私たちは、企業の商品を購入したり、サービスを利用したりすることで、そこで働く人たちの未来を変えることができます。
働く人に十分な賃金を払い、休暇を確保し、安全な職場をつくり、人の負担を減らす企業の商品やサービスが選ばれれば、そうした企業により多くの売上が集まります。その結果、働く人を大切にする経営を続けやすくなります。
反対に、低賃金や長時間労働、安全上の問題を改善しない企業の商品やサービスが売れ続ければ、そうした働かせ方のままでも事業を続けることができます。
だからこの企業審査では、「私たちがお金を使うなら、どの企業を選ぶことが、そこで働く人にとってより良い社会につながるのか」という視点から企業を評価します。
今回審査する株式会社ハルナウォーターは、総合59点、シビックランクDです。
ハルナウォーターの特に強い点は、ミネラルウォーターを安全に製造し、災害時にも水を届ける体制を実際に持っていることです。安曇野・松川の両工場はFSSC22000認証を取得し、ロットごとの品質検査に加え、原水・製品の第三者水質検査と放射性物質検査も実施しています。さらに松川村とは災害時の飲料水供給協定を結び、2024年の能登半島地震では天然水4,800本を七尾市役所へ自社車両で直接搬入しました。[出典5・6・14]
そのため、この企業のミネラルウォーターが選ばれれば、日常の飲料水を安全に供給しながら、災害時にも生活に欠かせない水を地域へ届けられる企業に売上が集まり、水の安全と供給継続に強い社会になる可能性が高まります。
一方で、改善点として、製造現場で働く人の負担と安全実績の開示が残ります。2026年の松川プラント製造職求人では年間休日122日を確保する一方、月平均時間外労働は30時間で、日勤と夜勤を繰り返す2交替勤務です。会社単体の労災件数、休業災害、度数率、長時間労働者比率、有休取得率などを毎年比較できる公開情報も確認できませんでした。[出典3]
この記事では、株式会社ハルナウォーターの強みと課題をさらに詳しく企業審査していきます。
株式会社ハルナウォーターの企業審査結果
ハルナウォーターは、食品安全、年間休日、育児支援、災害時の飲料供給、水資源保全では強みがあります。一方、夜勤を伴う製造現場の残業、会社単体の労災・有休・男女賃金差などの実績開示、省人化後の人への還元、BCPの定量情報が点数を抑えました。
| 評価軸 | 得点 | 主な評価 |
|---|---|---|
| Safety | 30/50 | 年間休日122日、賞与6.04か月、育休・看護休暇実績、FSSC22000を評価。製造職月平均残業30時間、夜勤、労災KPI非公表が課題 |
| Innovation | 15/25 | 生産ライン改善、3名分の省人化、DX推進、包装・殺菌工程改善を評価。省人化で浮いた時間・利益の人への還元は未確認 |
| Protection | 14/25 | 2工場、予備部品共有、松川村との災害協定、能登支援を評価。BCP訓練・サイバー・復旧時間の開示が弱い |
| 総合 | 59/100 | シビックランクD |
主な強み
・安曇野・松川の両工場でFSSC22000認証
・ロットごとの品質検査、第三者機関による水質・放射性物質検査
・年間休日122日
・2025年度賞与実績6.04か月
・育児休業・看護休暇の取得実績
・グループノウハウ共有により3名分の省人化体制を実現
・松川村との災害時飲料水供給協定
・2024年能登半島地震で天然水4,800本を直接支援
・2025年に「水循環ACTIVE企業」認証
・2026年4月から安曇野・松川両プラントでCO2フリー電力を導入
主な課題
・製造職の月平均時間外労働30時間
・日勤・夜勤を繰り返す2交替勤務
・会社単体の平均年収、賃金中央値、男女賃金差が非公表
・会社単体の労災件数、休業災害、度数率、有休取得率が非公表
・従業員口コミが極めて少なく、職場全体を第三者情報から把握しにくい
・3名分の省人化後の配置、残業、賃金、休日への還元が非公表
・2工場が同じ長野県北アルプス地域にあり、地域分散には限界がある
・会社単体のBCP訓練、RTO・RPO、サイバー対策の結果が非公表
事業内容と人間への貢献
株式会社ハルナウォーターは、長野県安曇野地域の天然水を採水し、ミネラルウォーターを製造・販売する会社です。安曇野市と松川村に2工場を持ち、PET容器の成形から充填、包装、倉庫までを担います。自社ブランドだけでなく、全国の小売流通企業向けPB商品の受託製造も行っています。[出典1・4・7]
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社ハルナウォーター |
| 設立 | 2023年4月12日 |
| 代表者 | 代表取締役社長 青木 麻生 |
| 所在地 | 長野県安曇野市穂高有明7378-6 |
| 資本金 | 1億円 |
| 従業員数 | 公式ブランドサイト約90人、2026年求人では企業全体88人 |
| 工場 | 安曇野プラント、松川プラント |
| 主な事業 | ミネラルウォーター・清涼飲料水の製造販売、PET容器成形、倉庫業 |
| 年間生産能力 | 公式ブランドサイトで約1,200万ケース |
| グループ | ハルナグループ |
従業員数は公開媒体の時点差があるため、約90人規模の会社とみます。[出典1・2・3]
情報ランク:A。
安曇野・松川の2工場
安曇野プラントと松川プラントはいずれも北アルプスの雪解け水を利用し、天然水をボトリングしています。安曇野プラントでは2L、550ml、500ml、350mlなど、松川プラントでは2L、550ml、500mlなどのPETボトルを製造しています。[出典4]
水源に近い場所で採水・充填することで、原料である天然水を長距離輸送せず製品化できます。
非加熱製法と品質検査
ハルナウォーターでは、最小0.1μmのミクロフィルターを含むろ過を行い、アセプティック充填室で非加熱ボトリングしています。
製造ロットごとに社内品質検査を行い、原水と製品について第三者機関による水質検査・放射性物質検査も実施しています。[出典5]
自然の水をそのまま販売するだけではなく、微生物や異物を除去しながら、飲用水として安全性を確認する工程を持っています。
全国のPB商品の受託製造
同社は全国の小売流通企業からPBミネラルウォーターを受託し、年間約1,200万ケース規模を製造するとしています。
自社ブランド「安曇野の自然が育んだ天然水」も展開し、カインズやベイシアなどでの採用実績が報告されています。[出典7・14]
大量のPB水を安定して製造できれば、価格を抑えた生活必需品として水を広く流通させることにつながります。
Safety 30/50
Safetyでは、飲料工場で働く人が十分に休めるか、夜勤や設備作業を安全に続けられるか、そして消費者が安心して水を飲めるかを確認しました。
ハルナウォーターは休日・賞与・育児支援と食品安全では評価できますが、製造職の残業30時間と会社単体の労災・有休データの不足が大きな課題です。
賃金・利益の還元:6/10
2026年の松川プラント製造職求人では基本給20万~26万円で、昇給率は前年度実績1~2%、賞与は年2回・計6.04か月分です。時間外、深夜、役職、子ども、資格などの手当もあります。[出典3]
別の2026年求人では、20代で年収420万円、30代で560万円という給与例も示されています。[出典8]
賞与6.04か月と毎年の昇給は評価できます。
一方、会社単体の平均年収、賃金中央値、製造職全体の実支給額、男女賃金差、利益増加分をどれだけ固定給へ返したかは公表されていません。
そのため6/10点です。
情報ランク:A。
労働時間・休息:6/10
2026年の製造職求人では年間休日122日、週休2日、4勤2休の2交替制です。日勤と夜勤を繰り返し、月平均時間外労働は30時間です。[出典3]
年間休日122日は十分な休日数として評価できますが、月30時間の残業と夜勤の組み合わせは身体的負荷が小さいとはいえません。
情報システム職では月平均残業10時間以下、土日祝休みという求人もあり、職種によって負荷には大きな差があります。[出典8]
製造現場の平均残業を10~15時間程度へ下げ、有休取得率まで公開できれば8点を検討できます。
情報ランク:A。
雇用の安定・待遇の公平性:3/5
製造職は無期雇用の正社員で、昇給、賞与、退職金制度があります。ハルナウォーター採用では全国転勤を伴わない地域限定採用も案内されています。[出典3・8]
2026年の求人では企業全体88人、松川プラント40人とされています。
一方、労働組合はなく、職務給制度もありません。男女別の賃金、管理職比率、離職率、正社員・派遣社員間の待遇差も公表されていません。[出典3]
雇用の安定性を評価しつつ3/5点です。
情報ランク:A。
福利厚生・育児・介護:4/5
育児休業と看護休暇の取得実績があり、企業型確定拠出年金、健康診断、資格手当、子ども手当、食事補助、スポーツ施設利用などを確認できます。[出典3・8]
一方、2026年の製造職求人では介護休業の取得実績はありません。男性育休取得率、平均育休日数、復職率なども会社単体では公開されていません。
制度だけでなく実際の育休・看護休暇取得を確認できるため4/5点です。
情報ランク:A。
人権・ハラスメント・労使関係:2/5
ハルナグループは法令遵守や社会倫理を企業行動指針として掲げ、健康経営や派遣・パートから正社員への転換にも取り組んでいます。[出典11・12]
ただし、ハルナウォーター単体のハラスメント相談件数、内部通報件数、是正件数、労使協議の実績は公開されていません。
公開されている従業員口コミも非常に少なく、会社単体の職場環境を第三者情報から十分に検証できる状態ではありません。
そのため2/5点です。
情報ランク:A・B。
労働安全・健康:4/10
製造職では設備操作、目視検査、機械の型替え、保守点検、清掃、フォークリフトを伴う業務があり、夜勤もあります。入社後のOJT、マニュアル、教育訓練、健康診断は確認できます。[出典3・8]
一方、会社単体の労災件数、休業災害、度数率、ヒヤリハット、熱中症、長時間労働者比率、メンタルヘルス休職率を年度比較できる公開情報は確認できませんでした。
食品工場では設備への巻き込まれ、フォークリフト、夜勤疲労などのリスクがあるため、対策だけでなく事故結果の開示が重要です。
そのため4/10点です。
情報ランク:A。
商品・サービスの安全:5/5
安曇野・松川両工場はFSSC22000認証を取得しています。
製品ロットごとの品質検査に加え、原水と製品の第三者水質検査・放射性物質検査も実施しています。[出典4・5]
採用情報では、商品回収や工場起因の重大トラブルがないと会社が説明しています。これは企業自身の説明なので独立確認された事故ゼロとは扱いませんが、今回の公的機関・一般検索でも同社名義の大規模商品回収や行政処分は確認できませんでした。[出典8]
FSSC22000と複数段階の検査が実運用されているため5/5点です。
情報ランク:A。
従業員・元従業員の口コミ
公開されているハルナウォーターの従業員口コミは非常に少なく、会社全体の職場環境を判断できるほどの量はありません。
2026年の投稿では松川村の製造現場における雇用形態間の扱いに不満を示す内容も確認しましたが、1件の個人経験を会社全体へ一般化しません。[出典10]
会社公式の離職率、雇用形態別待遇、従業員満足度などと合わせて確認できる状態になることを期待します。
情報ランク:B。
SNS・匿名掲示板の確認結果
X、5ちゃんねる、爆サイについて、「ハルナウォーター」「安曇野」「松川」「残業」「派遣」「労災」「退職」などを組み合わせて確認しました。
今回の検索範囲では、社員・元社員であることや勤務時期を確認でき、採点へ利用できる具体的な投稿本文は確認できませんでした。
投稿が確認できなかったことを「問題がない」という評価には使っていません。
Innovation 15/25
Innovationでは、水を製造するラインで人が担っていた監視・調整・搬送・事務をどこまで機械やデジタルへ移し、その成果を働く人へ返しているかを確認しました。
省人化と設備改善は具体的ですが、省人化後の雇用・残業・賃金への還元を示す情報が不足しています。
作業負担・危険の削減:6/10
製造工程ではPETボトル成形、充填、ラベル装着、箱詰めなどを機械化し、オペレーターは設備操作、監視、目視検査、型替え、保守、清掃を担っています。[出典8]
2023年のグループ事業報告では、ハルナグループ内のノウハウ共有によって3名分の省人化体制を実現したと報告されています。配送・車両手配の最適化や予備部品共有も進めています。[出典14]
また、2026年の情報システム職では、業務改善、システム・ツール導入、生成AIを含むDX提案を担う人材を募集しています。[出典8]
省人化とデジタル化は確認できますが、どの作業が何時間減ったのか、事故や夜勤負担がどの程度減ったのかは公開されていないため6/10点です。
情報ランク:A。
商品・サービスの改善:5/5
非加熱製法、0.1μmまでのろ過、アセプティック充填、ロット検査など、天然水の味を保ちながら安全に製造する工程を持っています。[出典5]
設備面では、ロールラベル対応、ボトル軽量化、キャップ殺菌方式の改善などを進め、蒸気使用量や資材負荷の削減にも取り組んでいます。[出典9・14]
製品安全、包装、生産効率、水・エネルギー使用まで継続して改善しているため5/5点です。
情報ランク:A。
改善成果の人間への還元:0/5
省人化の取り組みは確認できます。
しかし、その成果によって製造現場の残業が何時間減ったのか、休日が増えたのか、賃金へ還元されたのかを比較できる公開情報は確認できませんでした。
現在も製造職の月平均残業が30時間とされているため、省力化の成果が働く人の自由時間へ十分に返ったと判断することもできません。[出典3]
そのため0/5点です。
設備改善前後の作業時間、残業、休日、賃金を公開し、実際に働く人へ成果が返っていることを確認できれば3~5点を検討できます。
情報ランク:A。成果還元の定量情報は確認できず。
研究開発・現場改善の継続:4/5
製造ラインの省力化、包装改善、殺菌工程改善、DX人材採用、水使用量削減、再生可能エネルギー導入など、複数年にわたる改善を確認できます。[出典8・9・14]
2026年4月からは安曇野・松川両プラントの使用電力をCO2フリー電力へ切り替えています。[出典9]
単発の設備投資ではなく、品質・省力化・環境の複数分野で改善を続けているため4/5点です。
情報ランク:A。
自動化・AI導入後の雇用状況
2023年の事業報告では、製造現場で3名分の省人化体制を実現したことが確認できます。[出典14]
一方、その後の職種別人員、配置転換、採用数、退職者数などは公開されていません。
2026年も製造職や情報システム職の正社員採用を続け、現在も約90人規模の組織を維持しています。[出典2・3・8]
ただし、この数字だけでは「省人化後も雇用を守った」と断定できません。自動化後の職種別人員推移、配置転換、採用、退職、残業時間の変化を公表することを期待します。
Innovation小計:15/25点
Protection 14/25
Protectionでは、地震・停電・設備故障・物流停止が起きても飲料水を供給し続けられるかを確認しました。
2工場、予備部品共有、災害時の自治体協定と実際の被災地支援は強みです。一方、両工場が同じ長野県北アルプス地域にあることと、会社単体のBCP訓練・サイバー対策・復旧目標時間の開示不足が課題です。
災害への備え・訓練:1/5
松川村とは災害時の飲料水供給協定を結んでおり、災害時の地域支援体制は確認できます。[出典6]
一方、安曇野・松川両プラントについて、地震、停電、断水、設備火災、物流停止を想定した会社単体のBCP訓練の実施日、参加人数、改善結果は確認できませんでした。
協定の存在と社内訓練実績は分けて評価し1/5点です。
情報ランク:A。
生産・物流・調達の代替:3/5
安曇野プラントと松川プラントの2工場を持ち、グループ内で予備部品を共有して早期稼働復旧を図る取り組みや、生産・物流の最適化が確認できます。[出典4・14]
ただし、2工場はいずれも長野県北アルプス地域にあり、大規模地震や広域停電、物流寸断では同時に影響を受ける可能性があります。
さらに、一方の工場停止時に他方がどの製品をどこまで代替できるか、原材料・資材の複数調達率、切替時間までは公表されていません。
そのため3/5点です。
情報ランク:A。
サイバー防衛・情報保護:2/5
会社の個人情報保護方針では、安全管理措置と従業員への周知・教育を掲げています。
また、2026年の情報システム職では情報セキュリティ施策も担当業務に含まれています。[出典8・13]
一方、MFA、EDR、SOC、バックアップ分離、標的型メール訓練、外部侵入テスト、インシデント件数など、会社単体の具体的な技術・実績情報は確認できませんでした。
そのため2/5点です。
情報ランク:A。
供給継続・復旧能力:3/5
グループ内の予備部品共有による早期復旧、生産・物流の最適化に加え、殺菌工程の改善によって連続生産時間を延ばす取り組みが確認できます。[出典14]
設備停止を短くし、生産ラインの連続運転時間を伸ばすことは、飲料水の供給継続に直接つながります。
一方、主要設備やシステムのRTO・RPO、実際の復旧訓練時間、停電時の自家発電能力などは公表されていません。
そのため3/5点です。
情報ランク:A。
危機時の市民への対応:5/5
2023年10月4日、ハルナウォーターは松川村と災害時の飲料水供給に関する協定を締結し、村から要請があった場合に自社在庫から飲料水を優先供給する体制を整えました。[出典6]
さらに2024年1月の能登半島地震では、天然水550mlを200ケース、計4,800本、自社車両で石川県七尾市役所へ直接搬入しました。[出典6・14]
制度だけでなく実際の災害で飲料水を届けた実績まで確認できるため5/5点です。
情報ランク:A。
Protection小計:14/25点
良いニュース・最近の前向きな動き
最近の前向きな動きでは、水をつくる会社として、水源保全と製造時の環境負荷削減を同時に進めていることが目立ちます。
飲料水を長期的に供給するには、工場の生産能力だけでなく、原料となる地下水と電力を持続可能な形で使うことが重要です。
2026年4月:両プラントでCO2フリー電力を導入
2026年4月から、安曇野プラントと松川プラントで使用する電力をCO2フリー電力へ切り替えました。[出典9]
飲料水の製造にはろ過、充填、包装、搬送などで電力を使うため、工場の使用電力を切り替えることで製造時のCO2排出削減につながります。
2025年:水循環ACTIVE企業に認証
2025年、ハルナウォーターは「水循環ACTIVE企業」に認証されました。人材・資金等の支援に関する区分で認証番号25-036Aです。[出典9・15]
地下水を原料とする企業にとって、水源保全は事業継続そのものです。
松川プラントでは雨水浸透桝を設置し、地下への水の還元にも取り組んでいます。
2024年:能登半島地震の被災地へ天然水4,800本を直接搬入
2024年1月、天然水4,800本を石川県七尾市役所へ自社車両で届けました。[出典6・14]
災害時に水を必要とする地域へ実際に届けた実績は、Protectionで高く評価した大きな理由です。
悪いニュース・問題となった動き
今回の調査では、ハルナウォーター名義の大規模商品回収や重大な行政処分は確認できませんでした。
現在の課題として重要なのは、製造現場の労働負荷と、働く人の安全実績を会社単体で確認しにくいことです。
製造職は月平均残業30時間・夜勤を含む2交替制
2026年の松川プラント製造職求人では、年間休日122日を確保する一方、月平均時間外労働は30時間です。勤務は日勤と夜勤を繰り返す2交替制です。[出典3]
年間休日が多くても、夜勤と残業が重なると睡眠・疲労への負荷は残ります。
水の品質を守る工場だからこそ、製造する人の休息も安全管理の一部として改善する必要があります。
労災・有休など会社単体の結果情報が少ない
会社単体の労災件数、休業災害、度数率、有給休暇取得率、長時間労働者比率などを年度比較できる公開情報は確認できませんでした。
安全教育や健康診断があっても、実際に事故や長時間労働が減っているかを外部から確認できなければ、対策の成果までは評価できません。
省力化後の働き方の変化が見えない
グループ事業報告では、生産現場で3名分の省力化体制を実現したことが公表されています。[出典14]
一方、その後に残業、休日、賃金、人員配置がどう変わったかは公開されていません。
技術で作業を減らしたなら、その成果を働く人の時間や待遇へ返したことまで示すことを期待します。
総合評価と、これから改善してほしいこと
現在の総合評価は59点、シビックランクDです。
次のCランクは60点からなので、あと1点必要です。
ハルナウォーターは、食品安全と災害時の飲料供給では明確な強みがあります。次に必要なのは、製造現場で働く人の残業・安全実績を改善し、省力化で生まれた余力を休日や待遇へ返したことを数字で示すことです。
製造職の残業を減らす:労働時間・休息 6→8/10
現在の「労働時間・休息」は6/10点です。
年間休日122日は評価できますが、製造職の月平均時間外労働30時間と夜勤を含む交替勤務は負担が残ります。
改善条件は、年間休日122日を維持しながら製造職の平均残業を月10~15時間程度まで下げ、有給休暇取得率も公開することです。
その場合、
現在6/10 → 8/10
加点:+2点
総合:59→61点
ランク:D→C
を想定できます。
参考企業は株式会社JR東海リテイリング・プラスです。当サイトの最新版審査では、平均残業7.8時間、有休取得率76.1%という会社単体の実績を評価しています。
労災・健康KPIを公開する:労働安全・健康 4→6/10
現在の「労働安全・健康」は4/10点です。
OJTや健康診断は確認できますが、会社単体の労災件数、休業災害、度数率、長時間労働者比率などは公開されていません。
改善条件は、労災件数、重大災害、休業災害、度数率、ヒヤリハット、健康起因休職などを毎年公開し、改善施策後に実際に減っていることを確認できることです。
その場合、
現在4/10 → 6/10
加点:+2点
総合:59→61点
ランク:D→C
を想定できます。
参考企業はアスクル株式会社です。当サイトの最新版審査では、死亡0、重度0、軽度事故など安全結果を具体的に公開していることを労働安全・健康で評価しています。
省力化の成果を労働時間・待遇へ返す:改善成果の人間への還元 0→3/5
現在の「改善成果の人間への還元」は0/5点です。
製造現場の省力化は確認できますが、その後の残業、休日、賃金の改善を確認できません。
改善条件は、省力化前後の作業時間、必要人数、配置転換、残業、休日、賃金を公開し、削減できた作業時間を働く人へ還元したことを確認できることです。
その場合、
現在0/5 → 3/5
加点:+3点
総合:59→62点
ランク:D→C
を想定できます。
参考企業はキリングループロジスティクス株式会社です。当サイトの最新版審査では、業務改善を背景に年間所定労働時間を1,920時間から1,896時間へ24時間短縮した実績を評価しています。
次のCランクへ上がる具体例
現在59点・Dです。
Cは60点からなので、あと1点です。
例えば、製造職の残業削減によって「労働時間・休息」が6点から8点へ改善すれば、
59点→61点
となり、シビックランクDからCへ上がります。
ハルナウォーターは、安全な水をつくり、災害時に水を届けるという社会的に重要な役割をすでに果たしています。
だからこそ次に期待したいのは、その水をつくる人も十分に休め、安全に働ける状態を会社単体の数字で示すことです。
現時点の総合評価は59点/100点、シビックランクDです。
出典一覧
1.ハルナグループ「会社概要」
2.株式会社ハルナウォーター公式ブランド・会社情報
3.2026年 ハローワーク「株式会社ハルナウォーター 松川プラント ミネラルウォーター製造」求人情報
4.株式会社ハルナウォーター「工場・FSSC22000認証情報」
5.株式会社ハルナウォーター「天然水の製法・品質検査」
6.ハルナグループ「SDGsの取り組み/松川村との災害協定・能登半島地震支援」
7.株式会社ハルナウォーター「PB・ミネラルウォーター事業」
8.株式会社ハルナウォーター「採用情報」
9.ハルナグループ「環境への取り組み」
10.公開従業員口コミ
11.ハルナグループ「企業行動・コンプライアンス関連情報」
12.ハルナグループ「人材・健康経営関連情報」
13.株式会社ハルナウォーター「個人情報保護方針」
14.ハルナグループ「2023年度事業報告」
15.内閣官房水循環政策本部事務局・ハルナグループ「水循環ACTIVE企業」
シビックランクの基準
| ランク | 点数 |
|---|---|
| S | 90~100点 |
| A | 80~89点 |
| B | 70~79点 |
| C | 60~69点 |
| D | 50~59点 |
| E | 40~49点 |
| F | 20~39点 |
| G | 0~19点 |
情報ランクの基準
| 情報ランク | 基準 |
|---|---|
| S | 公的機関、裁判所、規制当局、独立した第三者機関の調査・監査・検証・認証など、内容そのものに独立した裏づけがある情報 |
| A | 企業公式資料、採用情報、公式声明・SNS、氏名・役職・立場を確認できる記名取材や公表発言など、発信主体を確認できる公表情報 |
| B | 従業員・元従業員の口コミ、一般SNS、匿名掲示板など、発信者の身元や対象企業との関係を独立に確認しにくい情報 |
情報ランクは企業そのものの良し悪しではなく、個々の情報の出どころと検証状態を示します。
