私たちは、企業の商品を購入したり、サービスを利用したりすることで、そこで働く人たちの未来を変えることができます。
働く人に十分な賃金を払い、休暇を確保し、安全な職場をつくり、人の負担を減らす企業の商品やサービスが選ばれれば、そうした企業により多くの売上が集まります。その結果、働く人を大切にする経営を続けやすくなります。
反対に、低賃金や長時間労働、安全上の問題を改善しない企業の商品やサービスが売れ続ければ、そうした働かせ方のままでも事業を続けることができます。
だからこの企業審査では、「私たちがお金を使うなら、どの企業を選ぶことが、そこで働く人にとってより良い社会につながるのか」という視点から企業を評価します。
なぜ企業を審査するのか?――このサイトの目的と、利用するメリット
今回審査するセンコー株式会社は、総合61点、シビックランクCです。
センコー株式会社の特に強い点は、福山通運との共同中継輸送で、神奈川と大阪を結ぶ長距離輸送を浜松で交換してUターンする運行へ切り替え、両社が「1人2日運行の撤廃が可能」と公表する仕組みを実際に週5日運用していることです。さらに物流センターでは入荷ロボットやAIによる人員配置支援を導入しています。[出典9・7・8]
そのため、この企業の物流サービスを利用すれば、長距離ドライバーが一人で二日間走り続ける運行を減らし、倉庫で人が担う反復・荷役作業を機械へ移しながら、全国の物流を維持しやすい社会になる可能性が高まります。
一方で、改善点として、2025年12月に公正取引委員会から、下請事業者17者へ無償で荷役・附帯業務を行わせ、19者へ自社都合による長時間の無償荷待ちを行わせたとして勧告を受けたことが残ります。2026年3月期の女性管理職比率も1.6%、正規雇用の男女賃金比率は76.6%で、センコー単体の現在の労災件数・死亡事故・度数率やサイバー防御・復旧訓練の結果も十分公表されていません。[出典6・2]
この記事では、センコー株式会社の強みと課題をさらに詳しく企業審査していきます。
センコー株式会社の企業審査結果
センコー株式会社は、貨物自動車運送、鉄道利用運送、海上運送、倉庫、流通加工、工場内物流、物流センター運営などを担う総合物流会社です。現在のセンコー株式会社は持株会社体制への移行に伴い2016年4月に設立され、センコーグループホールディングスの物流中核会社として事業を行っています。[出典1・2]
2026年3月31日時点の従業員数は3,978人、臨時従業員の年間平均は2,532人です。平均年齢43.3歳、平均勤続年数13.9年、平均年間給与は561万9,244円です。[出典2]
| 評価軸 | 点数 |
|---|---|
| Safety | 25/50 |
| Innovation | 21/25 |
| Protection | 15/25 |
| 総合点 | 61/100 |
| シビックランク | C |
主な強み
センコーは、物流の人手不足に対して「一人あたりの仕事を増やす」方向だけでなく、長距離運行を中継し、荷役をロボットへ移し、職長が行ってきた配置・進捗管理をAIで支援する方向へ投資しています。
2025年5月に始めた福山通運との共同中継輸送では、センコーが神奈川、福山通運が大阪から貨物を運び、「TSUNAGU STATION 浜松」でトレーラーを交換してそれぞれUターンします。週5日の安定運行を行い、両社は長距離輸送の「1人2日運行の撤廃が可能」としています。[出典9]
物流センターでも、ウエルシア西関東RDCで移動式協働ロボットによるデパレタイズ・パレタイズを本格運用し、従来ドライバー等が担っていた入荷工程の自動化を進めています。[出典8]
主な課題
最も重い問題は、下請の運送事業者へ対する取引の公正さです。
公正取引委員会は2025年12月12日、センコーが2022年12月から2025年11月までの間、下請事業者17者に無償で荷積み・荷卸し・附帯業務を行わせ、2022年12月から2024年3月までの間には、自社の準備遅れ等を理由として19者に長時間の無償荷待ちをさせたとして、下請法違反を認定し勧告しました。[出典6]
公正取引委員会は、相当額の支払い、2022年12月から2025年12月までの同様行為の全社調査、定期監査、発注担当者等への研修、取引先への通知、委員会への報告を求めています。
物流DXでドライバーの負担を減らす取り組みがある一方、委託先ドライバーに無償の荷役や荷待ちを負担させた事実が公的に確認されたため、Safetyでは重く減点しています。
事業内容と人間への貢献
センコーは、メーカーや小売企業から商品を預かり、工場・物流センター・店舗・建設現場などへ運ぶ会社です。
トラックだけでなく鉄道・船舶・倉庫を組み合わせるため、荷主が輸送会社、倉庫、流通加工、構内作業を個別に手配する負担を減らし、商品が生産地から店舗や工場まで届く流れをまとめて設計できます。
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | センコー株式会社 |
| 法人番号 | 5120001197793 |
| 設立 | 2016年4月15日 |
| 本社 | 大阪市北区大淀中1丁目1番30号 |
| 代表取締役社長 | 大越 昇 |
| 資本金 | 100億円 |
| 従業員数 | 3,978人 |
| 臨時従業員 | 年間平均2,532人 |
| 平均年間給与 | 561万9,244円 |
| 主な事業 | 自動車運送、鉄道利用運送、海上運送、倉庫、流通加工、工場内物流等 |
[出典1・2]
トラック・鉄道・船を組み合わせて商品を届ける
センコーは住宅、化学品、日用品、食品など幅広い物流を担い、道路だけでなく鉄道・海上輸送も組み合わせます。
例えば長距離貨物をすべてトラックで運ぶと、ドライバーが長時間拘束され、交通渋滞や高速道路の通行止めにも影響されやすくなります。鉄道や船へ一部を移せば、長距離運転時間を減らしながら大量輸送を続けられます。[出典1]
倉庫で保管・仕分け・流通加工まで行う
物流センターでは、入荷した商品を保管し、店舗や顧客ごとに仕分け、検品し、出荷します。
センコーが保管から配送までまとめて担えば、荷主企業は複数会社への手配や在庫情報の突き合わせを減らせます。
一方、倉庫ではフォークリフト、重量物、車両の出入りが多く、事故と身体負担の管理が不可欠です。そのためSafetyでは、安全教育だけでなく実際の労災結果を重視します。
物流を止めないことが生活を支える
食品、日用品、住宅資材、化学品、医薬品などの物流が止まれば、店舗の商品不足だけでなく、工場の生産停止や病院への供給にも影響します。
大分PDセンターは高台に立地し、非常用発電機と自家給油スタンドを備えており、自然災害時にも医療・医薬関連のサプライチェーンを維持する設計です。[出典12]
Safety|25/50
Safetyでは、センコーで働く社員・臨時従業員だけでなく、同社の物流を実際に支える下請運送事業者が適正な条件で働けているかも評価します。
福利厚生と育児支援は強く、休日・有休にも一定の実績があります。一方、女性管理職の少なさ、男女賃金差、公取委が認定した無償荷役・無償荷待ち、単体労災KPIの不足が大きな弱点です。
賃金・利益の還元|4/10
2026年3月期のセンコー単体の平均年間給与は561万9,244円で、前年比0.6%減でした。平均年間給与には賞与と基準外手当が含まれます。[出典2]
新卒採用では、全国勤務の122日休日コースで地域により月22万100円~23万8,700円、112日休日コースでは月22万9,200円~24万8,500円程度の条件が示され、残業代は別途支給されます。[出典4]
4/10点とした理由は、平均給与と新卒条件を具体的に確認でき、残業代を固定残業として含めない点も確認できる一方、平均年間給与は前年を下回り、2026年の既存社員全体のベースアップ額・率や実質賃金の改善を対象法人単体で十分確認できないためです。
会社全体で月例賃金を引き上げ、平均基本給やベースアップ率を毎年公開し、物価上昇を上回る実質賃金の改善が確認できれば6~8点を検討できます。
労働時間・休息|6/10
マイナビの2025年度実績では、月平均所定外労働時間は27.1時間、平均有給休暇取得日数は14.0日です。[出典3]
新卒採用では年間休日122日または112日を入社時に選択する制度があります。122日を選べば年間休日は比較的多い一方、112日コースも存在するため、全社員が122日休める制度ではありません。[出典4]
6/10点とした理由は、全社採用データで残業と有休取得実績が公開され、有休14日は一定の休息を確保できている一方、月27.1時間の残業は低水準とは言いにくく、職種・拠点による差も大きいと考えられるためです。
転職会議の投稿者集計では残業36時間/月、有給消化率47.3%です。2025年頃の20代後半男性・正社員・ドライバーの投稿には「残業は、多い月で90時間をこえる時もある。」との記述があります。個人の経験であり全社平均には置き換えませんが、高負荷な現場が存在する可能性を示す補助情報です。[出典13]
全社平均残業20時間以下、ドライバー・倉庫・事務等の職種別でも長時間労働者が少ないことを公開し、有休取得率70%以上を確認できれば8点を検討できます。
雇用の安定・待遇の公平性|2/5
2026年3月期の女性管理職比率は1.6%、男性育児休業取得率は56.7%です。男女賃金比率は全労働者45.9%、正規雇用76.6%、パート・アルバイト77.4%です。[出典2]
男性育休は前年度28.6%から大きく改善しました。一方、女性管理職は前年度1.8%から1.6%へ低下しており、意思決定層の男女差は非常に大きい状態です。
正規雇用の男女賃金比率76.6%も、女性の平均賃金が男性の約4分の3であることを示します。会社は職群、等級、人員構成、勤続年数、労働時間等の差が要因と説明しています。
2/5点とした理由は、男性育休が改善し、男女差を数値で公表している点は評価できる一方、管理職登用と賃金の結果に大きな格差が残るためです。
女性管理職比率を20%以上へ高め、正規雇用の男女賃金比率を90%前後へ改善し、職位・職種別の要因まで公開できれば4/5点を検討できます。
福利厚生・育児・介護|5/5
新卒採用では借上寮の本人負担10.5%、育児休業は最長3歳まで、育児短時間勤務は小学校卒業まで、子の看護休暇は年24日、家族の介護休暇は年24日、介護休業は最長3年、資格取得支援、社内大学、永年勤続表彰、年間1万9,200~2万円相当のカフェテリアプランなどを確認できます。[出典4]
2025年度の育児休業は、男性63人中38人、女性63人中63人が取得しており、採用媒体の集計では男性60.3%、女性100%です。[出典3]
5/5点とした理由は、制度の種類だけでなく男性育休の利用実績があり、育児・介護・住居・教育まで対象範囲が広いためです。
人権・ハラスメント・労使関係|1/5
センコーには労使協議や法令遵守の体制がありますが、2025年の公正取引委員会勧告を重く反映します。
公取委は、センコーが下請運送事業者17者に無償の荷役・附帯業務を行わせ、別途19者に自社都合による長時間の無償荷待ちを行わせ、下請事業者の利益を不当に害したと認定しました。[出典6]
物流現場では、荷物を運ぶ時間だけでなく、積み降ろしと待機時間も人の時間です。その作業・待機に対価を払わなければ、センコー側の物流コストを委託先のドライバーや事業者へ転嫁することになります。
1/5点とした理由は、公的機関によって長期間の不当な負担が確認された一方、公取委が相当額の支払い、全社調査、監査、研修を命じ、是正手続きが始まっているためです。
対象となった事業者への支払い額・完了率、全社調査で判明した追加件数、再発件数0、荷待ち・荷役時間の有償化率、外部相談窓口の利用実績まで公開し、是正が定着したことを確認できれば3点以上を検討できます。
労働安全・健康|4/10
センコーは「人間尊重」と「すべてに優先する安全」を掲げ、倉庫のフォークリフトへアーチライトを導入し、トラックには後方障害物を検知するソナーを設置しています。[出典5]
クレフィール湖東等でドライバー・フォークリフトオペレーターを教育し、トレーナー制度と技能コンテストも運用しています。
騒音や死角がある倉庫で光によってフォークリフトの接近を知らせることは、作業者との接触事故を減らす具体策です。後方ソナーは、トラックの後退時に人や構造物へ接触するリスクを下げます。
4/10点とした理由は、安全設備と教育の内容は具体的である一方、2025年度・2026年度のセンコー単体の死亡労災、休業災害、交通事故、フォークリフト事故、度数率・強度率を比較できる形で公表していないためです。
グループ全体の安全データをセンコー単体の成果へ置き換えません。
センコー単体で死亡・重大事故、労災件数、交通事故、度数率・強度率を毎年公表し、重大事故0と低い事故率を複数年継続できれば6~8点を検討できます。
商品・サービスの安全|3/5
物流サービスでは、商品を壊さず、時間どおりに、安全な運転で届けることが基本的な品質です。
センコーはドライバー教育、フォークリフト教育、後方ソナー、倉庫アーチライト等を実装し、物流技能の標準化を続けています。[出典5]
3/5点とした理由は、事故を防ぐ具体的な設備・訓練がある一方、センコー単体の現在の有責交通事故率、誤配・破損率、重大物流事故件数を継続比較できる公開KPIが不足しているためです。
重大事故0、誤配・破損率、交通事故率を毎年公開し、低い水準を複数年維持できれば4~5点を検討できます。
従業員・元従業員の口コミ
転職会議では物流会社のセンコーについて、投稿者集計で残業36時間/月、有給消化率47.3%です。[出典13]
2025年頃の20代後半男性・正社員・ドライバーは「残業は、多い月で90時間をこえる時もある。」と投稿しています。情報ランクBの個人体験であり、会社全体の残業が90時間とは判断しません。[出典13]
一方、2025年度の会社採用データは月平均所定外労働27.1時間、有休取得14.0日です。公式・採用データと口コミ集計には差があり、部署・職種・時期による負荷の差があると考えるのが適切です。[出典3・13]
Indeedでは36件の口コミで総合2.2、勤務時間と残業2.1、給与と福利厚生2.7、定着率と昇進2.0です。2026年6月の尼崎のパート投稿では仕事内容・福利厚生を良いとする一方、人間関係や派閥への不満が記されています。[出典14]
Yahoo!しごとカタログでは251件超の口コミがあり、投稿者集計は残業37.9時間、有休消化率37.5%です。これらは会社公式統計ではないため、現場差を見る補助情報として扱います。[出典15]
SNS・匿名掲示板の確認結果
X、5ちゃんねる、爆サイについて、センコー株式会社と「残業」「給与」「パワハラ」「事故」「退職」「AI」「人員削減」「荷待ち」などを分けて検索しました。
5ちゃんねるにはセンコー株式会社を題材にしたスレッドが存在しますが、今回の公開検索範囲では、投稿者がセンコー株式会社の直接社員であること、勤務時期・拠点・職種まで確認でき、採点を変更できる現在の投稿本文は使用していません。
Xと爆サイでも、対象法人の現在の労働条件を裏付ける具体的な本文付き情報は採点根拠として確保していません。
有用な投稿が採点に使えないことを、問題が存在しない根拠にはしません。
Innovation|21/25
Innovationはセンコーの最大の強みです。
長距離輸送では中継輸送、倉庫ではロボット、管理業務ではAIを導入し、「人が二日間走る」「人がパレットを積み替える」「職長が経験だけで人員配置する」といった仕事を具体的に機械・ネットワークへ移しています。
一方、削減した時間が社員の平均残業、休日、賃金へどれだけ返ったかは、会社全体では十分公表されていません。
作業負担・危険の削減|8/10
福山通運との共同中継輸送では、神奈川と大阪から出発したトラックが浜松で貨物を交換してUターンします。両社は、この方式によって長距離輸送の「1人2日運行の撤廃が可能」と公表しています。[出典9]
従来、ドライバーが一人で翌日まで走る仕事を、中間地点で別のドライバーへ引き継げれば、長距離拘束と宿泊を減らし、その日のうちに出発側へ戻りやすくなります。
ウエルシア西関東RDCでは、移動式協働ロボットによってデパレタイズ・パレタイズを自動化し、バース滞留時間や検品作業を減らす情報連携基盤も本格運用しています。[出典8]
さらにSAIFOMWでは、職長が行ってきた出勤確認、シフト作成、工数予測、生産性・進捗管理、人員配置変更をAIが支援します。印西ロジスティクスセンターでは待機時間を原資に14%の工数削減余地が確認されています。[出典7]
14%は実際の労働時間がすでに14%減ったという意味ではなく、分析で確認された削減余地です。
8/10点とした理由は、長距離運転、入荷荷役、管理作業という複数の人の仕事を具体的に代替している一方、全社の事故、腰痛、残業、身体負担が導入後にどれだけ低下したかは十分公開されていないためです。
商品・サービスの改善|5/5
センコーは、自動車・鉄道・船・倉庫を組み合わせた物流に加え、中継輸送施設を他社と共同利用する仕組みを拡大しています。
2025年の浜松に続き、2026年4月には福山通運と「TSUNAGU STATION 福島」を開所しました。[出典10]
一社だけの拠点ではなく他社と中継場所を共有すれば、貨物とドライバーを入れ替えて長距離運行を分割しやすくなります。荷主にとっても、ドライバー不足で長距離便が組めないリスクを減らすサービス改善です。
ウエルシア西関東RDCでも、メーカーからの入荷予定をデータで共有し、センターの入荷作業と接続しています。[出典8]
複数の荷主・運送会社をまたぐ改善を実際の物流サービスへ広げているため5/5点です。
改善成果の人間への還元|3/5
共同中継輸送では、長距離輸送の1人2日運行を撤廃できる運行へ切り替えています。これは技術・ネットワーク改善がドライバーの拘束時間へ直接返る例です。[出典9]
ウエルシア西関東RDCのロボットも、従来人が担った入荷荷役を機械へ移します。[出典8]
一方、これらの導入拠点で月間残業が何時間減ったか、有休が何日増えたか、賃金が何%上がったか、配置転換後の離職がどう変化したかは公表されていません。
また2025年には、別の取引関係で下請事業者へ無償荷役・長時間荷待ちを負担させた事実が公取委から指摘されています。物流技術による負担削減が、全ての働き手へ均等に返っていたとは評価できません。[出典6]
そのため3/5点です。
自動化・中継輸送導入拠点の残業、休日、事故、賃金、委託先の荷待ち時間を導入前後で公開し、複数指標の改善を確認できれば4~5点を検討できます。
研究開発・現場改善の継続|5/5
センコーは、倉庫ロボット、中継輸送、SAIFOMW、データ連携、自動運転・ダブル連結を含む物流効率化を複数年にわたり進めています。
SAIFOMWは2022年のパイロット運用から2024年に3拠点で本運用へ進みました。中継輸送も浜松から福島へ拠点を広げています。[出典7・10]
単発の実証で終わらず、現場運用へ移し、別拠点へ横展開しているため5/5点です。
自動化・AI導入後の雇用状況
2026年3月31日時点のセンコー単体は従業員3,978人、臨時従業員の年間平均2,532人です。2026年・2027年向けの新卒・中途採用も継続しています。[出典2・4]
今回確認した公式資料、求人、口コミ、X、5ちゃんねる、爆サイの範囲では、SAIFOMW、入荷ロボット、中継輸送を理由にセンコーが大規模な希望退職・人員整理を行ったと裏付ける情報はありません。
一方、同じ集計基準のセンコー単体従業員数を、各自動化拠点の導入前・数カ月後・翌年度で比較できる詳細は公表されていません。
また、AI導入によって職長が何人減ったか、ロボット導入拠点で荷役担当者を何人配置転換したか、契約社員の更新数がどう変わったかも公表されていません。
したがって「自動化しても雇用を守った」とは断定しません。導入拠点ごとに人員、求人、契約更新、配置転換、退職、残業を時系列で公開することで、省人化が人を解雇する手段ではなく、人の仕事を軽くする手段として使われたかを判断できます。
Protection|15/25
Protectionでは、地震、豪雨、道路寸断、拠点停止、システム障害が起きても物流を維持できるかを評価します。
センコーはトラック・鉄道・船という複数輸送手段、中継拠点、高台の物流センター、非常用発電・給油設備、自治体との施設利用協定を持っています。一方、センコー単体の現在のサイバー防御・復旧訓練結果は公開が弱く、ここがProtectionの最大の課題です。
災害への備え・訓練|4/5
2019年開設の大分PDセンターは、高台に立地し、非常用発電機と自家給油スタンドを備えています。医療・医薬関連メーカーが集まる地域で、災害時のサプライチェーン維持を目的にBCP対応を強化した施設です。[出典12]
2026年3月には、センコー関東主管支店と野田市が、野田第2PDセンターを災害時の緊急一時避難場所と、物資・復旧資機材の荷卸し、保管、積込みを行う災害対応拠点として使う協定を締結しました。[出典11]
例えば地震で市内の避難場所が不足し、支援物資を一時保管する場所も足りない場合、市はセンコーの物流倉庫を避難と物資中継の両方に利用できます。
4/5点とした理由は、災害用設備と自治体との正式協定まで確認できる一方、センコー単体の全社BCP訓練回数、安否確認完了時間、訓練後の是正結果を継続比較できる公開情報が不足しているためです。
生産・物流・調達の代替|5/5
センコーは自動車、鉄道、海上輸送、倉庫を組み合わせる物流会社です。
さらにTSUNAGU STATIONを使い、他社とトレーラーを交換する中継輸送を実際に行っています。[出典9・10]
例えば高速道路の一部区間が長時間通行止めになったり、長距離ドライバーを確保できなくなった場合でも、鉄道・船・別会社との中継という別手段を持つほど、輸送を完全停止せず組み替えやすくなります。
複数輸送手段と中継ネットワークを平時から実際に使っているため5/5点です。
サイバー防衛・情報保護|0/5
物流センターは受発注、在庫、配車、入出庫、AI配置、顧客データなど多くの情報システムへ依存しています。
しかし、センコー株式会社単体について、現在の多要素認証、EDR、SOC、標的型メール訓練、ランサムウェア対策、重要物流システムのネットワーク分離、重大インシデント件数、バックアップ復元訓練結果を外部から比較できる公開情報がありません。
重要な情報セキュリティの結果が公表されていない点は課題です。採点上も減点対象です。
十分な調査後も対象法人単体の現在実績を確認できないため0/5点です。
センコー単体でセキュリティ統制、従業員訓練、重大事故件数、復元演習を公開し、実運用が確認できれば2~4点を検討できます。
供給継続・復旧能力|3/5
大分PDセンターには非常用発電・自家給油があり、輸送面では道路・鉄道・船・中継輸送を組み合わせられます。[出典12・9]
設備停止や道路寸断に対して複数の代替手段を持つため3/5点です。
一方、センコーの主要物流センターが停止した場合に、別センターへ何時間で業務を移すのか、主要WMS・配車・SAIFOMW等が停止した場合の目標復旧時間と実測復旧時間は公表されていません。
拠点別の代替計画と主要システムの復旧時間を訓練で測定し、目標内で切替・復旧できることを示せれば4~5点を検討できます。
危機時の市民への対応|3/5
野田市との2026年協定では、センコーの施設を市民の緊急一時避難場所と、災害物資・復旧資機材の荷役・保管拠点として利用できます。[出典11]
大分PDセンターも医療・医薬品物流の継続を目的に非常用設備を持ちます。[出典12]
災害時に物流倉庫を市へ提供し、支援物資を集めて次の配送へつなぐことは、避難所や被災地域へ必要物資を届ける基盤になります。
一方、直近の大規模災害でセンコー単体が何人へ何トン・何箱の物資を、発災後何時間で届けたかという統一した現在実績は公表されていません。
そのため3/5点です。複数自治体との協定に加え、実災害・実地訓練での供給量、支援人数、初動時間を公開できれば4~5点を検討できます。
良いニュース・最近の前向きな動き
最近の前向きな動きでは、中継輸送の地域拡大、自治体との災害協定、入荷作業のロボット化が進んでいます。
センコーの物流サービスが選ばれ、こうした投資が広がれば、ドライバーの長距離拘束と倉庫の荷役負担を減らしながら、災害時にも物資を動かせる物流網を増やせます。
2026年4月|TSUNAGU STATION福島を開所(Innovation・Protection)
センコーと福山通運は2026年4月10日、福島県須賀川市に「TSUNAGU STATION 福島」を開所しました。[出典10]
浜松で始めた企業間の中継輸送を東北へ広げる動きです。
長距離便を中継地点で分割できれば、一人のドライバーが遠方で宿泊しながら二日間運行する働き方を減らし、同時に物流会社同士が輸送能力を補い合えます。
2026年3月|野田市と災害時の施設利用協定を締結(Protection)
野田市とセンコー関東主管支店は2026年3月26日、野田第2PDセンターを緊急一時避難場所・災害対応拠点として使う協定を締結しました。[出典11]
大地震などで市民が一時避難する場所や、救援物資を荷卸し・保管する場所が不足した場合、物流倉庫の空間と荷役機能を利用できます。
単なる寄付ではなく、物流会社が持つ倉庫機能そのものを地域防災へ使う仕組みです。
2025年2月|ウエルシア西関東RDCで入荷ロボットを本格運用(Innovation)
ウエルシア薬局、PALTAC、センコー、日立は、2024年12月から2025年1月の実証を経て、2025年2月からウエルシア西関東RDCで情報連携基盤と入荷自動化設備を本格運用しました。[出典8]
移動式協働ロボットがパレット積み替えを自動化し、事前納品情報をセンター側と共有することでバース滞留時間と検品作業を減らします。
ドライバーが到着してから長時間待ち、さらに荷物を積み替える作業を減らせれば、拘束時間と身体負担の両方を減らす方向へ働きます。
悪いニュース・問題となった動き
センコーで最も重い問題は、物流DXで作業負担を減らす取り組みを進めながら、別の取引現場では下請事業者へ無償荷役・長時間荷待ちを負わせていたことです。
この問題が改善されなければ、センコーの効率化が自社や荷主の利益に偏り、委託先のドライバーへ時間と労力を転嫁する構造が残ります。
2025年12月|無償荷役・長時間無償荷待ちで公正取引委員会が勧告(Safety)
公正取引委員会は2025年12月12日、センコーに下請法違反があったとして勧告しました。[出典6]
2022年12月から2025年11月まで、下請事業者17者が無償で荷積み・荷卸し・附帯業務を行い、2022年12月から2024年3月まで、19者がセンコー側の準備遅れ等によって長時間無償で待機させられていました。
公取委は、費用相当額の支払い、全社調査、監査、研修、取引先への通知を求めています。
3年近くにわたって発生した問題であり、現在の企業評価では重大なマイナス要因です。
2026年3月期|女性管理職1.6%、正規雇用男女賃金比率76.6%(Safety)
2026年3月期の女性管理職比率は1.6%です。男性育休は56.7%まで改善しましたが、女性が管理職へ進んだ結果は低い水準にとどまっています。[出典2]
正規雇用の男女賃金比率も76.6%です。
職種・等級・勤続年数・勤務時間の違いが要因として説明されていますが、その構造を改善しなければ、女性が高い賃金を得る職種・役職へ進みにくい状態が続きます。
2026年時点|単体の労災・サイバー復旧KPIが不足(Safety・Protection)
センコーは物流設備、安全教育、AI・ロボットを積極的に導入しています。
一方で、センコー単体の最新の死亡・休業労災、交通事故、フォークリフト事故、度数率・強度率と、主要システムのサイバー事故・復元訓練結果は公表されていません。
物流が自動化・デジタル化するほど、現場事故と情報システム停止の両方を数字で追う必要があります。
公開情報がない点は課題です。採点上も減点対象です。
総合評価と、これから改善してほしいこと
センコー株式会社は現在61点・シビックランクCです。
次のBランクは70点からなので、あと9点必要です。
Innovationは21/25点と高く、物流技術を増やすだけで次ランクへ上がる必要はありません。今後は、技術によって減らした負担を自社社員・下請ドライバーへ公平に返し、労働安全・男女格差・情報セキュリティの結果を数字で示すことが重要です。
下請の無償荷役・荷待ちをゼロにし、是正結果を公開してほしい(Safety)
「人権・ハラスメント・労使関係」は現在1/5点です。
現在の問題は、公取委が下請事業者17者への無償荷役・附帯業務、19者への長時間無償荷待ちを認定したことです。[出典6]
センコーは、対象事業者への費用相当額の支払いを完了し、2022年12月以降の全社調査結果、追加で判明した件数、荷待ち・荷役の有償化率、再発件数、外部相談窓口への申告と是正件数を毎年公開してほしいところです。
これらを実施し、再発0を複数年確認できれば1/5点から3/5点、+2点を検討できます。
61点+2点=63点で、まだCです。
参考企業の株式会社JR東海リテイリング・プラスは、正社員だけでなく契約・派遣社員、退職後1年以内の元従業員、取引関係者まで内部通報の対象にし、不利益取扱い禁止を明記しており、Google Drive上の最新版審査では「人権・ハラスメント・労使関係」3/5点です。[比較基準17]
女性管理職と男女賃金差を改善してほしい(Safety)
「雇用の安定・待遇の公平性」は現在2/5点です。
女性管理職1.6%、正規雇用男女賃金比率76.6%が現在の弱点です。[出典2]
女性管理職比率を20%以上へ引き上げ、正規雇用の男女賃金比率を90%前後へ改善し、職種・等級・勤続年数別の差も公開できれば4/5点を検討できます。
2→4点で+2点、前項と合わせると65点・Cです。
参考企業の株式会社ミツウロコグループホールディングスは、Google Drive上の最新版審査で女性管理職47.4%、正規雇用男女賃金比率91.5%が確認され、「雇用の安定・待遇の公平性」4/5点です。持株会社と物流事業会社という業種・人員構成の違いはありますが、管理職登用と賃金差の両方を改善する目安になります。[比較基準18]
センコー単体の労災KPIを公開し、重大事故ゼロを結果で示してほしい(Safety)
「労働安全・健康」は現在4/10点です。
安全研修、アーチライト、後方ソナーは具体的ですが、現在のセンコー単体の死亡・重大労災、休業災害、交通事故、フォークリフト事故、度数率・強度率が公表されていません。[出典5]
死亡・重大事故0、労災件数、交通事故件数、度数率・強度率を毎年公開し、度数率を低水準で複数年維持し、事故原因と再発防止結果まで示せれば8/10点を検討できます。
4→8点で+4点です。
前の2項目と合わせると、
61点+2点+2点+4点=69点
となり、Bまであと1点です。
参考企業のKDDI株式会社は、2025年度の単体実績として労災1件、死亡0件、工事中の重篤人身事故0件、度数率0.05、強度率0.00382を公開し、Google Drive上の最新版審査で「労働安全・健康」8/10点です。物流と通信で業種は異なりますが、事故を「起きていないはず」と推測させず、件数・頻度・重大度まで公開する方法が参考になります。[比較基準19]
サイバー防御と復旧訓練を単体で公開してほしい(Protection)
「サイバー防衛・情報保護」は現在0/5点です。
センコーはAI配置、WMS、配車、在庫・受発注など物流のデジタル化を進めていますが、センコー単体の現在の多要素認証、端末保護、監視、標的型メール訓練、重大事故件数、バックアップ復元訓練結果が公表されていません。
MFA・EDR等の多層防御、全社員への年次訓練、重大情報漏えい件数、バックアップ復元演習を対象会社単体で公開し、訓練で主要物流システムを目標時間内に復旧できることまで確認できれば2/5点を検討できます。
0→2点で+2点です。
前の3項目と合わせると、
61点+2点+2点+4点+2点=71点
となり、シビックランクBへ上がります。
参考企業の株式会社ミツウロコグループホールディングスは、契約社員・協力会社を含む年1回の情報セキュリティ教育、抜き打ち標的型攻撃メール訓練、グループ共通のセキュリティ統制を公開し、最新版企業審査で「サイバー防衛・情報保護」4/5点です。対象範囲はグループでありセンコー単体とは異なりますが、教育・技術・訓練を外部から確認できる形で示す点が参考になります。[比較基準18]
次のランクへ上がるための具体例
現在61点・Cです。Bランクは70点からなので、あと9点必要です。
具体的には、
・人権・ハラスメント・労使関係:1/5
無償荷役・無償荷待ちの費用支払いを完了し、全社調査、再発0、有償化率、委託先相談・是正結果を毎年公開
→ 3/5、+2点
・雇用の安定・待遇の公平性:2/5
女性管理職20%以上、正規雇用男女賃金比率90%前後、職位・職種別格差を公開
→ 4/5、+2点
・労働安全・健康:4/10
センコー単体の死亡・重大事故0、労災・交通・フォークリフト事故、度数率・強度率を毎年公開し、低事故率を複数年継続
→ 8/10、+4点
・サイバー防衛・情報保護:0/5
多層防御、従業員訓練、重大事案件数、バックアップ復元演習を単体で公開し、目標時間内の復旧を確認
→ 2/5、+2点
二重加点せずに計算すると、
61点+2点+2点+4点+2点=71点
となり、シビックランクBへ上がります。
つまりセンコーが次のランクへ上がるために必要なのは、物流技術をさらに増やすことより、公取委勧告の原因となった委託先への負担転嫁を完全に是正し、女性の昇進・賃金格差を改善し、単体の労災とサイバー復旧を結果で公開することです。
センコーには、中継輸送、ロボット、AI配置、鉄道・船を含む複合輸送、災害対応拠点という強いInnovationとProtectionがあります。
一方、物流を支える人を大切にするという観点では、2025年の公取委勧告は非常に重い問題です。自社ドライバーの長距離拘束を減らすInnovationを、下請ドライバーの荷待ち・荷役削減にも徹底して適用できるかが今後の評価を左右します。
最終評価は、
Safety:25/50
Innovation:21/25
Protection:15/25
総合:61/100
シビックランク:C
とします。
出典一覧
1.センコー株式会社 会社案内・事業資料、2025年4月1日付役員人事【情報ランクA】
2.センコーグループホールディングス株式会社 2026年3月期有価証券報告書(センコー株式会社単体の従業員・給与・女性管理職・育休・男女賃金差)【情報ランクS】
3.マイナビ2028「センコー株式会社 働き方データ」【情報ランクA】
4.マイナビ2027「センコー株式会社 採用データ」【情報ランクA】
5.センコー株式会社「安全への取り組み」会社案内【情報ランクA】
6.公正取引委員会「センコー株式会社に対する勧告について」2025年12月12日【情報ランクS】
7.センコー株式会社・JDSC「SAIFOMW」運用開始・導入事例【情報ランクA】
8.ウエルシア薬局・センコー・日立等「ウエルシア西関東RDC 入荷自動化」2025年2月【情報ランクA】
9.センコー株式会社・福山通運株式会社「共同中継輸送」2025年5月開始【情報ランクA】
10.センコー株式会社・福山通運株式会社「TSUNAGU STATION 福島」2026年4月【情報ランクA】
11.野田市「センコー株式会社関東主管支店との災害時等における施設利用協定」【情報ランクS】
12.センコー株式会社「大分PDセンターを竣工~BCPに対応~」【情報ランクA】
13.転職会議「センコー株式会社(旧センコー分割準備株式会社)の口コミ」【情報ランクB】
14.Indeed「センコー株式会社の社員クチコミ」【情報ランクB】
15.Yahoo!しごとカタログ「センコー株式会社の社員クチコミ」【情報ランクB】
16.Google Drive「キリングループロジスティクス株式会社企業審査」最新版【比較基準】
17.Google Drive「株式会社JR東海リテイリング・プラス企業審査」最新版【比較基準】
18.Google Drive「株式会社ミツウロコグループホールディングス企業審査」最新版【比較基準】
19.Google Drive「KDDI株式会社企業審査」最新版【比較基準】
シビックランクの基準
| ランク | 総合点 |
|---|---|
| S | 90~100点 |
| A | 80~89点 |
| B | 70~79点 |
| C | 60~69点 |
| D | 50~59点 |
| E | 40~49点 |
| F | 20~39点 |
| G | 0~19点 |
センコー株式会社は61点のため、シビックランクCです。
情報ランクの基準
| 情報ランク | 基準 |
|---|---|
| S | 行政、公的機関、裁判所、規制当局、独立第三者の調査・監査・検証・認証など、内容そのものに独立した裏づけがある情報 |
| A | 企業公式サイト、公式資料、採用情報、公式声明、氏名・役職が確認できる取材・公表発言など、発信主体を確認できる情報 |
| B | 従業員・元従業員口コミ、一般SNS、匿名掲示板など、発信者の身元や対象企業との関係を独立に確認しにくい情報 |
