私たちは、企業の商品を購入したり、サービスを利用したりすることで、そこで働く人たちの未来を変えることができます。
働く人に十分な賃金を払い、休暇を確保し、安全な職場をつくり、人の負担を減らす企業の商品やサービスが選ばれれば、そうした企業により多くの売上が集まります。その結果、働く人を大切にする経営を続けやすくなります。
反対に、低賃金や長時間労働、安全上の問題を改善しない企業の商品やサービスが売れ続ければ、そうした働かせ方のままでも事業を続けることができます。
だからこの企業審査では、「私たちがお金を使うなら、どの企業を選ぶことが、そこで働く人にとってより良い社会につながるのか」という視点から企業を評価します。
今回審査するHARUNA株式会社は、総合69点、シビックランクCです。
HARUNA株式会社の特に強い点は、所属するハルナグループが事業成長で得た利益を、賃上げや賞与、休日、福利厚生へ実際に返す方針を明確にしていることです。現在のグループ人財施策では2023年から連続してベースアップを実施していると公表しています。2024年度の人財投資ではベースアップ・定期昇給を合わせた昇給率5%以上、賞与6カ月、1人当たり年間平均約150万円を掲げ、その後も1人150万円を超える賞与を2期連続で支給したと報告しています。(harunabev.co.jp) (harunabev.co.jp)
そのため、Harunaブランドの商品を購入すれば、世界各国の飲料を日本へ紹介しながら、企業の利益を働く人の給与や福利厚生へ再投資するグループに売上が集まります。価格競争だけではなく、人財投資と新しい食文化の両方に力を入れる企業が残りやすい社会につながる可能性があります。
一方で、改善点としてHARUNA株式会社単体の働き方が十分に見えないことが残ります。ハルナグループ全体では賃上げ、年間休日増加、福利厚生などを詳しく公開していますが、HARUNA株式会社だけの平均給与、平均残業時間、有給取得率、離職率、育児休業取得率、労働災害件数などは公表されていません。グループ制度があることと、この会社で実際に同じ成果が出ていることは分けて評価する必要があります。
この記事では、HARUNA株式会社の強みと課題をさらに詳しく企業審査していきます。
HARUNA株式会社の企業審査結果
HARUNA株式会社は、ブランド管理と海外戦略を担う小規模企業です。
ハルナグループの人財投資、商品安全、情報セキュリティ、海外展開は高く評価できます。一方、それらの多くはグループ全体の制度・成果であり、HARUNA株式会社単体の数値ではありません。
| 評価軸 | 得点 | 主な評価 |
|---|---|---|
| Safety | 33/50 | 連続ベースアップ、賞与増、休日増、福利厚生、食品安全を評価。HARUNA単体の給与・残業・有休・労災が非公表 |
| Innovation | 18/25 | 世界各国の商品導入、ブランド開発、フランス事業、新商品開発を評価。HARUNA単体の業務負担削減効果は不明 |
| Protection | 18/25 | 複数国・複数工場、危機管理、情報セキュリティ、災害支援を評価。個社BCPや復旧KPIは不足 |
| 合計 | 69/100 | シビックランクC |
主な強み
- 2023年からグループで連続ベースアップ
- 1人150万円を超える賞与を2期連続で実現
- 年間休日を増加させる人財投資
- 食事補助、予防接種、婦人科健診など福利厚生を拡充
- 派遣・パート社員の正社員化を推進
- Harunaブランドで国内外の多様な飲料を展開
- FSSC22000取得のグループ・協力工場を活用
- タイ、フランスなど海外拠点を活用
- 2025年にフランス・パリで日本茶カフェ「AiiRO」を開業
- 2024年にグループ情報セキュリティ基本方針を制定
- 能登半島地震などでミネラルウォーター支援
- 国内外の複数生産・調達先を活用できる事業構造
主な課題
- HARUNA単体の平均給与が非公表
- HARUNA単体の賃上げ額が非公表
- HARUNA単体の平均残業時間が非公表
- 有給取得率・離職率が非公表
- 育児・介護制度の個社利用実績が非公表
- 労災・メンタルヘルス等の個社実績が非公表
- グループ制度をHARUNAでどこまで利用しているか不明
- 海外輸入商品の工場監査結果などは限定的
- 個社BCP・復旧目標時間が非公表
- サイバーセキュリティの個社訓練・事故件数が非公表
HARUNA株式会社とは
HARUNA株式会社は、ハルナグループのなかで飲料工場を直接運営する会社ではありません。
現在の公式会社概要では、ブランドマネジメント・海外戦略を担当しています。(harunabev.co.jp)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | HARUNA株式会社 |
| 法人番号 | 7010001099000 |
| 所在地 | 東京都中央区日本橋3丁目8番4号 日本橋さくら通りビル2F |
| 代表取締役社長 | 青木 日出生 |
| 公式上の創業 | 2008年4月1日 |
| 主な事業 | ブランドマネジメント・海外戦略 |
| 主な役割 | Harunaブランド管理、輸入、海外事業 |
| グループ | ハルナグループ |
| 海外関係会社 | HARUNA France SAS、HARUNA Asia (Thailand) Co.,Ltd. |
Gビズインフォでも法人番号7010001099000、本店所在地が東京都中央区日本橋3丁目8番4号であることを確認できます。(info.gbiz.go.jp)
第三者企業データベースでは、2026年6月時点の社会保険被保険者を3人としています。小規模なブランド・海外戦略会社であることと整合しますが、厚生年金加入者以外を含む総従業員数とは限りません。(compalyze.co.jp)
HARUNA株式会社とハルナプロデュースは別会社
今回の審査で最も注意が必要なのが、この点です。
Harunaブランドの公式サイトにはHARUNA株式会社とハルナプロデュース株式会社の両社が記載されていますが、役割は異なります。
HARUNA株式会社は、
輸入業務・Harunaブランド管理・海外戦略
を中心に担当しています。(haruna-brand.com)
ハルナプロデュースは、
商品企画・営業・購買・生産・SCM・物流など
を担当しています。(harunabev.co.jp)
そのため、ハルナ・タニガワ・和歌山などの工場実績を「HARUNA株式会社自身の工場実績」として採点していません。
一方、HARUNAが管理するブランド商品はグループ工場や協力工場で製造されるため、その品質基盤は商品安全の評価には関係します。
事業内容と人間への貢献
HARUNA株式会社の中心的な役割は、世界各国の商品や文化を日本の消費者へ届けることと、Harunaブランドを海外へ広げることです。
世界各国の飲料を日本へ紹介
Harunaブランドでは、
- Chabaa
- 137degrees
- TIPCO
- Le Café
- THE蜂蜜紅茶
- 安曇野の自然が育んだ天然水
などを展開しています。(haruna-brand.com)
タイのスイカジュースや植物性ミルクなど、日本国内の商品だけでは得にくい選択肢を提供しています。
例えばChabaaではタイ産ストレートすいか果汁を使ったウォーターメロンジュースなどを扱っています。(haruna-brand.com)
消費者が世界各国の食品・飲料へアクセスできることは、食の選択肢を増やす人間への貢献です。
日本の商品を海外へ広げる
海外戦略では、日本の商品を海外へ届ける役割もあります。
2025年にはフランス法人HARUNA France SASを通じ、パリに日本茶カフェ「AiiRO」を開業しました。
抹茶だけではなく、ほうじ茶やそば茶など、日本にある多様なお茶をフランスの菓子文化などと組み合わせて紹介しています。(harunabev.co.jp)
輸入だけではなく、日本の商品・文化を海外へ広げる双方向型の事業へ発展している点は評価できます。
Safety
HARUNAのSafetyでは、グループの人財投資と商品安全が強みです。
一方、グループ全体の数字とHARUNA株式会社の数字を分ける必要があります。
賃金・利益の還元 7/10点
ハルナグループは現在、人財投資について、
「会社の成長で得た利益を給与アップや教育機会として従業員へ再投資する」
と明記しています。
2023年から連続してベースアップを行い、賞与も増やしています。(harunabev.co.jp)
2024年度の人財投資資料では、ベースアップと定期昇給を合わせた昇給率5%以上、賞与6カ月、1人当たり年間平均支給額150万円としています。
さらに2025年度第3四半期の報告では、1人150万円を超える賞与を2期連続で実現したとしています。(harunabev.co.jp)
利益を社員へ返していることを具体的に確認できるため高く評価できます。
一方、これらはハルナグループ全体の施策です。
HARUNA株式会社の3人程度の社員について、
- 平均給与
- 具体的な昇給額
- 賞与
- 給与中央値
は公開されていません。
そのため7/10点としました。
HARUNA単体でも同じ数字を公開し、十分な賃上げが確認できれば8~10点を検討できます。
労働時間・休息 6/10点
2024年度のハルナグループ人財投資では、年間休日を116日から122日へ6日増やす方針を公表しています。
現在の人財投資ページでも「年間休日増」を継続施策として掲げています。(harunabev.co.jp)
働く時間を減らし休日を増やす方向性は評価できます。
一方、HARUNA株式会社単体の、
- 年間休日
- 月平均残業
- 有給取得率
- 休日出勤
は公開されていません。
転職会議ではHARUNAについて残業月15時間、有給消化率47.5%と表示されていますが、口コミ件数が非常に少なく、詳細口コミの多くは2014年前後のものです。現在の職場実績とは扱いません。(jobtalk.jp)
グループの改善を評価して6/10点です。
HARUNA単体の現在値が確認できればさらに評価できます。
雇用の安定・待遇の公平性 3/5点
ハルナグループは2025年12月末時点で社員・準社員を合わせ568人を抱えています。(harunabev.co.jp)
HARUNA株式会社はブランド管理・海外戦略に特化した小規模法人です。
2025年にはHARUNA Franceを設立し、海外事業を拡大しています。会社自体を縮小・整理するより、新しい海外事業へ広げる動きが確認できます。
一方、HARUNA株式会社だけの、
- 離職率
- 平均勤続年数
- 男女比
- 男女賃金差
- 採用人数
は確認できません。
そのため3/5点としました。
福利厚生・育児・介護 4/5点
グループの現在の福利厚生には、
- 食事補助
- スポーツジム
- ライフサポート倶楽部
- 温泉施設との提携
- インフルエンザ予防接種全額補助
- 海外渡航前の予防接種補助
- 乳がん・子宮がん検診全額補助
- つみたてNISA
- 確定拠出年金
- 財形預金
- 社員持株会
などがあります。(harunabev.co.jp)
HARUNAは海外戦略を扱う会社なので、海外渡航前の予防接種補助は特に事業との関連性があります。
また、派遣・パート社員の正社員化も施策として明記しています。
制度は非常に充実しているため4/5点です。
HARUNA株式会社で各制度を何人利用したのかまで分かれば5点を検討できます。
人権・ハラスメント・労使関係 4/5点
ハルナグループはDEIB、すなわち多様性、公平性、受容性、帰属意識を人財戦略として進めています。(harunabev.co.jp)
過去の事業報告でも、各拠点への相談窓口設置、ハラスメント窓口、エンゲージメントサーベイなどを実施しており、2023年度にはグループのポジティブ回答が過去最高水準になったとしています。(harunabev.co.jp)
2024年以降は健康経営やウェルビーイング施策も強化しています。
一方、HARUNA単体の相談件数・是正件数は確認できないため4/5点です。
労働安全・健康 4/10点
HARUNA株式会社自体はブランドマネジメント・海外戦略会社なので、飲料工場ほど機械・フォークリフト等の労災リスクは大きくありません。
グループでは健康経営宣言を行い、予防接種、婦人科検診、運動、食事など身体の健康への支援を進めています。(harunabev.co.jp)
一方、
- HARUNA単体の労災件数
- メンタルヘルス休職
- 健康診断受診率
- ストレスチェック
- 海外出張時の安全管理実績
は公開されていません。
海外戦略会社としては出張・駐在リスクもあるため、単に事務職だから安全と判断することはできません。
4/10点としました。
商品・サービスの安全 5/5点
Harunaブランドでは、FSSC22000を取得した自社グループ工場・協力工場で製造された商品を扱うことを明示しています。(haruna-brand.com)
FSSC22000は食品安全マネジメントの国際的な認証です。
グループではHACCPへの取り組みを長く続け、ハルナプラントではFSSC22000の更新監査も実施しています。(harunabev.co.jp)
2025年度には品質向上策として、
- 工程起因の指摘への対策確認
- 入退室管理
- 防犯設備
- 監視カメラ
- フードディフェンス設備
などの定期確認を強化しています。(harunabev.co.jp)
今回の調査では、HARUNA株式会社を当事者とする最近の重大な食品行政処分・大規模リコールを確認できませんでした。
同社自身が工場を所有するわけではありませんが、ブランド管理会社として安全基準を持つ製造基盤を利用しているため5/5点としました。
従業員・元従業員の口コミ
転職会議にはHARUNA株式会社の口コミが12件あり、総合評価は2.75、投稿者集計では残業月15時間、有給消化率47.5%となっています。(jobtalk.jp)
ただし、検索で具体的内容まで確認できる口コミの多くは2014年前後です。
当時の法人営業社員から、福利厚生の地域差や社内制度、会社の雰囲気などに厳しい意見が投稿されています。(jobtalk.jp)
これらは10年以上前の情報です。
その後、
- 持株会社体制の再編
- ベースアップ
- 年間休日増加
- 福利厚生拡充
- DEIB
- 海外事業再編
- 健康経営
など会社・グループの制度が大きく変わっています。
したがって2014年の口コミを2026年現在の会社状態として直接減点していません。
一方、現在のHARUNA社員の口コミがほとんど確認できないため、最新の個社労働データを公式に公開してほしいところです。
SNS・匿名掲示板
X、5ちゃんねる等について、HARUNA株式会社、日本橋、残業、給与、退職、パワハラ等を組み合わせて確認しました。
今回の調査では、現在のHARUNA株式会社の社員・元社員と確認でき、採点根拠として使用できる具体的な投稿は確認できませんでした。
匿名投稿がないことを「問題がない」という加点材料にはしていません。
Innovation
HARUNA株式会社のInnovationは、工場の自動化ではなく、世界各国の飲料を見つけてブランド化し、新しい市場へ持ち込むことです。
2025年以降は海外販売だけではなく、フランスで日本茶文化そのものを事業化する段階へ進んでいます。
作業負担・危険の削減 4/10点
HARUNA自身は製造会社ではありません。
グループではDXやオフィスイノベーション、生産効率化、物流合理化を進めていますが、それによってHARUNA社員の業務時間が何時間減ったかは公開されていません。
一方、ブランド管理、輸入、海外事業をグループ内の生産・物流機能とつなげることで、独立企業として各工程をゼロから構築するより業務を効率化できる事業構造です。
限定的に4/10点としました。
商品・サービスの改善 5/5点
2026年にはChabaaのブランドロゴとパッケージをリニューアルしています。(haruna-brand.com)
同年には「THE蜂蜜紅茶」もリニューアル。
2025年には、
- 美人蓮花茶
- ココナッツスムージー
- 植物性ミルクを使ったコラボ商品
などを展開しました。(haruna-brand.com)
商品を一度輸入して売り続けるだけではなく、消費者の好みや市場変化に合わせてブランドを更新しているため5/5点です。
改善成果の人間への還元 4/5点
グループは企業成長による利益を給与・賞与へ再投資する考え方を明示しています。
実際に、
- 2023年から連続ベースアップ
- 賞与増
- 年間休日増
- 福利厚生拡充
が行われています。(harunabev.co.jp)
つまり、事業成長が株主・経営者だけに残るのではなく、社員側へも一定程度返っています。
一方、Harunaブランドの売上増がHARUNA株式会社社員の賃上げへ何円つながったのかという直接的な因果までは確認できないため4/5点としました。
研究開発・現場改善の継続 5/5点
ハルナグループでは2024年12月にイノベーションセンターを開設し、2025年にはグッドデザイン賞を受賞しています。(harunabev.co.jp)
2025年度第3四半期には、健康配慮型商品や季節商品など新規開発商品60アイテムを立ち上げています。(harunabev.co.jp)
HARUNA自身も海外ブランドの更新と海外戦略を継続し、フランスで新事業を立ち上げました。
商品・市場の開発を継続する企業として5/5点です。
HARUNA Franceと海外展開
2025年2月にHARUNA France SASを設立しました。
同年12月にはパリで日本茶カフェ「AiiRO」を開業しています。(harunabev.co.jp)
AiiROでは日本茶を単純に輸出するのではなく、
- ほうじ茶
- そば茶
- 日本茶を使った菓子
- 現地文化との融合
などを通じ、新しい商品体験を作っています。
これはHARUNA株式会社の「海外戦略」という役割が具体的な事業として表れた例です。
海外展開によって日本国内の飲料市場だけに依存しない収益源を増やす点は、Protectionの事業継続にもつながります。
Protection
HARUNA株式会社はブランド・輸入・海外戦略会社であるため、自社工場の災害復旧より、供給先の分散、物流、海外拠点、情報管理が重要です。
災害への備え・訓練 4/5点
ハルナグループでは2012年に震災対策委員会、2020年には危機管理対策室委員会を設け、感染症・災害対策を強化しています。(harunabev.co.jp)
国内工場では太陽光発電と蓄電池を整備し、停電時にも必要な電力を供給できる仕組みをBCP対策の一部として導入しています。(harunabev.co.jp)
一方、東京のHARUNA株式会社について、
- 災害訓練
- 安否確認
- 東京本社が使用不能になった場合の代替拠点
などは個社別に公開されていません。
グループ体制を評価して4/5点としました。
生産・物流・調達の代替 4/5点
Harunaブランドは国内だけでなく、タイやヨーロッパの商品も扱っています。
グループには国内複数工場と全国のパートナープラントがあり、2025年度にもパートナープラントとの連携によって、自社工場で製造できない缶・瓶・炭酸商品などを供給しています。(harunabev.co.jp)
特定工場・特定国だけに依存しないバリューチェーンを持つことは、供給継続面で強みです。
ただし、個別商品ごとの代替工場数や調達切替時間は公表されていないため4/5点としました。
サイバー防衛・情報保護 4/5点
ハルナグループは2024年1月に情報セキュリティ基本方針を制定しています。
経営者主導の組織を設け、
- 社内規則
- 従業員教育
- 法令・契約遵守
- インシデント対応
- 再発防止
- 継続的改善
を行うとしています。(harunabev.co.jp)
個人情報についても、役員・従業員への研修、管理規程、定期点検を実施しています。(harunabev.co.jp)
ブランド・輸入・海外取引では顧客、取引先、契約情報を扱うため重要な制度です。
一方、HARUNA単体のサイバー訓練回数やインシデント件数、第三者認証は確認できないため4/5点です。
供給継続・復旧能力 3/5点
HARUNAは自社工場を持たず、グループ工場・協力工場・海外供給先を組み合わせる事業です。
一つの工場だけに依存する会社より切り替え余地があります。
一方、
- 商品ごとの代替調達先
- 供給停止時の復旧目標
- 主要輸入国の物流停止時の対応
- 在庫確保日数
などは公開されていません。
このため3/5点としました。
危機時の市民・顧客対応 3/5点
ハルナグループでは2022年にウクライナへミネラルウォーターを支援し、2024年には能登半島地震の被災地域へミネラルウォーターを支援しています。(harunabev.co.jp)
飲料企業が災害時に水を提供することは、事業と直接結びついた社会貢献です。
一方、これらはHARUNA株式会社単独の活動ではなくハルナグループの取り組みです。
そのため3/5点としました。
良いニュース・最近の前向きな動き
HARUNAの最近の動きで特に評価できるのは、グループの利益を人へ返しながら、海外事業にも投資していることです。
1人150万円超の賞与を2期連続
2025年度第3四半期の事業報告では、グループで1人当たり150万円を超える賞与を2期連続で実現したとしています。(harunabev.co.jp)
同時に2023年から連続ベースアップを続けています。
事業成長で増えた利益を人件費へ返す企業姿勢として評価できます。
2025年、パリにAiiROをオープン
HARUNA Franceを通じ、パリに日本茶カフェAiiROを開店しました。(harunabev.co.jp)
日本茶を海外へ販売するだけでなく、現地の菓子文化や食習慣と組み合わせて新しい価値を作っています。
HARUNAの海外戦略が実際の新規事業へつながった例です。
2026年、Chabaaをリニューアル
2026年7月からChabaaのブランドロゴ・パッケージを順次変更しました。(haruna-brand.com)
タイのフルーツ飲料を日本市場で長く販売するため、ブランドを更新し続けている点を評価できます。
悪いニュース・課題
今回の調査では、HARUNA株式会社について、2026年現在の重大な行政処分、大規模な食品事故、死亡労災を確認できませんでした。
現在の大きな課題は、不祥事よりも個社情報の不足です。
HARUNA単体の労働データがほぼない
ハルナグループは人財投資についてかなり詳しく発信しています。
しかしHARUNA株式会社について、
- 給与
- 残業
- 有給
- 離職
- 育休
- 労災
などを分けた数字はありません。
HARUNAは社会保険被保険者が数人規模とみられる小さな会社なので、個人を特定しない範囲での情報公開には難しさもあります。
それでも、少なくとも「グループ共通制度がすべて適用されているか」「平均残業はどの程度か」などは公表できます。
昔の口コミは厳しいが、現在の評価には直接使用できない
転職会議には、2014年前後の法人営業社員から会社制度や職場環境について厳しい口コミがあります。(jobtalk.jp)
しかし10年以上前の情報であり、その後組織再編や働き方改革が進んでいます。
現在の会社へそのまま適用することは適切ではありません。
逆に言えば、現在の数字をHARUNA自身が公開すれば「昔と現在がどう変わったのか」を明確にできます。
総合評価と、これから改善してほしいこと
HARUNA株式会社は69点/100点、シビックランクCです。
次のBランクは70点からなので、あと1点です。
グループとして見れば、人財投資、商品開発、食品安全、海外展開、サイバー対策の水準はかなり高くなっています。
一方、企業審査の対象はHARUNA株式会社です。
親会社・グループが優れているからといって、その点数をすべて子会社へ移すことはできません。
現在の最大の改善点は、HARUNA株式会社自身の成果を公開することです。
労働時間・休息を6/10点から7/10点へ
現在6/10点です。
グループでは年間休日増加が確認できます。
今後HARUNA自身について、
- 年間休日
- 平均残業時間
- 有給取得率
を公開し、例えば年間休日120日以上、残業月15時間以下、有給取得率70~80%以上などが確認できれば6→7点以上へ上げられます。
+1点だけでも総合70点となり、Bランクへ到達します。
賃金・利益の還元を7/10点から8/10点へ
グループでは連続ベースアップと高い賞与を確認できます。
次はHARUNA自身の、
- 平均給与
- 賃上げ額
- 賞与
を公開してほしいところです。
グループと同等以上の賃金改善が確認できれば7→8点を検討できます。
これでも総合70点でBランクです。
労働安全・健康を4/10点から5/10点へ
HARUNAは工場会社ではありませんが、海外事業を扱っています。
海外出張・駐在も含め、
- 健康診断受診率
- ストレスチェック
- 労災
- 海外安全教育
などを公開できれば4→5点を検討できます。
次のランクへ上がるための具体例
現在69点・Cランクです。
Bランクの下限70点まであと1点です。
例えば、
- 労働時間・休息 6→7点 +1点
で、
69点 + 1点 = 70点
となりBランクへ上がります。
あるいは、
- 賃金・利益の還元 7→8点 +1点
でも70点です。
HARUNAの場合、新しいブランドや海外店舗をさらに増やすことより、すでに充実しているグループの人財投資がHARUNA株式会社の社員にも実際に届いていることを数字で示すことが、次の評価へ進む最も重要な改善です。
出典一覧
- ハルナグループ「会社概要」
HARUNA株式会社の所在地、代表者、ブランドマネジメント・海外戦略という現在の役割を確認。(harunabev.co.jp) - Gビズインフォ「HARUNA株式会社」
法人番号7010001099000、本店所在地、職場情報の公開状況を確認。(info.gbiz.go.jp) - ハルナグループ「人財投資の取り組み」
2023年からの連続ベースアップ、賞与増、正社員化、福利厚生、健康経営等を確認。(harunabev.co.jp) - ハルナグループ 2025年度第3四半期事業報告書
グループ568人、1人150万円超の賞与2期連続、新商品60アイテム、品質・物流対策等を確認。(harunabev.co.jp) - Harunaブランド公式サイト
HARUNA株式会社が輸入・ブランド管理を担当すること、国内外の商品ラインアップ、FSSC22000工場等を確認。(haruna-brand.com) - ハルナグループ「海外飲料プロデュース」
HARUNA FranceとパリのAiiRO事業を確認。(harunabev.co.jp) - ハルナグループ「情報セキュリティ基本方針」
2024年制定のセキュリティ管理・教育・インシデント対応方針を確認。(harunabev.co.jp) - ハルナグループ「プライバシーポリシー」
従業員教育、個人情報管理規程、定期点検等を確認。(harunabev.co.jp) - ハルナグループ「環境への取り組み」
太陽光・蓄電池によるBCP、複数工場の環境・供給施策を確認。(harunabev.co.jp) - ハルナグループ「沿革」
危機管理対策室、災害支援、海外展開、FSSC22000等を確認。(harunabev.co.jp) - 転職会議「HARUNA株式会社」
古い従業員口コミと投稿者集計値を補助情報として確認。(jobtalk.jp)
シビックランクの基準
| シビックランク | 総合点 |
|---|---|
| S | 90~100点 |
| A | 80~89点 |
| B | 70~79点 |
| C | 60~69点 |
| D | 50~59点 |
| E | 40~49点 |
| F | 20~39点 |
| G | 0~19点 |
HARUNA株式会社は69点のため、シビックランクCです。
情報ランクの基準
| 情報ランク | 基準 |
|---|---|
| S | 国・自治体・規制当局・公的機関・独立第三者機関による情報 |
| A | HARUNA・ハルナグループ公式資料、公式事業報告、公式ブランド情報など |
| B | 従業員口コミ、一般SNS、匿名掲示板など |
今回の審査では、HARUNA株式会社とハルナプロデュース株式会社を明確に区別しました。
グループの制度は「HARUNAにも関係する制度」として部分的に評価していますが、工場の成果や親会社の人的資本数値をHARUNA株式会社固有の成果として満点加点していません。
今回の最大の調査上の制約は、HARUNA株式会社単体の労働・人的資本データがほとんど公開されていないことです。
