私たちは、企業の商品を購入したり、サービスを利用したりすることで、そこで働く人たちの未来を変えることができます。
働く人に十分な賃金を払い、休暇を確保し、安全な職場をつくり、人の負担を減らす企業の商品やサービスが選ばれれば、そうした企業により多くの売上が集まります。その結果、働く人を大切にする経営を続けやすくなります。
反対に、低賃金や長時間労働、安全上の問題を改善しない企業の商品やサービスが売れ続ければ、そうした働かせ方のままでも事業を続けることができます。
だからこの企業審査では、「私たちがお金を使うなら、どの企業を選ぶことが、そこで働く人にとってより良い社会につながるのか」という視点から企業を評価します。
なぜ企業を審査するのか?――このサイトの目的と、利用するメリット
今回審査するアサヒロジスティクス株式会社は、総合64点、シビックランクCです。
アサヒロジスティクス株式会社の特に強い点は、2026年4月のドライバー職6.4%賃上げと、実際の災害時にも食品を届けた広域物流・復旧対応です。そのため、この企業の商品を購入したりサービスを利用したりすれば、物流で働く人の待遇を改善しながら、地震や豪雨でも食品が店頭へ届きやすい社会につながる可能性が高まります。
一方で、改善点として2024年度の月平均所定外労働時間30時間と、2025年に墜落防止措置を講じなかった事案で労働安全衛生法違反として送検された安全管理上の問題が残ります。
この記事では、アサヒロジスティクス株式会社の強みと課題をさらに詳しく企業審査していきます。
アサヒロジスティクス株式会社の企業審査結果
| 評価軸 | 得点 |
|---|---|
| Safety | 28/50 |
| Innovation | 19/25 |
| Protection | 17/25 |
| 総合点 | 64/100 |
| シビックランク | C |
| 主な強み | 主な課題 |
|---|---|
| 2026年4月からドライバー職を6.4%賃上げ | 2024年度の月平均所定外労働時間30時間 |
| 新卒初任給を28万円へ引き上げ | 白井営業所の一部求人では月平均残業60時間 |
| 企業内保育園を2園運営 | 女性管理職比率2.1% |
| 新人ドライバー全員に3泊4日の実技研修 | 2025年に墜落防止措置を講じなかった事案で送検 |
| 富山ドライ物流センターでピッキングから積み付けまで自動化 | 自動化後の残業・身体負担削減量が非公表 |
| 2025年度の運輸安全上の報告対象事故8件を公開 | 労災度数率・強度率などの法人単体KPIが非公表 |
| 全国規模の食品物流網と1,816台の車両 | サイバー防御・復旧訓練の詳細開示が弱い |
| 東日本大震災・豪雨で実際に食品・飲料を配送 | システム停止時のRTO・RPOなどが非公表 |
事業内容と人間への貢献
アサヒロジスティクス株式会社は、埼玉県さいたま市中央区に本社を置く食品物流会社です。創業は1945年、会社設立は1955年1月、資本金は7,800万円です。会社公式では2026年3月末の社員数8,222人、車両1,816台、2026年3月期の単体売上高517億円、連結売上高666億円としています。毎日約2万6,000か所を超える物流拠点・店舗へ食品を供給し、約500万人の食生活を担うとしています。
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | アサヒロジスティクス株式会社 |
| 法人番号 | 8030001071633 |
| 本社 | 埼玉県さいたま市中央区新都心11-2 |
| 創業 | 1945年 |
| 設立 | 1955年1月 |
| 代表者 | 代表取締役社長 横塚元樹 |
| 資本金 | 7,800万円 |
| 社員数 | 8,222人(2026年3月末・会社公式) |
| 車両台数 | 1,816台(2026年3月末) |
| 単体売上高 | 517億円(2026年3月期) |
| 主な事業 | 食品の配送、物流センター運営、仕分け、保管、商品管理、輸出入関連業務など |
| 主な取引先 | セブン‐イレブン・ジャパン、サイゼリヤ、ヤオコー、伊藤忠食品、日本アクセス、三菱食品など |
会社公式以外の職場情報には7,752人など異なる人数もあります。集計時点と対象範囲が異なるため、現在の会社規模は最新の会社公式8,222人を基準とします。
主な事業内容
アサヒロジスティクスは、常温・チルド・フローズンの食品を、物流センターや店舗へ毎日配送しています。
仕事はトラック運転に限りません。物流センターでは入荷、検品、格納、在庫管理、店舗別仕分け、ピッキング、積み付けなどを行い、配送部門では決められた時間帯にスーパー、コンビニ、外食店などへ商品を届けます。
食品は温度帯、消費期限、納品時間が商品ごとに異なります。冷凍食品を常温で長時間置く、商品を別店舗へ誤配送する、配送が大幅に遅れるといったことが起きれば、店舗営業や食品安全に直接影響します。
主な利用企業・取引先
会社公式では、セブン‐イレブン・ジャパン、サイゼリヤ、ヤオコー、伊藤忠食品、日本アクセス、三菱食品などを主要取引先として掲載しています。
同社の商品を一般消費者が直接購入する形ではありませんが、これらのスーパー、コンビニ、外食店を利用すると、その背後で同社の物流サービスが使われている場合があります。
事業による人間への貢献
食品物流の価値は、必要な食品を必要な場所へ継続的に届けることです。
例えば大雨や地震で道路が寸断され、物流が止まれば、工場や倉庫に食品があっても店舗の棚は空になります。アサヒロジスティクスは東日本大震災の翌日から店舗配送の応援へ入り、その後は仙台のコンビニ店舗でトラックを移動販売車として使う支援も行いました。広島・岡山豪雨でも埼玉から4トントラックを派遣し、断水地域の店舗へ飲料を届けています。
平時には約2万6,000か所への配送網として働き、有事にはその車両・人員・拠点を生活物資の供給へ使えることが、この会社の人間への大きな貢献です。
Safety|28/50
Safetyでは、食品を運ぶドライバーや物流センターで働く人が安全に働けるか、十分に休めるか、仕事の利益が賃金や育児支援へ返っているかを評価します。アサヒロジスティクスは2026年の大幅賃上げ、企業内保育、独自の運転研修では強い一方、月平均残業30時間と拠点差、2025年の労働安全衛生法違反による送検が大きな減点要因です。
賃金・利益の還元|8/10
2026年4月から新卒初任給を28万円へ引き上げ、ドライバー職の給与を6.4%引き上げました。既存従業員についても、基本給のベースアップと定期昇給を合わせ、全体で平均6.4%の賃上げとされています。ドライバー職では2019年から2025年までの6年間で賃金が23%上昇し、今回の改定を含めると7年間で29%の上昇になる見込みです。
物流業界ではドライバー不足が供給継続のリスクになっています。賃金を引き上げれば、生活費上昇への対応だけでなく、採用と定着を通じて一人当たりの配送負担を減らす余地が生まれます。
一方、正社員・パート・有期社員を含む全雇用区分について同じ割合で賃上げされたことや、賃上げ後の実質賃金・離職率までを確認できる公開データはありません。
そのため8/10点です。全雇用区分の平均基本給、賃上げ率、物価上昇を考慮した実質賃金、離職率まで毎年公開し、高水準の改善を継続できれば10/10点を検討できます。
労働時間・休息|4/10
マイナビ掲載の2024年度実績では、月平均所定外労働時間30時間、平均有給休暇取得日数10日、平均勤続年数11年です。
新卒採用では年間休日117日が示されています。一方、2026年に公開された白井営業所のフルタイム求人では月平均時間外労働60時間とされており、同じ会社でも拠点・職種によって負担に大きな差があります。
会社平均30時間は、1日8時間・月20日勤務で単純換算すると1日平均約1時間30分の時間外労働です。配送は運転そのものに加えて点呼、積み込み、待機、納品、回収があり、長い拘束時間は疲労や交通事故にもつながります。
そのため4/10点です。全社平均残業を20時間以下へ下げ、配送・倉庫職でも25時間以下を維持し、有給取得日数12日以上を複数年継続できれば6/10点を検討できます。
雇用の安定・待遇の公平性|3/5
創業から80年以上、食品物流を中心に事業を継続し、2026年も富山と大阪・茨木に新拠点を開設しています。社員数は会社公式で8,222人です。事業と雇用が拡大している点は安定性の材料です。
一方、2024年度の管理的地位にある97人のうち女性は2人で、女性管理職比率は2.1%です。女性ドライバーは180人以上、定着率75%以上とする採用情報もあり、現場への女性参加は進んでいますが、管理職登用には差が残っています。
そのため3/5点です。男女別の昇進候補者数、昇進率、賃金差、正社員登用、離職率を毎年公開し、女性管理職比率が継続的に上がることを確認できれば4/5点を検討できます。
福利厚生・育児・介護|5/5
2024年度の育児休業は、男性14人中11人が取得して取得率78.6%、女性7人中7人で100%でした。
さらに、埼玉県の嵐山町と熊谷市に事業所内保育園を運営しています。0~2歳児中心の定員19人で、従業員は保育料1万円、給食・ミルク・おむつなども含む仕組みです。嵐山花見台保育園は2026年4月から認可の事業所内保育所へ移行しています。
物流は早朝・夜間を含む勤務があり、一般的な保育サービスと勤務時間が合わないことがあります。職場近くに保育機能を持ち、費用も低く抑えることは、子育てを理由に退職するリスクを減らします。
育休取得率と自社保育施設の具体的な利用環境まで確認できるため5/5点です。
人権・ハラスメント・労使関係|2/5
会社は女性ドライバー向けの相談窓口や働きやすさの施策、社内公募、職種転換などを用意しています。女性ドライバー採用ページでは、女性スタッフへ直接相談できる専用窓口も案内しています。
一方、法人単体のハラスメント相談件数、内部通報件数、認定件数、是正件数、研修受講率などの運用結果は公表されていません。
制度の入口は確認できますが、実際に問題を把握して是正できているかを外部から検証する情報が不足しています。公開情報がない点は課題であり、採点上も減点対象です。
そのため2/5点です。匿名相談・内部通報制度の対象範囲、研修実施率、相談・是正結果を継続公開できれば3~4/5点を検討できます。
労働安全・健康|2/10
アサヒロジスティクスは、2017年に総合安全研修施設「滑川福田センター」を開設し、サービスドライバーとして入社する人全員に3泊4日の新人研修を実施しています。年間約700人が受講し、2026年3月末までの修了者は3,982人です。入社2~4か月後には危険予知や体調管理のフォロー研修も行っています。
運輸安全マネジメントでは少なくとも年1回の内部監査を行い、2025年度の自動車事故報告規則上の事故として、疾病による運行中断4件、居眠り運転による衝突1件、急制動1件、相手車両の居眠りによる衝突2件の計8件を公表しています。
一方、2025年4月、埼玉労働局はアサヒロジスティクスを、2メートル以上の作業床の端で墜落防止措置を講じず労働者に作業をさせた事案について、労働安全衛生法第21条・労働安全衛生規則第519条違反として送検したと公表しています。送検は刑事事件として捜査機関へ送られた段階であり、この記事では有罪判決が確定したものとしては扱いません。
また、法人単体の死亡労災、休業災害件数、度数率、強度率について継続比較できる公開情報はありません。
安全教育は非常に具体的ですが、墜落防止措置という基本的な物理対策が欠けた事案が公的に確認されているため2/10点です。是正後に同種違反0を継続し、死亡0、休業災害、度数率・強度率を毎年公開し、事故率が業界平均以下まで改善したことを確認できれば6/10点を検討できます。
商品・サービスの安全|4/5
食品物流では、交通事故、誤配送、温度逸脱、荷崩れなどが利用者と取引先の安全・供給に影響します。
会社は全国各地の営業所で安全性優良事業所認定を取得し、運輸安全マネジメントで事故統計、教育計画、内部監査を公開しています。2026年度の安全目標には、交通事故件数の前年比25%削減、重大事故0件、労働災害30%削減などを掲げています。
一方、2025年度には自動車事故報告規則の対象事故が8件あり、事故が完全にゼロではありません。誤配送率、温度逸脱率、荷物破損率など物流品質の全社KPIも十分に公表されていません。
そのため4/5点です。重大事故0を継続し、交通事故率と誤配送・温度逸脱などの品質指標を毎年公開して改善を確認できれば5/5点を検討できます。
従業員・元従業員の口コミ
転職会議では229件の口コミがあり、投稿者集計では月平均残業55.3時間、有給消化率34.2%となっています。会社公式の2024年度平均30時間とは母集団・時期が異なるため、口コミ集計を会社全体の現在値へ置き換えません。
2025年頃の40代後半男性・正社員・ドライバーの投稿には、
「万年、人手不足の為年次有給休暇は毎年、取得できない」
という記述があります。特定の拠点・個人の経験ですが、白井営業所の月60時間求人などと合わせると、拠点によって人員不足や休暇取得の難しさが残る可能性を示す補助情報になります。
Indeedは97件の口コミで総合2.2/5、勤務時間と残業2.3、給与と福利厚生2.8です。2026年8月の投稿には「労働時間は長かったが働きやすい職場ではあった」とあり、研修や福利厚生を評価する声もあります。肯定・否定の両方があるため、口コミだけで会社全体を断定せず、公式データの拠点差を確認する材料として使います。
SNS・匿名掲示板の確認結果
Xなどの一般SNS、5ちゃんねる、爆サイについて、会社名と「残業」「事故」「給料」「退職」「配送」「パワハラ」「省人化」などを組み合わせて個別に調べました。
対象法人、投稿時期、投稿者の立場を確認でき、今回の採点を変更できる具体的な原文投稿は使用していません。有用な投稿がなかったこと自体は減点していません。
Innovation|19/25
Innovationでは、食品をより効率よく運ぶことに加え、人が長時間歩く、重い荷物を繰り返し扱う、時間に追われるといった負担を設備やDXでどこまで減らせているかを評価します。富山ドライ物流センターの自動化や車両・カートによる負担軽減は強い一方、導入後の残業削減や身体負担の変化を数値で示す情報が不足しています。
作業負担・危険の削減|8/10
2026年5月に開設した富山ドライ物流センターでは、量販店向け物流の店舗別ピッキングから積み付け作業までを自動化するシステムを導入しています。北陸・東海の約90店舗への物流を担います。
女性ドライバー向け採用情報では、積み込みにカートを使うことで荷役負担を軽減し、車両のAT化も進めています。
さらに2026年4月にはDX推進部を新設し、ドライバーの身体的負担や時間に追われる状態を減らすことを目的の一つとして掲げています。
人が行うピッキング・積み付けを機械へ移し、荷役にもカートを使うため8/10点です。ただし、自動化前後で歩行距離が何km減ったか、持ち上げ重量が何kg減ったか、作業時間・残業・腰痛・労災が何%減ったかは公表されていません。こうした実測値まで確認できれば10/10点を検討できます。
商品・サービスの改善|5/5
2025年には八戸共配センターを開設して東日本の自社共配網を確立し、2026年には富山ドライ物流センターと関西初の茨木共配センターを開設しました。茨木は在庫保管・仕分け・配送を一括で扱い、東名阪を結ぶ幹線輸送機能を強化します。
食品物流では、同じ方面へ別々のトラックを走らせるより、共配センターで荷物をまとめられれば必要車両、燃料、ドライバー時間を減らせます。
全国規模の拠点網を継続的に拡張し、三温度帯と共配機能を組み合わせて供給範囲を広げているため5/5点です。
改善成果の人間への還元|2/5
2026年の6.4%賃上げは人への明確な還元です。一方、その賃上げが自動化・DXで生まれた生産性向上分からどの程度生まれたのかは公表されていません。
また、2024年度の全社平均残業は30時間で、白井営業所の一部求人では60時間です。富山の自動化やDXによって、既存拠点の残業が何時間減ったか、必要人数がどう変わったか、休日が増えたかという結果もまだ公表されていません。
そのため2/5点です。自動化前後の作業時間、残業、必要人数、配置転換、賃金、年間休日を時系列で示し、残業減少や休日増加が確認できれば3~4/5点を検討できます。
研究開発・現場改善の継続|4/5
自社研修センターの運営、AT車導入、物流センター自動化、2026年のDX推進部新設、新規共配センター拡張など、改善を継続する体制があります。
一方、DX推進部は発足直後であり、全社の事故、残業、誤配送、離職率などがどの程度改善したかはこれから確認すべき段階です。
継続的な改善体制と複数の実装を評価して4/5点です。DXの成果を複数年のKPIで示し、全社へ横展開できれば5/5点を検討できます。
自動化・AI導入後の雇用状況
富山ドライ物流センターでは店舗別ピッキングから積み付けまでの自動化を進めていますが、2026年時点で自動化を理由とする大規模人員削減、希望退職、契約終了、採用停止を示す公開情報はありません。
会社全体の社員数は2026年3月末で8,222人で、新しい富山・茨木拠点の開設も続いています。ドライバー・倉庫職の求人も継続しています。
一方、富山センターで自動化前なら何人必要だったのか、実際に何人配置したのか、既存社員がどの職務へ移ったのか、再教育を何人に行ったのかは公表されていません。
現時点では自動化による大規模な雇用削減は公表されていませんが、人員の扱いと再訓練を時系列で公開できれば「効率化の利益を人へ返したか」をより正確に評価できます。
Protection|17/25
Protectionでは、地震、豪雨、道路寸断、停電、サイバー障害が起きても食品を届け続けられるかを評価します。アサヒロジスティクスは、複数地域の物流網と実災害での配送支援という強い実績があります。一方、サイバー対策はプライバシーポリシー上の一般的な管理が中心で、システム停止からの復旧訓練・時間を外部から確認しにくい状態です。
災害への備え・訓練|4/5
総合安全研修施設の滑川福田センターは、災害時に同社の緊急対策本部となり、地域住民の避難場所としても使う設計です。2023年に完成した滑川寮・研修所には太陽光発電、蓄電池、非常用コンセントがあり、停電時にも電力を確保できるようにしています。
例えば大地震で本社機能や地域の電力が止まった場合でも、非常用電源を持つ研修施設を対策拠点として使えれば、社員の安否確認、車両・拠点の被害把握、代替配送の指示を再開しやすくなります。
一方、全拠点を対象にしたBCP訓練の頻度、参加率、復旧目標時間などは十分に公表されていません。
そのため4/5点です。全社訓練の頻度と結果、拠点別の停止想定、実測復旧時間まで公開できれば5/5点を検討できます。
生産・物流・調達の代替|4/5
1,816台の車両と東北・関東・北信越・東海・関西へ広がる物流網を持ち、2026年には富山と茨木へ拠点を拡張しました。
一つのセンターが豪雨や停電で止まった場合でも、周辺センターや車両から応援を出せる余地があります。実際、過去の災害では埼玉から広島へ4トントラックを派遣しています。
一方、各物流センターが他拠点の物量を何%代替できるか、道路寸断時の代替ルート、燃料備蓄量は公表されていません。
そのため4/5点です。拠点別の代替可能量、切替時間、燃料確保計画を公開できれば5/5点を検討できます。
サイバー防衛・情報保護|1/5
プライバシーポリシーでは個人情報の管理、問い合わせ窓口などを定めています。
一方、多要素認証、EDR、SOC・CSIRT、ネットワーク分離、オフラインバックアップ、標的型メール訓練、第三者サイバー演習、ランサムウェア復旧試験、RTO・RPOについて、対象法人の具体的な公開情報はありません。
食品物流では、倉庫管理や受発注、配車システムが止まると、トラックと商品があっても店舗別の出荷指示を作れなくなる可能性があります。重要な防御・復旧情報が公開されていない点は課題であり、採点上も減点対象です。
そのため1/5点です。多層防御とバックアップを実装し、年次の訓練・復旧試験、重大インシデント件数、RTOを公開できれば3~5/5点を検討できます。
供給継続・復旧能力|3/5
東日本大震災では震災翌日から店舗配送を応援し、一週間後には仙台でコンビニ配送を支援しました。広島・岡山豪雨でも埼玉から車両を送り、飲料配送を継続しました。
これは計画書の存在ではなく、実際に通常エリア外へ人と車両を動かして食品供給を補完した実績です。
一方、システム障害、センター停止、停電について、何時間以内に出荷を再開するかという目標復旧時間と訓練実績は公表されていません。
そのため3/5点です。主要センター・WMS・配車系統のRTOを定め、訓練で実測した復旧時間を公開できれば4~5/5点を検討できます。
危機時の市民への対応|5/5
東日本大震災では、被災直後の店舗配送に加え、仙台でトラックを移動販売車として使う支援を行っています。会社・共済会・役員から合計500万円の義援金、社員募金、生活物資、車両の寄贈も行いました。
広島・岡山豪雨では、断水した地域へ埼玉から飲料を運び、広島で約2週間、その後岡山でも配送支援を行っています。
例えば断水で店舗の飲料棚が空になったとき、県外からトラックとドライバーを送り込めれば、水や飲料を待つ住民へ商品が届く時間を短くできます。
実際の災害で自社の物流機能を市民生活の支援へ使った具体的実績があるため5/5点です。
良いニュース・最近の前向きな動き
最近のアサヒロジスティクスでは、賃金改善と物流自動化が同時に進んでいます。Safetyではドライバーの収入を上げ、Innovationでは人が行う仕分け・積み付けを機械へ移しています。こうした企業の物流サービスが選ばれれば、「人手不足だから一人に無理をさせる」のではなく、賃金と技術へお金を回して食品物流を維持する方向を支えられます。
2026年4月 ドライバー職6.4%賃上げ、新卒初任給28万円(Safety)
会社は2026年4月から給与改定を実施し、新卒初任給を28万円へ引き上げ、ドライバー職を6.4%賃上げしました。既存従業員もベースアップと定期昇給を合わせ全体平均6.4%の賃上げとされています。
ドライバー職では2019年から2025年までの賃金上昇率が23%で、今回を含めると7年間で29%の上昇となる見込みです。
賃金が上がれば、長時間残業をしなければ生活できない賃金構造を弱め、採用人数を増やして一人当たりの配送負担を分散できる可能性が高まります。物流サービスを選ぶ企業が待遇改善を行う物流会社へ仕事を集めれば、運賃・物流費が人件費へ還元される競争を広げやすくなります。
2026年5月 富山ドライ物流センターで店舗別ピッキングから積み付けまで自動化(Innovation)
2026年5月、北陸初の拠点となる富山ドライ物流センターを開設し、量販物流向けの自動化システムを導入しました。北陸・東海の約90店舗を担当し、店舗向けピッキングから積み付けまでの自動化を進めています。
人が長時間歩いて商品を集め、店舗別に積み付ける工程を機械へ移せれば、歩行・持ち上げ・反復作業の負担を減らせます。
現時点では削減時間や労災減少量は公表されていません。今後、残業、必要人数、腰痛・事故などの導入前後比較が示されれば、人への還元をさらに高く評価できます。
2026年4月 企業内保育園の一つが認可事業所内保育所へ移行(Safety)
嵐山花見台保育園は2026年4月から認可の事業所内保育所へ移行しました。熊谷と合わせ、同社は2つの保育施設を運営しています。
物流は早朝やシフト勤務があり、子どもの預け先が見つからなければ勤務を続けにくくなります。職場と近い保育施設を低料金で使えることは、育児中の社員が退職せず働き続ける選択肢を増やします。
悪いニュース・問題となった動き
Safetyでは、賃上げや研修が充実していても、現場で基本的な墜落防止措置が抜ければ重大事故につながります。また、平均残業30時間と一部拠点60時間という負担が続けば、疲労が交通・荷役事故へつながる可能性があります。安全教育と待遇改善を、現場の設備・人員配置・実労働時間まで徹底できるかが現在の最大の課題です。
2025年4月 墜落防止措置を講じず作業させた事案で送検(Safety)
埼玉労働局は、アサヒロジスティクスについて、2メートル以上の作業床の端で墜落防止措置を講じることなく労働者に作業をさせた事案を、労働安全衛生法第21条と労働安全衛生規則第519条違反として2025年4月に送検したと公表しています。
高さ2メートル以上から転落すれば、骨折や頭部外傷、死亡につながる可能性があります。運転教育を充実させても、倉庫・設備作業の墜落防止が抜ければ働く人のSafetyは守れません。
送検後の具体的な設備改修、全拠点点検、同種違反の再発0などの結果については公開情報がありません。この問題が改善されないまま物流量だけが増えれば、危険な作業環境を残したまま事業規模が拡大することになります。
2024年度 月平均残業30時間、一部求人では60時間(Safety)
2024年度の会社平均所定外労働時間は月30時間です。2026年の白井営業所フルタイム求人では月平均60時間とされており、拠点差があります。
平均30時間でも年間では360時間、60時間なら年間720時間相当です。実際の月別残業は変動しますが、長時間の拘束と運転が重なると睡眠・家族時間を減らし、疾病や居眠り運転のリスクを高めます。
2025年度の運輸安全公表でも疾病による運行中断4件、居眠り運転による衝突1件が報告されています。
賃上げと並行して、仕事量の調整、人員増、共同配送、自動化を残業削減へつなげる必要があります。
2025年度 運輸安全上の報告対象事故8件(Safety)
2025年度は、自動車事故報告規則第2条に規定する事故を8件公表しています。疾病による運行中断4件、居眠り運転による衝突1件などが含まれます。
事故内容を自ら公開している点は評価できますが、重大事故0を目標に掲げる会社として、疾病と疲労が運転へ影響する事例を減らす必要があります。
事故件数だけでなく、走行距離当たり事故率、勤務時間、睡眠・健康管理との関係まで分析して公開できれば、安全対策が実際に効いているかを判断しやすくなります。
総合評価と、これから改善してほしいこと
現在64点・シビックランクCです。Bは70点からなので、次のランクまであと6点です。
アサヒロジスティクスは、6.4%の賃上げ、企業内保育、運転研修、物流自動化、災害時の実配送という強みがあります。一方、月平均残業30時間と拠点差、2025年の労働安全衛生法違反による送検がSafetyを大きく下げています。次のBランクへ進むには、待遇改善と自動化を「残業削減」と「事故・違反の減少」という現場成果へつなげることが最優先です。
全社残業を20時間以下へ下げ、拠点差を縮めてほしい(Safety)
現在の「労働時間・休息」は4/10点です。
会社平均は月30時間で、白井営業所の一部求人では60時間です。平均有給取得日数は10日です。
配送ルートの再設計、共配化、自動化、増員を進め、全社平均残業を20時間以下、配送・倉庫職でも25時間以下にし、平均有給取得日数を12日以上へ引き上げ、その状態を複数年継続できれば4→6点を検討できます。
加点は+2点で、総合64→66点。Cランクのままです。
改善すれば、ドライバーは睡眠と家族時間を確保しやすくなり、疲労による疾病・居眠り事故も減らしやすくなります。
参考企業は東京アート株式会社です。Google Drive上の現行審査では、2024年度の月平均残業6.9時間、有給取得率75.2%を公開し、「労働時間・休息」8/10点、総合57点・Dです。
墜落防止違反を全拠点で是正し、労災KPIを公開してほしい(Safety)
現在の「労働安全・健康」は2/10点です。
2025年に、2メートル以上の作業床の端で墜落防止措置を講じなかった事案について送検されています。安全研修施設や内部監査があっても、現場設備の基本的な安全措置が欠けたことは重い問題です。
全拠点で高所作業、フォークリフト、荷役設備を第三者も含めて点検し、同種違反0を継続してください。そのうえで死亡労災、休業災害、度数率、強度率を毎年公開し、死亡0、度数率を業界平均以下へ抑える状態を複数年確認できれば2→6点を検討できます。
加点は+4点で、総合64→68点。Cランクのままです。
改善すれば、教育で「気を付ける」ことに頼らず、柵や囲いなど物理的な設備で墜落を防ぎ、働く人が一度のミスで重傷を負う危険を減らせます。
参考企業はキリンビバレッジ株式会社です。Google Drive上の現行審査では、2024年の死亡0人、休業災害度数率0.58、安全方針適用100%を法人単位で公開し、「労働安全・健康」8/10点、総合74点・Bです。
自動化の成果を残業・身体負担の削減量で示してほしい(Innovation)
現在の「改善成果の人間への還元」は2/5点です。
富山ドライ物流センターで店舗別ピッキングから積み付けまで自動化していますが、導入前後で残業、歩行距離、持ち上げ重量、必要人数、労災が何%減ったかは公表されていません。
自動化前後の作業時間、必要人数、配置転換、残業、腰痛・労災、年間休日を公開し、残業削減や危険作業削減が確認できれば2→3点を検討できます。複数拠点で同じ成果が継続すれば4/5点も検討できます。
まず3点まで改善した場合は+1点で、総合64→65点です。
参考企業はキリングループロジスティクス株式会社です。Google Drive上の現行審査では、海老名物流センターで無人フォークリフト4台、AGV11台、ピッキングロボット1台を組み合わせ、重量ケースのピッキングと搬送を自動化し、生産性42%向上を確認しています。「作業負担・危険作業の削減」8/10点、「改善成果の人間への還元」3/5点、Innovation 20/25点です。
サイバー復旧力を具体的に公開してほしい(Protection)
現在の「サイバー防衛・情報保護」は1/5点です。
個人情報保護方針はありますが、多要素認証、EDR、SOC・CSIRT、オフラインバックアップ、標的型メール訓練、復旧演習、目標復旧時間の公開情報がありません。
全社員への年1回以上の標的型メール訓練、多要素認証、重要物流システムのバックアップ、第三者演習を実施し、復旧試験で目標時間以内にWMS・配車系統を戻せることを公開できれば1→3点を検討できます。
加点は+2点で、総合64→66点です。
参考企業は伊藤忠商事株式会社です。Google Drive上の現行審査では、年2回の標的型メール訓練、年1回以上の第三者サイバー攻撃演習、ITCCERTによる常時監視などを確認し、「サイバー防衛・情報保護」5/5点、総合83点・Aです。
次のランクへ上がるための具体例
| 改善項目 | 現在の問題 | 企業が実行すること | 達成条件 | 現在点→改善後 | 加点 | 参考企業 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 労働時間・休息 | 全社平均30時間、一部求人60時間 | 配送ルート・共配・人員配置を見直し、拠点別残業と有給を公開 | 全社20時間以下、配送・倉庫25時間以下、有給12日以上を複数年継続 | 4→6 | +2 | 東京アート:残業6.9時間、有給75.2%、8/10 |
| 労働安全・健康 | 墜落防止措置違反で送検、労災KPI不足 | 全拠点安全点検、設備是正、死亡・休業労災・度数率を毎年公開 | 同種違反0、死亡0、度数率を業界平均以下で継続 | 2→6 | +4 | キリンビバレッジ:死亡0、度数率0.58、8/10 |
64点+2点+4点=70点となり、シビックランクBへ上がります。
つまり、アサヒロジスティクスが次のランクへ上がるためには、賃上げと物流網拡大に加えて、全社平均残業を20時間以下へ下げ、2025年の送検を踏まえた安全設備の是正を全拠点へ徹底し、事故率を数字で改善することが必要です。待遇と安全の両方が現場で改善したことを示せれば、現在の強いInnovationとProtectionを総合評価へより反映できます。
出典一覧
1.アサヒロジスティクス株式会社「会社情報」
2.マイナビ2027「アサヒロジスティクス株式会社 働き方データ」
3.アサヒロジスティクス株式会社「物流業界で働く人材の待遇底上げへ 4月からの待遇改善で新卒初任給28万円、ドライバー職6.4%賃上げ」
4.ハローワーク「アサヒロジスティクス株式会社 白井営業所 求人票」
5.アサヒロジスティクス株式会社「アサヒキッズランド」
6.アサヒロジスティクス株式会社「女性ドライバー募集」
7.アサヒロジスティクス株式会社「滑川福田センター」
8.埼玉労働局「労働基準関係法令違反に係る公表事案」
9.アサヒロジスティクス株式会社「運輸安全マネジメント」
10.アサヒロジスティクス株式会社「富山ドライ物流センターを開設」
11.アサヒロジスティクス株式会社「新部署『DX推進部』でのスタート」
12.アサヒロジスティクス株式会社「物流インフラ企業・災害応援」
13.アサヒロジスティクス株式会社「プライバシーポリシー」
14.転職会議「アサヒロジスティクスの口コミ」
15.Indeed「アサヒロジスティクス株式会社の社員クチコミ」
16.アサヒロジスティクス株式会社「義援金・支援物資を被災地へ送りました」
17.アサヒロジスティクス株式会社「教育・研修/滑川寮・研修所」
18.アサヒロジスティクス株式会社「茨木共配センターを開設」
参考比較には、Google Drive上の現行企業審査記事「東京アート株式会社」「キリンビバレッジ株式会社」「キリングループロジスティクス株式会社」「伊藤忠商事株式会社」を使用しました。
シビックランクの基準
| シビックランク | 点数 |
|---|---|
| S | 90~100点 |
| A | 80~89点 |
| B | 70~79点 |
| C | 60~69点 |
| D | 50~59点 |
| E | 40~49点 |
| F | 20~39点 |
| G | 0~19点 |
アサヒロジスティクス株式会社は64点のため、今回のシビックランクはCです。
情報ランクの基準
| 情報ランク | 基準 |
|---|---|
| S | 公的機関、裁判所、規制当局、独立した第三者機関の調査・監査・検証・認証など、内容そのものに独立した裏づけがある情報 |
| A | 企業公式資料、採用情報、公式声明・SNS、記名取材など、発信主体を確認できる公表情報 |
| B | 従業員・元従業員の口コミ、一般SNS、匿名掲示板など、発信者の身元や対象企業との関係を独立に確認しにくい情報 |
Sは第三者による裏づけがある情報として最も強く扱います。AとBは情報の性質が異なり、働き方の実態確認ではBが有用な場合もあります。口コミは時期・職種・拠点・件数を確認し、公式・公的情報と照合して使用します。
