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黒松内銘水株式会社を企業審査|シビックランクC・65点/100点|年休157日・20kg運搬の機械化と震災時24時間生産を評価、週替わり夜勤と労災・復旧力の開示が課題

私たちは、企業の商品を購入したり、サービスを利用したりすることで、そこで働く人たちの未来を変えることができます。

働く人に十分な賃金を払い、休暇を確保し、安全な職場をつくり、人の負担を減らす企業の商品やサービスが選ばれれば、そうした企業により多くの売上が集まります。その結果、働く人を大切にする経営を続けやすくなります。

反対に、低賃金や長時間労働、安全上の問題を改善しない企業の商品やサービスが売れ続ければ、そうした働かせ方のままでも事業を続けることができます。

だからこの企業審査では、「私たちがお金を使うなら、どの企業を選ぶことが、そこで働く人にとってより良い社会につながるのか」という視点から企業を評価します。

なぜ企業を審査するのか?――このサイトの目的と、利用するメリット

今回審査する黒松内銘水株式会社は、総合65点、シビックランクCです。

黒松内銘水株式会社の特に強い点は、約20kgの検体を1日3回階段で運んでいた作業を階段昇降機へ置き換え、製造ラインでもリフトや自動化によって重量物作業を減らしていることです。そのため、この企業の商品を購入したりサービスを利用したりすれば、重い物を人が持って運ぶ危険な作業を減らしながら、生活に不可欠な飲料水を安定して供給できる社会につながる可能性が高まります。

一方で、改善点として週ごとに日勤と夜勤が入れ替わる長時間シフトの負担と、労災件数、BCP訓練、工場停止時の復旧時間などの結果指標が十分に公開されていないことが残ります。

この記事では、黒松内銘水株式会社の強みと課題をさらに詳しく企業審査していきます。

目次

黒松内銘水株式会社の企業審査結果

黒松内銘水株式会社は、北海道黒松内町でナチュラルミネラルウォーター「水彩の森」とOEM製品を製造する飲料メーカーです。週休3日・年間休日157日の製造職、重量物の機械化、キャップ不良を自動検出する設備、PFOS・PFOA検査、東日本大震災時の24時間生産など、働く人と利用者の負担を減らす具体策があります。

一方、製造職は1日10時間実働で週ごとに昼夜が交替し、賃金の下限は北海道最低賃金に近い水準です。労災KPI、代替生産拠点、サイバー対策、復旧時間の開示も不足しています。

評価軸点数
Safety31/50
Innovation19/25
Protection15/25
総合点65/100
シビックランクC

評価時点:2026年10月8日

主な強み

・製造職は週休3日、年間休日157日
・繁忙期でも残業は月10時間未満とする現行求人
・約20kgの検体を1日3回階段で運ぶ作業を階段昇降機へ置換
・重量物はフォークリフトを利用し、成形工程はほぼ自動化
・キャップ不良を最終梱包前に検出・排除する専用装置を導入
・2024年製造品のPFOS・PFOA検査で定量下限値未満
・2025年11月に中小企業庁の事業継続力強化計画認定
・東日本大震災時に工場を24時間稼働し、飲料水を被災地へ届けた実績
・社宅月2万5,000円、社員食堂1食300円、退職金、会社負担の入院保険などの福利厚生

主な課題

・製造職は8時20分~20時20分、20時20分~翌8時20分の二交代で、週ごとに昼夜が入れ替わる
・1日の実労働時間は10時間で、繁忙期には月2日程度の休日出勤が発生する場合がある
・2026年9月の求人では基本給下限19万9,000円で、月平均173時間として単純換算すると約1,150円/時となり、2026年10月の北海道最低賃金1,131円との差は約19円
・会社全体の平均給与、賃上げ率中央値、男女賃金差、夜勤者の実収入の開示がない
・死亡・重篤・休業・軽微を分けた労災件数、度数率、ヒヤリハット件数を公表していない
・育児休業、介護休業、看護休暇の取得実績は現行ハローワーク求人で「なし」
・本社工場以外の代替生産拠点、バックアップ電源、復旧目標時間、BCP訓練実績の公開情報がない
・サイバー対策はプライバシーポリシー上のパスワード保護と必要時のSSL利用を確認できるが、MFA、EDR、バックアップ復元試験などの開示がない

事業内容と人間への貢献

黒松内銘水株式会社は1996年9月創業で、北海道寿都郡黒松内町字豊幌に本社・工場を置きます。本社工場は1997年6月に操業し、ナチュラルミネラルウォーター「水彩の森」の2L・500ml製品のほか、OEM製品を製造しています。公式会社概要では、加藤産業、イオントップバリュ、シジシージャパン、国分、三井食品、三菱食品を主要取引先として公表しています。

基本情報

項目内容
会社名黒松内銘水株式会社
代表者代表取締役 小谷孝夫
創業1996年9月
資本金9,500万円
本社北海道寿都郡黒松内町字豊幌279番地
事業ナチュラルミネラルウォーターの製造販売
主力商品水彩の森 2L・500ml
従業員数40人、2026年のハローワーク求人
本社工場就業者37人、うち女性6人・パート3人
本社工場操業1997年6月

企業基本情報は公式会社概要とハローワーク求人を基準にしています。

主な事業内容

黒松内町の地下水を取水し、ペットボトルの成形、充填、検査、保管、出荷までを行います。採用サイトでは成形工程がほぼ自動化され、製造課はラインチェック、物流課はパレット商品の保管・出荷、品質管理課は菌検査などの水質・衛生管理を担うと説明しています。

主な利用企業・取引先

公式会社概要では、食品卸や小売企業として加藤産業株式会社、イオントップバリュ株式会社、株式会社シジシージャパン、国分株式会社、三井食品株式会社、三菱食品株式会社を主要取引先として掲載しています。自社ブランドだけでなくOEM商品も製造するため、黒松内銘水の工場改善は複数ブランドの飲料水供給にも影響します。

事業による人間への貢献

飲料水は、平時の水分補給だけでなく、断水や災害時にも必要になる生活必需品です。黒松内銘水は採水から容器成形、充填、品質管理、出荷までを自社工場で行っています。ペットボトルも自社成形することで、外部から完成容器を仕入れる工程を減らし、製造を一体管理しています。

人間への貢献で特に具体的なのは、製造作業そのものの負担削減です。原水の品質管理では、以前は約20kgの検体を抱えて16段の階段を1日3回上り、2階の検査室まで運んでいました。現在は階段昇降機を導入し、重い検体を抱えたまま階段を上り下りする作業を機械へ移しています。足腰への負担だけでなく、転倒・転落時に20kgの荷物と一緒に落下する危険も減らせる改善です。

Safety|31/50

Safetyでは、製造現場で働く人の賃金、休息、雇用、福利厚生、労働安全と、飲料水を利用する人の商品安全を確認しました。年間休日157日、残業月10時間未満、社宅・社食などは強みです。一方、週単位で昼夜が入れ替わる二交代勤務、賃金下限の低さ、労災KPIと人権・ハラスメント対応の開示不足が満点を妨げています。

賃金・利益の還元|6/10

2026年9月受付の求人では、製造オペレーターの基本給は月19万9,000円~34万円です。住宅手当は月1万円ですが、社宅利用者は対象外です。前年度の昇給実績は0.50~5.00%、賞与は年2回・計2.00か月分とされています。固定残業代はありません。

昇給と賞与が実績として示されていること、住宅費を抑える社宅があることは加点できます。一方、月平均労働日数17.3日、実働10時間で単純計算すると、基本給下限19万9,000円は約1,150円/時です。北海道最低賃金は2026年10月1日から1,131円なので、その差は約19円、約1.7%です。これは求人情報を基にした単純換算であり、最低賃金法上の正式な判定ではありません。

会社全体の賃金中央値、既存社員のベースアップ率、男女賃金差、夜勤者の年間総収入、利益増加分が人件費へどれだけ還元されたかについては公開情報がありません。こうした重要情報が公開されていない点は課題であり、採点上も減点対象です。

そのため6/10点です。既存社員の基本給中央値と年間ベースアップ率を毎年公開し、低い給与帯も最低賃金を十分に上回る水準へ引き上げ、その状態を複数年維持できれば8/10点を検討できます。

労働時間・休息|6/10

製造職は8時20分~20時20分と20時20分~翌8時20分の二交代制で、休憩2時間、実働10時間です。1週間ごとに日勤と夜勤が入れ替わり、週40時間・週休3日、年間休日157日です。繁忙期の4~9月には残業が発生しても月10時間未満とされ、月2日程度の休日出勤が発生する場合があります。会社は休日出勤時に振替休日または休日出勤手当を付けると説明しています。

年間休日157日と低い残業水準は大きな強みです。1週間連続で有給を取る社員がいるという採用情報もあります。一方、1回の勤務が12時間拘束・10時間実働で、日勤と夜勤が週ごとに反転するため、休日日数が多くても睡眠・生活リズムの負担は残ります。

そのため6/10点です。日勤・夜勤の固定コースを選択できる仕組み、連続夜勤後の休息時間、夜勤者の健康診断・睡眠指標、実際の有給取得率まで公開し、夜勤者の健康負担が低いことを確認できれば8/10点を検討できます。

雇用の安定・待遇の公平性|3/5

2025年9月時点の採用サイトでは社員33人、平均年齢43歳、平均勤続年数11年とされていました。2026年のハローワーク求人では企業全体40人となり、募集理由も「増員」です。集計時点や範囲が完全に同じとは限らないため単純に7人増加したとは断定しませんが、自動化を進めながら現在も採用を続けていることは確認できます。

一方、正社員とパートの賃金差、男女賃金差、女性管理職比率、採用・昇進の公平性、離職率の継続的な公的開示はありません。会社採用ページでは過去3年の離職者3人と説明していますが、会社発信の情報です。

そのため3/5点です。雇用形態・男女別の賃金、離職率、昇進率を毎年公開し、待遇差が小さく雇用増加が継続していることを確認できれば4/5点を検討できます。

福利厚生・育児・介護|4/5

社宅は月2万5,000円から利用でき、社員食堂は1食300円です。社会保険、勤続5年以上の退職金、65歳定年、70歳までの再雇用、会社負担の入院保険、シャワールームなども確認できます。

これらは黒松内町外から通勤・移住して働く人の住居費や食費を抑え、長期雇用を支える制度です。一方、ハローワーク求人では育児休業、介護休業、看護休暇の取得実績はいずれも「なし」、利用可能な託児施設も「なし」となっています。制度の利用者がいなかった可能性もありますが、育児・介護と仕事を両立した実績は確認できません。

そのため4/5点です。男女別の育児休業取得・復職、介護休業・看護休暇の利用実績を公開し、実際に利用しながら働き続けた実績が確認できれば5/5点を検討できます。

人権・ハラスメント・労使関係|2/5

ハローワーク求人ではフルタイム・パートタイム双方の就業規則があることを確認できます。

一方、黒松内銘水株式会社単体のハラスメント防止方針、匿名相談窓口、内部通報制度、人権デューデリジェンス、相談件数と是正実績、労使協議の結果について公開情報がありません。労働組合も「なし」とされています。情報が公開されていない点は課題であり、採点上も減点対象です。

そのため2/5点です。外部を含む相談窓口を設け、ハラスメント・人権方針と相談・是正件数を匿名化して毎年公開できれば3/5点以上を検討できます。

労働安全・健康|6/10

黒松内銘水は、重い商品やパレットを扱う際にフォークリフトを利用し、成形工程をほぼ自動化しています。さらに、品質管理で約20kgの検体を1日3回、16段の階段で2階へ運んでいた作業には階段昇降機を導入しました。人が20kgを抱えて階段を往復する工程を機械へ移すため、腰・膝への反復負荷と転倒・転落リスクを直接減らす改善です。

屋内禁煙、会社負担の入院保険も確認できます。一方、製造職には週替わりの夜勤があります。また、死亡労災、重篤災害、休業災害、軽微災害、労災度数率、ヒヤリハット、夜勤者の健康診断結果などの年次公開情報がありません。

重大事故や行政処分を追加検索した範囲では、近年の対象法人に結びつく重大事案を裏づける公開情報は特定できませんでした。ただし、これは事故が一件もないことを示すものではありません。

そのため6/10点です。労災を重大度別に毎年公開し、度数率・ヒヤリハット・夜勤健康指標を示したうえで、重大労災ゼロと低下傾向を複数年確認できれば8/10点を検討できます。

商品・サービスの安全|4/5

会社は2024年7月2日製造品についてPFOS・PFOA検査を行い、「定量下限値未満」と公表しています。2026年4月から水道水のPFOS・PFOA基準は合算50ng/L以下となりました。これは水道水の公的基準であり、ボトル入りミネラルウォーターへそのまま適用する法定基準ではありませんが、飲用水中のPFASを考える比較材料になります。会社公表では検査の定量下限値そのものが示されていないため、50ng/Lと数値で直接比較することはできません。

また、製造工程ではキャップが閉まり切っていない不良品を最終梱包前に検出し、ラインから除外する専用装置を開発・導入しています。品質管理課では菌検査などの水質・衛生管理を担います。

そのため4/5点です。PFOS・PFOAを含む主要検査を定期的に実施し、検出下限、検査機関、検査日、全項目の結果を毎年公開し、さらに食品安全の第三者認証や重大品質事故ゼロを継続確認できれば5/5点を検討できます。

従業員・元従業員の口コミ

Indeedの企業ページでは給与情報17件が掲載されていますが、今回アクセスできた公開ページでは、黒松内銘水株式会社の従業員・元従業員が書いたレビュー本文を評価根拠として確認できませんでした。

転職会議、OpenWork、エンゲージ会社の評判なども個別に検索しましたが、本文まで確認でき、対象法人との関係を判断できる有用な従業員投稿は今回の公開検索では得られませんでした。

SNS・匿名掲示板の確認結果

X、5ちゃんねる、爆サイを対象に、社名と「夜勤」「残業」「退職」「事故」「パワハラ」などを組み合わせて検索しました。2026年10月8日時点で、投稿本文を確認でき、対象法人の従業員または元従業員と判断できる有用な投稿は見つかりませんでした。

投稿が見つからないこと自体は職場に問題がない証拠ではありません。Safetyでは、ハローワーク求人で確認できる勤務時間、賃金、休暇、労災情報の開示状況を優先して評価しています。

Innovation|19/25

Innovationでは、人が担っていた重量物運搬・単純確認作業を設備へ移しているか、その改善が人の時間・安全・雇用へ返っているかを評価しました。黒松内銘水は20kg検体の階段運搬、重量物搬送、ペットボトル成形、キャップ不良検査などで具体的な機械化が確認でき、企業規模に対して現場改善の密度は高いです。一方、削減時間や負傷件数、残業削減効果といった成果の定量化が不足しています。

作業負担・危険の削減|8/10

最も具体的なのは、約20kgの原水検体を2階まで1日3回運んでいた作業です。以前は従業員が検体を抱えて16段の階段を往復していましたが、改修時に階段昇降機を設置しました。20kgの重量物を抱えた階段移動そのものを設備へ移したため、作業負担と転落リスクが明確に減っています。

製造・出荷では重量物をフォークリフトで扱い、ペットボトル成形工程はほぼ自動化されています。会社採用情報では工場全体を段階的にフルオートメーションへ近づけていると説明しています。

そのため8/10点です。自動化前後の手運搬重量、作業時間、腰痛・転倒などの発生件数を定量化し、残る重量物・反復作業も削減できれば10/10点を検討できます。

商品・サービスの改善|4/5

キャップが完全に閉まっていないボトルを検出し、最終梱包前に自動で除外する専用検査装置を導入しています。開発会社は実験を繰り返して実運用できる装置を構築し、導入後も判定精度を調整できるよう支援したと説明しています。

ペットボトルを自社成形し、取水から充填、品質管理まで一体運用していることも、製品異常が起きた際に工程を追いやすくする利点があります。

そのため4/5点です。不良率やクレーム率が装置導入前後でどれだけ減ったかを公開し、第三者検証でも改善を確認できれば5/5点を検討できます。

改善成果の人間への還元|3/5

自動化と機械化によって重量物作業を減らし、製造職は週40時間・年間休日157日、繁忙期でも残業月10時間未満とされています。現場の機械化と比較的多い休日が同時に存在する点は、人間への還元として一定の加点ができます。

ただし、年間休日157日や低残業が自動化によって実現したのか、導入前後で残業や必要人数が何時間・何人減ったのか、その成果を賃上げへ何%回したのかという因果は公表されていません。

そのため3/5点です。設備ごとに年間削減作業時間を算出し、その結果を残業削減、休日増、基本給上昇のいずれかへ還元したことを数字で示せれば4/5点以上を検討できます。

研究開発・現場改善の継続|4/5

黒松内銘水では、階段昇降機、キャップ検査装置、フォークリフト利用、成形工程の自動化に加え、PET成形ラインの廃熱をヒートポンプで再利用し、2024年にCO2排出を年間275トン削減したと採用サイトで公表しています。

単発の設備導入ではなく、品質、安全、エネルギー、作業負担の複数領域で改善を続けている点を評価します。一方、設備投資額、年間削減時間、不良削減率などを共通KPIとして追う仕組みは公開されていません。

そのため4/5点です。改善案件ごとに人の作業時間、安全、品質、エネルギーの前後値を継続公開できれば5/5点を検討できます。

自動化・AI導入後の雇用状況

2025年9月時点の採用サイトでは社員数33人でした。2026年のハローワーク求人では企業全体40人となり、製造職の募集理由は「増員」です。対象時点や集計範囲が完全に同一とは限らないため単純な7人増と断定はしませんが、成形工程の自動化を進めた後も採用を継続し、公開求人上は大規模な人員削減へ向かっている状況は確認されません。

自動化後の希望退職、早期退職、契約終了、採用停止、人員整理も追加検索しましたが、対象法人に結び付く具体的な公開情報は特定できませんでした。

一方、配置転換者数、自動化による必要人数の変化、再訓練人数などは公表されていません。雇用を維持しながら人を危険・重労働から外したことをより強く評価するには、導入前後の人員配置まで公開する必要があります。

Protection|15/25

Protectionでは、地震・豪雨・停電・物流途絶・サイバー攻撃などが起きた場合でも、市民へ飲料水を届け続けられるかを評価しました。2025年の事業継続力強化計画認定と、東日本大震災時に工場を24時間稼働して飲料水を届けた実績は強みです。一方、本社工場への生産集中、代替拠点・復旧時間・訓練実績の開示不足が残ります。

災害への備え・訓練|3/5

Gビズインフォでは、黒松内銘水株式会社が2025年11月21日に中小企業庁の「事業継続力強化計画認定」を受けたことを確認できます。

認定によって、災害等を想定した事業継続の計画を策定し、国の認定を受けたことまでは確認できます。例えば地震や豪雨で工場設備や物流が止まった場合に、事前に復旧優先順位や必要資源を決めておくことは、飲料水供給を早く戻すために役立ちます。

一方、年何回訓練しているか、停電・断水・道路寸断を想定した実地訓練、非常用電源の稼働時間、従業員の安否確認訓練などは公開されていません。

そのため3/5点です。年1回以上の実地BCP訓練を行い、参加率、訓練結果、改善内容を公開できれば4/5点、複数年の実災害・訓練で有効性が確認できれば5/5点を検討できます。

生産・物流・調達の代替|2/5

黒松内銘水はペットボトルを自社成形し、取水・充填・品質管理・出荷を一体化しています。外部から完成ボトルを常時調達する必要を減らせる点は、平時の安定供給に役立ちます。

一方、公開されている製造拠点は黒松内町の本社工場です。工場が長期間停止した場合に使える別の採水地、代替製造工場、他社への緊急OEM切替、原材料の複数調達先、物流の代替ルートについて具体的な公開情報がありません。

そのため2/5点です。代替生産委託先や複数の物流ルートを事前契約し、年次訓練で切替可能性を確認できれば3~4/5点を検討できます。

サイバー防衛・情報保護|2/5

プライバシーポリシーでは、ユーザー情報をパスワードで保護し、必要な場合にデータ転送へ業界標準のSSL暗号を使うとしています。

Web上の個人情報保護として基礎的な対策は確認できます。一方、MFA、EDR、脆弱性診断、標的型メール訓練、オフラインバックアップ、復元試験、セキュリティ事故件数、第三者認証などの公開情報がありません。

そのため2/5点です。全社MFA・EDR、定期的な脆弱性診断、バックアップ復元訓練を実施し、結果を公開できれば3~4/5点を検討できます。

供給継続・復旧能力|4/5

黒松内町の公表情報では、東日本大震災時に黒松内銘水が工場を24時間フル稼働させ、支援物資として天然水を被災地などへ届けたと説明されています。

飲料水メーカーのProtectionで重要なのは、計画を持っているだけでなく、危機時に実際に生産し、必要な場所へ水を出せたかです。地震で断水し、家庭や避難所の飲み水が不足した場合、工場を止めずに増産して配送できれば、市民が飲料水を確保するまでの時間を短くできます。

一方、現在の設備能力、非常用電源、在庫日数、目標復旧時間、近年の災害時対応実績は公開されていません。

そのため4/5点です。主要設備停止から何時間で再開するかという目標復旧時間を設定し、訓練と実績で達成を確認できれば5/5点を検討できます。

危機時の市民への対応|4/5

東日本大震災時に被災地へ飲料水を届けた実績は、飲料水メーカーとして直接的な市民支援です。水道停止時には飲料水そのものが不足するため、企業の製品をそのまま救援物資として供給できます。

また、2025年には事業継続力強化計画の認定も受けています。過去の実災害対応と現在の継続計画の両方を確認できる点を評価します。

一方、自治体との現在の災害時供給協定、1日に供給できる本数、何人へ何日分を届けられるか、優先供給先などは公開情報がありません。

そのため4/5点です。自治体・避難所との正式な協定と供給可能数量を公開し、実地訓練や実災害で機能したことを確認できれば5/5点を検討できます。

良いニュース・最近の前向きな動き

最近の前向きな動きでは、2025年の事業継続力強化計画認定、製造現場の自動化、現在も続く増員採用を評価します。これらはProtectionで飲料水供給を止めにくくし、Innovationで人の重労働を機械へ移し、Safetyで雇用を維持しながら働く負担を減らす方向です。黒松内銘水の商品を購入することで、こうした安全設備や継続供給への投資を行う企業の売上を支える関係があります。

2025年11月 事業継続力強化計画の認定

中小企業庁による事業継続力強化計画認定を受けています。飲料水は災害時にも必要になる商品であるため、一般企業以上に事業継続計画の意味があります。

例えば地震で停電や道路寸断が発生した場合、設備、電源、物流、人員の復旧順序を事前に決めていれば、水の生産・出荷を再開する判断を早められます。

今後は計画の存在に加え、訓練頻度、非常用電源、復旧時間、供給量まで公開できれば、Protectionをさらに高く評価できます。

重量物作業を機械へ移す改善が継続

20kg検体の階段運搬には昇降機、出荷場の重量物にはフォークリフト、ペットボトル成形には自動化設備を使っています。

人が重い物を持ち続ける仕事を減らせば、腰痛や転倒の危険を減らし、年齢が上がっても働き続けやすくなります。会社の採用情報では平均勤続年数11年とされています。

自動化後も増員求人を継続

成形工程はほぼ自動化されていますが、2026年のハローワーク求人では従業員40人、募集理由は増員です。

自動化を人員削減だけに使わず、需要増への対応や重労働削減と並行して採用を続けていることは前向きです。ただし、自動化前後の人員配置や残業削減時間まで公開されれば、雇用への効果をより明確に評価できます。

悪いニュース・問題となった動き

今回の調査では、近年の黒松内銘水株式会社に結び付く重大な死亡事故、大規模リコール、行政処分、情報漏えいなどを裏づける公的・報道資料は特定できませんでした。一方、問題がないことを示すには、事故が報道されていないことより、会社自身が労災・品質・復旧の結果を継続公開することが重要です。現在は週替わり夜勤、賃金下限、労災KPIとBCP実績の情報不足が主な課題です。

週ごとに昼夜が反転する二交代勤務

製造職は日勤8時20分~20時20分、夜勤20時20分~翌8時20分で、1週間ごとに交替します。実働は1日10時間です。

年間休日157日は非常に多い一方、昼夜が毎週入れ替わる働き方は睡眠時間を一定に保ちにくい構造です。会社は夜勤者の睡眠、健康診断、離職、勤務固定希望などの結果を公開していません。

固定日勤・固定夜勤を選べる制度や、夜勤者の健康指標を公開できれば、休日数の多さをより高く評価できます。

基本給下限が最低賃金に近い

2026年9月求人の基本給下限19万9,000円を月平均173時間で単純換算すると約1,150円/時です。北海道最低賃金は2026年10月から1,131円です。

住宅手当、深夜割増、賞与などは別にありますが、基本給の下限自体は最低賃金から大きく離れていません。自動化や生産性向上を進めている企業としては、設備投資の成果を低い給与帯の基本給上昇へ返したことを数字で示してほしいところです。

労災・復旧KPIの非公表

20kg運搬の機械化など具体的な安全改善は確認できますが、その結果、腰痛、転倒、休業災害が何件から何件へ減ったのかは公開されていません。

BCPも認定を受けていますが、訓練頻度、バックアップ電源、目標復旧時間、代替生産拠点は公開されていません。重要情報が公開されていない点は課題であり、SafetyとProtectionの採点上も減点対象です。

総合評価と、これから改善してほしいこと

黒松内銘水株式会社は現在65点・シビックランクCです。次のBランクは70点からなので、あと5点必要です。

この会社の強みは、抽象的な「DX」ではなく、20kgの検体運搬、重量物搬送、成形、キャップ検査という具体的な現場作業を機械へ移していることです。年間休日157日と低残業も評価できます。一方、Bランクへ上がるには、設備投資の成果を賃金・安全実績へ数字で返し、災害時にどの程度で工場を復旧できるかまで示す必要があります。

低い給与帯の基本給を引き上げてほしい|賃金・利益の還元 6→8/10

現在は6/10点です。昇給0.50~5.00%、賞与2か月分、社宅・住宅手当は評価できますが、2026年9月求人の基本給下限19万9,000円は月平均労働時間で単純換算すると約1,150円/時で、北海道最低賃金1,131円との差が小さい状態です。

まず製造職の基本給下限を、現在の最低賃金に対して少なくとも10%程度の余裕を持つ時給換算1,250円以上へ引き上げ、既存社員の年間ベースアップ率、賃金中央値、夜勤者の年間総収入を毎年公開してほしいです。

この状態を複数年確認できれば、賃金・利益の還元を6→8/10点、+2点とし、総合65→67点を想定します。ランクはCのままです。

参考企業の株式会社JR東海リテイリング・プラスは、当サイトの現行審査で56点・Dですが、2026年に8,000円のベースアップを実施しています。高い総合ランクだから参考にするのではなく、既存社員の賃金を実際に引き上げたことを数字で示している点が参考になります。

労災KPIと自動化の効果を公開してほしい|労働安全・健康 6→8/10

現在は6/10点です。20kg検体の階段運搬を昇降機へ移し、重量物をリフトで扱うなど安全改善は具体的です。一方、改善前後で腰痛・転倒・休業災害・ヒヤリハットが何件減ったのかは公表されていません。

死亡、重篤、休業、軽微労災を区分し、労災度数率、ヒヤリハット、夜勤者の健康診断結果を毎年公開してほしいです。さらに、残る重量物・反復作業を洗い出し、自動化前後の取扱重量と作業時間を示せば、設備投資が人をどれだけ守ったかを判断できます。

重大労災ゼロと低い事故率を複数年確認できれば6→8/10点、+2点とし、総合65→67点を想定します。

参考企業として、当サイトで審査済みのキリングループロジスティクス株式会社はAGF・AGV・パレタイザーなどを使い、人が担う搬送・荷役を設備へ移しています。黒松内銘水も既に同じ方向へ進んでいるため、次は「何kg・何時間・何件の危険を減らしたか」まで測る段階です。

BCPを訓練と復旧時間で証明してほしい|災害への備え・訓練 3→4/5

現在は3/5点です。2025年に事業継続力強化計画認定を受け、東日本大震災時には24時間生産で支援水を届けた実績があります。

今後は、停電、設備故障、道路寸断、従業員不足を想定した実地訓練を年1回以上行い、非常用電源の継続時間、原材料在庫、目標復旧時間、1日当たりの緊急供給可能本数を公開してほしいです。

これを実施できれば災害への備え・訓練を3→4/5点、+1点とし、前2項目の改善と合わせて総合70点・シビックランクBに到達できます。

参考企業の株式会社トランス・グリップは、当サイトの現行審査で56点・Dですが、年2回の安否確認訓練と3日分の備蓄を具体的に示しています。黒松内銘水も「計画認定」から一歩進み、訓練頻度と備蓄・復旧能力を数字で公開することが参考になります。

次のBランクへ上がるための具体例

現在65点・Cで、Bは70点からです。あと5点必要です。

まず、製造職の低い給与帯を時給換算1,250円以上へ引き上げ、既存社員のベースアップ率と賃金中央値を公開し、「賃金・利益の還元」を6/10点から8/10点へ上げます。+2点です。

次に、労災を重大度別に公開し、度数率・ヒヤリハット・夜勤者の健康指標を継続測定して重大労災ゼロと改善傾向を示し、「労働安全・健康」を6/10点から8/10点へ上げます。+2点です。

最後に、年1回以上のBCP実地訓練を行い、非常用電源、備蓄、目標復旧時間、緊急供給可能量を公開し、「災害への備え・訓練」を3/5点から4/5点へ上げます。+1点です。

65点+2点+2点+1点=70点となり、シビックランクBに到達します。

つまり黒松内銘水株式会社が次のランクへ上がるためには、すでに進めている機械化をさらに増やすだけでなく、「機械化で危険が何件減ったか」「生産性向上を賃金へいくら返したか」「災害時に何時間で何本供給できるか」を数字で示すことが重要です。

出典一覧

No.出典情報ランク
1黒松内銘水株式会社「会社概要」A
2黒松内銘水株式会社「採用情報」A
3ハローワークインターネットサービス「飲料製造オペレーター」2026年求人S
4黒松内銘水株式会社 採用サイト・求人情報A
5Gビズインフォ「黒松内銘水株式会社」事業継続力強化計画認定S
6北日本メディカル「黒松内銘水株式会社 階段昇降機導入事例」A
7北海道電子機器株式会社「ペットボトル蓋検査装置」A
8黒松内銘水株式会社「PFOS・PFOAの検査結果」A
9環境省「水道水質基準」「PFASに関するよくある質問」S
10黒松内銘水株式会社「プライバシーポリシー」A
11北海道黒松内町のふるさと納税掲載情報「水彩の森」S
12北海道「北海道最低賃金」2026年10月1日改定S
13Indeed「黒松内銘水株式会社のキャリア・企業情報」B
14当サイト既存企業審査「株式会社JR東海リテイリング・プラス」「キリングループロジスティクス株式会社」「株式会社トランス・グリップ」比較用内部資料

主要な公開情報は、企業公式、ハローワーク、中小企業庁関係情報、環境省、北海道、黒松内町、設備導入事例などを相互に確認して採点しています。

シビックランクの基準

シビックランク点数
S90~100点
A80~89点
B70~79点
C60~69点
D50~59点
E40~49点
F20~39点
G0~19点

黒松内銘水株式会社は65点のため、今回の評価はシビックランクCです。

情報ランクの基準

情報ランク基準
S公的機関、裁判所、規制当局、独立した第三者機関の調査・監査・検証・認証など、内容そのものに独立した裏づけがある情報
A企業公式資料、採用情報、公式声明・SNS、または氏名・役職・立場が確認できる記名取材や公表発言など、発信主体を確認できる公表情報
B従業員・元従業員の口コミ、一般SNS、匿名掲示板など、発信者の身元や対象企業との関係を独立に確認しにくい情報

情報ランクは企業そのものの評価ではなく、個々の情報の出どころと検証状態を示します。AとBは単純な上下関係ではなく、残業、休憩、ハラスメント、配置転換などの実態では、Bの口コミや投稿が公式資料で見えない情報を補う場合があります。

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