私たちは、企業の商品を購入したり、サービスを利用したりすることで、そこで働く人たちの未来を変えることができます。
働く人に十分な賃金を払い、休暇を確保し、安全な職場をつくり、人の負担を減らす企業の商品やサービスが選ばれれば、そうした企業により多くの売上が集まります。その結果、働く人を大切にする経営を続けやすくなります。
反対に、低賃金や長時間労働、安全上の問題を改善しない企業の商品やサービスが売れ続ければ、そうした働かせ方のままでも事業を続けることができます。
だからこの企業審査では、「私たちがお金を使うなら、どの企業を選ぶことが、そこで働く人にとってより良い社会につながるのか」という視点から企業を評価します。
今回審査する株式会社Jリカーは、総合15点、シビックランクGです。
株式会社Jリカーの特に強い点は、酒類の商品企画と販売です。Jホールディングス公式では、オリジナルリキュール、スピリッツ、ワインの輸入・国内販売を担う会社として位置づけられています。2026年4月には鹿児島の嘉之助蒸溜所による「嘉之助 シングルモルト ハイボール」の販売者となり、全国の酒類取扱ローソン約1万4,000店舗を対象に商品を流通させています。過去にもローソン向け「スポーツドリンクテイストサワー」などの商品実績を確認できます。
そのため、この企業の商品が選ばれれば、小規模な酒類企画会社が蒸溜所、飲料製造会社、小売チェーンをつなぎ、消費者が新しい酒類商品へアクセスできる市場を支えることにつながります。
一方で、改善点は非常に大きく、株式会社Jリカー単体の働く人や安全管理について、外部から確認できる情報がほとんどありません。平均給与、従業員数、残業、有給休暇、育児休業、男女賃金差、労働災害、ハラスメント対策、品質管理認証、BCP、サイバー対策など、企業審査で重要な情報を確認できませんでした。
今回の審査では「公開情報がないから問題はない」とは判断しません。
重要な結果を外部から確認できない項目は低得点とします。
この記事では、株式会社Jリカーの強みと課題をさらに詳しく企業審査していきます。
株式会社Jリカーの企業審査結果
株式会社Jリカーについて公開情報から確認できるのは、商品企画・販売会社としての役割と、実際に販売された複数の商品が中心です。
一方、企業の内部については極めて情報が少なく、SafetyとProtectionをほとんど検証できません。
今回のGランクは「危険な会社である」と確認されたことを意味しません。
人を大切にしているか、安全に働けているか、災害時にも事業を継続できるかを外部から確認できる情報が不足していることが最大の理由です。
| 評価軸 | 得点 | 主な評価 |
|---|---|---|
| Safety | 4/50点 | 商品販売実績は確認できるが、給与・残業・休暇・育休・労災・人権・品質管理の会社単体情報がほぼ非公開 |
| Innovation | 8/25点 | 嘉之助、BUSKER、オリジナルサワーなどの商品企画を評価。人の作業削減や社員への還元成果は確認できず |
| Protection | 3/25点 | 外部製造会社と全国小売への販売実績はあるが、BCP・代替製造・サイバー・復旧KPIは非公表 |
| 総合 | 15/100点 | シビックランクG |
評価時点:2026年10月4日
主な強み
・Jホールディングスの酒類関連事業会社として現在も活動している
・オリジナルリキュール、スピリッツ、ワインの輸入・国内販売を行う
・2026年に「嘉之助 シングルモルト ハイボール」の販売者を担当
・全国約1万4,000のローソン酒類取扱店舗を対象とする商品流通実績がある
・2024年には「THE BUSKER IRISH WHISKEY HIGHBALL」の販売実績も確認できる
・2022年にはローソンの商品テスト企画で「スポーツドリンクテイストサワー」を発売
・チェリオ中部など外部製造会社を利用して商品を市場へ供給している
主な課題
・会社単体の従業員数が公表されていない
・平均給与、ベースアップ、賞与実績が公表されていない
・平均残業時間、有給休暇取得率、年間休日が公表されていない
・育児・介護制度の利用実績が公表されていない
・男女賃金差、女性管理職比率、離職率が公表されていない
・労働災害件数、死亡災害、休業災害が公表されていない
・人権方針、ハラスメント相談・内部通報実績が公表されていない
・Jリカー単体の品質管理体制や食品安全認証を確認できない
・BCP、防災訓練、代替拠点、代替製造体制が公表されていない
・情報セキュリティ方針、サイバー訓練、バックアップ、復旧時間が公表されていない
・製造委託によって人の負担を何時間削減したかなどのInnovation成果が公表されていない
事業内容と人間への貢献
株式会社Jリカーは、一般消費者が直接会社へ注文する小売店というより、酒類の商品企画・輸入・国内販売に関わる会社です。
Jホールディングスは「飲・食」に関係する複数の事業会社を傘下に持ち、Jリカーをオリジナルリキュール、スピリッツ、ワインの輸入・国内販売会社として掲載しています。
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社Jリカー |
| 法人番号 | 5010701026395 |
| 本店所在地 | 東京都品川区西五反田2丁目25番1号 |
| グループ | 株式会社Jホールディングス |
| 主な事業 | オリジナルリキュール、スピリッツ、ワインの輸入・国内販売 |
| インボイス登録 | 登録あり |
| 従業員数 | 公開情報を確認できず |
| 資本金 | 公開情報を確認できず |
| 代表者 | 今回確認した公開一次情報では特定できず |
| 売上高 | 公開情報を確認できず |
| 平均給与 | 公開情報を確認できず |
Gビズインフォでは法人番号5010701026395、本店所在地を東京都品川区西五反田2丁目25番1号として確認できます。
会社データベースには2015年10月5日の法人番号指定が掲載されていますが、法人番号制度開始前から存在した法人にも同日に番号が付与されるため、これを会社の設立日とは扱いません。
Jホールディングスグループでの役割
同じJホールディングスには、
・株式会社ジャスティス:清涼飲料の製造受託・卸売
・富士キャニング株式会社:飲料・食品関連の製造販売
・ジェイフード株式会社:加工食品企画・販売
・株式会社JHM:清涼飲料卸売・物流
・株式会社Jリカー:酒類の輸入・国内販売
などがあります。
つまり、グループ内でもJリカーは酒類分野を担当する位置づけです。
ただし、他のグループ会社に品質管理制度や物流能力があるからといって、それを株式会社Jリカー単体の実績として採点することはしません。
嘉之助シングルモルトハイボール
2026年4月28日、「嘉之助 シングルモルト ハイボール」350mlが全国の酒類取扱ローソン店舗約1万4,000店を対象に発売されました。
商品は、
販売者:株式会社Jリカー
製造所:株式会社チェリオ中部
という役割分担です。
ウイスキー原酒を作るのは嘉之助蒸溜所、缶商品を製造するのはチェリオ中部、販売者として市場へつなぐのがJリカーです。
一社ですべてを行うのではなく、専門企業を組み合わせて商品を作っています。
過去にもローソン向け酒類を展開
2022年10月には、ローソンの商品テスト企画で「Jリカー スポーツドリンクテイストサワー」が販売されました。
アルコール度数3%で、スポーツドリンクの味を再現した商品です。
2024年末には「THE BUSKER IRISH WHISKEY HIGHBALL」も販売者Jリカー、製造所チェリオ中部の商品として確認できます。
単発で一商品だけを販売した会社ではなく、異なる酒類企画を継続して市場へ出していることが分かります。
人間への貢献
酒類は水や医薬品のような生活必需品ではありません。
そのため「酒類を販売していること」だけで高い人間貢献点を与えることはしません。
一方、商品企画には、
蒸溜所
原料メーカー
飲料製造会社
容器・包装会社
物流会社
小売店
など多数の企業が関わります。
Jリカーが企画・販売の窓口になることで、小規模な蒸溜所の商品を全国チェーンへ流通させられる場合があります。
2026年の嘉之助ハイボールでは、鹿児島の蒸溜所が作るシングルモルトを、チェリオ中部が缶飲料として製造し、全国のローソンへ販売する形になっています。
地方の酒造企業と全国小売をつなぐ役割には一定の価値があります。
Safety|4/50点
株式会社JリカーのSafetyは4点です。
最大の問題は、公開情報から「悪い労働環境を確認した」ことではありません。
労働環境を判断する基礎データ自体をほとんど確認できないことです。
企業審査では、情報がない項目を中間点で補いません。
賃金・利益の還元|0/10点
株式会社Jリカー単体の、
平均年間給与
基本給
賃上げ率
賞与
利益分配
売上高
営業利益
純利益
を確認できませんでした。
Jホールディングスや他グループ会社の数字をJリカーの数字として扱うこともできません。
商品の販売規模が大きくても、その利益が社員へどれだけ還元されているかを確認できなければ、この項目を評価できません。
そのため0/10点です。
平均給与と毎年の賃上げ率を公開し、実質的な給与改善を確認できれば4点以上を検討できます。
労働時間・休息|0/10点
株式会社Jリカー単体の、
平均残業時間
年間休日
有給休暇取得率
年間総実労働時間
長時間労働者比率
について公開情報を確認できませんでした。
求人情報も今回の検索では対象会社を確実に特定できる最新情報を取得できていません。
同名・類似名の「日本リカー株式会社」や「ジャパンリカーサービス株式会社」が検索結果に多数出るため、それらの口コミや労働条件を株式会社Jリカーへ流用していません。
公開情報がないため0/10点です。
雇用の安定・待遇の公平性|1/5点
株式会社Jリカーは現在もJホールディングス公式サイトに事業会社として掲載され、2026年にも新商品の販売者として活動しています。
事業が現在も継続していることは確認できます。
一方、
従業員数
正社員比率
離職率
男女構成
女性管理職比率
男女賃金差
障害者雇用
正社員登用
は公開されていません。
雇用が存在すると考えられること以上の評価ができないため1/5点です。
福利厚生・育児・介護|0/5点
株式会社Jリカー単体の福利厚生や育児・介護制度について、今回確認した公開情報では具体的な内容を確認できませんでした。
育児休業取得率
介護休業利用人数
短時間勤務
在宅勤務
健康診断
退職金
住宅支援
なども確認できません。
公開情報がないため0/5点です。
人権・ハラスメント・労使関係|0/5点
株式会社Jリカー単体について、
人権方針
ハラスメント相談窓口
内部通報制度
人権研修
相談件数
処分件数
労働組合
労使協議
を確認できませんでした。
問題が存在すると断定するものではありません。
しかし、問題を防止・救済する制度が実際にあることも確認できません。
0/5点です。
労働安全・健康|0/10点
株式会社Jリカー単体の、
死亡労災
休業労災
労災件数
労災度数率
健康診断受診率
メンタルヘルス対策
安全教育
について具体的な公開情報を確認できませんでした。
Jリカーが自社工場で酒類を製造しているとは今回の公開資料から確認できず、少なくとも嘉之助ハイボール等では外部製造会社を使用しています。
しかし、製造現場を持たない場合でも、営業、輸入、倉庫、商品管理などで働く人の安全衛生管理は必要です。
結果情報がないため0/10点です。
商品・サービスの安全|3/5点
今回、株式会社Jリカーを直接名指しする直近の重大な商品回収、食中毒、行政処分、重大健康被害は確認できませんでした。
ただし、検索で確認できなかったことを「一度も問題がない」と断定することはしません。
2026年の嘉之助ハイボールでは、販売者をJリカー、製造所をチェリオ中部とする責任分担が商品情報上で明確です。原材料、アルコール分、容量なども公開されています。
一方、Jリカー自身の、
品質管理方針
製造委託先監査
HACCP等の品質管理
商品検査
回収手順
酒類の適正販売に関する独自方針
は公式公開情報から確認できません。
製造会社側へ安全管理を委託しているとしても、販売者として委託先をどう管理しているかは重要です。
そのため3/5点です。
従業員・元従業員の口コミ
Indeed、OpenWork、転職会議などを検索しました。
しかし、「Jリカー」で検索すると、
日本リカー株式会社
ジャパンリカーサービス株式会社
など別法人が多く表示されます。
日本リカー株式会社は東京都中央区にあるワイン輸入会社で、今回審査する東京都品川区の株式会社Jリカーとは別会社です。
別会社の残業、有休、給与、口コミを株式会社Jリカーへ流用すると誤審査になるため、今回は採点へ使用していません。
株式会社Jリカーの従業員・元従業員であることを十分確認できる具体的な口コミは得られませんでした。
SNS・匿名掲示板の確認結果
XではJリカー販売の商品を実際に飲んだ消費者の投稿を確認できます。
2026年には「怪獣ジンフィズ」や「至高の怪獣 はっさく&レモンサワー」など、Jリカー販売とする商品への感想が投稿されています。
これらは商品の味に関する消費者感想であり、会社の労働環境や安全管理を示す情報ではありません。
5ちゃんねる等についても会社名を検索しましたが、株式会社Jリカーの現在の労働実態や重大問題を具体的に裏付ける情報は確認できませんでした。
匿名投稿だけを理由に加点・減点はしていません。
Safety小計:4/50点
Innovation|8/25点
JリカーのInnovationで確認できるのは、人の作業を自動化する技術よりも、新しい酒類商品の企画と流通です。
新しい商品を作る活動は確認できますが、その結果として働く人の重労働や残業が何時間減ったかという情報はありません。
作業負担・危険の削減|0/10点
株式会社Jリカーが、
倉庫自動化
受発注自動化
AI需要予測
物流最適化
営業事務自動化
重量物作業の機械化
などによって社員や委託先の仕事を具体的に削減した情報は確認できませんでした。
グループには物流を担当する株式会社JHMなどがありますが、その技術や成果を株式会社Jリカー自身のInnovationとしてそのまま採点しません。
0/10点です。
商品・サービスの改善|4/5点
商品企画については複数の実績があります。
2022年:スポーツドリンクテイストサワー
2023年:山北みかんチューハイ
2024年:THE BUSKER IRISH WHISKEY HIGHBALL
2026年:嘉之助 シングルモルト ハイボール
などを確認できます。
2026年の嘉之助では、地方蒸溜所のシングルモルトを缶ハイボールにしてコンビニへ展開することで、ボトルを購入したりバーへ行ったりしなくても商品を試しやすくしています。
継続的に新商品を市場へ投入しているため4/5点です。
改善成果の人間への還元|0/5点
商品の売上や企画によって生まれた利益を、
社員の給与
休日
残業削減
教育
安全設備
へどの程度還元したかは公表されていません。
また、製造を外部へ委託することで自社の製造負担は小さくなる可能性がありますが、それによって何人・何時間の仕事が削減されたのかも分かりません。
0/5点です。
研究開発・現場改善の継続|4/5点
少なくとも2022年、2023年、2024年、2026年に異なる酒類商品の販売実績を確認できます。
2026年には、世界的な品評会で評価を得ている嘉之助シングルモルトをハイボール缶へ商品化し、ローソン全国約1万4,000店舗規模へつなげました。
単発の商品企画ではなく複数年にわたり異なる商品を市場へ出しているため4/5点とします。
ただし、自社研究所や研究開発費、商品開発件数、失敗・改善のKPIなどは確認できないため満点にはしません。
Innovation小計:8/25点
Protection|3/25点
Protectionは、災害、サイバー攻撃、製造停止、物流停止が発生しても事業を続けられるかを評価します。
Jリカーではこの情報がほとんど公開されていません。
災害への備え・訓練|0/5点
株式会社Jリカー単体の、
BCP
防災訓練
安否確認システム
備蓄
代替オフィス
災害マニュアル
について公開情報を確認できませんでした。
0/5点です。
生産・物流・調達の代替|2/5点
Jリカー自身がすべての商品を自社工場で製造するのではなく、外部製造会社と協力しています。
例えば嘉之助ハイボールの製造所はチェリオ中部です。
グループ内には飲料製造受託のジャスティス、富士キャニング、物流を担うJHMなど複数の関連企業があります。
複数会社を組み合わせられる事業構造そのものには一定の柔軟性があります。
しかし、
チェリオ中部が停止した場合に別工場へ切り替えられるのか
輸入ワインの仕入先を複数化しているのか
倉庫を複数地域へ分散しているのか
物流会社が停止した場合の代替契約があるのか
は確認できません。
そのため2/5点です。
サイバー防衛・情報保護|0/5点
株式会社Jリカー単体の、
情報セキュリティ方針
多要素認証
バックアップ
サイバー訓練
標的型メール訓練
不正アクセス監視
インシデント対応
について公開情報を確認できませんでした。
0/5点です。
供給継続・復旧能力|1/5点
2026年には全国約1万4,000店舗規模へ商品を流通させる能力があることは確認できます。
通常時の流通能力が存在することは分かります。
しかし、災害や製造障害が起きた後に、
何時間・何日以内に復旧するのか
代替製造をどこで行うのか
どの程度の安全在庫があるのか
は公表されていません。
通常時に商品を届けられることと、有事にも届けられることは別に評価するため1/5点です。
危機時の市民への対応|0/5点
株式会社Jリカー自身が、
災害時に水・食品等を提供する
自治体と災害協定を結ぶ
被災地支援を行う
施設や物流網を市民支援へ提供する
といった具体的な公開実績は確認できませんでした。
酒類を主な事業とするため、災害時の商品供給そのものが生活必需品供給になるとも評価しにくい分野です。
0/5点です。
Protection小計:3/25点
良いニュース・最近の前向きな動き
株式会社Jリカーで直近に確認できる最も大きな前向きな動きは、地方のウイスキー蒸溜所と全国コンビニをつないだ新商品です。
ただし、商品を発売したというニュースだけでSafetyやProtectionの不足を相殺しません。
2026年4月 嘉之助シングルモルト初のハイボール缶を全国発売
2026年4月28日、嘉之助蒸溜所初のハイボール缶「嘉之助 シングルモルト ハイボール」が全国の酒類取扱ローソン約1万4,000店舗で発売されました。
販売者は株式会社Jリカー、製造所は株式会社チェリオ中部です。
地方蒸溜所の商品を全国の消費者へ届ける流通企画として評価できます。
ボトルでは数千円するウイスキーでも、缶ハイボールなら660円で味を試せるため、商品の入口を広げる役割があります。
継続して異なる酒類カテゴリーを商品化
Jリカーは過去にも、低アルコールのスポーツドリンクテイストサワー、果実系チューハイ、アイリッシュウイスキーハイボールなど、異なる商品を販売しています。
商品企画会社として、酒類の選択肢を増やしていることは確認できます。
悪いニュース・問題となった動き
今回確認した公開情報では、株式会社Jリカーを直接名指しする直近の重大な商品事故、重大行政処分、死亡労災は確認できませんでした。
ただし、重大問題が検索で見つからなかったことより大きな問題が、企業活動の重要な部分をほとんど外部から検証できないことです。
労働条件がほぼ見えない
株式会社Jリカーが現在も商品を全国販売していることは分かります。
しかし、その事業を支える人が、
何人いるのか
いくら給与を得ているのか
何時間残業しているのか
年間何日休めるのか
有給を何%取得しているのか
は分かりません。
これは「劣悪な労働環境を確認した」という意味ではありません。
労働環境が良いと確認できない状態です。
企業審査ではここを明確に区別します。
品質管理の中身も見えにくい
Jリカー販売の商品では製造会社が明記されています。
一方、販売会社として製造委託先をどの頻度で監査しているのか、完成商品の検査をどう確認しているのか、問題発生時の回収基準はどうなっているのかといった品質保証の仕組みは公開されていません。
商品事故が起きてから確認するのではなく、平時の管理体制を公開することが望まれます。
総合評価と、これから改善してほしいこと
株式会社Jリカーは現在15点、シビックランクGです。
Fランクは20点からなので、次のランクまであと5点です。
商品企画力がないためGになったわけではありません。
むしろInnovationでは複数年の商品開発を確認できます。
最大の問題は、人、Safety、Protectionに関する情報がほとんどないことです。
給与と労働時間を公開する|Safety
現在、
賃金・利益の還元:0/10点
労働時間・休息:0/10点
です。
例えば、
平均年間給与
毎年の賃上げ率
月平均残業
年間休日
有休取得率
を公開し、平均給与が継続上昇、残業月20時間以下、有休80%以上などの良好な実績を確認できれば、それぞれ複数点を評価できます。
仮に、
賃金・利益の還元:0→3点
労働時間・休息:0→3点
となれば、
15点 → 21点
となり、シビックランクFへ上がります。
労災と品質管理を公開する|Safety
労働安全・健康は0/10点です。
死亡労災、休業労災、労災件数を毎年公開し、低水準であることを確認できれば評価できます。
商品安全についても、
製造委託先監査
品質検査
回収訓練
品質事故件数
酒類の適正表示確認
などを公開すれば、販売会社としての責任が分かりやすくなります。
商品企画を「人の仕事削減」まで進める|Innovation
Innovationは8/25点です。
新商品は継続して作れています。
次に評価したいのは、
受注自動化
需要予測
在庫最適化
営業資料作成自動化
物流効率化
などによって、社員や取引先の作業を何時間減らしたのかです。
例えば年間1,000時間の受注入力を削減し、その結果残業時間も減ったことを確認できれば、Innovationを大きく引き上げられます。
BCPと代替製造先を公開する|Protection
Protectionは3/25点です。
酒類商品を全国展開するなら、一つの製造工場や物流センターが止まった際にどうするかは重要です。
最低限、
主要製造先停止時の代替工場
輸入遅延時の代替商品・調達先
物流拠点の分散
データバックアップ
サイバー対策
目標復旧時間
を公表すれば、企業の継続性を外部から判断できます。
次のランクへ上がるための具体例
現在15点・Gです。
Fランクは20点からなので、あと5点必要です。
例えば、
賃金・利益の還元:0→3点 +3点
労働時間・休息:0→2点 +2点
だけでも、
15点 → 20点
となりFランクへ上がります。
さらに、
労働安全・健康:0→4点
災害への備え:0→2点
サイバー防衛:0→2点
などを改善・公開できれば、さらに大きく評価は変わります。
つまり株式会社Jリカーの場合、次のランクへ行くために大規模な新工場を建てる必要はありません。
まず、すでに行っている会社経営の中身を数字で公開することが重要です。
最終評価
株式会社Jリカーは、Jホールディングスグループの酒類分野を担い、リキュール、スピリッツ、ワイン等の企画・輸入・国内販売に関わる企業です。
2026年には、鹿児島の嘉之助蒸溜所とチェリオ中部を組み合わせ、「嘉之助 シングルモルト ハイボール」を全国約1万4,000のローソン酒類取扱店舗へ展開しました。
2022年以降も複数の商品販売実績を確認できるため、商品企画・流通会社として現在も活動していることは明確です。
しかし企業審査で最も重視する「そこで働く人」について、公開情報がほとんどありません。
給与が分からない。
残業が分からない。
休日が分からない。
育休が分からない。
労災が分からない。
さらに、品質管理の具体的な仕組み、BCP、サイバー対策も外部から確認できません。
公開情報がない項目を「平均的な会社だろう」と推測して点数を与えることはしません。
以上から、
Safety:4/50点
Innovation:8/25点
Protection:3/25点
総合15/100点
シビックランクG
と評価します。
このGランクは、株式会社Jリカーに重大な不祥事が多数確認されたことを意味しません。
商品企画の実績は確認できる一方、企業内部の人間への還元、安全、危機対応を外部から検証できる情報が極端に少ないことによる評価です。
出典一覧
・株式会社Jホールディングス「グループ事業会社」
・Gビズインフォ「株式会社Jリカー 法人情報」
・嘉之助蒸溜所「KANOSUKE初のハイボール缶をローソン限定で全国発売」
・共同通信PRワイヤー「嘉之助 シングルモルト ハイボール」商品情報
・ローソン「メーカー7社による商品テスト販売」
・株式会社JHM 会社・事業情報
・株式会社ジャスティス 会社・事業情報
・Gビズインフォ 株式会社Jリカー商標情報
・Yahoo!リアルタイム検索 Jリカー商品に関するX投稿
シビックランクの基準
| シビックランク | 総合点 |
|---|---|
| S | 90~100点 |
| A | 80~89点 |
| B | 70~79点 |
| C | 60~69点 |
| D | 50~59点 |
| E | 40~49点 |
| F | 20~39点 |
| G | 0~19点 |
株式会社Jリカーは15点のため、シビックランクGです。
情報ランクの基準
| 情報ランク | 基準 |
|---|---|
| S | 行政、裁判所、規制当局、独立した第三者機関による調査・監査・検証・認証など、内容そのものに独立した裏づけがある情報 |
| A | 企業公式資料、IR、採用情報、公式声明・SNS、氏名や立場を確認できる記名取材など、発信主体を確認できる公表情報 |
| B | 従業員・元従業員の口コミ、一般SNS、匿名掲示板など、発信者の身元や対象企業との関係を独立して確認しにくい情報 |
今回の審査では、Jホールディングス公式、Gビズインフォ、嘉之助蒸溜所、ローソンなどA~Sランク相当の情報から事業実態と商品販売を確認しました。
一方、株式会社Jリカー自身による企業情報公開が非常に限られているため、記事全体の情報ランクはAとしつつ、労働・Safety・Protectionについては「高品質な情報源があるが情報そのものが存在しない」という状態として評価しています。
