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丸紅プラックス株式会社を企業審査|シビックランクD・53点/100点|月残業14時間・ISCC PLUSと循環素材を評価、労災・人権・BCPの単体実績開示が課題

私たちは、企業の商品を購入したり、サービスを利用したりすることで、そこで働く人たちの未来を変えることができます。

働く人に十分な賃金を払い、休暇を確保し、安全な職場をつくり、人の負担を減らす企業の商品やサービスが選ばれれば、そうした企業により多くの売上が集まります。その結果、働く人を大切にする経営を続けやすくなります。

反対に、低賃金や長時間労働、安全上の問題を改善しない企業の商品やサービスが売れ続ければ、そうした働かせ方のままでも事業を続けることができます。

だからこの企業審査では、「私たちがお金を使うなら、どの企業を選ぶことが、そこで働く人にとってより良い社会につながるのか」という視点から企業を評価します。

なぜ企業を審査するのか?――このサイトの目的と、利用するメリット

今回審査する丸紅プラックス株式会社は、総合53点、シビックランクDです。

丸紅プラックス株式会社の特に強い点は、2024年度の月平均所定外労働時間14.0時間、平均有給休暇取得15.0日という働き方の実績に加え、ISCC PLUS認証や再生・バイオマス素材、ホタテ貝殻残渣を活用した循環型素材開発を継続してきたことです。そのため、この企業の商品を購入したりサービスを利用したりすれば、比較的長時間労働を抑えた職場を維持しながら、包装・建材・電子材料などに使うプラスチックをより循環型の素材へ切り替えていく社会につながる可能性が高まります。

一方で、改善点として労災件数、人権・ハラスメントの相談・是正実績、DXで削減した作業時間、丸紅プラックス単体のBCP訓練・復旧時間などの結果情報が十分に公開されていないことが残ります。

この記事では、丸紅プラックス株式会社の強みと課題をさらに詳しく企業審査していきます。

なお、丸紅プラックス株式会社は2026年4月1日、丸紅ケミックス株式会社との吸収合併により解散し、事業は丸紅イノベクシス株式会社へ統合されました。今回の53点は、合併前の丸紅プラックス株式会社について確認できる最終期までの実績を対象にした評価です。現在の商品・サービス利用や今後の改善主体は、承継先の丸紅イノベクシス株式会社になります。

目次

丸紅プラックス株式会社の企業審査結果

丸紅プラックス株式会社は、丸紅株式会社100%出資の化学品専門商社として、合成樹脂、包装・産業資材、電子材料、機能素材などを国内外へ供給してきました。2025年4月1日時点の公式従業員数は174人、2024年度の収益は216億円です。

働き方では月平均所定外労働時間14.0時間、平均有給休暇取得15.0日、平均勤続12.0年を確認でき、専門商社として比較的良好です。一方、労災KPI、男女賃金差、ハラスメント相談実績、DXによる作業削減時間、単体BCPの復旧指標は公開情報が不足しています。

評価軸点数
Safety31/50
Innovation10/25
Protection12/25
総合点53/100
シビックランクD

評価時点:2026年10月8日

主な強み

・2024年度の月平均所定外労働時間14.0時間
・2024年度の平均有給休暇取得15.0日
・2024年度の平均勤続年数12.0年
・年間休日120日以上、完全週休2日制
・2025年実績として賞与6.98か月分を確認できる求人
・女性の育児休業は2024年度に対象3人、取得3人
・ISCC PLUS認証を丸紅グループ国内事業会社で初めて取得
・ISO14001を1999年から取得
・再生材・バイオマス材料などの環境配慮型素材を扱う
・2026年3月、むつ市とホタテ貝殻残渣を使ったごみ袋開発を開始
・東京、大阪、名古屋、福岡、静岡に国内拠点を持ち、輸出入・三国間取引を展開
・丸紅グループ共通のITセキュリティ・BCM支援の対象となる基盤を持つ

主な課題

・既存社員のベースアップ率、賃金中央値、男女賃金差を単体で公開していない
・死亡、重篤、休業、軽微を区分した労災件数・度数率を公開していない
・ハラスメント相談件数、内部通報件数、是正結果を丸紅プラックス単体で公開していない
・過去の従業員口コミには女性差別や不適切な性的発言を訴える投稿がある
・IT・DXによって社員の作業時間を何時間減らしたかを公開していない
・効率化の成果が賃金、休日、配置転換へどう返ったかを公開していない
・丸紅プラックス単体のBCP訓練頻度、非常時の代替調達、目標復旧時間を公開していない
・丸紅グループ共通のサイバー基盤は確認できるが、対象法人単体のMFA、EDR、復元試験などの実績は公開されていない
・2026年4月1日の吸収合併により旧法人は解散しており、今後の改善は承継先で追う必要がある

事業内容と人間への貢献

丸紅プラックス株式会社は1975年12月に設立され、丸紅株式会社から合成樹脂事業の移管を受けながら事業を拡大してきた専門商社です。2025年4月には従業員174人、資本金10億円、2024年度収益216億円で、東京本社のほか大阪、名古屋、福岡、静岡に拠点を置いていました。

基本情報

項目内容
会社名丸紅プラックス株式会社
設立1975年12月
最終代表者代表取締役社長 衣畑雅寿
資本金10億円
収益216億円、2024年度
従業員数174人、2025年4月1日時点
株主丸紅株式会社100%
主な拠点東京、大阪、名古屋、福岡、静岡
事業合成樹脂原料・製品、産業資材、電子材料、機能素材等の国内販売・輸出入・三国間取引
法人の状態2026年4月1日、合併により解散
承継先丸紅イノベクシス株式会社

基本情報は旧会社公式情報とGビズインフォを基準にしています。

主な事業内容

汎用樹脂分野ではPP、HDPE、LDPE、LLDPE、PS、PET、塩ビ樹脂などを扱い、包装材料、工業材料、日用品、建材、電線などへ供給していました。顧客の用途に合う原料を選び、供給体制まで提案することが商社としての役割です。

エレクトロニクス分野ではPET、PC、PMMAなどのフィルムや偏光板材料、光学フィルムなどを扱い、中国・韓国・台湾を中心とする生産拠点と世界の需要家をつないでいました。

機能素材・産業資材では食品・医療・工業包装、再生PET、バイオマス材料などを扱い、環境負荷の小さい材料へ切り替える提案も行ってきました。2026年の統合後も、プラスチック製品や原材料を含む化学品事業は丸紅イノベクシスへ集約されています。

主な利用企業・取引先

個別の顧客企業一覧は十分に公開されていませんが、公式事業紹介では包装、電線、建材、医療機材、フラットディスプレイ、タッチパネル、有機EL、電子デバイスなど幅広い産業用途を示しています。

事業による人間への貢献

メーカーが製品を作るには、用途に合う樹脂やフィルムを探し、必要量を確保し、海外を含む供給先から安定して調達する必要があります。丸紅プラックスは素材選定と物流・商流を組み合わせることで、製造企業が一社ずつ世界中の原料供給先を探す負担を減らしてきました。

例えば食品包装では、内容物を衛生的に運び、廃棄や破損を減らすために適切な樹脂・フィルムが必要です。電子機器では、ディスプレイやタッチパネルに性能の異なる複数のフィルムが必要です。丸紅プラックスが材料と供給先をつなぐことで、製造企業は必要な素材を確保しやすくなります。

さらに、再生原料やバイオマス材料、ホタテ貝殻残渣のような未利用資源を樹脂へ混ぜる事業を進めれば、新しい化石由来プラスチックの使用量や廃棄物を減らす方向へ需要を動かすことができます。

Safety|31/50

Safetyでは、旧丸紅プラックスで働いていた人の賃金、労働時間、雇用、育児・介護、人権、労災と、取扱商品・サービスの安全を評価しました。2024年度の残業14時間、有給15日、平均勤続12年は明確な強みです。一方、労災と人権問題について会社単体の結果開示が弱く、口コミで指摘された問題へどのような是正が行われたのかを外部から追えないことが減点要因です。

賃金・利益の還元|6/10

2025年4月実績の初任給は、総合職の大学院卒29万円、大学卒27万円、一般職の大学卒22万8,000円でした。昇給は年1回、賞与は年2回です。中途営業求人では2025年実績として賞与6.98か月分、想定年収585万~710万円、基本給28万~34万円という条件も確認できます。

賞与6.98か月分は、利益を働く人へ返している具体例として評価できます。一方、これは特定求人で示された前年実績であり、全社員の賃金中央値や既存社員のベースアップ率を示すものではありません。男女賃金差、一般職と総合職の賃金差についても十分な公開情報がありません。

そのため6/10点です。既存社員のベースアップ率、賃金中央値、男女・雇用区分別の賃金差を毎年公開し、広い層で基本給が継続的に上がっていることを確認できれば8/10点を検討できます。

労働時間・休息|8/10

マイナビ掲載の2024年度実績では、月平均所定外労働時間14.0時間、平均有給休暇取得日数15.0日です。公式採用情報でも年間休日120日以上、完全週休2日制、平均残業20時間以内を掲げています。勤務時間は9時15分~17時30分で、1日の就業時間は7時間15分です。

月14時間の時間外労働は、1営業日当たりに単純換算すれば1時間未満です。有給15日は、年間の休日日数に加えて実際に休暇を取得していることを示します。2021年頃の法人営業社員の口コミでも「上司に取得希望を出せば特に理由を聞かれる事なく取得は可能。」と投稿されています。情報ランクBの個人経験ですが、会社公表の休暇実績と方向性は一致しています。

一方、部署・職種別残業、月45時間超の人数、有給取得率、長時間労働者の比率は公開されていません。また合併後も同じ働き方が継続しているかは、承継先で改めて確認する必要があります。

そのため8/10点です。部署別残業と長時間労働者数、有給取得率を毎年公開し、全職種で低残業と高い休暇取得を継続できれば10/10点を検討できます。

雇用の安定・待遇の公平性|3/5

2024年度の平均勤続年数は12.0年です。2024年度にはキャリア採用10人の実績もあり、期間の定めのない正社員採用を行っていました。

2025年4月の公式従業員数は174人です。一方、Gビズインフォに掲載される職場情報総合サイト由来の従業員数は160人です。時点・集計範囲が異なるため、14人減ったとは判断しません。

2026年4月1日の合併で事業は丸紅イノベクシスへ統合されました。しかし、旧丸紅プラックス社員が何人承継され、配置転換、退職、採用がその後どう変化したかを旧会社の出身者別に示す公開情報はありません。

そのため3/5点です。承継前後の社員数、退職者、配置転換、雇用区分、男女別の昇進・賃金を開示し、統合後も雇用が安定していることを確認できれば4/5点を検討できます。

福利厚生・育児・介護|4/5

社会保険、財形貯蓄、持株会、確定給付企業年金、企業年金基金、社宅制度、時短勤務制度を確認できます。休暇には産前産後、看護、介護、慶弔、特別傷病休暇などがあります。

2024年度の育児休業は、女性の対象者3人に対して取得者3人で100%でした。男性は対象者自体が0人だったため、男性取得率0%を制度不利用として減点しません。

一方、育児休業からの復職率、介護休業・看護休暇の利用者数、男性対象者が発生した年の取得実績は公開されていません。

そのため4/5点です。男女別育休取得率、復職率、介護休業・看護休暇の利用実績を複数年公開し、実際に制度を使いながら働き続けられることを確認できれば5/5点を検討できます。

人権・ハラスメント・労使関係|3/5

丸紅プラックスは公式会社情報で、丸紅グループの社是・経営理念を共有し、法令順守とコンプライアンスを実践すると明記していました。丸紅グループではグループ会社にコンプライアンス体制を設け、監査・モニタリングを実施しています。

一方、転職会議には古い投稿ですが、人権・ハラスメント面で看過できない経験談があります。2021年頃に勤務した30代前半の男性正社員・法務職は「女性社員の体を話題にした下ネタを堂々と言う管理職がいる。」と投稿しています。2019年頃に勤務した30代後半女性・営業アシスタントからは「男女差別を無くして、女性にも生産的な仕事をさせられたら退職率はぐっと減ると思う。」との投稿もあります。いずれも情報ランクBの個人投稿であり、会社全体や合併直前の状態へ一般化はできませんが、具体的な問題申告として無視はできません。

丸紅プラックス単体のハラスメント相談件数、男女差別に関する申告件数、調査・是正・懲戒・再発防止の実績は公表されていません。

そのため3/5点です。独立した相談窓口の利用状況、ハラスメント・差別の相談件数と是正率を匿名化して公開し、同種問題の減少を複数年確認できれば4/5点以上を検討できます。

労働安全・健康|4/10

オフィス・商社業務が中心で、製造工場や運送会社のように高頻度で重量物や機械へ直接接触する業態ではありません。近年の丸紅プラックス単体について、死亡事故、重大労災、労働基準監督署による重大処分などとして裏づけられる公開資料は今回の調査で特定できませんでした。

一方、死亡、重篤、休業、軽微労災、労災度数率、健康診断受診率、メンタルヘルス休職、長時間労働者の健康措置などの単体年次KPIは公開されていません。重大事故の報道が見つからないことは、事故ゼロの証明にはなりません。

そのため4/10点です。労災を重大度別に公開し、健康診断受診率、メンタル不調休職率、長時間労働者への面接指導実績まで示し、重大労災ゼロと低い労災率を継続できれば6~8/10点を検討できます。

商品・サービスの安全|3/5

丸紅プラックスは、包装、医療機材、建材、電線、電子材料など、製品性能や安全に関わる素材を扱っていました。材料選定と供給体制の提案を事業としており、環境面ではISO14001、持続可能な原料のトレーサビリティではISCC PLUS認証を取得しています。

ただし、ISO14001やISCC PLUSは製品そのものの安全性を保証する認証ではありません。丸紅プラックス単体で、品質クレーム、重大製品事故、回収、規格不適合、サプライヤー監査結果を年次比較できる公開情報は不足しています。

そのため3/5点です。品質事故・回収件数、サプライヤー監査、用途別の安全適合確認を継続公開し、重大品質事故ゼロを確認できれば4~5/5点を検討できます。

従業員・元従業員の口コミ

転職会議では丸紅プラックスの口コミが62件掲載され、投稿者集計上の残業時間は月16.5時間、有給消化率は50%とされています。これは会社全体の正式値ではありません。2024年度の会社側データは月平均所定外労働14.0時間、平均有給取得15.0日で、残業については大きく矛盾しない水準です。

2021年頃の20代後半男性・正社員・法人営業からは「上司に取得希望を出せば特に理由を聞かれる事なく取得は可能。」という投稿があり、休暇取得のしやすさを示す一例です。[情報ランクB]

一方、人権項目で示したとおり、女性差別や不適切な性的発言を訴える口コミも存在します。口コミは部署・時期・個人経験によって異なるため、それだけで全社状態を断定せず、会社の定量実績と併せて評価しています。[情報ランクB]

SNS・匿名掲示板の確認結果

X、一般SNS、5ちゃんねる、爆サイについて、丸紅プラックス、残業、給料、退職、パワハラ、合併、人員削減などを組み合わせて調査しました。

対象法人の従業員・元従業員であること、投稿時期、職種などを本文から判断でき、今回の採点へ使える有用な投稿は確認できませんでした。

SNS・匿名掲示板に有用情報が見つからないことは、問題が存在しないことの証明ではありません。Safetyでは公式の働き方データと、本文まで確認できた従業員口コミを中心に評価しました。

Innovation|10/25

Innovationでは、人の重労働・単純反復作業・長時間労働を技術で減らし、その成果を人へ返しているかを重視します。丸紅プラックスは環境配慮型材料の商品開発と循環型素材の事業化では具体的な成果があります。一方、社内DXについては「何の作業を何時間減らしたか」「削減分を賃金・休日・別業務へどう返したか」という定量結果がほとんど公開されていないため、点数は伸びません。

作業負担・危険の削減|2/10

会社組織にはシステム企画管理部があり、2026年の統合目的にも「DXの深化」が挙げられています。デジタル活用を進める組織と方向性は確認できます。

しかし、旧丸紅プラックスで、受発注、貿易書類、与信、請求、在庫・物流調整などの業務をどのシステムやRPA・AIで自動化したのか、導入前に人が何時間作業していたのか、導入後に何時間減ったのかという公開情報がありません。公開情報がない点は課題であり、採点上も減点対象です。

そのため2/10点です。具体的な業務ごとに自動化前後の作業時間、手入力件数、残業、ミス率を公開し、年間数百~数千時間規模の負担削減を確認できれば4~8/10点を検討できます。

商品・サービスの改善|4/5

2022年、丸紅プラックスはISCC PLUS認証を取得しました。丸紅グループ国内事業会社として初の取得で、バイオマスや再生由来原料をマスバランス方式で管理し、持続可能な原料として顧客へ提案できる基盤を整えました。ISCCの証明書でもMarubeni Plax Corporationの認証を確認できます。

さらに2026年3月30日、青森県むつ市と協定を結び、水産加工で大量に発生するホタテ貝殻残渣を粉砕・素材化し、プラスチックと混ぜて指定ごみ袋を開発する「aomori white」を開始しました。貝殻を廃棄物として処理するだけでなく材料として使い、プラスチック使用量の削減と地域内資源循環を同時に狙う事業です。

そのため4/5点です。実際のごみ袋1枚当たりの化石由来プラスチック削減率、貝殻利用量、CO2削減量、販売量まで実績公開できれば5/5点を検討できます。

改善成果の人間への還元|0/5

月平均所定外労働14時間という良好な働き方は確認できますが、それがDXや業務自動化によって実現したという因果は公開されていません。設備・システム導入によって浮いた時間や利益を、賃金、休暇、短時間勤務、人材育成、配置転換へどれだけ還元したかも公表されていません。

Innovationでは「働き方が良い」だけではなく、「技術によって改善した結果が人へ返ったか」を評価するため、根拠不足により0/5点です。

削減した作業時間を年度ごとに公開し、そのうち何時間を残業削減へ回したか、利益増加分を基本給や賞与へどう返したか、削減対象業務の社員をどの業務へ再配置したかまで確認できれば3/5点以上を検討できます。

研究開発・現場改善の継続|4/5

丸紅プラックスは1999年にISO14001を取得し、2021年には環境配慮型事業を強化する組織を設置、2022年にはISCC PLUS認証を取得し、2026年にはホタテ貝殻残渣を使う循環型事業を開始しました。

複数年にわたり、再生・バイオマス・廃棄物活用を事業へ組み込んでいる点を評価します。一方、研究開発費、環境配慮型商品の売上比率、顧客の原料転換量、従業員の改善提案件数など、継続成果を比較できるKPIは十分に公開されていません。

そのため4/5点です。環境配慮型商品の売上比率、再生・バイオマス原料への置換量、顧客側で削減できた資源・CO2などを毎年公開できれば5/5点を検討できます。

自動化・AI導入後の雇用状況

丸紅プラックスで大規模なAI・RPA導入による人員削減を示す公開情報は確認できませんでした。2024年度にはキャリア採用10人、2025年4月時点で174人を公表しており、少なくとも合併前まで採用は継続していました。

2026年4月1日の統合は「DXの深化」と「人材リソースの拡大と効率的な配置」を目的の一部としています。これは配置最適化を掲げたものですが、旧丸紅プラックスの社員について、統合後に何人が異動・配置転換・退職したか、採用がどう変化したかを分離した公開情報はありません。

希望退職、大規模人員削減、採用停止とDXとの因果を裏づける公開情報も今回の調査では特定できませんでした。承継先の丸紅イノベクシスでは、今後、統合後の社員数、配置転換、離職、採用を時系列で公開すると、人材効率化と雇用維持を同時に評価できます。

Protection|12/25

Protectionでは、災害、物流途絶、サイバー攻撃、供給網の混乱が起きても、包装・樹脂・電子材料などを顧客へ届け続けられるかを評価しました。丸紅グループのBCM・ITセキュリティ基盤と、国内外の商流ネットワークは強みです。一方、丸紅プラックス単体の訓練、代替調達切替時間、復旧時間、危機時の社会支援実績までは公開されていません。

災害への備え・訓練|2/5

親会社の丸紅は、2022年にオールハザード型BCPへ改定し、BCM専任体制を設け、国内グループ会社のBCM体制構築を支援しています。丸紅プラックスは丸紅100%子会社だったため、グループ支援を受ける基盤がありました。

例えば大地震で東京本社が利用できなくなった場合、グループ側のBCM体制があることで、安否確認、システム、オフィス、決済など重要機能の復旧支援を受けやすくなります。

一方、丸紅プラックス単体で年何回訓練したのか、どの拠点が参加したのか、訓練で何分・何時間で重要業務を再開できたのかは公表されていません。

そのため2/5点です。対象会社として年1回以上のBCP実地訓練を行い、参加率、訓練結果、改善内容を公開できれば3~4/5点を検討できます。

生産・物流・調達の代替|3/5

東京、大阪、名古屋、福岡、静岡に国内拠点を持ち、樹脂・電子材料について輸入、輸出、三国間取引を行っていました。中国、韓国、台湾など海外の生産拠点と世界の顧客をつなぐ商流も構築していました。

一つの工場だけで製造する企業と違い、商社は複数メーカー・地域から調達先を組み替えられる余地があります。例えば一地域の工場や港湾が止まった場合、別地域のメーカーや航路へ切り替えられれば、包装材や電子材料の供給停止を短くできます。

一方、災害時にどの原料をどの代替メーカーへ切り替えるか、主要品目の複数購買率、代替物流ルート、実際の切替所要時間は公開されていません。

そのため3/5点です。重要品目ごとに複数調達率と代替物流ルートを設定し、訓練で切替時間を測定・公開できれば4~5/5点を検討できます。

サイバー防衛・情報保護|3/5

丸紅グループでは、グループ各社が守る共通ITガバナンスルールを整え、そのルールに準拠したセキュアな共通ITサービスを原則すべてのグループ会社へ提供し、遵守状況のアセスメントを定期実施しています。M-CSIRTによるインシデント対応体制もあります。

商社は受発注、価格、顧客、物流、決済などの情報を扱うため、共通ルールとインシデント対応基盤は取引停止や情報漏えいのリスクを下げる方向に働きます。

一方、丸紅プラックス単体でMFA、EDR、標的型メール訓練、バックアップ復元試験をどこまで実施したか、インシデントが何件あったかは公表されていません。

そのため3/5点です。対象法人単体で技術対策、訓練頻度、重大インシデント件数、復元試験結果を公開できれば4~5/5点を検討できます。

供給継続・復旧能力|2/5

国内外のネットワークと複数の営業拠点は、供給継続に使える資源です。さらに丸紅グループ側ではBCPで人員、システム、オフィス、決済機能、グループ会社の重要リソースを危機対応対象として定めています。

一方、丸紅プラックスの重要受発注システムが停止した場合のRTO・RPO、代替オフィスへ切り替える時間、手作業受注の可否、決済・物流システムの復旧時間、実災害での復旧実績は公表されていません。

そのため2/5点です。重要業務ごとに目標復旧時間を定め、障害・災害訓練で目標時間内の復旧を確認し、その実績を公開できれば3~5/5点を検討できます。

危機時の市民への対応|2/5

丸紅プラックスが扱う包装材、医療向け材料、建材、電線向け樹脂などは、災害や感染症などの危機時にも必要になり得る資材です。

しかし、自治体との災害協定、緊急時の医療・包装材料供給、被災地への物資支援など、丸紅プラックス単体の具体的な危機対応実績を示す公開情報は不足しています。

そのため2/5点です。重要資材について自治体・顧客と緊急供給協定を結び、実災害や訓練で供給量・所要時間を公開できれば3~5/5点を検討できます。

良いニュース・最近の前向きな動き

最近の前向きな動きでは、合併直前まで循環型素材の事業開発を続けたことと、良好な労働時間・休暇実績を評価します。前者はInnovationで廃棄物と化石由来プラスチックを減らす方向へ需要を動かし、後者はSafetyで社員の自由時間を確保します。旧丸紅プラックスの事業を引き継いだ丸紅イノベクシスの商品・サービスを利用することで、これらの取り組みを継続・拡大する売上につながります。

2026年3月 むつ市とホタテ貝殻を活用したごみ袋開発を開始

2026年3月30日、丸紅プラックスは青森県むつ市と協定を結び、ホタテ加工で発生する貝殻残渣を粉砕・素材化し、プラスチックと混ぜて市の指定ごみ袋へ利用する取り組みを開始しました。

例えば大量のホタテ貝殻が処理先を確保できず廃棄物として残る場合、貝殻を樹脂材料の一部として使えれば、廃棄量と新品プラスチック使用量を同時に減らせます。地域内で発生した廃棄物を地域で使うごみ袋へ戻すため、循環モデルを作れる点も評価できます。

2024年度 残業14時間・有給15日の働き方実績

2024年度の月平均所定外労働時間は14.0時間、平均有給休暇取得日数は15.0日でした。

専門商社では海外取引や顧客対応で時間外労働が発生する仕事もありますが、会社全体の平均として月14時間に抑え、有給を平均15日取得できている点はSafety上の明確な強みです。

ISCC PLUSと環境配慮型素材を継続

2022年にISCC PLUSを取得し、その後も再生原料、バイオマス材料、廃棄物活用を事業へ組み込んできました。

単発の環境キャンペーンではなく、原料の調達・認証と新商品の開発を継続しているため、顧客企業が通常素材から循環型素材へ切り替える選択肢を増やしています。

悪いニュース・問題となった動き

丸紅プラックスについて、近年の重大死亡事故、大規模リコール、重大な行政処分、重大情報漏えいとして裏づけられる事案は今回の公開調査で特定できませんでした。一方、人権・労災・BCPなど重要な結果指標の単体開示が弱く、過去の従業員口コミには差別・ハラスメントを訴える具体的な投稿があります。改善されないまま情報が閉じていれば、低残業や高い賞与など良い制度があっても、職場の問題を外部から検証できません。

過去の口コミに女性差別・不適切発言の訴え

2021年頃に勤務した30代前半男性・正社員・法務職は、管理職による女性社員への不適切な性的発言を投稿しています。2019年頃の30代後半女性・営業アシスタントからは、女性差別やパワーハラスメントを理由に退職したという投稿があります。[情報ランクB]

いずれも古い個人経験であり、2025年時点の会社全体を示すものではありません。ただし、会社単体の相談・調査・是正件数が公開されていないため、この種の問題がその後どの程度改善したかを検証できないことが課題です。

労災・健康KPIが公開されていない

平均残業14時間という良い数字はありますが、死亡・休業労災、メンタル不調、健康診断、長時間労働者への健康措置などは単体で公表されていません。

健康・安全の結果を公開すれば、低残業が実際に社員の健康維持へつながっているかまで評価できます。

2026年4月に旧法人が解散

丸紅プラックスは2026年4月1日、丸紅ケミックスとの合併により解散しました。これは不祥事による解散ではなく、丸紅グループが化学品事業を集約し、事業領域の拡張、専門性強化、DX深化、人材の効率配置を進めるための統合です。

ただし、利用者や取引先が現在支える企業は丸紅プラックスではなく丸紅イノベクシスです。今後は、旧丸紅プラックスの良好な労働時間や循環素材事業が統合後も維持・改善されているかを追う必要があります。

総合評価と、これから改善してほしいこと

丸紅プラックス株式会社は53点・シビックランクDです。次のCランクは60点からなので、あと7点必要です。

強みは、月平均所定外労働14時間、平均有給取得15日という実績と、ISCC PLUS、再生・バイオマス素材、地域廃棄物活用を事業として継続した点です。一方、InnovationではDXによる人の負担削減を定量化できておらず、Safetyでは労災・人権の結果、ProtectionではBCP・復旧能力を単体で示せていません。

丸紅プラックスはすでに解散しているため、以下の改善は事業を承継した丸紅イノベクシス株式会社が実施し、旧丸紅プラックス事業の従業員・事業範囲を分けて結果を公開することを想定します。

既存社員への賃上げを数字で示してほしい|賃金・利益の還元 6→8/10

現在は6/10点です。初任給や賞与6.98か月実績は確認できますが、既存社員のベースアップ率、賃金中央値、男女賃金差がありません。

承継先では、旧丸紅プラックス事業の社員について毎年のベースアップ率、賃金中央値、男女・職種別賃金差を公開し、幅広い社員の基本給が継続的に上がっていることを示してほしいです。

これが確認できれば6→8/10点、+2点を検討できます。53→55点でDのままです。

参考企業の株式会社JR東海リテイリング・プラスは、当サイト現行審査で56点・Dですが、2026年に8,000円のベースアップを実施し、「賃金・利益の還元」は8/10点です。総合ランクではなく、既存社員の基本給を実際に上げたことを数値で示している点が参考になります。

労災・健康・ハラスメントの結果を公開してほしい|労働安全・健康 4→6/10

現在の「労働安全・健康」は4/10点です。低残業は評価できますが、労災件数、健康診断、メンタル不調などの結果が公表されていません。また、人権項目では過去の口コミに差別・ハラスメントの訴えがあります。

死亡・重篤・休業・軽微労災、度数率、健康診断受診率、メンタル不調休職率を毎年公開し、ハラスメント相談についても件数と是正率を匿名化して示してほしいです。

重大労災ゼロと低い労災率、相談後の是正が複数年確認できれば、「労働安全・健康」を4→6/10点、+2点とし、53→55点を想定します。

参考企業の株式会社セブン‐イレブン・ジャパンは当サイト現行審査で78点・B、「労働安全・健康」8/10点です。2024年度に死亡災害0、労災度数率0.78、強度率0.01を公開しており、安全を「事故が見つからない」ではなく数値で示している点が参考になります。

DXの成果を作業時間で示してほしい|作業負担・危険の削減 2→4/10

現在は2/10点です。統合目的にDX深化が含まれますが、旧丸紅プラックスで何の業務を何時間削減したかという公開結果がありません。

受発注、貿易書類作成、請求、在庫・物流照会、与信などについて、自動化前後の1件当たり処理時間と年間総作業時間を測定し、年間数百時間以上の削減を実績として公開してほしいです。削減した社員は解雇ではなく、顧客提案、循環素材開発、品質・供給網管理などへ再配置したことまで示す必要があります。

これが確認できれば2→4/10点、+2点を検討できます。53→55点です。

参考企業のウイングアーク1st株式会社は当サイト現行審査で81点・Aで、デジタル化によって月815時間の業務時間削減を公開しています。丸紅イノベクシスも「DXを進めた」ではなく「人の作業を何時間減らした」と示すことが参考になります。

BCPを丸紅プラックス事業単位で実証してほしい|災害への備え・訓練 2→3/5

現在は2/5点です。丸紅グループ全体のBCM支援はありますが、旧丸紅プラックス単体の訓練頻度や復旧結果は公開されていません。

承継先では、旧丸紅プラックス事業が扱う重要樹脂・包装・電子材料を対象に、年1回以上のBCP訓練を行い、安否確認率、代替調達開始時間、受発注システム復旧時間、重要顧客への供給再開時間を公開してほしいです。

これが確認できれば2→3/5点、+1点を検討できます。前3項目と合わせれば60点・Cへ到達します。

参考企業の株式会社トランス・グリップは当サイト現行審査で56点・Dですが、「災害への備え・訓練」は5/5点です。年2回の安否確認訓練と3日分の備蓄を具体的に公開しており、計画の存在だけでなく訓練実績を示している点が参考になります。

次のCランクへ上がるための具体例

現在53点・Dで、Cは60点からです。あと7点必要です。

・旧丸紅プラックス事業の既存社員についてベースアップ率、賃金中央値、男女賃金差を公開し、継続的な賃上げを確認できる状態にする。「賃金・利益の還元」6→8/10、+2点。

・死亡・休業労災、度数率、健康診断、メンタル不調、ハラスメント相談・是正結果を毎年公開し、重大労災ゼロと改善を確認できる状態にする。「労働安全・健康」4→6/10、+2点。

・受発注、貿易書類、請求・照会などのDXについて、年間削減時間と配置転換を公表する。「作業負担・危険の削減」2→4/10、+2点。

・年1回以上のBCP訓練を実施し、代替調達・システム復旧・供給再開の時間を測定する。「災害への備え・訓練」2→3/5、+1点。

53点+2点+2点+2点+1点=60点となり、シビックランクCに到達します。

つまり、承継先の丸紅イノベクシスが次のランクへ上げるために必要なのは、旧丸紅プラックスがすでに持っていた低残業や環境配慮型素材という強みを維持しながら、「賃金はいくら上がったか」「事故やハラスメントは何件減ったか」「DXで何時間減ったか」「災害時に何時間で復旧できるか」を数字で公開することです。

出典一覧

No.出典情報ランク
1Gビズインフォ「丸紅プラックス株式会社(閉鎖)」S
2丸紅株式会社「化学品事業の一部の連結子会社への会社分割(簡易吸収分割)に関するお知らせ」2026年2月12日A
3丸紅プラックス株式会社「会社概要」A
4マイナビ「丸紅プラックス株式会社 働き方データ」A
5丸紅プラックス株式会社「汎用樹脂本部」A
6丸紅プラックス株式会社「エレクトロニクス本部」A
7丸紅イノベクシス株式会社・丸紅株式会社 事業情報A
8丸紅プラックス株式会社 CSR・環境関連情報A
9丸紅プラックス株式会社「募集要項」「キャリア採用」A
10JAC Recruitment「丸紅プラックス 営業職求人・2025年賞与6.98か月実績」A
11転職会議「丸紅プラックス ワークライフバランス・残業の口コミ」B
12丸紅株式会社「コンプライアンス」およびグループガバナンス情報A
13転職会議「丸紅プラックス 社員・管理職の魅力」2022年3月投稿B
14転職会議「丸紅プラックス 退職理由」2019年頃勤務の投稿B
15ISCC「Marubeni Plax Corporation ISCC PLUS Certificate」および丸紅プラックス公式発表S
16丸紅プラックス株式会社「むつ市と協定を締結し、ホタテ貝殻を活用したごみ袋の開発を開始」2026年3月30日A
17丸紅株式会社「リスクマネジメント/BCP・情報セキュリティ」A
18Google Drive上の当サイト既存企業審査「株式会社JR東海リテイリング・プラス」「株式会社セブン‐イレブン・ジャパン」「ウイングアーク1st株式会社」「株式会社トランス・グリップ」比較用内部資料

シビックランクの基準

シビックランク点数
S90~100点
A80~89点
B70~79点
C60~69点
D50~59点
E40~49点
F20~39点
G0~19点

丸紅プラックス株式会社は53点のため、今回の評価はシビックランクDです。

情報ランクの基準

情報ランク基準
S公的機関、裁判所、規制当局、独立した第三者機関の調査・監査・検証・認証など、内容そのものに独立した裏づけがある情報
A企業公式資料、採用情報、公式声明・SNS、または氏名・役職・立場が確認できる記名取材や公表発言など、発信主体を確認できる公表情報
B従業員・元従業員の口コミ、一般SNS、匿名掲示板など、発信者の身元や対象企業との関係を独立に確認しにくい情報

情報ランクは企業そのものの良し悪しを示すものではなく、個々の情報の出どころと検証状態を示します。Sは独立した裏づけがある情報として最上位です。AとBは単純な上下関係ではなく、残業、休暇、ハラスメント、配置転換などの実態ではBの従業員情報が公式資料を補う場合があります。

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