私たちは、企業の商品を購入したり、サービスを利用したりすることで、そこで働く人たちの未来を変えることができます。
働く人に十分な賃金を払い、休暇を確保し、安全な職場をつくり、人の負担を減らす企業の商品やサービスが選ばれれば、そうした企業により多くの売上が集まります。その結果、働く人を大切にする経営を続けやすくなります。
反対に、低賃金や長時間労働、安全上の問題を改善しない企業の商品やサービスが売れ続ければ、そうした働かせ方のままでも事業を続けることができます。
だからこの企業審査では、「私たちがお金を使うなら、どの企業を選ぶことが、そこで働く人にとってより良い社会につながるのか」という視点から企業を評価します。
なぜ企業を審査するのか?――このサイトの目的と、利用するメリット
今回審査する株式会社ミツウロコビバレッジは、総合56点、シビックランクDです。
株式会社ミツウロコビバレッジの特に強い点は、山中湖・鳴沢・岐阜養老の3工場でミネラルウォーターを製造し、製造工程の自動化、ISO22000・JFS-Bによる食品安全管理、PFAS検査の継続公開、自治体との災害時給水協定まで組み合わせていることです。利用者がこの会社の飲料水を購入することは、安全性を検査した水を平時に供給し、災害時にも地域へ飲料水を届ける生産基盤を支えることにつながります。
一方で、改善点として2026年の製造職求人で月平均時間外労働40時間、別の岐阜養老工場求人では月平均45時間程度とされていること、半数程度が夜勤となる交替勤務があること、法人単体の死亡・休業労災件数や度数率・強度率が公表されていないことが残ります。
この記事では、株式会社ミツウロコビバレッジの強みと課題をさらに詳しく企業審査していきます。
株式会社ミツウロコビバレッジの企業審査結果
ミツウロコビバレッジは、富士山周辺と岐阜・養老地域の天然水を製造・販売する清涼飲料水メーカーです。
本社は東京都中央区にあり、鳴沢工場、山中湖工場、岐阜養老工場の3工場を運営しています。公式会社概要では従業員65人、Gビズインフォでは社会保険被保険者64人、2026年のハローワーク求人では企業全体79人とされており、資料の基準時点によって人数に差があります。この記事では会社公式の65人を基本情報として扱います。
| 評価軸 | 得点 | 主な評価 |
|---|---|---|
| Safety | 20/50 | 年休120日、食品安全認証、毎日の検査を評価。月残業40~45時間、交替夜勤、労災KPI非公表が課題 |
| Innovation | 18/25 | ブロー成形からパレタイザまでの自動化、全自動充填を評価。省力化が残業削減へ返った結果は不足 |
| Protection | 18/25 | 3工場、自治体との給水協定、グループのサイバー対策を評価。法人単体のBCP訓練・復旧KPIが不足 |
| 総合 | 56/100 | シビックランクD |
主な強み
・山中湖、鳴沢、岐阜養老の3工場を保有
・山中湖工場ではブロー成形から倉庫パレタイザまでオートメーション化
・鳴沢工場はISO22000を取得
・岐阜養老工場はJFS-B規格適合証明を取得
・製品検査、官能検査、微生物検査を毎日実施
・外部機関による水質検査を継続
・2026年5月のPFAS検査結果を3工場分公開
・2025年11月の岐阜養老工場ではPFOS・PFOA合算5ng/L未満
・年間休日120日の製造求人を確認
・育児休業取得実績あり
・退職金、確定拠出年金、住宅関連制度等を確認
・鳴沢村、山中湖村、海津市などで災害時飲料水供給の協定・地域防災計画への組み込みを確認
・グループ全体で年1回のサイバー教育と標的型攻撃メール訓練を実施
主な課題
・2026年の山中湖工場製造求人で月平均残業40時間
・岐阜養老工場の2026年求人では月平均残業45時間程度
・4勤2休の2交替制で半数程度が夜勤となる求人がある
・一部勤務では固定残業3時間を含む条件がある
・会社全体の平均給与・賃金中央値が公表されていない
・女性管理職比率、男女賃金差が公表されていない
・労働組合なしとするハローワーク情報がある
・法人単体の死亡事故、休業労災、度数率、強度率が公表されていない
・自動化によって残業、夜勤人数、重量物作業が何%減ったか公表されていない
・法人単体のBCP訓練回数、非常電源、工場切替時間が公表されていない
・法人単体のサイバー事故件数・復旧時間が公表されていない
事業内容と人間への貢献
ミツウロコビバレッジは、天然水を採水し、ろ過・殺菌・充填・検査して全国へ出荷する会社です。
現在は山中湖、鳴沢、岐阜養老の3工場を運営しています。子会社である静岡ミツウロコフーズまで含めるとグループの飲料生産は5工場体制で、2025年の庵原工場新ライン追加により年間約4,000万ケースから5,000万ケース規模へ拡大するとされています。
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社ミツウロコビバレッジ |
| 設立 | 2015年1月 |
| 本社 | 東京都中央区京橋三丁目1番1号 |
| 代表取締役社長 | 大森 基靖 |
| 資本金 | 1,000万円 |
| 従業員数 | 65人(会社公式) |
| 株主 | 株式会社ミツウロコフーズ 100% |
| 工場 | 鳴沢工場、山中湖工場、岐阜養老工場 |
| 主な事業 | ナチュラルミネラルウォーター等の製造・販売 |
情報ランク:S・A。
主な事業内容
山中湖工場では地下100mから採水し、ろ過後に120℃まで加熱殺菌します。その後、ペットボトルのブロー成形から自動充填までを行い、製品検査、官能検査、微生物検査を毎日実施しています。
鳴沢工場では地下100mの井戸から採水し、3段階のミクロフィルターでろ過・除菌した後、全自動充填機でウォーターサーバー用の商品等を製造します。ロット検査に合格した製品のみ出荷しています。
事業による人間への貢献
飲料水を工場で大量に製造することで、家庭や職場が自分で水を採取・殺菌・検査する必要がなくなります。
特にミネラルウォーターは、災害で水道が停止した場合にも保存・運搬できる飲料水として利用できます。
例えば鳴沢村で地震や風水害が起き、避難所で飲料水が不足した場合、村からの要請を受けてミツウロコビバレッジが飲料水、ウォーターサーバー等を供給する協定が2025年に締結されています。
Safety 20/50
Safetyでは、工場で働く人が十分に休み、安全に働けるかと、製造する飲料水を利用者が安全に飲めるかを確認しました。
商品安全は非常に強い一方、働く人については40~45時間程度の残業、交替夜勤、労災結果非公表があり、Safety全体では厳しい評価となりました。
賃金・利益の還元:4/10
2026年の山中湖工場製造求人では月給19万7,000~26万6,000円、生産技術者では22万1,000~32万1,000円が提示されています。
岐阜養老工場の求人では月給31万7,000~43万1,000円とする募集も確認できます。ただし職種・経験が異なるため、会社全体の賃金水準とは扱いません。
会社全体の平均給与、中央値、工場別平均給与、毎年のベースアップ率は公開情報がありません。
求人として具体的な給与水準は確認できますが、会社の利益が65~79人規模の従業員へどこまで賃金として返っているかを判断する情報が不足するため4/10点です。
6/10点を検討するには、職種別の平均・中央値、毎年の賃上げ率、賞与の平均支給月数等を公表し、物価上昇を上回る賃金改善を確認できる必要があります。
情報ランク:S・B。
労働時間・休息:2/10
2026年の山中湖工場求人は年間休日120日です。
一方、4勤2休の2交替制で、6時50分~16時05分と18時50分~翌4時05分のシフトが示されています。求人票には「半数は夜勤シフト」とあり、月平均時間外労働は40時間です。
岐阜養老工場の2026年求人では残業月平均45時間程度とされています。
月40時間なら単純平均で週約9時間、年間約480時間の時間外労働に相当します。さらに交替夜勤が加わるため、勤務後の睡眠・家族との時間を確保する負担は小さくありません。
年間休日120日は評価できますが、現在確認できる製造求人で40~45時間の残業が示されているため2/10点です。
4/10点を検討するには月平均残業30時間以下、6/10点には20時間以下、8/10点には15時間以下などへ改善し、全社実績として公開する必要があります。
情報ランク:S・B。
雇用の安定・待遇の公平性:2/5
公式会社概要では従業員65人、Gビズインフォでは社会保険被保険者64人、2026年ハローワークでは企業全体79人とされています。
2026年にも製造、生産技術の正社員求人が出ており、採用活動は続いています。
一方、女性管理職比率、正規・非正規別人数、男女賃金差、離職率、平均勤続年数、正社員登用率などは公表されていません。
ハローワークでは労働組合なしとされています。組合がないこと自体を減点するものではありませんが、賃金・勤務時間について従業員側の交渉結果を外部から確認できる情報もありません。
正社員採用の継続を評価する一方、公平性を判断する結果情報が不足するため2/5点です。
情報ランク:S・A。
福利厚生・育児・介護:3/5
2026年求人では、社会保険、退職金制度、確定拠出年金、住宅関連制度、グループ団体保険、勤続表彰などが確認できます。
育児休業取得実績もあり、職業紹介求人では育休後復帰率100%とされています。
一方、男性・女性別育休取得率、平均取得日数、介護休業利用人数、会社全体の復職率について公式な年次データは公表されていません。
制度と利用実績は確認できるため3/5点です。
4~5点を検討するには、男女別育休取得率、取得日数、復職率、介護制度利用実績を法人単体で公開する必要があります。
情報ランク:B。
人権・ハラスメント・労使関係:3/5
ミツウロコグループでは企業倫理憲章、コンプライアンス規程、内部通報制度を整備しています。
2026年1月にはグループ共通の内部通報運用規程を再整備し、人事、内部監査室、外部法律事務所等を通報先としています。通報者保護と公平な処分審議の仕組みも設けています。
また、国内グループ会社の役職員を対象にハラスメント、人権、労働法、ITコンプライアンスなどの研修を継続しています。
一方、ミツウロコビバレッジ単体のハラスメント相談件数、認定件数、是正件数、研修受講率は公表されていません。
グループ制度が対象会社へ及ぶ点を評価し3/5点です。
情報ランク:A。
労働安全・健康:0/10
ミネラルウォーター工場では、充填設備、コンベヤ、パレタイザ、フォークリフト、重量物、清掃・メンテナンスなどの安全管理が必要です。
2026年求人でも、設備操作、資材供給、点検、清掃、フォークリフトによる入出荷が仕事内容に含まれています。
しかし、株式会社ミツウロコビバレッジ単体の死亡事故、休業災害件数、度数率、強度率について公開情報がありません。
月40~45時間程度の残業と夜勤がある職場では、設備作業中の集中力低下も重要なリスクです。安全制度の存在だけではなく、実際に事故が何件発生したかを確認する必要があります。
重要な結果情報が公開されていない点は課題であり、採点上も減点対象です。そのため0/10点です。
2~4点を検討するには、死亡事故、休業災害、設備・フォークリフト事故、度数率、強度率を毎年公開する必要があります。
6点以上には重大事故0と事故率低下を複数年確認できることが必要です。
商品・サービスの安全:5/5
商品安全は同社の最大の強みです。
鳴沢工場ではISO22000を取得しています。岐阜養老工場ではJFS-B規格適合証明を取得しています。
山中湖工場では製品検査、官能検査、微生物検査を毎日行い、定期的に外部機関へ水質検査を依頼しています。鳴沢工場でもロット検査に合格した製品だけを出荷します。
さらに2026年5月には山中湖、鳴沢、岐阜養老の3工場についてPFAS検査結果を公開しています。
2025年11月の岐阜養老工場の検査では、PFOS・PFOA合算が0.000005mg/L未満、すなわち5ng/L未満でした。
今回2024~2026年を中心に自主回収、重大健康被害、行政処分等を追加検索しましたが、対象法人へ直接帰属する大規模な健康被害付き回収は具体的に確認できませんでした。ただし、検索で確認できなかったことを事故ゼロの証明とは扱いません。
認証、毎日の検査、外部検査、PFAS継続公開を総合し5/5点です。
情報ランク:S・A。
従業員・元従業員の口コミ
Yahoo!しごとカタログには7件程度の社員口コミが掲載されています。
2019年頃に製造職で勤務したという元社員からは、採用時に想定した仕事に加え、人手不足から倉庫間の運搬を担当し、
「作業負担が大きかった」
という趣旨の投稿があります。
2020年頃の退職者からは、体調を崩した際の職場対応について否定的な体験談も投稿されています。
いずれも数年前の少数の個人体験で、現在の工場全体へそのまま一般化できません。
一方、現在の求人でも月40~45時間程度の残業が確認できるため、作業負担については古い口コミだけの問題として切り離さず、最新の労働時間と合わせて今後も確認する必要があります。
情報ランク:B。
SNS・匿名掲示板の確認結果
X、5ちゃんねる、爆サイなどについて、社名と「残業」「夜勤」「退職」「労災」「工場」「自動化」などを組み合わせて確認しました。
今回の公開検索では、対象法人の現在の従業員・元従業員であることを確認でき、採点を変更できる具体的な投稿は確認できませんでした。
そのためSNS・匿名掲示板による加点・減点は行いません。
Safety小計:20/50点
Innovation 18/25
Innovationでは、飲料水の大量生産で人が行う反復作業、重量物作業、衛生管理をどこまで機械へ移し、利用者と従業員へ成果を返しているかを確認しました。
生産設備そのものの自動化は高く評価できます。一方、自動化しているにもかかわらず現在の製造求人で40~45時間程度の残業が確認できるため、「技術の成果が働く人の自由時間へ返っているか」には大きな課題があります。
作業負担・危険の削減:8/10
2026年の製造求人では、山中湖工場について、
「ブロー成型機~倉庫パレタイザまでオートメーション化」
された環境と説明されています。
ペットボトル成形、充填、搬送、積み付けまでを機械化することで、人が一本ずつ容器を扱ったり、重量のある飲料ケースを積み続けたりする作業を減らせます。
鳴沢工場でも全自動充填機を導入しています。
求人では会社自身が「さらに省力化を進めている工場」と説明しており、自動化を継続する姿勢も確認できます。
人が担当していた大量の反復作業を設備へ移している点は非常に具体的であるため8/10点です。
10/10点を検討するには、自動化前後の重量物取扱回数、歩行距離、設備作業時間、労災、必要人員等まで測定し、身体負担が大幅に減ったことを数字で確認する必要があります。
情報ランク:S・A。
商品・サービスの改善:4/5
山中湖、鳴沢、岐阜養老という異なる水源から製品を製造し、ウォーターサーバー用BIB、ペットボトルなど複数形態の商品を供給しています。
PFAS検査、放射性物質検査、水質検査も継続しています。
宅配水用BIBは使い切り型で、回収式ガロンボトルのように空容器を回収・再保管する必要がないという特徴があります。
安全性、容器、配送方法を継続して改善しているため4/5点です。
5/5点を検討するには、利用者の苦情減少、容器廃棄量削減、品質事故率など改善成果まで定量公開する必要があります。
改善成果の人間への還元:1/5
製造工程はかなり自動化されています。
しかし、2026年の山中湖工場求人では月平均残業40時間、岐阜養老工場では45時間程度とされています。
つまり、設備が人の作業を代替していることは確認できても、その結果として「人が早く帰れるようになった」という状態までは確認できません。
自動化した結果、必要人数が何人から何人へ減ったのか、重量物作業が何%減ったのか、残業が過去より何時間減ったのか、雇用を維持したまま保全・品質管理等へ何人配置転換したのかは公表されていません。
技術を導入した事実と、人間へ成果を返した結果を分けて評価し1/5点です。
3/5点を検討するには、自動化を使って月平均残業を20時間以下へ減らし、危険・重量作業の削減や雇用を維持した配置転換を確認できる必要があります。
情報ランク:S・A。
研究開発・現場改善の継続:5/5
前身企業では2004年に全自動充填設備を導入し、2008年にISO22000、2010年に山中湖ペットボトル工場を稼働しました。
その後も岐阜養老工場の事業拡大、食品安全規格取得、省力化設備への更新を続けています。
20年以上にわたって製造設備と品質管理を更新しているため5/5点です。
自動化・AI導入後の雇用状況
製造工程が大きく自動化されているため、雇用への影響も確認しました。
会社公式の従業員数は65人、Gビズインフォでは社会保険被保険者64人です。一方、2026年のハローワーク求人では企業全体79人とされ、現在も増員目的の正社員求人が出ています。
今回確認した公式資料、公的求人、口コミ、SNS等では、自動化を理由とした大規模解雇、希望退職、採用停止を示す公開情報は確認できませんでした。
むしろ現在も製造・生産技術で増員募集を行っています。
一方、自動化導入前後の従業員数、契約更新、配置転換、退職者数を比較できる情報はありません。
そのため、自動化後も採用が続いていることは確認できますが、自動化が個々の職種の雇用へ与えた影響までは断定できません。
Innovation小計:18/25点
Protection 18/25
Protectionでは、地震、豪雨、停電、設備故障、サイバー攻撃などが起きても、安全な飲料水を作り続け、地域へ届けられるかを確認しました。
3工場の分散配置と複数自治体との給水協定は強い材料です。また、親会社グループのサイバー対策も対象会社へ適用されています。
一方、工場停止を想定した実地訓練や工場間切替時間、実災害での復旧時間は十分に公開されていません。
災害への備え・訓練:3/5
2025年7月29日、鳴沢村と災害時の飲料水等供給協定を締結しました。
地震や風水害等で飲料水が必要になった場合、村の要請を受けてミネラルウォーター等を供給します。
山中湖村の地域防災計画にも、ミツウロコビバレッジとの「災害時における飲料水の供給に関する協定書」が掲載されています。
岐阜県海津市でも2016年から災害時の飲料水供給協定があり、2026年の自治体協定一覧にも掲載されています。
複数の生産地域で自治体との協定が現在も確認できることは強みです。
一方、工場停止、停電、断水等を想定したミツウロコビバレッジ単体のBCP訓練回数、参加率、課題改善結果は公表されていません。
そのため3/5点です。
4~5点を検討するには、工場停止と給水要請を組み合わせた年次実地訓練を行い、切替時間や出荷時間まで公開する必要があります。
情報ランク:S・A。
生産・物流・調達の代替:4/5
同社は山梨県の山中湖・鳴沢と岐阜県の養老という離れた3工場を持っています。
一地域だけに工場を集中させる企業より、地震、豪雨、停電などで一つの工場が停止した場合に別地域の生産能力を利用できる余地があります。
さらに子会社の静岡ミツウロコフーズには静岡市内に2工場があり、グループ飲料事業としては5工場体制です。
一方、山中湖製品を岐阜養老で何%代替できるのか、ボトル・キャップ等の複数調達率、物流会社の代替、緊急在庫日数は公表されていません。
複数の物理拠点を評価して4/5点です。
5/5点を検討するには、各工場間の代替可能製品・数量、主要資材の複数調達率、切替訓練結果まで確認できる必要があります。
情報ランク:A。
サイバー防衛・情報保護:3/5
ミツウロコグループでは、フーズ事業を含む各事業についてグループ全体の情報セキュリティガバナンスを構築しています。
契約社員・協力会社を含むグループ役職員へ年1回のeラーニングを実施し、抜き打ちの標的型攻撃メール訓練も行っています。
また、グループ会社のセキュリティ対策状況を確認し、一定基準以上のセキュリティツール・運用を求めています。
ミツウロコビバレッジはグループ会社としてこの統制対象に含まれます。
一方、同社単体のMFA、EDR、工場制御系ネットワーク分離、バックアップ、重大サイバー事故、復旧時間は公表されていません。
グループ制度を評価し3/5点です。
4~5点を検討するには、対象法人での技術対策、訓練参加率、復旧訓練、重大事故件数等を公開する必要があります。
情報ランク:A。
供給継続・復旧能力:3/5
3工場を持つことで物理的な分散は確保されています。
また、山中湖工場は生産ラインが広範囲に自動化されており、生産能力を維持する設備基盤があります。
一方、工場が停電・故障した際の非常電源稼働時間、目標復旧時間、代替生産への切替時間、実際に停止した設備を何時間で戻したかという結果は公表されていません。
そのため3/5点です。
4~5点を検討するには、工場・設備別のRTO、非常電源、緊急資材、切替訓練と実復旧時間を公開する必要があります。
危機時の市民への対応:5/5
鳴沢村、山中湖村、海津市で災害時飲料水供給の協定が現在確認できます。
特に飲料水メーカーでは、通常の商品を災害時にそのまま救援物資として使えます。
例えば断水によって避難者一人あたり1日3リットルの水が必要になった際、山中湖村の防災計画にはミツウロコビバレッジとの飲料水供給協定が組み込まれており、自治体の応急給水手段を補完できます。
複数の工場所在地で正式な災害協定が維持され、企業の本業そのものを地域救援へ使えるため5/5点です。
情報ランク:S・A。
Protection小計:18/25点
良いニュース・最近の前向きな動き
最近のミツウロコビバレッジでは、PFAS検査の継続と災害時の飲料水供給体制強化が進んでいます。
飲料水メーカーにとって、「普段安全に飲める」ことと「災害時にも水を届けられる」ことは同じ生産設備から生まれる価値です。
2025年7月 鳴沢村と災害時飲料水供給協定を締結(Protection)
2025年7月29日、鳴沢村と「災害時における飲料水等の供給に関する協定書」を締結しました。
災害時に村から要請があった場合、飲料水、ウォーターサーバー、その他調達可能な物資を提供します。
鳴沢工場で普段から水を製造しているため、地域に生産設備が存在すること自体を災害対応へ利用できます。
2026年5月 3工場のPFAS検査結果を継続公開(Safety)
2026年5月、山中湖工場、鳴沢工場、岐阜養老工場についてPFAS検査結果を公開しました。
新しい規制や利用者の不安に対し、一度だけ検査するのではなく複数工場の水を継続確認している点を評価できます。
飲料水を購入する利用者は、採水地のイメージだけでなく、実際の検査結果を基に安全性を確認できます。
2026年も製造設備の省力化を継続(Innovation)
2026年の求人では、山中湖工場についてブロー成形から倉庫パレタイザまでオートメーション化されており、さらに省力化を進めていると説明されています。
人が飲料ケースを繰り返し持ち運ぶ作業を設備へ移す方向は、身体負担と人手不足の両方を解決する可能性があります。
今後の評価では、この省力化が実際に月40時間の残業削減へつながるかを確認します。
悪いニュース・問題となった動き
現在最も明確な問題は、最新の製造求人で高い時間外労働が示されていることです。
設備の自動化が進んでいても、働く人の残業が長ければ、「技術によって人を楽にした」という評価にはできません。
2026年 山中湖工場の製造求人で月平均残業40時間(Safety・Innovation)
2026年4月のハローワーク求人では、山中湖工場の製造職について月平均時間外労働40時間とされています。
勤務は4勤2休の2交替制で、半数程度が夜勤シフトとされています。
年間休日120日は確保されていますが、夜勤と長い残業が同時に続けば、休日を疲労回復だけに使う人が増える可能性があります。
2026年 岐阜養老工場求人で月平均残業45時間程度(Safety)
2026年8月掲載の岐阜養老工場の製造求人でも、残業は月平均45時間程度とされています。
山中湖工場だけの一時的な数字ではなく、別工場でも高い残業水準が求人上確認できることは重要です。
月45時間は、労働時間管理で一つの重要な境目として扱われる水準でもあります。
設備投資や増員によって、まず20時間以下、最終的には15時間以下へ下げていくことが必要です。
現在の労災結果を確認できない(Safety)
設備操作、清掃、フォークリフト、交替夜勤がある一方で、死亡・休業労災件数、度数率、強度率を法人単体で確認できません。
事故が多いと判断したものではありません。
安全に働けているのかを外部から判断するための結果情報がないこと自体が現在の課題です。
総合評価と、これから改善してほしいこと
現在56点・シビックランクDです。次のCランクは60点からなので、あと4点必要です。
ミツウロコビバレッジは、飲料の品質管理、自動化、複数工場、災害時給水という事業面では強い会社です。
一方、企業審査で最も重視する「その技術や売上が働く人へどう返ったか」という点では、月40~45時間程度の残業が大きな弱点です。
自動化を使って残業を20時間以下へ減らす:労働時間・休息 2→6/10
現在の「労働時間・休息」は2/10点です。
年間休日120日はありますが、現在の製造求人では月平均残業40~45時間程度です。
まず、生産計画、設備停止時間、要員配置、夜勤時の作業量を分析し、自動化設備への追加投資と増員を組み合わせて月平均残業20時間以下を実現する必要があります。
同時に、全社・工場別の平均残業、月45時間超・60時間超の人数比率、有休取得率を公開します。
月20時間以下を継続して確認できれば2→6/10点を検討できます。
現在:2/10点
改善後:6/10点
加点:+4点
総合:56→60点
ランク:D→C
改善すれば、夜勤明けや休日を疲労回復だけに使う状態を減らし、家族、睡眠、趣味などに使える時間を増やせます。
参考企業は株式会社三井住友銀行です。Google Drive上の現行審査では月平均法定外労働13.3時間、有休取得率95.5%、平均19.1日取得を確認し、「労働時間・休息」は10/10点です。
労災KPIを法人単体で公開する:労働安全・健康 0→4/10
現在の「労働安全・健康」は0/10点です。
製造設備、フォークリフト、設備清掃、夜勤などがある一方、死亡・休業災害件数、度数率、強度率が公表されていません。
各工場について、死亡事故、休業災害、設備巻き込まれ、転倒、フォークリフト、腰痛などを毎年集計します。
死亡・重大事故0を維持し、休業災害件数・度数率を低い水準へ抑えた結果を確認できれば4/10点を検討できます。
現在:0/10点
改善後:4/10点
加点:+4点
総合:56→60点
ランク:D→C
参考企業は株式会社セブン&アイ・ホールディングスです。Google Drive上の現行審査では、持株会社単体の度数率・強度率が2020~2024年度の5年間0.00で、「労働安全・健康」は10/10点です。
自動化の成果を人の時間へ返す:改善成果の人間への還元 1→3/5
現在の「改善成果の人間への還元」は1/5点です。
ブロー成形からパレタイザまで広範囲を自動化していますが、残業は40~45時間程度です。
設備導入前後で必要人数、重量物取扱回数、設備監視時間、残業、夜勤人数、配置転換を測定し、自動化の成果を明確にします。
例えば、雇用を維持しながら現在の残業を20時間以下へ半減させ、危険・重量作業も30%以上減少したことが確認できれば3/5点を検討できます。
現在:1/5点
改善後:3/5点
加点:+2点
総合:56→58点
ランク:Dのまま
参考企業はキリンビバレッジ株式会社です。Google Drive上の現行審査では、最大約25kgの茶葉を扱う工程をロボット化し、物流自動化では生産性42%向上と人員の検品業務等への再配置まで確認でき、「改善成果の人間への還元」は4/5点です。
BCP訓練で3工場を実際の代替網にする:災害への備え・訓練 3→4/5
現在の「災害への備え・訓練」は3/5点です。
鳴沢村、山中湖村、海津市との飲料水供給体制は具体的ですが、自社工場停止を想定した切替訓練結果は公開されていません。
地震、停電、断水、道路寸断等を想定し、一つの工場が止まった際に別工場で何をどれだけ製造できるのか、自治体から要請を受けて何時間以内に何本を出荷できるのかを訓練します。
年1~2回以上の実地訓練と切替時間を公開できれば4/5点を検討できます。
現在:3/5点
改善後:4/5点
加点:+1点
総合:56→57点
ランク:Dのまま
参考企業は株式会社セブン&アイ・ホールディングスです。Drive上の現行審査では2024年度にBCP関連訓練・演習9回を実施し、「災害への備え・訓練」は5/5点です。
次のランクへ上がるための具体例
現在56点・シビックランクDです。Cランクは60点からなので、あと4点必要です。
最も直接的なのは労働時間改善です。
現在40~45時間程度となっている製造職の月平均残業を、自動化と増員によって20時間以下へ下げます。
さらに会社全体・工場別の残業実績、有休取得率、月45時間超・60時間超の人数を公開し、改善が一時的ではないことを示します。
これが確認できれば、「労働時間・休息」を2→6点、+4点と評価できます。
56+4=60点となり、シビックランクDからCへ上がります。
別の方法として、死亡・休業労災、度数率、強度率を法人単体で公開し、重大事故0と低い事故率を実現できれば、「労働安全・健康」を0→4点、+4点として同じく60点へ到達できます。
理想はこの二つを同時に進めることです。
そうすれば、
現在56点
+ 労働時間・休息4点
+ 労働安全・健康4点
=64点
となり、Cランクの中でもさらに高い水準になります。
つまり、ミツウロコビバレッジが次のランクへ上がるために必要なのは、さらに多くの製造設備を自動化することだけではありません。
すでに導入した自動化技術を使って、「人が早く帰れるようになった」「夜勤の負担が減った」「けがをする人が減った」という結果へ変えることです。
安全な水を作る技術はすでに強みがあります。次は、その水を作る人自身の時間と安全を同じ水準で守れるかが評価を左右します。
現時点の総合評価は56点/100点、シビックランクDです。
出典一覧
1.株式会社ミツウロコビバレッジ「会社概要」【情報ランクA】
2.株式会社ミツウロコビバレッジ「沿革」【情報ランクA】
3.株式会社ミツウロコビバレッジ「製品・天然水製造工程」【情報ランクA】
4.株式会社ミツウロコビバレッジ「2026年PFAS検査結果」【情報ランクA・S】
5.株式会社ミツウロコビバレッジ「2026年水質検査結果」【情報ランクA・S】
6.株式会社ミツウロコビバレッジ「ISO22000・JFS-B関連情報」【情報ランクA・S】
7.Gビズインフォ「株式会社ミツウロコビバレッジ 法人番号3200001031260」【情報ランクS】
8.ハローワーク「株式会社ミツウロコビバレッジ 山中湖工場 製造職求人」2026年【情報ランクS】
9.ハローワーク「株式会社ミツウロコビバレッジ 生産技術求人」2026年【情報ランクS】
10.Indeed・職業紹介求人「株式会社ミツウロコビバレッジ 岐阜養老工場」2026年【情報ランクB】
11.鳴沢村「災害時における飲料水等の供給に関する協定」2025年【情報ランクS】
12.山中湖村「地域防災計画」ミツウロコビバレッジとの飲料水供給協定【情報ランクS】
13.海津市「災害応援に関する協定一覧」【情報ランクS】
14.株式会社ミツウロコグループホールディングス「サイバーセキュリティ」【情報ランクA】
15.株式会社ミツウロコグループホールディングス「コンプライアンス」【情報ランクA】
16.株式会社ミツウロコグループホールディングス「人財育成」【情報ランクA】
17.株式会社ミツウロコグループホールディングス「ミツウロコビバレッジ環境推進室インタビュー」【情報ランクA】
18.Yahoo!しごとカタログ「株式会社ミツウロコビバレッジ 社員口コミ」【情報ランクB】
19.Google Drive「株式会社三井住友銀行を企業審査」現行版【参考企業】
20.Google Drive「株式会社セブン&アイ・ホールディングスを企業審査」現行版【参考企業】
21.Google Drive「キリンビバレッジ株式会社の企業審査」現行版【参考企業】
シビックランクの基準
| ランク | 点数 |
|---|---|
| S | 90~100点 |
| A | 80~89点 |
| B | 70~79点 |
| C | 60~69点 |
| D | 50~59点 |
| E | 40~49点 |
| F | 20~39点 |
| G | 0~19点 |
情報ランクの基準
| 情報ランク | 基準 |
|---|---|
| S | 公的機関、裁判所、規制当局、独立した第三者機関の調査・監査・検証・認証など、内容そのものに独立した裏づけがある情報 |
| A | 企業公式資料、採用情報、公式声明・SNS、または氏名・役職・立場が確認できる公表情報 |
| B | 従業員・元従業員の口コミ、一般SNS、匿名掲示板など、発信者の身元や対象企業との関係を独立に確認しにくい情報 |
情報ランクは企業そのものの良し悪しではなく、個々の情報の出どころと検証状態を示します。
