私たちは、企業の商品を購入したり、サービスを利用したりすることで、そこで働く人たちの未来を変えることができます。
働く人に十分な賃金を払い、休暇を確保し、安全な職場をつくり、人の負担を減らす企業の商品やサービスが選ばれれば、そうした企業により多くの売上が集まります。その結果、働く人を大切にする経営を続けやすくなります。
反対に、低賃金や長時間労働、安全上の問題を改善しない企業の商品やサービスが売れ続ければ、そうした働かせ方のままでも事業を続けることができます。
だからこの企業審査では、「私たちがお金を使うなら、どの企業を選ぶことが、そこで働く人にとってより良い社会につながるのか」という視点から企業を評価します。
なぜ企業を審査するのか?――このサイトの目的と、利用するメリット
今回審査するアイユーシー株式会社は、総合47点、シビックランクEです。
アイユーシー株式会社の特に強い点は、物流会社として安全管理を具体化していることです。55歳以上のドライバーと大型車運行従事者を対象に脳MRI健診を会社全額負担で義務化し、ドライバー・フォークリフトの安全講習、Gマーク、ISO27001、引越安心マークなどを組み合わせています。2024年7月から2025年6月の自動車事故報告規則上の実績でも、死傷事故0件、転覆0件、転落0件で、ドライブレコーダーは予定20台に対し31台を導入しました。
そのため、この企業の物流・配送・引越サービスを利用すれば、ドライバーの健康状態を事前に確認し、事故を起こす前に脳疾患リスクを発見しようとする運送会社へ売上が集まります。運転者本人だけでなく、道路を利用する市民や荷主を健康起因事故から守る物流に強い社会につながる可能性があります。
一方で、改善点として安全制度の実効性と労働条件の透明性が残ります。2023年9月、富士営業所は重傷事故を端緒とした監査で、健康診断未受診、点呼記録義務違反、運転者台帳の不備、指導監督義務違反、特定運転者への指導・適性診断の未実施など6件の違反を認定され、輸送施設の使用停止50日車と文書警告を受けました。さらに会社全体の平均給与、平均残業時間、有給取得率、年間休日、労災件数などは十分に公開されていません。
この記事では、アイユーシー株式会社の強みと課題をさらに詳しく企業審査していきます。
アイユーシー株式会社の企業審査結果
アイユーシーは、総合物流、3PL、倉庫、配送、引越、人材派遣までを一体で提供する物流会社です。安全認証やドライバーの健康管理、複数拠点・全国ネットワーク、ISO27001は強みです。一方、重傷事故後の行政処分と、働く人の実績開示不足が総合点を押し下げています。
| 評価軸 | 得点 | 主な評価 |
|---|---|---|
| Safety | 21/50 | 求人上の給与・福利厚生、脳MRI健診、Gマーク、安全講習を評価。2023年行政処分、全社賃金・残業・有休・労災の非公表が課題 |
| Innovation | 11/25 | 3PL、自社情報システム、デジタルピッキング、共同配送を評価。作業時間削減や人への還元の定量成果が不足 |
| Protection | 15/25 | 8拠点・全国ネットワーク、ISO27001を評価。個社BCP、復旧時間、災害時市民支援の実績が不足 |
| 合計 | 47/100 | シビックランクE |
主な強み
- 創業1943年、総合物流を長期間継続
- 2024年度売上37億7,000万円
- グループ676人、正社員133人
- 自社車両174台
- 3温度帯の食品物流に対応
- Gマーク認定事業所
- 引越安心マークを取得
- ISO27001を本社・杉並引越センターで取得
- 55歳以上のドライバー等へ脳MRI健診を会社負担で義務化
- ドライバー・フォークリフト安全講習を実施
- 2024年7月~2025年6月の重大事故区分で死傷0件
- ドライブレコーダーを計画20台に対して31台導入
- 2026年に初の特定技能外国人を採用
- 自社情報システム室と専門SEを配置
- デジタルピッキングを倉庫作業で活用
主な課題
- 2023年に重傷事故を端緒とした監査で6件の法令違反
- 富士営業所が輸送施設使用停止50日車+文書警告
- 会社全体の平均給与が非公表
- 全社平均残業時間が非公表
- 全社有給取得率が非公表
- 年間休日は職種・拠点で差があり、全社値が非公表
- 労災件数、休業災害件数が非公表
- 育児・介護休業取得率が非公表
- 人権・ハラスメントの個社方針・相談実績が見えにくい
- デジタル化後に何時間・何人分の作業を削減したか非公表
- BCP、復旧目標時間、災害訓練の個社情報が不足
- 災害時の自治体支援・緊急物流協定の具体的実績が不足
事業内容と人間への貢献
アイユーシーは、荷物を運ぶだけでなく、倉庫への入荷、保管、仕分け、流通加工、配送、物流システム構築、人材派遣まで一括で行う総合物流会社です。
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | アイユーシー株式会社 |
| 法人番号 | 8011301000143 |
| 創業 | 1943年4月25日 |
| 設立 | 1954年7月5日 |
| 本社 | 東京都杉並区上井草2-2-2 |
| 代表取締役社長 | 古川 賢一 |
| 資本金 | 2,700万円 |
| 売上高 | 37億7,000万円(2024年度) |
| 従業員 | グループ676人、うち正社員133人(2024年7月) |
| 主な事業 | 倉庫、運送、引越、3PL、人材派遣、産廃収集運搬、遺品整理 |
| 自社車両 | 174台 |
| 関連会社 | アイユーシーロジテム株式会社、ジーエスケイ株式会社等 |
会社概要と法人番号は会社公式・Gビズインフォで確認できます。
主な事業内容
物流センターでは、荷物の入荷、保管、仕分け、流通加工、出荷を一つのラインとして運営しています。
配送では、スーパーマーケット、コンビニ、メーカー、出版社、家具メーカー、食品・酒類卸などの商品を運びます。常温だけでなく冷蔵・冷凍を含む3温度帯物流に対応しています。
自社情報システム室を持ち、イントラネット・LAN・物流システムの構築や保守も行っています。
事業による人間への貢献
物流が止まると、店舗に食品や日用品が届かず、病院や企業へ必要な物資が届かなくなります。
アイユーシーはコンビニ、スーパー、食品メーカーなどの物流を支えており、消費者が日常的に商品を買える状態を裏側から維持しています。
また、共同配送では複数の荷主の商品をまとめて運ぶことで、同じ地域へ別々のトラックを何台も走らせるより車両数や輸送コストを抑えられる可能性があります。
Safety
Safetyでは、ドライバーや倉庫作業員が十分な給与と休息を得ているか、事故・労災を防げているか、利用者や市民を安全に守れているかを評価します。
賃金・利益の還元 4/10点
現在の正社員求人では、4tルート配送で月給30万~33万円程度、成田のフォークリフトでは月給約23.4万~25.16万円、メーカー配送ドライバーでは月給25.4万円以上などが確認できます。賞与年2回、昇給年1回、無事故手当、皆勤手当、時間外手当などもあります。
一方、会社全体の平均給与、給与中央値、ベースアップ額、年間賞与平均、正規・非正規の賃上げ率は公開されていません。
求人給与は確認できますが、既存社員全体へ利益がどれだけ還元されているかは判断できないため4/10点としました。
全社員の平均年収と毎年の賃上げ額を公開し、複数年にわたって実質賃金が上昇していることが確認できれば6~8点を検討できます。
労働時間・休息 4/10点
2025年新卒採用では年間休日108日とされています。
一方、職種によって条件は異なり、成田のフォークリフト求人は月8日休み、朝霞・八潮・平塚のルート配送は週休2日制です。ルート配送では1日1~1.5時間程度の残業が発生する場合があると明記されています。
求人によってはみなし残業24時間分を給与に含む例もあります。
残業代を支給し、休日制度を明示している点は評価できますが、全社平均残業、有給取得率、年間休日の実績がありません。
運送業では疲労が交通事故へ直結するため、全社平均の実労働時間を確認できないことを重く見て4/10点としました。
雇用の安定・待遇の公平性 3/5点
創業1943年から事業を続け、2024年度のグループ従業員は676人、正社員133人です。
2026年には会社として初めて特定技能外国人を採用し、国土交通省の自動車運送業分野特定技能協議会にも受入企業として掲載されています。
現在もドライバー、フォークリフト、倉庫などで採用を続けています。
一方、離職率、平均勤続年数、男女賃金差、雇用形態別人数、外国人社員と日本人社員の待遇差などは公表されていません。
雇用を継続し採用を広げている点を評価して3/5点です。
福利厚生・育児・介護 3/5点
正社員求人では、社会保険、賞与年2回、昇給、退職金、社宅、交通費、無事故手当、皆勤手当などが確認できます。
一部求人では資格取得支援も行っています。
一方、育児休業取得率、男性育休、介護休業、看護休暇、短時間勤務の個社実績は公表されていません。
基本的な福利厚生は整っているため3/5点としました。
人権・ハラスメント・労使関係 1/5点
今回の調査では、アイユーシー自身の人権方針、ハラスメント防止方針、社外相談窓口、内部通報件数などを確認できませんでした。
特定技能外国人を受け入れる企業では、国籍による待遇差を防ぎ、相談窓口を利用できる状態にすることが特に重要です。
制度が存在しないと断定しているわけではありませんが、公開情報が不足しているため1/5点です。
労働安全・健康 4/10点
アイユーシーは、55歳以上のドライバーと大型車運行従事者へ脳MRI健診を実施しています。
費用は会社が全額負担し、対象者には受診を義務付けています。異常所見があれば専門医を紹介し、日常の点呼でも体調確認を続けます。
これは、脳疾患による突然の意識障害や突然死が運転中に起きる前にリスクを発見する仕組みです。
ドライバー・フォークリフト向けの安全講習も行っています。
一方、2023年の富士営業所への監査では、健康診断未受診、点呼記録、指導監督、特定運転者への指導・適性診断など6件の違反が認定されています。
脳MRI健診など良い制度があっても、基本的な健康診断や運行管理が実際に徹底されなければ安全成果にはつながりません。
そのため4/10点としました。
商品・サービスの安全 2/5点
アイユーシーはGマーク、安全講習、引越安心マークなどを取得しています。
2024年7月~2025年6月の自動車事故報告規則上の実績は、転覆0、転落0、火災0、死傷0、故障0で、衝突1件でした。
また、ドライブレコーダーの導入は計画20台に対して31台を実施しています。
一方、2023年には重傷事故を端緒として監査が行われ、富士営業所が50日車の使用停止と文書警告を受けました。
直近実績は改善していますが、重大事故後の法令違反を無視できないため2/5点としました。
従業員・元従業員の口コミ
転職会議では、アイユーシーの投稿者集計として残業時間2時間/月、有給消化率60%が表示されています。
ただし口コミ件数が少なく、会社全体の公式統計ではありません。
Indeedでも企業評価は確認できますが、今回の検索では現在の労働環境を採点へ直接使える具体的な社員投稿本文を十分に確認できませんでした。
そのため口コミ集計は補助情報にとどめ、Safetyの採点は公式求人・行政資料・会社安全資料を優先しています。
SNS・匿名掲示板の確認結果
X、5ちゃんねる、爆サイについて、会社名と残業・ドライバー・退職などを組み合わせて検索しました。
今回の検索では、投稿者がアイユーシーの現社員・元社員であることを確認でき、現在の職場実態を採点できる具体的な投稿は確認できませんでした。
確認できない情報を推測で加点・減点していません。
Innovation
Innovationでは、物流システムやデジタル設備によって、人が歩く、探す、持つ、記録する、運ぶといった負担をどこまで減らしたかを評価します。
作業負担・危険の削減 4/10点
アイユーシーは自社情報システム室を設置し、物流システムやネットワークを構築しています。
朝霞流通センターの求人では、棚のランプが商品位置を知らせるデジタルピッキングを利用しており、作業員が紙のリストを見ながら倉庫内を探し回る負担を減らしています。
物流センターでも入荷から出荷までを一つのラインとして管理し、作業効率化を進めています。
ただし、デジタルピッキング導入前後で歩行距離が何km減ったのか、1人当たり作業時間が何分減ったのか、必要人数や残業が何人・何時間減ったのかは公表されていません。
具体的な設備利用は確認できるため4/10点としました。
商品・サービスの改善 4/5点
アイユーシーは運送だけでなく、3PL、倉庫、流通加工、引越、人材派遣、システム構築を組み合わせています。
顧客企業は、輸送会社、倉庫会社、システム会社、人材会社を別々に探す代わりに、一社へ物流全体を委託できます。
常温・冷蔵・冷凍の3温度帯にも対応し、全国ローカルネットワークを利用した輸送も行っています。
物流の一括化によって顧客側の調整負担を減らしているため4/5点です。
改善成果の人間への還元 0/5点
デジタルピッキング、物流システム、共同配送などの改善は確認できます。
一方、それによって従業員の残業が何時間減ったのか、年間休日が増えたのか、給与が上がったのか、重量物作業が減ったのかは公開されていません。
技術導入と人への利益の因果を確認できないため0/5点です。
研究開発・現場改善の継続 3/5点
各物流センターで小集団活動を行い、管理者が物流セミナーへ参加するなど現場改善を続けています。
自社情報システム室も持ち、物流システムを顧客ごとに構築しています。
一方、年間改善件数、改善による工数削減、物流品質の改善率などのKPIは公表されていません。
改善を続ける仕組みはあるため3/5点です。
自動化・AI導入後の雇用状況
デジタルピッキングなどの省力化は確認できますが、今回の調査では、それを理由とした大規模な希望退職、解雇、人員整理は確認されませんでした。
むしろ2026年もドライバー、フォークリフト、倉庫作業など複数職種で採用を継続し、初の特定技能外国人採用も行っています。
ただし、自動化導入前後の拠点別人員数、非正規契約数、配置転換数などは公開されていません。
「人を減らしていない」と断定するのではなく、現在確認できる範囲では大規模整理が見つからないと評価します。
Protection
Protectionでは、災害・サイバー攻撃・拠点停止・輸送網寸断が起きても、食品や日用品をできるだけ届け続けられるかを評価します。
災害への備え・訓練 1/5点
今回の調査では、アイユーシー単体のBCP、地震・水害訓練、安否確認訓練、非常用電源、備蓄などを具体的に確認できませんでした。
複数拠点を持つこと自体は災害耐性につながりますが、訓練や復旧計画が見えないため1/5点です。
生産・物流・調達の代替 4/5点
アイユーシーは東日本を中心に8拠点を持ち、174台の自社車両を保有しています。
さらに全国ローカルネットワークを活用し、全国輸送へ対応しています。
例えば一つの地域で車両不足や荷量急増が起きた場合、自社拠点と全国の協力事業者を組み合わせて輸送力を確保できる余地があります。
平時から複数拠点・協力網を使っているため4/5点です。
ただし、災害時の具体的な代替輸送協定や切替時間は公表されていないため満点にはしていません。
サイバー防衛・情報保護 4/5点
本社と杉並引越センターではISO/IEC27001を取得し、2022年版規格へ更新しています。
さらにIPAのSECURITY ACTION二つ星を宣言しています。
物流会社は顧客の配送先、商品、在庫、引越先、個人情報などを扱うため、情報漏えいは顧客の生活や企業活動へ直接影響します。
国際認証を維持している点を評価して4/5点としました。
一方、全物流センターが認証範囲ではなく、サイバー訓練回数や重大インシデント件数は公表されていません。
供給継続・復旧能力 4/5点
8つの自社拠点、174台の車両、全国ローカルネットワーク、常温・冷蔵・冷凍の3温度帯対応は、物流継続の基盤になります。
食品や日用品の配送では、一拠点・一車両だけに依存する会社よりも代替しやすい構造です。
一方、拠点が水害や停電で停止した場合に何時間で別拠点へ切り替えるのか、冷凍・冷蔵商品の電源をどう維持するのかといった復旧KPIは公開されていません。
そのため4/5点としました。
危機時の市民への対応 2/5点
アイユーシーは地域の交通安全教室へ参加し、小学生などへの交通安全啓発を行っています。
これは平時の事故防止には直接的な社会的価値があります。
一方、地震・豪雨等で避難所へ物資を輸送する自治体協定や、実際の緊急物流支援実績は今回確認できませんでした。
危機時の物流会社としての役割をさらに示す必要があるため2/5点です。
良いニュース・最近の前向きな動き
最近の前向きな動きでは、運転士不足へ対応しながら、安全教育と人材確保を両立できているかを重視します。物流サービスを利用することで、事故防止と人材育成へ投資する会社を支えることにつながります。
2026年、初の特定技能外国人を採用
2026年4月、アイユーシーは会社として初めて特定技能外国人を採用し、入社式を実施しました。
国土交通省の自動車運送業分野特定技能協議会の構成員名簿にも、東京都のトラック運送業の受入企業として掲載されています。
物流業界で人材確保を進め、新たな人がドライバーとして働ける入口を広げる動きとして評価できます。
今後は、日本人社員との賃金・昇進・教育の公平性を公開することで、雇用の質まで評価できるようになります。
直近安全実績で死傷0件、ドラレコ31台導入
2024年7月から2025年6月の実績では、自動車事故報告規則上の死傷事故は0件でした。
同期間の安全投資では、ドライブレコーダー20台の導入計画に対して31台を導入しています。
2023年の行政処分後も安全投資を続けていることは改善方向として評価できます。
悪いニュース・問題となった動き
悪いニュースでは、利用者や市民の安全だけでなく、ドライバーが健康な状態で働ける管理が実際に機能しているかを重視します。改善されなければ、制度が存在していても疲労や健康管理不足による事故リスクが残ります。
2023年、重傷事故後の監査で6件の違反
2023年9月13日、中部運輸局はアイユーシー富士営業所に対し、輸送施設の使用停止50日車と文書警告の行政処分を行いました。
監査の端緒は2023年4月28日と5月18日に発生した重傷事故でした。
認定された違反は、
- 健康診断未受診
- 点呼記録義務違反
- 運転者等台帳の記載不備
- 運転者への指導監督義務違反
- 特定運転者への指導義務違反
- 特定運転者の適性診断未受診
の6件です。
会社が現在実施している脳MRI健診は評価できますが、安全の土台となる通常の健康診断、点呼、運転者教育まで確実に運用する必要があります。
総合評価と、これから改善してほしいこと
アイユーシー株式会社は47点/100点、シビックランクEです。
次のDランクは50点からなので、あと3点必要です。
物流ネットワーク、安全認証、脳MRI健診、情報セキュリティは強みです。一方、働く人の実績が見えにくく、過去には重傷事故を端緒とした行政処分もあります。
全社の残業・休日・有給を公開し、休息を増やす:労働時間・休息 4→6/10
現在は4/10点です。
求人では週休2日や年間休日108日の例がある一方、月8日休みの職種や、1日1~1.5時間の残業が発生するルートもあります。
企業が具体的に行うべきことは、全社員とドライバー職について月平均残業、年間休日、有給取得率、拘束時間を毎年公開し、月平均残業20時間未満、年間休日110日以上、有給取得率70%以上を目指すことです。
この水準が実績として確認できれば4→6点、+2点を想定します。総合47→49点となります。
参考企業は株式会社JR東海リテイリング・プラスです。Google Drive上の最新版企業審査では56点・Dで、「労働時間・休息」は8/10点です。平均残業7.8時間、有給取得率76.1%を会社単体で公開しており、実際の時間負担を外部から検証できます。
重傷事故・行政処分を再発させず、労災KPIを公開する:労働安全・健康 4→6/10
現在は4/10点です。
脳MRI健診と安全講習は良い取り組みですが、2023年には健康診断・点呼・指導監督など基本管理の違反が認定されています。
今後、全ドライバーの健康診断受診率100%、適性診断100%、重大・重傷事故0件を複数年継続し、労災件数・交通事故件数・是正内容を毎年公開してほしいところです。
これらが確認できれば4→6点、+2点を想定します。総合47→49点です。
参考企業はアスクル株式会社です。Google Drive上の最新版企業審査は74点・Bで、「労働安全・健康」は8/10点です。2025年5月期単体で死亡0、重度0、軽度2、労働災害度数率0.00まで公表しており、制度だけでなく事故結果を外部から追える点を評価しています。
デジタルピッキングの削減効果を人へ返す:改善成果の人間への還元 0→3/5
現在は0/5点です。
棚のランプで商品位置を知らせるデジタルピッキングや自社物流システムは確認できますが、作業者の歩行時間、残業、必要人数、身体負担が何%減ったかは不明です。
導入前後で1件当たりのピッキング時間、1人当たり歩行距離、残業時間、必要人数を公開し、残業削減や休日増加へ実際に返したことが確認できれば0→3点、+3点を想定します。
この1項目だけでも47→50点となり、Dランクへ上がります。
参考企業はキリングループロジスティクス株式会社です。Google Drive上の最新版企業審査は65点・Cで、「改善成果の人間への還元」は3/5点です。同社は業務改善・多能工化を背景に年間所定労働時間を1,920時間から1,896時間へ24時間削減し、改善で生まれた余力を働く人の時間へ実際に戻しています。
次のランクへ上がるための具体例
現在47点・Eランクで、Dランクの下限50点まであと3点です。
最も直接的な改善例は、デジタルピッキングや物流システム導入前後の作業時間・歩行距離・残業を測定し、そこで削減した時間を休日増加や残業削減へ返すことです。これが確認できれば「改善成果の人間への還元」を0→3点へ上げ、47+3=50点でDランクに到達できます。
別の方法では、「労働時間・休息」を4→6点で+2点、「労働安全・健康」を4→6点で+2点まで改善すれば、47+2+2=51点となりDランクです。
つまり、アイユーシーが次のランクへ上がるために最優先すべきなのは、デジタル化で浮いた時間を人へ返した実績を示すこと、またはドライバーの労働時間と健康・事故実績を会社全体で公開し、実際に改善することです。
出典一覧
- アイユーシー株式会社「会社概要」
- アイユーシー株式会社「事業内容」
- アイユーシー株式会社「弊社の取り組み」
- アイユーシー株式会社「運輸安全マネジメント」
- 中部運輸局「一般貨物自動車運送事業者の法令違反に対する行政処分等の公表 令和5年9月分」
- 国土交通省「自動車運送業分野特定技能協議会 構成員名簿」
- アイユーシー株式会社「採用情報・各募集要項」
- 転職会議「アイユーシー株式会社」
- アイユーシー株式会社「特定技能外国人の入社式」
- Google Drive「株式会社JR東海リテイリング・プラスの企業審査」
- Google Drive「アスクル株式会社の企業審査」
- Google Drive「キリングループロジスティクス株式会社の企業審査」
シビックランクの基準
| シビックランク | 総合点 |
|---|---|
| S | 90~100点 |
| A | 80~89点 |
| B | 70~79点 |
| C | 60~69点 |
| D | 50~59点 |
| E | 40~49点 |
| F | 20~39点 |
| G | 0~19点 |
アイユーシー株式会社は47点のため、シビックランクEです。
情報ランクの基準
| 情報ランク | 基準 |
|---|---|
| S | 国・自治体・規制当局・裁判所・独立した第三者機関による調査、処分、認証、検証など |
| A | 企業公式サイト、公式求人、公式安全資料、公式声明など |
| B | 従業員・元従業員口コミ、一般SNS、匿名掲示板など |
今回の審査では、中部運輸局の行政処分情報をSランク情報として最も重く扱いました。
会社公式の安全マネジメント、求人、ISO27001、脳MRI健診、物流ネットワークはAランク情報として評価しています。
転職会議の投稿者集計はBランク情報として補助的に使用し、公式データがない部分を断定する根拠にはしていません。
SNS・匿名掲示板では対象企業の現在の職場実態を確実に確認できる投稿が得られなかったため、推測で採点していません。
