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イオンモール株式会社を企業審査|シビックランクC・67点/100点|平均残業14.2時間・男性育休100%とDXを評価、熊本爆発7人死亡と男女賃金差が課題

私たちは、企業の商品を購入したり、サービスを利用したりすることで、そこで働く人たちの未来を変えることができます。

働く人に十分な賃金を払い、休暇を確保し、安全な職場をつくり、人の負担を減らす企業の商品やサービスが選ばれれば、そうした企業により多くの売上が集まります。その結果、働く人を大切にする経営を続けやすくなります。

反対に、低賃金や長時間労働、安全上の問題を改善しない企業の商品やサービスが売れ続ければ、そうした働かせ方のままでも事業を続けることができます。

だからこの企業審査では、「私たちがお金を使うなら、どの企業を選ぶことが、そこで働く人にとってより良い社会につながるのか」という視点から企業を評価します。

なぜ企業を審査するのか?――このサイトの目的と、利用するメリット

今回審査するイオンモール株式会社は、総合67点、シビックランクCです。

イオンモール株式会社の特に強い点は、月平均残業14.2時間、男性育児休業取得率100%、年間休日125日という働き方に加え、RPA、生成AI、専門店向け業務タブレットなどを使って定型業務を減らす仕組みを継続していることです。そのため、この企業の商品を購入したりサービスを利用したりすれば、商業施設で働く人が事務・申請・情報確認などの反復作業に使う時間を減らしながら、育児や休息の時間を確保しやすい社会につながる可能性が高まります。[出典2・3・4・7・8]

一方で、改善点として、2026年7月の熊本地震後にイオンモール熊本で起きた爆発事故で専門店従業員7人が死亡し、避難後の一時再入館を会社側が認めていた事実が明らかになったことと、2025年度の正規雇用労働者の男女賃金比率が69.2%にとどまることが残ります。[出典2・12・13]

この記事では、イオンモール株式会社の強みと課題をさらに詳しく企業審査していきます。

目次

イオンモール株式会社の企業審査結果

評価軸得点
Safety34/50
Innovation18/25
Protection15/25
総合点67/100
シビックランクC

評価時点:2026年10月

主な強みは、提出会社単体の平均年間給与725万848円、月平均残業14.2時間、2025年度有給休暇取得率62%、男性育児休業取得率100%、2025年の正社員賃上げ総額6.90%、2026年の短時間組合員時給6.57%引き上げ、RPAやAIチャットボットなどのDX、遠隔バックアップデータセンターを含むサイバー・BCP対策です。[出典2・3・5・6・8・10]

主な課題は、2026年7月のイオンモール熊本爆発事故です。地震後に爆発が発生し、専門店従業員7人が死亡、26人がけがをしました。会社は、避難後に車の鍵や携帯電話、レジ締め等のため一時的な再入館を認めた事実を公表しています。外部専門家を含む事故調査委員会が原因と緊急時マニュアルの運用を検証しており、2026年10月時点では最終的な事故原因と再発防止策の検証は完了していません。[出典12・13・14]

イオンモール株式会社とは|事業内容と人間への貢献

イオンモール株式会社は、国内外で大規模ショッピングモールを開発・運営するイオングループ企業です。1911年設立で、2025年7月にイオン株式会社の完全子会社となりました。2026年8月時点で国内162、海外40の計202モールを展開しています。[出典1・2]

基本情報

項目内容
会社名イオンモール株式会社
設立1911年11月
代表取締役社長大野 惠司
本社千葉県千葉市美浜区中瀬一丁目5番地1
資本金424億3,000万円(2026年2月末)
主な事業大規模地域開発、ショッピングモール開発・運営、不動産売買・賃貸・仲介
モール数202店舗(国内162/海外40、2026年8月時点)
連結従業員数5,645人(2026年2月末)
提出会社従業員数1,937人、臨時雇用者1,654人
親会社イオン株式会社

2026年2月末の提出会社では、平均年齢41歳9か月、平均勤続年数9年5か月、平均年間給与725万848円です。労働組合はイオンモール労働組合で、組合員数3,215人。イオングループ労働組合連合会を通じてUAゼンセンへ加盟しています。[出典2]

主な事業内容

イオンモールは、単に建物を貸す会社ではありません。土地・施設の開発、専門店誘致、テナントとの契約、館内運営、イベント、防災、防犯、設備管理、販促、アプリ運営、地域連携などをまとめて担います。

モール従業員は、専門店の営業支援、契約・売上管理、イベントや地域連携、施設管理、事故・災害対応などを行います。商業施設の中では、イオンモール自身の社員だけでなく、専門店、清掃、警備、設備、飲食、物流など多くの企業の従業員が働きます。

そのため企業審査では、自社社員の労働環境だけでなく、専門店従業員が安全に働ける施設管理、申請・情報伝達の効率化、災害時の避難運用も重要な評価対象になります。

主な利用企業・取引先

主な利用者は、モールへ買い物・飲食・映画・医療・行政サービスなどを目的に来館する地域住民です。

取引先には、モールへ出店する小売、飲食、サービス、映画館などの専門店企業、建設会社、清掃・警備・設備会社、ITベンダー、自治体などがあります。

専門店に対しては「イオンモールワークス」や「スタッフコネクト」を提供し、各種申請、教育、売上確認、体調チェック、情報配信などをデジタル化しています。[出典7・8]

事業による人間への貢献

大型ショッピングモールは、買い物だけでなく、飲食、医療、行政手続き、子育て支援、文化・イベント、防災拠点など複数の機能を一か所へ集めます。

例えば、食品、衣料、銀行、薬局、病院、映画館などを別々の場所へ移動して利用する場合、利用者は複数回の移動と駐車が必要になります。モールに集約されれば、同じ移動で複数の用事を済ませられ、移動時間や家族の負担を減らせます。

また、災害時には大規模駐車場や館内空間を避難場所・物資集積場所として活用できます。須坂市とイオンモール須坂の協定では、駐車場を避難場所や食料・生活物資の集積場所として提供し、市から要請された災害情報を被災者へ伝える仕組みが定められています。[出典11]

一方、2026年のイオンモール熊本事故では、災害拠点となるはずの商業施設で7人が死亡しました。したがって「防災拠点として使える施設」であるだけでは十分ではなく、揺れの後に誰がいつ建物へ戻れるのか、ガス・電気・構造安全を誰が確認し、解除判断を誰が行うのかまで実際に機能する必要があります。

Safety|34/50

イオンモールのSafetyでは、2025~2026年の賃上げ、平均残業14.2時間、有給62%、男性育休100%、充実した福利厚生、労働組合・内部通報制度を評価します。一方、男女賃金差は大きく、2026年のイオンモール熊本爆発事故では施設で働く専門店従業員7人が死亡しました。働く人と来館者を守る施設運営では、この事故を重大な弱点として評価します。

賃金・利益の還元|8/10

2026年2月期の提出会社平均年間給与は725万848円で、賞与と基準外賃金を含みます。[出典2]

2025年春季労使交渉では、イオンモール労働組合の正社員について総額2万5,027円・6.90%で妥結しました。このうち賃金体系維持原資は1万518円・2.90%、純粋な賃金引き上げ分は1万4,509円・4.00%です。パートタイマーは制度昇給込み時給93.5円・7.28%、純粋な引き上げ分80.8円・6.29%でした。[出典5]

さらに2026年春季生活闘争では、短時間・有期・契約等組合員1,677人について、時給89.70円・6.57%の引き上げ回答が確認できます。[出典6]

正社員だけでなく、時間給で働く人にも6%台の引き上げが続いていることは、モール運営の利益を広い雇用層へ返す動きです。

一方、2026年の正社員についてベースアップと定期昇給を分けた最新妥結値は、今回確認した公開資料では十分に確認できません。2025年は純粋な賃金引き上げ4%まで確認できるため8/10点です。2026年以降も正社員の純粋ベースアップ4%前後以上を継続し、職位・雇用区分別の中央値まで公開できれば10/10点を検討できます。

労働時間・休息|8/10

新卒採用ページでは、2024年度の月平均残業時間は14.2時間です。1か月20勤務日と単純換算すると1日約43分です。[出典3]

年間休日は125日で、休日115日に長期休日10日を加えます。きらきら休暇2日、有給休暇、看護・介護休暇もあります。2025年度の有給休暇取得率は62%、平均取得日数は10日です。[出典2・4]

有給取得率62%は、会社が設定するKPI60%を上回りましたが、付与された休暇の8割以上を使う企業と比べれば改善余地があります。

転職会議の投稿者集計では残業18.9時間/月、有給消化率54.9%です。Yahoo!しごとカタログでは残業14.6時間、有給44.4%と媒体差があります。会社公式の残業14.2時間、有休62%を採点の基礎にします。[出典15、情報ランクB]

平均残業が20時間を下回り、年間休日125日、有給取得率も60%を超えているため8/10点です。有給取得率80~90%以上、月60時間超の従業員比率0%に近い状態まで対象会社単体で公表できれば10/10点を検討できます。

雇用の安定・待遇の公平性|3/5

2025年度の自己都合離職率は4.8%です。2021年度3.9%からは上昇していますが、毎年新卒採用を継続し、2025年度は56人を採用しています。提出会社正社員数も2023年度1,869人から2025年度1,937人へ増加しています。[出典2]

女性管理職比率は2025年度23.6%で、2021年度19.4%から上昇しています。管理職4人に1人弱が女性の水準まで進んでいます。[出典2]

一方、男女賃金比率は全労働者50.3%、正規雇用69.2%、パート・有期99.5%です。会社は、転居転勤のない働き方や育児短時間勤務を女性が多く選択していること、管理職層に男性が多いことを主因として説明しています。全国転勤のある総合職だけに限定しても74.8%です。[出典2]

パート・有期ではほぼ同水準ですが、正規雇用では女性の平均賃金が男性の約7割です。女性管理職比率は上がっているものの、上位職・高賃金層への男女差がまだ大きいため3/5点です。女性管理職30%以上を達成し、正規雇用の男女賃金比率を90%以上へ近づけ、職位・勤続年数別の差も開示できれば4~5/5点を検討できます。

福利厚生・育児・介護|5/5

育児休職は子どもが満3歳になるまで取得可能で、育児勤務は中学校就学前まで利用できます。時間短縮か勤務日数の減少を選択でき、原則18時までの勤務、転居を伴う異動停止も可能です。[出典4]

主たる生計維持者が育児休職を取得する場合、6か月間は給与の80%を補償する「イクボス応援金」もあります。育児中に収入が大きく下がる不安を減らし、男性を含め休業を選びやすくする制度です。[出典4]

2021~2025年度の男性育児休業取得率は5年連続100%です。採用ページでは育児休業からの復職率も100%とされています。[出典2・3]

介護休職・介護勤務、看護休暇、子女教育手当、借上社宅、確定拠出年金、ウェルカムバック採用などもあります。制度だけでなく男性育休100%が継続しているため5/5点です。

人権・ハラスメント・労使関係|4/5

イオンモールにはイオンモール労働組合があり、2026年2月末の組合員数は3,215人です。労使関係は有価証券報告書で安定しているとされています。[出典2]

内部通報窓口「イオンモールホットライン」を設け、労働組合には「組合110番」もあります。通報者のプライバシーと不利益取扱い防止を定め、違反が確認された場合は必要な処置と再発防止策を策定し、コンプライアンス委員会・取締役会へ報告します。内部通報保護、人権、コンプライアンス研修も実施しています。[出典2]

労働組合と会社側の相談経路が別々に存在するため、直属上司へ言いにくい問題でも複数ルートから相談できます。

一方、対象会社単体のハラスメント相談件数、認定件数、是正件数、再発率は公開されていません。

労働組合、独立した相談経路、取締役会報告まで確認できるため4/5点です。相談・認定・是正件数、研修受講率、再発率を毎年公開できれば5/5点を検討できます。

労働安全・健康|4/10

イオンモールは健康経営を進め、健康診断、ストレスチェック、産業保健職の相談、長時間労働削減を実施しています。「サービス残業・長時間労働撲滅宣言」とハラスメント防止規則も掲げています。[出典9]

2023年度データではストレスチェック受検率98.8%、高ストレス者率16.6%、年間総実労働時間2,007時間、業務災害19件でした。年間総実労働時間の目標1,975時間以下、業務災害15件以下の目標はいずれも未達でした。[出典9]

ストレスチェック受検率は高い一方、高ストレス者率16.6%は当時示された業種平均16.6%と同水準で、会社目標15%以下も超えています。

2024年度以降の業務災害件数、休業災害、死亡労災、度数率・強度率の対象会社単体データは、今回確認した最新公開資料では十分に公開されていません。公開情報がない点は課題です。採点上も減点対象です。

健康支援の具体策と高いストレスチェック受検率は評価できますが、安全成果の最新値が不足しているため4/10点です。死亡・重大労災0、休業災害、度数率・強度率を毎年公開し、業務災害15件以下を複数年達成できれば6~8/10点を検討できます。

商品・サービスの安全|2/5

イオンモールは、地震、火災、テロを想定した訓練を警察・消防と連携して実施し、モールを地域の防災拠点として運営してきました。[出典10・11]

しかし2026年7月28日の熊本地震後、イオンモール熊本で大規模な爆発が発生し、専門店従業員7人が死亡、26人がけがをしました。[出典12・13]

会社は当初、安全確認が取れるまでは建物内へ入らないよう指示していたと説明していました。その後の聞き取りで、車の鍵や携帯電話の回収、レジ締めなどの要望を受け、一時的な再入館を認めていた事実を公表しました。亡くなった7人は避難後に施設内へ戻っていたとみられています。[出典13]

爆発原因については、LPガス配管の損傷によるガス漏えいの可能性が報じられていますが、2026年10月時点で警察・消防と事故調査委員会による最終原因の確定・再発防止策の検証は完了していません。[出典12・14]

多数の利用者・従業員が集まる施設で7人が死亡した事故は、施設安全における重大な問題です。一方、会社は再入館の事実を公表し、外部専門家を含む事故調査委員会を設置して原因とマニュアル運用を検証しています。

重大事故を自ら公表し改善手続きへ進んでいるため2/5点です。事故原因と責任範囲を明確化し、ガス・構造安全確認、再入館許可権限、全館避難解除基準を改訂し、全モールで訓練結果まで公開したうえで重大事故0を継続できれば3~5/5点を検討できます。

従業員・元従業員の口コミ

転職会議では口コミ1,350件、投稿者集計で残業18.9時間/月、有給消化率54.9%です。会社公式の2024年度残業14.2時間、2025年度有休62%よりやや悪い数値ですが、投稿者の所属・時期が異なるため補助情報として扱います。[出典15、情報ランクB]

2026年5月投稿の正社員口コミでは、「月に30時間以上だと上司が叱責されるためそれ以下になるよう業務割り振りがされる」と記されています。残業時間の上限を管理職が意識していることを示す一例です。[出典15、情報ランクB]

エンゲージ会社の評判では、現職正社員のオペレーション担当者に残業10時間、別のSC営業担当者に20時間、別のオペレーション担当者に30時間という投稿があり、部署・モールによる差が見られます。[出典16、情報ランクB]

一方、2022年頃の転職会議投稿では「慢性的な人員不足で昼休み取れない社員も多い」とする記述もありました。古い投稿であり現在の全社状態には置き換えませんが、モール・部署ごとの人員配置は引き続き確認が必要です。[出典15、情報ランクB]

SNS・匿名掲示板の確認結果

X、5ちゃんねる、爆サイ等について、社名に「残業」「人手不足」「パワハラ」「AI」「RPA」「人員削減」「熊本」「再入館」などを組み合わせて確認しました。

一般SNSではイオンモール熊本爆発事故への強い批判や疑問が多数ありますが、従業員本人による現行労働条件を採点変更できる形で確認できた投稿は限られました。

Yahoo!しごとカタログでは2026年8月、イオンモール専門店で働く販売パート従業員から、地震や火事などの有事時にも従業員が帰宅しにくいと感じる旨の投稿があります。情報ランクBであり、イオンモール株式会社の直接雇用社員ではなく専門店従業員の経験です。熊本事故後の投稿であり、災害時の専門店従業員への指示・権限設計を改善する必要性を示す補助情報として扱います。[出典17、情報ランクB]

Innovation|18/25

イオンモールのInnovationでは、専門店向け業務タブレット、スタッフアプリ、RPA、生成AI、デジタルサイネージなどを使い、申請、情報伝達、定型入力を減らす取り組みを評価します。一方、削減した人時が自社社員・専門店従業員の残業、有休、配置転換へ何時間返ったかという定量結果は不足しています。

作業負担・危険の削減|6/10

「イオンモールワークス」では、専門店従業員が各種申請、教育、売上確認、体調チェックなどを売場にいながら行えます。以前はモール事務所まで書類を持って移動していた手続きをタブレットで処理できるため、歩行・待ち時間・紙申請を減らします。[出典7]

専門店向け「スタッフコネクト」では、店長経由だった情報伝達を専門店従業員へ直接届け、入館手続きも効率化します。[出典8]

自社業務では、RPAを定型メール、システム入力、データ連携、数値チェック、データ加工へ展開し、生成AIの「AEON MALL ChatBot」も一部業務で利用しています。[出典8]

しかし、RPA1件あたり何時間削減したか、スタッフコネクトで入館手続きが何分短縮したか、生成AIで資料作成時間が何%減ったかという全社の定量実績は十分に公開されていません。

人が行っていた反復業務を具体的にデジタルへ移しているため6/10点です。導入前後で年間削減人時、移動時間、申請処理時間を公開し、30~50%以上の大幅削減を複数業務で確認できれば8~10/10点を検討できます。

商品・サービスの改善|5/5

イオンモールアプリはモール情報、クーポン、館内サービスなどを提供し、2026年10月にも大幅リニューアルを実施しています。デジタルサイネージではAIが季節、天候、気温、湿度、時間に応じて専門店の商品提案を行う仕組みも導入しています。[出典7]

災害時には大型サイネージを緊急情報へ切り替える仕組みもあり、平時の案内設備を有事の情報伝達へ使えます。

顧客接点、専門店支援、防災情報まで継続してデジタル改善しているため5/5点です。

改善成果の人間への還元|2/5

RPAやイオンモールワークスの目的は、単純業務を減らし、人を接客・企画・コミュニケーションなどへ重点配置することです。統合報告書でも「より創造的な仕事やコミュニケーションを必須とする業務に人的リソースを重点化する」としています。[出典8]

実際に会社公式の平均残業は2024年度14.2時間で、極端な長時間労働ではありません。2025年度には有休取得率も62%へ上昇しました。[出典2・3]

一方、DXによって年間何時間が削減され、その結果として残業が何時間減ったか、有休が何日増えたかという因果は公開されていません。AI・RPAの導入と賃上げの因果も公表されていません。

働きやすい結果とDXの両方はありますが、両者を直接結ぶ定量実績が不足しているため2/5点です。DX導入前後の同一業務で残業、有休、必要人数、配置転換、賃金を追跡し、人員削減ではなく休息・高付加価値業務へ還元された結果を示せれば3~5/5点を検討できます。

研究開発・現場改善の継続|5/5

イオンモールワークス、スタッフコネクト、RPA、生成AI、アプリ、AIサイネージなど、改善施策は複数年継続しています。2019年頃から専門店業務のデジタル化を進め、2024年度にはAIチャットボットを開発し、2026年もアプリ刷新を続けています。[出典7・8]

一度の実証で終わらず、専門店支援、自社事務、顧客接点を継続して改善しているため5/5点です。

自動化・AI導入後の雇用状況

イオンモールではRPA、生成AI、専門店業務のデジタル化など、自動化・省力化を継続しています。

提出会社の正社員数は2023年度1,869人、2024年度1,923人、2025年度1,937人で増加しています。2025年度も新卒56人を採用し、自己都合離職率は4.8%です。[出典2]

2026年10月には子会社OPAの吸収合併を発表しており、事業再編は進んでいますが、RPA・生成AIを理由とする大規模な希望退職、解雇、採用停止を直接示す公式発表や信頼できる報道は今回の調査では確認されていません。

求人、従業員口コミ、X、5ちゃんねる、爆サイも確認しましたが、RPA・AI導入後に「AIで仕事がなくなり解雇された」と因果関係を確認できる投稿本文は見つかっていません。

ただし、人員数が増えていることだけでは、AIで削減した仕事が必ず休息や再配置へ返ったとは証明できません。今後はRPA・生成AI導入部門ごとに、削減人時、配置転換、採用、契約更新、退職、残業の推移を公開する必要があります。

Protection|15/25

イオンモールのProtectionでは、自治体・専門店企業との災害協定、行政と連携した訓練、遠隔バックアップデータセンター、EDR・多要素認証などのサイバー対策を評価します。一方、2026年の熊本地震では、避難後の再入館を認めた後に爆発で7人が死亡しました。災害対策は「制度や訓練がある」段階から、「現場で安全解除判断が機能する」段階へ改善する必要があります。

災害への備え・訓練|2/5

会社は自然災害・事故に対応する規則を整備し、大規模地震やテロを想定した訓練を警察・消防等と連携して実施しています。全国のモールで自治体との防災協定も進めています。[出典10・11]

2023年にはイオングループ専門店企業9社と大規模災害時の協力協定を締結し、平時からシミュレーションを行い、災害後も現地スタッフが対応できる体制を作るとしています。[出典11]

しかし2026年のイオンモール熊本では、地震後に全員の避難を終えた後、一部従業員の再入館が認められ、その後の爆発で7人が死亡しました。[出典12・13]

防災規則・訓練・協定が存在しても、災害直後の再入館禁止が一貫して運用されなければ人命を守れません。

重大事故を公表し、事故調査委員会で運用を検証しているため0点にはせず2/5点です。全モールで「安全確認完了前は例外なく再入館禁止」「解除権限者の一本化」「ガス遮断・構造確認・情報伝達」の訓練を実施し、第三者検証で機能を確認できれば3~5/5点を検討できます。

生産・物流・調達の代替|3/5

イオンモールは国内162、海外40の計202モールを運営し、複数の地域・施設へ事業を分散しています。[出典1]

施設運営では、自治体、イオングループ、専門店、警備、設備、物流など複数の事業者と連携できます。災害時の専門店企業9社との協定も、飲食、書籍、ペット、自転車など異なる機能を組み合わせる仕組みです。[出典11]

一方、個別モールのガス・電力・設備会社が停止した場合の代替業者、施設閉鎖時のテナント営業代替、主要設備の切替時間などは対象会社単体で体系的に公開されていません。

事業拠点と協力先の分散を評価して3/5点です。主要設備・委託会社ごとの代替手段、切替時間、代替営業計画をモール単位で公開・訓練できれば4~5/5点を検討できます。

サイバー防衛・情報保護|4/5

イオンモールは、メインデータセンターに加えて遠隔地にバックアップデータセンターを待機稼働させています。メイン拠点に障害が起きた場合も復旧可能な体制を整えています。[出典10]

端末にはEDRと多要素認証を導入し、ネットワーク通信ログを収集し、外部記憶媒体の利用を制御しています。外部システム導入時のセキュリティチェック、最新パッチ適用、従業員教育、定期セキュリティチェックも行っています。[出典10]

一つのデータセンターやパスワードだけに依存せず、侵入検知、認証、ログ、バックアップを重ねている点は具体的です。

一方、対象会社単体のフィッシング訓練成功率、重大インシデント件数、第三者侵入テスト結果、RTO・RPOは公表されていません。

複数の具体的防御策と遠隔バックアップを評価して4/5点です。訓練結果、重大事故件数、復旧時間を毎年公開し、外部監査で有効性を確認できれば5/5点を検討できます。

供給継続・復旧能力|3/5

情報システムでは遠隔地バックアップデータセンターを待機稼働させ、主データセンター障害時も復旧可能な体制があります。[出典10]

商業施設は全国へ分散しており、一つのモールが休業しても会社全体の事業は継続できます。

一方、個別モールが地震・火災・爆発で停止した場合に「何時間・何日以内にどこまで営業再開するか」という施設別RTOは公表されていません。2026年のイオンモール熊本事故では施設自体が重大被害を受け、拠点単位の継続力に大きな課題が生じました。

情報システムの冗長化を評価し3/5点です。店舗・モール設備についても営業再開目標、代替拠点、テナント支援、実復旧時間を公表し、重大災害後に目標内で復旧できる実績を示せれば4~5/5点を検討できます。

危機時の市民への対応|3/5

イオンモールは自治体との協定を通じ、駐車場を避難場所・物資集積場所として提供し、災害情報を来館者や地域住民へ伝える仕組みを持っています。[出典11]

全国のモールでは消防訓練、防災教育、「全国防災キャラバン」なども行っています。

例えば大地震で避難場所が不足した場合、大規模駐車場を一時避難場所として使い、自治体の情報を大型サイネージなどで伝えられれば、住民が安全な場所と最新情報へ早くアクセスできます。

一方、2026年の熊本事故ではモール施設自体が危険な場所となり、従業員の再入館を防げませんでした。平時の防災拠点機能だけで危機時の安全性を高得点にはできません。

協定と防災拠点機能は実在するため3/5点です。熊本事故の再発防止を全国へ反映し、避難完了率、再入館ゼロ、物資・避難者受入数など実災害の成果まで公開できれば4~5/5点を検討できます。

良いニュース|最近の前向きな動き

最近の前向きな動きでは、Safetyで働く人への賃上げと休暇、InnovationでAI・RPAによる反復業務削減、Protectionでサイバー防御の多層化が進んでいます。イオンモールを利用することは、商業施設の売上やテナント事業を支えると同時に、専門店従業員の申請・情報確認をデジタル化し、育児や休息を確保しやすい運営へ需要を集めることにつながります。

2026年3月|短時間組合員の時給を平均89.70円・6.57%引き上げ(Safety)

連合の2026年春季生活闘争回答では、イオンモール労働組合の短時間・有期・契約等組合員1,677人について、時給平均89.70円・6.57%の引き上げが確認できます。[出典6]

例えば現行平均時給1,366円の場合、6.57%は約90円の上昇です。週20時間働けば月7,000円台、週30時間なら月1万円前後の収入増につながる規模です。

2025年にもパート時給93.5円・7.28%増で妥結しており、時間給労働者への高い賃上げが2年続いている点を評価できます。[出典5]

2025年度|男性育児休業100%を5年連続、有休取得率62%へ上昇(Safety)

男性育児休業取得率は2021~2025年度まで100%を継続しています。有給休暇取得率も2024年度52%から2025年度62%へ10ポイント上昇し、会社KPI60%を上回りました。[出典2]

男性が育児休業を取ることが例外ではなくなれば、出産後の育児負担を女性だけへ集中させにくくなります。さらに育児休業扶助金で6か月間80%の給与補償があれば、収入減を理由に休めない人を減らせます。[出典4]

2024~2026年|生成AI・RPA・スタッフアプリで定型業務を継続削減(Innovation)

イオンモールは、RPAで定形メール、入力、数値チェックなどを自動化し、2024年度には社内データを使うAIチャットボットを開発しました。専門店にはスタッフコネクトやイオンモールワークスを展開しています。[出典7・8]

従業員が同じデータを何度も転記したり、申請書を持って事務所へ往復したりする時間を減らせれば、その時間を接客、売場改善、安全確認へ使えます。

悪いニュース|問題となった動き

悪いニュースでは、SafetyとProtectionに直結するイオンモール熊本の7人死亡事故を最重要問題として扱います。事故が改善されなければ、防災協定やBCPを多数持っていても、地震後の施設内で働く人の生命を守れない危険が残ります。また、正規雇用の男女賃金差も大きく、女性が管理職・高賃金層へ進む機会の改善が必要です。

2026年7月|イオンモール熊本で爆発、専門店従業員7人死亡・26人負傷(Safety・Protection)

2026年7月28日の熊本地震後、イオンモール熊本で爆発が起きました。会社発表・報道では専門店従業員7人が死亡し、26人が地震・爆発の影響でけがをしました。[出典12・13]

地震発生後はいったん全員避難しましたが、その後、車の鍵や携帯電話の回収、レジ締めなどの要望を受け、会社側が一時的な再入館を認めていたことが明らかになりました。[出典13]

ガス漏えいの可能性が報じられていますが、事故原因と人的被害の発生経緯は2026年10月時点で調査中です。イオンは外部専門家を含む事故調査委員会を設置し、爆発原因、再入館の経緯、緊急時マニュアルの運用を検証しています。[出典12・14]

防災訓練を実施していても、「建物の安全が確認されるまで誰も戻さない」という運用が徹底されなければ、従業員の生命を守れません。最終報告後は、全モールへ再発防止策を水平展開し、訓練結果まで公開する必要があります。

2025年度|正規雇用の男女賃金比率69.2%(Safety)

2025年度の正規雇用労働者の男女賃金比率は69.2%です。女性管理職比率は23.6%まで上昇していますが、女性の平均賃金は男性の約7割です。[出典2]

会社は、転居転勤のない働き方や育児短時間勤務の利用者に女性が多いこと、管理職に男性が多いことを要因として説明しています。

全国転勤のある総合職だけに絞っても男女比率74.8%なので、勤務形態だけでは差の全てを説明できません。女性管理職を増やし、同じ職位・同じ職種・同じ勤続年数での賃金差を小さくすることが必要です。

総合評価と、これから改善してほしいこと

イオンモール株式会社は67点、シビックランクCです。次のBランクは70点からなので、あと3点必要です。

賃金、残業、育休、DX、サイバー防御は比較的強い一方、2026年の熊本事故が施設安全と災害対応の重大な弱点です。Bランクへ上がるには、熊本事故の再発防止を制度ではなく全モールの訓練・結果まで落とし込み、男女賃金差を縮め、DXで削減した時間を人へ返した結果を公開する必要があります。

熊本事故の再発防止を全モールで実地検証する|商品・サービスの安全 2/5 → 3/5、災害への備え・訓練 2/5 → 3/5

現在は施設安全2/5、災害への備え2/5です。最大の弱点は、避難後に一時再入館が認められ、その後の爆発で7人が死亡したことです。[出典12・13]

事故調査委員会の最終報告後、全モールで次を実施する必要があります。

・地震・爆発・ガス漏えい時は、安全確認完了前の再入館を例外なく禁止する
・再入館許可を出せる責任者と解除条件を一本化する
・ガス遮断、構造確認、専門店従業員への避難情報伝達を含む実地訓練を年1回以上行う
・訓練時の全館避難完了時間、再入館違反件数、安否確認率を公開する
・事故後の改善事項を第三者が検証する

これらを全モールへ反映し、訓練で実効性を確認できれば、商品・サービスの安全を2/5から3/5、災害への備えを2/5から3/5へ改善できます。合計+2点で69点・Cです。

参考企業は株式会社ミツウロコグループホールディングスです。Google Drive上の現行審査では総合84点・Aで、全社員向け安否確認訓練を複数年・年2回実施し、「災害への備え・訓練」4/5点です。事故がない企業を機械的に比較するのではなく、訓練頻度と結果を対象会社単体で公開している点が参考になります。[参考企業出典18]

正規雇用の男女賃金差を縮める|雇用の安定・待遇の公平性 3/5 → 4/5

現在、女性管理職比率は23.6%まで上昇していますが、正規雇用の男女賃金比率は69.2%です。[出典2]

女性管理職比率を30%以上へ高め、正規雇用の男女賃金比率を90%以上へ近づけ、職位・職種・勤続年数をそろえた比較も公開できれば3/5から4/5への引き上げを検討できます。改善幅は+1点で、他項目が同じなら68点・Cです。

参考企業は株式会社ミツウロコグループホールディングスです。現行審査では女性管理職比率47.4%、正規雇用の男女賃金比率91.5%で「雇用の安定・待遇の公平性」4/5点です。[参考企業出典18]

イオンモールは女性管理職比率がすでに2割を超えているため、上位職への登用をさらに増やし、同等職務での賃金差を小さくできれば改善余地は大きいです。

DXで削減した時間を残業・休暇へ直接返す|改善成果の人間への還元 2/5 → 4/5

現在はRPA、AIチャットボット、イオンモールワークス等を導入していますが、削減人時と残業・有休改善の因果は公表されていません。[出典7・8]

各DX施策について導入前後で処理時間を測定し、例えば年間業務時間30%以上削減、対象部署の残業20%以上削減、有休取得率80%以上、削減した人員を解雇せず企画・接客・安全管理へ再配置した人数まで公開できれば、改善成果の人間への還元を2/5から4/5へ引き上げる根拠になります。改善幅は+2点で、他項目が同じなら69点・Cです。

参考企業はキリンビバレッジ株式会社です。Drive上の現行審査では、最大約25kgの茶葉投入をロボット化し、物流自動化の共同実証で生産性42%向上、人員の別業務への再配置を確認でき、「改善成果の人間への還元」4/5点です。[参考企業出典19]

Bランクへ上がるための具体例

現在67点・Cランクで、Bランクの下限70点まであと3点です。

最優先は熊本事故の再発防止です。そのうえで男女賃金差を改善すれば、次のように70点へ到達できます。

改善項目現在改善後の目安加点
商品・サービスの安全2/53/5+1
災害への備え・訓練2/53/5+1
雇用の安定・待遇の公平性3/54/5+1
総合点67/10070/100+3
シビックランクCB

具体的には、事故調査委員会の最終報告を全モールの災害マニュアルへ反映し、安全確認前の再入館を例外なく禁止する訓練を年1回以上行い、避難完了時間・安否確認率・違反件数を公開します。同時に、女性管理職30%以上、正規雇用の男女賃金比率90%以上を実現します。

つまり、イオンモールがBランクへ上がるために最も重要なのは、「防災拠点を持っている」と説明することではなく、熊本事故の教訓によって災害時の再入館判断を確実に変え、人命を守れることを全国の訓練結果で証明することです。そのうえで、女性の昇進と賃金差を改善すれば、現在の賃金・育休・DXの強みをより公平で安全な企業運営へつなげられます。

出典

1.イオンモール株式会社「会社概要」2026年8月時点【情報ランクA】

2.イオンモール株式会社「2026年2月期 有価証券報告書」2026年5月19日【情報ランクA】

3.イオンモール株式会社「数字からみるAEONMALL」「新卒採用 募集要項」【情報ランクA】

4.イオンモール株式会社「福利厚生制度・育児介護制度」【情報ランクA】

5.UAゼンセン発表を基にした2025年イオンモール労働組合賃金妥結資料【情報ランクA】

6.日本労働組合総連合会「2026春季生活闘争 有期・短時間・契約等賃金 回答速報」2026年3月【情報ランクA】

7.イオンモール株式会社「DX推進」【情報ランクA】

8.イオンモール株式会社「統合報告書2024」RPA・スタッフコネクト・生成AI関連【情報ランクA】

9.イオンモール株式会社「ESGデータブック/健康と安全」【情報ランクA】

10.イオンモール株式会社「事業等のリスク」BCP・情報セキュリティ対策【情報ランクA】

11.イオンモール株式会社「大規模災害時における協力協定」「須坂市との災害協定」等【情報ランクA】

12.イオンモール株式会社「イオンモール熊本の爆発事故について」第1~7報 2026年7~9月【情報ランクA】

13.テレビ朝日「イオンモール熊本の爆発 7人死亡26人けが」「避難後の一時入館を認めた」2026年8月【情報ランクA】

14.Reuters・NHK等「イオンモール熊本爆発事故・事故調査委員会・ガス漏えい可能性」2026年7~8月【情報ランクA】

15.転職会議「イオンモール株式会社の社員口コミ」【情報ランクB】

16.エンゲージ会社の評判、Indeed「イオンモール株式会社の社員口コミ」【情報ランクB】

17.Yahoo!しごとカタログ「イオンモール株式会社・専門店従業員等の口コミ」【情報ランクB】

18.Google Drive現行記事「株式会社ミツウロコグループホールディングスを企業審査|シビックランクA・84点/100点」【参考企業】

19.Google Drive現行記事「キリンビバレッジ株式会社の企業審査|74点/100点・総合シビックランクB」【参考企業】

20.X、5ちゃんねる、爆サイ等の対象会社名・事故名による公開検索【情報ランクB】

シビックランクの基準

ランク点数
S90~100点
A80~89点
B70~79点
C60~69点
D50~59点
E40~49点
F20~39点
G0~19点

情報ランクの基準

情報ランク基準
S公的機関、裁判所、規制当局、独立した第三者機関の調査・監査・検証・認証など、内容そのものに独立した裏づけがある情報
A企業公式資料、採用情報、公式声明・SNS、または氏名・役職・立場が確認できる記名取材や公表発言など、発信主体を確認できる公表情報
B従業員・元従業員の口コミ、一般SNS、匿名掲示板など、発信者の身元や対象企業との関係を独立に確認しにくい情報

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