものの、製造システムを守る具体的な成果が不足するため2/5点です。

供給継続・復旧能力 3/5点

生産設備の自動化、複数工場、物流DX、AGV倉庫などは平時の供給能力を高めます。

2030年に売上100億円を目指し、サプライチェーン全体のDXへ投資していることも確認できます。

一方、

  • 主要設備停止時の復旧目標時間
  • 非常用発電能力
  • 工場停止時の代替製造
  • 原料不足時の代替調達
  • 災害訓練結果

は公開されていません。

供給力は強いものの、非常時の実証が不足するため3/5点としました。

危機時の市民への対応 5/5点

この項目はサカイキャニングの明確な強みです。

2011年3月の東日本大震災ではミネラルウォーター24,000Lを被災地へ無償提供しました。

同年9月の紀伊半島台風でも12,000Lを無償提供しています。

さらに橋本市とは災害時の水供給協定があります。

「災害時に支援します」という方針だけではなく、実際に数万リットルの水を被災地へ届けた実績があるため5/5点としました。

良いニュース・最近の前向きな動き

サカイキャニングの最近の前向きな動きでは、機械化そのものではなく、技術を使って人が担う物流作業を減らし、同時に休日も増やしている点を重視します。

この方向へ需要が集まれば、製造業の生産性向上が「人を削ること」ではなく「人が危険・重労働から離れ、より休めること」へつながりやすくなります。

2026年2月、製品倉庫を完全無人化

2026年2月2日、かつらぎ工場の「AGV自動搬送システム2期」が完成し、製品倉庫を完全無人化しました。

飲料製品は重量があり、倉庫内で大量に搬送するには身体負担やフォークリフト事故のリスクがあります。

こうした搬送を機械へ移すこと自体は、人の負担を減らすInnovationとして評価できます。

年間休日を96日から105日へ増加

2025年4月、生産部門を3班から4班へ変更し、年間休日を9日増やしました。

過去の口コミでは休日の少なさが問題視され、2024年時点で会社も休日増加を課題として認識していました。

その後、実際に制度を変更したことは重要です。

問題を指摘されても説明だけで終わらず、働く人の自由時間を増やす結果を出した点を評価できます。

太陽光発電を150kW増設

2026年2月には、かつらぎ工場で150kWの太陽光発電設備も増設しました。

工場自体もオンデマンド方式で、必要なボイラーやエア設備だけを稼働させる省エネルギー設計を採用しています。

さらに茶殻・コーヒーかすを肥料へ、PETボトルや段ボールをリサイクルしています。

悪いニュース・問題となった動き

今回の公開調査では、サカイキャニング自身について、近年の死亡事故、大規模食品回収、重大な行政処分、工場火災を裏付ける公的資料は確認できませんでした。

一方、問題が報道されていないことと、働く人の安全や待遇が十分であることは同じではありません。

特に給与・労災・夜勤負担の成果開示が不足しています。

生産現場の厳しさを会社自身が認めている

会社の生産課長インタビューでは、生産現場について、

  • 同じ作業の繰り返し
  • ライン速度に合わせる必要がある
  • 精神的タフさが必要
  • 慣れるまで体力的にきつい
  • 夏は暑い
  • 冬は寒い
  • 機械音が大きい

と説明しています。

問題なのは、この環境が存在すること自体ではありません。

飲料工場には一定の暑熱・騒音・交代勤務が避けにくい面があります。

重要なのは、空調服や休憩所だけでなく、

  • 熱中症が何件発生したか
  • 騒音による健康影響がないか
  • 夜勤者の健康状態
  • 労災が減っているか

まで公開することです。

給与への還元が見えにくい

サカイキャニングは2025年度に売上約74億円を計上し、2030年には100億円を目指しています。

一方で、全社員の平均給与やベースアップ額は公開されていません。

年間休日の改善は明確ですが、事業成長と自動化によって得た利益を賃金にもどの程度返しているかを示せれば、企業審査の評価をさらに高められます。

総合評価と、これから改善してほしいこと

サカイキャニング株式会社は68点/100点、シビックランクCです。

次のBランクは70点からなので、あと2点必要です。

食品安全、自動化、休日増加、災害支援は強く評価できます。

特に、倉庫を無人化した一方で社員を大量に解雇するのではなく、採用を進めながら休日を9日増加させたことは、今回の企業審査で大きなプラス材料です。

次に改善してほしいのは、賃金と安全成果の「数字」です。

賃金・利益の還元を3/10点から5/10点へ改善してほしい

現在は3/10点です。

初任給や過去求人給与は分かりますが、既存社員の現在の賃金上昇を確認できません。

今後、

  • 全社員の平均年収
  • 賃金中央値
  • 年間ベースアップ額
  • 賞与平均
  • 非正規を含めた賃上げ率

を公開し、実際に所得が上昇していることを確認できれば3→5点、+2点を想定できます。

総合点は68→70点となり、シビックランクBへ上がります。

参考として、当サイトで審査した東日本旅客鉄道株式会社は、2026年度の平均43,125円・11.36%の賃金引上げを具体的に公開しているため、「賃金・利益の還元」を8/10点と評価しています。

企業規模は大きく異なりますが、「何円上げたのか」を公表する姿勢は参考になります。

労働安全・健康を4/10点から6/10点へ改善してほしい

現在は4/10点です。

労働安全方針、空調服、安全関連団体への加入は確認できます。

次に必要なのは、

  • 労災件数
  • 重傷・軽傷の内訳
  • 熱中症件数
  • フォークリフト・機械事故
  • 度数率
  • 安全研修時間

の公開です。

事故が継続的に減少していることまで確認できれば4→6点、+2点を想定できます。

これだけでも70点となりBランクです。

参考として、当サイトで審査したJR東日本は死亡災害0件だけでなく、休業災害人数まで公表しています。問題がある数字でも公開することで、外部から改善状況を検証できます。

年間休日をさらに増やしてほしい

2025年に96日から105日へ増えたことは明確な改善です。

一方、3交代勤務の製造業で105日という休日数には、さらに改善余地があります。

現在の「労働時間・休息」は6/10点です。

例えば、

  • 年間休日115~120日
  • 有給取得率70%以上
  • 月平均残業15時間未満

まで改善できれば8/10点を検討できます。

6→8点なら+2点となり、総合70点でBランクです。

参考として、当サイトの株式会社JR東海リテイリング・プラスでは平均残業7.8時間、有給取得率76.1%を公開しており、「労働時間・休息」を8/10点としています。

次のランクへ上がるための具体例

現在68点・Cランクです。

Bランクの下限70点まであと2点です。

例えば、

  • 賃金・利益の還元 3→5点 +2点

で、

68点 + 2点 = 70点

となりBランクへ上がります。

また、

  • 労働安全・健康 4→6点 +2点

でも70点です。

あるいは、

  • 労働時間・休息 6→7点 +1点
  • サイバー防衛・情報保護 2→3点 +1点

でも70点に到達します。

サカイキャニングの場合、新しい機械をさらに増やすことより、すでに進めている自動化の利益を賃金・休日・安全という人間側の成果として数字で示すことが、次のランクへ進む最も重要な改善です。

出典一覧

  1. サカイキャニング株式会社「会社概要」
    従業員数、工場、営業許可、FSSC22000・ISO22000・JISQ9001等を確認。
  2. 和歌山県「高校生のためのわかやま就職ガイド」
    正規・非正規社員数、平均勤続年数、有給53%、年間休日105日、初任給、福利厚生、育休等を確認。
  3. サカイキャニング公式回答「業務体制について」
    AGV、3班→4班、年間休日96→105日を確認。
  4. サカイキャニング公式回答「職場環境の実態」
    平均残業20時間弱、職種別残業、3交代勤務等を確認。
  5. サカイキャニング公式ニュース
    2026年2月のAGV第2期、製品倉庫完全無人化、太陽光発電増設を確認。
  6. サカイキャニング「経営理念・方針」
    食品安全、労働安全、人権、情報管理等の方針を確認。
  7. サカイキャニング「水の品質」
    食品衛生法項目、残留農薬、放射能等の検査を確認。
  8. サカイキャニング「生産設備」
    外観検査機、殺菌機、ロボット等を確認。
  9. 和歌山県「人権尊重の社会づくり協定締結企業一覧」
    サカイキャニングの協定参加を確認。
  10. 橋本市「災害時における物資の供給に関する協定書」
    災害時の水供給協定を確認。
  11. サカイキャニング「ニュース」
    東日本大震災24,000L、紀伊半島台風12,000Lの水提供を確認。
  12. 転職会議・Indeed
    従業員口コミ、残業・有休、過去の休日・給与への不満を補助情報として確認。

シビックランクの基準

シビックランク総合点
S90~100点
A80~89点
B70~79点
C60~69点
D50~59点
E40~49点
F20~39点
G0~19点

サカイキャニング株式会社は68点のため、シビックランクCです。

情報ランクの基準

情報ランク基準
S国・自治体・規制当局・独立した第三者機関による調査、協定、認証、検証など
A企業公式サイト、公式回答、公式求人、公式声明など
B従業員・元従業員口コミ、一般SNS、匿名掲示板など

今回の審査では、和歌山県、橋本市などの公的資料と、FSSC22000等の第三者認証を特に重視しました。

会社公式情報では、自動化、休日増加、食品安全、災害支援等を確認しています。

従業員口コミについては件数が少なく、古いものもあるため、現在の会社全体を断定する材料にはしていません。

確認された問題と、単に情報が公開されていない項目は分けて評価しています。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次