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イオンタウン株式会社を企業審査|シビックランクC・68点/100点|残業11.7時間・年休125日と年2回BCP訓練を評価、男女賃金差とDX効果の定量開示が課題

私たちは、企業の商品を購入したり、サービスを利用したりすることで、そこで働く人たちの未来を変えることができます。

働く人に十分な賃金を払い、休暇を確保し、安全な職場をつくり、人の負担を減らす企業の商品やサービスが選ばれれば、そうした企業により多くの売上が集まります。その結果、働く人を大切にする経営を続けやすくなります。

反対に、低賃金や長時間労働、安全上の問題を改善しない企業の商品やサービスが売れ続ければ、そうした働かせ方のままでも事業を続けることができます。

だからこの企業審査では、「私たちがお金を使うなら、どの企業を選ぶことが、そこで働く人にとってより良い社会につながるのか」という視点から企業を評価します。

なぜ企業を審査するのか?――このサイトの目的と、利用するメリット
https://tousikyousomirai.com/?p=3511

今回審査するイオンタウン株式会社は、総合68点、シビックランクCです。

イオンタウン株式会社の特に強い点は、2025年度の月平均残業11.7時間、平均有給取得12.7日、年間休日125日という働き方と、年2回の総合防災訓練、全国各地のショッピングセンターを活用した地域防災です。そのため、この企業のショッピングセンターを利用したり、出店する専門店を利用したりすれば、働く人の休息を確保しながら、平時は買い物や医療・交流の場、災害時は一時滞在や物資供給の拠点として地域を支える商業施設づくりにつながる可能性が高まります。

一方で、改善点として、最新の公式公開値で正規雇用労働者の男女賃金比率が57.7%にとどまることと、DXを推進しているものの「人の作業を年間何時間減らしたか」「効率化した利益を賃金や休日へどれだけ還元したか」という定量情報が不足していることが残ります。

この記事では、イオンタウン株式会社の強みと課題をさらに詳しく企業審査していきます。

目次

イオンタウン株式会社の企業審査結果

イオンタウン株式会社は、イオングループのディベロッパー事業を担い、地域密着型ショッピングセンターの開発・運営を行う企業です。2026年8月末時点で従業員730人、160SCを運営しています。2025年度の営業収益は697億8,000万円です。

2025年度の平均残業は11.7時間、平均有給取得12.7日、年間休日は125日です。2026年春闘ではイオンタウンユニオンの有期・短時間・契約等組合員320人について、平均時給1,397円に対し97.5円、6.98%の引き上げ回答を確認できます。

一方、最新の公式ページで確認できる男女賃金差の対象期間は2023年3月~2024年2月で、全労働者41.6%、正規雇用57.7%、非正規35.4%です。新しい年度の男女賃金差を確認できる公開情報が不足していること自体も課題です。

評価軸点数
Safety35/50
Innovation14/25
Protection19/25
総合点68/100
シビックランクC

評価時点:2026年10月8日

主な強み

・2025年度の月平均残業11.7時間
・2025年度の平均有給取得12.7日
・年間休日125日
・2026年春闘で有期・短時間・契約等の組合員の平均時給を97.5円、6.98%引き上げ
・過去3年間の新卒離職率11.1%
・定期健康診断受診率100%を継続
・4年連続で健康経営優良法人に認定
・労働組合との中央労使協議会、地区別労使懇談会を運用
・育児・介護以外の理由でも利用できる時短勤務制度
・4つのSCでイオンゆめみらい保育園を運営
・2025年に経営企画・DX本部を新設しDX推進を経営機能へ統合
・紙で分散していた厚さ10cm以上のSC運営基準書をデジタル化し、業務手順を一元化
・BCP基本計画を策定し、年2回の総合防災訓練を実施
・各SCで消防署と連携した防災訓練を継続
・2026年も大阪市住吉区、北方町などと災害時協定を締結
・2026年にCBRNE訓練やテロ対処訓練も実施
・160SCのネットワークを地域の買い物、医療、交流、防災拠点として活用

主な課題

・最新公開の男女賃金比率が全労働者41.6%、正規雇用57.7%と低い
・上記男女賃金差の対象期間が2023~2024年であり、2025~2026年の更新値が確認できない
・女性管理職比率の最新実績値が公式ページで分かりにくい
・男性育休について目標は50%以上だが、最新の実取得率の公開が不足
・会社単体の死亡労災、休業労災、度数率、転倒事故などの年次KPIが公開されていない
・ハラスメント相談件数、内部通報件数、是正率の対象会社単体開示が不足
・DX施策で削減した作業時間、残業、必要人員を定量公開していない
・DXで生まれた時間や利益を賃金、休日、教育へどう還元したかの因果KPIが不足
・BCP訓練は年2回確認できるが、訓練ごとの復旧時間、非常電源時間、安否確認率の公開が不足
・情報セキュリティ委員会と全従業員教育は確認できるが、MFA、EDR、SOC、バックアップ復元試験などの技術KPIが不足

事業内容と人間への貢献

イオンタウンは、地域住民が日常的に利用するショッピングセンターの開発・運営を行います。2026年8月末時点で全国160SCを運営しています。

基本情報

項目内容
会社名イオンタウン株式会社
英文名AEONTOWN Co., Ltd.
代表者代表取締役社長 加藤久誠
資本金1億円
本社千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目5番地1
従業員数730人、2026年8月末時点
運営SC数160SC、2026年8月末時点
営業収益697億8,000万円、2025年度
主な事業ショッピングセンターの開発・運営

主な事業内容

土地や地域の需要を調べ、食品スーパー、ドラッグストア、飲食、医療、サービス、教育などの専門店を集めたショッピングセンターを開発します。

開業後は、テナント管理、施設管理、防災、販促、イベント、改装、地域連携などを継続して行います。単なる不動産賃貸ではなく、地域の生活サービスを一か所へ集約し、施設全体を運営する仕事です。

主な利用者・取引先

利用者は地域住民です。専門店としてスーパーマーケット、ドラッグストア、飲食店、医療機関、フィットネス、教育施設などが入居します。

テナント企業側から見ると、イオンタウンが駐車場、共用部、防災、販促、施設保守などをまとめて担うことで、各専門店が自社の商品・サービス提供へ集中しやすくなります。

事業による人間への貢献

地域に食品、医療、薬局、飲食、運動、教育などがまとまった場所があれば、住民は複数の場所へ移動する負担を減らせます。

2026年3月に開業したイオンタウン東浦和では、複数科のクリニックモール、24時間フィットネス、調剤薬局併設ドラッグストアなどを配置し、「ウエルネス・ステーション」として買い物以外の生活機能も集約しています。

高齢者や子育て世帯にとって、買い物、通院、運動を同じ地域拠点で済ませられれば移動時間と身体負担を減らせます。災害時には駐車場や施設を一時滞在場所として使い、生活必需品や水道水を供給できるSCもあります。

Safety|35/50

Safetyでは、イオンタウン自身で働く人の賃金、労働時間、雇用、育児・介護、人権、健康・労災と、ショッピングセンター利用者の施設安全を評価しました。残業11.7時間、年休125日、有給12.7日、パート時給6.98%引き上げ、健康診断100%は強みです。一方、男女賃金差と労災KPI非公表が大きな課題です。

賃金・利益の還元|7/10

2026年春闘では、イオンタウンユニオンの有期・短時間・契約等組合員320人について、現行平均時給1,397円に対して97.5円、6.98%の引き上げ回答が確認できます。

パート・契約社員の賃金を約7%引き上げたことは、企業の成長や物価上昇への対応を働く人へ返す具体的な行動として評価できます。

一方、2026年の正社員ベースアップ額、正社員・パートそれぞれの賃金中央値、会社単体の平均年間給与の公開は十分ではありません。

さらに最新公式公開値では正規雇用の男女賃金比率が57.7%です。会社は賃金制度自体に性別差はないと説明していますが、職位や雇用区分の違いを含めた結果として大きな格差が残っています。

そのため7/10点です。正社員・短時間労働者の賃金中央値とベースアップ率を毎年公開し、正規雇用の男女賃金比率を85~90%以上へ改善できれば9/10点以上を検討できます。

労働時間・休息|8/10

2025年度の平均残業は月11.7時間、平均有給取得は12.7日です。年間休日は125日です。

月11.7時間なら、単純平均で1営業日あたり1時間未満の時間外労働です。年間休日125日に加えて平均12.7日の有給を取得できていることは、働く人が家族、睡眠、趣味、学習などに使える時間を確保するうえで強い材料です。

SC勤務ではシフト制で、GW、お盆、年末年始も営業する施設があります。口コミでも商業施設勤務者は暦通りに休めないという指摘があります。[情報ランクB]

そのため8/10点です。部署別・SC別残業、月45時間超の社員比率、有給取得率を公開し、繁忙期やSC勤務でも低残業を維持できていることを確認できれば10/10点を検討できます。

雇用の安定・待遇の公平性|2/5

2025年度の過去3年間新卒離職率は11.1%です。新卒採用者数は2023年8人、2024年10人、2025年9人と継続しています。

新卒の大多数が3年以内に残っている点は評価できます。

一方、最新公式公開の男女賃金比率は全労働者41.6%、正規雇用57.7%です。会社は非正規雇用の88%が女性であることなどを要因として説明していますが、結果として雇用区分・役職の偏りが大きい状態です。

女性管理職の目標は13.2%以上ですが、最新実績値を同じページで確認できません。

そのため2/5点です。正社員・非正規別の男女比、登用率、管理職比率、賃金差を毎年公開し、正規雇用の男女賃金比率を大きく改善できれば4/5点を検討できます。

福利厚生・育児・介護|4/5

社宅、企業年金、従業員買物割引、育児休職、介護休職などの制度があります。SC勤務・本社勤務とも年間休日125日です。

さらに4つのSCで「イオンゆめみらい保育園」を運営し、日曜・祝日も子どもを預けられる環境を整えています。イオンタウン社員だけでなく、専門店従業員も利用できます。

育児・介護以外の理由でも利用できる時短勤務制度もあり、家庭事情だけでなく個人の事情に合わせた働き方を支える点を評価します。

一方、男性育休取得率の最新実績、介護休職の利用人数、復職率は公開情報が不足しています。

そのため4/5点です。男女別育休取得・復職率、介護休職・看護休暇利用実績を毎年公開できれば5/5点を検討できます。

人権・ハラスメント・労使関係|4/5

全従業員へ人権研修、個人情報保護、情報セキュリティ教育を実施し、人権研修は専門店従業員にも広げています。

イオンタウンユニオンと労働協約を締結し、中央労使協議会に加えて2024年度から地区別労使懇談会を設け、現場の要求・要望を経営層へ伝える機会を増やしています。

労使対話と全従業員教育の仕組みを評価して4/5点です。

一方、会社単体のハラスメント相談件数、内部通報件数、認定・是正件数の年次公開はありません。匿名化した結果を公開できれば5/5点を検討できます。

労働安全・健康|6/10

定期健康診断は毎年受診率100%を維持し、全従業員へストレスチェックを実施しています。必要に応じて産業医面談を行い、2023年から4年連続で健康経営優良法人に認定されています。

安全衛生委員会も設置し、毎月産業医の指導を受けています。

一方、会社単体の死亡労災、休業労災、度数率・強度率、SC巡回や設備管理中の転倒・事故などの結果KPIは公表されていません。

そのため6/10点です。死亡・重篤・休業・軽微を区分した労災件数と度数率を公開し、重大労災ゼロと低下傾向を複数年確認できれば8/10点を検討できます。

商品・サービスの安全|4/5

イオンタウンは商品製造企業ではありませんが、多数の利用者が集まる商業施設の安全を管理する責任があります。

各SCでは地域消防署と連携し、専門店従業員が参加する防災訓練を定期的に実施しています。2026年にはイオンタウン木更津朝日でCBRNEを想定した特殊災害対応訓練、イオンタウン能代でテロ対処訓練も実施しました。

2026年8月時点で各SCのAED設置、防災協定、身障者用駐車場なども一覧で公開しています。

今回の調査で、イオンタウン株式会社自身に直接結び付く近年の大規模施設事故や重大行政処分は特定できませんでした。ただし、事故が見つからないことは事故ゼロを証明するものではありません。

そのため4/5点です。施設内事故、救急搬送、転倒、設備故障などを重大度別に年次公開できれば5/5点を検討できます。

従業員・元従業員の口コミ

転職会議では80件を超える口コミが掲載され、投稿者集計の残業時間は月16時間前後、有給消化率は約54%です。会社公式の2025年度残業11.7時間、有給取得12.7日とは集計方法・対象期間が異なるため、どちらか一方だけを実態とは扱いません。[情報ランクB]

2024年頃の正社員口コミでは、SC勤務の場合はGW、盆、年末年始も営業するため、暦通りの休みにならないという指摘があります。[情報ランクB]

Indeedでは2026年の口コミを含む7件で総合2.7、給与・福利厚生4.0、定着率・昇進2.0となっています。2026年の匿名投稿には教育体制や上司との情報共有への不満もあります。件数が少なく、正社員以外とみられる投稿も含むため、全社状態へ一般化しません。[情報ランクB]

SNS・匿名掲示板の確認結果

X、5ちゃんねる、爆サイについて、イオンタウン株式会社と「残業」「パワハラ」「事故」「退職」「人員削減」などを組み合わせて確認しました。

対象法人の社員・元社員であること、勤務時期、職種を確認でき、今回の点数を変更する有用な投稿本文は確認できませんでした。

SNS・匿名掲示板に問題投稿が見つからないことは、職場に問題がない証明ではありません。公式KPIと本文まで確認できる従業員口コミを優先しています。

Innovation|14/25

Innovationでは、SC開発・運営で人が行う事務、確認、情報検索、施設管理をデジタル化し、働く人の時間を減らしているかを評価しました。DX推進組織と業務マニュアルのデジタル化は具体的ですが、作業削減時間の定量結果が不足しているため高得点にはしていません。

作業負担・危険の削減|5/10

2023年から業務マニュアル化推進チームを設置し、Word、Excel、PowerPoint、PDFなど保存場所も形式もばらばらだった厚さ10cm以上の「SC運営基準書」をデジタルで一元管理しました。異動先ごとにローカルルールを探し直す負担や、古い手順書を参照するリスクを減らす改善です。

2024年にはDX推進部を新設し、2025年には経営企画・DX本部を新設して、DXを経営計画と一体で進める体制へ移行しました。

一方、マニュアル検索時間が何分から何分に減ったか、定型事務を年間何時間削減したか、SC1施設あたり何人分の工数を減らしたかは公表されていません。

そのため5/10点です。主要業務ごとの導入前後時間を測定し、年間数千時間規模の削減を公開できれば8~10/10点を検討できます。

商品・サービスの改善|4/5

イオンタウンアプリ、デジタルサイネージ、モバイルオーダー、混雑情報など、リアルとデジタルを組み合わせるサービスを進めています。

利用者が来店前に情報を確認したり、飲食店の商品を事前注文できれば、待ち時間や施設内を探す時間を減らせます。

さらに2026年の新規SCでは医療、運動、薬局などを組み合わせたウエルネス拠点を展開し、地域の生活サービスそのものを改善しています。

そのため4/5点です。待ち時間、アプリ利用率、モバイルオーダー処理時間、利用者満足度などを導入前後で公開できれば5/5点を検討できます。

改善成果の人間への還元|1/5

2025年度の平均残業11.7時間は良好ですが、DXや業務マニュアル一元化が残業を何時間減らした結果なのかという因果は公開されていません。

削減した業務時間を休息、賃上げ、教育、地域連携などへどれだけ振り分けたかも確認できません。

そのため1/5点です。DX導入前後の残業・作業時間を測定し、削減時間を休日増、人材育成、地域サービス改善へ還元した結果を示せれば3~5/5点を検討できます。

研究開発・現場改善の継続|4/5

2024年度にDX推進部、2025年度に経営企画・DX本部を設置し、DXを継続的な経営課題として扱っています。

単発プロジェクトではなく、組織としてDXを継続している点を評価します。

一方、DX投資額、年間削減時間、デジタルサービス利用率、改善提案件数などを同じ指標で年次比較できる公開情報は不足しています。

そのため4/5点です。共通KPIを設定し、複数年で改善効果を公開できれば5/5点を検討できます。

自動化・AI導入後の雇用状況

イオンタウンはDXと生産性向上を人材戦略の一部として掲げていますが、DXを理由とした大規模希望退職、採用停止、一斉契約終了を裏づける公開情報は今回の調査で確認できませんでした。

従業員数は2025年5月726人、2026年8月730人で大きく変化していません。採用も継続しています。

一方、DXによって配置転換した人数、減らした定型業務、再教育した人数は公表されていません。

今後、DX前後の職種別人数、離職、配置転換、採用を公開できれば、「人を減らすDX」ではなく「人の作業を減らすDX」であることをより明確に評価できます。

Protection|19/25

Protectionでは、大地震、火災、豪雨、テロ、物流途絶、サイバー障害が起きても、SCを地域拠点として維持・復旧できるかを評価しました。年2回の全社総合防災訓練、各SCでの定期訓練、自治体との災害協定は非常に強いです。一方、復旧時間とサイバー防衛の技術KPIが不足しています。

災害への備え・訓練|5/5

イオンタウンは「BCP基本計画書」を策定し、店舗営業の維持・早期復旧と地域支援を目的に、年2回の総合防災訓練を実施しています。

さらに各SCでは消防署と連携し、専門店従業員が参加する防災訓練を定期的に実施しています。

2026年にはCBRNE特殊災害対応訓練やテロ対処訓練も実施しており、地震・火災だけでなく複数の危機を想定しています。

計画だけでなく年2回の全社訓練と施設単位の訓練を継続しているため5/5点です。

生産・物流・調達の代替|3/5

イオンタウンは全国160SCを運営し、イオングループの小売・物流・施設管理企業と連携できるネットワークがあります。

一つのSCが利用できなくなった場合、近隣のイオングループ店舗や別SCが地域の買い物機能を補う余地があります。

一方、重要設備や施設管理業務について、代替業者、非常用発電時間、資材在庫、拠点間応援人数などを横断的に公開していません。

そのため3/5点です。各地域で代替施設・代替業者・非常電源を事前設定し、切替時間を訓練で測定できれば4~5/5点を検討できます。

サイバー防衛・情報保護|3/5

ITガバナンス委員会と情報セキュリティ委員会を設置し、各種台帳整備、従業員教育、イオングループ基準への遵守状況改善を進めています。個人情報保護、SNS、情報セキュリティ教育は全従業員が受講します。

今回の調査では、イオンタウン株式会社に直接結びつく2025~2026年の重大な個人情報漏洩を確認できませんでした。

一方、MFA、EDR、SOC監視、バックアップ隔離、復元訓練、重大インシデント件数、RTO・RPOの対象会社単体KPIは公開されていません。

そのため3/5点です。技術対策と復元訓練を年次公開し、重大インシデントゼロを第三者検証できれば4~5/5点を検討できます。

供給継続・復旧能力|4/5

BCPでは、被災店舗の早期営業再開、非被災店舗の営業継続を明確に目的としています。年2回の総合防災訓練によって継続的に対応力を確認しています。

ショッピングセンターは食品スーパー、ドラッグストア、飲食、医療など複数の機能を持つため、災害後に施設を早く開けることは地域住民の生活再建に直結します。

一方、停電後何時間で共用部を復旧するか、主要設備・ITのRTO、実災害での平均復旧時間は横断的に公開されていません。

そのため4/5点です。SCごとのRTOを設定し、訓練と実災害で達成結果を公開できれば5/5点を検討できます。

危機時の市民への対応|4/5

2026年4月には大阪市住吉区と連携協定を締結し、大規模災害時にSCの駐車場・施設を一時滞在場所として提供し、食料品、日用品、水道水、トイレなどを提供する仕組みを整えました。

2026年7月には児玉郡市広域市町村圏組合とも大規模災害時の施設・設備の一時使用協定を締結しています。

施設を避難・滞在場所として使えることは、地震などで自宅へ戻れない人が屋外に留まり続ける負担を減らします。

一方、全SC横断で何人を収容できるか、何日分の水・物資を供給できるかという総量は公開されていません。

そのため4/5点です。協定締結SCの受入可能人数、備蓄量、訓練実績を年次公開できれば5/5点を検討できます。

良いニュース・最近の前向きな動き

最近の前向きな動きでは、低い残業と十分な休日、非正規雇用への大幅賃上げ、防災訓練の継続、地域の医療・防災機能を組み込んだSC開発を評価します。これらはSafetyとProtectionの両方に関係します。

2026年 パート等の平均時給を6.98%引き上げ

2026年春闘では、有期・短時間・契約等の組合員320人について、平均時給1,397円から97.5円、6.98%の引き上げ回答がありました。

非正規・短時間労働者は商業施設運営を支える重要な人材です。正社員だけでなく短時間労働者の賃金を大きく引き上げたことは、人への還元として評価できます。

2026年も年2回BCP訓練と施設単位の防災訓練を継続

会社は年2回の総合防災訓練を制度化しています。2026年にはCBRNE訓練、テロ対処訓練、自治体との災害協定なども継続しました。

災害時にSCを「開けられるか」「避難場所として使えるか」は、地域住民に直接影響します。

ウエルネス拠点型SCを拡大

イオンタウン東浦和では、クリニックモール、調剤薬局、フィットネスなどを一体配置しました。

ショッピングセンターを買い物だけの場所ではなく、通院、運動、交流まで含む生活拠点にすることで、特に高齢者や子育て世帯の移動負担を減らせます。

悪いニュース・改善が必要な点

今回の調査では、近年のイオンタウン株式会社単体に直接結びつく大規模な死亡事故、重大行政処分、重大個人情報漏洩は特定できませんでした。

一方、企業審査では「問題報道がない」ことより、働く人と利用者の安全を結果数字で示しているかを重視します。現在の最大の課題は男女賃金差と、DX・労災・サイバー・BCPの結果KPI不足です。

正規雇用の男女賃金比率57.7%

公式ページの最新公開値では正規雇用労働者の男女賃金比率は57.7%です。日給月給社員だけでは68.4%、時間給社員では95.9%と説明されています。

制度上の賃金表に性差がなくても、女性が低い役職・短時間雇用へ偏っていれば、実際に受け取る賃金には大きな差が生じます。

2025~2026年の最新値を公開し、管理職登用と正規雇用の男女差を改善する必要があります。

DXの削減時間が公開されていない

DX推進部や経営企画・DX本部を設置し、紙のマニュアル一元化などを進めていますが、導入前後で何時間減ったかが公開されていません。

技術導入を評価するためには「DXを進めた」ではなく、「人が月何時間楽になったか」を示す必要があります。

労災とサイバーの結果KPIが不足

健康診断100%、安全衛生委員会、情報セキュリティ委員会などの体制は強い一方、死亡・休業労災、度数率、重大サイバー事故、復元試験結果などは公開されていません。

制度や研修の存在から一歩進み、実際に事故・障害が何件起き、何時間で復旧したかまで公開する必要があります。

総合評価と、これから改善してほしいこと

イオンタウン株式会社は68点・シビックランクCです。次のBランクは70点からなので、あと2点必要です。

低残業、125日の休日、非正規への賃上げ、年2回のBCP訓練は高く評価できます。一方、男女賃金差とDXの効果測定は、同規模企業として改善余地があります。

男女賃金差を最新値で公開し改善してほしい|雇用の安定・待遇の公平性 2→3/5

現在は2/5点です。

正規雇用の男女賃金比率57.7%という最新公開値は大きな差です。しかも対象期間が2023~2024年で、現在の改善状況を確認できません。

毎年の男女賃金比率、女性管理職比率、昇進率を公開し、正規雇用の男女賃金比率をまず70~80%以上へ改善してほしいです。

これが確認できれば2→3/5点、+1点で総合69点を想定します。

参考企業はイオン東北株式会社です。当サイト現行審査では女性管理職比率46.7%を公開しています。事業形態は異なりますが、女性が管理職へ進む割合を明確な数字で示している点が参考になります。

DXで削減した作業時間を公開してほしい|作業負担・危険の削減 5→6/10

現在は5/10点です。

厚さ10cm以上のSC運営基準書を一元化し、DX推進組織を強化した点は評価できます。しかし、人が資料を探す時間、申請・確認作業、SC巡回業務などを年間何時間削減したかは公開されていません。

主要業務ごとに導入前後の処理時間を測定し、削減した時間を残業削減、休日、教育、地域連携へどう使ったかまで公開してほしいです。

これが確認できれば5→6/10点、+1点となり、68点+1点+1点=70点でシビックランクBに到達します。

参考企業として、当サイトで高いInnovation評価を付けているウイングアーク1st株式会社は、導入先で月815時間の業務削減など具体的な時間削減を示しています。イオンタウンも同じように「導入」ではなく「削減時間」を公開することが参考になります。

次のBランクへ上がるための具体例

現在68点・Cで、Bは70点からです。あと2点必要です。

・正規雇用の男女賃金比率と女性管理職比率を毎年公開し、男女差を改善する。「雇用の安定・待遇の公平性」2→3/5、+1点。

・DX施策について、マニュアル検索、申請、施設管理などの年間削減時間を公開し、人への還元を示す。「作業負担・危険の削減」5→6/10、+1点。

68点+1点+1点=70点となり、シビックランクBに到達します。

イオンタウンは、働く時間と防災の仕組みについてはすでに高い水準にあります。次に必要なのは、女性の待遇改善とDXの成果を数字で示し、「制度がある企業」から「結果まで証明できる企業」へ進むことです。

出典一覧

No.出典情報ランク
1イオンタウン株式会社「概要・沿革」A
2イオンタウン株式会社 採用サイト「イオンタウンを知る」A
3連合「2026春季生活闘争 有期・短時間・契約等賃金 回答速報」S
4イオンタウン株式会社「女性活躍推進法 一般事業主行動計画・男女賃金差」A
5イオンタウン株式会社「地域社会への取り組み」A
6イオンタウン株式会社「従業員への取り組み」A
7イオンタウン株式会社「コーポレートガバナンス」A
8イオンタウン株式会社「サステナビリティ」A
9イオンタウン株式会社 会社案内A
10イオン株式会社 有価証券報告書 2026年2月期S
11イオンタウン株式会社「次世代育成支援対策推進法 一般事業主行動計画」A
12転職会議「イオンタウン株式会社 社員口コミ」B
13イオンタウン株式会社「キャリア採用 募集要項」A
14イオングループ労働組合連合会「加盟組合一覧」A
15イオンタウン株式会社「タウンニュース・防災訓練・災害協定」A
16イオンタウン株式会社「各ショッピングセンターの詳細データ」A
17Indeed「イオンタウン株式会社 社員クチコミ」B
18i-ShareDX導入事例「イオンタウン株式会社 SC運営基準書のデジタル化」A
19イオンタウン株式会社 2024年機構改革・DX推進部新設A
20イオンタウン株式会社 2025年機構改革A
21イオンタウン株式会社 デジタルサービス関連資料A
22イオンタウン株式会社 会社概要 2025年・2026年従業員数A
23大阪市住吉区「災害時の連携協定」S
24Google Drive上の当サイト既存企業審査「イオン東北株式会社」「ウイングアーク1st株式会社」比較用内部資料

シビックランクの基準

シビックランク点数
S90~100点
A80~89点
B70~79点
C60~69点
D50~59点
E40~49点
F20~39点
G0~19点

イオンタウン株式会社は68点のため、今回の評価はシビックランクCです。

情報ランクの基準

情報ランク基準
S公的機関、裁判所、規制当局、独立した第三者機関の調査・監査・検証・認証など、内容そのものに独立した裏づけがある情報
A企業公式資料、採用情報、公式声明・SNS、または氏名・役職・立場が確認できる記名取材や公表発言など、発信主体を確認できる公表情報
B従業員・元従業員の口コミ、一般SNS、匿名掲示板など、発信者の身元や対象企業との関係を独立に確認しにくい情報

情報ランクは企業そのものの良し悪しではなく、個々の情報の出どころと検証状態を示します。Sは独立した裏づけがある情報として最上位です。AとBは単純な上下関係ではなく、残業、休憩、ハラスメント、配置転換などの実態ではBの従業員情報が公式資料を補う場合があります。

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